JP4622503B2 - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、制御局と被制御局の関係を特に形成せずに各通信局が自律分散的に動作することにより無線ネットワークが構築される無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、自律分散型のネットワーク環境下で、通信局がCSMAによるアクセス制御によりデータ通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、自律分散型のネットワーク環境下で、通信機の低消費電力化を図りつつ、短パケットの同報通信を短レイテンシで実現する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
複数のコンピュータを接続してLANを構成することにより、ファイルやデータなどの情報の共有化、プリンタなどの周辺機器の共有化を図ったり、電子メールやデータ・コンテンツの転送などの情報の交換を行なったりすることができる。
従来、光ファイバーや同軸ケーブル、あるいはツイストペア・ケーブルを用いて、有線でLAN接続することが一般的であったが、この場合、回線敷設工事が必要であり、手軽にネットワークを構築することが難しいとともに、ケーブルの引き回しが煩雑になる。また、LAN構築後も、機器の移動範囲がケーブル長によって制限されるため、不便である。
そこで、有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。
近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入の検討が行なわれている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システムが規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)やIEEE302.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a規格、IEEE802.11b規格…などの各種無線通信方式が存在する。
一般的には、無線技術を用いてローカル・エリア・ネットワークを構成するために、エリア内に「アクセス・ポイント」又は「コーディネータ」と呼ばれる制御局となる装置を1台設けて、この制御局の統括的な制御下でネットワークを形成する方法が用いられている。
アクセス・ポイントを配置した無線ネットワークでは、ある通信装置から情報伝送を行なう場合に、まずその情報伝送に必要な帯域をアクセス・ポイントに予約して、他の通信装置における情報伝送と衝突が生じないように伝送路の利用を行なうという、帯域予約に基づくアクセス制御方法が広く採用されている。すなわち、アクセス・ポイントを配置することによって、無線ネットワーク内の通信装置が互いに同期をとるという同期的な無線通信を行なう。
ところが、アクセス・ポイントが存在する無線通信システムで、送信側と受信側の通信装置間で非同期通信を行なう場合には、必ずアクセス・ポイントを介した無線通信が必要になるため、伝送路の利用効率が半減してしまうという問題がある。
これに対し、無線ネットワークを構成する他の方法として、端末同士が直接非同期的に無線通信を行なう「アドホック(Ad−hoc)通信」が考案されている。とりわけ近隣に位置する比較的少数のクライアントで構成される小規模無線ネットワークにおいては、特定のアクセス・ポイントを利用せずに、任意の端末同士が直接非同期の無線通信を行なうことができるアドホック通信が適当であると思料される。
例えば、IEEE802.11系の無線LANシステムでは、制御局を配さなくとも自律分散的にピア・ツウ・ピア(Peer to Peer)で動作するアドホック・モードが用意されている。この動作モード下では、ビーコン送信時間になると各端末がランダムな期間をカウントし、その期間が終わるまでに他の端末のビーコンを受信しなかった場合に、自分がビーコンを送信する。
ここで、IEEE802.11を例にとって、従来の無線ネットワーキングの詳細について説明する。
IEEE802.11におけるネットワーキングは、BSS(Basic Service Set)の概念に基づいている。BSSは、AP(Access Point:制御局)のようなマスタが存在するインフラ・モードで定義されるBSSと、複数のMT(Mobile Terminal:移動局)のみにより構成されるアドホック・モードで定義されるIBSS(Independent BSS)の2種類で構成される。
インフラ・モード:
インフラ・モード時のIEEE802.11の動作について、図26を参照しながら説明する。インフラ・モードのBSSにおいては、無線通信システム内にコーディネイションを行なうAPが必須である。
APは、自局周辺で電波の到達する範囲をBSSとしてまとめ、いわゆるセルラ・システムで言うところの「セル」を構成する。AP近隣に存在するMTは、APに収容され、BSSのメンバとしてネットワークに参入する。すなわち、APは適当な時間間隔でビーコンと呼ばれる制御信号を送信し、このビーコンを受信可能であるMTはAPが近隣に存在することを認識し、さらにAPとの間でコネクション確立を行なう。
図26に示す例では、通信局STA0がAPとして動作し、他の通信局STA1並びSTA2がMTとして動作している。ここで、APとしての通信局STA0は、同図右側のチャートに記したように、一定の時間間隔でビーコン(Beacon)を送信する。次回のビーコンの送信時刻は、ターゲット・ビーコン送信時刻(TBTT:Target Beacon Transmit Time)というパラメータの形式によりビーコン内で報知されている。そして、時刻がTBTTに到来すると、APはビーコン送信手順を動作させている。
これに対し、AP周辺のMTは、ビーコンを受信することにより、内部のTBTTフィールドをデコードすることにより次回のビーコン送信時刻を認識することが可能であるから、場合によっては(受信の必要がない場合には)、次回あるいは複数回先のTBTTまで受信機の電源を落としスリープ状態に入ることもある。
インフラ・モード時には、APのみが所定フレーム周期でビーコンを送信する。他方、周辺MTはAPからのビーコンを受信することでネットワークへの参入を果たし、自らはビーコンを送信しない。なお、本発明は、APのようなマスタ制御局の介在なしでネットワークを動作させることを主眼とし、インフラ・モードとは直接関連しないことから、インフラ・モードに関してはこれ以上説明を行なわない。
アドホック・モード:
もう一方のアドホック・モード時のIEEE802.11の動作について、図27を参照しながら説明する。
アドホック・モードのIBSSにおいては、MTは複数のMT同士でネゴシエーションを行なった後に自律的にIBSSを定義する。IBSSが定義されると、MT群は、ネゴシエーションの末に、一定間隔毎にTBTTを定める。各MTは自局内のクロックを参照することによりTBTTが到来したことを認識すると、ランダム時間の遅延の後、未だ誰もビーコンを送信していないと認識した場合にはビーコンを送信する。
図27に示す例では、2台のMTがIBBSを構成する様子を示している。この場合、IBSSに属するいずれか一方のMTが、TBTTが到来する毎にビーコンを送信することになる。また、各MTから送出されるビーコンが衝突する場合も存在している。
また、IBSSにおいても、MTは必要に応じて送受信機の電源を落とすスリープ状態に入ることがある(後述)。
IEEE802.11における送受信手順
続いて、IEEE802.11における送受信手順について説明する。
アドホック環境の無線LANネットワークにおいては、一般的に隠れ端末問題が生じることが知られている。隠れ端末とは、ある特定の通信局間で通信を行なう場合、通信相手となる一方の通信局からは聞くことができるが他方の通信局からは聞くことができない通信局のことであり、隠れ端末同士ではネゴシエーションを行なうことができないため、送信動作が衝突する可能性がある。
隠れ端末問題を解決する方法論として、RTS/CTS手順によるCSMA/CAが知られている。IEEE802.11においてもこの方法論が採用されている。
ここで、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:搬送波感知多重アクセス)とはキャリア検出に基づいて多重アクセスを行なう接続方式である。無線通信では自ら情報送信した信号を受信することが困難であることから、CSMA/CD(Collision Detection)ではなくCSMA/CA(Collision Avoidance)方式により、他の通信装置の情報送信がないことを確認してから、自らの情報送信を開始することによって、衝突を回避する。
また、RTS/CTS方式では、データ送信元の通信局が送信要求パケットRTS(Request To Send)を送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTS(Clear To Send)を受信したことに応答してデータ送信を開始する。そして、隠れ端末はRTS又はCTSのうち少なくとも一方を受信すると、RTS/CTS手続に基づくデータ伝送が行なわれると予想される期間だけ自局の送信停止期間を設定することにより、衝突を回避することができる。
図28には、RTS/CTS手順の動作例を示している。但し、無線通信環境下には、通信装置#1、#2、#3、#4が配置され、通信装置#1は隣接する通信装置#2と通信可能であり、通信装置#2は隣接する通信装置#1、#3と通信可能であり、通信装置#3は隣接する通信装置#2、#4と通信可能であり、通信装置#4は隣接する通信装置#3と通信可能な状態にあるが、通信装置#1は通信装置#3にとって隠れ端末となり、通信装置#4は通信装置#2にとって隠れ端末となっている。
図示の例では、データを送信する通信装置#2から通信装置#3に送信要求(RTS)が送信され、通信装置#3は通信装置#2に確認通知(CTS)を返送する。
このとき、通信装置#2及び通信装置#3のそれぞれから隠れ端末となり得る位置にある通信装置#1並びに#4では、伝送路の利用を検出してこの通信が終了するまで送信を行なわない制御を行なう。より具体的には、通信装置#1では、RTSパケットに基づいて他の通信装置#2が送信元となるデータ送信が開始されたことを検出し、以後引き続くデータ・パケットの送信が完了するまでの間は、伝送路が既に利用されていることを認識することができる。また、通信装置#4では、CTSパケットに基づいて他の通信装置#3が受信先となるデータ送信が開始されたことを検出し、通信装置#3からのACKパケットの返送を検出するまでの間は、伝送路が既に利用されていることを認識することができる。
なお、情報送信元である通信装置#2がRTSを送信した際、他の通信装置がたまたまほぼ同時になんらかの信号を送信した場合には、信号が衝突するため、情報受信先である通信装置#3はRTSを受信できない。この場合、通信装置#3はCTSを返送しない。この結果、通信装置#2は、しばらくの間CTSが受信されないことを理由に、先のRTSが衝突したことを認識することができる。そして、通信装置#2は、ランダム・バックオフをかけつつ、RTSを再送する手順が起動される。基本的には、通信装置は、このように衝突のリスクを負いながら送信権の獲得を競合する。
IEEE802.11におけるアクセス競合方法
続いて、IEEE802.11において規定されているアクセス競合方法について説明する。
IEEE802.11では、4種類のパケット間隔(IFS:Inter Frame Space)が定義されている。ここでは、そのうち3つのIFSについて図29を参照しながら説明する。IFSとしては、短いものから順にSIFS(Short IFS)、PIFS(PCF IFS)、DIFS(DCF IFS)が定義されている。
IEEE802.11では、基本的なメディア・アクセス手順としてCSMAが採用されているが(前述)、送信機が何かを送信する前には、メディア状態を監視しながらランダム時間にわたりバックオフのタイマーを動作させ、この間に送信信号が存在しない場合に始めて送信権が与えられる。
通常のパケットをCSMAの手順に従って送信する際(DCF(Distributed Coordination Functionと呼ばれる)には、何らかのパケットの送信が終了してから、まずDIFSだけメディア状態を監視し、この間に送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、送信権が与えられることになっている。
これに対し、ACKなどの例外的に緊急度の高いパケットを送信する際には、SIFSのパケット間隔の後に送信することが許されている。これにより、緊急度の高いパケットは、通常のCSMAの手順に従って送信されるパケットよりも先に送信することが可能となる。
要するに、異なる種類のパケット間隔IFSが定義されている理由は、IFSがSIFS、PIFS、DIFSのいずれであるか、すなわちパケット間隔の長さに応じてパケットの送信権争いに優先付けが行なわれる、という点にある。
スリープ状態での信号送受信手順
IEEE802.11におけるネットワーキングでは、アドホック・モード時のIBSSにおいても、MTは必要に応じて送受信機の電源を落とすスリープ状態に入ることがある。この場合の処理手順について、図30を参照しながら説明する。
IEEE802.11においてIBSSでスリープ・モードが適用されている場合には、TBTTからしばらくの時間帯がATIM(Announcement Traffic Indication Message)Windowとして定義されている。このATIM Windowの時間帯は、IBSSに属するすべてのMTは受信機を動作させており、この時間帯であれば、基本的にはスリープ・モードで動作しているMTも受信が可能である。
各MTは、自局が誰か宛ての情報を有している場合には、このATIM Windowの時間帯において、上記の通信相手宛てにATIMパケットを送信することにより、自局が送信情報を保持していることを受信側に通達する。ATIMパケットを受信したMTは、ATIMパケットを送信した局からの受信が終了するまで、受信機を動作させておく。
図30に示す例では、STA1、STA2、STA3の3台のMTがIBSS内に存在している場合を例示している。TBTTが到来すると、STA1、STA2、STA3の各MTはランダム時間にわたりメディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させる。同図に示す例では、STA1のタイマーが最も早期に消滅し、STA1がビーコンを送信している。STA1がビーコンを送信したため、これを受信したSTA2並びSTA3はビーコンを送信しない。
また、図30に示す例では、STA1がSTA2宛ての情報を保持しており、且つSTA2がSTA3への情報を保持している。このとき、STA1とSTA2は、ビーコンを送信/受信した後に、再度ランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させる。同図に示す例では、STA2のタイマーが先に消滅したため、まずSTA2からATIMメッセージがSTA3に宛てに送信される。STA3はATIMメッセージを受信すると、受信した旨をACK(Acknowledge)パケットを送信することによりSTA2にフィードバックする。
STA3からのACKが送信し終えると、STA1はさらにランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させる。タイマーが消滅すると、STA1はATIMパケットをSTA2に宛てて送信する。STA2はこれを受信した旨のACKパケットを返送することによりSTA1にフィードバックする。
