JP5104859B2 - 通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)若しくはPAN(Personal Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、制御局と被制御局の関係を有さず各通信局が自律分散的に動作する通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、通信局毎に省電力動作を行ないながら通信局同士で自律分散的なデータ通信を行なう通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、省電力状態の通信局を含みながら、マルチホップ通信やブロードキャスト転送時における配達遅延を抑制する通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
旧来の有線通信方式における配線から解放するシステムとして、無線ネットワークが注目されている。例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a、IEEE802.11b、あるいはIEEE802.1gといった無線LAN規格が代表的である。無線LANによれば柔軟なインターネット接続が可能であり、既存の有線LANを置き換えるだけでなく、ホテルや空港ラウンジ、駅、カフェといった公共の場所でもインターネット接続手段を提供することができる。無線LANは既に広範に普及しており、パーソナル・コンピュータ(PC)などの情報機器だけでなく、デジタルカメラや音楽プレーヤなどのCE(Consumer Electronics)機器にも無線LAN機能を搭載することが一般的となりつつある。
無線技術を用いてLANを構成するために、エリア内に「アクセスポイント(AP)」又は「コーディネータ」と呼ばれる制御局となる装置を1台設けて、この制御局の統括的な制御下でネットワークを形成する方法が一般的に用いられている。制御局は、ネットワーク内にある複数の端末局のアクセス・タイミングを調停し、各端末局が互いに同期をとるという同期的な無線通信を行なう。
また、無線ネットワークを構成する他の方法として、すべての端末局が対等で自律分散的にピア・ツウ・ピア(Peer to Peer)で動作し、端末局自らがアクセス・タイミングを決定する「アドホック(Ad−hoc)通信」が考案されている。とりわけ近隣に位置する比較的少数のクライアントで構成される小規模無線ネットワークにおいては、特定の制御局を利用せずに、任意の端末同士が直接非同期の無線通信を行なうことができるアドホック通信が適当であると思料される。
例えばIEEE802.11におけるネットワーキングは、BSS(Basic Service Set)の概念に基づいている。BSSは、制御局が存在する「インフラストラクチャ・モード」で定義されるBSSと、複数のMT(Mobile Terminal:移動局又は端末局)のみにより構成される「アドホック・モード」で定義されるIBSS(Independent BSS)の2種類で構成される。
まず、IEEE802.11におけるインフラストラクチャ・モード時の動作について説明する。
インフラストラクチャ・モード下では、APは、自局の周辺で電波の到達する範囲をBSSとしてまとめ、いわゆるセルラ・システムで言うところの「セル」を構成する。AP近隣に存在する端末局(MT)は、APに収容され、当該BSSのメンバとしてネットワークに参入する。具体的には、APは適当な時間間隔でビーコンと呼ばれる制御信号を送信し、このビーコンを受信可能であるMTはAPが近隣に存在することを認識し、さらに該APとの間でコネクション確立を行なう。
図16には、インフラストラクチャ・モード時のIEEE802.11の動作例を示している。図示の例では、通信局STA0がAPとして動作し、他の通信局STA1並びSTA2がMTとして動作している。APとしての通信局STA0は、同図右側のチャートに示すように、一定の時間間隔でビーコン(Beacon)を送信する。APは、ビーコンの送信間隔をターゲット・ビーコン送信時刻(TBTT:Target Beacon Transmit Time)というパラメータとして内部で管理しており、時刻がTBTTに到来する度にビーコン送信手順を起動する。また、APが報知するビーコンにはBeacon Intervalフィールドが含まれており、周辺のMTは、このBeacon Intervalフィールドとそのビーコンの受信時刻から次回のビーコン送信時刻TBTTを認識することが可能である。
ここで、BSSは必要に応じて省電力(PowerSave)モードに移行し、各MTは間欠的にのみ受信動作を行なうことにより、低消費電力化を図ることができる。省電力モード下では、BSS内の少なくとも一部のMTはスリープ・モードで動作し、送受信機を動作させるAwake状態と、送受信機の電源を落とすDoze状態とを行き来する。MTは、受信したビーコンから次回のビーコン送信時刻を認識することができるので、スリープ・モード下では、受信の必要がないときには次回あるいは複数回先のTBTTまで受信機の電源を落とし省電力状態に入ることもある。APは、スリープ状態の各MTがAwakeするタイミングを一元的に管理し、Awake状態のタイミングに合わせてMTへフレーム送信を行なうことで、省電力動作を援助する。なお、スリープ・モードでないMTはアクティブ・モードと呼ばれ、常に送受信機を動作させている(図17を参照のこと)。
APは、複数のMT宛てに同報的にブロードキャストのデータを送信することがある。APは、自局と通信するMTのうち少なくとも一部がスリープ・モード下にあるときには、同報送信を行なう際に、送信データを内部にバッファしておき、ビーコンを送信した直後にこのデータを送信する。この周期もビーコンに含まれる情報で報知されており、各MTはこのブロードキャストのデータが送信されるTBTTを把握することができる。スリープ・モード下のMTは、ブロードキャストのデータが送信されるタイミングを把握すると、このタイミングではAwakeして受信機を動作させる。これにより、スリープ・モード下のMTに対してもブロードキャストのデータを配達することができる。
続いて、IEE802.11におけるアドホック・モード時の動作について説明する。
IEEE802.11のアドホックモード(IBSS)においては、MTは複数のMT同士が互いに存在を確認すると自律的にIBSSを定義する。これらのMT群は、一定間隔毎にTBTTを定める。ビーコンの送信間隔がビーコン信号中のパラメータで通知されており、各MTは、一度ビーコン信号を受信すると、次回のTBTTを算出することができる。そして、各MTは自局内のクロックを参照することによりTBTTになったことを認識すると、ランダム時間の遅延の後、まだ誰もビーコンを送信していないと認識した場合にはビーコンを送信する。このビーコンを受信可能であるMTがこのIBSSに参入することができる。
図18には、アドホック・モード時のIEEE802.11の動作例を示している。図示の例では、MTとして動作する2台の通信局STA1及びSTA2がIBSSを構成する様子を示している。この場合、IBSSに属するいずれか一方のMTが、TBTTが到来する毎にビーコンを送信することになる。また、各MTから送出されるビーコンが衝突する場合も存在している。
IEEE802.11では、IBSSにおいても省電力(PowerSave)モードが規定されており、MTは必要に応じて受信機の電源を落とすDoze状態に入ることができる。ビーコン送出時間TBTTから所定の時間帯は、ATIM(Announcement Traffic Indication Message) Windowとして定義されている。ATIM Windowの期間が終了するまでの間は、IBSSに属するすべてのMTはAwake状態となっており、この時間帯であれば、基本的にはスリープ・モードで動作しているMTも受信が可能である。そして、MTはATIM Window終了時から次のビーコン送出時間TBTTまでDoze状態になることができる。
各MTは、自局が誰か宛ての情報を有している場合には、このATIM Windowの時間帯において、上記の通信相手宛てにATIMパケットを送信することにより、自局が送信情報を保持していることを受信側に通達する。これに対し、ATIMパケットを受信したMTは、ATIMパケットを送信した局からの受信が終了するまではDoze状態に移行せず、受信機を動作させておく。
図19には、STA1、STA2、STA3の3台のMTがIBSS内に存在している場合の動作例を示している。STA1、STA2、STA3の各MTは、TBTTが到来すると、ランダム時間にわたりメディア状態を監視しながらバックオフのタイマを動作させる。図示の例では、STA1のタイマが最も早期にExpireし、STA1がビーコンを送信している。STA1がビーコンを送信したため、これを受信したSTA2並びSTA3はビーコンを送信しない。
ここで、STA1がSTA2宛ての情報を保持するとともに、STA2がSTA3宛ての情報を保持しているとする。このような場合、STA1はビーコンを送信した後、STA2はビーコンを受信した後に、それぞれ再度ランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマを動作させる。図19に示す例では、STA2のバックオフ・タイマが先に満了したため、まずSTA2からSTA3に宛ててATIMメッセージが送信される。STA3は、このATIMメッセージを受信すると、短いフレーム間隔(SIFS:Short Inter−Frame Space)だけ待機した後に、受信した旨を示すACK(Acknowledge)パケットをSTA2に返信する。STA3からのACKが送信し終えると、STA1は、さらにランダム時間にわたりメディア状態を監視しながらバックオフのタイマを動作させ、当該タイマが満了すると、ATIMパケットをSTA2に宛てて送信する。そして、STA2は、SIFSが経過した後に、ATIMパケットを受信した旨を示すACKパケットをSTA1に返信する。
ATIM Window内でこのようなATIMパケットとACKパケットの交換が行なわれると、その後の区間においても、STA3はSTA2からの情報を受信するために受信機を動作させ、また、STA2はSTA1からの情報を受信するために受信機を動作させる。
送信情報を保持しているSTA1並びSTA2は、ATIM Windowの終了とともに、メディアがアイドルである最小時間に相当する分散フレーム間隔(Distributed Inter−Frame Space:DIFS)だけ待機した後、ランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマを動作させる。図19に示す例では、STA2のバックオフ・タイマが先に満了したため、STA2からSTA3宛てのデータ・フレームが先に伝送されている。そして、STA3は、SIFSが経過した後に、データ・フレームを受信した旨を示すACKパケットをSTA2に返信する。
このデータ・フレーム伝送が終了した後、STA1は、DIFSだけ待機した後、さらに再度ランダム時間にわたりメディア状態を監視しながらバックオフのタイマを動作させ、当該タイマが満了するとSTA2宛てのデータ・フレームを送信する。そして、STA2は、SIFSが経過した後に、データ・フレームを受信した旨を示すACKパケットをSTA1に返信する。
上記の手順において、ATIM Window内でATIMパケットを受信せず、且つ、誰宛てにも情報を保持していないMTは、次のTBTTまで送受信機の電源を落とし、消費電力を削減することができる。
また、IEEE802.11で規定される「アドホック・モード」以外にも、制御局と被制御局の関係を有さず各通信局が自律分散的に動作する通信システムに関する開発がなされている。
例えば、各通信局がネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによってネットワークを構築するようにして、そのビーコンで他の通信局での通信状態などを高度に判断できるようにして、制御局と被制御局の関係を有さず自律分散型のネットワークを構築する無線通信システムについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。この無線通信システムについて、以下に説明する。
図20及び図21には、同無線通信システムにおける動作例と通信局間の送受信手順の一例を示している。図20に示すように、ネットワークに参画するMTとしてSTA1及びSTA2の2台が互いの通信可能範囲に存在し、各MTは、各々のTBTTを設定して定期的にビーコン信号を送信している。各MTは、隣接するMTの情報を抽出するため、必要に応じて各MTのビーコン信号を定期的に受信している。
また、ここではSTA1が必要に応じて送受信機の電源を落とすスリープ・モードに入ることを想定しており、省電力モードのMTは、送受信機を動作させるAwake状態と、送受信機の電源を落とすDoze状態とを行き来する(同上)。
図21には、STA2からSTA1に対してデータ送信を行なう様子を例示している。同図の上段がSTA1とSTA2の間におけるパケットの送受信シーケンスを示し、同図の下段がデータ受信先であるSTA1の送受信機の動作状態を示している(レベル・ハイがAwake状態を示し、レベル・ローがDoze状態を示す)。なお、送受信機のいずれもがDoze状態にあるときに通信局が省電力状態となり、送受信機のうちいずれかがAwake状態にあるときは通信局が省電力状態にない時間帯である。
MTは、ビーコンを送信した後、一定の時間帯からなる受信期間(Listen Period)を設け、この期間は受信機を動作させておく。そして、MTは、このListen Period内で自分宛てのトラフィックを受信しなかったときは、送受信機の電源を落として省電力状態に移行することができる。図21に示した例では、STA1は、ビーコンB1−0を送信した後、しばらくの間受信機を動作させており、STA2がこの期間内にSTA1宛にパケットを送信したので、STA1はこれを受信することができる。
