JP4385829B2 - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、各通信局が自律分散的な通信動作を行なうことにより無線ネットワークが運営される無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、各通信局は複数の動作レベルを持ち、動作レベルの異なる複数の通信局が自律的に通信動作を行なうことにより無線ネットワークが運営される無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、通信局が動作モードの異なる複数の通信局宛ての送信データがある場合に、システム全体のスループットを考慮してデータ送信先を選択する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
複数のコンピュータを接続してLANを構成することにより、ファイルやデータなどの情報の共有化、プリンタなどの周辺機器の共有化を図ったり、電子メールやデータ・コンテンツの転送などの情報の交換を行なったりすることができる。
従来、光ファイバーや同軸ケーブル、あるいはツイストペア・ケーブルを用いて、有線でLAN接続することが一般的であったが、この場合、回線敷設工事が必要であり、手軽にネットワークを構築することが難しいとともに、ケーブルの引き回しが煩雑になる。また、LAN構築後も、機器の移動範囲がケーブル長によって制限されるため、不便である。そこで、有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。
近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入の検討が行なわれている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システムが規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格の1つにIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)、IEEE302.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a(例えば、非特許文献4を参照のこと),b,gといった拡張規格が存在する。
一般的には、無線技術を用いてローカル・エリア・ネットワークを構成するために、エリア内を統括的に制御する通信装置を1台設けて、この通信装置の統括的な制御下でネットワークを形成する方法が用いられている。すなわち、「アクセス・ポイント」、「コーディネータ」、若しくは「ポイント・コーディネータ(PC)」と呼ばれる制御局がネットワークを一元的に管理し、ある通信局が情報伝送を行なう場合は、まずその情報伝送に必要な帯域をPCに予約し、他の通信局における情報伝送と衝突が生じないように伝送路の利用を行なうという、帯域予約伝送方式が広く採用されている。すなわち、PCの介在により無線ネットワーク内の通信局同士が互いに同期をとるという同期的な無線通信を行なう。
ここで、アクセス・ポイントが存在する無線通信システムで、送信側と受信側の通信装置間で非同期通信を行なう場合には、必ずアクセス・ポイントを介した無線通信が必要になるため、伝送路の利用効率が半減してしまうという問題がある。これに対し、無線ネットワークを構成する他の方法として、端末同士が直接非同期的に無線通信を行なう「アドホック(Ad−hoc)通信」が考案されている。とりわけ近隣に位置する比較的少数のクライアントで構成される小規模無線ネットワークにおいては、特定のアクセス・ポイントを利用せずに、任意の端末同士が直接非同期の無線通信を行なうことができるアドホック通信が適当であると思料される。
アドホック型無線通信システムには中央制御局が存在しないので、例えば家庭用電気機器からなるホーム・ネットワークを構成するのに適している。アドホック・ネットワークには、1台が故障又は電源オフになってもルーティングを自動的に変更するのでネットワークが破綻しにくい、移動局間でパケットを複数回ホップさせることにより高速データレートを保ったままで比較的遠くまでデータを伝送することができる、といった特徴がある。アドホック・システムにはいろいろな開発事例が知られている(例えば、非特許文献5を参照のこと)。
例えば、IEEE802.11系の無線LANシステムでは、IEEE802.11におけるネットワーキングは、BSS(Basic Service Set)の概念に基づいている。BSSは、AP(Access Point:制御局)のようなマスタが存在する「インフラ・モード」で定義されるBSSと、複数の移動局(Mobile Terminal:移動局)のみにより構成される「アドホック・モード」で定義されるIBSS(Independent BSS)の2種類で構成される。
インフラ・モードのBSSにおいては、無線通信システム内にコーディネイションを行なうPCが必須である。すなわち、PCは、自局周辺で電波の到達する範囲をBSSとしてまとめ、いわゆるセルラ・システムで言うところの「セル」を構成する。PCの近隣に存在する移動局は、アクセス・ポイントに収容され、BSSのメンバとしてネットワークに参入する。
PCは適当な時間間隔でビーコンと呼ばれる制御信号を送信し、このビーコンを受信可能である移動局はPCが近隣に存在することを認識し、さらにPCとの間でコネクション確立を行なう。また、PC周辺の移動局は、受信したビーコンに記載されているTBTTフィールドをデコードすることにより次回のビーコン送信時刻を認識することが可能である。移動局は、場合によっては(受信の必要がない場合には)、次回あるいは複数回先のTBTTまで受信機の電源を落としスリープ状態に入り、省電力動作を行なうこともある。
インフラ・モード時には、PCのみが所定フレーム周期でビーコンを送信する。他方、周辺移動局は、PCのビーコンを受信することでネットワークへの参入を果たし、自らはビーコンを送信しない。
一方、アドホック・モードでは、制御局を配さなくとも自律分散的にピア・ツウ・ピア(Peer to Peer)で動作する。すなわち、アドホック・モードのIBSSにおいては、複数の移動局同士でネゴシエーションを行なった後に自律的にIBSSを定義する。IBSSが定義されると、移動局群は、ネゴシエーションの末に、一定間隔毎にTBTTを定める。各移動局は自局内のクロックを参照することによりTBTTが到来したことを認識すると、ランダム時間の遅延の後、未だ誰もビーコンを送信していないと認識した場合にはビーコンを送信する。
また、無線ネットワークにおけるデータ伝送時のアクセス制御方式として、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:搬送波感知多重アクセス)通信手順が知られている。CSMAとは、キャリア検出に基づいて多重アクセスを行なう接続方式のことである。無線通信では自ら情報送信した信号を受信することが困難であることから、CSMA/CD(Collision Detection)ではなくCSMA/CA(Collision Avoidance)方式により、他の通信装置の情報送信がないことを確認してから、自らの情報送信を開始することによって、衝突を回避する。CSMA方式は、ファイル転送や電子メールなどの非同期データ通信に適しているアクセス方式である。
IEEE 802.11では、基本的なデータ転送シーケンスとしてCSMA/CA方式を採用し、DCF(Destribution Coordination Function)と呼ばれる機能を用いて実現している。図18には、IEEE 802.11で用いられているCSMA/CAに基づくアクセス動作手順を示している。
送信データを所有している通信局は、無線媒体上における信号の有無を監視し、DIFS(Distributed Interframe Space)と呼ばれるフレーム間隔だけ無線媒体が未使用であることを確認したら、さらにランダム・スロット分だけ待機し、このランダム・スロット期間においても信号が無線媒体中に現れなければ、自局が送信権を獲得したものとしてデータ送信を開始する。これをフィジカル・キャリア・センスという。この送信データがただ1つの特定の通信局宛である場合は、受信先はデータの受信後SIFS(Short Interframe Space)というDIFSよりも短いフレーム間隔で送達確認信号ACK(Acknowledgement)送信局に対して送信する。
図18に示した方式に基づいてランダム・アクセスを行なう期間をCP(Contention Period)という。本アクセス方式はイーサネット(登録商標)で使用されているCSMA/CD方式と親和性が高く、電子メールやファイル転送などの、リアルタイム性を強く要求しない非同期データの転送に適している。
なお、IEEE802.11では、図19に示すように4種類のフレーム間隔(IFS:Inter Frame Space)が定義されている。図示の通り、IFSとしては、短いものから順にSIFS(Short IFS)、PIFS(PCF IFS)、DIFS(DCF IFS)が定義されている。
