JP5106048B2 - パーフルオロアルキル基を有するベンゼン類の製造方法 - Google Patents
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Description
アニリン類のベンゼン環を直接パーフルオロアルキル化する方法としては、例えば、特許文献10および非特許文献2に、ヨウ化パーフルオロアルキルまたは臭化トリフルオロメチルを、亜鉛−二酸化イオウまたは亜ジチオン酸ナトリウムの存在下で、アニリン類からパーフルオロアニリン類を製造する方法が開示されている。いずれの試薬も有毒であり、工業的規模では使用し難い。
非特許文献8には、ヨウ化トリフルオロメチルを無水トリフルオロ酢酸中で過酸化水素により酸化し、さらにトリフルオロメタンスルホン酸とベンゼンを反応させて得られるトリフルオロメタンスルホン酸(トリフルオロメチル)フェニルヨードニウムを用い、ベンゼン類より、対応するトリフルオロメチルベンゼン類が製造されることが記載されている。しかしながら、反応試剤の製造が煩雑であり、工業的には使用し難い。
非特許文献9には、トリフルオロ酢酸と二フッ化キセノンからなる反応試剤を用いたアニリン類等のベンゼン環のトリフルオロメチル化が開示されている。しかしながら、二フッ化キセノンは、原料となるキセノンが高価であり、また水に不安定なため、工業的規模で用いるには不適当である。
特許文献11には、ベンゼン類とヨウ化パーフルオロアルキルを、ジ−tert−ブチルパーオキシドと反応させることにより、パーフルオロアルキルベンゼン類を得る方法が開示されている。しかし、爆発性の高いジ−tert−ブチルパーオキシドを用いるため、工業的規模では使用し難い。
また、有機導電材料となる1,3,5−トリアルキルベンゼン類のビス(パーフルオロアルキル)化物については、これまでに報告がない。
また、本発明は、下記一般式(5)
R1aおよびR1bにおいて、炭素数1から12のアルキル基としては、具体的には、メチル基、ブチル基、ドデシル基等が例示できる。R1aおよびR1bで示される置換されていてもよいフェニル基としては、具体的には、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基等が例示できる。R1aおよびR1bは、収率が良い点でメチル基、ブチル基、フェニル基が望ましく、メチル基がさらに望ましい。
Yで表される炭素数1から4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基等が例示できる。また、これらのアルキル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、具体的には、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、ジフルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基等が例示できる。
Yで表されるハロゲン原子としては、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が例示できる。
Yで表される炭素数1から4のアルキル基で1個または2個置換されていても良いアミノ基としては、具体的には、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ブチルメチルアミノ基等が例示できる。
R3で表される炭素数1から4のアルキル基としては、R2の説明に記載のアルキル基を例示することができる。有機導電材料として有用な点で、メチル基が望ましい。
R4で表される炭素数1から4のアルキル基としては、R2の説明に記載のアルキル基を例示することができる。有機導電材料として有用な点で、メチル基が望ましい。
本反応は、「一般式(1)で表わされるスルホキシド類(以下において、「スルホキシド類(1)」と称す)」をそのまま溶媒として用いてもよい。また、これらのスルホキシド類に対する「一般式(1)で表わされるベンゼン類(以下において、「ベンゼン類(3)」と称す)」、過酸化物、鉄化合物、「一般式(2)で表わされるハロゲン化パーフルオロアルキル類(以下において、「ハロゲン化パーフルオロアルキル類(2)」と称す)」および酸の溶解度に応じて他の溶媒を用いてもよい。用いることのできる溶媒は例えば、水、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸、トリフルオロ酢酸、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、1,4−ジオキサン、tert−ブチルアルコール、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、トリフルオロエタノール、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素またはN,N’−ジメチルプロピレン尿素等を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いても良い。収率が良い点で、水、スルホキシド類(1)または水とスルホキシド類(1)の混合溶媒を用いることが望ましい。
ベンゼン類(3)とスルホキシド類(1)とのモル比は、1:1から1:200が望ましく、収率が良い点で1:10から1:100がさらに望ましい。
過酸化水素は、水で希釈して用いてもよい。その際の濃度は、3から70重量%であればよいが、市販の35重量%過酸化水素をそのまま用いてもよい。収率が良くかつ安全な点で、10から30重量%過酸化水素水を用いることがさらに望ましい。
ベンゼン類(3)と過酸化物のモル比は、1:0.1から1:10が望ましく、収率が良い点で1:1.5から1:3が望ましい。
ベンゼン類(3)と鉄化合物のモル比は、1:0.01から1:10が望ましく、収率が良い点で、1:0.1から1:1がさらに望ましい。
反応温度は、0℃から120℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で20℃以上が望ましく、過酸化物の分解を抑制する点で100℃以下が望ましい。また、本反応は発熱反応であるため、反応のスケールにもよるが、室温で反応を開始しても、自発的に系内の温度は40℃程度から70℃程度に上昇する。この温度範囲でも、目的物を収率良く得ることができる。
反応を密閉系で行う場合、大気圧(0.1MPa)から1.0MPaの範囲から適宜選ばれた圧力で行うことができるが、大気圧でも反応は充分に進行する。また、反応の際の雰囲気は、アルゴン、窒素等の不活性ガスでも良いが、空気中でも充分に進行する。
これらの酸は、希釈して用いても良い。その際の溶媒は上記の溶媒であれば良く、中でも水またはスルホキシド類が望ましい。希釈して用いる場合の酸の濃度は、0.1から10mol/Lが望ましく、0.5から5mol/Lがさらに望ましい。
ベンゼン類(3)と酸のモル比は、1:0.001から1:5が望ましく、収率が良い点で、1:0.01から1:2がさらに望ましい。
反応後の溶液から目的物を単離する方法に特に限定はないが、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
1H−NMR(重クロロホルム):δ7.74(m,5H).
13C−NMR(重クロロホルム):δ124.3(q,JCF=266.4Hz),125.3(q,JCF=3.0Hz),128.8,130.8(q,JCF=31.5Hz),131.8.
19F−NMR(重クロロホルム):δ−63.1.
MS(m/z):146[M]+
2−トリフルオロメチルアニリン
19F−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ−63.0.
MS(m/z):161[M]+
4−トリフルオロメチルアニリン
19F−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ−61.3.
