JP2004363702A - 通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラム及びスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワーク構成の動的変更特性、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性、アドホック特性、管理負荷特性および競合制御効率特性に優れた通信制御システムを提供する。
【解決手段】マスタ通信端末は、競合管理テーブル300の内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信し、参加要求を受信したときは、競合管理テーブル300を更新する。スレーブ通信端末は、マスタ通信端末に参加要求を送信し、管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブル300を更新し、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信する。
【選択図】 図13
【解決手段】マスタ通信端末は、競合管理テーブル300の内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信し、参加要求を受信したときは、競合管理テーブル300を更新する。スレーブ通信端末は、マスタ通信端末に参加要求を送信し、管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブル300を更新し、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信する。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アドホック方式のネットワークにおいてアクセスの競合制御を行う装置およびプログラム、並びに方法に係り、特に、ネットワーク構成の動的変更特性、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性、アドホック特性、管理負荷特性および競合制御効率特性に優れた通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線LANのためのIEEE802.11標準では、無線ネットワークを構成するのにアドホック方式およびインフラストラクチャ方式の2つの方式を定めている。
アドホック方式は、各通信端末と動的にネットワークを構成する。アドホック方式のネットワークでは、定められたネットワーク構造はなく、固定されたポイントもなく、ネットワーク内のどの通信端末も他の通信端末と通信できるようになっている。アクセスの競合制御を行うには、例えば、スポークスマン選択アルゴリズムが提供されており、これは、ネットワークを構成する通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の通信端末がスレーブ通信端末となって、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うものである。
【0003】
従来、アドホック方式のネットワークにおいてアクセスの競合制御を行う通信プロトコルとしては、例えば、802.11無線LANデバイスが用いているCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式およびBluetoothが用いているTDMA/TDD(Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)方式があった。これらはいずれも、OSI参照モデルにおけるデータリンク層の通信プロトコルである。
【0004】
CSMA/CA方式では、フレームの送信要求が生じた通信端末は、送信前にランダムなバックオフ時間を決定し、DIFS(Distributed coordination function Initial interFrame Space)およびバックオフ時間の間はチャネル上で他の端末からの送信の有無を観測し(= Listen before Talk)、他の端末からの送信がなければ、フレームを送信する。DIFSおよびバックオフ時間が経過する前に他の端末からの送信を検出した場合は、経過した分だけバックオフ時間を減算し、先立つフレームの末尾を検出してから再度Listen before Talkを行った後、フレームを送信する。ここで、バックオフ時間は、一様分布に基づいて決められる。バックオフ時間の取り得る値の最大値CW(Contention Window)は、フレームの送信が失敗するごとに2倍される。
【0005】
一方、TDMA/TDD方式では、ネットワークを構成する通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の通信端末がスレーブ通信端末となって、所定時間ごとのタイムスロットを利用してマスタ通信端末とスレーブ通信端末との間で通信を行う。このとき、送信側と受信側が時間的に同期したタイムスロットを利用する。
【0006】
なお、CSMA/CA方式を改良して無線通信を行う技術としては、例えば、特許文献1記載のIEEE802.11標準パラメータの変更方法、および特許文献2記載の無線ネットワーク局間の通信に優先順位を付ける方法があった。また、TDMA/TDD方式を改良して無線通信を行う技術としては、例えば、特許文献3記載の無線ネットワークがあった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−185474号公報
【特許文献2】
特開2002−314546号公報
【特許文献3】
特開2001−160813号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
アドホック方式のネットワークにおけるアクセスの競合制御には、次のような特性が要求される。
(1)通信端末のネットワークへの参加・離脱が容易に行えること(ネットワーク構成の動的変更特性)。
(2)通信端末の消費電力を削減すること(低消費電力特性)。
(3)音声・動画等のリアルタイムデータの伝送が可能であること(リアルタイム特性)。
(4)プロトコルのオーバーヘッドが小さく、ネットワークのスループットが高いこと(スループット特性)。
(5)ネットワークを構成する通信端末間での通信が容易に行えること(アドホック特性)。
(6)通信端末全体の管理負荷が少なく、かつ、各通信端末の管理負荷に偏りが少ないこと(管理負荷特性)。
(7)ネットワークを構成する通信端末の数が増大してもアクセスの競合制御を効率的に行えること(競合制御効率特性)。
【0009】
しかしながら、CDMA/CA方式にあっては、TDMA/TDD方式と比較した場合に、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性および競合制御効率特性が十分でないという問題があった。すなわち、低消費電力特性については、DIFSおよびバックオフ時間が経過するまでListen before Talkを行う必要があるため、受信電力を消費する。リアルタイム特性については、リアルタイムデータを伝送するのに別途専用のプロトコル(802.11無線LANデバイスではPCF)が必要で他の通信端末との共存も考慮しなければならず、通信端末の構成が複雑になる。スループット特性については、バックオフ時間のオーバーヘッドが大きいため、ネットワークを構成する通信端末の数が増大するとスループットが低下する可能性がある。競合制御効率特性については、ネットワークを構成する通信端末の数が増大するとコリジョン(複数の端末からの送信の衝突)の発生確率が増大するため、アクセスの競合制御を効率的に行うことができない。
【0010】
また、TDMA/TDD方式にあっては、CDMA/CA方式と比較した場合に、ネットワーク構成の動的変更特性、アドホック特性および管理負荷特性が十分でないという問題があった。すなわち、ネットワーク構成の動的変更特性については、通信端末のネットワークへの参加数を柔軟に拡張することができない。アドホック特性については、例としてBluetoothではマスタ通信端末とスレーブ通信端末との間でしか通信を行うことができないため、ネットワークを構成する任意の通信端末間での通信を容易に行うことができない。管理負荷特性については、マスタ通信端末が集中してアクセスの競合制御を行うため、マスタ通信端末の管理負荷が大きい。
【0011】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、ネットワーク構成の動的変更特性、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性、アドホック特性、管理負荷特性および競合制御効率特性に優れた通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
〔発明1〕
上記目的を達成するために、発明1の通信制御システムは、
複数の通信端末を通信可能に接続し、前記複数の通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の前記通信端末がスレーブ通信端末となって、前記通信端末間の通信を制御するシステムであって、
前記マスタ通信端末は、前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段と、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段とを有し、
前記スレーブ通信端末は、前記競合管理テーブルと、前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段と、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段と、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段とを有し、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0013】
このような構成であれば、スレーブ通信端末では、参加要求送信手段により、マスタ通信端末に参加要求が送信される。
マスタ通信端末では、スレーブ通信端末からの参加要求を受信すると、参加要求受信手段により、そのスレーブ通信端末が送信順序のうちいずれかの順位に登録されることにより競合管理テーブルが更新される。そして、管理フレーム送信手段により、競合管理テーブルの内容を含む管理フレームがブロードキャスト送信される。
【0014】
スレーブ通信端末では、管理フレームを受信すると、スレーブ側フレーム受信手段により、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブルが更新される。そして、フレームを送信する場合は、スレーブ側フレーム送信手段により、競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時が予測され、予測された送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時になると、フレームが送信される。また、スレーブ側フレーム受信手段により、他のスレーブ通信端末からのフレームを受信することができる。
【0015】
これにより、スレーブ通信端末では、競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するので、スレーブ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができる。また、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うので、リアルタイムデータを伝送するのに別途専用のプロトコルを設けなくて済み、通信端末の構成を比較的簡素にすることができる。また、フレームの送信時にランダムバックオフ時間を設けなくてすむので、オーバーヘッドを小さくし、スループットの向上と低消費電力化を図ることができる。また、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うので、ネットワークを構成する通信端末の数が増大してもコリジョンの発生確率が小さく、アクセスの競合制御を効率的に行うことができる。したがって、従来のCSMA/CA方式に比して、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性および競合制御効率特性を向上することができるという効果が得られる。
【0016】
さらに、参加要求送信手段および参加要求受信手段を設けたので、スレーブ通信端末がネットワークに動的に参加することができる。また、アドホック的な動作も可能としたために、スレーブ通信端末同士でも通信を行うことができる。また、マスタ通信端末は、スレーブ通信端末よりも、参加要求受信処理および管理フレーム送信処理を余分に行うだけなので、マスタ通信端末の管理負荷がさほど大きくない。したがって、従来のTDMA/TDD方式に比して、ネットワーク構成の動的変更特性、アドホック特性および管理負荷特性を向上することができるという効果も得られる。
〔発明2〕
さらに、発明2の通信制御システムは、発明1の通信制御システムにおいて、前記マスタ通信端末は、さらに、フレームを受信するマスタ側フレーム受信手段と、フレームを送信するマスタ側フレーム送信手段とを有し、
前記マスタ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて前記マスタ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、前記マスタ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0017】
このような構成であれば、フレームを送信する場合、マスタ通信端末では、マスタ側フレーム送信手段により、競合管理テーブルに基づいてマスタ通信端末の送信時が予測され、予測された送信時となるまで低消費電力モードに移行し、マスタ通信端末の送信時となると、フレームが送信される。また、マスタ側フレーム受信手段により、スレーブ通信端末からのフレームを受信することができる。
【0018】
一方、スレーブ通信端末では、スレーブ側フレーム受信手段により、マスタ通信端末または他のスレーブ通信端末からのフレームを受信することができる。
これにより、マスタ通信端末では、競合管理テーブルに基づいてマスタ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するので、マスタ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができる。また、マスタ側フレーム送信手段およびマスタ側フレーム受信手段を設けたので、マスタ通信端末とスレーブ通信端末との間、およびスレーブ通信端末同士で通信を行うことができる。したがって、低消費電力特性およびアドホック特性をさらに向上することができるという効果も得られる。
〔発明3〕
さらに、発明3の通信制御システムは、発明2の通信制御システムにおいて、前記マスタ側フレーム送信手段は、前記予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信したときは、受信したフレームおよび前記競合管理テーブルに基づいて前記マスタ通信端末の送信時を再予測し、前記再予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信したときは、受信したフレームおよび前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を再予測し、前記再予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するようになっていることを特徴とする。
【0019】
このような構成であれば、マスタ通信端末では、予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信すると、マスタ側フレーム送信手段により、受信したフレームおよび競合管理テーブルに基づいてマスタ通信端末の送信時が再予測され、再予測された送信時となるまで低消費電力モードに移行する。
一方、スレーブ通信端末では、予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信すると、スレーブ側フレーム送信手段により、受信したフレームおよび競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時が再予測され、再予測された送信時となるまで低消費電力モードに移行する。
【0020】
これにより、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末の送信時の電力消費をさらに抑制することができるので、低消費電力特性をさらに向上することができるという効果も得られる。
〔発明4〕
さらに、発明4の通信制御システムは、発明2および3のいずれかの通信制御システムにおいて、
前記競合管理テーブルは、前記通信端末の送信順序を登録するようになっており、
前記マスタ側フレーム送信手段は、前記マスタ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0021】
このような構成であれば、マスタ通信端末では、マスタ通信端末の送信時となると、マスタ側フレーム送信手段により、フレームが送信される。
一方、スレーブ通信端末では、自己スレーブ通信端末の送信時となると、スレーブ側フレーム送信手段により、フレームが送信される。
これにより、マスタ通信端末とスレーブ通信端末との間、およびスレーブ通信端末同士で通信を比較的確実に行うことができるので、アドホック特性をさらに向上することができるという効果も得られる。
〔発明5〕
さらに、発明5の通信制御システムは、発明2ないし4のいずれかの通信制御システムにおいて、
前記参加要求送信手段は、ランダムなバックオフ時間を決定し、前記管理フレームの受信時から前記ランダムバックオフ時間が経過した後に前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信するようになっていることを特徴とする。
【0022】
このような構成であれば、スレーブ通信端末では、参加要求送信手段により、ランダムなバックオフ時間が決定され、管理フレームの受信時からランダムバックオフ時間が経過した後にマスタ通信端末に参加要求が送信される。
これにより、複数のスレーブ通信端末がマスタ通信端末に同時に参加要求を送信することによりコリジョンが発生する可能性を低減することができるので、スレーブ通信端末のネットワークの参加を比較的確実に行うことができるという効果も得られる。
〔発明6〕
さらに、発明6の通信制御システムは、発明2ないし5のいずれかの通信制御システムにおいて、
前記管理フレーム送信手段は、前記管理フレームを所定周期でブロードキャスト送信するようになっており、
前記マスタ側フレーム送信手段は、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したときは、前記管理フレーム送信手段により次の前記管理フレームが送信されるまでフレームの送信を待機し、前記管理フレーム送信手段ができるだけ早期に管理フレームの送信を行って通信順序の回復を行うようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したときは、前記スレーブ側フレーム受信手段により次の前記管理フレームを受信するまでフレームの送信を待機するようになっていることを特徴とする。