IEEE802.11では、基本的なメディア・アクセス手順としてCSMAが採用されているが(前述)、送信機が何かを送信する前には、メディア状態を監視しながらランダム時間にわたりバックオフのタイマーを動作させ、この間に送信信号が存在しない場合に始めて送信権が与えられる。
ここで、通常のパケットをCSMAの手順に従って送信する際(DCF(Distributed Coordination Functionと呼ばれる)には、何らかのパケットの送信が終了してから、まずDIFSだけメディア状態を監視し、この間に送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、送信権が与えられる。
これに対し、ACKなどの例外的に緊急度の高いパケットを送信する際には、DIFSよりも短いSIFSのパケット間隔の後に送信することが許されている。これにより、緊急度の高いパケットは、通常のCSMAの手順に従って送信されるパケットよりも先に送信することが可能となる。
要するに、異なる種類のパケット間隔IFSを定義することにより、フレーム間隔の長さに応じて通信局間におけるパケットの送信権争いの優先付けを行なうことができる訳である。
また、IEEE802.11では、PCF(Point Coordination Function)機能を所有する端末に対してPCを用いて、他の通信局の通信機会を制御する転送シーケンスをオプションで設けている。図20には、PCF機能を用いたデータ転送シーケンスを示している。
PCは、1つのPCF機能所有端末(以下、PCF端末とする)に対し、データの送信権を与えるポーリング・フレームを送信する。
ポーリング・フレームを受信したPCF端末は、送信するデータがある場合は、ポーリング・フレームを受信した後SIFS間隔を置いてポーリング・フレームに対するACKとデータをPCに対して送信する。このとき、データの最終宛先はPCである必要はなく、一旦PCにおいて受信され、後に中継されることになる。一方、送信データがない場合は、PCF端末はポーリング・フレームに対するACKのみをPCに対して送信する。PCは、直前に送信したポーリング・フレーム宛先端末からのACK(データを含む場合もある)を受信した後、SIFS間隔後に次のPCF端末へポーリング・フレームを送信する。
このとき、PCは以前受信した中継データをポーリングに付加して送信する、つまり、(ポーリング+データ)フレームとして送信することが可能である。この伝送方式は、一定の周期で実行され、ポーリング・フレームの宛先局のみがデータの送信権を与えられるので、無線媒体へのアクセスに衝突が発生することなく、データの転送遅延をある程度見積もることができる。このため、リアルタイムでの通信を必要とする音声データや、映像データといった等時性データに対して適している。この方式でアクセスを行なう期間をCFP(Contention Free Period)という。
IEEE802.11では、PCFによるアクセスを採用する場合、DCFによるアクセスとPCFによるアクセスを交互に繰り返し実行する。但し、PCF区間においても、PCF機能を有しない端末に対し、PCからの中継データを送信することは可能となっている。
International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN);HIPERLAN Type 2;Data Link Control(DLC) Layer;Part1:Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN);HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC) sublayer Supplement to IEEE Standard for Information technology−Telecommunications and information exchange between systems−Local and metropolitan area networks−Specific requirements−Part 11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specifications: High−speed Physical Layer in the 5GHZ Band C.K.Tho著"Ad Hoc Mobile Wireless Network"(Prentice Hall PTR社刊)
上述したように、送信データを持つ無線通信局は、所定のアクセス方式により送信権が与えられ、実際にデータ送信が可能になるまでの間は送信バッファに送信データを格納している。
ここで、複数の通信局への送信が可能なタイミングにおいて、どの通信局へデータを効率的に送信するかは、無線通信システム全体のスループットにも影響を与える。このように複数の無線端末への送信可能なタイミングにおいては、例えば、バッファされているデータ量が最も多い通信局宛のデータ送信を行なう、若しくはラウンドロビン方式で送信先端末を選択するといった送信アルゴリズムが想到されよう。
しかしながら、これらの送信アルゴリズムに基づくデータ送信方法では、省電力モードで動作する通信局宛ての送信データが送信バッファ内に存在していても、必ずしも省電力モード端末へのデータ送信が行なわれる保障がない。最悪の場合、省電力モード端末へのデータ送信が後回しとなり、バッファ内のデータ送信処理がなかなか行なわれず、システム全体のレスポンスの悪化やスループットの低下を招来するという問題が生じる。
本発明は、上述したような技術的課題を鑑みたものであり、その主な目的は、各通信局が自律分散的な通信動作を行なうことにより無線ネットワークが好適に運営される、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、各通信局は複数の動作レベルを持ち、動作レベルの異なる複数の通信局が自律的に通信動作を行なうことにより無線ネットワークが好適に運営される、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、通信局が動作モードの異なる複数の通信局宛ての送信データがある場合に、システム全体のスループットを考慮してデータ送信先を選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数の動作レベルを持つ通信局が通信動作を行なう無線通信システムであって、データ送信元の通信局は、送信先となる通信局が複数ある場合には、該複数の送信先通信局のうち最も低い動作レベルの通信局宛てのデータ送信を優先して行なうことを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
送信データを持つ無線通信局は、CSMA又は帯域予約など所定のアクセス方式により送信権が与えられ、実際にデータ送信が可能になるまでの間は送信バッファに送信データを格納する。ここで、複数の通信局への送信が可能なタイミングにおいて、どの通信局へデータを効率的に送信するかは、システム全体のスループットに影響を与える。
本発明に係る無線通信システムでは、各通信局がそれぞれ独自に動作レベルを設定できることを想定している。このような場合、省電力モードで動作する通信局へのデータ送信が後回しとなると、送信バッファ内のデータ送信処理がなかなか行なわれず、システム全体のスループットが低下する可能性がある。
そこで、本発明では、送信データ種別と送信先端末の選択を行なう際に、各通信局の動作レベルを参照し、最低動作レベルの通信局が存在し、その局宛の送信権が設定されている場合には優先的にデータ送信を行なうようにした。
この結果、省電力モードで動作する通信局宛ての送信データが送信バッファ内に存在する場合には、省電力モード端末へのデータ送信が保障されるので、システム全体のレスポンスの悪化やスループットの低下を防ぐことができる。
本発明に係る無線通信システムでは、データ送信元の通信局は、動作レベルの低い通信局宛に優先して送信すべきデータを保持する第1の送信データ・バッファと、それ以外の送信データを保持する第2の送信データ・バッファを備えている。データ送信局は、例えば、上位レイヤやMAC間制御を行なうコマンド・データを前記第1の送信データ・バッファに格納する。
そして、データ送信局は、キャリア・フリーすなわち通信媒体がクリアとなって送信権を獲得できた場合には、まず、前記第1の送信データ・バッファに保持されているデータのうち、最も低い動作レベル宛てのデータを優先してデータ送信する。
ここで、データ送信元の通信局は、最も低い動作レベルの通信局に対する送信権の有無を管理する送信権管理手段を備えていてもよい。