このようなATIMパケットとACKパケットのやり取りがATIM Window内で行なわれると、その後の区間においても、STA3はSTA2からの情報を受信するために受信機を動作させ、同様に、STA2はSTA1からの情報を受信するために受信機を動作させる。
送信情報を保持しているSTA1並びSTA2は、ATIM Windowの終了とともに、ランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させる。図30に示す例では、STA2のタイマーが先に消滅したため、STA2からSTA3宛ての情報が先に伝送されている。この伝送終了の後、STA1は、再度ランダム時間にわたりメディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させ、タイマーが消滅したらSTA2宛てのパケットを送信する。
上記の手順において、ATIM Window内でATIMパケットを受信しない通信局や、誰宛てにも情報を保持していない通信局は、次のTBTTまで送受信機の電源を落とし、消費電力を削減することが可能となる。
International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part1: Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC) sublayer
(1)同報通信との相性
IEEE802.11においては、Broadcast/Multicast宛ての通信は定義されているものの、この場合、受信確認応答信号であるACKの返信を行なわない。基本的なアクセス方法がCSMAであるため、送信信号が衝突している可能性があるが、アドホック・モードの同報通信においては、信号の衝突を判断する術が無い。また、Directionalデータを複数局宛てに複数回送信を行なうことも考えられる。この場合、特定局に宛ててデータが送信されるため、受信確認応答を得ることができる。しかしながら、他局の送信信号との衝突のリスクを常に負いつつ同一のデータを何度も送信する手法は効率的ではない。上記の通り、総じてアドホック・モードにおける同報通信は相性がよくない。
(2)短パケットとの相性
IEEE802.11では、送信するデータ量に関わらず、パケットの先頭には固定のオーバーヘッドが発生する。1パケットで送信するデータ量が大きい場合にはこのオーバーヘッドの割合は小さくなるが、送信するデータ量が小さいときには、場合によってはデータ領域よりもオーバーヘッドの方が大きくなるという現象が生じ、リソース利用効率が著しく低下する。
(3)短レイテンシを要求するトラフィックとの相性
上述したように、IEEE802.11では、CSMAによりデータの衝突が発生することを許容することを前提としたシステムであるが、データの衝突は再送によりカバーされる。再送を行なう際には再度ランダム・バックオフを設定するが、再送を行なう度にこのバックオフ値は2のべき乗で大きくなるよう設定される。したがって、複数の通信局が同時刻に送信を試みるような環境下では、通信局のデータ送信を完了するまでには幾許かの遅延が生じる可能性がある。このため、短レイテンシを要求するトラヒック収容時には問題が発生する。
(4)低消費電力化
IEEE802.11においては、低消費電力用途としてのパワーセーブ・モードが定義されているが、ビーコンを送信した局は次のビーコン送信に引き続き開始されるATIM Windowが終了するまで受信機を動作させる必要がある。例えば、2局間でIBSSを構成している場合、データ送信の有無に関わらず、統計的には50%以上の時間率で受信機を動作させる必要があるため、低消費電力の効果が低い。
例えば、複数ユーザで対戦を行なう場合のゲーム・コントローラに無線通信を適用するようなアプリケーションでは、1機上で入力されたコマンドをすべてのユーザのコントローラに同報配信する必要がある。ここで、個々の入力コマンドは短パケットで構成されるが、ゲームの進行処理のため、短レイテンシが要求される。また、ゲーム・コントローラはバッテリ駆動であることが想定され、低消費電力化が望まれ、パケット送受信時以外はスリープ状態に入っている。
本発明は、上述した技術的課題を鑑みたものであり、その主な目的は、制御局と被制御局の関係を特に形成せずに各通信局が自律分散的に動作することにより無線ネットワークが好適に構築される、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、自律分散型のネットワーク環境下で、通信局がCSMAによるアクセス制御により効率的なデータ通信を行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、自律分散型のネットワーク環境下で、通信機の低消費電力化を図りつつ、短パケットの情報伝送を短レイテンシで実現することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、各通信局が所定のフレーム周期内でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによってネットワークを構築する自律分散型の無線通信システムであって、
各通信局は自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後に所定の受信期間を設けており、
通信局は、情報送信時にはデータ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の後において情報送信を行なう、
ことを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
自律分散型の通信環境下では、各通信局は、所定の時間間隔でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。また、通信局は、各チャネル上でスキャン動作を行ない、ビーコン信号を受信することにより、隣接局の通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を認識し参入することができる。
そして、新規に参入する通信局は、所定期間にわたり連続して信号受信を試みるスキャン動作により、周辺局の送信するビーコンの存在確認を行なう。この過程で、周辺局からビーコンが受信されなかった場合には、通信局は適当なビーコン送信タイミングを設定する。一方、周辺局から送信されるビーコンを受信した場合には、各受信ビーコンに記載されている近隣装置情報を参照して、いずれの既存局もビーコンを送信していないタイミングを自局のビーコン送信タイミングとして設定することで、衝突を回避する。
ここで、このような自律分散型の無線通信ネットワークでは、基本的なアクセス方法がCSMAであるため、信号が衝突する可能性があるにもかかわらず、信号の衝突を判断できないため、同報通信との相性がよくないという問題がある。また、送信するデータ量に拘らずパケットの先頭に固定のオーバーヘッドが発生するため、短パケットとの相性がよくない。また、CSMAは信号の衝突を許容することを前提としているため、短レイテンシを要求するトラフィック収容時には問題が発生する。さらに、各通信局は統計的には50%以上の時間率で受信機を動作させる必要があり、低消費電力の効果が低い。
これに対し、本発明によれば、自律分散型の無線通信ネットワークにおいて、短パケットの同報通信を短レイテンシにて実現することができる。
本発明に係る自律分散ネットワークでは、通信局は、自局の次にビーコンを送信する次通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行ない、且つ、データ送信時にはデータ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後においてデータ送信を行なう。したがって、ある通信局が他のすべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、各通信局は前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して情報を順次送信するという、バケツリレー方式の情報伝送を実行することができる。
すなわち、隣り合うビーコン受信時刻を基準に設けられた各通信局の受信期間を利用して、1対1の通信局間の情報交換を繰り返すといういわゆるバケツリレー伝送方式により、ある情報送信元から送信される情報をすべての通信局と1フレーム周期内で情報交換することができる。
したがって、1フレーム周期内ですべての通信局に対する情報伝送が完結することから短レイテンシで済み、基本的に一定時間でのデータの配送が可能となる。また、短パケットを何度も衝突の可能性を負いながら送信する必要がなくなる。また、特定の制御局による管理が不要であることから自律分散型ネットワークとの相性がよい。また、各通信局間ではビーコン送信タイミング前後の受信期間を設けて互いにデータ伝送を行なうことから、必要最低限の時間帯のみで受信機を動作させることが可能になるので、低消費電力の効果が向上する。
例えば、情報送信元となる通信局から他のすべての通信局に向けて情報送信を行ないたい旨のデータ、すなわち予告信号としてのページ・パケットを、前記のバケツリレーの情報伝送方式により1フレーム内で順次送信した後、次のフレーム周期において、前記情報送信元の通信局は自局のビーコン送信に引き続き正味の送信情報を送信するとともに、他の通信局は該情報送信元からのビーコン受信タイミングにおいてビーコン並びに送信情報を受信するようにしてもよい。
このような場合、他の通信局は、1フレーム前に受信したデータに基づいて情報送信元の通信局が情報の送信を行なうことを認識しているので、この情報送信元からのビーコン受信タイミングに合わせてスリープ状態からアクティブ状態に戻り、ビーコン並びに送信情報を受信することができる。このような情報の同報通信方式は、特定の制御局による管理が不要であることから自律分散型ネットワークとの相性がよい。
また、前記の他の各通信局は、情報送信元からの送信情報を誤り無く受信すると、前記次のフレーム周期において該情報を受信できた旨の受信確認応答を自局のビーコンの送信に引き続き送信するようにしてもよい。一方、前記情報送信元の通信局は、情報を送信した後に前記の他の各通信局から受信確認応答が返信されることを認識することができるので、これら各通信局のビーコン送信に引き続いてアクティブ状態のまま受信処理し、受信確認応答を受信する。
これによって、情報送信元となる通信局は、送信した情報が誤ることなく各通信局に配布されたことを短レイテンシで確認することができる。ここで、受信確認応答を認識できない場合には、例えば、当該通信局に宛てて、再度同一情報を当該通信局のビーコン送信時刻近辺にて再送する。この手順は通常のランダム・バックオフを併用するCSMAによる送信手順を踏めばよい。
また、上述したように、情報送信元となる通信局から他のすべての通信局に向けて予告信号としてのページ・パケットを1フレーム内でバケツリレー伝送し、次のフレーム周期において正味の送信情報を送信するのではなく、予告なしに最初から正味の送信情報についてのバケツリレー伝送を開始するようにしてもよい。
また、正味の情報をバケツリレー方式で伝送する際、同じフレーム周期内で2以上の通信局が同時に情報の送信を行なうことができる。
例えば、通信局は、自局が送信したい情報がある場合には、前記フレーム周期内で自局の前にビーコンを送信する前通信局から受信した情報に当該送信したい情報を付加(すなわちマルチプレクス)してから、自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに送信するようにすればよい。
このような場合、自局が付加した情報は、バケツリレー方式により系内の各通信局間で転送され、やがて自局に戻ってくる。したがって、通信局は、前記情報伝送方式により自局が送信した情報を受信したことを以って、当該情報についての送信処理が完了したことを認識することができる。
また、通信局は、自局の次にビーコンを送信する次通信局に対する情報送信に失敗した場合、同じフレーム周期で当該次通信局のビーコン送信後の受信期間を利用して、情報送信を再度試みることができる。
そして、通信局は、この受信期間内では他の通信局に対する情報送信並びに再送に失敗した場合、フレーム周期内でのその局宛ての情報送信を諦める。そして、いずれの通信局宛ての送信に失敗したかを送信情報に付加した上で、前記フレーム周期内で当該他の通信局の次にビーコンを送信する通信局への情報送信を試みる。
このような場合、いずれの通信局宛ての送信に失敗したかが付加された情報は、バケツリレー伝送方式によりやがて情報送信元の通信局に到来する。そして、この情報送信元の通信局は、前記情報伝送方式により自局が送信した情報を受信したときに、いずれの通信局宛ての送信に失敗したという情報が付加されている場合には、当該通信局宛ての再送手順を起動する。あるいは、特定の局宛ての再送手順ではなく、前記情報伝送方式に則って再度情報送信するようにしてもよい。
また、同一のフレーム周期内で複数の通信局が情報の送信を行なうと、次々に情報が付加(マルチプレクス)された形で情報群が構成されると、データ量が伝送可能な量を超えて溢れてしまう可能性がある。
このようなデータ量の溢れ状態を回避するために、各通信局は、受信した情報群のデータ量がある閾値を超えている場合には、自局から送信する情報の伝送を次のスーパーフレームまで見送るなどという処理を行なうようにしてもよい。例えば、通信局は、受信した情報量と自局が送信したい情報量と最近自局が送信した情報量のうち少なくとも1つを参照して、フレーム周期内における自局からの情報送信の有無を決定するようにする。
本発明によれば、所定のフレーム周期内で各通信局のビーコン送信時刻並びにその前後の受信期間が設けられているようなシステムにおいて、本発明のように、フレーム周期内における配置順に従ってバケツリレー方式で情報を順次伝送することができる。この場合、フレーム周期を下回る短レイテンシを実現することができないという問題がある。
この対策として、通信プロトコルの上位レイヤなどから、フレーム周期を下回る短レイテンシが強要された場合には、各通信局は、フレーム周期内で、規定されたビーコン送信間隔を定期的に補間するようにしてもよい。例えば、各通信局がフレーム周期内をそれぞれN個のビーコンで定期的に補間するようにした場合、これに応じて受信期間の数もN倍となることから、システムはあたかも1/Nのフレーム周期で構成されているかのように通信を行なうことができ、さらなる短レイテンシを実現することができる。
また、本発明の第2の側面は、各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される自律分散型の通信環境下で無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
所定のビーコン送信タイミングで自局のビーコンを送信するビーコン送信ステップと、
周辺局のビーコン送信時刻を把握するビーコン送信時刻管理ステップと、
自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行なう受信処理ステップと、