【0023】
このような構成であれば、マスタ通信端末では、管理フレーム送信手段により、管理フレームが所定周期でブロードキャスト送信される。また、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗すると、マスタ側フレーム送信手段により、次の管理フレームが送信されるまでフレームの送信を待機する。
一方、スレーブ通信端末では、フレームの受信中にあるフレーム構成情報に失敗すると、スレーブ側フレーム送信手段により、次の管理フレームを受信するまでフレームの送信を待機する。
【0024】
これにより、競合管理テーブルが更新されたにもかかわらず、古い競合管理テーブルに基づいてスレーブ通信端末がフレームを送信することによりコリジョンが発生した場合は、すべてのスレーブ通信端末の競合管理テーブルが同一の内容となるまで、マスタ通信端末およびすべてのスレーブ通信端末においてフレームの送信が停止するので、ネットワークを比較的早急に回復することができるという効果も得られる。
【0025】
ここで、フレーム構成情報は、例えば、フレーム種別、フレーム長、送信先アドレス、送信元アドレス等の情報から構成される。
〔発明7〕
さらに、発明7の通信制御システムは、発明2ないし6のいずれかの通信制御システムにおいて、
前記マスタ側フレーム送信手段および前記スレーブ側フレーム送信手段は、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないときは、フレームを送信するようになっていおり、
前記マスタ側フレーム送信手段は、緊急に管理フレームを送信する必要があるときは、前記第1のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0026】
このような構成であれば、マスタ通信端末では、スレーブ通信端末にフレームを送信する場合、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないと、マスタ側フレーム送信手段により、スレーブ通信端末にフレームが送信される。
スレーブ通信端末では、例えばマスタ通信端末にフレームを送信する場合、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないと、スレーブ側フレーム送信手段により、マスタ通信端末にフレームが送信される。
【0027】
また、マスタ通信端末では、緊急に管理フレームを送信する必要が発生すると、マスタ側フレーム送信手段により、第1のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間が経過するのを待ってフレームが送信される。
これにより、マスタ通信端末において緊急に管理フレームを送信する必要が発生した場合は、スレーブ通信端末よりも優先的にフレームを送信することができるので、アクセスの競合制御をさらに効率的に行うことができるという効果も得られる。
〔発明8〕
一方、上記目的を達成するために、発明8のマスタ通信端末は、
発明1の通信制御システムにおけるスレーブ通信端末と通信可能に接続するマスタ通信端末であって、
前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段と、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段とを備え、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっていることを特徴とする。
【0028】
このような構成であれば、発明1の通信制御システムにおけるマスタ通信端末と同等の作用が得られる。したがって、発明1の通信制御システムと同等の効果が得られる。
〔発明9〕
一方、上記目的を達成するために、発明9のスレーブ通信端末は、
発明1の通信制御システムにおけるマスタ通信端末およびスレーブ通信端末と通信可能に接続するスレーブ通信端末であって、
前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段と、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段と、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段とを備え、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0029】
このような構成であれば、発明1の通信制御システムにおけるスレーブ通信端末と同等の作用が得られる。したがって、発明1の通信制御システムと同等の効果が得られる。
〔発明10〕
一方、上記目的を達成するために、発明10のマスタ通信端末用プログラムは、
コンピュータからなる発明8のマスタ通信端末に実行させるためのプログラムであって、
前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段、および前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段として実現される処理を実行させるためのプログラムであり、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっていることを特徴とする。
【0030】
このような構成であれば、マスタ通信端末によってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってマスタ通信端末が処理を実行すると、発明1の通信制御システムと同等の作用および効果が得られる。
〔発明11〕
一方、上記目的を達成するために、発明11のスレーブ通信端末用プログラムは、
コンピュータからなる発明9のスレーブ通信端末に実行させるためのプログラムであって、
前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段、およびフレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段として実現される処理を実行させるためのプログラムであり、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0031】
このような構成であれば、スレーブ通信端末によってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってスレーブ通信端末が処理を実行すると、発明1の通信制御システムと同等の作用および効果が得られる。
〔発明12〕
一方、上記目的を達成するために、発明12の通信制御方法は、
複数の通信端末を通信可能に接続し、前記複数の通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の前記通信端末がスレーブ通信端末となって、前記通信端末間の通信を制御する方法であって、
前記スレーブ通信端末に対しては、
前記マスタ通信端末に参加要求を送信する参加要求送信ステップを含み、
前記マスタ通信端末に対しては、
前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記マスタ通信端末の競合管理テーブルを更新する参加要求受信ステップと、
前記マスタ通信端末の競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信ステップとを含み、
前記スレーブ通信端末に対しては、さらに、
前記管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて自己スレーブ通信端末の競合管理テーブルを更新するスレーブ側フレーム受信ステップと、
自己スレーブ通信端末の競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信ステップとを含むことを特徴とする。
【0032】
これにより、発明1の通信制御システムと同等の効果が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図13は、本発明に係る通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法の実施の形態を示す図である。
【0034】
本実施の形態は、本発明に係る通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法を、図1に示すように、複数の通信端末100を無線により通信可能に接続し、それら通信端末100のアクセス競合制御を行う場合について適用したものである。
【0035】
まず、本発明を適用するネットワークシステムの構成を図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明を適用するネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図1においては、複数の通信端末100が無線により通信可能に接続されており、それら通信端末100が1つのネットワークを構成している。このネットワークは動的に構成されるものであり、例えば、通信端末100が他の通信端末100と無線通信可能な領域に接近すると、それら通信端末100同士が無線通信を行い、動的なネットワークを構成する。図1の例では、5台の通信端末100でネットワークを構成しているが、これに限らず、2台以上であれば任意の台数でネットワークを構成することができる。
【0036】
次に、通信端末100の構成を図2を参照しながら詳細に説明する。
図2は、通信端末100の構成を示すブロック図である。
通信端末100は、図2に示すように、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU30と、所定領域にあらかじめCPU30の制御プログラム等を格納しているROM32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
【0037】
I/F38には、外部装置として、他の通信端末100と無線通信を行う無線通信装置40と、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置42と、記録データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置44と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置46とが接続されている。
【0038】
記憶装置44には、通信端末100の送信順序を登録する競合管理テーブル300が記憶されている。競合管理テーブル300は、アクセスの競合制御を行うのに必要なテーブルであり、理想的な通信を行うためには、ネットワークを構成するすべての通信端末100で競合管理テーブル300の内容が同一であることが必要である。
【0039】
図3は、競合管理テーブル300のデータ構造を示す図である。
競合管理テーブル300は、図3に示すように、各通信端末100ごとに1つのレコードが登録される。レコードは、通信端末100がネットワークに参加するたびに動的に生成される。各レコードは、通信端末100のアドレス(ID)を登録するフィールド302と、通信端末100の送信順位を登録するフィールド304と、ネットワーク使用時間の最小値を登録するフィールド306と、ネットワーク使用時間の最大値を登録するフィールド308とを含んで構成されている。
【0040】
図3の例では、第1段目のレコードには、アドレスとして「001」が、送信順位として「1」が、最小値として「60」が、最大値として「100」がそれぞれ登録されている。これは、アドレス「001」により特定される通信端末100について、その送信順位が1番目であり、送信順序1周期におけるネットワーク使用時間が60[μs]〜100[μm]であることを意味している。
【0041】
CPU30は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)等からなり、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図4のフローチャートに示す端末機能決定処理を実行するようになっている。
図4は、端末機能決定処理を示すフローチャートである。
【0042】
端末機能決定処理は、通信端末100をマスタ通信端末またはスレーブ通信端末のいずれかとして機能させるかを決定する処理であって、CPU30において実行されると、図4に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
ステップS100では、所定時間(例えば、数秒間)が経過するまでに競合管理テーブル300の内容を含む管理フレームを受信したか否かを判定し、所定時間が経過するまでに管理フレームを受信しないと判定したとき(No)は、ステップS102に移行して、通信端末100がマスタ通信端末として機能するように設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0043】
一方、ステップS100で、所定時間が経過するまでに管理フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS104に移行して、通信端末100がスレーブ通信端末として機能するように設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、マスタ通信端末用処理を図5を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
図5は、マスタ通信端末用処理を示すフローチャートである。
マスタ通信端末用処理は、通信端末100がマスタ通信端末として機能するように設定されたときに実行する処理であって、CPU30において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS150に移行するようになっている。
ステップS150では、管理フレームを送信する管理フレーム送信処理を実行し、ステップS152に移行して、スレーブ通信端末からの参加要求を受信する参加要求受信処理を実行し、ステップS154に移行する。
【0045】
ステップS154では、フレームを受信するフレーム受信処理を実行し、ステップS156に移行して、管理フレーム以外のフレームを送信するフレーム送信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS150の管理フレーム送信処理を図6を参照しながら詳細に説明する。
【0046】
図6は、ステップS150の管理フレーム送信処理を示すフローチャートである。
管理フレーム送信処理は、ステップS150において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS200に移行するようになっている。
ステップS200では、前回の管理フレームの送信時から所定時間(例えば、数秒間)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS202に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、所定時間が経過するまでステップS200で待機する。
【0047】
ステップS202では、競合管理テーブル300に基づいて管理フレームを生成し、ステップS204に移行して、生成した管理フレームをブロードキャスト送信し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS152の参加要求受信処理を図7を参照しながら詳細に説明する。
【0048】
図7は、ステップS152の参加要求受信処理を示すフローチャートである。
参加要求受信処理は、ステップS152において実行されると、図7に示すように、まず、ステップS250に移行するようになっている。
ステップS250では、参加要求を受信したか否かを判定し、参加要求を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS252に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、参加要求を受信するまでステップS250で待機する。
【0049】
ステップS252では、受信した参加要求に基づいて、参加要求のあったスレーブ通信端末を送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより競合管理テーブル300を更新し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。参加要求には、スレーブ通信端末のアドレス、スレーブ通信端末が必要とするネットワーク使用時間、およびリアルタイム伝送の必要性等の情報が含まれているので、ステップS252では、スレーブ通信端末の要求に可能な限り適合するように、送信順序1周期における送信権の獲得頻度やネットワーク使用時間を調整する。これにより、各通信端末100ごとの異なる送信特性に応じて比較的適切なアクセス競合制御を実現することができる。また、スレーブ通信端末がリアルタイム伝送を要求している場合には、一定間隔で必ず送信権が得られるように競合管理テーブル300の内容を調整することができるので、リアルタイム伝送を実現することができる。
【0050】
次に、ステップS154のフレーム受信処理を図8を参照しながら詳細に説明する。
図8は、ステップS154のフレーム受信処理を示すフローチャートである。
フレーム受信処理は、ステップS154において実行されると、図8に示すように、まず、ステップS300に移行するようになっている。
【0051】
ステップS300では、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS302に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、フレームを受信するまでステップS300で待機する。
ステップS302では、受信したフレームのフレーム構成情報を参照して受信フレームが自己宛のものであるか否かを判定し、受信フレームが自己宛のものであると判定したとき(Yes)は、ステップS304に移行して、受信フレームが正常なフレーム(データの欠損等がない完全なフレーム)であるか否かを判定し、受信フレームが正常なフレームであると判定したとき(Yes)は、ステップS306に移行する。
【0052】
ステップS306では、受信フレームの送信元である通信端末100に送達確認を送信し、ステップS308に移行して、受信フレームを取り込んで上位の通信プロトコルに受け渡し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS304で、受信フレームが正常なフレームでないと判定したとき(No)は、ステップS310に移行して、受信フレームの送信元である通信端末100に送達不良を送信し、ステップS312に移行して、受信フレームを破棄してその旨を上位の通信プロトコルに通知し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0053】