例えば、各通信局はビーコン信号を報知して互いを認識しあいながら動作する自律分散型の無線通信システムにおいては、前記送信権管理手段は、送信カウンタを用いて送信先通信局に対する送信権の有無を管理することができる。すなわち、送信先通信局からのビーコンを受信したとき、自局がビーコンを送信したとき、又は送信先通信局からデータを受信したときに当該送信先通信局に対する送信カウンタを所定値に設定するとともに、これら以外のときに送信カウンタをカウントダウンし、最も低い動作レベルの通信局が0より大きな送信カウンタ値を持つときには当該通信局宛ての送信権を持つと判断する。
また、通信局は、優先送信権を持つ優先送信期間と、通常のデータ伝送を行なう通常データ送信期間を備え、これらの帯域を利用して送信するデータを第2の送信バッファに格納するようにしてもよい。例えば、等時性データを優先送信期間に送信すべきデータとして保持し、非等時性データを通常のデータ送信期間に送信すべきデータとして保持する。そして、優先送信期間に送信すべきデータと通常のデータ送信期間に送信すべきデータとを分けてバッファリングし、優先送信期間では優先送信期間に送信すべきデータを優先して送信するようにする。
また、前記第2の送信バッファに複数の送信先に対する送信データが保持されている場合には、送信先端末を選択するためのさまざまな送信アルゴリズムが考えられる。例えば、最も大量のデータが格納されている通信局を選択してデータ送信を行なうようにしてもよい。あるいは、ラウンドロビン方式で通信局を選択してデータ送信を行なうようにしてもよい。
また、本発明の第2の側面は、複数の動作レベルを持つ通信局が通信動作を行なう無線通信環境下でデータ伝送を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
各通信局の動作レベルを含む端末情報を管理する端末情報管理ステップと、
送信先となる通信局が複数ある場合には、該複数の送信先通信局のうち最も低い動作レベルの通信局宛てのデータ送信を優先して行なう通信制御ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線通信装置として動作する。このような無線通信装置を複数起動して無線ネットワークを構築することによって、本発明の第1の側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、各通信局が自律分散的な通信動作を行なうことにより無線ネットワークが好適に運営される、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、各通信局は複数の動作レベルを持ち、動作レベルの異なる複数の通信局が自律的に通信動作を行なうことにより無線ネットワークが好適に運営される、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、通信局が動作モードの異なる複数の通信局宛ての送信データがある場合に、システム全体のスループットを考慮してデータ送信先を選択することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、区々の動作レベルが設定されている複数の通信局で構成される無線ネットワークにおいて、送信データ種別と送信先端末の選択を行なう際に、各通信局の動作レベルを参照し、最低動作レベルの通信局が存在し、その局宛の送信権が設定されている場合には優先的にデータ送信を行なうことによって、ネットワーク全体のレスポンスと、レスポンス増加によるスループット増加を実現することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明において想定している通信の伝搬路は無線であり、複数の通信局間でネットワークを構築する。本発明で想定している通信は蓄積交換型のトラヒックであり、パケット単位で情報が転送される。また、以下の説明では、各通信局は単一のチャネル(すなわち、周波数チャネルによりリンクが分離されていない場合)を想定しているが、複数の周波数チャネルすなわちマルチチャネルからなる伝送媒体を用いた場合に拡張することも可能である。
本発明に係る無線ネットワークでは、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御が行なわれる。また、各通信局は、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:キャリア検出多重接続)に基づくアクセス手順に従い直接非同期的に情報を伝送し、自律分散型の無線ネットワークを構築することができる。本発明の一実施形態では、例えば、IEEE802.11に通信環境を想定している。
このように制御局を特に配置しない無線通信システムでは、各通信局はビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。また、ある通信局の通信範囲に新規に参入する通信局は、ビーコン信号を受信することにより、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。
以下に説明する各通信局での処理は、基本的にはネットワークに参入するすべての通信局で実行される処理である。但し、場合によっては、ネットワークを構成するすべての通信局が、以下に説明する処理を実行するとは限らない。
本実施形態に係る自律分散型ネットワークでは、各通信局は、所定のチャネル上で所定の時間間隔でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。ビーコンを送信する伝送フレーム周期のことを、ここでは「スーパーフレーム(Super Frame)」と定義し、1スーパーフレームを例えば80ミリ秒とする。
新規に参入する通信局は、スキャン動作により周辺局からのビーコン信号を聞きながら、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。そして、ビーコンの受信タイミングと緩やかに同期しながら、周辺局からビーコンが送信されていないタイミングに自局のビーコン送信タイミングを設定する。
本実施形態に係る各通信局のビーコン送信手順について、図1を参照しながら説明する。図示の例では、電波の到達範囲に通信局#0〜#3という4台の通信局が存在する通信環境を想定している。
各通信局は、周辺で発信されるビーコンを聞きながら、ゆるやかに同期する。新規に通信局が現われた場合、新規通信局は既存の通信局のビーコン送信タイミングと衝突しないように、自分のビーコン送信タイミングを設定する。
また、周辺に通信局がいない場合、通信局01は適当なタイミングでビーコンを送信し始めることができる。ビーコンの送信間隔は80ミリ秒である。図1中の最上段に示す例では、B01が通信局01から送信されるビーコンを示している。
以降、通信範囲内に新規に参入する通信局は、既存のビーコン配置と衝突しないように、自己のビーコン送信タイミングを設定する。
例えば、図1中の最上段に示すように、通信局01のみが存在するチャネル上において、新たな通信局02が現われたとする。このとき、通信局02は、通信局01からのビーコンを受信することによりその存在とビーコン位置を認識し、図1の第2段目に示すように、通信局01のビーコン間隔のほぼ真中に自己のビーコン送信タイミングを設定して、ビーコンの送信を開始する。
さらに、新たな通信局03が現われたとする。このとき、通信局03は、通信局01並びに通信局02のそれぞれから送信されるビーコンの少なくとも一方を受信し、これら既存の通信局の存在を認識する。そして、図1の第3段に示すように、通信局01及び通信局02から送信されるビーコン間隔のほぼ真中のタイミングで送信を開始する。
以下、同様のアルゴリズムに従って近隣で通信局が新規参入する度に、ビーコン間隔が狭まっていく。例えば、図1の最下段に示すように、次に現われる通信局04は、通信局02及び通信局01それぞれが設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングでビーコン送信タイミングを設定し、さらにその次に現われる通信局05は、通信局02及び通信局04それぞれが設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングでビーコン送信タイミングを設定する。
但し、帯域(スーパーフレーム周期)内がビーコンで溢れないように、最小のビーコン間隔Bminを規定しておき、Bmin内に2以上のビーコン送信タイミングを配置することを許容しない。例えば、80ミリ秒のスーパーフレーム周期でミニマムのビーコン間隔Bminを5ミリ秒に規定した場合、電波の届く範囲内では最大で16台の通信局までしか収容できないことになる。
スーパーフレーム内に新規のビーコンを配置する際、各通信局はビーコン送信の直後に優先利用領域(TPP)を獲得することから(後述)、1つのチャネル上では各通信局のビーコン送信タイミングは密集しているよりもスーパーフレーム周期内で均等に分散している方が伝送効率上より好ましい。したがって、本実施形態では、図1に示したように基本的に自身が聞こえる範囲でビーコン間隔が最も長い時間帯のほぼ真中でビーコンの送信を開始するようにしている。