データ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後においてにおいて情報送信を行なう送信処理ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線通信装置として動作する。このような無線通信装置を複数起動して無線ネットワークを構築することによって、本発明の第1の側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、自律分散型のネットワーク環境下で、通信局がCSMAによるアクセス制御により効率的なデータ通信を行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、自律分散型のネットワーク環境下で、通信機の低消費電力化を図りつつ、短パケットの同報通信を短レイテンシで実現することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、系内で共有する情報を同報通信にて効率よく提供することが可能である。また、短パケットを何度も衝突の可能性を負いながら送信する必要がなくなり、且つ基本的に一定時間でのデータの配送が可能となる。さらに、必要最低限の時間帯のみで受信機を動作させることが可能になるので、低消費電力の効果が向上する。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
A.システム構成
本発明において想定している通信の伝搬路は無線であり、複数の通信局間でネットワークを構築する。本発明で想定している通信は蓄積交換型のトラヒックであり、パケット単位で情報が転送される。また、以下の説明では、各通信局は単一のチャネルを想定しているが、複数の周波数チャネルすなわちマルチチャネルからなる伝送媒体を用いた場合に拡張することも可能である。
本発明に係る無線ネットワーク・システムは、コーディネータを配置しない自律分散型のシステム構成であり、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御が行なわれる。また、各通信局は、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:キャリア検出多重接続)に基づくアクセス手順に従い直接非同期的に情報を伝送するアドホック通信を行なうこともできる。
このように制御局と被制御局の関係を特に形成せずに自律分散型の無線通信システムでは、各通信局はチャネル上でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。通信局は伝送フレーム周期の先頭でビーコンを送信するので、伝送フレーム周期はビーコン間隔によって定義される。また、各通信局は、伝送フレーム周期に相当する期間だけチャネル上をスキャン動作することにより、周辺局から送信されるビーコン信号を発見し、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知る(又はネットワークに参入する)ことができる。
なお、本実施形態に係る自律分散型の無線通信ネットワークは、複数ユーザで対戦を行なう場合のゲーム・コントローラに無線通信を適用するようなアプリケーションを想定しており、1機上で入力されたコマンドをすべてのユーザのコントローラに同報配信する。ゲーム・コントローラとしてのすべての通信局は互いの通信範囲内にあり、いわゆる隠れ端末の問題はないものとする。後述するように、通信機の低消費電力化を図りつつ、短パケットの同報通信を短レイテンシで実現する。
図1には、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の機能構成を模式的に示している。図示の無線通信装置は、制御局と被制御局の関係を特に形成しない自律分散型の通信環境下において、同じ無線システム内では効果的にチャネル・アクセスを行なうことにより、衝突を回避しながらネットワークを形成することができる。
図示の通り、無線通信装置100は、インターフェース101と、データ・バッファ102と、中央制御部103と、ビーコン生成部104と、無線送信部106と、タイミング制御部107と、アンテナ109と、無線受信部110と、ビーコン解析部112と、情報記憶部113とで構成される。
インターフェース101は、この無線通信装置100に接続される外部機器(例えば、パーソナル・コンピュータ(図示しない)など)との間で各種情報の交換を行なう。
データ・バッファ102は、インターフェース101経由で接続される機器から送られてきたデータや、無線伝送路経由で受信したデータをインターフェース101経由で送出する前に一時的に格納しておくために使用される。
中央制御部103は、無線通信装置100における一連の情報送信並びに受信処理の管理と伝送路のアクセス制御を一元的に行なう。基本的には、CSMAに基づき、伝送路の状態を監視しながらランダム時間にわたりバックオフのタイマーを動作させ、この間に送信信号が存在しない場合に送信権を獲得するというアクセス競合を行なう。
本実施形態に係るアクセス制御では、CSMAによりデータの衝突の発生を許容することを前提とするが、後述するように、系内で共有する情報を同報通信にて効率よく提供する。また、短パケットを何度も衝突の可能性を負いながら送信する必要がなくなり、且つ基本的に一定時間(すなわち短レイテンシ)でのデータの配送が可能となる。
また、中央制御部103は、装置の低消費電力動作を一元的に制御する。無線通信装置100は、基本的にはスリープ・モードで動作するが、ビーコン送信タイミングTBTTからしばらくの時間帯がATIM Windowに設定される。ATIM Windowの時間帯は、系内のすべての通信装置は受信機を動作させる。また、ビーコン送信タイミングTBTTの前後に受信期間を設けている。本実施形態では、系内で共有する情報を同報通信する際に、必要最低限の時間帯のみで受信機を動作させることにより(後述)、低消費電力の効果を高めている。
ビーコン生成部104は、近隣にある無線通信装置との間で周期的に交換されるビーコン信号を生成する。無線通信装置100が無線ネットワークを運用するためには、自己のビーコン送信位置や周辺局からのビーコン受信位置などを規定する。これらの情報は、情報記憶部113に格納されるとともに、ビーコン信号の中に記載して周囲の無線通信装置に報知する。
無線送信部106は、データ・バッファ102に一時格納されているデータやビーコン信号を無線送信するために、所定の変調処理を行なう。また、無線受信部110は、所定の時間に他の無線通信装置から送られてきた情報やビーコンなどの信号を受信処理する。
無線送信部106及び無線受信部110における無線送受信方式は、例えば無線LANに適用可能な、比較的近距離の通信に適した各種の通信方式を適用することができる。具体的には、UWB(Ultra Wide Band)方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式などを採用することができる。
アンテナ109は、他の無線通信装置宛てに信号を所定の周波数チャネル上で無線送信し、あるいは他の無線通信装置から送られる信号を収集する。本実施形態では、単一のアンテナを備え、送受信をともに並行しては行なえないものとする。
タイミング制御部107は、無線信号を送信並びに受信するためのタイミングの制御を行なう。例えば、伝送フレーム周期の先頭における自己のビーコン送信タイミングや、他の通信装置からのビーコン受信タイミング、スキャン動作周期、ATIM Windowや受信期間の設定、各パケット(RTS、CTS、データ、ACKなど)の送信タイミング(パケット間隔IFSやバックオフの設定)などを制御する。
ビーコン解析部112は、隣接局から受信できたビーコン信号を解析し、近隣の無線通信装置の存在などを解析する。例えば、隣接局のビーコンの受信タイミングや近隣ビーコン受信タイミングなどの情報は近隣装置情報として情報記憶部113に格納される。
情報記憶部113は、中央制御部103において実行される一連のアクセス制御動作などの実行手順命令(アクセス制御手順などを記述したプログラム)や、受信ビーコンの解析結果から得られる近隣装置情報などを蓄えておく。
本実施形態に係る自律分散型ネットワークでは、各通信局は、所定のチャネル上で所定の時間間隔でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。ビーコンを送信する伝送フレーム周期のことを、本明細書では「スーパーフレーム(Super Frame)」と定義し、例えば80ミリ秒とする。
新規に参入する通信局は、スキャン動作により周辺局からのビーコン信号を聞きながら、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。そして、ビーコンの受信タイミングと緩やかに同期しながら、周辺局からビーコンが送信されていないタイミングに自局のビーコン送信タイミングを設定する。
B.スーパーフレームの構築
各通信局はビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。ビーコン送信周期のことを、「スーパーフレーム(T_SF)」と定義し、例えば80ミリ秒とする。
本実施形態に係る各通信局のビーコン送信手順について、図2を参照しながら説明する。
ビーコンで送信される情報が100バイトであるとすると、送信に要する時間は18マイクロ秒となる。80ミリ秒に1回の送信なので、通信局毎のビーコンのメディア占有率は4444分の1と十分小さい。
各通信局は、周辺で発信されるビーコンを聞きながら、緩やかに同期する。新規に通信局が現われた場合、新規通信局は既存の通信局のビーコン送信タイミングと衝突しないように、自分のビーコン送信タイミングを設定する。
また、周辺に通信局がいない場合、通信局01は適当なタイミングでビーコンを送信し始めることができる。ビーコンの送信間隔は80ミリ秒である。図2中の最上段に示す例では、B01が通信局01から送信されるビーコンを示している。
以降、通信範囲内に新規に参入する通信局は、既存のビーコン配置と衝突しないように、自己のビーコン送信タイミングを設定する。
例えば、図2中の最上段に示すように、通信局01のみが存在するチャネル上において、新たな通信局02が現われたとする。このとき、通信局02は、通信局01からのビーコンを受信することによりその存在とビーコン位置を認識し、図2の第2段目に示すように、通信局01のビーコン間隔のほぼ真中に自己のビーコン送信タイミングを設定して、ビーコンの送信を開始する。
さらに、新たな通信局03が現われたとする。このとき、通信局03は、通信局01並びに通信局02のそれぞれから送信されるビーコンの少なくとも一方を受信し、これら既存の通信局の存在を認識する。そして、図2の第3段に示すように、通信局01及び通信局02から送信されるビーコン間隔のほぼ真中のタイミングで送信を開始する。
以下、同様のアルゴリズムに従って近隣で通信局が新規参入する度に、ビーコン間隔が狭まっていく。例えば、図2の最下段に示すように、次に現われる通信局04は、通信局02及び通信局01それぞれが設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングでビーコン送信タイミングを設定し、さらにその次に現われる通信局05は、通信局02及び通信局04それぞれが設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングでビーコン送信タイミングを設定する。
但し、帯域(スーパーフレーム周期)内がビーコンで溢れないように、最小のビーコン間隔Bminを規定しておき、Bmin内に2以上のビーコン送信タイミングを配置することを許容しない。例えば、80ミリ秒のスーパーフレーム周期でミニマムのビーコン間隔Bminを5ミリ秒に規定した場合、電波の届く範囲内では最大で16台(=80÷5)の通信局までしか収容できないことになる。
スーパーフレーム内に新規のビーコンを配置する際、各通信局はビーコン送信の直後に優先利用領域(TPP)を獲得することから(後述)、1つのチャネル上では各通信局のビーコン送信タイミングは密集しているよりもスーパーフレーム周期内で均等に分散している方が伝送効率上より好ましい。したがって、本実施形態では、図2に示したように基本的に自身が聞こえる範囲でビーコン間隔が最も長い時間帯のほぼ真中でビーコンの送信を開始するようにしている。但し、各通信局のビーコン送信タイミングを集中して配置し、残りのスーパーフレーム周期では受信動作を停止して装置の消費電力を低減させるという利用方法もある。
図3には、スーパーフレーム周期内で配置可能なビーコン送信タイミングの構成例を示している。但し、同図に示す例では、80ミリ秒からなるスーパーフレーム周期における時間の経過を、円環上で時針が右回りで運針する時計のように表している。以下、このような通信システムのことを「CWnet(Consumer Wireless Network)」とも呼ぶ。
図3に示す例では、0からFまでの合計16個の位置がビーコン送信を行なうことができる時刻、すなわちビーコン送信タイミングを配置可能な「スロット」として構成されている。図2を参照しながら説明したように、既存の通信局が設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングで新規参入局のビーコン送信タイミングを順次設定していくというアルゴリズムに従って、ビーコン配置が行なわれたものとする。Bminを5ミリ秒と規定した場合には、1スーパーフレームにつき最大16個までしかビーコンを配置することができない。すなわち、16台以上の通信局はネットワークに参入できない。
通信局は、スーパーフレーム内における自局のビーコン送信タイミング並びに周辺局からのビーコン受信タイミングに関する情報を、NBOI(Neighboring Beacon Offset Information)と呼ばれるビットマップ形式で記述されたデータによって管理する。通信局は、NBOIをビーコン情報に含めて周辺局に報知する。
本実施形態では、図3に示したように1スーパーフレーム内で最大16個のビーコンを配置なスロットが用意されていることから、受信できたビーコンの配置に関する情報を16ビット長のビットマップ形式で記述する。すなわち、自局の正規ビーコンの送信時刻TBTTをNBOIフィールドの先頭ビット(MSB)にマッピングするとともに、その他の各スロットを自局のTBTTを基準とした相対位置(オフセット)に対応するビット位置にそれぞれマッピングする。そして、自局の送信ビーコン並びに受信可能なビーコンの各スロットに対応するビット位置に1を書き込み、それ以外のビット位置は0のままとする。
図20にはNBOIの記述例を示している。同図に示す例では、通信局0が「1100,0000,0100,0000」のようなNBOIフィールドを作っている。これは、図3に示したように最大16局を収容可能な各スロットに通信局0〜FがそれぞれTBTTを設定しているような通信環境下で、同図に示した通信局0が、「(図3中の)通信局1並び通信局9からのビーコンが受信可能である」旨を伝えることになる。つまり、受信ビーコンの相対位置に対応するNBOIの各ビットに関し、ビーコンが受信可能である場合にはマーク、受信されてない場合にはスペースを割り当てる。また、MSBが1になっているのは自局(図3中の通信局0)がビーコンを送信しているためで、自局がビーコンを送信している時刻に相当する場所もマークする。
各通信局は、あるチャネル上でお互いのビーコン信号を受信すると、その中に含まれるNBOIの記述に基づいて、チャネル上でビーコンの衝突を回避しながら自己のビーコン送信タイミングを配置したり周辺局からのビーコン受信タイミングを検出したりすることができる。
図21には、新規に参入した通信局が周辺局から受信したビーコンから得た各ビーコンのNBOIに基づいて自局のTBTTを設定する様子を示している。