一方、ステップS302で、受信フレームが自己宛のものでないと判定したとき(No)は、ステップS314に移行して、受信フレームを破棄してその旨を上位の通信プロトコルに通知し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS156のフレーム送信処理を図9を参照しながら詳細に説明する。
【0054】
図9は、ステップS156のフレーム送信処理を示すフローチャートである。
フレーム送信処理は、ステップS156において実行されると、図9に示すように、まず、ステップS350に移行するようになっている。
ステップS350では、上位の通信プロトコルから送信要求が発生したか否かを判定し、送信要求が発生したと判定したとき(Yes)は、ステップS352に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、送信要求が発生するまでステップS350で待機する。
【0055】
ステップS352では、競合管理テーブル300に基づいてマスタ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時までの時間を待機時間として算出する。具体的に、ステップS352では、競合管理テーブル300の送信順序のうちステップS352の実行時に送信権を得ている通信端末100の順位からマスタ通信端末の順位までのネットワーク使用時間の最小値をすべて加算し、その総加算値を待機時間として算出する。
【0056】
次いで、ステップS354に移行して、算出した待機時間が経過するまでマスタ通信端末を低消費電力モードに移行し、ステップS356に移行して、低消費電力モードより復帰してから一つ目のフレームを受信後、所定のバックオフ時間(例えば、30[μs])が経過したか否かを判定し、所定のバックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS358に移行する。なお、ステップS356では、緊急に管理フレームを送信する必要があるときは、ステップS356のバックオフ時間が通常よりも短い時間(例えば、10[μs])に設定される。
【0057】
ステップS358では、送信先となる通信端末100にフレームを送信し、ステップS360に移行して、送達確認を受信したか否かを判定し、送達確認を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS362に移行する。
ステップS362では、すべてのフレームの送信が完了したか否かを判定し、すべてのフレームの送信が完了したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0058】
一方、ステップS362で、すべてのフレームの送信が完了していないと判定したとき(No)は、ステップS364に移行して、送達確認の受信時からステップS356の通常時のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間(例えば、20[μs])が経過するまで待機し、ステップS366に移行して、送信先となる通信端末100に次のフレームを送信し、ステップS360に移行する。
【0059】
一方、ステップS360で、送達確認を受信しないと判定したとき(No)は、ステップS368に移行して、送達不良を受信したか否かを判定し、送達不良を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS370に移行する。
ステップS370では、送達不良の受信時からステップS356の通常時のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間(例えば、20[μs])が経過するまで待機し、ステップS372に移行して、送信先となる通信端末100にフレームを再送信し、ステップS360に移行する。
【0060】
一方、ステップS368で、送達不良を受信しないと判定したとき(Yes)は、ステップS374に移行して、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したか否かを判定し、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したと判定したとき(Yes)は、ステップS376に移行して、次の管理フレームを送信するまで待機し、ステップS352に移行する。
【0061】
一方、ステップS374で、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗しないと判定したとき(No)は、ステップS378に移行して、フレームの送信時から所定のバックオフ時間(例えば、30[μs])が経過したか否かを判定し、所定のバックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0062】
一方、ステップS378で、フレームの送信時から所定のバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS360に移行する。
一方、ステップS356で、低消費電力モードより復帰してから所定のバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS380に移行して、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS352に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS356に移行する。
【0063】
次に、スレーブ通信端末用処理を図10を参照しながら詳細に説明する。
図10は、スレーブ通信端末用処理を示すフローチャートである。
スレーブ通信端末用処理は、通信端末100がスレーブ通信端末として機能するように設定されたときに実行する処理であって、CPU30において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS400に移行するようになっている。
【0064】
ステップS400では、マスタ通信端末に参加要求を送信する参加要求送信処理を実行し、ステップS402に移行して、フレームを受信するフレーム受信処理を実行し、ステップS404に移行して、フレームを送信するフレーム送信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS400の参加要求送信処理を図11を参照しながら詳細に説明する。
【0065】
図11は、ステップS400の参加要求送信処理を示すフローチャートである。
参加要求送信処理は、ステップS400において実行されると、図11に示すように、まず、ステップS450に移行するようになっている。
ステップS450では、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末がネットワークに参加済みであるか否かを判定し、ネットワークに未参加であると判定したとき(No)は、ステップS452に移行して、ランダムなバックオフ時間を決定し、ステップS454に移行する。
【0066】
ステップS454では、決定したバックオフ時間が経過したか否かを判定し、バックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS456に移行して、自己スレーブ通信端末のアドレス、自己スレーブ通信端末が必要とするネットワーク使用時間、およびリアルタイム伝送の必要性等の情報を含む参加要求をマスタ通信端末に送信し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0067】
一方、ステップS454で、決定したバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS458に移行して、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS452に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS454に移行する。
一方、ステップS450で、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末がネットワークに参加済みであると判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0068】
次に、ステップS402のフレーム受信処理を図12を参照しながら詳細に説明する。
図12は、ステップS402のフレーム受信処理を示すフローチャートである。
フレーム受信処理は、ステップS402において実行されると、図12に示すように、まず、ステップS500に移行するようになっている。
【0069】
ステップS500では、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS502に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、フレームを受信するまでステップS500で待機する。
ステップS502では、受信したフレームのフレーム構成情報を参照して受信フレームが自己宛のものであるか否かを判定し、受信フレームが自己宛のものであると判定したとき(Yes)は、ステップS504に移行して、受信フレームが正常なフレームであるか否かを判定し、受信フレームが正常なフレームであると判定したとき(Yes)は、ステップS506に移行する。
【0070】
ステップS506では、受信フレームが管理フレームであるか否かを判定し、受信フレームが管理フレームであると判定したとき(Yes)は、ステップS508に移行して、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブル300を更新し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS506で、受信フレームが管理フレームでないと判定したとき(No)は、ステップS510に移行して、受信フレームの送信元である通信端末100に送達確認を送信し、ステップS512に移行して、受信フレームを取り込んで上位の通信プロトコルに受け渡し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0071】
一方、ステップS504で、受信フレームが正常なフレームでないと判定したとき(No)は、ステップS514に移行して、受信フレームの送信元である通信端末100に送達不良を送信し、ステップS516に移行して、受信フレームを破棄してその旨を上位の通信プロトコルに通知し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0072】
一方、ステップS502で、受信フレームが自己宛のものでないと判定したとき(No)は、ステップS518に移行して、受信フレームを破棄してその旨を上位の通信プロトコルに通知し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS404のフレーム送信処理を図13を参照しながら詳細に説明する。
【0073】
図13は、ステップS404のフレーム送信処理を示すフローチャートである。
フレーム送信処理は、ステップS404において実行されると、図13に示すように、まず、ステップS550に移行するようになっている。
ステップS550では、上位の通信プロトコルから送信要求が発生したか否かを判定し、送信要求が発生したと判定したとき(Yes)は、ステップS552に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、送信要求が発生するまでステップS550で待機する。
【0074】
ステップS552では、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時までの時間を待機時間として算出する。具体的に、ステップS552では、競合管理テーブル300の送信順序のうちステップS552の実行時に送信権を得ている通信端末100の順位から自己スレーブ通信端末の順位までのネットワーク使用時間の最小値をすべて加算し、その総加算値を待機時間として算出する。
【0075】
次いで、ステップS554に移行して、算出した待機時間が経過するまで自己スレーブ通信端末を低消費電力モードに移行し、ステップS556に移行して、低消費電力モードより復帰してから所定のバックオフ時間(例えば、30[μs])が経過したか否かを判定し、所定のバックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS558に移行する。
【0076】
ステップS558では、送信先となる通信端末100にフレームを送信し、ステップS560に移行して、送達確認を受信したか否かを判定し、送達確認を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS562に移行する。
ステップS562では、すべてのフレームの送信が完了したか否かを判定し、すべてのフレームの送信が完了したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0077】
一方、ステップS562で、すべてのフレームの送信が完了していないと判定したとき(No)は、ステップS564に移行して、送達確認の受信時からステップS556の通常時のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間(例えば、20[μs])が経過するまで待機し、ステップS566に移行して、送信先となる通信端末100に次のフレームを送信し、ステップS560に移行する。
【0078】
一方、ステップS560で、送達確認を受信しないと判定したとき(No)は、ステップS568に移行して、送達不良を受信したか否かを判定し、送達不良を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS570に移行する。
ステップS570では、送達不良の受信時からステップS556の通常時のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間(例えば、20[μs])が経過するまで待機し、ステップS572に移行して、送信先となる通信端末100にフレームを再送信し、ステップS560に移行する。
【0079】
一方、ステップS568で、送達不良を受信しないと判定したとき(Yes)は、ステップS574に移行して、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したか否かを判定し、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したと判定したとき(Yes)は、ステップS576に移行して、次の管理フレームを受信するまで待機し、ステップS552に移行する。
【0080】
一方、ステップS574で、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗しないと判定したとき(No)は、ステップS578に移行して、フレームの送信時から所定のバックオフ時間(例えば、30[μs])が経過したか否かを判定し、所定のバックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0081】
一方、ステップS578で、フレームの送信時から所定のバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS560に移行する。
一方、ステップS556で、低消費電力モードより復帰してから所定のバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS580に移行して、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS552に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS556に移行する。
【0082】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
初めに、無線通信可能な領域に他の通信端末100が存在しない場合を説明する。
通信端末100では、無線通信可能な領域に他の通信端末100が存在しないので、所定時間が経過しても管理フレームを受信することができない。したがって、ステップS100,S102を経て、通信端末100がマスタ通信端末として機能するように設定される。
【0083】
次に、無線通信可能な領域に他の通信端末100が複数存在し、それら通信端末100のいずれかがマスタ通信端末となっている場合を説明する。
通信端末100では、無線通信可能な領域にマスタ通信端末が存在するので、所定時間が経過すると、マスタ通信端末からの管理フレームを受信することができる。したがって、ステップS100,S104を経て、通信端末100がスレーブ通信端末として機能するように設定される。
【0084】
スレーブ通信端末では、ステップS452を経て、ランダムなバックオフ時間が決定され、決定されたバックオフ時間が経過するまでにフレームを受信しないと、ステップS456を経て、マスタ通信端末に参加要求が送信される。
マスタ通信端末では、参加要求を受信すると、ステップS250,S252を経て、受信した参加要求に基づいて、参加要求のあったスレーブ通信端末が送信順序のうちいずれかの順位に登録されることにより競合管理テーブル300が更新される。そして、所定時間が経過するごとに、ステップS202,S204を経て、競合管理テーブル300に基づいて管理フレームが生成され、生成された管理フレームがブロードキャスト送信される。
【0085】
スレーブ通信端末では、管理フレームを受信すると、ステップS506,S508を経て、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブル300が更新される。これにより、スレーブ通信端末は、ネットワーク上で他の通信端末100とデータリンク層レベルで通信可能な状態となる。
スレーブ通信端末では、データリンク層レベルで通信可能な状態となった後に上位の通信プロトコルから送信要求(例えば、マスタ通信端末への送信要求)が発生すると、ステップS552,S554を経て、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時が予測され、予測された送信時まで自己スレーブ通信端末が低消費電力モードに移行する。低消費電力モードから復帰した後、所定のバックオフ時間が経過するまでにフレームを受信すると、他の通信端末100が通信中であるので、ステップS552,S554を経て、受信フレームおよび競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時が再予測され、再予測された送信時まで自己スレーブ通信端末が低消費電力モードに移行する。
【0086】
一方、スレーブ通信端末では、低消費電力モードから復帰した後、所定のバックオフ時間が経過するまでにフレームを受信しないと、ステップS558を経て、マスタ通信端末にフレームが送信される。
マスタ通信端末では、自己宛のフレームを受信すると、ステップS304〜S308を経て、受信フレームの送信元であるスレーブ通信端末に送達確認が送信され、受信フレームが取り込まれて上位の通信プロトコルに受け渡される。
【0087】
スレーブ通信端末では、送達確認を受信すると、すべてのフレームの送信が完了していない場合は、ステップS564,S566を経て、送達確認の受信時から所定のバックオフ時間が経過するまで待機し、マスタ通信端末に次のフレームが送信される。