但し、各通信局のビーコン送信タイミングを集中して配置し、残りのスーパーフレーム周期では受信動作を停止して装置の消費電力を低減させるという利用方法もある。あるいは、通信局固有の送信データ容量にあわせて、ビーコン送信タイミングを設定するという利用方法もある。後者の場合、通信局は、送信データ量が多いときには次ビーコンまでの間隔が長くなるような時刻(スロット)に自局のビーコン送信タイミングを設定するが、送信データ量が少ないときには次ビーコンまでの間隔が短くなるような時刻にビーコン送信タイミングを設定することができる。これによって、自律動作する複数の通信局同士でスーパーフレームを効率的に利用することができる。
図2には、1スーパーフレーム内で配置可能なビーコン送信タイミングの構成例を示している。但し、同図に示す例では、80ミリ秒からなるスーパーフレームにおける時間の経過を、円環上で時針が右回りに運針し80ミリ秒毎に巡回する時計のように表している。同図に示す例では、0からFまでの合計16個の位置がビーコン送信を行なうことができる時刻すなわちビーコン送信タイミングを配置可能なスロットとして構成されている。
本実施形態に係る無線ネットワークでは、特定の制御局を配置しない(若しくは、制御局と被制御局との関係を持たない)通信環境下で、各通信局は、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームにより伝送チャネルを効果的に利用した伝送制御、又はCSMA/CAに基づくランダム・アクセスなどの通信動作を行なう。
また、各通信局はビーコンを一定間隔で送信しているが、ビーコンを送信した後しばらくの間は、該ビーコンを送信した局に送信の優先権を与えることで、信号の往来を自律分散的に管理し、通信帯域(QoS)を確保するようにしている。図3には、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示している。本明細書では、この優先送信区間のことを「Transmission Prioritized Period(TPP)」と定義する。
図4には、ビーコン送信局に優先送信期間TPPを与える場合のスーパーフレーム周期(T_SF)の構成例を示している。同図に示すように、各通信局からのビーコンの送信に続いて、そのビーコンを送信した通信局のTPPが割り当てられるが、TPPに続く区間を「Fairly Access Period(FAP)」と定義され、すべての通信局において通常のCSMA/CA方式により通信が行なわれる。そして、次の通信局からのビーコン送信タイミングでFAPが終わり、以降は同様にビーコン送信局のTPPとFAPが続く。
通信局は、送信データが発生した場合、例えば、等時性データである場合にはTPPを利用して送信し、非等時性データである場合にはFAPを利用して送信する。
本実施形態では、通信局として動作する無線通信装置が直前の伝送フレーム(Previous Frame)の終了後から送信権を獲得するまでの複数のフレーム間隔(InterFrameSpace:IFS)を定義することにより、各通信局が自律分散的に優先送信や競合伝送を行なうという信号往来管理方法を採用している。
図5には、フレーム間隔の設定例を示している。同図では、前回送信されたフレーム、若しくはスロット開始位置を基準にしたタイミングから、自己の送信を開始してよいタイミングを定義している。
このインターフレームスペースには、最小のフレーム間隔であるSIFSと、中間のフレーム間隔であるMIFSと、長期のフレーム間隔であるLIFSとが用意され、それぞれ所定のアクセス制御に基づいて選択されることになる。また、他の通信装置との間で送信データの衝突が発生しないように、必要に応じてバックオフの設定を付加しても良い。
図6には、通信局がTPP区間及びFAP区間においてそれぞれ適当なフレーム間隔を以って送信を開始するための動作を図解している。
TPP区間内では、通信局は、自局のビーコンを送信した後、より短いバケット間隔SIFSの後に送信を開始することができる。図示の例では、ビーコン送信局はSIFSの後にRTSパケットを送信する。そして、その後も、送信されるCTS、データ、ACKの各パケットも同様にSIFSのフレーム間スペースで送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
これに対し、FAP区間では、ビーコン送信局も、他の周辺局と同様にMIFS+ランダム・バックオフだけ待機してから送信開始する。言い換えれば、すべての通信局にランダムなバックオフにより送信権が均等に与えられることになる。図示の例では、他局のビーコンが送信された後、まずMIFSだけメディア状態を監視し、この間にメディアがクリアすなわち送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、RTSパケットを送信する。なお、RTS信号に起因して送信されるCTS、データ、ACKなどの一連のパケットはSIFSのフレーム間スペースで送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
また、他の通信局のTPP区間では、その周辺の通信局は、MIFSよりも長いフレーム間隔LIFS+ランダム・バックオフだけ待機してから送信開始する。したがって、優先利用期間TPPを獲得した通信局に優先的に送信権が得られる仕組みとなっている。但し、この優先利用期間TPPを獲得した通信局がLIFS間隔でデータ送信を開始しなかった場合には、すべての通信局がランダムなバックオフにより送信権が均等に与えられることになる。図示の例では、他局のビーコンが送信された後、まずLIFSだけメディア状態を監視し、この間にメディアがクリアすなわち送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、RTSパケットを送信する。なお、RTS信号に起因して送信されるCTS、データ、ACKなどの一連のパケットはSIFSのフレーム間スペースで送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
上述した信号の往来管理方法によれば、優先度の高い(すなわち優先利用領域を利用する)通信局がより短いフレーム間スペースを設定することで優先的に送信権を獲得することができる。
また、図7には、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図を示している。図示の例では、自局が優先送信権を獲得しているTPP期間に相当する「優先送信モード」と、すべての通信局が優先送信権を得ていないFAP期間に相当する「通常送信モード」に加え、他局の優先送信期間TPPに相当する「優先送信モード」という状態が定義されている。
通信局は、通常動作モード下では、通常のフレーム間隔MIFSにランダム・バックオフを加えた期間だけ待機してから送信開始する。FAPの期間中はシステム内のすべての通信局は、MIFS+バックオフにて送信する
ここで、自局のビーコン送信タイミングTBTTが到来し、ビーコンを送信した後、優先送信モードに遷移し、優先送信期間TPPを獲得する。
優先送信モード下では、MIFSよりも短いフレーム間隔SIFSの待機時間だけで送信することにより、近隣局に邪魔されず、送信権を獲得することができる。通信局は、上位レイヤから要求される帯域量に相当する長さの優先送信期間TPPだけ優先送信モードを継続する。そして、TPPが終了し、FAPへ移行したときには、通常送信モードへ復帰する。
また、他局からのビーコンを受信し、当該他局の優先送信期間に突入したときには、非優先送信モードに遷移する。非優先送信モード下では、通常送信モード時のフレーム間隔MIFSよりもさらに長いフレーム間隔LIFSにランダム・バックオフを加えた期間だけ待機してから送信開始する。
そして、他局のTPPが終了し、FAPへ移行したときには、通常送信モードへ復帰する。
図8には、本発明の実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の構成を模式的に示している。図示の無線通信装置100は、同じ無線システム内では効果的にチャネル・アクセスを行なうことにより、衝突を回避しながらネットワークを形成することができる。
図示の通り、無線通信装置100は、インターフェース101と、データ・バッファ102と、中央制御部103と、送信データ生成部104と、無線送信部106と、タイミング制御部107と、アンテナ109と、無線受信部110と、受信データ処理部112と、情報記憶部113とで構成される。
インターフェース101は、この無線通信装置100に接続される外部機器(例えば、パーソナル・コンピュータ(図示しない)など)との間で各種情報の交換を行なう。
データ・バッファ102は、インターフェース101経由で接続される機器から送られてきたデータや、無線伝送路経由で受信したデータをインターフェース101経由で送出する前に一時的に格納しておくために使用される。
中央制御部103は、無線通信装置100における一連の情報送信並びに受信処理の管理と伝送路のアクセス制御を一元的に行なう。本実施形態では、基本的には、CSMAに基づくランダム・アクセス、又は帯域予約に基づくメディア・アクセス制御を行なうとともに、他の通信局との間で優先通信をハンドルすることができる。
送信データ生成部104は、自局から周辺局宛てに送信されるパケット信号やビーコン信号を生成する。ここで言うパケットには、データ・パケットの他、受信先の通信局の送信要求パケットRTSや、RTSに対する確認応答パケットCTS、ACKパケットなどが挙げられる。例えばデータ・パケットは、データ・バッファ102に蓄積されている送信データを所定長だけ切り出し、これをペイロードとしてパケットが生成される。
無線送信部106は、送信信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)など所定の変調方式で変調する変調器や、デジタル送信信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、アナログ送信信号を周波数変換してアップコンバートするアップコンバータ、アップコンバートされた送信信号の電力を増幅するパワーアンプ(PA)など(いずれも図示しない)を含み、所定の伝送レートにて、伝送レートにてパケット信号の無線送信処理を行なう。
無線受信部110は、アンテナ109を介して他局から受信した信号を電圧増幅する低雑音アンプ(LNA)や、電圧増幅された受信信号を周波数変換によりダウンコンバートするダウンコンバータ、自動利得制御器(AGC)、アナログ受信信号をデジタル変換するA/D変換器、同期獲得のための同期処理、チャネル推定、OFDMなどの復調方式により復調処理する復調器など(いずれも図示しない)で構成される。
アンテナ109は、他の無線通信装置宛に信号を所定の周波数チャネル上で無線送信し、あるいは他の無線通信装置から送られる信号を収集する。本実施形態では、単一のアンテナを備え、送受信をともに並行しては行なえないものとする。
タイミング制御部107は、無線信号を送信並びに受信するためのタイミングの制御を行なう。例えば、自己のパケット送信タイミングやRTS/CTS方式に則った各パケット(RTS、CTS、データ、ACKなど)の送信タイミングの制御(直前のパケット受信から自局がパケットを送信するまでのフレーム間隔IFSや、競合伝送時におけるバックオフの設定など)、他局宛てのパケット受信時におけるNAVの設定、ビーコンの送受信などのタイミング制御を行なう。
受信データ処理部112は、他局から受信できたパケット信号(RTS、CTS信号の解析を含む)や、ビーコン信号を解析する。
情報記憶部113は、中央制御部103において実行される一連のアクセス制御動作などの実行手順命令プログラムや、受信したパケットやビーコンの解析結果から得られる情報などを蓄えておく。例えば、ビーコンを解析して得られる近隣局の端末情報は、端末情報テーブル(後述)として情報記憶部113に格納され、データ送信時の宛先局やデータの種類を決定するための処理において適宜利用される。
本実施形態では、無線通信装置100には、動作レベル0から動作レベル3までの4段階の動作レベル(Activity Level)が定義されている。動作率などに基づいて動作レベルを遷移させることによって、通信動作に支障を生じさせることなく装置自体の省電力化を図ることができる。
動作レベル0は、他局との間で情報や信号を送受信していない状態に相当する。ビーコンの送信とビーコン送信タイミング近辺で無線受信部110を動作させているだけの状態である。この状態にて、上位レイヤから送信すべきデータが発生した場合、あるいは他局から呼び出された場合には、動作レベル1へと変遷する。
動作レベル1では、特定の通信局(あるいはすべての近隣局)との間で最低限の帯域で送受信を行なう状態に相当する。ビーコンの送受信に関しては互いに送受信処理を行ない、これに起因してデータなどが送受信される状態である。送受信すべきデータ量が動作レベル1でハンドルするには多量になったと判断される場合には、動作レベル2へと変遷する。
動作レベル2では、スーパーフレーム毎に送信されるビーコンの送信時刻の合間に離散的に送信トリガを生成し、送信トリガがかかった時点においてもデータの送受信を行なう状態である。送受信すべきデータ量が動作レベル2でハンドルするには多量になってきたと判断される場合には、動作レベル3へと変遷する。
動作レベル3では、全時間帯において、データの送受信を行なう状態に相当する。送信局並びに受信局は、連続的に送受信動作を行ない、送信側で送信すべきデータが発生すると直ちに送信手順を起動する。
各動作レベルにおいて、送信すべきデータ量が少量になってきたと判断される時間が十分長くなったと判断される場合(例えばタイマーで管理)には、一つ下の動作レベルへと変遷する。
本実施形態に係る無線ネットワークでは、上述したような動作レベルが区々に設定されている複数の通信局で構成されている。各通信局は、周辺局に関する動作レベルを含む端末情報を端末情報テーブルとして管理している。そして、送信データが発生したときには、送信データ種別と送信先端末の選択を行なう際に、各通信局の動作レベルを参照し、最低動作レベルの通信局が存在し、その局宛の送信権が設定されている場合には優先的にデータ送信を行なうことによって、ネットワーク全体のレスポンスと、レスポンス増加によるスループット増加を図るようにしている。
本発明の実施形態に係る無線通信装置の構成は図8に示した通りであるが、図9には、送信データ種別と送信先端末の選択を行なうための機能構成に着目して装置内部の構成を描いている。
図9に示す例では、無線通信装置は、物理レイヤ処理部11と、MACレイヤ送信制御部12と、MACレイヤ受信制御部13と、コマンド・バッファ14と、優先送信バッファ15と、通常送信バッファ16と、送信バッファ制御部17と、受信バッファ18と、上位レイヤ処理部19と、端末情報テーブル20を備えている。図示の通り、送信バッファは、コマンド・バッファ14と、優先送信バッファ15と、通常送信バッファ16の3種類が用意され、各バッファ14〜16は送信先となる通信局(端末)毎に用意される。
物理レイヤ処理部17は、無線送信部106及び無線受信部110に相当する。すなわち、アンテナより受信した無線信号をベースバンド処理により復調したデジタル信号としてMACレイヤ受信制御部13へデータを受け渡す処理、並びに、MACレイヤ送信制御部12から受け取ったデジタル信号に変調を施し、その後アナログ信号としてアンテナから放射する処理を行なう。
MACレイヤ送信制御部12と、コマンド・バッファ14と、優先送信バッファ15と、通常送信バッファ16と、送信バッファ制御部17は、送信データ生成部104に相当する。また、MACレイヤ受信制御部13と受信バッファ18は、受信データ処理部112に相当する。また、端末情報テーブル20は、情報記憶部113に格納されている。
MACレイヤ送信制御部12では、これまで受信した情報より構成される端末情報テーブル20を用いてデータの送信タイミングを決定し、誤り検出符号を付加して物理レイヤ処理部11へと送信データを受け渡す処理を行なう。
本実施形態では、MACレイヤ送信制御部12は、送信先となる通信局(端末)毎に送信カウンタを用意し、送信権が存在する通信局を管理しており、データ送信の宛先局を選択する際に、送信カウンタを利用して宛先局にたいする送信権があるかどうかを判断する。周辺局からデータを受信したとき、その受信データの解析結果に基づいて該当する送信カウンタが更新される。但し、送信するデータの宛先局及びデータの種類を選択する処理については後に詳解する。
コマンド・バッファ14には、主に上位レイヤやMAC間制御を行なうコマンド・データがバッファリングされる。
優先送信バッファ15には、主に等時性データである場合に送信データがバッファリングされる。
通常送信バッファ16には、主に非等時性データである場合に送信データがバッファリングされる。
送信バッファ制御部17は、上位レイヤから得られる送信データがコマンドである場合には、データ・バスをコマンド・バッファ14に接続し、等時性データである場合にはデータ・バスを優先送信バッファ15に接続し、非等時性データである場合はデータ・バスを通常送信バッファ16に接続し、それぞれのデータの格納先を切り替える機能を有する。
端末情報テーブル20には、同一ネットワークに属する各通信局の詳細が格納されている。周辺局の情報は、例えば各局から受信したビーコンを解析することにより得られる。図10には、端末情報テーブルの構成例を示している。同テーブルは、通信局毎に1ずつレコードを用意し、各レコードに格納する情報としては、例えば、該当通信局のMACアドレス、ビーコン送受信フラグ、ビーコン送受信時間、受信動作レベル、送信動作レベルなどが挙げられる。
図11には、送信するデータの宛先局、及びデータの種類を決定するための処理手順をフローチャートの形式で示している。この処理動作は、実際には、無線ネットワーク内で通信局として動作する無線通信装置100において、中央処理部103が所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。