通信局は電源投入後、まずスキャン動作すなわちスーパーフレーム長以上にわたり連続して信号受信を試み、周辺局の送信するビーコンの存在確認を行なう。この過程で、周辺局からビーコンが受信されなかった場合には、通信局は適当なタイミングをTBTTとして設定する。一方、周辺局から送信されるビーコンを受信した場合には、周辺局から受信した各ビーコンのNBOIフィールドを当該ビーコンの受信時刻に応じてシフトしながら論理和(OR)をとって参照することにより、最終的にマークされていないビット位置に相当するタイミングの中からビーコン送信タイミングを抽出する。
図21に示す例では、新規に登場した通信局Aに着目し、通信局Aの周辺には通信局0、通信局1、通信局2が存在しているという通信環境を想定している。そして、通信局A は、スキャン動作によりスーパーフレーム内にこの3つの局0〜2からのビーコンが受信できたとする。
NBOIフィールドは、周辺局からのビーコン受信時刻を自局の正規ビーコンに対する相対位置としてビットマップ形式で記述している(前述)。そこで、通信局Aでは、周辺局から受信できた3つのビーコンのNBOIフィールドを各ビーコンの受信時刻に応じてシフトして時間軸上でビットの対応位置を揃えた上で、各タイミングのNBOIビットのORをとって参照する。
周辺局のNBOIフィールドを統合して参照した結果、得られている系列が図9中“OR of NBOIs”で示されている「1101,0001,0100,1000」であり、1はスーパーフレーム内で既にTBTTが設定されているタイミングの相対位置を、0はTBTTが設定されていないタイミングの相対位置を示している。この系列において、スペース(ゼロ)の最長ランレングスは3であり、候補が2箇所存在していることになる。図21に示す例では通信局Aは、このうち15ビット目を自局の正規ビーコンのTBTTに定めている。
通信局Aは、15ビット目の時刻を自局の正規ビーコンのTBTT(すなわち自局のスーパーフレームの先頭)として設定し、ビーコンの送信を開始する。このとき、通信局Aが送信するNBOIフィールドは、ビーコン受信可能な通信局0〜2のビーコンの各受信時刻を、自局の正規ビーコンの送信時刻からの相対位置に相当するビット位置をマークしたビットマップ形式で記載したものであり、図21中の“NBOI for TX (1 Beacon TX)”で示す通りとなる。
なお、通信局Aが優先送信権利を得るなどの目的で補助ビーコンを送信する際には、さらにこの後、周辺局のNBOIフィールドを統合した“OR of NBOIs”で示されている系列のスペース(ゼロ)の最長ランレングスを探し、探し当てたスペースの箇所に補助ビーコンの送信時刻を設定する。図21に示す例では、2つの補助ビーコンを送信する場合を想定しており,“OR of NBOIs”の6ビット目と11ビット目のスペースの時刻に補助ビーコンの送信タイミングを設定している。この場合、通信局Aが送信するNBOIフィールドは、自局の正規ビーコン並びに周辺局からの受信ビーコンの相対位置に加え、さらに自局がビーコン送信を行なっている箇所(正規ビーコンに対する相対位置)にもマークされ、“NBOI for TX (3 Beacon TX)”で示されている通りとなる。
各通信局が上述したような処理手順で自局のビーコン送信タイミングTBTTを設定してビーコンの送信を行なう場合、各通信局が静止して電波の到来範囲が変動しないという条件下では、ビーコンの衝突を回避することができる。また、送信データの優先度に応じて、補助ビーコン(又は複数のビーコンに類する信号)をスーパーフレーム内で送信することにより、優先的にリソースを割り当て、QoS通信を提供することが可能である。また、周辺から受信したビーコン数(NBOIフィールド)を参照することにより、各通信局がシステムの飽和度を自律的に把握することができるので、分散制御システムでありながら、通信局毎に系の飽和度を加味しつつ優先トラヒックの収容を行なうことが可能となる。さらに、各通信局が受信ビーコンのNBOIフィールドを参照することで、ビーコン送信時刻は衝突しないように配置されるので、複数の通信局が優先トラヒックを収容した場合であっても、衝突が多発するといった事態を避けることができる。
なお、図2並びに図3では明示されていないが、各々のビーコンは、各ビーコン送信時刻であるTBTT(Target Beacon Transmission Time)から故意に若干の時間オフセットを持った時刻で送信されている。これを「TBTTオフセット」と呼ぶ。本実施形態では、TBTTオフセット値は擬似乱数にて決定される。この擬似乱数は、一意に定められる擬似ランダム系列TOIS(TBTT Offset Indication Sequence)により決定され、TOISはスーパーフレーム周期毎に更新される。
TBTTオフセットを設けることにより、2台の通信局がスーパーフレーム上では同じスロットにビーコン送信タイミングを配置している場合であっても、実際のビーコン送信時刻がずらすことができ、あるスーパーフレーム周期にはビーコンが衝突しても、別のスーパーフレーム周期では各通信局は互いのビーコンを聞き合う(あるいは、近隣の通信局は双方のビーコンを聞く)ことができる。通信局は、スーパーフレーム周期毎に設定するTOISをビーコン情報に含めて周辺局に報知する。
C.スーパーフレームの短縮(ビーコンの定期的な補間)による短レイテンシ化
本発明では、短レイテンシを要求しながら、多数の通信局に宛てて同報通信を行なう際の問題点の解決を目的としている。トラヒックの要求として80ミリ秒を下回る短レイテンシを強要される場合も存在するが、このような場合には、1台の通信局がスーパーフレーム内で複数のビーコン(補助ビーコン)を送信することにより、さらに短いレイテンシにてのデータ転送を行なうことが可能となる。
図22左側に示した状態がスーパーフレームの初期状態であり、スーパーフレーム長は80ミリ秒、最小のビーコン間隔Bminが5ミリ秒に設定され、最大16台までが収容される。ここで、近隣に存在する局が通信局0、通信局1、通信局2、通信局3と4台しか存在せず、短レイテンシでの情報の送受信を希望している場合を想定する。
このとき、各通信局0〜3は、スーパーフレームにつき20ミリ秒間隔で4回のビーコン(すなわち正規ビーコンと3個の補助ビーコン)を送信し始める。これにより、各通信局が20ミリ秒でビーコンを1つ送信することになり、図22下側に示すように、あたかも1スーパーフレームが20ミリ秒で構成されているかのように通信を行なうことが可能となる。
このように補助ビーコンを用いてスーパーフレーム内を定期的に補間することにより、スーパーフレーム長が80ミリ秒であった場合よりも短いレイテンシでの情報の送受信が可能となる。図22に示す例では、4台の通信局が存在している場合を想定したが、2台しか存在しない場合には20ミリ秒の仮想スーパーフレームを構成することは勿論可能であるし、さらには10ミリ秒の仮想スーパーフレーム(図示しない)を構成することも可能である。このような場合、アプリケーション(通信プロトコルの上位レイヤ)の要求に応じて、スーパーフレームにつき何回のビーコン送信を行なうかが決定される。
D.送信優先区間TPPを利用した通信帯域の保証
通信局として動作する無線通信装置100は、特定の制御局を配置しない通信環境下で、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームにより伝送チャネルを効果的に利用した伝送制御、又はCSMA/CAに基づくランダム・アクセスなどの通信動作を行なう。
本実施形態では、各通信局はビーコンを一定間隔で送信しているが、ビーコンを送信した後しばらくの間は、該ビーコンを送信した局に送信の優先権を与えることで、信号の往来を自律分散的に管理し、通信帯域(QoS)を確保するようにしている。図4には、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示している。本明細書では、この優先区間をTransmission Prioritized Period(TPP)と定義する。
図5には、ビーコン送信局に優先送信期間TPPを与える場合のスーパーフレーム周期(T_SF)の構成例を示している。同図に示すように、各通信局からのビーコンの送信に続いて、そのビーコンを送信した通信局のTPPが割り当てられるが、TPPに続く区間をFairly Access Period(FAP)と定義され、通信局間では通常のCSMA/CA方式により通信が行なわれる。そして、次の通信局からのビーコン送信タイミングでFAPが終わり、以降は同様にビーコン送信局のTPPとFAPが続く。
各通信局は、基本的にはスーパーフレーム周期毎に1回のビーコンを送信するが、場合に応じて、複数個のビーコンあるいはビーコンに類する信号を送信することが許容され、ビーコンを送信する度にTPPを獲得することができる。言い換えれば、通信局は、スーパーフレーム周期毎に送信するビーコンの個数に応じて優先的な送信用のリソースを確保できることになる。ここで、通信局がスーパーフレーム周期の先頭で必ず送信するビーコンのことを「正規ビーコン」、それ以外のタイミングでTPP獲得又はその他の目的で送信する2番目以降のビーコンのことを「補助ビーコン」と呼ぶ。
図6には、TPP区間内におけるビーコン送信局並びにそれ以外の局が送信権を得るための動作について図解している。
ビーコン送信局は、自局のビーコンを送信した後、優先送信モードで動作し、より短いパケット間隔SIFSの後に送信を開始することができる。図示の例では、ビーコン送信局はSIFSの後にRTSパケットを送信する。そして、その後も、送信されるCTS、データ、ACKの各パケットも同様にSIFSのパケット間隔で送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
一方、通常動作モードで動作するその他の局は、ビーコンが送信された後、まずSIFSよりも長いパケット間隔LIFSだけメディア状態を監視し、この間にメディアがクリアすなわち送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、送信権利が与えられる。このため、ビーコン送信局が先にSIFS経過後にRTS信号を送信すると、通常動作モードの通信局は送信を開始することができなくなる。
図7には、通信局がTPP区間及びFAP区間においてそれぞれ送信を開始するための動作を図解している。
TPP区間内では、通信局は、自局のビーコンを送信した後、より短いパケット間隔SIFSの後に送信を開始することができる。図示の例では、ビーコン送信局はSIFSの後にRTSパケットを送信する。そして、その後も、送信されるCTS、データ、ACKの各パケットも同様にSIFSのパケット間隔で送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
これに対し、FAP区間では、ビーコン送信局は、他の周辺局と同様にLIFS+ランダム・バックオフだけ待機してから送信開始する。言い換えれば、すべての通信局にランダムなバックオフにより送信権が均等に与えられることになる。図示の例では、他局のビーコンが送信された後、まずLIFSだけメディア状態を監視し、この間にメディアがクリアすなわち送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、RTSパケットを送信する。なお、RTS信号に起因して送信されるCTS、データ、ACKなどの一連のパケットはSIFSのパケット間隔で送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
E.定常状態における送受信の手順
各通信局は、毎回、他局のビーコンを受信しているとは限らない。上位レイヤからの指示などにより、受信頻度を落としている場合もある。この場合の送受信手順について、図8を参照しながら説明する。
図8に示す例では、通信局STA0からSTA1に対して送信を行なう場合を示している。同図の上段はSTA0とSTA1の間で送受信されるパケットのシーケンス図を示し、同図の下段がSTA0の送受信機の状態(ハイ状態で通信機がアクティブ状態、ロー状態で通信機がスリープ状態)を示している。
STA1は、メディアがクリアなことを確認した後にビーコンを送信する。このときSTA0はスリープ状態にあり、ビーコンを受信していない。その後、STA0は自局のビーコン送信時刻にビーコンを送信する。STA1は、STA0のビーコン受信をトリガに、定められたランダム・バックオフの手順に従ってSTA0宛てにページング情報を送信する。
STA0は、ビーコン送信後、所定の受信期間(Listen Period)にわたり受信機を動作させているため、このページング情報を受信することができる。すなわち、STA0はページング情報を受信すると、STA1が自局宛ての情報を保持していることを知ることができる。
その後、STA1のビーコン送信時刻になると、STA0は先のページング情報に起因してSTA1からの情報を受信するよう試み、STA1のビーコンを受信する。このビーコン中の情報によりSTA0が呼び出されていたと仮定する。該ビーコンを受信したSTA0は、ページに対するレスポンスを行なう(C0)。このレスポンスはSTA1のTPP中に相当し、優先権を得ているためSIFS間隔で送信される。以降、TPP内でのSTA1とSTA0の間の送受信は優先権を得ているためSIFS間隔で送信される。
レスポンスを受信したSTA1は、STA0が受信可能状態にあることを確認すると、STA0宛てのパケットを送信する(C1)。このパケットを受信したSTA0は正常に受信されたことを確認した上で、ACKパケットを送信する(C2)。その後、STA0は所定の受信期間(Listen Period)にわたり受信機を動作させ、自局宛てのパケットが受信されないことを確認し、スリープ状態へと変更する。
上述した通信局の定常状態における信号送受信手順についてまとめる。信号の送信は受信側のビーコン送信直後にページング情報を送信し、これにより受信側がアクティブ状態に変化し、送受信処理が開始される。あるいは、その後の送信側のビーコンによる呼び出しを皮切りに開始される。そして、受信側は、最後のパケットを送受信した後、しばらく受信を試みるが自局宛てのパケットが到来しなければスリープ状態に移行する。その後、通信局は、他局のビーコンの受信又は自局のビーコンの送信をトリガにアクティブ状態へと戻る。なお、ここではページング情報は通信相手局のビーコン送信直後に送信する例を示したが、後に詳細で述べる通り、ページング情報は通信相手局のビーコン送信直前に送信する場合もある。
F.情報伝送手順の第1の実施形態
本発明では、上述したような自律分散型の無線通信ネットワークにおいて、短パケットの同報通信を短レイテンシにて実現することができる。後述するように、この同報通信による情報伝送手順は、自律分散型ネットワークとの相性がよい。
図9には、本発明に係る自律分散型の無線通信ネットワークにおける情報伝送手順についての第1の実施形態の仕組みを図解している。
同図に示す例では、80マイクロ秒周期で構成されるCWnetのスーパーフレーム内に4台の通信局0、4、8、Cのビーコン送信タイミングTBTTが20マイクロ秒毎に等間隔で収容されており、図示のように通信局0、4、8、Cの順番でビーコンがおよそ定期的に送信されている。ここでは、すべての通信局が通信範囲内に存在し、隠れ端末問題はないものとし、各通信局はビーコンの受信タイミング並びにビーコンに記載されているNBOI情報に基づいて周辺の通信局の存在と各通信局のビーコン送信時刻を把握している。また、送受信データが発生しない定常状態では、各通信局は、自局の送信するビーコンの前後の時間帯(Listen Period)でのみ受信動作を行なっているものとする。
このような前提で、通信局0が他のすべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合について説明する。