マスタ通信端末では、自己宛のフレームを受信したが、受信フレームが正常なフレームでないと、ステップS304,S310,S312を経て、受信フレームの送信元であるスレーブ通信端末に送達不良が送信され、受信フレームが破棄されてその旨が上位の通信プロトコルに通知される。
【0088】
スレーブ通信端末では、送達不良を受信すると、ステップS570,S572を経て、送達不良の受信時から所定のバックオフ時間が経過するまで待機し、マスタ通信端末にフレームが再送信される。
また、スレーブ通信端末では、フレームの送信後にフレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗すると、ステップS576を経て、次の管理フレームを受信するまでフレームの送信を待機する。自己スレーブ通信端末の次の送信時にフレームが再送信される。
【0089】
また、スレーブ通信端末では、フレームの送信時から所定のバックオフ時間が経過するまでに送達確認または送達不良を受信しないと、自己スレーブ通信端末の次の送信時までフレームの送信を待機し、フレームが再送信される。
以上では、スレーブ通信端末からマスタ通信端末にフレームを送信する場合を説明したが、スレーブ通信端末から他のスレーブ通信端末にフレームを送信する場合、およびマスタ通信端末からスレーブ通信端末にフレームを送信する場合も同様の要領で行われる。
【0090】
次に、マスタ通信端末において緊急に管理フレームを送信する必要が発生した場合を説明する。
マスタ通信端末では、緊急に管理フレームを送信する必要が発生すると、ステップS352,S354を経て、競合管理テーブル300に基づいてマスタ通信端末の送信時が予測され、予測された送信時までマスタ通信端末が低消費電力モードに移行する。そして、低消費電力モードから復帰した後、通常よりも短いバックオフ時間が経過するまでにフレームを受信しないと、ステップS358を経て、通信端末100にフレームが送信される。
【0091】
このようにして、本実施の形態では、マスタ通信端末は、競合管理テーブル300の内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信し、スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、そのスレーブ通信端末を送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより競合管理テーブル300を更新するようになっており、スレーブ通信端末は、マスタ通信端末に参加要求を送信し、管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブル300を更新し、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっている。
【0092】
これにより、スレーブ通信端末では、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するので、スレーブ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができる。また、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うので、リアルタイムデータを伝送するのに別途専用のプロトコルを設けなくて済み、通信端末100の構成を比較的簡素にすることができる。また、フレームの送信時にランダムバックオフ時間を設けなくてすむので、オーバーヘッドを小さくすることができる。また、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うので、ネットワークを構成する通信端末100の数が増大してもコリジョンの発生確率が小さく、アクセスの競合制御を効率的に行うことができる。したがって、従来のCSMA/CA方式に比して、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性および競合制御効率特性を向上することができる。
【0093】
さらに、参加要求送信処理および参加要求受信処理を設けたので、スレーブ通信端末がネットワークに動的に参加することができる。また、スレーブ通信端末にフレーム送信処理およびフレーム受信処理を設けたので、スレーブ通信端末同士で通信を行うことができる。また、マスタ通信端末は、スレーブ通信端末よりも、参加要求受信処理および管理フレーム送信処理を余分に行うだけなので、マスタ通信端末の管理負荷がさほど大きくない。したがって、従来のTDMA/TDD方式に比して、ネットワーク構成の動的変更特性、アドホック特性および管理負荷特性を向上することができる。
【0094】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末は、競合管理テーブル300に基づいてマスタ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、マスタ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっている。
これにより、マスタ通信端末では、競合管理テーブル300に基づいてマスタ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するので、マスタ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができる。また、マスタ通信端末にフレーム送信処理およびフレーム受信処理を設けたので、マスタ通信端末とスレーブ通信端末との間、およびスレーブ通信端末同士で通信を行うことができる。したがって、低消費電力特性およびアドホック特性をさらに向上することができる。
【0095】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信したときは、受信したフレームおよび競合管理テーブル300に基づいて自己端末の送信時を再予測し、再予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するようになっている。
【0096】
これにより、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末の送信時の電力消費をさらに抑制することができるので、低消費電力特性をさらに向上することができる。
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、自己端末の送信時となったときは、送信先となる通信端末100にフレームを送信するようになっている。
【0097】
これにより、マスタ通信端末とスレーブ通信端末との間、およびスレーブ通信端末同士で通信を比較的確実に行うことができるので、アドホック特性をさらに向上することができる。
さらに、本実施の形態では、スレーブ通信端末は、ランダムなバックオフ時間を決定し、管理フレームの受信時からランダムバックオフ時間が経過した後にマスタ通信端末に参加要求を送信するようになっている。
【0098】
これにより、複数のスレーブ通信端末がマスタ通信端末に同時に参加要求を送信することによりコリジョンが発生する可能性を低減することができるので、スレーブ通信端末のネットワークの参加を比較的確実に行うことができる。
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、フレームの送信後にフレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したときは、次の管理フレームの送信または受信があるまでフレームの送信を待機するようになっている。
【0099】
これにより、競合管理テーブル300が更新されたにもかかわらず、古い競合管理テーブル300に基づいてスレーブ通信端末がフレームを送信することによりコリジョンが発生した場合は、すべてのスレーブ通信端末の競合管理テーブル300が同一の内容となるまで、マスタ通信端末およびすべてのスレーブ通信端末においてフレームの送信が停止するので、ネットワークを比較的早急に回復することができる。
【0100】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないときは、フレームを送信し、送達確認を受信したときは、第1のバックオフ時間よりも短い第2のバックオフ時間が経過するのを待って次のフレームを送信するようになっている。
これにより、第1のバックオフ時間よりも短い第2のバックオフ時間が経過するのを待って次のフレームを送信するので、フレームを連続して送信することができるとともに連続送信しても競合管理テーブル300の進行に影響を与える可能性が少ない。
【0101】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないときは、フレームを送信し、送達不良を受信したときは、第1のバックオフ時間よりも短い第2のバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを再送信するようになっている。
これにより、第1のバックオフ時間よりも短い第2のバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを再送信するので、フレームを再送信することができるとともに再送信しても競合管理テーブル300の進行に影響を与える可能性が少ない。
【0102】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末は、緊急に管理フレームを送信する必要があるときは、第2のバックオフ時間よりも短い第3のバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを送信するようになっている。
これにより、マスタ通信端末において緊急に管理フレームを送信する必要が発生した場合は、スレーブ通信端末よりも優先的にフレームを送信することができるので、アクセスの競合制御をさらに効率的に行うことができる。
【0103】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、フレームの送信時から第1のバックオフ時間が経過するまでに送達確認または送達不良を受信しないときは、自己端末の次の送信時となるのを待ってフレームを再送信するようになっている。
これにより、何らかの障害により送達確認または送達不良が受信できない場合は、次の送信時にフレームを再送信するので、フレームを再送信することができるとともに再送信しても競合管理テーブル300の進行に影響を与える可能性が少ない。
【0104】
上記実施の形態において、ステップS150は、発明1、6、8若しくは10の管理フレーム送信手段、または発明12の管理フレーム送信ステップに対応し、ステップS152は、発明1、8若しくは10の参加要求受信手段、または発明12の参加要求受信ステップに対応している。また、ステップS154は、発明2のマスタ側フレーム受信手段に対応し、ステップS156は、発明2ないし4、6または7のマスタ側フレーム送信手段に対応し、ステップS400は、発明1、5、9若しくは11の参加要求送信手段、または発明12の参加要求送信ステップに対応している。
【0105】
また、上記実施の形態において、ステップS402は、発明1、6、9若しくは11のスレーブ側フレーム受信手段、または発明12のスレーブ側フレーム受信ステップに対応し、ステップS404は、発明1、3、4、6、7、9若しくは11のスレーブ側フレーム送信手段、または発明12のスレーブ側フレーム送信ステップに対応している。
【0106】
なお、上記実施の形態において、ステップS376では、次の管理フレームを送信するまで単に待機するように構成したが、これに限らず、次の管理フレームを送信するまで低消費電力モードに移行するように構成することもできる。
これにより、マスタ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができるので、低消費電力特性をさらに向上することができる。
【0107】
また、上記実施の形態において、ステップS576では、次の管理フレームを受信するまで単に待機するように構成したが、これに限らず、次の管理フレームを受信するまで低消費電力モードに移行するように構成することもできる。
これにより、スレーブ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができるので、低消費電力特性をさらに向上することができる。
【0108】
また、上記実施の形態においては、所定間隔で管理フレームをブロードキャスト送信し、競合管理テーブル300に基づく送信順序でマスタ通信端末およびスレーブ通信端末が送信を行うように構成したが、より具体的には、管理フレームの送信、マスタ通信端末の送信およびスレーブ通信端末の送信という順番で送信権が循環する。競合管理テーブル300も、マスタ通信端末の送信順序が先頭となるように更新する。
【0109】
また、上記実施の形態においては、古い競合管理テーブル300に基づいてスレーブ通信端末がフレームを送信したときは、次の管理フレームの送信または受信があるまでフレームの送信を待機するように構成したが、さらに、自己の送信順になってもスレーブ通信端末が送信を開始しないときは、同様に、マスタ通信端末が検出してネットワークを回復するように構成することもできる。
【0110】
また、上記実施の形態において、図4ないし図13のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM32にあらかじめ格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM34に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0111】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0112】
また、上記実施の形態においては、本発明に係る通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法を、図1に示すように、複数の通信端末100を無線により通信可能に接続し、それら通信端末100のアクセス競合制御を行う場合について適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。例えば、有線ネットワークにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】通信端末100の構成を示すブロック図である。
【図3】競合管理テーブル300のデータ構造を示す図である。
【図4】端末機能決定処理を示すフローチャートである。
【図5】マスタ通信端末用処理を示すフローチャートである。
【図6】ステップS150の管理フレーム送信処理を示すフローチャートである。
【図7】ステップS152の参加要求受信処理を示すフローチャートである。
【図8】ステップS154のフレーム受信処理を示すフローチャートである。
【図9】ステップS156のフレーム送信処理を示すフローチャートである。
【図10】スレーブ通信端末用処理を示すフローチャートである。
【図11】ステップS400の参加要求送信処理を示すフローチャートである。
【図12】ステップS402のフレーム受信処理を示すフローチャートである。
【図13】ステップS404のフレーム送信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100…通信端末,30…CPU,32…ROM,34…RAM,38…I/F,40…無線通信装置,42…入力装置,44…記憶装置,46…表示装置,300…競合管理テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、アドホック方式のネットワークにおいてアクセスの競合制御を行う装置およびプログラム、並びに方法に係り、特に、ネットワーク構成の動的変更特性、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性、アドホック特性、管理負荷特性および競合制御効率特性に優れた通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線LANのためのIEEE802.11標準では、無線ネットワークを構成するのにアドホック方式およびインフラストラクチャ方式の2つの方式を定めている。
アドホック方式は、各通信端末と動的にネットワークを構成する。アドホック方式のネットワークでは、定められたネットワーク構造はなく、固定されたポイントもなく、ネットワーク内のどの通信端末も他の通信端末と通信できるようになっている。アクセスの競合制御を行うには、例えば、スポークスマン選択アルゴリズムが提供されており、これは、ネットワークを構成する通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の通信端末がスレーブ通信端末となって、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うものである。
【0003】
従来、アドホック方式のネットワークにおいてアクセスの競合制御を行う通信プロトコルとしては、例えば、802.11無線LANデバイスが用いているCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式およびBluetoothが用いているTDMA/TDD(Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)方式があった。これらはいずれも、OSI参照モデルにおけるデータリンク層の通信プロトコルである。
【0004】
CSMA/CA方式では、フレームの送信要求が生じた通信端末は、送信前にランダムなバックオフ時間を決定し、DIFS(Distributed coordination function Initial interFrame Space)およびバックオフ時間の間はチャネル上で他の端末からの送信の有無を観測し(= Listen before Talk)、他の端末からの送信がなければ、フレームを送信する。DIFSおよびバックオフ時間が経過する前に他の端末からの送信を検出した場合は、経過した分だけバックオフ時間を減算し、先立つフレームの末尾を検出してから再度Listen before Talkを行った後、フレームを送信する。ここで、バックオフ時間は、一様分布に基づいて決められる。バックオフ時間の取り得る値の最大値CW(Contention Window)は、フレームの送信が失敗するごとに2倍される。
【0005】
一方、TDMA/TDD方式では、ネットワークを構成する通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の通信端末がスレーブ通信端末となって、所定時間ごとのタイムスロットを利用してマスタ通信端末とスレーブ通信端末との間で通信を行う。このとき、送信側と受信側が時間的に同期したタイムスロットを利用する。
【0006】
なお、CSMA/CA方式を改良して無線通信を行う技術としては、例えば、特許文献1記載のIEEE802.11標準パラメータの変更方法、および特許文献2記載の無線ネットワーク局間の通信に優先順位を付ける方法があった。また、TDMA/TDD方式を改良して無線通信を行う技術としては、例えば、特許文献3記載の無線ネットワークがあった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−185474号公報