データを送信できるか否かは、チャネル上にキャリアが存在するか否かを判別する(ステップS1)。ここで、チャネル上にキャリアが存在している場合はキャリアフリーになり、アクセス方式による適切なタイミングまで送信を待機する必要がある。
チャネル上にキャリアが存在せず、アクセス方式による適切な送信タイミングとなった時点で、端末情報テーブルを参照し、省電力モード端末が存在するかどうか判別する。省電力モード端末が存在する場合には、その省電力モード端末が現在受信動作を行なっているか判別し、その上でその端末宛への送信権があるかどうかを判別する(ステップS2)。
ここで言う省電力モードの端末とは、システム中で最低限のトラフィックのやりとり、すなわち動作レベル0(前述)での通信動作を自律的に行なっている端末を示し、図11に示した端末上テーブルではSTA−1のような端末が省電力モードの端末に相当する。同図に示す例では、STA−1は受信動作レベル及び送信動作レベルはともに0となっている。
端末への送信権があるかどうかを判別する手順は、送信データの種別に応じて異なる。図12には、コマンド・データを送信する場合の各端末への送信権を設定するための処理手順をフローチャートの形式で示している。また、図13には、コマンド・データ以外の優先送信データと通常送信データを送信する場合の各端末への送信権を設定するための処理手順をフローチャートの形式で示している。いずれの場合も、端末の送信カウンタ(前述)がセットされているかどうかを以って送信権の有無を判別する。
まず、図12を参照しながら、コマンド・データを送信する場合の各端末への送信権を設定する手順について説明する。
通信局は、各端末についてのコマンド・データの送信カウンタは、当該端末よりビーコンを受信したとき(ステップS21)、自局がビーコンを送信するとき(ステップS22)、あるいは、当該端末よりあるデータを受信した際に(ステップS23)、所定値にセットされる(ステップS25)。また、送信カウンタの値が0以上である場合に、カウントダウンが行なわれる(ステップS24)。そして、送信カウンタが0以上である場合、当該端末宛てのコマンド・データの送信権が存在していることに等しい。
次いで、図13を参照しながら、コマンド・データ以外の優先送信データと通常送信データを送信する場合の各端末への送信権を設定する手順について説明する。
通信局は、各端末についての優先送信データ及び通常送信データの送信カウンタは、自局がビーコンを送信するとき(ステップS31)、あるいは、当該端末よりあるデータを受信した際に(ステップS32)、所定値がセットされる(ステップS33)。また、その値が0以上である場合にカウントダウンが行なわれる(ステップS34)。そして、送信カウンタが0以上である場合には、当該端末宛ての優先送信データ、通常送信データの送信権が存在していることに等しい。
図12並びに図13に示した処理手順に従って、省電力モード端末宛ての送信権があるかどうかを判別することができる。ここで、図11に戻って、省電力モード端末宛ての送信権の有無が判断された以降の処理について説明する。
省電力モードで動作する端末宛ての送信権があるかどうかを判別する(ステップS2)。省電力モードで動作する端末宛ての送信権があると判別された場合には、続いて、当該端末宛てのコマンド・データが存在するかどうかを判別する(ステップS3)。そして、当該端末宛てに送信すべきコマンド・データが存在する場合は、そのコマンド・データを最優先に送信を行なう(ステップS4)。
なお、図11に示した処理手順では、コマンド・データの送信のみ優先して送信する例を示しているが、コマンド・データが存在せず優先送信データが存在する場合はその優先送信データを送信しても構わない。また、コマンド・データが存在せず通常送信データが存在する場合は通常送信データを送信しても構わない。
一方、省電力モード端末への送信権が無いと判別された場合には(ステップS2)、TPP期間を利用した優先送信、あるいはFAP期間を利用したCSMAに基づくランダム・アクセスにより、当該端末へのデータ送信を行なう。
この場合、まず、通信局は自局に優先送信権があるかどうかを判別する(ステップS5)。通信局の優先送信権はネットワーク上であらかじめ決められたタイミングで得ることができる。例えば、自ビーコンの送信後と設定もできるし、自局の送信ビーコンに優先送信権の開始時間と終了時間を記載するようにしても構わない。
通信局は、自局に優先送信権がある場合には、まず送信可能なコマンド・データがあるかどうかを判別する(ステップS6)。ここで言う送信可能という意味は、端末情報テーブル(図10を参照のこと)に記載されている端末宛のコマンド・バッファ14にデータがバッファリングされていて、且つ送信権が設定されていることを意味する。
複数の端末宛にコマンド・データがバッファリングされていて、なお且つ送信権が設定されている場合は、適当な方法で送信先を決定する。そして、送信可能なコマンド・データを送信可能端末へ送信する(ステップS9)。なお、コマンド・データの送信先を決定するための処理手順については後述に譲る。
また、自局に優先送信権がある場合で送信可能なコマンド・データが存在しない場合には、次に送信可能な優先送信データがあるかどうかを判別する(ステップS7)。コマンド・データ同様に、複数の端末宛てに優先送信データがバッファリングされている場合には、適当な方法を用いて送信先を決定する(ステップS10)。
また、自局に優先送信権がある場合で送信可能なコマンド・データ及び優先送信データが存在しない場合には、次に送信可能な通常送信データがあるかどうかを判別する(ステップS8)。コマンド・データ、優先送信データの場合と同様に、複数の端末宛てに通常送信データがバッファリングされている場合には、適当な方法を用いて送信先を決定する(ステップS11)。
また、自局に優先送信権がある場合で送信可能なデータが一切無い場合は、ステップS1に復帰し、送信データがバッファリングされるまで待機する。
一方、自局に優先送信権が無い場合には、まず送信可能なコマンド・データがあるかどうかを判別する(ステップS12)。複数の端末宛てに送信可能なコマンド・データがバッファリングされている場合は、適当な方法を用いて送信先を決定する(ステップS9)。
また、自局に優先送信権が無い場合で送信可能なコマンド・データが存在しない場合には、次に送信可能な通常送信データがあるかどうかを判別する(ステップS13)。コマンド・データの場合と同様に、複数の端末宛に通常送信データがバッファリングされている場合は適当な方法を用いて送信先を決定する(ステップS11)。
また、自局に優先送信権が無い場合で送信可能なコマンド・データも通常送信データも存在しない場合には、次に送信可能な優先送信データがあるかどうかを判別する(ステップS14)。コマンド・データ、通常送信データの場合と同様に、複数の端末宛てに優先送信データがバッファリングされている場合には適当な方法を用いて送信先を決定する(ステップS10)。
また、自局に優先送信権がない場合で送信可能なデータが一切無い場合には、ステップS1に復帰し、送信データがバッファリングされるまで待機する。
ここで、上記のステップS6又はステップS12において、複数の端末宛にコマンド・データがバッファリングされていて、なお且つ送信権が設定されていると判断された場合には、適当な方法で送信先を決定しなくてはならない。図14及び図15には、この場合に送信先を決定するための処理手順の例をそれぞれフローチャートの形式で示している。
図14に示す例では、送信可能な端末の中から送信バッファ量が最大のものを選択し(ステップS42)、送信先として決定する(ステップS43)。
また、図15に示す例では、送信可能な端末の中から、送信先が偏らないように、ラウンドロビン方式で決定する。すなわち、送信カウンタがセットされている通信局の中から(ステップS52)、送信先を順次選択する(ステップS54)。
送信先の決定方法として、他にも上位レイヤが送信先を優先的に決定しておき、その優先度に従って送信先を決定する方法もある。
図16には、本発明に係る無線通信システムにおけるシステム動作の一例を示している。同図に示す例では、複数の端末に送信権が設定されている場合の端末選択方法として、データのバッファリング量が最大である端末を選択している。図16に示すシステム動作は図10に示した端末情報テーブルを基にした動作例である。
但し、同図では、図面の簡素化のため、特定の通信局STA−0から他の複数の通信局STA−1、STA−2、STA−3への送信のみ行ない、受信を行なっていない場合を例示しているが、実際の動作ではこれに限るものではない。また、図示の例では、送信権を得てから1回のみ、バッファされた1つのデータを送信しているが、実際の動作ではこれに限るものではない。また、バッファされているデータの種類が設定されていないが、実際の動作ではこれに限るものではない。
図16(a)に示す区間では、通信局STA−0は、自局のビーコン送信が行なわれる。STA−1の受信動作レベルは0であるため、STA−1宛ての送信権は設定されない。これに対し、STA−2、STA−3の受信動作レベルは1以上であるため、これらの通信局への送信権が設定される。送信局として送信データのバッファリング量が最大のものが選択されるので、当該区間(a)ではSTA−2宛のデータ送信が行なわれる。
図16(b)に示す区間では、STA−1のビーコン送信が行なわれる。このとき、STA−1及びSTA−2宛の送信権が設定される。ここでは、送信先の通信局として送信データのバッファリング量が最大のものが選択されるが、STA−1は省電力モード下であるため、STA−2のバッファリング量がSTA−1のバッファリング量よりも多くても、STA−1へのデータ送信が優先される。
図16(c)に示す区間では、STA−2のビーコン送信が行なわれる。このとき設定される送信権はSTA−2宛のみであるので、STA−2宛てのデータ送信が行なわれる。
図16(d)に示す区間では、STA−3のビーコン送信が行なわれる。このとき、STA−2及びSTA−3宛ての送信権が設定される。ここでは、送信先の通信局として送信データのバッファリング量が最大のものが選択されるため、当該区間(d)ではSTA−2宛てのデータ送信が行なわれる。
また、図17には、本発明に係る無線通信システムにおけるシステム動作についての他の例を示している。同図に示す例では、複数の端末に送信権が設定されている場合の端末選択方法として、送信先端末を一様に選択するようにラウンドロビン方式を用いて送信先端末を選択している。図17に示すシステム動作は図10に示した端末情報テーブルを基にした動作例である。
但し、同図では、図面の簡素化のため、特定の通信局STA−0から他の複数の通信局STA−1、STA−2、STA−3への送信のみ行ない、受信を行なっていない場合を例示しているが、実際の動作ではこれに限るものではない。また、図示の例では、送信権を得てから1回のみ、バッファされた1つのデータを送信しているが、実際の動作ではこれに限るものではない。また、バッファされているデータの種類が設定されていないが、実際の動作ではこれに限るものではない。
図17(a)に示す区間では、通信局STA−0は、自局のビーコン送信が行なわれる。STA−1の受信動作レベルは0であるため、STA−1宛ての送信権は設定されない。これに対し、STA−2、STA−3の受信動作レベルは1以上であるため、これらの通信局への送信権が設定される。送信局として送信データのバッファリング量が最大のものが選択されるため、当該区間(a)ではSTA−2宛てのデータ送信が行なわれる。
図17(b)に示す区間では、通信局STA−1のビーコン送信が行なわれる。このとき、STA−1及びSTA−2宛ての送信権が設定される。ここでは、送信先の通信局として送信データのバッファリング量が最大のものが選択されるのだが、STA−1は省電力モード端末であるため、STA−2のバッファリング量がSTA−1のバッファリング量よりも多くても、STA−1へのデータ送信が優先される。
図17(c)に示す区間では、通信局STA−2のビーコン送信が行なわれる。このとき設定される送信権はSTA−2宛のみであるので、STA−2宛てのデータ送信が行なわれる。
図17(d)に示す区間では、通信局STA−3のビーコン送信が行なわれる。このとき、STA−2及びSTA−3宛ての送信権が設定される。ここでは、送信先の通信局の選択は、STA−1→STA−2→STA−3というラウンドロビン方式によって行なわれるため、前回送信したSTA−2の次の端末であるSTA−3が送信先端末として選択されるため、当該区間(d)では、STA−3宛てのデータ送信が行なわれる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、自律分散型の無線ネットワークに本発明を適用した実施形態を主として説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。例えば、伝送路を時分割で共有するその他の形態の無線通信システムにおいても、同様に本発明を好適に適用することができる。
また、各通信局が複数の周波数チャネル上をホッピングして通信を行なうマルチチャネル型の通信システムに対しても、各チャネルにおけるメディア・アクセス制御において本発明を適用することができる。
また、本明細書では、無線LANを例にして本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、より低いSNR環境での信号送受信を行なうウルトラワイドバンド(Ultra Wide Band)のような通信方式に対しても、本発明を好適に適用することが可能である。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
図1は、本発明の実施形態に係る無線ネットワークにおいて各通信局がビーコン送信間隔を設定する手順を示した図である。 図2は、1スーパーフレーム内で配置可能なビーコン送信タイミングの構成例を示した図である。 図3は、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示した図である。 図4は、ビーコン送信局に優先送信期間TPPを与える場合のスーパーフレーム周期(T_SF)の構成例を示した図である。 図5は、フレーム間隔の設定例を示した図である。 図6は、通信局がTPP区間及びFAP区間においてそれぞれ適当なフレーム間隔を以って送信を開始するための動作を説明するための図である。 図7は、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図を示した図である。 図8は、本発明の実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の構成を模式的に示した図である。 図9は、無線通信装置の送信データ種別と送信先端末の選択を行なうための機能構成を示した図である。 図10は、端末情報テーブルの構成例を示した図である。 図11は、送信するデータの宛先局、及びデータの種類を決定するための処理手順を示したフローチャートである。 図12は、コマンド・データを送信する場合の各端末への送信権を設定するための処理手順を示したフローチャートである。 図13は、コマンド・データ以外の優先送信データと通常送信データを送信する場合の各端末への送信権を設定するための処理手順を示したフローチャートである。 図14は、複数の端末宛にコマンド・データがバッファリングされていて、なお且つ送信権が設定されていると判断された場合において、送信先を決定するための処理手順を示したフローチャートである。 図15は、複数の端末宛にコマンド・データがバッファリングされていて、なお且つ送信権が設定されていると判断された場合において、送信先を決定するための処理手順を示したフローチャートである。 図16は、本発明に係る無線通信システムにおけるシステム動作の一例を示した図である。 図17は、本発明に係る無線通信システムにおけるシステム動作の他の例を示した図である。 図18は、IEEE802.11で用いられるCSMA/CAに基づくアクセス動作手順を示した図である。 図19は、IEEE802.11において定義されている4種類のフレーム間隔を説明するための図である。 図20は、PCF機能を用いたデータ転送シーケンスを示した図である。
符号の説明
11…物理レイヤ処理部
12…MACレイヤ送信制御部
13…MACレイヤ受信制御部
14…コマンド・バッファ
15…優先送信バッファ
16…通常送信バッファ
17…送信バッファ制御部
18…受信バッファ
19…上位レイヤ処理部
20…端末情報テーブル
100…無線通信装置
101…インターフェース
102…データ・バッファ
103…中央制御部
104…送信データ生成部
106…無線送信部
107…タイミング制御部
109…アンテナ
110…無線受信部
112…受信データ処理部
113…情報記憶部

Claims (20)

  1. 所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが異なる複数の動作レベルを持つ通信局が通信動作を行なう無線通信システムであって、