ビーコン信号には、TIM(Traffic Indication Map)と呼ばれる情報が掲載されている。TIMとは、現在この通信局が誰宛ての情報を有しているかの報知情報であり、ビーコン受信局はこのTIMを参照することにより、自分が受信を行なわなければならないか否かを認識することができる。各MTは、周辺MTのビーコン信号を定期的に受信し、このTIMを解析し、自分宛てにデータが存在しないことを確認すると受信機の電源を落としてスリープ状態に入るが、自分宛てにデータが存在することを確認すると、スリープ状態に入らず、当該データを受信する状態へと変遷する。
図21では、ビーコンB2−1のTIMにおいて、STA1がSTA2から呼び出されていた場合を例示している。該ビーコンを受信したSTA1は、呼び出しに応答するレスポンスを行なう(0)。さらに、レスポンスを受信したSTA2は、STA1が受信可能状態にあることを確認すると、STA1宛てのパケットを送信する(1)。これ受信したSTA1は正常に受信されたことを確認した上で、ACKを送信する(2)。
図19、並びに図20と図21を参照しながら説明したように、スリープ・モード下でDoze状態にいる通信局に対してデータを転送する際には、データ送信元の通信局において所定の手順を経る必要がある。一方、スリープ・モード下の通信局とは通信を行なわない通信局は、かかる手順を行なう必要はない。
本明細書では、Doze状態とAwake状態を交互に繰り返すスリープ・モード下の通信局に対して所定の手順を経てデータ転送を行なう能力のことを「省電力援助」と呼ぶことにする。ここで言う省電力援助は、インフラストラクチャ・モードにおけるAPが、スリープ状態の各MTがAwakeするタイミングを一元的に管理し、各MTがAwake状態のタイミングに合わせてフレーム送信を行なう能力に類似する。これに対し、省電力援助の能力を持たない通信局は、スリープ・モード下の通信局にデータ転送を行なうことはできない。したがって、通信局は自らDoze状態とAwake状態を交互に繰り返す省電力機能を備えていても、通信相手が省電力援助機能を備えていなければ、スリープ・モードに移行することはできない(移行すると、データ通信が不能となる)。すなわち、データ通信を行なう1組の通信局において、一方の通信局がスリープ・モードに移行するには、他方の通信局は省電力援助機能を備えている必要がある。
そこで、アドホック・モード下(若しくは自律分散型)の通信システムにおいて各MTが省電力動作を実現する1つの方法論として、スリープ・モード下の通信局と通信を行なう能力を持つか否か(省電力援助)、及び、スリープ・モードに移行する能力を持つか(若しくは、スリープ・モードに移行したいか)否かという通信局の属性を示す情報をビーコン信号に載せて通知し合い、互いの通信局属性のマッチングをとることにより、通信を行なえる関係になるかどうか(あるいはスリープ・モードに移行することができるかどうか)をあらかじめ定めることが考えられる。
図20左に示したような2台の通信局STA1とSTA2が存在する通信環境下では、いずれか一方の通信局がスリープ・モードに移行したい場合には、通信相手となる他方の通信局が「省電力援助」を提供していることを、受信ビーコンで事前に確認する必要がある。図22及び図23には、通信局属性のマッチングを行なう例をそれぞれ示している。
図22に示す例では、両局ともスリープ・モードに入りたい意向を示しているが、同時に両局とも「省電力援助」を提供していることから、STA1とSTA2は互いのビーコン信号から通信局属性のマッチングをとることにより、通信可能状態へ遷移することが可能となる。
一方、図23に示した例では、STA2がスリープ・モードに入りたい意向を示しているが、通信相手であるSTA1が「省電力援助」を提供していないため、STA2がスリープ・モードに遷移すると通信が破綻することは明らかである。このような場合、STA1は、通信を継続できないことから、STA2と通信状態に入ることを拒否することがある。また、同様に、STA2は、スリープ・モードに遷移できないことから、STA1と通信状態に入ることを拒否することもある。
ところで、無線ネットワークでは、通信相手となる端末局が互いの電波が届く範囲に収容されているとは限らないことから、複数の通信局がフレームをリレーして伝送する「マルチホップ通信」により多数の端末を相互に接続することが行なわれる。現在、IEEE802.11中のタスク・グループの1つとして、マルチホップ通信に関する標準化作業が進められている。本明細書中では、マルチホップ通信を行なう無線ネットワークのことを「メッシュ・ネットワーク」と呼び、メッシュ・ネットワークを構成する各通信局のことを「メッシュ・ポイント(MP)」とも呼ぶことにする。
各通信局が自律分散的に通信動作を行なう上記のアドホック・ネットワークは、従来の固定的なネットワークとは異なり、トポロジの変化が頻繁に起こることから、経路制御方式すなわちルーティング・プロトコルを確立する必要がある。例えば、IETF(Internet Engineering Task Force)のMANET(Mobile Adhoc NEtwork Working Group)などから、通信する直前に経路発見要求を送信して経路を作成するオンデマンド方式のルーティング・プロトコルが提案されている。代表的なルーティング・プロトコルとして、AODV(Adhoc On−demand Distance Vector)、DSR(Dynamic Source Routing)、TORA(Temporally Orderd Routing Algorithm)などが挙げられる。いずれの方式も基本的には、データ・パケット送信要求(経路作成要求)があったときに経路を作り始め、経路ができると通信を開始する(すなわち、データ・パケットの送信を始める)という手順である。
ここで、マルチホップ通信を行なう際に利用される経路設定手順の一例として、AODVの機能について、図24を参照しながら説明する。同図では、3台の通信局STA−A、STA−B、STA−C間が相互に電波の届く範囲内にいるが、STA−DがSTA−Cのみと電波の届く範囲にいる状況を想定している。
AODVでは、例えばSTA−AがSTA−Dに対してデータを送信しようとする場合、どのような経路でデータを転送すべきかを調べる手順が起動される。まず、STA−Aは、経路発見要求メッセージRREQ(Route Request)と呼ばれる制御パケットをブロードキャストで送信し、宛先局であるSTA−Dからの経路返答メッセージRREP(Route Reply)を待つ。
RREQ中には経路元局のアドレス(この場合、STA−A)と宛先通信局のアドレス(この場合、STA−D)、経路メトリック値などの情報が記載されている。ここで言う経路メトリック値は、経路の品質などを示す尺度であり、例えば、ホップ数、データレート、データレート×(1−パケット誤り率)、若しくはこれらを組み合わせた統計データなど経路元局からこれまでに積算された情報で表される。
STA−AからのRREQを受信したSTA−B並びにSTA−Cはそれぞれ、自局が経路の宛先でないメッセージであることを確認すると、このRREQをさらに先の通信局に対して再度ブロードキャストで転送する。その際、経路要求メッセージの送信元であるSTA−Aへの逆向きの経路(Reverse Path)を設定する。ここで言う逆向きの経路とは、RREQの送信元までデータを送信したいという要求が生じた場合に、その経路要求メッセージを送信してきた近隣端末を次の転送先とする経路を意味する。
そして、STA−Dは、STA−Cから転送されたRREQを受信すると当該RREQの宛先が自局であることから、STA−Aに対するRREPを返送する。STA−Dにより送信されたRREPは、中継局となるSTA−Cにより受信され,さらにSTA−CはRREPをSTA−Aに転送する。
このような経路設定手順を用いることにより、STA−AはSTA−Cを経由してSTA−Dにデータを転送可能であることを認識することができ、同時に、STA−Cは中継局として必要な情報を抽出することができる。ここではAODVを例にとったが、勿論AODV以外の経路設定手順であっても、ブロードキャストの制御情報の交換を通じて経路を設定することが一般的である。
WO2004/071022
これまで、アドホック・モードなど自律分散型のネットワークにおいて、各通信局が省電力動作を行なうことや、マルチホップ通信を行なうこと(経路設定手順として、ブロードキャストのデータ転送を利用すること)について説明してきた。ところが、自律分散型のネットワークにおいて一部の通信局が省電力状態にありながらブロードキャスト通信を実現するには、以下のような問題があると本発明者らは思料する。
1つはデータ転送レイテンシの問題である。
上述したような自律分散制御でデータの送受信を行なう通信システムでは、省電力モードとして、通信局がDoze状態とAwake状態を交互に繰り返すスリープ・モードが定義されている。ところが、スリープ・モードに入っている通信局は限られた時間帯でしか受信機を動作させていないため、通常、スリープ・モードに入っている通信局に対してデータを転送するのには時間を要する。IEEE802.11のインフラストラクチャ・モードで用いられるブロードキャストのデータ送信方法が併用される場合を想定すると、スリープ・モードの通信局に届けるに、ブロードキャストのデータは送信局内でバッファされてしまうため、スリープ・モードに入っていない通信局(アクティブ・モードの通信局)へのデータを配達も遅れてしまう。
他の問題として、マルチホップ通信のためのメッシュ・ネットワークを構成したときのインパクトが挙げられる。
上記のようにIEEE802.11のインフラストラクチャ・モードで用いられるブロードキャストのデータ送信方法を併用したアクセス制御を行なっている通信局間で、複数の通信局がデータをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう場合を想定する。先に述べた通り、マルチホップ通信を行なうには、データを転送するに先立って経路を設定するために、経路設定の手順においてブロードキャストの制御情報を交換する必要がある。しかしながら、中継局となり得る一部の通信局がスリープ・モードに入っているときには、このような通信局へRREQなどをブロードキャスト転送する際に送信データが送信元の通信局内でバッファされてしまうため、この制御データの転送に大きな遅延が生じてしまう。このような現象はRREQを転送する各中継局で連鎖的にも発生するため、経路設定に大きな遅延が発生する。
さらに他の問題として、スリープ・モードの通信局が中継局になるか否かを判断することが挙げられる。
例えば図25に示すような通信局の配置においてSTA−AとSTA−D間でマルチホップ通信を行なう場合、STA−B、STA−Cを経由するという2通りの経路が存在し、STA−B又はSTA−Cのうちいずれを経由すべきかを判断する必要がある。仮にSTA−Cがスリープ・モードであったならば、STA−Bを経由すべきであることは直感的に理解できよう。ところが、図24に示した通信局の配置の場合には、STA−DがSTA−Cのみと電波の届く範囲にあり、1通りの経路しかないため、STA−Cがスリープ・モード下にあったとしても、STA−Cを中継局として利用しなければならない。このように、マルチホップの中継候補局としてスリープ・モードの通信局とそうでない通信局がある場合には各局の電力消費をも勘案して経路を設定すべきであるが、現在そのような経路設定手順は存在しない。
本発明は、このような技術的課題を勘案したものであり、その目的は、制御局と被制御局の関係を有さず各通信局が自律分散的に好適な通信動作を行なうことができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、通信局毎に省電力動作を行ないながら通信局同士で自律分散的なデータ通信を好適に行なうことができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、省電力状態の通信局を含みながら、マルチホップ通信やブロードキャスト転送時における配達遅延を好適に抑制することができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、各通信局が自律分散的に動作している通信環境下において複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう際に、マルチホップの各中継候補局の電力消費を考慮しながら経路の設定を好適に行なうことができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信システムであって、
少なくとも一部の通信局は間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局であり、他の少なくとも一部の通信局は前記省電力通信局と通信を行なう能力を持つ省電力援助局であり、
前記省電力援助局のうち少なくとも一部は、同報データ配送の際に、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度に、すなわち複数回にわたりデータ送信を行なう低遅延同報配送機能を備える、
ことを特徴とする通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
本発明の第1の側面に係る通信システムでは、少なくとも一部の通信局は間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する一方、他の少なくとも一部の通信局は前記省電力通信局と通信を行なう能力を持つ省電力援助局として動作する。省電援助局は、例えば、スリープ状態にある各隣接局がAwakeするタイミングを管理することができる。
そして、省電力援助局は、通信状態にある各通信局がアクティブ状態になる度に同報データ配送を行なう。より具体的には、省電力援助局は、同報トラヒック・データが上位層プロトコルから届くと、アクティブ・モードの通信局に対してはすぐさま同報トラヒック・データを送信するので、低遅延量で同報配信を行なうことができる。
また、省電力援助局は、同報トラヒック・データが発生した時点で受信機がDoze状態になっている省電力通信局に対してはデータ配送を行なわず、次に受信機がAwake状態になるタイミングで同報トラヒック・データを送信する。すなわち、省電力援助局は省電力通信局に対しても遅延量を発生しながら確実に同報データを配送するようになっている。したがって、省電力援助局は配送遅延に関して最善の努力をしたことになる。
ここで、通信システムは、隣接する各通信局が省電力通信局であるか、省電力援助局であるか否か、又は低遅延同報配送機能を備えるか否かに関する通信局属性を互いに通知する手段を備えているものとする。このような手段は、例えば、隣接する通信局間でビーコン信号又はその他の制御データの交換を行なうことによって実現する。