【特許文献2】
特開2002−314546号公報
【特許文献3】
特開2001−160813号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
アドホック方式のネットワークにおけるアクセスの競合制御には、次のような特性が要求される。
(1)通信端末のネットワークへの参加・離脱が容易に行えること(ネットワーク構成の動的変更特性)。
(2)通信端末の消費電力を削減すること(低消費電力特性)。
(3)音声・動画等のリアルタイムデータの伝送が可能であること(リアルタイム特性)。
(4)プロトコルのオーバーヘッドが小さく、ネットワークのスループットが高いこと(スループット特性)。
(5)ネットワークを構成する通信端末間での通信が容易に行えること(アドホック特性)。
(6)通信端末全体の管理負荷が少なく、かつ、各通信端末の管理負荷に偏りが少ないこと(管理負荷特性)。
(7)ネットワークを構成する通信端末の数が増大してもアクセスの競合制御を効率的に行えること(競合制御効率特性)。
【0009】
しかしながら、CDMA/CA方式にあっては、TDMA/TDD方式と比較した場合に、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性および競合制御効率特性が十分でないという問題があった。すなわち、低消費電力特性については、DIFSおよびバックオフ時間が経過するまでListen before Talkを行う必要があるため、受信電力を消費する。リアルタイム特性については、リアルタイムデータを伝送するのに別途専用のプロトコル(802.11無線LANデバイスではPCF)が必要で他の通信端末との共存も考慮しなければならず、通信端末の構成が複雑になる。スループット特性については、バックオフ時間のオーバーヘッドが大きいため、ネットワークを構成する通信端末の数が増大するとスループットが低下する可能性がある。競合制御効率特性については、ネットワークを構成する通信端末の数が増大するとコリジョン(複数の端末からの送信の衝突)の発生確率が増大するため、アクセスの競合制御を効率的に行うことができない。
【0010】
また、TDMA/TDD方式にあっては、CDMA/CA方式と比較した場合に、ネットワーク構成の動的変更特性、アドホック特性および管理負荷特性が十分でないという問題があった。すなわち、ネットワーク構成の動的変更特性については、通信端末のネットワークへの参加数を柔軟に拡張することができない。アドホック特性については、例としてBluetoothではマスタ通信端末とスレーブ通信端末との間でしか通信を行うことができないため、ネットワークを構成する任意の通信端末間での通信を容易に行うことができない。管理負荷特性については、マスタ通信端末が集中してアクセスの競合制御を行うため、マスタ通信端末の管理負荷が大きい。
【0011】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、ネットワーク構成の動的変更特性、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性、アドホック特性、管理負荷特性および競合制御効率特性に優れた通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
〔発明1〕
上記目的を達成するために、発明1の通信制御システムは、
複数の通信端末を通信可能に接続し、前記複数の通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の前記通信端末がスレーブ通信端末となって、前記通信端末間の通信を制御するシステムであって、
前記マスタ通信端末は、前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段と、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段とを有し、
前記スレーブ通信端末は、前記競合管理テーブルと、前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段と、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段と、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段とを有し、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0013】
このような構成であれば、スレーブ通信端末では、参加要求送信手段により、マスタ通信端末に参加要求が送信される。
マスタ通信端末では、スレーブ通信端末からの参加要求を受信すると、参加要求受信手段により、そのスレーブ通信端末が送信順序のうちいずれかの順位に登録されることにより競合管理テーブルが更新される。そして、管理フレーム送信手段により、競合管理テーブルの内容を含む管理フレームがブロードキャスト送信される。
【0014】
スレーブ通信端末では、管理フレームを受信すると、スレーブ側フレーム受信手段により、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブルが更新される。そして、フレームを送信する場合は、スレーブ側フレーム送信手段により、競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時が予測され、予測された送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時になると、フレームが送信される。また、スレーブ側フレーム受信手段により、他のスレーブ通信端末からのフレームを受信することができる。
【0015】
これにより、スレーブ通信端末では、競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するので、スレーブ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができる。また、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うので、リアルタイムデータを伝送するのに別途専用のプロトコルを設けなくて済み、通信端末の構成を比較的簡素にすることができる。また、フレームの送信時にランダムバックオフ時間を設けなくてすむので、オーバーヘッドを小さくし、スループットの向上と低消費電力化を図ることができる。また、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うので、ネットワークを構成する通信端末の数が増大してもコリジョンの発生確率が小さく、アクセスの競合制御を効率的に行うことができる。したがって、従来のCSMA/CA方式に比して、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性および競合制御効率特性を向上することができるという効果が得られる。
【0016】
さらに、参加要求送信手段および参加要求受信手段を設けたので、スレーブ通信端末がネットワークに動的に参加することができる。また、アドホック的な動作も可能としたために、スレーブ通信端末同士でも通信を行うことができる。また、マスタ通信端末は、スレーブ通信端末よりも、参加要求受信処理および管理フレーム送信処理を余分に行うだけなので、マスタ通信端末の管理負荷がさほど大きくない。したがって、従来のTDMA/TDD方式に比して、ネットワーク構成の動的変更特性、アドホック特性および管理負荷特性を向上することができるという効果も得られる。
〔発明2〕
さらに、発明2の通信制御システムは、発明1の通信制御システムにおいて、前記マスタ通信端末は、さらに、フレームを受信するマスタ側フレーム受信手段と、フレームを送信するマスタ側フレーム送信手段とを有し、
前記マスタ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて前記マスタ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、前記マスタ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0017】
このような構成であれば、フレームを送信する場合、マスタ通信端末では、マスタ側フレーム送信手段により、競合管理テーブルに基づいてマスタ通信端末の送信時が予測され、予測された送信時となるまで低消費電力モードに移行し、マスタ通信端末の送信時となると、フレームが送信される。また、マスタ側フレーム受信手段により、スレーブ通信端末からのフレームを受信することができる。
【0018】
一方、スレーブ通信端末では、スレーブ側フレーム受信手段により、マスタ通信端末または他のスレーブ通信端末からのフレームを受信することができる。
これにより、マスタ通信端末では、競合管理テーブルに基づいてマスタ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するので、マスタ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができる。また、マスタ側フレーム送信手段およびマスタ側フレーム受信手段を設けたので、マスタ通信端末とスレーブ通信端末との間、およびスレーブ通信端末同士で通信を行うことができる。したがって、低消費電力特性およびアドホック特性をさらに向上することができるという効果も得られる。
〔発明3〕
さらに、発明3の通信制御システムは、発明2の通信制御システムにおいて、前記マスタ側フレーム送信手段は、前記予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信したときは、受信したフレームおよび前記競合管理テーブルに基づいて前記マスタ通信端末の送信時を再予測し、前記再予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信したときは、受信したフレームおよび前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を再予測し、前記再予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するようになっていることを特徴とする。
【0019】
このような構成であれば、マスタ通信端末では、予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信すると、マスタ側フレーム送信手段により、受信したフレームおよび競合管理テーブルに基づいてマスタ通信端末の送信時が再予測され、再予測された送信時となるまで低消費電力モードに移行する。
一方、スレーブ通信端末では、予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信すると、スレーブ側フレーム送信手段により、受信したフレームおよび競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時が再予測され、再予測された送信時となるまで低消費電力モードに移行する。
【0020】
これにより、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末の送信時の電力消費をさらに抑制することができるので、低消費電力特性をさらに向上することができるという効果も得られる。
〔発明4〕
さらに、発明4の通信制御システムは、発明2および3のいずれかの通信制御システムにおいて、
前記競合管理テーブルは、前記通信端末の送信順序を登録するようになっており、
前記マスタ側フレーム送信手段は、前記マスタ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0021】
このような構成であれば、マスタ通信端末では、マスタ通信端末の送信時となると、マスタ側フレーム送信手段により、フレームが送信される。
一方、スレーブ通信端末では、自己スレーブ通信端末の送信時となると、スレーブ側フレーム送信手段により、フレームが送信される。
これにより、マスタ通信端末とスレーブ通信端末との間、およびスレーブ通信端末同士で通信を比較的確実に行うことができるので、アドホック特性をさらに向上することができるという効果も得られる。
〔発明5〕
さらに、発明5の通信制御システムは、発明2ないし4のいずれかの通信制御システムにおいて、
前記参加要求送信手段は、ランダムなバックオフ時間を決定し、前記管理フレームの受信時から前記ランダムバックオフ時間が経過した後に前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信するようになっていることを特徴とする。
【0022】
このような構成であれば、スレーブ通信端末では、参加要求送信手段により、ランダムなバックオフ時間が決定され、管理フレームの受信時からランダムバックオフ時間が経過した後にマスタ通信端末に参加要求が送信される。
これにより、複数のスレーブ通信端末がマスタ通信端末に同時に参加要求を送信することによりコリジョンが発生する可能性を低減することができるので、スレーブ通信端末のネットワークの参加を比較的確実に行うことができるという効果も得られる。
〔発明6〕
さらに、発明6の通信制御システムは、発明2ないし5のいずれかの通信制御システムにおいて、
前記管理フレーム送信手段は、前記管理フレームを所定周期でブロードキャスト送信するようになっており、
前記マスタ側フレーム送信手段は、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したときは、前記管理フレーム送信手段により次の前記管理フレームが送信されるまでフレームの送信を待機し、前記管理フレーム送信手段ができるだけ早期に管理フレームの送信を行って通信順序の回復を行うようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したときは、前記スレーブ側フレーム受信手段により次の前記管理フレームを受信するまでフレームの送信を待機するようになっていることを特徴とする。
【0023】
このような構成であれば、マスタ通信端末では、管理フレーム送信手段により、管理フレームが所定周期でブロードキャスト送信される。また、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗すると、マスタ側フレーム送信手段により、次の管理フレームが送信されるまでフレームの送信を待機する。
一方、スレーブ通信端末では、フレームの受信中にあるフレーム構成情報に失敗すると、スレーブ側フレーム送信手段により、次の管理フレームを受信するまでフレームの送信を待機する。
【0024】
これにより、競合管理テーブルが更新されたにもかかわらず、古い競合管理テーブルに基づいてスレーブ通信端末がフレームを送信することによりコリジョンが発生した場合は、すべてのスレーブ通信端末の競合管理テーブルが同一の内容となるまで、マスタ通信端末およびすべてのスレーブ通信端末においてフレームの送信が停止するので、ネットワークを比較的早急に回復することができるという効果も得られる。
【0025】
ここで、フレーム構成情報は、例えば、フレーム種別、フレーム長、送信先アドレス、送信元アドレス等の情報から構成される。
〔発明7〕
さらに、発明7の通信制御システムは、発明2ないし6のいずれかの通信制御システムにおいて、
前記マスタ側フレーム送信手段および前記スレーブ側フレーム送信手段は、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないときは、フレームを送信するようになっていおり、
前記マスタ側フレーム送信手段は、緊急に管理フレームを送信する必要があるときは、前記第1のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0026】
このような構成であれば、マスタ通信端末では、スレーブ通信端末にフレームを送信する場合、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないと、マスタ側フレーム送信手段により、スレーブ通信端末にフレームが送信される。
スレーブ通信端末では、例えばマスタ通信端末にフレームを送信する場合、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないと、スレーブ側フレーム送信手段により、マスタ通信端末にフレームが送信される。
【0027】
また、マスタ通信端末では、緊急に管理フレームを送信する必要が発生すると、マスタ側フレーム送信手段により、第1のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間が経過するのを待ってフレームが送信される。
これにより、マスタ通信端末において緊急に管理フレームを送信する必要が発生した場合は、スレーブ通信端末よりも優先的にフレームを送信することができるので、アクセスの競合制御をさらに効率的に行うことができるという効果も得られる。
〔発明8〕
一方、上記目的を達成するために、発明8のマスタ通信端末は、
発明1の通信制御システムにおけるスレーブ通信端末と通信可能に接続するマスタ通信端末であって、
前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段と、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段とを備え、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっていることを特徴とする。
【0028】
このような構成であれば、発明1の通信制御システムにおけるマスタ通信端末と同等の作用が得られる。したがって、発明1の通信制御システムと同等の効果が得られる。
〔発明9〕
一方、上記目的を達成するために、発明9のスレーブ通信端末は、
発明1の通信制御システムにおけるマスタ通信端末およびスレーブ通信端末と通信可能に接続するスレーブ通信端末であって、
前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段と、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段と、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段とを備え、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0029】
このような構成であれば、発明1の通信制御システムにおけるスレーブ通信端末と同等の作用が得られる。したがって、発明1の通信制御システムと同等の効果が得られる。
〔発明10〕
一方、上記目的を達成するために、発明10のマスタ通信端末用プログラムは、
コンピュータからなる発明8のマスタ通信端末に実行させるためのプログラムであって、
前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段、および前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段として実現される処理を実行させるためのプログラムであり、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっていることを特徴とする。