    データ送信元の通信局は、送信先となる通信局が複数ある場合には、該複数の送信先通信局のうち所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局宛てのデータ送信を優先して行なう、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. データ送信元の通信局は、所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが短い動作レベルの通信局宛に優先して送信すべきデータを保持する第1の送信データ・バッファと、それ以外の送信データを保持する第2の送信データ・バッファを備え、前記第1の送信データ・バッファに保持されている送信データのうち所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局宛てのデータを優先してデータ送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. データ送信元の通信局は、上位レイヤやMAC間制御を行なうコマンド・データを前記第1の送信データ・バッファに格納する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 通信局は、優先送信権を持つ優先送信期間と、通常のデータ伝送を行なう通常データ送信期間を備え、所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが短い動作レベルの通信局宛に優先して送信すべきデータ以外のデータとして、優先送信期間に送信すべきデータと通常のデータ送信期間に送信すべきデータとを分けてバッファリングし、優先送信期間において優先送信期間に送信すべきデータを優先して送信する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  5. 通信局は、等時性データを優先送信期間に送信すべきデータとして保持し、非等時性データを通常のデータ送信期間に送信すべきデータとして保持する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 前記第2の送信データ・バッファに複数の送信先に対する送信データが保持されている場合には、最も大量のデータが格納されている通信局を選択してデータ送信を行なう、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  7. 前記第2の送信データ・バッファに複数の送信先に対する送信データが保持されている場合には、ラウンドロビン方式で通信局を選択してデータ送信を行なう、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  8. データ送信元の通信局は、所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局に対する送信権の有無を管理する送信権管理手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  9. 各通信局はビーコン信号を報知し合い、
    前記送信権管理手段は、送信カウンタを備え、送信先通信局からのビーコンを受信したとき、自局がビーコンを送信したとき、又は送信先通信局からデータを受信したときに当該送信先通信局に対する送信カウンタを所定値に設定するとともに、これら以外のときに送信カウンタをカウントダウンし、所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局が0より大きな送信カウンタ値を持つときには当該通信局宛ての送信権を持つと判断する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
  10. 所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが異なる複数の動作レベルを持つ通信局が通信動作を行なう無線通信環境下でデータ伝送を行なう無線通信装置であって、
    通信チャネル上で無線データを送受信する通信手段と、
    各通信局の動作レベルを含む端末情報を管理する端末情報管理手段と、
    端末情報に基づいてデータ送信動作を制御する通信制御手段とを備え、
    前記通信制御手段は、送信先となる通信局が複数ある場合には、該複数の送信先通信局のうち所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局宛てのデータ送信を優先して行なう、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  11. 前記通信手段は、所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが短い動作レベルの通信局宛に優先して送信すべきデータを保持する第1の送信データ・バッファと、それ以外の送信データを保持する第2の送信データ・バッファを備え、
    前記通信制御手段は、前記第1の送信データ・バッファに保持されている送信データのうち所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局宛てのデータを優先してデータ送信する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  12. 前記通信手段は、上位レイヤやMAC間制御を行なうコマンド・データを前記第1の送信データ・バッファに格納する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 優先送信権を持つ優先送信期間と、通常のデータ伝送を行なう通常データ送信期間を備え、
    前記通信手段は、所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが短い動作レベルの通信局宛に優先して送信すべきデータ以外のデータとして、優先送信期間に送信すべきデータと通常のデータ送信期間に送信すべきデータとを分けてバッファリングし、
    前記通信制御手段は、優先送信期間において優先送信期間に送信すべきデータを優先して送信する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  14. 前記通信手段は、等時性データを優先送信期間に送信すべきデータとして保持し、非等時性データを通常のデータ送信期間に送信すべきデータとして保持する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の無線通信装置。
  15. 前記通信制御手段は、前記第2の送信データ・バッファに複数の送信先に対する送信データが保持されている場合には、最も大量のデータが格納されている通信局を選択してデータ送信を行なう、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  16. 前記通信制御手段は、前記第2の送信データ・バッファに複数の送信先に対する送信データが保持されている場合には、ラウンドロビン方式で通信局を選択してデータ送信を行なう、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  17. データ送信元の通信局は、所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局に対する送信権の有無を管理する送信権管理手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  18. ビーコン信号を報知する手段と、他局から受信したビーコン信号を解析する手段をさらに備え、
    前記送信権管理手段は、送信カウンタを備え、送信先通信局からのビーコンを受信したとき、自局がビーコンを送信したとき、又は送信先通信局からデータを受信したときに当該送信先通信局に対する送信カウンタを所定値に設定するとともに、これら以外のときに送信カウンタをカウントダウンし、所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局が0より大きな送信カウンタ値を持つときには当該通信局宛ての送信権を持つと判断する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信装置。
  19. 所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが異なる複数の動作レベルを持つ通信局が通信動作を行なう無線通信環境下でデータ伝送を行なう無線通信方法であって、
    各通信局の動作レベルを含む端末情報を管理する端末情報管理ステップと、
    送信先となる通信局が複数ある場合には、該複数の送信先通信局のうち所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局宛てのデータ送信を優先して行なう通信制御ステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  20. 所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが異なる複数の動作レベルを持つ通信局が通信動作を行なう無線通信環境下でデータ伝送を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    各通信局の動作レベルを含む端末情報を管理する端末情報管理ステップと、
    送信先となる通信局が複数ある場合には、該複数の送信先通信局のうち所定のフレーム周期内で送受信動作を行なう時間の長さが最も短い動作レベルの通信局宛てのデータ送信を優先して行なう通信制御ステップと、
    を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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