そして、通信局属性を通知し合った通信局同士は、互いの通信局属性をマッチングした結果に基づいて通信状態に入るか否かを決定するようにする。具体的には、省電力通信局は、省電力援助局でない通信局とは通信状態に入らないことを選択するようにする。何故ならば、省電力援助局でない通信局は、上記の低遅延同報配送機能を有しておらず、自らのスリープ・モードのために同報データの配送が遅延することが懸念されるからである。同様に、省電力援助局でない通信局は、低遅延同報配送機能を有しておらず、同様の懸念を払拭するために、省電力モードで動作する通信局とは通信状態に入らないことを選択するようにしてもよい。
また、省電力援助局は、省電力通信局が受信機を起動する期間を把握しているので、低遅延同報配送機能を備えていなくても、従来のIEEE802.11のインフラストラクチャ・モードにおけるAPと同様の方法論によって、同報配送を行なうことができる。このような場合、省電力通信局の間欠受信動作のタイミング次第では大きな遅延が発生するおそれがある。そこで、省電力通信局は、システムに課されている配送遅延に関する制約を考慮しながら、低遅延同報配送機能を持たない省電力援助局と通信状態に入るか否かを選択するようにすることが好ましい。
すなわち、通信システムに同報データの配送遅延に関する制約が課されていないときには、隣接局と通信状態に入っても障害がないので、この隣接局と通信状態に入るための手順を起動する。しかし、通信システムに同報データの配送遅延に関する制約が課されているときには、自らのスリープ・モードのために同報データの配送が遅延し、制約を遵守できないおそれがあるので、かかる省電力援助局を通信状態へ入らない局と決定するようにする。
また、本発明の第2の側面は、自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信システムであって、
少なくとも一部の通信局は間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局であり、
複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なうに際して、前記省電力通信局が中継局として動作する意思があるか否かに関する情報を隣接局に通知する手段を備える、
ことを特徴とする通信システムである。ここで、通知する手段は、例えば、隣接する通信局間でビーコン信号又はその他の制御データの交換を行なうことによって実現する。
スリープ・モード下の通信局を中継局として設定すると、経路上の手前の通信局においてデータがバッファされてデータ転送に大きな遅延を生じるおそれがある。これに対し、本発明の第2の側面に係る通信システムによれば、通信局は、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、事前に確認しておいた中継意思の有無に応じて、隣接する各通信局へ該制御データを転送するか否かを判断することにより、このような危険な事態に陥ることを回避することができる。
また、通信局は、上述した低遅延同報配送機能を備え、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度に、すなわち複数回にわたりデータ送信を行なうようにしてもよい。このような場合、所望の宛先までより少ない遅延量で経路設定要求の制御データを配達することができる。しかも、中継意思のない省電力通信局に対して無駄な経路設定要求の制御データを送信しない、すなわち、無駄な送受信が行なわずに済む。
また、省電力通信局が中継局として動作する意思を示した場合であって、省電力通信局で中継されない経路と、省電力通信局で中継される経路を含む2通り以上の経路が存在して2以上の経路設定データが到着したときには、(単に経路メトリック値を比較するだけでなく)、経路の宛先局は、遅れて到達した経路を選択しないようにする、若しくは最前に到達した経路を選択するようにすることで、省電力通信局を中継局に含む経路をなるべく選択しないように制御することができる。
あるいは、省電力通信局は、中継局として動作する意思がある場合、中継局として動作する意思がある際に、経路メトリック値にバイアス値を付与することで、経路の宛先局が省電力通信局を中継局に含む経路をなるべく選択しないように制御することができる。
また、本発明の第3の側面は、自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信環境下でデータ通信を行なう通信装置であって、
前記通信環境において送受信を行なう通信手段と、
前記通信手段による通信動作を制御する通信制御手段と、
前記通信手段の送受信機を常に動作させるアクティブ・モードと、(ビーコン送信間隔など)所定の間隔で前記通信手段の送受信機を間欠的に動作させるスリープ・モード間の状態遷移を制御する状態制御手段を備え、
前記状態制御手段は、前記通信手段におけるトラフィックの送受信量に応じてアクティブ・モードとスリープ・モード間の状態遷移を制御し、
前記通信制御手段は、前記通信手段におけるトラフィックの送受信量に応じて、スリープ・モード下において前記通信手段の送受信機を間欠動作させる所定の間隔を調整する、
ことを特徴とする通信装置である。
各通信局が自律分散的に動作するネットワークが、送受信機を間欠的に動作させる省電力通信局と、上述した低遅延同報配信機能により省電力通信局との同報データ配送を行なう省電力援助局で構成される場合、ビーコン送信間隔などの省電力通信局が送受信機を起動する周期を長くとると、低消費電力の効果が高まる一方、低遅延同報配信を用いてもすべての宛先局へのデータ送信が完了するまでの所要時間が長くなってしまう、というトレードオフの関係にある。
そこで、本発明の第3の側面に係る通信装置は、データ送信の遅延量と消費電力との間でトレードオフが成り立つように、通信装置の動作モードの切り替え制御と、ビーコン送信間隔の調整を行なうようになっている。
具体的には、通信装置は、送受信するトラフィックがないと判断したときにはアクティブ・モードからスリープ・モードに遷移し、さらに送受信するトラヒックがないと判断したことに応じて、ビーコン送信間隔を段階的に伸ばしていくことで、より効果的な低消費電力モードに入る。ビーコン送信間隔を伸ばすと、データの配送に要する遅延量は増えるが、ネットワーク中のトラヒックが少なければ、かかる遅延量を許容することができる。
また、通信装置は、スリープ・モード下では、送受信するトラヒックが発生したときには、逆にビーコン送信間隔を段階的に短くしていくことによりデータ転送の遅延量を短くするように制御し、さらに多量の送受信トラヒックが発生したときには、スリープ・モードからアクティブ・モードへと遷移する。
また、本発明の第4の側面は、自律分散的に動作する複数の通信局からなり、複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう通信環境下でデータ通信を行なう、バッテリ駆動式の通信装置であって、
前記通信環境において送受信を行なう通信手段と、
前記通信手段による通信動作を制御する通信制御手段と、
前記バッテリの残量を検出する残量検出手段と、
前記通信手段の送受信機を常に動作させるアクティブ・モードと、所定の間隔で前記通信手段の送受信機を間欠的に動作させるスリープ・モード間の状態遷移を制御する状態制御手段を備え、
前記状態制御手段は、前記バッテリの残量に応じてアクティブ・モードとスリープ・モード間の状態遷移を制御し、
前記通信制御手段は、スリープ・モード下において、マルチホップ通信時に中継局として動作するか否か、又は、前記通信手段の送受信機を間欠動作させる所定の間隔を、前記バッテリの残量に応じて決定する、
ことを特徴とする通信装置である。
上述したように、本発明の第2の側面に係る通信システムでは、スリープ・モード下にある通信局は、マルチホップ通信の際に自局が中継局になる意思があるかどうかの属性を隣接局に通知するようになっている。ここで、スリープ・モード下の通信局が中継局に設定されると、データ配達の遅延を生じることが懸念され、また、通信局にとっては送受信する機会が多くなることから、消費電力が増加するという問題がある。
そこで、本発明の第4の側面に係る通信装置は、バッテリの残量に応じてアクティブ・モードとスリープ・モード間の状態遷移を制御するという一般的な省電力動作に加えて、スリープ・モード下では、マルチホップ通信時に中継局として動作するか否かをバッテリ残量に基づいて決定するようになっている。勿論、スリープ・モード下において送受信機を間欠動作させる所定の間隔を、同じくバッテリの残量に応じて決定するようにしてもよい。
通信局の動作モードや、中継意思の有無、ビーコン送信間隔は、ネットワークに参画する積極性の度合いを表すものでもある。したがって、上述の操作によれば、通信局は、バッテリ残量に応じて、ネットワークにどれだけ積極的に参画するかを制御することが可能である。
また、本発明の第5の側面は、自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信システムであって、
少なくとも一部の通信局は間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局であり、
複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なうに際して、前記省電力通信局は、中継局として動作していない時間帯ではスリープ・モードにて動作し、中継局として動作している時間帯ではスリープ・モードのまま中継処理を行なうか又はアクティブ・モードに移行して中継処理を行なう、
ことを特徴とする通信システムである。
スリープ・モード下の通信局を中継局として設定すると、経路上の手前の通信局においてデータがバッファされてデータ転送に大きな遅延を生じるおそれがある。これに対し、本発明の第5の側面に係る通信システムによれば、省電力通信局は、マルチホップ通信を行なう際において、中継局として動作している時間帯では、中継局として動作している時間帯ではスリープ・モードのまま中継処理を行なうか又はアクティブ・モードに移行して中継処理を行なう。具体的には、省電力通信局は、自局が中継局として動作する必要のある時間帯においてはアクティブ・モードへ移行してフレームの転送処理を行なうようにすることで、経路上の手前の通信局においてデータがバッファされてデータ転送に大きな遅延を生じるという事態に陥ることを回避することができる。また、このような場合には、省電力通信局は、自局が中継局として動作していた経路が消滅したことをきっかけにスリープ・モードへ移行するようにすればよい。
また、省電力通信局は、マルチホップ通信を行なうに際して、中継局として動作している時間帯にスリープ・モードのまま中継処理を行なうか又はアクティブ・モードに移行して中継処理を行なうかを示す情報を隣接局に報知する用にしてもよい。このような場合、当該ネットワークに属する少なくとも一部の通信局は、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、事前に確認しておいた、スリープ・モードのまま中継処理を行なうか又はアクティブ・モードに変遷して中継処理を行なうかを示す情報に応じて、隣接する省電力通信局へ該制御データを転送するか否かを判断することができる。
また、中継局として動作する際にアクティブ状態に移行して中継を行なう意思がない通信局は、経路設定要求の制御データを破棄することにより、自局が中継局に選ばれないようにする。これによって、マルチホップ時において、データ転送に大きな遅延を生じるという事態に陥ることを回避することができる。
また、経路設定要求を生成する通信局は、経路設定要求の制御データ中に当該経路中のすべての通信局がアクティブ・モードで動作することを要求するか否かを示す要求情報を含ませるようにしてもよい。経路設定要求を生成する通信局は、例えば、生成する経路で伝送されるアプリケーションの伝送遅延制約が大きいと判断した場合に、前記要求情報にて経路中の通信局にアクティブ・モードで動作する旨の情報を設定するようにする。あるいは、当該ネットワークに属する少なくとも一部の通信局は、マルチホップ通信用の経路設定要求の制御データの転送時に、前記要求情報が設定されている際には、事前に確認しておいたアクティブ・モードで中継を行なう意思のない通信局には前記経路設定要求の制御データを転送しないようにする。また、アクティブ・モードに変遷して中継を行なう意思のある通信局は、経路設定要求の制御データを受信したことに応答してアクティブ・モードへ移行するとともに、自局が中継局として動作していた経路が消滅したことをきっかけにスリープ・モードへ移行するようにする。
このように、マルチホップ時において、アクティブ・モードで動作する通信局によって経路を設定することによって、データ転送に大きな遅延を生じるという事態に陥ることを回避することができる
本発明によれば、通信局毎に省電力動作を行ないながら通信局同士で自律分散的なデータ通信を好適に行なうことができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、省電力状態の通信局を含みながら、マルチホップ通信やブロードキャスト転送時における配達遅延を好適に抑制することができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、各通信局が自律分散的に動作している通信環境下において複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう際に、マルチホップの各中継候補局の電力消費を考慮しながら経路の設定を好適に行なうことができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、各通信局がピア・ツウ・ピアで接続される自律分散型のネットワークにおいて、一部の通信局が省電力動作を行なう場合であっても、ブロードキャスト転送を行なう際のデータ転送レイテンシの問題を解決するとともに、マルチホップ通信時において省電力動作する通信局を中継局にするか否かを適切に判断し、より遅延の少ない経路を設定してメッシュ・ネットワークを構成することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