通信局0は、情報の送信に先立ち、各通信局に情報の送信を行なうことを伝達(予告)するデータすなわちページ・パケット(ページング・フレーム)を通達する。通信局0は、自局の次にビーコンを送信する通信局4に対し、ページ・パケットを送信する。
図10には、通信局0が各通信局に情報の送信を行ないたい旨をバケツリレー方式で伝えるときに使用される、データ・パケット(ページ・パケット)のデータ構造を模式的に示している。同図に示すように、このパケット内には、受信先となる通信局のアドレス(RA)フィールドと、送信元の通信局のアドレス(TA)フィールドと、当該パケットがページ・パケットであることを示すTypeフィールドと、情報送信元となる通信局のアドレス(SA)フィールドと、当該パケット・フレームの誤り訂正を行なうための情報(FCS)フィールドで構成される。
図11には、バケツリレー方式の情報送受信手順の動作例を示している。ページ・パケットを受信した通信局4は、通信局0が情報の送信がこれから行なわれることを認識するとともに、さらに通信局0から受信したページ・パケットを自局の次にビーコンを送信する通信局8に対して送信する。
ページ・パケットを受信した通信局8は、同様に、通信局0が情報の送信が行なわれることを認識するとともに、通信局4から受信したページ・パケットを自局の次にビーコンを送信する通信局Cに対して送信する。
ページ・パケットを受信した通信局Cは、通信局0が情報の送信が行なわれることを認識するとともに、通信局8から受信したページ・パケットを自局の次にビーコンを送信する通信局0に対して送信する。
但し、通信局Cは自局の次にビーコンを送信する通信局が当該情報の発信元であることを理由に、通信局0に対してページ・パケットを送信しない場合も存在する。また、各通信局は、自局の認識していない新規通信局の存在が否定できない場合には、自局のビーコンを送信した後、連続して受信機を動作させることにより、自局の次にビーコンが送信される時刻を認識しようと試みる場合もある。
上述したようなバケツリレー方式の情報送受信手順によれば、通信局0は、1スーパーフレーム内で、他のすべての通信局に対して各通信局に情報の送信を行ないたい旨を伝えるデータすなわちページ・パケットを通達することができる。そして、通信局0は、上記のデータを送信した次のスーパーフレームにおいて、自局のビーコン送信に引き続いて正味の送信情報を送信する。
一方、通信局4、通信局8、通信局Cは、各々先に受信した上記データに基づき通信局0が情報の送信が行なわれることを認識しているので、通信局0からのビーコン受信タイミングにおいて、通信局0の送信ビーコン並びに送信情報を受信する。さらに、通信局4、通信局8、通信局Cは、この情報を誤り無く受信すると、該情報を受信できた旨の受信確認応答を自ビーコンの送信に引き続き送信する。
通信局0は、情報を送信した後、通信局4、通信局8、通信局Cのビーコン送信に引き続き送信される受信確認応答を受信することにより、送信した情報が誤ることなく各通信局に配布されたことを確認する。ここで、受信確認応答を認識できない場合には、当該通信局に宛てて、再度同一情報を当該通信局のビーコン送信時刻近辺にて再送する。この手順は通常のランダム・バックオフを併用するCSMAによる送信手順を踏めばよい。
なお、上記の説明において、ビーコンに引き続き送信される情報や受信確認応答ACKは、図4〜図7を参照しながら説明した通り、短いパケット間隔SIFSを以って優先して送信することができるので、信号衝突の可能性は回避できる。また、ビーコンに引き続き送信される情報や受信確認応答は、ビーコンとは別のパケットとして送信されることもあるが、ビーコンと同一のパケットにマルチプレクスされる場合もある。
図11に示したバケツリレー方式の情報送受信手順の動作例についてさらに詳細に説明する。但し、図9に示した場合と同様、80マイクロ秒周期で構成されるCWnetのスーパーフレーム内に4台の通信局0、4、8、Cのビーコン送信タイミングTBTTが20マイクロ秒毎に等間隔で収容されており、通信局0、4、8、Cの順番でビーコンがおよそ定期的に送信されているという通信状況を想定する。そして、通信局0が他のすべての通信局に向けて情報の送信を行なう。
通信局0は、情報の送信に先立ち、CWnet上で自局の次にビーコンを送信する通信局4に対し各通信局に情報の送信を行ないたい旨を伝えるデータを通達するために、通信局4のビーコン送信時刻の直前に上記データすなわちページ・パケットの送信を行なう(C00)。
通信局4は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、通信局0からのページ・パケットを受信し、通信局0を情報送信元とする送信情報があることを認識することができる。そして、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C01)。図示の例では、通信局4は自局のビーコン送信の前にACKを送信しているが、ビーコン送信時刻の直後にACKの送信を試みる場合もある。そして、通信局4は、CWnet上で自局の次にビーコンを送信する通信局8に対して送信するために、通信局8のビーコン送信時刻の直前にページ・パケットの送信を行なう(C02)。
通信局8は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、通信局4からのページ・パケットを受信し、通信局0を情報送信元とする送信情報があることを認識することができる。そして、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C03)。そして、通信局8は、CWnet上で自局の次にビーコンを送信する通信局Cに対して送信するために、通信局Cのビーコン送信時刻の直前にページ・パケットの送信を行なう(C04)。
通信局Cは、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、通信局8からのページ・パケットを受信し、通信局0を情報送信元とする送信情報があることを認識することができる。そして、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C05)。なお、図示しないが、上記と同様の手順で通信局Cは通信局0に対してページ・パケットの送信を試みる場合もある。
通信局0は、ページ・パケットを送信した次のスーパーフレームにおいて、自局のビーコン送信に引き続いて、正味の送信情報を送信する(C07)。これに対し、他の通信局4、通信局8、通信局Cは、先のページ・パケットの受信により通信局0が情報を送信することを認識しているので、通信局0のビーコン送信時刻に受信機を動作させ、通信局0からの送信ビーコン並びに送信情報を受信する。
さらに、通信局4、通信局8、通信局Cは、通信局0の送信情報を誤り無く受信できたことを示す受信確認応答をビーコン送信に引き続き送信する(C08、C09、C10)。
通信局0は、情報を送信した後、通信局4、通信局8、通信局Cのビーコン送信に引き続き送信される受信確認応答を受信することにより、送信した情報が誤ることなく各通信局に配布されたことを確認する。
また、通信局0は、受信確認応答を認識できない場合には、当該通信局に宛てて、再度同一情報を当該通信局のビーコン送信時刻近辺にて再送する。この再送手順は、通常のランダム・バックオフを併用するCSMAによる送信手順(図28、図6などを参照のこと)を踏めばよいので、ここでは詳しい説明を省略する。
なお、C07では、情報送信元からは短パケットを送信するようになっているが、勿論巨大なデータをブロードキャストするように動作手順を構成することも可能である。
図11に示した実施形態では、ある通信局が他のすべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合に、各通信局はスーパーフレーム内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻前に設けられた受信期間を利用して情報を順次送信することで、バケツリレー方式の情報伝送を実行する。図23には、次通信局のビーコン送信時刻前に設けられた受信期間を利用したバケツリレー伝送方式の仕組みを図解している。図示の通り、各通信局は、スーパーフレーム内で自局の次にビーコンを送信する次通信局の送信時刻の前に設けられた受信期間に合わせてアクティブ状態に戻り、データの伝送を行ない、その後、スリープ状態に移り、次の自局のビーコン送信タイミングまで待機する。
図12には、図9並びに図11に示したような、情報送信元の通信局がページ・パケットをバケツリレー方式で送信した後に送信情報を同報送信するための情報送受信手順を行なうための無線通信装置100の動作手順について、フローチャートの形式で示している。この動作手順は、実際には、中央制御部103が情報記憶部113に格納されている所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。
通信局は、ページ・パケットを受信すると(ステップS1)、受信したページ・パケットをバケツリレー方式で送信する用途の送信バッファに書き込み、送信準備を行なう(ステップS2)。さらに、ページ情報を受信した場合、当該ページ情報の送信元である局のビーコン送信時刻を「受信すべき時刻」として設定する。
また、この際、自局が送信したいデータを有しているかをチェックする(ステップS3)。そして、自局が送信データを有している場合には、自局のページ情報を先のページ・パケットに付加させる形で送信バッファに書き込み、送信準備を行なう(S4)。このとき、受信したページ・パケットがなければ、そのままバケツリレー送信する用途の送信バッファに書き込む。
そして、自局のビーコン送信時刻TBTTが到来すると、ビーコンを送信する(ステップS5)。
ここで、送信準備が完了している(事前に当該データに関するページ情報を送信済みである)データが存在する場合には(ステップS6)、ビーコンの直後にこのデータを送信する(ステップS7)。さらに、このデータに関するACKを受信するため、各局のビーコン送信時刻を「受信すべき時刻」として設定する。
さらに、送信すべきACKを有している場合には(ステップS8)、すべてのACK情報を続けて送信する(ステップS9)。
上記のステップS2並びにステップS4の処理により送信すべきページ・パケットが存在する場合(ステップS10)、ターゲットの通信局に対してこれを送信する(ステップS11)。ターゲットの通信局は、基本的にはスーパーフレーム内で自局の次にビーコンを送信する通信局である。
ここで、ページ・パケットの送信に成功した場合には(ステップS12)、ページ情報を送信バッファからクリアし、送信データのステータスを送信準備完了に設定する(ステップS13)。一方、ページ・パケットの送信に失敗した場合には、ターゲットの送信局を次にビーコンを送信する局に変更する(ステップS14)。
自局の次にビーコンを送信する次通信局のビーコン送信時刻になると(ステップS15)、この時刻が「受信すべき時刻」であるか否かを判断し(ステップS16)、該当する場合には、データあるいはACKの受信を行なう(ステップS17)。このとき、データを受信した場合には上位レイヤにデータを供給する。
ここで、ビーコンを送信した通信局宛てに再送すべきデータが存在する場合は(ステップS18)、当該局に対してデータの再送手順を起動する(ステップS19)。
上記のステップS10からステップS19までの処理を、他局のビーコン送信時刻に関して行なう。そして、次に送信されるビーコンが自局のビーコンであるタイミングにおいて、当該スーパーフレームにて送信したデータが存在した場合には(ステップS20)、送信したデータに関するACKがすべて受信されたかをチェックし、ACKが受信されていない局に対して再送すべきデータを登録する(ステップS21)。
本実施形態に係る情報送受信手順によれば、系内で共有する情報をバケツリレー方式にて効率よく提供することが可能である。また、短パケットを何度も衝突の可能性を負いながら送信する必要がなくなり、且つ基本的に一定時間でのデータの配送が可能となる。さらに、各通信局間ではビーコン送信タイミング前後の受信期間を向けて互いにデータ伝送を行なうことから、必要最低限の時間帯のみで受信機を動作させることが可能になるので、低消費電力の効果が向上する。
例えば、複数ユーザで対戦を行なう場合のゲーム・コントローラに無線通信を適用するようなアプリケーションでは、1機上で入力されたコマンドをすべてのユーザのコントローラに送信する必要がある。上述した情報送受信手順によれば、短パケットで構成される各コントローラからの入力コマンドを、ゲームの進行処理から遅滞することなく短レイテンシで各コントローラに通達することができる。また、ゲーム・コントローラはバッテリ駆動であることが想定され、低消費電力化が望まれるが、パケット送受信時以外はスリープ状態に入ることができる。
なお、情報を連続的に送信する場合など、各通信局がパケット送受信状態を保持しておりスリープ状態に入っていないことがあらかじめ判っている場合には、ページ・パケットのバケツリレーの手順を省略して、情報を送信する場合もある。この場合、情報送信局は、自局のビーコン送信に引き続き得られている優先送信区間にて情報を送信し、各受信局は自局のビーコン送信に引き続き得られている優先送信区間にて受信確認応答を送信する。短パケットを何度も衝突の可能性を負いながら送信する必要がなくなり、且つ基本的に一定時間でのデータの配送が可能となる。
G.情報伝送手順の第2の実施形態
図13には、本発明に係る自律分散型の無線通信ネットワークにおける情報伝送手順についての第2の実施形態の仕組みを図解している。
同図に示す例では、80マイクロ秒周期で構成されるCWnetのスーパーフレーム内に4台の通信局0、4、8、Cのビーコン送信タイミングTBTTが20マイクロ秒毎に等間隔で収容されており、図示のように通信局0、4、8、Cの順番でビーコンがおよそ定期的に送信されている。ここでは、すべての通信局が通信範囲内に存在し、隠れ端末問題はないものとし、各通信局はビーコンの受信タイミング並びにビーコンに記載されているNBOI情報に基づいて周辺の通信局の存在と各通信局のビーコン送信時刻を把握している。また、送受信データが発生しない定常状態では、各通信局は、自局の送信するビーコンの前後の時間帯(Listen Period)でのみ受信動作を行なっているものとする。
図13に示す例では、通信局0に加え、通信局8も同一のスーパーフレームにて情報の送信を同時に行なう場合を例示している。上述した第1の実施形態では、情報の送信に先立ち、これを予告するページ・パケットのような事前データを回覧したが、第2の実施形態では情報自体を最初から回覧する。
通信局0は、各通信局(あるいは幾つかの通信局)に届けたい情報を、自局の次にビーコンを送信する通信局4に対して送信する。
これを受信した通信局4は、通信局0からの情報を得るとともに、通信局0から受信した上記情報を、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対して送信する。
これを受信した通信局8は、通信局0からの情報を得るとともに、通信局4から受信した上記情報を、自局の次にビーコンを送信する通信局Cに対して送信する。このとき、通信局8は、自局から発信したい情報が存在するので、通信局4から受信した情報に付加(マルチプレクス)する形で情報群を構成し、通信局Cに対して送信する。
これを受信した通信局Cは、通信局0並びに通信局8からの情報を得るとともに、通信局8から受信した上記情報群を、自局の次にビーコンを送信する通信局0に対して送信する。
これを受信した通信局0は、通信局8からの情報を得る。そして、自局から発信された情報が含まれていることにより当該情報についての送信処理が完了したことを認識すると、これを削除し、自局の次にビーコンを送信する通信局4に対して送信する。