【0030】
このような構成であれば、マスタ通信端末によってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってマスタ通信端末が処理を実行すると、発明1の通信制御システムと同等の作用および効果が得られる。
〔発明11〕
一方、上記目的を達成するために、発明11のスレーブ通信端末用プログラムは、
コンピュータからなる発明9のスレーブ通信端末に実行させるためのプログラムであって、
前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段、およびフレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段として実現される処理を実行させるためのプログラムであり、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする。
【0031】
このような構成であれば、スレーブ通信端末によってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってスレーブ通信端末が処理を実行すると、発明1の通信制御システムと同等の作用および効果が得られる。
〔発明12〕
一方、上記目的を達成するために、発明12の通信制御方法は、
複数の通信端末を通信可能に接続し、前記複数の通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の前記通信端末がスレーブ通信端末となって、前記通信端末間の通信を制御する方法であって、
前記スレーブ通信端末に対しては、
前記マスタ通信端末に参加要求を送信する参加要求送信ステップを含み、
前記マスタ通信端末に対しては、
前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記マスタ通信端末の競合管理テーブルを更新する参加要求受信ステップと、
前記マスタ通信端末の競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信ステップとを含み、
前記スレーブ通信端末に対しては、さらに、
前記管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて自己スレーブ通信端末の競合管理テーブルを更新するスレーブ側フレーム受信ステップと、
自己スレーブ通信端末の競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信ステップとを含むことを特徴とする。
【0032】
これにより、発明1の通信制御システムと同等の効果が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図13は、本発明に係る通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法の実施の形態を示す図である。
【0034】
本実施の形態は、本発明に係る通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法を、図1に示すように、複数の通信端末100を無線により通信可能に接続し、それら通信端末100のアクセス競合制御を行う場合について適用したものである。
【0035】
まず、本発明を適用するネットワークシステムの構成を図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明を適用するネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図1においては、複数の通信端末100が無線により通信可能に接続されており、それら通信端末100が1つのネットワークを構成している。このネットワークは動的に構成されるものであり、例えば、通信端末100が他の通信端末100と無線通信可能な領域に接近すると、それら通信端末100同士が無線通信を行い、動的なネットワークを構成する。図1の例では、5台の通信端末100でネットワークを構成しているが、これに限らず、2台以上であれば任意の台数でネットワークを構成することができる。
【0036】
次に、通信端末100の構成を図2を参照しながら詳細に説明する。
図2は、通信端末100の構成を示すブロック図である。
通信端末100は、図2に示すように、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU30と、所定領域にあらかじめCPU30の制御プログラム等を格納しているROM32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
【0037】
I/F38には、外部装置として、他の通信端末100と無線通信を行う無線通信装置40と、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置42と、記録データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置44と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置46とが接続されている。
【0038】
記憶装置44には、通信端末100の送信順序を登録する競合管理テーブル300が記憶されている。競合管理テーブル300は、アクセスの競合制御を行うのに必要なテーブルであり、理想的な通信を行うためには、ネットワークを構成するすべての通信端末100で競合管理テーブル300の内容が同一であることが必要である。
【0039】
図3は、競合管理テーブル300のデータ構造を示す図である。
競合管理テーブル300は、図3に示すように、各通信端末100ごとに1つのレコードが登録される。レコードは、通信端末100がネットワークに参加するたびに動的に生成される。各レコードは、通信端末100のアドレス(ID)を登録するフィールド302と、通信端末100の送信順位を登録するフィールド304と、ネットワーク使用時間の最小値を登録するフィールド306と、ネットワーク使用時間の最大値を登録するフィールド308とを含んで構成されている。
【0040】
図3の例では、第1段目のレコードには、アドレスとして「001」が、送信順位として「1」が、最小値として「60」が、最大値として「100」がそれぞれ登録されている。これは、アドレス「001」により特定される通信端末100について、その送信順位が1番目であり、送信順序1周期におけるネットワーク使用時間が60[μs]〜100[μm]であることを意味している。
【0041】
CPU30は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)等からなり、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図4のフローチャートに示す端末機能決定処理を実行するようになっている。
図4は、端末機能決定処理を示すフローチャートである。
【0042】
端末機能決定処理は、通信端末100をマスタ通信端末またはスレーブ通信端末のいずれかとして機能させるかを決定する処理であって、CPU30において実行されると、図4に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
ステップS100では、所定時間(例えば、数秒間)が経過するまでに競合管理テーブル300の内容を含む管理フレームを受信したか否かを判定し、所定時間が経過するまでに管理フレームを受信しないと判定したとき(No)は、ステップS102に移行して、通信端末100がマスタ通信端末として機能するように設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0043】
一方、ステップS100で、所定時間が経過するまでに管理フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS104に移行して、通信端末100がスレーブ通信端末として機能するように設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、マスタ通信端末用処理を図5を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
図5は、マスタ通信端末用処理を示すフローチャートである。
マスタ通信端末用処理は、通信端末100がマスタ通信端末として機能するように設定されたときに実行する処理であって、CPU30において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS150に移行するようになっている。
ステップS150では、管理フレームを送信する管理フレーム送信処理を実行し、ステップS152に移行して、スレーブ通信端末からの参加要求を受信する参加要求受信処理を実行し、ステップS154に移行する。
【0045】
ステップS154では、フレームを受信するフレーム受信処理を実行し、ステップS156に移行して、管理フレーム以外のフレームを送信するフレーム送信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS150の管理フレーム送信処理を図6を参照しながら詳細に説明する。
【0046】
図6は、ステップS150の管理フレーム送信処理を示すフローチャートである。
管理フレーム送信処理は、ステップS150において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS200に移行するようになっている。
ステップS200では、前回の管理フレームの送信時から所定時間(例えば、数秒間)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS202に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、所定時間が経過するまでステップS200で待機する。
【0047】
ステップS202では、競合管理テーブル300に基づいて管理フレームを生成し、ステップS204に移行して、生成した管理フレームをブロードキャスト送信し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS152の参加要求受信処理を図7を参照しながら詳細に説明する。
【0048】
図7は、ステップS152の参加要求受信処理を示すフローチャートである。
参加要求受信処理は、ステップS152において実行されると、図7に示すように、まず、ステップS250に移行するようになっている。
ステップS250では、参加要求を受信したか否かを判定し、参加要求を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS252に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、参加要求を受信するまでステップS250で待機する。
【0049】
ステップS252では、受信した参加要求に基づいて、参加要求のあったスレーブ通信端末を送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより競合管理テーブル300を更新し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。参加要求には、スレーブ通信端末のアドレス、スレーブ通信端末が必要とするネットワーク使用時間、およびリアルタイム伝送の必要性等の情報が含まれているので、ステップS252では、スレーブ通信端末の要求に可能な限り適合するように、送信順序1周期における送信権の獲得頻度やネットワーク使用時間を調整する。これにより、各通信端末100ごとの異なる送信特性に応じて比較的適切なアクセス競合制御を実現することができる。また、スレーブ通信端末がリアルタイム伝送を要求している場合には、一定間隔で必ず送信権が得られるように競合管理テーブル300の内容を調整することができるので、リアルタイム伝送を実現することができる。
【0050】
次に、ステップS154のフレーム受信処理を図8を参照しながら詳細に説明する。
図8は、ステップS154のフレーム受信処理を示すフローチャートである。
フレーム受信処理は、ステップS154において実行されると、図8に示すように、まず、ステップS300に移行するようになっている。
【0051】
ステップS300では、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS302に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、フレームを受信するまでステップS300で待機する。
ステップS302では、受信したフレームのフレーム構成情報を参照して受信フレームが自己宛のものであるか否かを判定し、受信フレームが自己宛のものであると判定したとき(Yes)は、ステップS304に移行して、受信フレームが正常なフレーム(データの欠損等がない完全なフレーム)であるか否かを判定し、受信フレームが正常なフレームであると判定したとき(Yes)は、ステップS306に移行する。
【0052】
ステップS306では、受信フレームの送信元である通信端末100に送達確認を送信し、ステップS308に移行して、受信フレームを取り込んで上位の通信プロトコルに受け渡し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS304で、受信フレームが正常なフレームでないと判定したとき(No)は、ステップS310に移行して、受信フレームの送信元である通信端末100に送達不良を送信し、ステップS312に移行して、受信フレームを破棄してその旨を上位の通信プロトコルに通知し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0053】
一方、ステップS302で、受信フレームが自己宛のものでないと判定したとき(No)は、ステップS314に移行して、受信フレームを破棄してその旨を上位の通信プロトコルに通知し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS156のフレーム送信処理を図9を参照しながら詳細に説明する。
【0054】
図9は、ステップS156のフレーム送信処理を示すフローチャートである。
フレーム送信処理は、ステップS156において実行されると、図9に示すように、まず、ステップS350に移行するようになっている。
ステップS350では、上位の通信プロトコルから送信要求が発生したか否かを判定し、送信要求が発生したと判定したとき(Yes)は、ステップS352に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、送信要求が発生するまでステップS350で待機する。
【0055】
ステップS352では、競合管理テーブル300に基づいてマスタ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時までの時間を待機時間として算出する。具体的に、ステップS352では、競合管理テーブル300の送信順序のうちステップS352の実行時に送信権を得ている通信端末100の順位からマスタ通信端末の順位までのネットワーク使用時間の最小値をすべて加算し、その総加算値を待機時間として算出する。
【0056】
次いで、ステップS354に移行して、算出した待機時間が経過するまでマスタ通信端末を低消費電力モードに移行し、ステップS356に移行して、低消費電力モードより復帰してから一つ目のフレームを受信後、所定のバックオフ時間(例えば、30[μs])が経過したか否かを判定し、所定のバックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS358に移行する。なお、ステップS356では、緊急に管理フレームを送信する必要があるときは、ステップS356のバックオフ時間が通常よりも短い時間(例えば、10[μs])に設定される。
【0057】
ステップS358では、送信先となる通信端末100にフレームを送信し、ステップS360に移行して、送達確認を受信したか否かを判定し、送達確認を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS362に移行する。
ステップS362では、すべてのフレームの送信が完了したか否かを判定し、すべてのフレームの送信が完了したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0058】
一方、ステップS362で、すべてのフレームの送信が完了していないと判定したとき(No)は、ステップS364に移行して、送達確認の受信時からステップS356の通常時のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間(例えば、20[μs])が経過するまで待機し、ステップS366に移行して、送信先となる通信端末100に次のフレームを送信し、ステップS360に移行する。
【0059】
一方、ステップS360で、送達確認を受信しないと判定したとき(No)は、ステップS368に移行して、送達不良を受信したか否かを判定し、送達不良を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS370に移行する。
ステップS370では、送達不良の受信時からステップS356の通常時のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間(例えば、20[μs])が経過するまで待機し、ステップS372に移行して、送信先となる通信端末100にフレームを再送信し、ステップS360に移行する。
【0060】
一方、ステップS368で、送達不良を受信しないと判定したとき(Yes)は、ステップS374に移行して、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したか否かを判定し、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したと判定したとき(Yes)は、ステップS376に移行して、次の管理フレームを送信するまで待機し、ステップS352に移行する。
【0061】
一方、ステップS374で、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗しないと判定したとき(No)は、ステップS378に移行して、フレームの送信時から所定のバックオフ時間(例えば、30[μs])が経過したか否かを判定し、所定のバックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0062】
一方、ステップS378で、フレームの送信時から所定のバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS360に移行する。
一方、ステップS356で、低消費電力モードより復帰してから所定のバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS380に移行して、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS352に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS356に移行する。