図1は、本発明に係る無線ネットワークにおいて通信動作を行なうことができる無線装置のハードウェア構成を模式的に示した図である。 図2は、無線通信装置の他の構成例を示した図である。 図3は、無線インターフェース部6の内部構成例を示した図である。 図4は、本発明の実施形態を説明するために想定したネットワーク構成例を示した図である。 図5は、図4に示したネットワークにおいてブロードキャスト・トラフィックを送信する手順の一例(従来例)を示した図である。 図6は、図4に示したネットワークにおいて、本発明に係るブロードキャスト・トラフィックの送信手順を示した図である。 図7は、通信局属性のマッチングを行なう例を示した図である。 図8は、通信局がビーコン信号の受信により隣接局を発見した際に、この隣接局と通信状態に入るか否かを判断するための処理手順を示したフローチャートである。 図9は、図25に示した通信環境下において、中継候補局の中継意思がないことを考慮しながら経路設定を行なうためのデータ配送手順の一例を示した図である。 図10は、図25に示した通信環境下において、中継候補局の中継意思があることを考慮しながら経路設定を行なうためのデータ配送手順の一例を示した図である。 図11は、通信局が経路設定要求(若しくは同報データ)を送信するための処理手順を示したフローチャートである。 図12は、経路の宛先となる通信局が経路設定要求を受信した際に実行する処理手順を示したフローチャートである。 図13は、中継候補局となる通信局が経路設定要求データを受信した際に、自局がスリープ・モード下にあるか否かに応じて経路メトリック値にバイアス値を加算するための処理手順を示したフローチャートである。 図14は、通信局が送受信トラフィックに応じて省電力の動作モードとビーコン送信間隔などのパラメータ変更を行なう動作を示した状態遷移図である。 図15は、通信局がバッテリの残量に応じて省電力の動作モードと中継意思などの通信局属性、並びにビーコン送信間隔などのパラメータ変更を行なう動作を示した状態遷移図である。 図16は、インフラストラクチャ・モード時のIEEE802.11の動作例を示した図である。 図17は、通信局の省電力に関する状態遷移図である。 図18は、アドホック・モード時のIEEE802.11の動作例を示した図である。 図19は、アドホック・モード時のIEEE802.11において、STA1、STA2、STA3の3台のMTがIBSS内に存在している場合の動作例を示した図である。 図20は、ネットワークに参画するMTとしてSTA1及びSTA2の2台が互いの通信可能範囲に存在し、各MTは、各々のTBTTを設定して定期的にビーコン信号を送信している様子(従来例)を示した図である。 図21は、STA2からSTA1に対してデータ送信を行なう様子(従来例)を示した図である。 図22は、データ通信を行なう通信局STA1とSTA2の間で属性のマッチングを行なう様子を示した図である。 図23は、データ通信を行なう通信局STA1とSTA2の間で属性のマッチングを行なう様子を示した図である。 図24は、マルチホップ通信を行なう際に利用される経路設定手順を説明するための図である。 図25は、マルチホップ通信を行なう際に利用される経路設定手順を説明するための図である。 図26は、通信局が遅延要求の指定を伴う経路設定要求を送信するための処理手順を示したフローチャートである。
符号の説明
1…CPU
2…ROM
3…RAM
4…周辺装置
5…外部記憶装置
6…無線LANインターフェース部
7…I/Oインターフェース
101…ホスト・インターフェース部
102…データ・バッファ
103…中央制御部
104…ビーコン生成部
106…無線送信部
107…タイミング制御部
109…アンテナ
110…無線受信部
112…ビーコン解析部
113…情報記憶部
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
以下で説明する実施形態において想定している通信の伝搬路は無線であり、且つ、単一の伝送媒体(周波数チャネルによりリンクが分離されていない場合)を用いて、複数の機器間でネットワークを構築する場合としてある。但し、複数の周波数チャネルが伝送媒体として存在する場合であっても、同様のことが言える。また、同実施形態で想定している通信は蓄積交換型のトラヒックであり、パケット単位で情報が転送される。また、以下に説明する各通信局での処理は、基本的にネットワークに参入するすべての通信局で実行される処理である。但し、場合によっては、ネットワークを構成するすべての通信局が、以下に説明する処理を実行するとは限らない。
図1には、本発明に係る無線ネットワークにおいて通信動作を行なうことができる無線装置のハードウェア構成を模式的に示している。無線装置は、パーソナル・コンピュータなどの無線LANカードを搭載した情報機器、あるいはデジタルカメラや音楽プレーヤなどのCE機器である。
図示の無線装置は、CPU(Central Processing Unit)1が、ROM(Read Only Memory)2やRAM(Random Access Memory)3などのメモリ装置、周辺装置4、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置5、無線LANインターフェース6などの周辺装置とはバスを介して相互接続されている。また、ブリッジ装置を介して2本以上のバスが連結されている。
CPU1は、ROM2に格納された制御コードや、外部記憶装置5にインストールされているプログラム・コードをRAM3上にロードして実行することによって、周辺装置4を用いた装置動作(例えば、デジタルカメラにおける撮影や画像再生動作、音楽プレーヤにおけるプレイリスト表示や音楽再生動作)や、無線LANインターフェース部6を用いた通信動作など、装置全体の動作を統括的に制御する。
図1に示した例では、無線LANインターフェース部6はIEEE802.11のMAC(Media Access Control)層のフレームをバス経由でRAM3に渡し、CPU1でMAC層の処理を行なうようになっている。但し、本発明の要旨は、図1に示したような無線装置の構成に限定されるものではなく、図2に示すような別の構成も考えられる。図2では、無線LANインターフェース部6は、I/Oインターフェース7経由でバスに接続されている。無線LANインターフェース部6とバスをつなぐI/Oインターフェース7は、MSIO(Memory Stick IO)、SDIO(Secure Digital IO)、USB(Universal Serial Bus)などが一般的である。無線インターフェース部6は、IEEE802.11のMAC(MediaAccessControl)層の処理を行ない、IEEE802.3と等価なフレームをI/Oインターフェース7を通じてホストCPU1に送るようになっている。
図1及び図2に示したような情報機器は、無線インターフェース部6を装備することで、例えばアドホック・ネットワーク上で動作する通信装置として機能することができる。また、図1及び図2に示したような情報機器はバッテリ(図示しない)から駆動電力が供給されるバッテリ駆動式を想定しており、当該バッテリを充電する充電器を備え、当該バッテリの出力端子電圧などからその残量を求めて充電器による充電オペレーションを制御するようになっている。
図3には、無線インターフェース部6の内部構成例を示している。図示の無線インターフェース部6は、制御局を配置しない自律分散型の通信環境下において通信局として動作し、同じ無線システム内では効果的にチャネル・アクセスを行なうことにより、衝突を回避しながらネットワークを形成することができる。
図示の通り、通信局としての無線インターフェース部6は、ホスト・インターフェース部101と、データ・バッファ102と、中央制御部103と、ビーコン生成部104と、無線送信部106と、タイミング制御部107と、アンテナ109と、無線受信部110と、ビーコン解析部112と、情報記憶部113を備えている。
ホスト・インターフェース部101は、このI/Oインターフェース7に接続されるホスト機器(図1又は図2を参照のこと)との間で各種情報の交換を行なう。
データ・バッファ102は、ホスト・インターフェース部101経由で接続されるホスト機器から送られてきたデータや、無線伝送路経由で受信したデータをホスト・インターフェース部101経由で送出する前に一時的に格納しておくために使用される。
中央制御部103は、所定の実行命令プログラムを実行することによって、通信局としての当該無線インターフェース部6における一連の情報送信並びに受信処理の管理と伝送路のアクセス制御を一元的に行なう。
本実施形態では、中央制御部103は、アドホック・モードやメッシュ・ネットワークなど自律分散型のネットワークにおけるアクセス制御や、自局の省電力動作又は隣接局における省電力援助などを実現するための処理を実施する。また、ここで言うアクセス制御には、マルチホップ通信のための経路要求メッセージなどのブロードキャスト転送、マルチホップ通信時において省電力動作する通信局を考慮した経路設定などの処理などが含まれる。これらの処理の詳細については後述に譲る。
ビーコン生成部104は、近隣にある通信局との間で周期的に交換されるビーコン信号を生成する。無線インターフェース部6を備えた無線装置が無線ネットワークを運用するためには、自己のビーコン送信位置や隣接局からのビーコン受信位置などを規定する。これらの情報は、情報記憶部113に格納されるとともに、ビーコン信号の中に記載して隣接する通信局に報知する。各通信局は、伝送フレーム周期の先頭でビーコンを送信するので、チャネルにおける伝送フレーム周期はビーコン間隔によって定義される。
無線送信部106は、データ・バッファ102に一時格納されているデータやビーコン信号を無線送信するために、所定の変調処理を行なう。また、無線受信部110は、所定の時間に他局から送られてきた情報やビーコンなどの信号を受信処理する。
無線送信部106及び無線受信部110における無線送受信方式は、例えば無線LANに適用可能な、比較的近距離の通信に適した各種の通信方式を適用することができる。具体的には、UWB(Ultra Wide Band)方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式などを採用することができる。
アンテナ109は、他の通信局宛てに信号を所定の周波数チャネル上で無線送信し、あるいは他の通信局から到来する信号を収集する。本実施形態では、送受信機で共用する単一のアンテナを備え、送受信を同時並行しては行なえないものとする。
タイミング制御部107は、無線信号を送受信するためのタイミングの制御を行なう。例えば、伝送フレーム周期の先頭における自己のビーコン送信タイミングや、隣接局からのビーコン受信タイミング、隣接局とのデータ送受信タイミング、スキャン動作周期などを制御する。
ビーコン解析部112は、隣接局から受信できたビーコン信号を解析し、隣接局の存在などを解析する。例えば、TBTTなどのビーコン信号から抽出される隣接局の情報は近隣装置情報として情報記憶部113に格納される。
情報記憶部113は、中央制御部103において実行される一連のアクセス制御動作などの実行手順命令(衝突回避処理手順などを記述したプログラム)や、受信ビーコンの解析結果から得られる近隣装置情報などを蓄えておく。
本実施形態では、無線インターフェース部6を備えた無線装置は、アドホック・モードやメッシュ・ネットワークなど自律分散型のネットワークに参画する通信局として動作する。かかる通信局は、同じく通信局に参画している一部の通信局が省電力動作を行なう場合であっても、好適に通信動作を行なうことができるという特徴がある。具体的には、ブロードキャスト転送を行なう際のデータ転送レイテンシの問題を解決するとともに、マルチホップ通信時において省電力動作する通信局を中継局にするか否かを適切に判断し、より遅延の少ない経路を設定してメッシュ・ネットワークを構成することができる。以下、これらの処理動作について詳解する。
A.省電力援助局におけるブロードキャスト・トラヒックの送信手順
まず、ブロードキャスト・トラヒックの送信手順について、図4を参照しながら説明する。但し、ここでは、通信局の属性として、Doze状態とAwake状態を交互に繰り返すスリープ・モード下の通信局に対して所定の手順を経てデータ転送を行なう能力すなわち「省電力援助」が規定されているものとする。
同図に示すネットワークは、3台の通信局で構成され、STA−Aは省電力援助局であり、STA−B並びにSTA−Cに対してブロードキャスト・トラフィックを送信しようとしているが、STA−Cがスリープ・モードに入っているという状況を想定している。なお、STA−Bもスリープ・モードに遷移していてもよいが、説明の簡素化のため、STA−Bはアクティブ・モードであるものとする。
IEEE802.11に従うネットワーキングでは、AP若しくは省電力援助局は、複数の通信局宛てに同報的にブロードキャストのデータを送信する際に、少なくとも一部の宛先局がスリープ・モード下にあるときには、送信データを内部にバッファしておき、ビーコンを送信した直後にこのデータを送信する。
図5には、この場合の送信手順を示している。同報トラヒック・データがSTA−Aに到着しても、通信相手の1人であるSTA−Cがスリープ・モードで動作しているため、すぐにこのトラヒックを送信することができない。結果として、STA−Aは、STA−Cが受信機を動作させる(STA−Aの)TBTTまでこのデータをバッファ内に保持しておき、ビーコン送信を行なってから当該同報データの送信を行なう。このため、図示のように、当該データの配達にはT0だけの遅延が生じている。
このような問題を回避するため、本発明では、ブロードキャスト・トラフィックを送信したい通信局は、同報データを複数回送信するようにしている。具体的には、同報トラヒック・データがSTA−Aに到着すると、STA−Aは、隣接する通信局毎に(すなわち、各通信局がAwake状態になる度に)、この同報トラフィック・データを配送する手順を起動して、2つのデータ・パケットを生成する(データの中身は同じものである)。
図6には、この場合のブロードキャスト・トラフィックの送信手順を示している。STA−Aは、まずアクティブ・モードで動作しているSTA−B宛てにすぐさま同報データを送信し、さらにその後、STA−Cが受信機を動作させるTBTTでビーコン送信を行なってから、STA−C宛てに同報データを送信する。このようにすれば、アクティブ・モードで動作しているSTA−Bには最小の遅延(図6に示す例ではT1で示される遅延量)で同報データを配送することができ、一方、スリープ・モードで動作しているSTA−Cに対してもT0だけの遅延量を発生しながら確実に同報データを配送する。すなわち、省電力援助局としてのSTA−Aは、配送遅延に関して最善の努力をしたことになる。