これを受信した通信局4は、通信局8からの情報を得るとともに、通信局0から受信した上記情報を、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対して送信する。
これを受信した通信局8は、自局から発信された情報が含まれていることにより当該情報についての送信処理が完了したことを認識すると、これを削除する。この結果、自局から発信された情報以外が受信信号に含まれていないことを確認して、一連の送受信手順を終了する。
図14には、本発明の第2の実施形態に係る自律分散型ネットワークにおいて用いられるデータ・パケットの構成例を模式的に示している。
同図に示すように、データ・パケットは、受信先通信局のアドレス(RA)フィールドと、送信元通信局のアドレス(TA)フィールドと、当該パケットがデータ・パケットであることを示すTypeフィールドと、当該パケットのデータ長を示すLengthフィールドと、データ・パッケージ・フィールドで構成される。
データ・パッケージ・フィールドは、フレーム周期内で付加される各通信局からの送信情報をマルチプレクスして構成され、各送信情報は情報送信元のアドレス(SA)フィールドとデータ・フィールドの組み合わせで構成される。
ここで、同一のスーパーフレーム内で複数の通信局が情報の送信を行なうと、次々に情報が付加(マルチプレクス)された形で情報群が構成される。この結果として、データ量が伝送可能な量を超えて溢れてしまう可能性がある。
このようなデータ量の溢れ状態を回避するために、各通信局は、受信した情報群のデータ量がある閾値を超えている場合には、自局から送信する情報の伝送を次のスーパーフレームまで見送るなどという処理が行なわれることがある。また、この際、受信した情報群に自通信局が送信したい情報を加えた状態でデータ量を算出し、閾値との比較により、情報を付加するかあるいは見送るかの判断を行なう場合もある。
また、各通信局は、このデータ量の溢れ状態を回避するために、自局が直近のスーパーフレームにて情報を送信したか否かを保持しておき、連続したスーパーフレームでの情報の送信を制限する場合もある。これによって、通信局間でアクセスの公平性、伝送機会の均等化を図ることができる。
図15には、本発明の第2の実施形態に係る情報送受信手順の動作例を詳細に示している。但し、図13に示した場合と同様、80マイクロ秒周期で構成されるCWnetのスーパーフレーム内に4台の通信局0、4、8、Cのビーコン送信タイミングTBTTが20マイクロ秒毎に等間隔で収容されており、通信局0、4、8、Cの順番でビーコンがおよそ定期的に送信されているという通信状況を想定する。そして、通信局0に加え、通信局8も同一のスーパーフレームにて情報の送信を同時に行なうものとする。
通信局0は、通信局(あるいは幾つかの通信局)に届けたい情報からなるデータ・パケットを、CWnet上で自局の次にビーコンを送信する通信局4に対して通達するために、通信局4のビーコン送信時刻の直後にデータ・パケットの送信を行なう(C20)。
通信局4は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、このデータ・パケット受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C21)。ここでは、通信局4のビーコン送信後のタイミングでデータ・パケットを送信したが、ビーコン送信時刻の直前に情報の送信を試みる場合もある。
通信局4は、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対してデータ・パケットを送信するために、通信局8のビーコン送信時刻の直後にデータ・パケットの送信を行なう(C22)。
通信局8は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C23)。
通信局8は、自局の次にビーコンを送信する通信局Cに対してデータ・パケットを送信するために、通信局Cのビーコン送信時刻の直後にデータ・パケットの送信を行なう(C24)。このとき、通信局8は、自局から発信したい情報を受信した情報に付加する形で情報群(データ・パッケージ)を構成し、通信局Cに対して送信する。
通信局Cは、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているため、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C25)。通信局Cは、自局の次にビーコンを送信する通信局0に対してデータ・パケットを送信するために、通信局0のビーコン送信時刻の直後に上記情報群からなるデータ・パケットの送信を行なう(C26)。
通信局0は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、このパケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C27)。ここで、通信局0は、データ・パケットには自局が発信した情報が含まれていることを認識すると、これを情報群(データ・パッケージ)から削除した上で、次の通信局へ回覧する情報群からなるデータ・パケットを作成する。そして、通信局0は、自局の次にビーコンを送信する通信局4に対してデータ・パケット送信するために、通信局4のビーコン送信時刻の直後にデータ・パケットの送信を行なう(C28)。
通信局4は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C29)。通信局4は、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対してデータ・パケットを送信するために、通信局8のビーコン送信時刻の直後にデータ・パケットの送信を行なう(C30)。
通信局8は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C31)。通信局8は、データ・パケットには自局が発信した情報が含まれていることを認識すると、これを情報群(データ・パッケージ)から削除する。そして、自局から発信された情報以外が受信信号に含まれていないことを確認すると、一連の送受信手順を終了する。
図15に示した実施形態では、ある通信局が他のすべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合に、各通信局はスーパーフレーム内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻後に設けられた受信期間を利用して情報を順次送信することで、バケツリレー方式の情報伝送を実行する。図24には、次通信局のビーコン送信時刻後に設けられた受信期間を利用したバケツリレー伝送方式の仕組みを図解している。図示の通り、各通信局は、スーパーフレーム内で自局の次にビーコンを送信する次通信局の送信時刻後に設けられた受信期間に合わせてアクティブ状態に戻り、データ(上記の例ではページ・パケット)の伝送を行ない、その後、スリープ状態に移り、次の自局のビーコン送信タイミングまで待機する。
図16には、本発明の第2の実施形態に係る情報送受信手順において、途中でエラーが発生した場合の動作例を詳細に示している。但し、図13に示した場合と同様、80マイクロ秒周期で構成されるCWnetのスーパーフレーム内に4台の通信局0、4、8、Cのビーコン送信タイミングTBTTが20マイクロ秒毎に等間隔で収容されており、通信局0、4、8、Cの順番でビーコンがおよそ定期的に送信されているという通信状況を想定する。但し、説明の簡素化のため、通信局0のみがスーパーフレームにて情報の送信を同時に行なうものとする。
通信局0は、通信局(あるいは幾つかの通信局)に届けたい情報からなるデータ・パケットを、自局の次にビーコンを送信する通信局4に対して通達するために、通信局4のビーコン送信時刻の直後にデータ・パケットの送信を行なう(C40)。
通信局4は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C41)。そして、通信局4は、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対してデータ・パケットを送信するために、通信局8のビーコン送信時刻の直後にデータ・パケットの送信を行なう(C42)。
ここで、通信局8は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させている筈だが、何らかの事情により正確に受信が行なわれない。通信局4は、所定期間内に受信確認応答ACKが返送されてこないことから、所定の手続きに従ってデータ・パケットの再送を数回試みる(C43、C44)。それでも受信確認応答が返送されてこないため、受信期間(Listen Period)も終了することから、通信局8宛てに上記情報を伝達することを断念する。
このような場合、通信局4は、伝達の相手を通信局8のさらに次にビーコン送信を行なう通信局Cへと変更し、上記と同じパケットを送信するために、通信局Cのビーコン送信時刻の直後にデータ・パケットの送信を行なう(C45)。このとき、通信局8宛てには情報が伝達しなかったことを示すデータを付加した形で情報群を構成して、データ・パケットを送信する。
通信局Cは、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させているため、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C46)。通信局Cは、自局の次にビーコンを送信する通信局0に対してデータ・パケットを送信するために、通信局0のビーコン送信時刻の直後に上記情報群からなるデータ・パケットの送信を行なう(C47)。
通信局0は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させていることから、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C48)。通信局0は、受信したデータ・パケットに含まれる情報群に、自局が発信した情報に関連する要素しか含まれていないことを認識すると、これ以上の信号のリレー送信は行なわない(同上)。また、通信局8が応答しなかった旨を知ることにより、当該通信局8宛てに再送手順を起動する。
再送手順では、通信局0は、通信局8に対して再送データ・パケットを伝達するため、通信局8のビーコン送信が行なわれた直後に定められた手順に従って、データ・パケットを送信する(C49)。
通信局8は、自ビーコン送信時刻の前後は受信機を動作させており、今度はデータ・パケットを受信することができたとする。この場合、通信局8は、再送データ・パケットに対する受信確認応答ACKを返送する(C50)。これを受信した通信局0は、情報伝達を希望するすべての通信局に情報が行き渡ったことを認識すると、この情報送信手順全体を終了する。
いずれの通信局宛ての送信に失敗したかが付加された情報は、バケツリレー伝送方式によりやがて情報送信元の通信局に到来する。図16に示した再送手順では、情報送信元の通信局が受信に失敗した特定の通信局宛てに再送手順を起動しているが、勿論、図15に示したようなバケツリレー伝送により改めて同じデータを各通信局宛てに順次転送することで再送を行なうようにしてもよい。情報送信手順が一旦終了するのではなく、各通信局で逐次情報の付加によりバケツリレー伝送が継続するような場合、後者の方法の方が効率的な場合もある。
図17には、図13並びに図15に示したような、情報送信元の通信局がページ・パケットをバケツリレー方式で送信した後に送信情報を同報送信するための情報送受信手順を行なうための無線通信装置100の動作手順について、フローチャートの形式で示している。この動作手順は、実際には、中央制御部103が情報記憶部113に格納されている所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。
通信局は、自局のビーコン送信時刻になると、ビーコンを送信する(ステップS31)。
その後、データ・フレームが受信された場合には(ステップS32)、通信局は、下記の処理を行なう。まず、受信したデータ・フレームから自局が送信したデータが含まれているか否かを確認する(ステップS33)。自局が送信したデータが含まれている場合には、これを受信データ・フレームから削除する(ステップS34)。さらに、NGレポート(誰かが受信しなかった旨を伝える情報)が含まれているか否かをチェックし(ステップS35)、含まれている場合には、当該通信局に対してデータの再送を行なうため、再送データを登録する(ステップS36)。次に、受信したデータを上位レイヤに提供しつつこれをバケツリレーすべきデータとして設定する(ステップS37)。
次いで、通信局は、送信したいデータが存在するかどうかをチェックする(ステップS38)。送信したいデータが存在する場合には、送信したいデータの量と、上記ステップS37で設定したデータがある場合はそのデータの量と、最近送信したデータの流量を加味した上で、送信を行なってもよいか否かを判断する(ステップS39)。その結果、送信を行なってもよいと判断された場合に、送信データを上記ステップS37で設定したデータがある場合はそのデータに付加する形でバケツリレーすべきデータとして設定する(ステップS40)。
そして、通信局は、スーパーフレーム内で次の通信局のビーコン送信時刻が到来し、ビーコンを受信した後(ステップS41)、バケツリレーすべきデータが存在するかどうかをチェックする(ステップS42)。バケツリレーすべきデータが存在する場合には、ターゲットの通信局に対してこれを送信する(ステップS43)。ターゲットの通信局は、基本的にはスーパーフレーム内で自局の次にビーコンを送信する通信局である。
ここで、受信先からACKが返されるなど、データ・フレームの送信に成功した場合には(ステップS45)、データ・フレームを送信バッファからクリアする(S47)。一方、データ・フレームの送信に失敗した場合には(ステップS46)、ターゲットの送信局を次にビーコンを送信する局に変更し(ステップS45)、当該通信局にデータを配送できなかった旨のNGレポートをバケツリレーする送信データに付加した上で、さらに次のビーコン送信時刻を持つ通信局に対して上記と同様のデータ送信処理を行なう(ステップS44)。
また、再送データが登録されている場合、当該データをNGレポートに記載された対象通信局に対して送信する(ステップS49)。
図18には、本発明の第2の実施形態に係る情報送受信手順の変形例を示している。但し、図15に示した場合と同様、80マイクロ秒周期で構成されるCWnetのスーパーフレーム内に4台の通信局0、4、8、Cのビーコン送信タイミングTBTTが20マイクロ秒毎に等間隔で収容されており、通信局0、4、8、Cの順番でビーコンがおよそ定期的に送信されているという通信状況を想定する。ここでは、すべての通信局が通信範囲内に存在し、隠れ端末問題はないものとし、各通信局はビーコンの受信タイミング並びにビーコンに記載されているNBOI情報に基づいて周辺の通信局の存在と各通信局のビーコン送信時刻を把握している。そして、通信局0に加え、通信局8も同一のスーパーフレームにて情報の送信を同時に行なうものとする。
図15に示した実施形態では、通信局は、宛先局のビーコン送信時刻近辺にて信号を送信している。これに対し、図18に示した実施形態では、自局のビーコンの送信に引き続き信号を送信する。後者の場合、各通信局は、ビーコン送信の前後に加え、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する局のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させることがルールとして規定される。また、各通信局はビーコン送信直後に優先送信期間TPPを獲得し、この区間内では他局よりも短いパケット間隔SIFSにより優先的に送信権を獲得することができること(前述)を前提とする。
通信局0は、通信局(あるいは幾つかの通信局)に届けたい情報からなるデータ・パケットを、自局の次にビーコンを送信する通信局4に対して通達するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C60)。
通信局4は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局0のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケット受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C61)。
通信局4は、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対してデータ・パケットを送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C62)。
通信局8は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局4のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C63)。
通信局8は、自局の次にビーコンを送信する通信局Cに対してデータ・パケットを送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C64)。このとき、通信局8は、自局から発信したい情報を受信した情報に付加する形で情報群(データ・パッケージ)を構成し、通信局Cに対して送信する。
通信局Cは、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局8のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C65)。
通信局Cは、自局の次にビーコンを送信する通信局0に対してデータ・パケットを送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C66)。
通信局0は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局Cのビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このパケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C67)。ここで、通信局0は、データ・パケットには自局が発信した情報が含まれていることを認識すると、これを情報群(データ・パッケージ)から削除した上で、次の通信局へ回覧する情報群からなるデータ・パケットを作成する。そして、通信局0は、自局の次にビーコンを送信する通信局4に対してデータ・パケット送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C68)。
通信局4は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する局のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C69)。
通信局4は、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対してデータ・パケットを送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C70)。
通信局8は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する局のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C71)。通信局8は、データ・パケットには自局が発信した情報が含まれていることを認識すると、これを情報群(データ・パッケージ)から削除する。そして、自局から発信された情報以外が受信信号に含まれていないことを確認すると、一連の送受信手順を終了する。
図18に示した実施形態では、ある通信局が他のすべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合に、各通信局はスーパーフレーム内で自局のビーコン送信直後に獲得する優先送信期間TPPを利用してスーパーフレーム内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに情報を順次送信することで、バケツリレー方式の情報伝送を実行する。図25には、通信局が自局のビーコン送信直後に設けた優先送信期間TPPを利用したバケツリレー伝送方式の仕組みを図解している。図示の通り、各通信局は、スーパーフレーム内で自局の直前にビーコンを送信する前通信局のビーコン送信直後に設けられた優先送信期間TPPに合わせてアクティブ状態に戻り、データの受信動作を行ない、その後、スリープ状態に移り、次の自局のビーコン送信タイミングまで待機する。
また、図18に示した例では、各通信局は自局のビーコン送信直後に獲得する優先送信期間TPPを利用して情報のバケツリレー伝送を行なうようにしているが、勿論、図9や図11に示したのと同様に、TPPを利用して情報送信の予告信号としてのページ・パケットのバケツリレー伝送を行なうようにしてもよい。
図19には、図18に示した実施形態に係る情報送受信手順において、途中でエラーが発生した場合の動作例を詳細に示している。但し、図13に示した場合と同様、80マイクロ秒周期で構成されるCWnetのスーパーフレーム内に4台の通信局0、4、8、Cのビーコン送信タイミングTBTTが20マイクロ秒毎に等間隔で収容されており、通信局0、4、8、Cの順番でビーコンがおよそ定期的に送信されているという通信状況を想定する。そして、通信局0に加え、通信局8も同一のスーパーフレームにて情報の送信を同時に行なうものとする。
通信局0は、通信局(あるいは幾つかの通信局)に届けたい情報からなるデータ・パケットを、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C80)。
通信局4は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局0のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C81)。
通信局4は、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対してデータ・パケットを送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C82)。
通信局8は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局4のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させている筈だが、何らかの事情により正確に受信が行なわれない。
通信局4は、所定期間内に受信確認応答ACKが返送されてこないので、所定の手続きに従って上記データ・パケットの再送を試みる(C82’)。それでも受信確認応答が返送されてこないため、通信局4は通信局8宛てに上記データ・パケットを伝達することを一時断念し、通信局8のビーコン送受信時刻前後で上記データ・パケットを再度送信する(C82”)。
通信局8は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局4のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C83)。
通信局8は、自局の次にビーコンを送信する通信局Cに対してデータ・パケットを送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C84)。このとき、通信局8は、自局から発信したい情報を受信した情報に付加する形で情報群(データ・パッケージ)を構成し、通信局Cに対して送信する。
通信局Cは、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局8のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C85)。
通信局Cは、自局の次にビーコンを送信する通信局0に対してデータ・パケットを送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C86)。
通信局0は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する通信局Cのビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このパケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C87)。ここで、通信局0は、データ・パケットには自局が発信した情報が含まれていることを認識すると、これを情報群(データ・パッケージ)から削除した上で、次の通信局へ回覧する情報群からなるデータ・パケットを作成する。そして、通信局0は、自局の次にビーコンを送信する通信局4に対してデータ・パケット送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C88)。
通信局4は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する局のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C89)。
通信局4は、自局の次にビーコンを送信する通信局8に対してデータ・パケットを送信するために、自局のビーコン送信時刻の直後に設けられたTPPを利用してデータ・パケットの送信を行なう(C90)。
通信局8は、自局のビーコンの(直)前にビーコンを送信する局のビーコン周辺の時間帯で受信機を動作させているので、このデータ・パケットを受信することができ、これに対する受信確認応答ACKを返送する(C91)。通信局8は、データ・パケットには自局が発信した情報が含まれていることを認識すると、これを情報群(データ・パッケージ)から削除する。そして、自局から発信された情報以外が受信信号に含まれていないことを確認すると、一連の送受信手順を終了する。
図19に示した例では、同じTPP区間内で再送データ処理を完結させているが、勿論、図16に示したように、データ送信に失敗した通信局がいずれの通信局宛ての送信に失敗したかを示す情報を付加し、次のスーパーフレームで情報送信元の通信局に到来した時点で特定の通信局宛ての再送手順を起動するようにしてもよい。あるいは、再送データをバケツリレー方式で伝送し続けるようにしてもよい。
本実施形態に係る情報送受信手順によれば、系内で共有する情報をバケツリレー方式にて効率よく提供することが可能である。また、短パケットを何度も衝突の可能性を負いながら送信する必要がなくなり、且つ基本的に一定時間でのデータの配送が可能となる。さらに、各通信局間ではビーコン送信タイミング前後の受信期間を向けて互いにデータ伝送を行なうことから、必要最低限の時間帯のみで受信機を動作させることが可能になるので、低消費電力の効果が向上する。
例えば、複数ユーザで対戦を行なう場合のゲーム・コントローラに無線通信を適用するようなアプリケーションでは、1機上で入力されたコマンドをすべてのユーザのコントローラに送信する必要がある。上述した情報送受信手順によれば、短パケットで構成される各コントローラからの入力コマンドを、ゲームの進行から遅滞することなく短レイテンシで各コントローラに通達することができる。また、ゲーム・コントローラはバッテリ駆動であることが想定され、低消費電力化が望まれるが、パケット送受信時以外はスリープ状態に入ることができる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、自律分散型の無線ネットワークにおいて、各通信局が所定のフレーム周期毎にビーコンを報知し合うような通信環境下において本発明を適用した場合を主な実施形態として説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。
例えば、通信範囲内で複数の通信局からビーコンが送信されるような通信システム、あるいは所定期間内で各通信局の受信期間が順に配列されている通信システムであれば、自律分散以外の形態のネットワークであっても、本発明を同様に適用することができる。また、各通信局が複数の周波数チャネル上をホッピングして通信を行なうマルチチャネル型の通信システムに対しても、本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の記載を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の機能構成を模式的に示した図である。 図2は、本発明に係る自律分散型ネットワークにおいて、各通信局がビーコンを送信するための手順を説明するための図である。 図3は、スーパーフレーム周期内で配置可能なビーコン送信タイミングの構成例を示した図である。 図4は、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示した図である。 図5は、スーパーフレーム周期(T_SF)の構成例を示した図である。 図6は、TPP区間内におけるビーコン送信局並びにそれ以外の局が送信権を得るための動作を説明するための図である。 図7は、通信局がTPP区間及びFAP区間においてそれぞれ送信を開始するための動作を説明するための図である。 図8は、通信局の典型的な送受信手順の動作例を説明するための図である。 図9は、本発明に係る自律分散型の無線通信ネットワークにおける情報伝送手順についての第1の実施形態の仕組みを説明するための図である。 図10は、通信局0が各通信局に情報の送信を行ないたい旨を伝えるデータ・パケット(ページ・パケット)のデータ構造を模式的に示した図である。 図11は、図9に示したバケツリレー方式の情報送受信手順の動作例を詳細に示した図である。 図12は、情報送信元の通信局がページ・パケットをバケツリレー方式で送信した後に送信情報を同報送信するための情報送受信手順を行なうための無線通信装置100の動作手順を示したフローチャートである。 図13は、本発明に係る自律分散型の無線通信ネットワークにおける情報伝送手順についての第2の実施形態の仕組みを説明するための図である。 図14は、本発明の第2の実施形態において用いられるデータ・パケットの構成例を模式的に示した図である。 図15は、本発明の第2の実施形態に係る情報送受信手順の動作例を詳細に示した図である。 図16は、本発明の第2の実施形態に係る情報送受信手順において、途中でエラーが発生した場合の動作例を詳細に示した図である。 図17は、情報送信元の通信局がページ・パケットをバケツリレー方式で送信した後に送信情報を同報送信するための情報送受信手順を行なうための無線通信装置100の動作手順を示したフローチャートである。 図18は、本発明の第2の実施形態に係る情報送受信手順の変形例を示した図である。 図19は、図18に示した実施形態に係る情報送受信手順において、途中でエラーが発生した場合の動作例を示した図である。 図20は、NBOIの記述例を示した図である。 図21は、新規に参入した通信局が周辺局から受信したビーコンから得た各ビーコンのNBOIに基づいて自局のTBTTを設定する様子を示した図である。 図22は、スーパーフレームの短縮動作例を示した図である。 図23は、次通信局のビーコン送信時刻前に設けられた受信期間を利用したバケツリレー伝送方式の仕組みを説明するための図である。 図24は、次通信局のビーコン送信時刻後に設けられた受信期間を利用したバケツリレー伝送方式の仕組みを説明するための図である。 図25は、通信局が自局のビーコン送信直後に設けた優先送信期間TPPを利用したバケツリレー伝送方式の仕組みを説明するための図である。 図26は、IEEE802.11に基づく無線ネットワークにおけるインフラ・モード時の動作を説明するための図である。 図27は、IEEE802.11に基づく無線ネットワークにおけるアドホック・モード時の動作を説明するための図である。 図28は、RTS/CTS手順によるアクセス動作例を示したチャートである。 図29は、IEEE802.11において定義されているパケット間隔IFSを示した図である。 図30は、IEEE802.11におけるネットワーキングでアドホック・モード時のIBSSにおいて、MTがスリープ状態に入ったときの信号送受信処理手順を説明するための図である。
符号の説明
100…無線通信装置
101…インターフェース
102…データ・バッファ
103…中央制御部
104…ビーコン生成部
106…無線送信部
107…タイミング制御部
109…アンテナ
110…無線受信部
112…ビーコン解析部
113…情報記憶部

Claims (19)

  1. 各通信局が所定のフレーム周期内でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによってネットワークを構築する自律分散型の無線通信システムであって、
    各通信局は自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後に所定の受信期間を設け、周辺局のビーコン送信時刻を把握し、自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行ない、且つ、情報送信時にはデータ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後において情報送信を行ない、
    通信局は、
    すべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して、他のすべての通信局に向けて情報送信を行なうことを予告するデータを送信した後、次のフレーム周期において自局のビーコン送信に引き続き情報を送信し
    他の通信局からの前記予告のデータを受信したことに応答して、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して、前記予告のデータを送信した後、前記次のフレーム周期において前記他の通信局からのビーコン受信タイミングにおいてビーコン並びに送信情報を受信する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 各通信局が所定のフレーム周期内でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによってネットワークを構築する自律分散型の無線通信システムであって、
    各通信局は、自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後に所定の受信期間を設け、周辺局のビーコン送信時刻を把握し、自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行ない、且つ、情報送信時にはデータ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後において情報送信を行ない、
    通信局は、すべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して情報を順次送信し、自局が送信した情報を受信したことに応答して、当該情報についての送信処理が完了したことを認識する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  3. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される自律分散型の通信環境下で動作する無線通信装置であって、
    チャネル上で無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    周辺局のビーコン送信時刻を把握し、自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行ない、且つ、情報送信時にはデータ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後において情報送信を行なうように、前記チャネル上でのデータ伝送動作を制御する通信制御手段を備え、
    前記通信制御手段は、すべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して、他のすべての通信局に向けて情報送信を行なうことを予告するデータを送信した後、次のフレーム周期において自局のビーコン送信に引き続き情報を送信する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  4. 前記通信制御手段は、他の通信局からの前記予告のデータを受信したことに応答して、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して、前記予告のデータを送信した後、前記次のフレーム周期において前記他の通信局からのビーコン受信タイミングにおいてビーコン並びに送信情報を受信する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記通信制御手段は、前記次のフレーム周期において、前記予告データを送信した他の通信局から送信情報を誤りなく受信すると、前記次のフレーム周期において受信確認応答を自局のビーコンの送信に引き続き送信する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記通信制御手段は、前記次のフレーム周期において、前記他の通信局からのビーコン受信に引き続いて受信確認応答を受信する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  7. 前記通信制御手段は、前記他の通信局からの受信確認応答を認識できない場合には、当該通信局に宛てて、同一情報に関する所定の再送手順を起動する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される自律分散型の通信環境下で動作する無線通信装置であって、
    チャネル上で無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    周辺局のビーコン送信時刻を把握し、自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行ない、且つ、情報送信時にはデータ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後において情報送信を行なうように、前記チャネル上でのデータ伝送動作を制御する通信制御手段を備え、
    前記通信制御手段は、すべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して情報を順次送信し、自局が送信した情報を受信したことに応答して、当該情報についての送信処理が完了したことを認識する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  9. 前記通信制御手段は、自局が送信したい情報がある場合、前記フレーム周期内で自局の前にビーコンを送信する前通信局から受信した情報に当該送信したい情報を付加し、自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに送信する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
  10. 前記通信制御手段は、自局の次にビーコンを送信する次通信局に対する情報送信に失敗した場合、前記フレーム周期内における当該次通信局の受信期間を利用して情報再送を試みる、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線通信装置。
  11. 前記通信制御手段は、他の通信局宛ての情報送信に失敗した場合、いずれの通信局宛ての送信に失敗したかを送信情報に付加した上で、前記フレーム周期内で当該他の通信局の次にビーコンを送信する通信局への情報送信を試みる、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  12. 前記通信制御手段は、自局が送信した情報を受信したときに、いずれの通信局宛ての送信に失敗したかが付加されている場合には、当該通信局宛ての再送手順を起動する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 前記通信制御手段は、自局が送信した情報を受信したときに、いずれの通信局宛ての送信に失敗したかが付加されている場合には、当該情報を自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに再度送信する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  14. 前記通信制御手段は、受信した情報量と自局が送信したい情報量と最近自局が送信した情報量のうち少なくとも1つを参照して、フレーム周期内における自局からの情報送信の有無を決定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線通信装置。
  15. 前記通信制御手段は、前記所定のフレーム周期内を、必要とされているレイテンシに応じた個数のビーコンで定期的に補間する、
    ことを特徴とする請求項3又は8のいずれかに記載の無線通信装置。
  16. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される自律分散型の通信環境下で無線通信動作を行なうための無線通信方法であって、
    所定のビーコン送信タイミングで自局のビーコンを送信するビーコン送信ステップと、
    周辺局のビーコン送信時刻を把握するビーコン送信時刻管理ステップと、
    自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行なう受信処理ステップと、
    データ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後においてにおいて情報送信を行なう送信処理ステップと、
    を有し、
    すべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して、他のすべての通信局に向けて情報送信を行なうことを予告するデータを送信した後、次のフレーム周期において自局のビーコン送信に引き続き情報を送信する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  17. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される自律分散型の通信環境下で無線通信動作を行なうための無線通信方法であって、
    所定のビーコン送信タイミングで自局のビーコンを送信するビーコン送信ステップと、
    周辺局のビーコン送信時刻を把握するビーコン送信時刻管理ステップと、
    自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行なう受信処理ステップと、
    データ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後においてにおいて情報送信を行なう送信処理ステップと、
    を有し、
    すべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して情報を順次送信し、自局が送信した情報を受信したことに応答して、当該情報についての送信処理が完了したことを認識する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  18. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される自律分散型の通信環境下で無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータに対し、
    所定のビーコン送信タイミングで自局のビーコンを送信するビーコン送信ステップと、
    周辺局のビーコン送信時刻を把握するビーコン送信時刻管理ステップと、
    自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行なう受信処理ステップと、
    データ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後においてにおいて情報送信を行なう送信処理ステップと、
    を実行させ、
    すべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して、他のすべての通信局に向けて情報送信を行なうことを予告するデータを送信した後、次のフレーム周期において自局のビーコン送信に引き続き情報を送信する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  19. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される自律分散型の通信環境下で無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータに対し、
    所定のビーコン送信タイミングで自局のビーコンを送信するビーコン送信ステップと、
    周辺局のビーコン送信時刻を把握するビーコン送信時刻管理ステップと、
    自局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局の前にビーコンを送信する通信局のビーコン送信時刻の前後において受信処理を行なう受信処理ステップと、
    データ送信先となる通信局のビーコン送信時刻の前後あるいは自局のビーコン送信時刻の後においてにおいて情報送信を行なう送信処理ステップと、
    を実行させ、
    すべての通信局に向けて情報の送信を行なう場合、前記フレーム周期内で自局の次にビーコンを送信する次通信局宛てに当該次通信局のビーコン送信時刻の前後に設けられた受信期間を利用して、他のすべての通信局に向けて情報送信を行なうことを予告するデータを送信した後、次のフレーム周期において自局のビーコン送信に引き続き情報を送信する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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