MS(m/z):161[M]+
2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン
19F−NMR(重クロロホルム):δ−62.0,−63.7.
MS(m/z):229[M]+
アルゴンで置換した二口フラスコに、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド2.67mL、硫酸の1Nジメチルスルホキシド溶液2.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)、30%過酸化水素水0.2mLおよび1.0mol/L硫酸鉄(II)水溶液1.0mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率15%)、4−トリフルオロメチルアニリン(生成率7.2%)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(生成率2.1%)の生成を確認した。
アルゴンで置換した二口フラスコに、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド4.67mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)、30%過酸化水素水0.2mLおよび1.0mol/L硫酸鉄(II)水溶液1.0mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率22%)、4−トリフルオロメチルアニリン(生成率13%)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(生成率0.9%)の生成を確認した。
二口フラスコにフェロセン0.056g(0.3mmol)を量り取り、容器内をアルゴンで置換した。さらに、アルゴン気流中で、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド2.67mL、硫酸の1Nジメチルスルホキシド溶液2.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)および30%過酸化水素水0.2mLを加えて密閉し、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率9.0%)、4−トリフルオロメチルアニリン(生成率4.4%)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(生成率2.3%)の生成を確認した。
二口フラスコにフェロセン0.18g(1.0mmol)を量り取り、容器内をアルゴンで置換した。さらに、アルゴン気流中で、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド2.67mL、硫酸の1Nジメチルスルホキシド溶液2.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)および30%過酸化水素水0.2mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率5.1%)および4−トリフルオロメチルアニリン(生成率3.0%)の生成を確認した。
二口フラスコにビス(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)鉄0.33g(1.0mmol)を量り取り、容器内をアルゴンで置換した。さらに、アルゴン気流中で、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド2.67mL、硫酸の1Nジメチルスルホキシド溶液2.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)および30%過酸化水素水0.2mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率19%)、4−トリフルオロメチルアニリン(生成率8.6%)、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(生成率2.5%)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(生成率1.3%)の生成を確認した。
アルゴンで置換した二口フラスコに、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド2.67mL、塩酸の1Nジメチルスルホキシド溶液2.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)、30%過酸化水素水0.2mLおよび1.0mol/L塩化鉄(II)水溶液1.0mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率5.2%)、4−トリフルオロメチルアニリン(生成率2.6%)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリンの生成を確認した。
アルゴンで置換した二口フラスコに、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド2.67mL、酢酸の1Nジメチルスルホキシド溶液2.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)、30%過酸化水素水0.2mLおよび1.0mol/L酢酸鉄(II)水溶液1.0mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率3.0%)、4−トリフルオロメチルアニリン(生成率1.3%)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリンの生成を確認した。
アルゴンで置換した二口フラスコに、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド2.67mL、テトラフルオロホウ酸の1Nジメチルスルホキシド溶液2.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)、30%過酸化水素水0.2mLおよび1.0mol/Lテトラフルオロホウ酸鉄(II)水溶液1.0mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率8.2%)、4−トリフルオロメチルアニリン(生成率2.9%)、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(生成率8.5%)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(生成率4.3%)の生成を確認した。
アルゴンで置換した二口フラスコに、アニリン90μL、ジメチルスルホキシド4.67mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液0.33mL([アニリン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:1)、30%過酸化水素水0.2mLおよび1.0mol/Lテトラフルオロホウ酸鉄(II)水溶液0.3mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。19F−NMRにより、2−トリフルオロメチルアニリン(生成率24%)、4−トリフルオロメチルアニリン(生成率12%)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(生成率1.8%)の生成を確認した。
2−メチル−4−トリフルオロメチルアニリン
19F−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ−61.1.