また、省電力援助局としてのSTA−Aは、このように同報データ・トラヒックを複数回送信する手順を起動できるか否かに関する通信局の属性情報をあらかじめ隣接局に報知しておくことも望ましい。以下では、各宛先局がAwake状態になるタイミングに合わせて同じ同報データを複数回送信する通信局属性のことを、以下では「低遅延同報配信」と呼ぶことにする。
自律分散型の通信システムにおいて、通信局同士が属性を示す情報を通知し合って、互いの通信局属性のマッチングをとることにより、通信を行なえる関係にあるかどうかをあらかじめ定めるという方法論について既に述べた。図7には、通信局属性のマッチングを行なう例を示している。図22並びに図23に示した「省電力援助」情報に加えて、「低遅延同報配送」機能があるか否かの情報をビーコン信号に含ませることで、この報知が可能となり、通信局同士でマッチングを行なうことができる。あるいは、「低遅延同報配送」機能の報知をビーコン信号に掲載しなくても、周辺通信局との間で制御データとして別途送受信して属性情報を交換することも可能である。
このように、省電力援助局が「低遅延同報配送」機能を周辺に報知しておくことで、スリープ・モードにより動作する隣接局は、当該通信局と通信状態に入るべきか否か(若しくは、アクティブ・モードに移行してから通信状態に入るべきか否か)を判断することができる。
例えば、スリープ・モード下のSTA−Cは、周辺にSTA−Aを発見したときに、STA−Aが「低遅延同報配送」機能を有しない場合には、自らのスリープ・モードのために同報データの配送が遅延することを危惧し、この通信局と通信状態に入らないことを選択するようにしてもよい。同様に、「低遅延同報配送」機能を有しない通信局は、省電力モードで動作する通信局とは通信状態に入らないことを選択することもある。
図8には、通信局がビーコン信号の受信により隣接局を発見した際に、この隣接局と通信状態に入るか否かを判断するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
通信局は、隣接局からビーコン信号(若しくは通信局の属性に関する情報を含んだその他のフレーム)を受信すると(ステップS1)、当該ビーコン信号を解析して、「省電力援助」及び「低遅延同報配信」を含む通信局の属性に関する情報を抽出する(ステップS2)。抽出された情報は、近隣通信装置情報として情報記憶部113に格納される。
次いで、通信局は、自局が現在スリープ・モードで動作しているかどうかを判断する(ステップS3)。
ここで、通信局がスリープ・モードでない、すなわちアクティブ・モードであるときには(ステップS3のNo)、ビーコン信号の送信元である隣接局と通信状態に入っても障害がないので、この隣接局と通信状態に入るための手順を起動する(ステップS7)。
一方、通信局がスリープ・モード下にあるときには(ステップS3のYes)、ビーコン信号などから得られた隣接局の属性に基づいて、この隣接局と通信状態に入ることができるか否かを精査する。
まず、ビーコン信号の送信元である隣接局が、省電力援助局であるかどうかを判別する(ステップS4)。ここで、隣接局が省電力援助局でないときには(ステップS4のNo)、同報データ配送時に大きな遅延が生じ、若しくは通信が途絶するおそれがあるので、当該隣接局を通信状態へ入らない局と決定し、かかる情報を近隣通信装置情報として情報記憶部113に記憶する(ステップS8)。
また、隣接局が省電力援助局である場合には(ステップS4のYes)、さらに、当該隣接局が低遅延同報配送機能を備えているかどうかを判別する(ステップS5)。
隣接局が省電力援助局であり、且つ低遅延同報配送機能を備えているときには(ステップS5のYes)、当該隣接局は、各宛先局がAwake状態になるタイミングに合わせて同じ同報データを複数回送信して、配送遅延を抑制することができる。すなわち、隣接局と通信状態に入っても障害がないので、この隣接局と通信状態に入るための手順を起動する(ステップS7)。
隣接局が省電力援助局であっても、低遅延同報配送機能を備えていない場合には(ステップS5のNo)、自らのスリープ・モードのために同報データの配送が大きく遅延する危惧がある。この場合、通信システムにおいて同報データの配送遅延に関する制約が課されているかどうかをさらに判別する。
通信システムに同報データの配送遅延に関する制約が課されていないときには(ステップS6のNo)、隣接局と通信状態に入っても障害がないので、この隣接局と通信状態に入るための手順を起動する(ステップS7)。
逆に、通信システムに同報データの配送遅延に関する制約が課されているときには(ステップS6のYes)、自らのスリープ・モードのために同報データの配送が遅延し、制約を遵守できないおそれがある。そこで、当該隣接局を通信状態へ入らない局と決定し、かかる情報を近隣通信装置情報として情報記憶部113に記憶する(ステップS8)。
B.スリープ・モード下の通信局における中継意思
複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう際、スリープ・モード下の通信局が中継局に設定されると、経路上の手前の通信局においてデータがバッファされてデータ転送に大きな遅延を生じる、あるいは、通信局はスリープ・モード下にあるにも拘らず、中継局機能を全うするためにDoze状態に移行できない、すなわち省電力を実現できない、といった問題がある。
そこで、本発明に係る通信システムでは、通信局は、自局が中継局になってもよいか否かを隣接局に対して意思表示することによって、データ転送の遅延の問題を解消するとともに、中継候補となる各局の電力消費を勘案して経路設定を行なうようにしている。
図7に示したように、ビーコン信号などにより通信局同士で交換し合う属性情報として中継意思を含ませる。あるいは、中継意思の報知は、ビーコン信号に掲載しなくても、隣接局との間で制御データとして別途送受信し属性情報を交換することも可能である。そして、隣接局と通信状態に入るか否かを決定する際に、中継意思を考慮した通信局属性のマッチングを行なうようにすることができる。
各通信局は、周辺通信局の「中継意思」をあらかじめ確認しておく。そして、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、事前に確認しておいた中継意思の有無に応じて各周辺通信局にこの制御データを転送するか否かを判断する。
ここで、図25に示したように、4台の通信局STA−A〜Dが存在し、STA−AとSTA−D間でマルチホップ通信を行なう場合を想定する。STA−BとSTA−Cが中継候補局となる。但し、STA−Bはアクティブ・モードであり、STA−Cがスリープ・モードに入っている。STA−Cがスリープ・モードに移行する前提として、これに隣接するSTA−A、STA−Bなどの通信局は省電力援助機能をサポートし、さらにSTA−Aは上述した低遅延同報配送機能をサポートするものとする。さらに、ここでは、STA−Cは中継意思がないことを報知しており、STA−Aはこの事実を事前に知っているものとする。
図9には、このような場合においてSTA−Aを起点として経路設定を行なうためのデータ配送手順の一例を示している。STA−Aは、上述した低遅延同報配送機能を備え、経路設定要求を複数回にわたり送信することができる。
同図において、STA−Aは、経路設定の要求が発生すると、経路設定要求の制御データをアクティブ・モードであるSTA−Bに対してすぐさま送信する(同図中のパケット(0))。さらにSTA−Bは、STA−Aから受信した経路設定要求の制御データを、STA−Dに宛ててすぐさま転送する(同図中パケット(1))。
したがって、STA−Aは、所望の宛先局であるSTA−Dに対して、より少ない遅延量T3で経路設定要求の制御データを配達することができる。しかも、STA−Aは、中継意思のないSTA−Cに対して無駄な経路設定要求の制御データを送信しない、すなわち、無駄な送受信が行なわずに済む。
次に、図25に示したものと同様の通信局配置において、STA−Cは中継意思があることを報知しており、且つ、STA−Aはこの事実を事前に知っていることを想定した場合について考察してみる。但し、STA−Bはアクティブ・モードであり、STA−Cがスリープ・モードに入っている(STA−Cがスリープ・モードに移行する前提として、これに隣接するSTA−A、STA−Bなどの通信局は省電力援助機能をサポートするものとする)(同上)。
図10には、このような場合において経路設定を行なうためのデータ配送手順の一例を示している。
同図において、STA−Aは、経路設定の要求が発生すると、経路設定要求の制御データをアクティブ・モードであるSTA−Bに対してすぐさま送信する(同図中のパケット(0))。さらにSTA−Aは、隣接するSTA−C宛てにも同様の制御データを送信しようとするが、STA−Cはスリープ・モード下でDoze状態にあるため、このデータの送信は次回のTBTT以降まで延期される。
STA−Bは、STA−Aから受信した経路設定要求の制御データ(同図中のパケット(0))を、STA−Dに宛ててすぐさま転送する(同図中パケット(1))。したがって、STA−Aは、所望の宛先局であるSTA−Dに対して、より少ない遅延量T3で経路設定要求の制御データを配達することができる。
他方、上述したように、STA−Aは、中継意思を表示したSTA−Cに対しても、経路設定要求の制御データを、STA−Cが受信状態にある時間帯(すなわち、次のTBTT)において送信する(同図中のパケット(2))。そして、STA−Cは、STA−Aから受信した経路設定要求の制御データを、STA−Dに宛ててすぐさま転送する(同図中パケット(3))。したがって、所望の宛先局であるSTA−Dに対して、T3よりも大きな遅延量T4で経路設定要求の制御データを配達することになる。
図10に示したデータ配送手順では、スリープ・モード下の中継候補局STA−Cも中継意思を示したことに起因して、経路の宛先局STA−Dに複数の経路設定データが到着することになる。このような場合、当該宛先局STA−Dは、遅れて到達した経路を選択しないよう(若しくは最前に到達した経路を選択するよう)考慮することにより、スリープ・モード下の通信局を中継局に含む経路を選択しないよう制御することができる。また、スリープ・モード下の通信局を中継局に含まれる経路しか存在しない場合には、その経路が選択される。STA−Aから送信された経路設定要求データが複数の経路を介してSTA−Dで受信された場合であっても、各々のパケット間で経路メトリック値に大きな違いがない場合は、最前に受信した経路を選択するように処理が行なわれる。
なお、経路メトリック値は、経路の品質などを示す尺度であり、一般には、ホップ数、データレート、データレート×(1−パケット誤り率)、若しくはこれらを組み合わせた統計データなど経路元局からこれまでに積算された情報で表される。
図11には、通信局が経路設定要求(若しくは同報データ)を送信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、経路設定要求を発行する通信局は、省電力援助機能をサポートし、隣接局がスリープ・モード下にあるか否か、及び、スリープ・モード下の各隣接局がAwake状態になるタイミングを把握しているものとする。図9並びに図10に示したデータ配送手順において、STA−AがSTA−Dとの間でマルチホップ通信を実施するための経路設定要求を行なう際に、当該処理手順を実行すればよい。
通信局に経路設定要求が発生すると(ステップS11)、情報記憶部113内の近隣通信装置情報を参照して、現在通信状態にある隣接局を確認する(ステップS12)。ここで、通信状態にある隣接局が存在しない場合には(ステップS12のNo)、以降の処理ステップをすべてスキップして、本処理ルーチンを終了する。
一方、通信状態にある隣接局が存在する場合には(ステップS12のYes)、さらに通信状態にある各隣接局のうち受信機がAwake状態のものを取り出す(ステップS13)。そして、受信機がAwake状態である各隣接局に対して、経路設定要求の制御データをすぐさまブロードキャスト送信する(ステップS14)。
受信機がAwake状態の通信局には、アクティブ・モード下(すなわちスリープ・モード下でない)通信局と、スリープ・モード下ではあるが現在はAwake状態の通信局が含まれる。省電力援助する通信局は、ビーコン信号など事前の属性情報の交換を通じて、隣接局に関するこれらの状態を把握している。
また、通信状態にある隣接局のうち現時点でDoze状態のものが存在するときには(ステップS13のNo)、当該隣接局がスリープ・モード下で動作していることを確認した上で(ステップS15のYes)、さらに中継意思を示した通信局であるかどうかをチェックする(ステップS16)。
ここで、スリープ・モード下の通信局に中継意思がないときには(ステップS16のNo)、中継局の候補にならないことから、以降の処理ステップをすべてスキップして、本処理ルーチンを終了する。この場合、中継意思のない隣接局に対して無駄な経路設定要求の制御データを送信しない、すなわち、無駄な送受信が行なわずに済む。
これに対し、スリープ・モード下の通信局に中継意思があるときには(ステップS16のYes)、中継候補局となり得る。したがって、当該中継候補局が受信状態となる時刻(例えば、次のTBTT)まで待機してから(ステップS17)、経路設定要求の制御データを送信する(ステップS18)。この場合、省電力通信局で中継されない経路と、省電力通信局で中継される経路を含む2通り以上の経路が存在して、2以上の経路設定データが経路の宛先局に到着する可能性がある。
また、図12には、経路の宛先となる通信局が経路設定要求を受信した際に実行する処理手順をフローチャートの形式で示している。図9並びに図10に示したデータ配送手順において、経路の宛先局であるSTA−Dは、1以上の経路を介してSTA−Aからの経路設定要求を受信した際に、当該処理手順を実行すればよい。
経路の宛先局は、自局宛ての経路設定要求の制御データを受信すると(ステップS21)、制御データを解析して要求元からの経路情報と経路メトリック情報などの必要なデータを抽出し、経路候補として記録する(ステップS22)。