【0063】
次に、スレーブ通信端末用処理を図10を参照しながら詳細に説明する。
図10は、スレーブ通信端末用処理を示すフローチャートである。
スレーブ通信端末用処理は、通信端末100がスレーブ通信端末として機能するように設定されたときに実行する処理であって、CPU30において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS400に移行するようになっている。
【0064】
ステップS400では、マスタ通信端末に参加要求を送信する参加要求送信処理を実行し、ステップS402に移行して、フレームを受信するフレーム受信処理を実行し、ステップS404に移行して、フレームを送信するフレーム送信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS400の参加要求送信処理を図11を参照しながら詳細に説明する。
【0065】
図11は、ステップS400の参加要求送信処理を示すフローチャートである。
参加要求送信処理は、ステップS400において実行されると、図11に示すように、まず、ステップS450に移行するようになっている。
ステップS450では、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末がネットワークに参加済みであるか否かを判定し、ネットワークに未参加であると判定したとき(No)は、ステップS452に移行して、ランダムなバックオフ時間を決定し、ステップS454に移行する。
【0066】
ステップS454では、決定したバックオフ時間が経過したか否かを判定し、バックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS456に移行して、自己スレーブ通信端末のアドレス、自己スレーブ通信端末が必要とするネットワーク使用時間、およびリアルタイム伝送の必要性等の情報を含む参加要求をマスタ通信端末に送信し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0067】
一方、ステップS454で、決定したバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS458に移行して、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS452に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS454に移行する。
一方、ステップS450で、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末がネットワークに参加済みであると判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0068】
次に、ステップS402のフレーム受信処理を図12を参照しながら詳細に説明する。
図12は、ステップS402のフレーム受信処理を示すフローチャートである。
フレーム受信処理は、ステップS402において実行されると、図12に示すように、まず、ステップS500に移行するようになっている。
【0069】
ステップS500では、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS502に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、フレームを受信するまでステップS500で待機する。
ステップS502では、受信したフレームのフレーム構成情報を参照して受信フレームが自己宛のものであるか否かを判定し、受信フレームが自己宛のものであると判定したとき(Yes)は、ステップS504に移行して、受信フレームが正常なフレームであるか否かを判定し、受信フレームが正常なフレームであると判定したとき(Yes)は、ステップS506に移行する。
【0070】
ステップS506では、受信フレームが管理フレームであるか否かを判定し、受信フレームが管理フレームであると判定したとき(Yes)は、ステップS508に移行して、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブル300を更新し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS506で、受信フレームが管理フレームでないと判定したとき(No)は、ステップS510に移行して、受信フレームの送信元である通信端末100に送達確認を送信し、ステップS512に移行して、受信フレームを取り込んで上位の通信プロトコルに受け渡し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0071】
一方、ステップS504で、受信フレームが正常なフレームでないと判定したとき(No)は、ステップS514に移行して、受信フレームの送信元である通信端末100に送達不良を送信し、ステップS516に移行して、受信フレームを破棄してその旨を上位の通信プロトコルに通知し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0072】
一方、ステップS502で、受信フレームが自己宛のものでないと判定したとき(No)は、ステップS518に移行して、受信フレームを破棄してその旨を上位の通信プロトコルに通知し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、ステップS404のフレーム送信処理を図13を参照しながら詳細に説明する。
【0073】
図13は、ステップS404のフレーム送信処理を示すフローチャートである。
フレーム送信処理は、ステップS404において実行されると、図13に示すように、まず、ステップS550に移行するようになっている。
ステップS550では、上位の通信プロトコルから送信要求が発生したか否かを判定し、送信要求が発生したと判定したとき(Yes)は、ステップS552に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、送信要求が発生するまでステップS550で待機する。
【0074】
ステップS552では、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時までの時間を待機時間として算出する。具体的に、ステップS552では、競合管理テーブル300の送信順序のうちステップS552の実行時に送信権を得ている通信端末100の順位から自己スレーブ通信端末の順位までのネットワーク使用時間の最小値をすべて加算し、その総加算値を待機時間として算出する。
【0075】
次いで、ステップS554に移行して、算出した待機時間が経過するまで自己スレーブ通信端末を低消費電力モードに移行し、ステップS556に移行して、低消費電力モードより復帰してから所定のバックオフ時間(例えば、30[μs])が経過したか否かを判定し、所定のバックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS558に移行する。
【0076】
ステップS558では、送信先となる通信端末100にフレームを送信し、ステップS560に移行して、送達確認を受信したか否かを判定し、送達確認を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS562に移行する。
ステップS562では、すべてのフレームの送信が完了したか否かを判定し、すべてのフレームの送信が完了したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0077】
一方、ステップS562で、すべてのフレームの送信が完了していないと判定したとき(No)は、ステップS564に移行して、送達確認の受信時からステップS556の通常時のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間(例えば、20[μs])が経過するまで待機し、ステップS566に移行して、送信先となる通信端末100に次のフレームを送信し、ステップS560に移行する。
【0078】
一方、ステップS560で、送達確認を受信しないと判定したとき(No)は、ステップS568に移行して、送達不良を受信したか否かを判定し、送達不良を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS570に移行する。
ステップS570では、送達不良の受信時からステップS556の通常時のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間(例えば、20[μs])が経過するまで待機し、ステップS572に移行して、送信先となる通信端末100にフレームを再送信し、ステップS560に移行する。
【0079】
一方、ステップS568で、送達不良を受信しないと判定したとき(Yes)は、ステップS574に移行して、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したか否かを判定し、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したと判定したとき(Yes)は、ステップS576に移行して、次の管理フレームを受信するまで待機し、ステップS552に移行する。
【0080】
一方、ステップS574で、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗しないと判定したとき(No)は、ステップS578に移行して、フレームの送信時から所定のバックオフ時間(例えば、30[μs])が経過したか否かを判定し、所定のバックオフ時間が経過したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0081】
一方、ステップS578で、フレームの送信時から所定のバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS560に移行する。
一方、ステップS556で、低消費電力モードより復帰してから所定のバックオフ時間が経過していないと判定したとき(No)は、ステップS580に移行して、フレームを受信したか否かを判定し、フレームを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS552に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS556に移行する。
【0082】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
初めに、無線通信可能な領域に他の通信端末100が存在しない場合を説明する。
通信端末100では、無線通信可能な領域に他の通信端末100が存在しないので、所定時間が経過しても管理フレームを受信することができない。したがって、ステップS100,S102を経て、通信端末100がマスタ通信端末として機能するように設定される。
【0083】
次に、無線通信可能な領域に他の通信端末100が複数存在し、それら通信端末100のいずれかがマスタ通信端末となっている場合を説明する。
通信端末100では、無線通信可能な領域にマスタ通信端末が存在するので、所定時間が経過すると、マスタ通信端末からの管理フレームを受信することができる。したがって、ステップS100,S104を経て、通信端末100がスレーブ通信端末として機能するように設定される。
【0084】
スレーブ通信端末では、ステップS452を経て、ランダムなバックオフ時間が決定され、決定されたバックオフ時間が経過するまでにフレームを受信しないと、ステップS456を経て、マスタ通信端末に参加要求が送信される。
マスタ通信端末では、参加要求を受信すると、ステップS250,S252を経て、受信した参加要求に基づいて、参加要求のあったスレーブ通信端末が送信順序のうちいずれかの順位に登録されることにより競合管理テーブル300が更新される。そして、所定時間が経過するごとに、ステップS202,S204を経て、競合管理テーブル300に基づいて管理フレームが生成され、生成された管理フレームがブロードキャスト送信される。
【0085】
スレーブ通信端末では、管理フレームを受信すると、ステップS506,S508を経て、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブル300が更新される。これにより、スレーブ通信端末は、ネットワーク上で他の通信端末100とデータリンク層レベルで通信可能な状態となる。
スレーブ通信端末では、データリンク層レベルで通信可能な状態となった後に上位の通信プロトコルから送信要求(例えば、マスタ通信端末への送信要求)が発生すると、ステップS552,S554を経て、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時が予測され、予測された送信時まで自己スレーブ通信端末が低消費電力モードに移行する。低消費電力モードから復帰した後、所定のバックオフ時間が経過するまでにフレームを受信すると、他の通信端末100が通信中であるので、ステップS552,S554を経て、受信フレームおよび競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時が再予測され、再予測された送信時まで自己スレーブ通信端末が低消費電力モードに移行する。
【0086】
一方、スレーブ通信端末では、低消費電力モードから復帰した後、所定のバックオフ時間が経過するまでにフレームを受信しないと、ステップS558を経て、マスタ通信端末にフレームが送信される。
マスタ通信端末では、自己宛のフレームを受信すると、ステップS304〜S308を経て、受信フレームの送信元であるスレーブ通信端末に送達確認が送信され、受信フレームが取り込まれて上位の通信プロトコルに受け渡される。
【0087】
スレーブ通信端末では、送達確認を受信すると、すべてのフレームの送信が完了していない場合は、ステップS564,S566を経て、送達確認の受信時から所定のバックオフ時間が経過するまで待機し、マスタ通信端末に次のフレームが送信される。
マスタ通信端末では、自己宛のフレームを受信したが、受信フレームが正常なフレームでないと、ステップS304,S310,S312を経て、受信フレームの送信元であるスレーブ通信端末に送達不良が送信され、受信フレームが破棄されてその旨が上位の通信プロトコルに通知される。
【0088】
スレーブ通信端末では、送達不良を受信すると、ステップS570,S572を経て、送達不良の受信時から所定のバックオフ時間が経過するまで待機し、マスタ通信端末にフレームが再送信される。
また、スレーブ通信端末では、フレームの送信後にフレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗すると、ステップS576を経て、次の管理フレームを受信するまでフレームの送信を待機する。自己スレーブ通信端末の次の送信時にフレームが再送信される。
【0089】
また、スレーブ通信端末では、フレームの送信時から所定のバックオフ時間が経過するまでに送達確認または送達不良を受信しないと、自己スレーブ通信端末の次の送信時までフレームの送信を待機し、フレームが再送信される。
以上では、スレーブ通信端末からマスタ通信端末にフレームを送信する場合を説明したが、スレーブ通信端末から他のスレーブ通信端末にフレームを送信する場合、およびマスタ通信端末からスレーブ通信端末にフレームを送信する場合も同様の要領で行われる。
【0090】
次に、マスタ通信端末において緊急に管理フレームを送信する必要が発生した場合を説明する。
マスタ通信端末では、緊急に管理フレームを送信する必要が発生すると、ステップS352,S354を経て、競合管理テーブル300に基づいてマスタ通信端末の送信時が予測され、予測された送信時までマスタ通信端末が低消費電力モードに移行する。そして、低消費電力モードから復帰した後、通常よりも短いバックオフ時間が経過するまでにフレームを受信しないと、ステップS358を経て、通信端末100にフレームが送信される。
【0091】
このようにして、本実施の形態では、マスタ通信端末は、競合管理テーブル300の内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信し、スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、そのスレーブ通信端末を送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより競合管理テーブル300を更新するようになっており、スレーブ通信端末は、マスタ通信端末に参加要求を送信し、管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて競合管理テーブル300を更新し、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっている。
【0092】
これにより、スレーブ通信端末では、競合管理テーブル300に基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するので、スレーブ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができる。また、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うので、リアルタイムデータを伝送するのに別途専用のプロトコルを設けなくて済み、通信端末100の構成を比較的簡素にすることができる。また、フレームの送信時にランダムバックオフ時間を設けなくてすむので、オーバーヘッドを小さくすることができる。また、マスタ通信端末がアクセスの競合制御を行うので、ネットワークを構成する通信端末100の数が増大してもコリジョンの発生確率が小さく、アクセスの競合制御を効率的に行うことができる。したがって、従来のCSMA/CA方式に比して、低消費電力特性、リアルタイム特性、スループット特性および競合制御効率特性を向上することができる。
【0093】
さらに、参加要求送信処理および参加要求受信処理を設けたので、スレーブ通信端末がネットワークに動的に参加することができる。また、スレーブ通信端末にフレーム送信処理およびフレーム受信処理を設けたので、スレーブ通信端末同士で通信を行うことができる。また、マスタ通信端末は、スレーブ通信端末よりも、参加要求受信処理および管理フレーム送信処理を余分に行うだけなので、マスタ通信端末の管理負荷がさほど大きくない。したがって、従来のTDMA/TDD方式に比して、ネットワーク構成の動的変更特性、アドホック特性および管理負荷特性を向上することができる。
【0094】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末は、競合管理テーブル300に基づいてマスタ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、マスタ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっている。