MS(m/z):175[M]+
2−メトキシ−4−トリフルオロメチルアニリン
19F−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ−61.1.
MS(m/z):191[M]+
2−クロロ−4−トリフルオロメチルアニリン
19F−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ−61.6.
MS(m/z):194[M−H]+,196[M+H]+
2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン
19F−NMR(重クロロホルム):δ−62.0,−63.7.
MS(m/z):229[M]+
N,N−ジメチル−2−トリフルオロメチルアニリン
19F−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ−60.6.
MS(m/z):188[M−H]+
1,3,5−トリメチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン
1H−NMR(重クロロホルム):δ2.53(m,9H),6.97(s,1H).
13C−NMR(重クロロホルム):δ17.2(heptet,JCF=4.4Hz),21.9(q,JCF=4.9Hz),125.6(q,JCF=276.4Hz),127.8(q,JCF=28.4Hz),134.5,138.7(heptet,JCF=1.9Hz),140.1.
19F−NMR(重クロロホルム):δ−53.2(m).
MS(m/z):256[M]+
1,3,5−トリメチル−2−トリフルオロメチルベンゼン
1H−NMR(重クロロホルム):δ2.27(s,3H),2.42(q,JHF=3.4Hz,6H),6.87(s,2H).
13C−NMR(重クロロホルム):δ20.8,21.3(q,JCF=4.0Hz),124.8(q,JCF=28.0Hz),126.2(q,JCF=275.7Hz),130.8,137.3(q,JCF=2.0Hz),140.9.
19F−NMR(重クロロホルム):δ−54.0(m).
MS(m/z):188[M]+
アルゴンで置換した二口フラスコに、メシチレン140μL、ジメチルスルホキシド4.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液1.0mL([メシチレン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:3)、30%過酸化水素水0.2mLおよび1.0mol/L硫酸鉄(II)水溶液0.3mLを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。2,2,2−トリフルオロエタノールを内部標準物質とした19F−NMRにより、1,3,5−トリメチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(生成率11%)および1,3,5−トリメチル−2−トリフルオロメチルベンゼン(生成率72%)の生成を確認した。
1H−NMR(重クロロホルム):δ2.19(s,6H),2.22(s,3H),2.32(q,JHF=3.0Hz,6H).
13C−NMR(重クロロホルム):δ16.6,17.3,17.7(q,JCF=4.8Hz),125.9(q,JCF=26.7Hz),126.5(q,JCF=276.6Hz),132.8(q,JCF=1.8Hz),133.8,138.1.
19F−NMR(重クロロホルム):δ−51.3.
MS(m/z):216[M]+
二口フラスコにペンタメチルベンゼン0.15g(1.0mmol)を量り取り、容器内をアルゴンで置換した。さらに、アルゴン気流中で、ジメチルスルホキシド2.0mL、硫酸の1Nジメチルスルホキシド溶液2.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの3.0mol/Lジメチルスルホキシド溶液1.0mL([ペンタメチルベンゼン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=1:3)、30%過酸化水素水0.2mLおよび1.0mol/L硫酸鉄(II)水溶液0.3mLを加えて密閉し、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。2,2,2−トリフルオロエタノールを内部標準物質とした19F−NMRにより、1,2,3,4,5−ペンタメチル−6−トリフルオロメチルベンゼンの生成を確認した(生成率18%)。
2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン
19F−NMR(重クロロホルム):δ−62.0,−63.7.
MS(m/z):229[M]+
2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ6.53(brs,2H),7.89(s,2H).
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ113.5(q,JC−F=30.9Hz),114.9(q,JC−F=34.3Hz),123.3(q,JC−F=272.6Hz),123.5(q,JC−F=270.3Hz),127.8,145.9
19F−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ−60.5,−63.2.
MS(m/z):297[M]+
2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェノール
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ7.81(2H,s),11.24(1H,brs).
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ121.2(q,JC−F=33.7Hz),122.7,123.1(q,JC−F=271.9Hz),125.8(q,JC−F=3.8Hz),152.7.
19F−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ−60.4.
MS(m/z):230[M]+
非特許文献10に記載の条件により、ヨウ化パーフルオロブチルに替えて、ヨウ化トリフルオロメチルを用いて、以下の様に実験を行った。アルゴンで置換した二口フラスコに、ベンゼン5.0mmol、ジメチルスルホキシド7.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの1.0mmol([ベンゼン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=5:1)、過酸化水素水3.0mmolおよび硫酸鉄(II)0.7mmolを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。2,2,2−トリフルオロエタノールを内部標準物質とした19F−NMRにより、トリフルオロメチルベンゼンの生成を確認した(生成率3.0%)。
非特許文献10に記載の方法に、さらに酸を添加し、以下の様に実験を行った。アルゴンで置換した二口フラスコに、ベンゼン5.0mmol、ジメチルスルホキシド7.0mL、ヨウ化トリフルオロメチルの1.0mmol([ベンゼン]:[ヨウ化トリフルオロメチル]=5:1)、過酸化水素水3.0mmol、硫酸5.0mmolおよび硫酸鉄(II)0.7mmolを加え、20分間撹拌した。撹拌中に反応系の温度は、40から50℃となった。その後、反応溶液を室温まで冷却した。2,2,2−トリフルオロエタノールを内部標準物質とした19F−NMRにより、トリフルオロメチルベンゼンの生成を確認した(生成率5.0%)。
上記比較例1および2に示したとおり、非特許文献10と同一条件下およびさらに酸を添加した条件で、ヨウ化トリフルオロメチルを用いたトリフルオロメチル化を検討したところ、トリフルオロメチルベンゼンの収率は、前者で3%、後者で5%と低い値に留まった。
Claims (15)
- 下記一般式(1)
- 酸を加えることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 一般式(3)で表わされるベンゼン類と一般式(2)で表わされるハロゲン化パーフルオロアルキル類のモル比が、1:1から1:100である請求項1または2のいずれかに記載の製造方法。
- 一般式(3)で表わされるベンゼン類と一般式(2)で表わされるハロゲン化パーフルオロアルキル類のモル比が、1:1.5から1:10である請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
- Xがヨウ素または臭素である、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
- 鉄化合物が、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(II)アンモニウム、テトラフルオロホウ酸鉄(II)、塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、酢酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、ビスアセチルアセトナト鉄(II)、フェロセン、ビス(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)鉄または鉄粉である、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
- 鉄化合物が、硫酸鉄(II)、テトラフルオロホウ酸鉄(II)、フェロセンまたはビス(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)鉄である、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
- 過酸化物が、過酸化水素あるいはその水溶液、過酸化水素−尿素複合体、tert−ブチルペルオキシドまたは過酢酸である請求項1から7のいずれかに記載の製造方法。
- 過酸化物が、過酸化水素あるいはその水溶液である請求項1から8のいずれかに記載の製造方法。
- 酸が、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、リン酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸である請求項2から9のいずれかに記載の製造方法。
- 酸が、硫酸またはテトラフルオロホウ酸である請求項2から10のいずれかに記載の製造方法。
- R1aおよびR1bが、メチル基である請求項1から11のいずれかに記載の製造方法。
- 反応温度が20℃から100℃の範囲から選ばれた温度である、請求項1から12のいずれかに記載の製造方法。
- 反応圧が大気圧(0.1MPa)から1.0MPaの範囲から選ばれた圧力である請求項1から13のいずれかに記載の製造方法。
- 1,3,5-トリメチル-2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン。
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