その後、経路の宛先局は、タイマを設定し(ステップS23)、当該タイマが満了するまでの間(ステップS24のNo)、他の経路を介して到来する経路設定要求の受信を待機する(ステップS25)。そして、経路設定要求を受信する度に(ステップS25のYes)、既に受信した経路設定要求と経路メトリック値を比較して(ステップS26)、経路メトリック値が良好となる経路候補に置き換えていく(ステップS27)。
そして、経路の宛先局は、タイマが満了すると(ステップS24のYes)、経路候補の中継局に対して経路返答メッセージを返信する(ステップS28)。
なお、経路設定の要求元であるSTA−Aやスリープ・モード下の中継候補局STA−Cがいずれも「中継意思」を考慮することなく経路設定要求の制御データを転送した場合であっても、経路の宛先局STA−Dは、図12に示した処理手順を実行し、自局の判断によって有効な経路設定を行なうことが可能である。
また、スリープ・モード下の通信局であるSTA−Cは、中継意思があるものの、データ配達の遅延を懸念して自局が中継局にあまり選ばれないようにするために、転送する経路設定要求パケットRREQ中の経路メトリック値にバイアス値を加算して転送するようにしてもよい。このような場合、経路の宛先局STA−Dは、STA−Cを中継局に含む経路は高コストであると認識し、スリープ・モード下の通信局STA−Cを中継局に含まないその他の経路を選択することができる。経路メトリック値にバイアス値を加算するという操作は、スリープ・モード下の通信局を中継局に含まない経路が存在する場合には、そちらを選択するよう重み付する操作に相当する。また、スリープ・モード下の通信局を中継局に含む経路しか存在しない場合には、その経路が選択されることになる。
図13には、中継候補局となる通信局が経路設定要求データを受信した際に、自局がスリープ・モード下にあるか否かに応じて経路メトリック値にバイアス値を加算するための処理手順をフローチャートの形式で示している。かかる処理手順は、スリープ・モード下にある通信局が中継意思を示す場合に実施すればよく、中継意思のない場合にはそもそも経路設定要求データが届かないことから不要である。また、中継意思がないにも関わらず自局宛てでない経路設定要求データが受信された場合には、通信局は何事もなかったかのようにこの要求データを廃棄してしまう。例えば図10に示したデータ配送手順において、中継候補局STA−B並びにSTA−CがSTA−Aからの経路設定要求を受信した際に、当該処理手順を実行すればよい(但し、STA−Cが中継意思を示しているか、または、STA−AがSTA−Cの中継意思を考慮せず経路設定要求を送信しているものとする)。
通信局は、自局宛てでない経路設定要求の制御データを受信すると(ステップS31)、当該制御データに含まれる経路メトリック値を更新する(ステップS32)。経路メトリック値の算出方法は特に限定されないが、ここでは、受信メトリック値にリンク・メトリック値を加算することで更新する。
次いで、通信局は、自局が現在スリープ・モード下にあるかどうかをチェックする(ステップS33)。
ここで、当該通信局がスリープ・モード下にない(ステップS33のNo)、すなわち、アクティブ・モード下にある場合には、受信した経路設定要求の制御データをすぐさま隣接局に転送でき、中継局となってもデータ配達の遅延が懸念されない。すなわち、経路メトリック値にバイアス値を加算する必要がないので、ステップS32で更新した経路メトリック値を掲載して、経路設定要求を隣接局に転送する(ステップS35)。
一方、当該通信局がスリープ・モード下にあるときには(ステップS33のYes)、自局が経路に含まれることによりデータ配達の遅延が懸念される。このため、ステップS32で更新した経路メトリック値にさらにバイアス値αを加算しから(ステップS34)、当該経路メトリック値を掲載して、経路設定要求を隣接局に転送する(ステップS35)。
C.通信局間で交換される属性情報
本発明に係る通信システムでは、ブロードキャスト転送を行なう際のデータ転送レイテンシの問題を解決し、あるいはマルチホップ通信時において省電力動作する通信局を中継局にするか否かを適切に判断するために、隣接する通信局同士で互いの属性情報を事前の交換するようになっている。下表には、省電力動作並びに経路設定や中継局の制御に関して用いられる通信局の属性をまとめた。
上記の表1で示した通信局属性のうち(A)省電力援助と(B)低遅延同報配送は、省電力援助通信機能を備えた通信局に関する属性であり、これらの属性のON/OFF(機能の装備の有無)の組み合わせは以下の表に示すような意味を持つ。言い換えれば、通信局は、相手局の属性(A)と(B)の組み合わせを参照することで、省電力援助に関する特性を特定することができる。
また、上記の表1で示した通信局属性のうち(3)省電力モードと(4)中継意思は、省電力モードで動作する通信局に関する属性であり、これらの属性のON/OFF(機能の装備の有無)の組み合わせは以下の表に示すような意味を持つ。したがって、通信局は、相手局の属性(C)と(D)の組み合わせに基づいて、当該局をマルチホップ通信時における中継局に設定すべきかどうかを正確に把握することができる。
なお、ここでは、属性情報の(A)から(D)のすべてが通信局間で交換されている場合を例にとったが、これらの属性情報のうち一部のみが交換されている実施例も存在する。そのような場合であっても、部分的には上記の実施形態で示したものと同様の効果を期待することができる。
D.アクティブな中継意思とアクティブな経路設定要求
上記では、中継意思がある通信局の省電力モードは固定されている場合を想定してきた。しかしながら、通信局は,フレームの転送局として機能していないときだけスリープ・モードで動作し、フレームの転送局として機能しているときはアクティブ・モードで動作するといったように、トラヒックの転送状況に応じてモードを変更することもある。
通信局は、スリープ・モード又はアクティブ・モードのいずれで中継処理を行なうかを示す属性を、図7や表1、表3で示した「中継意思」に関わる属性として同様に周辺局に報知することもある。この場合、中継意思は下記の3種類が存在することになり、属性は少なくとも下記の3値が表現されることになる。
上記の通り、アクティブ・モードで中継意思がある通信局は、「経路が設定されるときはスリープ・モード下にあるかもしれないが、たとえそうであっても自局が経路の一部になるとアクティブ・モードに変更して中継を行なう」といった具合に熱心にネットワークに参加することになる。
フレームの中継意思があり、且つ、中継意思があると表明した通信局は、経路設定要求を受信すると、これに基づいて自局が、今後、有効で活動的な経路の中継局になるかもしれないと判断した場合には、タイマを動作させ、現時点でスリープ・モード下にあった場合でもしばらくの間はAwake状態を保持する。タイマが満了するまでの間に、活動的な経路が設定されず当該経路を用いたフレームが転送されなかった場合には、Awake状態からDoze状態へと遷移する。
また、上記の説明では、経路設定要求が単一のメトリックに基づいて決定されることを想定していたが、これ以外にも、スリープ・モードの中継局を経路に含んでよいか否かを考慮して決定するようにしてもよい。例えば、経路の設定元は、アクティブ・モードの中継局だけで経路を作成してほしいのか、又は、作成する経路にはスリープ・モードの中継局が含まれてもよいのかを指定する。そして、経路元は、データの転送に遅延が許容できない場合には、アクティブ・モードの中継局だけで経路を作成するよう要求する。他方、遅延は許容できるができるだけ広く経路を探して欲しい場合には、経路元は、スリープ・モードの中継局も経路に含まれても良いよう要求する。
このような場合、経路の設定を要求する通信局が発するRREQには、「設定する経路内で行われるフレームの中継局はすべてアクティブ・モード下で動作するよう要求するか否か」を示す情報が含まれる。例えば、この情報を「遅延要求」と名付け、すべての中継局にアクティブ・モードでの動作を要求する場合は「遅延要求」がONであると定義する。
各通信局は、周辺通信局の「中継意思」をあらかじめ確認しておく。そして、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、事前に確認しておいた中継意思の属性と経路設定要求で示されている遅延要求の組み合わせに応じて各周辺通信局にこの制御データを転送するか否かを、下記の表に示すように判断する。
ここで、図25に示したように、4台の通信局STA−A〜Dが存在し、STA−AとSTA−D間でマルチホップ通信を行なう場合を想定する。STA−BとSTA−Cが中継候補局となる。但し、STA−Bはアクティブ・モードであり、STA−Cがスリープ・モードに入っている。STA−Cがスリープ・モードに移行する前提として、これに隣接するSTA−A、STA−Bなどの通信局は省電力援助機能をサポートし、さらにSTA−Aは上述した低遅延同報配送機能をサポートするものとする。さらに、ここでは、STA−Cはスリープ・モード下での中継意思があることを報知しており、STA−Aはこの事実を事前に知っているものとする。
このような場合においてSTA−Aを起点として遅延要求がONの経路設定を行なうためのデータ配送手順に次いで、図9(前述)を参照しながら説明する。
同図において、STA−Aは、遅延要求を伴う経路設定の要求が発生すると、経路設定要求の制御データをアクティブ・モードであるSTA−Bに対してすぐさま送信する(同図中のパケット(0))。さらにSTA−Bは、STA−Aから受信した経路設定要求の制御データを、STA−Dに宛ててすぐさま転送する(同図中パケット(1))。
ここで、STA−Aは、経路設定要求が遅延要求を伴っていたことから,中継意思はあるもののアクティブ・モードで中継を行なう予定のないSTA−Cに対しては、無駄な経路設定要求の制御データを送信しない。すなわち、無駄な送受信が行なわずに済む。
次に、図25に示したものと同様の通信局配置において、STA−Cはアクティブ・モード変遷して中継意思があることを報知しており、且つ、STA−Aはこの事実を事前に知っていることを想定した場合の配送手順について、図10(前述)を参照しながら考察してみる。但し、STA−Bはアクティブ・モードであり、STA−Cがスリープ・モードに入っている(STA−Cがスリープ・モードに移行する前提として、これに隣接するSTA−A、STA−Bなどの通信局は省電力援助機能をサポートするものとする)(同上)。
図10において、STA−Aは、遅延要求を伴う経路設定の要求が発生すると、経路設定要求の制御データをアクティブ・モードであるSTA−Bに対してすぐさま送信する(同図中のパケット(0))。さらにSTA−Aは、隣接するSTA−C宛てにも同様の制御データを送信しようとするが、STA−Cはスリープ・モード下でDoze状態にあるため、このデータの送信は次回のTBTT以降まで延期される。
STA−Bは、STA−Aから受信した経路設定要求の制御データ(同図中のパケット(0))を、STA−Dに宛ててすぐさま転送する(同図中パケット(1))。したがって、STA−Aは、所望の宛先局であるSTA−Dに対して、より少ない遅延量T3で経路設定要求の制御データを配達することができる。
他方、上述したように、STA−Aは、アクティブ・モードでの中継意思を表示したSTA−Cに対しても、経路設定要求の制御データを、STA−Cが受信状態にある時間帯(すなわち、次のTBTT)において送信する(同図中のパケット(2))。そして、STA−Cは、STA−Aから受信した経路設定要求の制御データを、STA−Dに宛ててすぐさま転送する(同図中パケット(3))。
なお、STA−Aが低遅延同報配送機能をサポートしていない場合には、経路設定要求の制御データはSTA−B並びにSTA−Cに宛てて、TBTTの後に一斉に送信される場合もある。
上述したデータ配送手順では、スリープ・モード下の中継候補局STA−Cもアクティブ・モードに変遷しての中継意思を示したことに起因して、経路の宛先局STA−Dに複数の経路設定データが到着することになる。したがって、図12で示した処理手順に従って、STA−B又はSTA−Cのどちらかが中継局として選択される。
なお、スリープ・モード下で動作するSTA−Cは、遅延要求を伴う経路設定要求の制御データを受信し、これを処理したことにより、Awake状態を保持する。さらに、その後、自局が中継局として選択された場合には、動作モードをアクティブ・モードに変更して、STA−AとSTA−Dの間のフレームの中継を行なう。また、STA−Cは、経路設定要求の制御データを受信しこれを処理したことに起因して、即座にアクティブ・モードへと変更することもある。STA−Cは、遅延要求を伴わない経路設定要求の制御データを受信し処理したことでもAwake状態を保持し、さらにアクティブ・モードに変遷することがある。
スリープ・モードでのみ中継する意思がある通信局は、周辺通信局から遅延要求を伴う経路設定要求を受信した場合には、自局が当該経路の宛先でない限りはこれを破棄してしまう。また、スリープ・モードでのみ中継する意思がある通信局は、周辺通信局から遅延要求を伴う経路設定要求を受信したことに起因して、アクティブ・モードに変遷して中継する意思がある通信局に変化し、この制御データを処理することもある。後者の場合、通信局はアクティブ・モードへと変遷する。
経路設定に応じてスリープ・モードからアクティブ・モードへ移行した通信局は、当該経路がタイムアウトなどにより消滅した後には、再度、スリープ・モードへと戻る。
図26には、通信局が遅延要求の指定を伴う経路設定要求を送信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、経路設定要求を発行する通信局は、省電力援助機能をサポートし、隣接局がスリープ・モード下にあるか否か、及び、スリープ・モード下の各隣接局がAwake状態になるタイミングを把握しているものとする。図9並びに図10に示したデータ配送手順において、STA−AがSTA−Dとの間でマルチホップ通信を実施するための経路設定要求を行なう際に、当該処理手順を実行すればよい。
通信局に経路設定要求が発生すると(ステップS41)、情報記憶部113内の近隣通信装置情報を参照して、現在通信状態にある隣接局を確認する(ステップS42)。
ここで、通信状態にある隣接局が存在しない場合には(ステップS42のNo)、以降の処理ステップをすべてスキップして、本処理ルーチンを終了する。
一方、通信状態にある隣接局が存在する場合には(ステップS42のYes)、さらに通信状態にある各隣接局のうち受信機がAwake状態のものを取り出す(ステップS43)。そして、受信機がAwake状態である各隣接局に対して、経路設定要求の制御データをすぐさまブロードキャスト送信する(ステップS44)。
受信機がAwake状態の通信局には、アクティブ・モード下(すなわちスリープ・モード下でない)通信局と、スリープ・モード下ではあるが現在はAwake状態の通信局が含まれる。省電力援助する通信局は、ビーコン信号など事前の属性情報の交換を通じて、隣接局に関するこれらの状態を把握している。
また、通信状態にある隣接局のうち現時点でDoze状態のものが存在するときには(ステップS43のNo)、当該隣接局がスリープ・モード下で動作していることを確認した上で(ステップS45のYes)、さらに中継意思を示した通信局であるかどうかをチェックする(ステップS46)。
ここで、スリープ・モード下の通信局に中継意思がないときには(ステップS46のNo)、中継局の候補にならないことから、以降の処理ステップをすべてスキップして、本処理ルーチンを終了する。この場合、中継意思のない隣接局に対して無駄な経路設定要求の制御データを送信しない、すなわち、無駄な送受信が行なわずに済む。
これに対し、スリープ・モード下の通信局に中継意思があるときには(ステップS46のYes)、これらは中継候補局となり得るが、当該経路設定要求が遅延要求を伴っているか否かをさらにチェックする(ステップS47)。
ここで、当該経路設定要求が遅延要求を伴っており,アクティブ・モードの中継局のみで経路を形成する必要がある場合には(ステップS47のYes)、続いて、隣接局の中継意思がアクティブ・モードでの中継意思であるか否かを判断する(ステップS48)。
隣接局がスリープ・モードでの中継意思しかない場合には(ステップS48のNo)、移行の処理ステップはスキップして、本処理ルーチンを終了する。
一方、隣接局にアクティブ・モードでの中継意思がある場合(ステップS48のYes)、又は、当該経路設定要求が遅延要求を伴っておらず、経路にスリープ・モードの中継局を含んでもよい場合には(ステップS47のNo)、当該中継候補局が受信状態となる時刻(例えば、次のTBTT)まで待機してから(ステップS49)、経路設定要求の制御データを送信する(ステップS50)。この場合、省電力通信局で中継されない経路と、省電力通信局で中継される経路を含む2通り以上の経路が存在して、2以上の経路設定データが経路の宛先局に到着する可能性がある。
経路の宛先局は、図12に示した処理手順を実行し、自局の判断によって有効な経路設定を行なうことが可能である。
なお、上記では、各表で示された属性情報のすべてが通信局間で交換されている場合を例にとったが、これらの属性情報のうち一部のみが交換されている実施形態も存在する。そのような場合であっても、部分的には上記の実施形態と同様の効果を期待することができる。
E.ビーコン送信間隔の変更
既に述べたように、省電力援助機能を持つ通信局がブロードキャストのトラフィックを送信する際に、スリープ・モード下の各宛先局がAwake状態になるタイミングに合わせて同じ同報データを複数回送信する「低遅延同報配信」を実施することによって、最小の遅延で同報データを配送することができる。
一方、スリープ・モード下の通信局は、通常、隣接局のTBTTに合わせて、Doze状態からAwake状態に復帰して受信動作を行なう。ここで、TBTTすなわちビーコン送信間隔を長くすると、通信局は受信動作する頻度が低減することから低消費電力の効果が高まる。ところが、ビーコン送信間隔が長いと、システム内でマルチキャスト通信のための経路設定要求やその他のブロードキャストのトラフィックが発生したときには、低遅延同報配信を用いても、すべての宛先局へのデータ送信が完了するまでの所要時間が長くなってしまう。すなわち、ビーコン送信間隔に関連して、データ送信の遅延量と消費電力との間でトレードオフが成り立つ。
そこで、通信局は、送受信するトラフィックがないと判断したときにはアクティブ・モードからスリープ・モードに遷移するが、その後は上記のトレードオフを考慮した動作を行なう。具体的には、スリープ・モードに以降した後、さらに送受信するトラヒックがないと判断したことに応じて、ビーコン送信間隔を段階的に伸ばしていくことで、より効果的な低消費電力モードに入る。ビーコン送信間隔を伸ばすと、データの配送に要する遅延量は増えるが、ネットワーク中のトラヒックが少なければ、かかる遅延量を許容することができる。
また、スリープ・モード下の通信局は、送受信するトラヒックが発生したときには、逆にビーコン送信間隔を段階的に短くしていくことによりデータ転送の遅延量を短くするように制御し、さらに多量の送受信トラヒックが発生したときには、スリープ・モードからアクティブ・モードへと遷移する。
図14には、通信局が送受信トラフィックに応じて省電力の動作モードとビーコン送信間隔などのパラメータ変更を行なう動作を示している。図示の例では、通信局のアクティブ・モード下でのビーコン送信間隔は100ミリ秒とし、スリープ・モード下でのビーコン送信間隔はトラフィックの有無に応じて100ミリ秒、200ミリ秒、400ミリ秒の3段階が定義されているものとする。
ここで、トラヒックの有無の指標としては、一定期間Ta間に送受信したパケットの個数をカウントしておき、このカウント値に応じて上記の動作モードの変更や、ビーコン送信間隔などのパラメータの設定を行なうことができる。また、時間当たりのパケットの個数ではなく、送受信したデータのビット数をカウントしておき、この数に応じて上記のモードやパラメータの設定を行なうようにしてもよい。
アクティブ・モード下の通信局は、一定期間Taにトラフィックの送受信量がaパケット以下になると、同じビーコン送信間隔(100ミリ秒)のままで第1段階のスリープ・モードに移行する。すなわち、通信局は、許容する遅延量を一定にしたままで間欠受信動作に転じることになる。一方、第1段階のスリープ・モード下で、一定期間Taにおけるトラフィックの送受信量が2×a以上になると、データ送信の遅延量と消費電力の関係が不均衡になる、すなわち、すべての宛先局へのデータ送信が完了するまでの所要時間が長くなってしまうことが懸念されるので、アクティブ・モードに復帰する。
また、第1段階のスリープ・モード下の通信局は、一定期間Taにトラフィックの送受信量がさらにa/2パケット以下に低下すると、データ送信の遅延の問題が生じる可能性が低くなることから、ビーコン送信間隔をさらに長い200ミリ秒とした第2段階のスリープ・モードに移行して、さらなる低消費電力化を図る。一方、第2段階のスリープ・モード下で、一定期間Taにおけるトラフィックの送受信量がa以上になると、データ送信の遅延量と消費電力の関係が不均衡になることが懸念されるので、第1のスリープ・モードに復帰して、ビーコン送信間隔を100ミリ秒に短縮してデータ送信の遅延量を短くするようにする。
また、第2段階のスリープ・モード下の通信局は、一定期間Taにトラフィックの送受信量がさらにa/4パケット以下に低下すると、データ送信の遅延の問題が生じる可能性が低くなることから、ビーコン送信間隔をさらに長い400ミリ秒とした第3段階のスリープ・モードに移行して、さらなる低消費電力化を図る。一方、第3段階のスリープ・モード下で、一定期間Taにおけるトラフィックの送受信量がa/2以上になると、データ送信の遅延量と消費電力の関係が不均衡になることが懸念されるので、第2のスリープ・モードに復帰して、ビーコン送信間隔を200ミリ秒に短縮してデータ送信の遅延量を短くするようにする。
なお、図14では、動作モードやビーコン送信間隔の変更を決定するカウント値は2×a、a/2、a/4などで指定している場合を例示したが、これらの値は一例であり、類似する他の値を用いて制御を行なっても構わない。
F.バッテリ駆動の通信局の動作
既に述べたように、本発明に係る通信システムでは、スリープ・モード下にある通信局は、マルチホップ通信の際に自局が中継局になる意思があるかどうかの属性を隣接局に通知するようになっている。スリープ・モード下の通信局が中継局に設定されると、データ配達の遅延を生じることが懸念され、また、通信局にとっては送受信する機会が多くなることから、消費電力が増加するという問題がある。
そこで、通信局がバッテリ駆動であるときには、バッテリの残量に応じて、省電力に関する動作モードだけでなく、中継意思やビーコン送信間隔も適宜切り替えるようにしてもよい。具体的には、中継意思のある通信局は、初期状態ではアクティブ・モードであるが、バッテリ残量が低下すると中継意思を維持したままスリープ・モードに移行して、簡潔受信動作により低消費電力化を図る。
また、スリープ・モード下において中継意思のある通信局は、バッテリ残量の低下とともに、ビーコン送信間隔を徐々に長くしていることで、一層の低消費電力化を図る。そして、バッテリ残量の低下が進行して中継局としての動作が困難になると中継意思を解除し、さらに通信動作が不能になるほどバッテリ残量が低下してしまうと、自律分散通信機能自体をオフにしてしまう。
図15には、通信局がバッテリの残量に応じて省電力の動作モードと中継意思などの通信局属性、並びにビーコン送信間隔などのパラメータ変更を行なう動作を示している。図示の例では、通信局は、アクティブ・モード下では中継意思を示すとともに100ミリ秒のビーコン送信間隔で動作する。また、スリープ・モード下では、通信局のビーコン送信間隔として100ミリ秒と200ミリ秒の2通りが定義されるとともに、バッテリ残量に応じて中継意思の有無を切り替えるようになっており、ビーコン送信間隔と中継意思の有無の組み合わせで4段階のスリープ・モードが定義されている。
通信局は、バッテリ残量が80%以上であればアクティブ・モードで中継意思を示すとともに、100ミリ秒という短いビーコン送信間隔で動作する。ここで、バッテリの残量が減少して80%を下回ると、通信局は、第1段階のスリープ・モードに移行する。第1のスリープ・モード下では、ビーコン送信間隔が同じ100ミリ秒により間欠受信動作を行なうとともに、アクティブな中継をそのまま行なうにする。第1のスリープ・モードにおいて許容する遅延量は、アクティブ・モードとほぼ同じものとなる。一方、第1のスリープ・モード下で、充電動作によりバッテリ残量が80%以上に回復すると、常時受信動作を行なって効率的な中継局動作が可能となるので、アクティブ・モードに復帰する。
また、第1のスリープ・モード下で、バッテリの残量がさらに70%を下回るまで減少すると、短いビーコン送信間隔で動作するとバッテリの消耗がさらに懸念されることから、第2のスリープ・モードに移行する。第2のスリープ・モード下では、ビーコン送信間隔は100ミリ秒のままで間欠受信動作を行なうが、アクティブな中継は行なわない(すなわち、スリープ・モードのまま中継を行なう)ように変更する。一方、第2のスリープ・モード下で、充電動作によりバッテリ残量が70%以上に回復すると、まだバッテリの回復のために間欠受信動作が必要であるがアクティブな中継局動作が可能となるので、第1のスリープ・モードに復帰する。
また、第2のスリープ・モード下で、バッテリの残量がさらに60%を下回るまで減少すると、中継局として動作するとバッテリの消耗を十分抑制できなくなることから、第3のスリープ・モードに移行する。第3のスリープ・モード下では、ビーコン送信間隔は100ミリ秒のままで間欠受信動作を行なうが、中継意思を完全に解除する。一方、第3のスリープ・モード下で、充電動作によりバッテリ残量が60%以上に回復すると、まだバッテリの回復のために間欠受信動作が必要であるものの、スリープ・モードのままであれば中継局動作が可能となるので、第2のスリープ・モードに復帰する。
また、第3のスリープ・モード下で、バッテリの残量がさらに40%を下回るまで減少すると、100ミリ秒というビーコン送信間隔のままで動作するとバッテリの消耗がさらに懸念されることから、第4のスリープ・モードに移行する。第4のスリープ・モード下では、中継局動作を行なわないだけではバッテリの残量を十分回復することはできないので、ビーコン送信間隔をさらに長い200ミリ秒にして間欠受信動作を行なう。一方、第4のスリープ・モード下で、充電動作によりバッテリ残量が40%以上に回復すると、まだバッテリの回復のために間欠受信動作が必要であるがアクティブな中継局動作が可能となるので、第3のスリープ・モードに復帰する。
また、第4のスリープ・モード下で、バッテリの残量がさらに20%を下回るまで減少すると、バッテリの消耗は深刻であり、間欠受信動作を継続しているとバッテリの残量を十分回復することはできないので、自律的に動作する通信局としての通信機能をオフ状態にする。この状態は、従来のIEEE802.11のインフラストラクチャ・モードにおけるMTとしての動作に相当する。このとき、近隣にAPが存在する場合には、そのAPへの接続を試みることになる。一方、通信機能のオフ状態においてバッテリ残量が20%以上に回復すると、まだ中継局動作は不能であるものの間欠受信動作派可能となるので、第4のスリープ・モードに復帰する。
通信局の動作モードや、中継意思の有無、ビーコン送信間隔は、ネットワークに参画する積極性の度合いを表すものでもある。したがって、上述の操作によれば、通信局は、バッテリ残量に応じて、ネットワークにどれだけ積極的に参画するかを制御することが可能である。
なお、図15では、バッテリ残量の閾値を80%、70%、60%、40%、20%である場合を例示したが、これらの値は一例であり、類似する他の値を用いて制御を行なっても構わない。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、IEEE802.11のような無線LANシステムに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。複数の通信局が自律分散的に動作するとともに、各通信局が送受信動作を間欠的に行うような通信環境において、ある通信局がブロードキャストのトラフィックを送信する場合や、マルチホップ通信のための経路設定要求を転送したり、中継局を設定したりする場合に、本発明を同様に適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。

Claims (25)

  1. 自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信システムであって、
    少なくとも一部の通信局は間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局であり、他の少なくとも一部の通信局は前記省電力通信局と通信を行なう能力を持つ省電力援助局であり、
    前記省電力援助局のうち少なくとも一部は、同報データ配送の際に、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度にデータ送信を行なう低遅延同報配送機能を備える、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 各通信局が省電力通信局であるか、省電力援助局であるか否か、又は低遅延同報配送機能を備えるか否かに関する通信局属性を互いに通知する手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 通信局属性を通知し合った通信局同士は、互いの通信局属性をマッチングした結果に基づいて通信状態に入るか否かを決定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
  4. 省電力通信局は省電力援助局でない通信局とは通信状態に入らないことを選択し、又は、省電力援助局でない通信局は省電力通信局とは通信状態に入らないことを選択する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
  5. 省電力通信局は、システムに課されている配送遅延に関する制約を考慮しながら、低遅延同報配送機能を持たない省電力援助局と通信状態に入るか否かを選択する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
  6. 自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信環境下でデータ通信を行なう通信装置であって、
    前記通信環境において送受信を行なう通信手段と、
    前記通信手段による通信動作を制御する通信制御手段と、
    隣接する各通信局が間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作していることを把握する省電力援助手段と、
    複数の通信局に対して同報データ配送を行なう際に、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度にデータ送信を行なう低遅延同報配送手段と、
    を具備することを特徴とする通信装置。
  7. 自局が間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作するか、前記省電力援助手段を備えているか、又は、前記低遅延同報配送手段を備えているか否かに関する通信局属性を隣接する通信局との間で通知し合う通知手段をさらに備る、
    ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  8. 前記通信制御手段は、互いの通信局属性をマッチングした結果に基づいて、隣接する各通信局と通信状態に入るか否かを決定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  9. 自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信環境下でデータ通信を行なう通信装置であって、
    前記通信環境において送受信を行なう通信手段と、
    前記通信手段による通信動作を制御する通信制御手段と、
    自局が間欠的に前記通信手段の送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局か、スリープ・モードで動作する通信局とのデータ通信に対応する省電力援助局か、又は、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度にデータ送信を行なう低遅延同報配送機能を備えているか否かに関する通信局属性を隣接する通信局との間で通知し合う通知手段を備え、
    前記通信制御手段は、互いの通信局属性をマッチングした結果に基づいて、隣接する各通信局と通信状態に入るか否かを決定する、
    ことを特徴とする通信装置。
  10. 前記通信制御手段は、自局がスリープ・モードで動作する際に、前記低遅延同報配送機能を備えた通信局と通信状態に入ることを決定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
  11. 前記通信制御手段は、前記通信環境下で同報データ遅延に制約が課されていないときには、前記低遅延同報配送機能を備えていない通信局とも通信状態に入ることを決定する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
  12. 自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信環境下でデータ通信を行なう通信方法であって、
    隣接する各通信局が間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作していることを把握する省電力援助ステップと、
    複数の通信局に対して同報データ配送を行なう際に、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度にデータ送信を行なう低遅延同報配送ステップと、
    を有することを特徴とする通信方法。
  13. 自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信環境下でデータ通信を行なう通信方法であって、
    自局が間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局か、スリープ・モードで動作する通信局とのデータ通信に対応する省電力援助局か、又は、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度にデータ送信を行なう低遅延同報配送機能を備えているか否かに関する通信局属性を隣接する通信局との間で通知し合う通知ステップと、
    自局がスリープ・モードで動作する際に、互いの通信局属性をマッチングした結果に基づいて、隣接する各通信局と通信状態に入るか否かを決定する決定ステップを有し、
    前記決定ステップでは、前記低遅延同報配送機能を備えた通信局と通信状態に入ることを決定し、前記通信環境下で同報データ遅延に制約が課されていないときには、前記低遅延同報配送機能を備えていない通信局とも通信状態に入ることを決定する、
    ことを特徴とする通信方法。
  14. 自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信環境下でデータ通信を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータに対し、
    隣接する各通信局が間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作していることを把握する省電力援助手順と、
    複数の通信局に対して同報データ配送を行なう際に、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度にデータ送信を行なう低遅延同報配送手順と、
    を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  15. 自律分散的に動作する複数の通信局からなる通信環境下でデータ通信を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータに対し、
    自局が間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局か、スリープ・モードで動作する通信局とのデータ通信に対応する省電力援助局か、又は、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度にデータ送信を行なう低遅延同報配送機能を備えているか否かに関する通信局属性を隣接する通信局との間で通知し合う通知手順と、
    自局がスリープ・モードで動作する際に、互いの通信局属性をマッチングした結果に基づいて、隣接する各通信局と通信状態に入るか否かを決定する決定手順を実行させ、
    前記決定手順では、前記低遅延同報配送機能を備えた通信局と通信状態に入ることを決定し、前記通信環境下で同報データ遅延に制約が課されていないときには、前記低遅延同報配送機能を備えていない通信局とも通信状態に入ることを決定する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  16. 複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なうに際して、前記省電力通信局が中継局として動作する意思があるか否かに関する情報を隣接局に通知する手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  17. 通信局は、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、事前に確認しておいた中継意思の有無に応じて、隣接する省電力通信局へ該制御データを転送するか否かを判断する、
    ことを特徴とする請求項16に記載の通信システム。
  18. 通信局は、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度にデータ送信を行なう、
    ことを特徴とする請求項16に記載の通信システム。
  19. 経路の宛先局は、2以上の経路設定データが到着したときには、遅れて到達した経路を選択しない、若しくは最前に到達した経路を選択するようにする、
    ことを特徴とする請求項18に記載の通信システム。
  20. 前記省電力通信局は、中継局として動作する意思がある場合、中継局として動作する意思がある際に、経路メトリック値にバイアス値を付与する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の通信システム。
  21. 複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう通信環境下では少なくとも一部の通信局は前記通信手段の送受信機を間欠的に動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局であり、
    隣接する省電力通信局が中継局として動作する意思があるか否かに関する情報を収集して、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、事前に確認しておいた中継意思の有無に応じて、隣接する省電力通信局へ該制御データを転送するか否かを判断する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  22. 前記通信制御手段は、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データの転送時において、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度に該制御データの送信を行なうように制御する、
    ことを特徴とする請求項21に記載の通信装置。
  23. 自律分散的に動作する複数の通信局からなり、複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう通信環境下でデータ通信を行なう通信装置であって、前記通信環境下では少なくとも一部の通信局は間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局であり、且つ、マルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データを中継する少なくとも一部の通信局は、送信先となる各々の通信局が受信機を起動するアクティブ状態になる度に該制御データの送信を行なっており、
    前記通信環境において送受信を行なう通信手段と、
    前記通信手段による通信動作を制御する通信制御手段を備え、
    自局を経路の宛先としたマルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データが2以上到着した際に、遅れて到達した経路を選択し、若しくは最前に到達した経路を選択する、
    ことを特徴とする通信装置。
  24. 複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう通信環境下では少なくとも一部の通信局は間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局であり、
    隣接する省電力通信局が中継局として動作する意思があるか否かに関する情報を収集するステップと、
    事前に確認しておいた中継意思の有無に応じて、隣接する省電力通信局へマルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データを転送するか否かを判断して、制御データを転送するステップと、
    をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の通信方法。
  25. 複数の通信局がフレームをリレーして伝送するマルチホップ通信を行なう通信環境下では少なくとも一部の通信局は間欠的に送受信機を動作させるスリープ・モードで動作する省電力通信局であり、
    隣接する省電力通信局が中継局として動作する意思があるか否かに関する情報を収集する手順と、
    事前に確認しておいた中継意思の有無に応じて、隣接する省電力通信局へマルチホップ通信用の経路設定に関連する制御データを転送するか否かを判断して、制御データを転送する手順と、
    をさらに実行させることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ・プログラム。
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