これにより、マスタ通信端末では、競合管理テーブル300に基づいてマスタ通信端末の送信時を予測し、予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するので、マスタ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができる。また、マスタ通信端末にフレーム送信処理およびフレーム受信処理を設けたので、マスタ通信端末とスレーブ通信端末との間、およびスレーブ通信端末同士で通信を行うことができる。したがって、低消費電力特性およびアドホック特性をさらに向上することができる。
【0095】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、予測した送信時となった後でかつフレームの送信前にフレームを受信したときは、受信したフレームおよび競合管理テーブル300に基づいて自己端末の送信時を再予測し、再予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するようになっている。
【0096】
これにより、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末の送信時の電力消費をさらに抑制することができるので、低消費電力特性をさらに向上することができる。
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、自己端末の送信時となったときは、送信先となる通信端末100にフレームを送信するようになっている。
【0097】
これにより、マスタ通信端末とスレーブ通信端末との間、およびスレーブ通信端末同士で通信を比較的確実に行うことができるので、アドホック特性をさらに向上することができる。
さらに、本実施の形態では、スレーブ通信端末は、ランダムなバックオフ時間を決定し、管理フレームの受信時からランダムバックオフ時間が経過した後にマスタ通信端末に参加要求を送信するようになっている。
【0098】
これにより、複数のスレーブ通信端末がマスタ通信端末に同時に参加要求を送信することによりコリジョンが発生する可能性を低減することができるので、スレーブ通信端末のネットワークの参加を比較的確実に行うことができる。
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、フレームの送信後にフレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したときは、次の管理フレームの送信または受信があるまでフレームの送信を待機するようになっている。
【0099】
これにより、競合管理テーブル300が更新されたにもかかわらず、古い競合管理テーブル300に基づいてスレーブ通信端末がフレームを送信することによりコリジョンが発生した場合は、すべてのスレーブ通信端末の競合管理テーブル300が同一の内容となるまで、マスタ通信端末およびすべてのスレーブ通信端末においてフレームの送信が停止するので、ネットワークを比較的早急に回復することができる。
【0100】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないときは、フレームを送信し、送達確認を受信したときは、第1のバックオフ時間よりも短い第2のバックオフ時間が経過するのを待って次のフレームを送信するようになっている。
これにより、第1のバックオフ時間よりも短い第2のバックオフ時間が経過するのを待って次のフレームを送信するので、フレームを連続して送信することができるとともに連続送信しても競合管理テーブル300の進行に影響を与える可能性が少ない。
【0101】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないときは、フレームを送信し、送達不良を受信したときは、第1のバックオフ時間よりも短い第2のバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを再送信するようになっている。
これにより、第1のバックオフ時間よりも短い第2のバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを再送信するので、フレームを再送信することができるとともに再送信しても競合管理テーブル300の進行に影響を与える可能性が少ない。
【0102】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末は、緊急に管理フレームを送信する必要があるときは、第2のバックオフ時間よりも短い第3のバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを送信するようになっている。
これにより、マスタ通信端末において緊急に管理フレームを送信する必要が発生した場合は、スレーブ通信端末よりも優先的にフレームを送信することができるので、アクセスの競合制御をさらに効率的に行うことができる。
【0103】
さらに、本実施の形態では、マスタ通信端末およびスレーブ通信端末は、フレームの送信時から第1のバックオフ時間が経過するまでに送達確認または送達不良を受信しないときは、自己端末の次の送信時となるのを待ってフレームを再送信するようになっている。
これにより、何らかの障害により送達確認または送達不良が受信できない場合は、次の送信時にフレームを再送信するので、フレームを再送信することができるとともに再送信しても競合管理テーブル300の進行に影響を与える可能性が少ない。
【0104】
上記実施の形態において、ステップS150は、発明1、6、8若しくは10の管理フレーム送信手段、または発明12の管理フレーム送信ステップに対応し、ステップS152は、発明1、8若しくは10の参加要求受信手段、または発明12の参加要求受信ステップに対応している。また、ステップS154は、発明2のマスタ側フレーム受信手段に対応し、ステップS156は、発明2ないし4、6または7のマスタ側フレーム送信手段に対応し、ステップS400は、発明1、5、9若しくは11の参加要求送信手段、または発明12の参加要求送信ステップに対応している。
【0105】
また、上記実施の形態において、ステップS402は、発明1、6、9若しくは11のスレーブ側フレーム受信手段、または発明12のスレーブ側フレーム受信ステップに対応し、ステップS404は、発明1、3、4、6、7、9若しくは11のスレーブ側フレーム送信手段、または発明12のスレーブ側フレーム送信ステップに対応している。
【0106】
なお、上記実施の形態において、ステップS376では、次の管理フレームを送信するまで単に待機するように構成したが、これに限らず、次の管理フレームを送信するまで低消費電力モードに移行するように構成することもできる。
これにより、マスタ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができるので、低消費電力特性をさらに向上することができる。
【0107】
また、上記実施の形態において、ステップS576では、次の管理フレームを受信するまで単に待機するように構成したが、これに限らず、次の管理フレームを受信するまで低消費電力モードに移行するように構成することもできる。
これにより、スレーブ通信端末の送信時の電力消費を抑制することができるので、低消費電力特性をさらに向上することができる。
【0108】
また、上記実施の形態においては、所定間隔で管理フレームをブロードキャスト送信し、競合管理テーブル300に基づく送信順序でマスタ通信端末およびスレーブ通信端末が送信を行うように構成したが、より具体的には、管理フレームの送信、マスタ通信端末の送信およびスレーブ通信端末の送信という順番で送信権が循環する。競合管理テーブル300も、マスタ通信端末の送信順序が先頭となるように更新する。
【0109】
また、上記実施の形態においては、古い競合管理テーブル300に基づいてスレーブ通信端末がフレームを送信したときは、次の管理フレームの送信または受信があるまでフレームの送信を待機するように構成したが、さらに、自己の送信順になってもスレーブ通信端末が送信を開始しないときは、同様に、マスタ通信端末が検出してネットワークを回復するように構成することもできる。
【0110】
また、上記実施の形態において、図4ないし図13のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM32にあらかじめ格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM34に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0111】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0112】
また、上記実施の形態においては、本発明に係る通信制御システム、マスタ通信端末、スレーブ通信端末、マスタ通信端末用プログラムおよびスレーブ通信端末用プログラム、並びに通信制御方法を、図1に示すように、複数の通信端末100を無線により通信可能に接続し、それら通信端末100のアクセス競合制御を行う場合について適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。例えば、有線ネットワークにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】通信端末100の構成を示すブロック図である。
【図3】競合管理テーブル300のデータ構造を示す図である。
【図4】端末機能決定処理を示すフローチャートである。
【図5】マスタ通信端末用処理を示すフローチャートである。
【図6】ステップS150の管理フレーム送信処理を示すフローチャートである。
【図7】ステップS152の参加要求受信処理を示すフローチャートである。
【図8】ステップS154のフレーム受信処理を示すフローチャートである。
【図9】ステップS156のフレーム送信処理を示すフローチャートである。
【図10】スレーブ通信端末用処理を示すフローチャートである。
【図11】ステップS400の参加要求送信処理を示すフローチャートである。
【図12】ステップS402のフレーム受信処理を示すフローチャートである。
【図13】ステップS404のフレーム送信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100…通信端末,30…CPU,32…ROM,34…RAM,38…I/F,40…無線通信装置,42…入力装置,44…記憶装置,46…表示装置,300…競合管理テーブル
Claims (12)
- 複数の通信端末を通信可能に接続し、前記複数の通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の前記通信端末がスレーブ通信端末となって、前記通信端末間の通信を制御するシステムであって、
前記マスタ通信端末は、前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段と、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段とを有し、
前記スレーブ通信端末は、前記競合管理テーブルと、前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段と、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段と、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段とを有し、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする通信制御システム。 - 請求項1において、
前記マスタ通信端末は、さらに、フレームを受信するマスタ側フレーム受信手段と、フレームを送信するマスタ側フレーム送信手段とを有し、
前記マスタ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて前記マスタ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、前記マスタ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする通信制御システム。 - 請求項2において、
前記マスタ側フレーム送信手段は、前記予測した送信時となった後で且つフレームの送信前にフレームを受信したときは、受信したフレーム及び前記競合管理テーブルに基づいて前記マスタ通信端末の送信時を再予測し、前記再予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記予測した送信時となった後で且つフレームの送信前にフレームを受信したときは、受信したフレーム及び前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を再予測し、前記再予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行するようになっていることを特徴とする通信制御システム。 - 請求項2及び3のいずれかにおいて、
前記競合管理テーブルは、前記通信端末の送信順序を登録するようになっており、
前記マスタ側フレーム送信手段は、前記マスタ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とする通信制御システム。 - 請求項2乃至4のいずれかにおいて、
前記参加要求送信手段は、ランダムなバックオフ時間を決定し、前記管理フレームの受信時から前記ランダムバックオフ時間が経過した後に前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信するようになっていることを特徴とする通信制御システム。 - 請求項2乃至5のいずれかにおいて、
前記管理フレーム送信手段は、前記管理フレームを所定周期でブロードキャスト送信するようになっており、
前記マスタ側フレーム送信手段は、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したときは、前記管理フレーム送信手段により次の前記管理フレームが送信されるまでフレームの送信を待機し、前記管理フレーム送信手段ができるだけ早期に管理フレームの送信を行って通信順序の回復を行うようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、フレーム中にあるフレーム構成情報の受信に失敗したときは、前記スレーブ側フレーム受信手段により次の前記管理フレームを受信するまでフレームの送信を待機するようになっていることを特徴とする通信制御システム。 - 請求項2乃至6のいずれかにおいて、
前記マスタ側フレーム送信手段及び前記スレーブ側フレーム送信手段は、第1のバックオフ時間が経過するまでに有効な送信を検出しないときは、フレームを送信するようになっていおり、
前記マスタ側フレーム送信手段は、緊急に管理フレームを送信する必要があるときは、前記第1のバックオフ時間よりも短いバックオフ時間が経過するのを待ってフレームを送信するようになっていることを特徴とする通信制御システム。 - 請求項1記載の通信制御システムにおけるスレーブ通信端末と通信可能に接続するマスタ通信端末であって、
前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段と、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段とを備え、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっていることを特徴とするマスタ通信端末。 - 請求項1記載の通信制御システムにおけるマスタ通信端末及びスレーブ通信端末と通信可能に接続するスレーブ通信端末であって、
前記通信端末の送信順序を登録する競合管理テーブルと、前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段と、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段と、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段とを備え、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とするスレーブ通信端末。 - コンピュータからなる請求項8記載のマスタ通信端末に実行させるためのプログラムであって、
前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信手段、及び前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信して当該スレーブ通信端末をネットワークに参加させる参加要求受信手段として実現される処理を実行させるためのプログラムであり、
前記参加要求受信手段は、前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を前記送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記競合管理テーブルを更新するようになっていることを特徴とするマスタ通信端末用プログラム。 - コンピュータからなる請求項9記載のスレーブ通信端末に実行させるためのプログラムであって、
前記マスタ通信端末に前記参加要求を送信する参加要求送信手段、フレームを受信するスレーブ側フレーム受信手段、及びフレームを送信するスレーブ側フレーム送信手段として実現される処理を実行させるためのプログラムであり、
前記スレーブ側フレーム受信手段は、前記競合管理テーブルの内容を含む管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて前記競合管理テーブルを更新するようになっており、
前記スレーブ側フレーム送信手段は、前記競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するようになっていることを特徴とするスレーブ通信端末用プログラム。 - 複数の通信端末を通信可能に接続し、前記複数の通信端末のうちいずれかがマスタ通信端末となり、他の前記通信端末がスレーブ通信端末となって、前記通信端末間の通信を制御する方法であって、
前記スレーブ通信端末に対しては、
前記マスタ通信端末に参加要求を送信する参加要求送信ステップを含み、
前記マスタ通信端末に対しては、
前記スレーブ通信端末からの参加要求を受信したときは、当該スレーブ通信端末を送信順序のうちいずれかの順位に登録することにより前記マスタ通信端末の競合管理テーブルを更新する参加要求受信ステップと、
前記マスタ通信端末の競合管理テーブルの内容を含む管理フレームをブロードキャスト送信する管理フレーム送信ステップとを含み、
前記スレーブ通信端末に対しては、さらに、
前記管理フレームを受信したときは、受信した管理フレームに基づいて自己スレーブ通信端末の競合管理テーブルを更新するスレーブ側フレーム受信ステップと、
自己スレーブ通信端末の競合管理テーブルに基づいて自己スレーブ通信端末の送信時を予測し、前記予測した送信時となるまで低消費電力モードに移行し、自己スレーブ通信端末の送信時となったときは、フレームを送信するスレーブ側フレーム送信ステップとを含むことを特徴とする通信制御方法。
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Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |