JP5104702B2 - ハイブリッド車の回生制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関とモータとを動力源として備えたハイブリッド車におけるエネルギ回生を制御するための装置に関し、特にいわゆるばね上制振を行うモータの制御が蓄電装置による制限を受けている場合の制御を行う装置に関するものである。
モータは制御応答性が良好であり、しかも正トルクおよび負トルクを出力できるので、内燃機関と併せてモータを動力源として搭載しているハイブリッド車では、多様な制御が可能である。例えば、ガソリンエンジンなどの内燃機関の回転数を第1のモータ・ジェネレータによって制御し、その第1のモータ・ジェネレータで発生した電力によってモータを駆動して、内燃機関およびモータを駆動力源とするように構成された例が知られている。また、内燃機関とインホイールモータとを備えている車両は、車輪ごとにモータを設け、各車輪の駆動力を個別に制御できるように構成されている。
ハイブリッド車はこのように複数の駆動力源を備えているので、いずれかの駆動力源が出力したトルクに、他の駆動力源のトルクを加えたり、あるいは反対にいずれかの駆動力源が出力したトルクの一部を他の駆動力源で吸収したりすることができる。このような機能を利用して各種の制御が、従来、行われており、インホイールモータ式の車両において、車体の上下振動による接地荷重の変動を抑制するために、前輪と後輪とのいずれか一方の駆動力を他方の駆動力とは反対方向に生じさせるように構成された装置が、例えば特許文献1に記載されている。
また、バッテリの残存量が空充電の場合および満充電の場合のエンジンブレーキに関する制御が、特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載された装置は、バッテリが空充電状態の減速時にエンジンのスロットルバルブを開いてそのフリクションロスを低減することにより、エンジンによる制動力を小さくしてジェネレータによるエネルギ回生の効率を向上させ、また反対に満充電状態での減速時には、ジェネレータによるエネルギ回生を行うことができないので、エンジンのスロットルバルブを閉じてエンジンによる制動力を増大させるように構成されている。
特開2007−124868号公報 特開2000−282908号公報
モータを駆動力源の一つとして搭載しているハイブリッド車では、モータを振動抑制やエネルギ回生などの多様の用途に使用することにより、燃費や乗り心地などを改善することができる。しかしながら、そのような制御は、モータを発電機として機能させてバッテリなどの蓄電装置に対して充電することにより行われ、あるいは蓄電装置からモータに給電して駆動力を出力させることによって行われるので、蓄電装置の耐久性や蓄電装置を使用する他の制御との関係で蓄電装置に対する充電や蓄電装置からの放電が制限されている場合には、前記の振動抑制制御や回生制御などのモータを使用した制御が制限されることがある。
例えば、内燃機関と第1のモータ・ジェネレータとを差動作用のある動力分割機構を介して連結するとともに、その動力分割機構における出力要素に第2のモータ・ジェネレータを連結したハイブリッド駆動装置においては、車両が減速する場合に第2のモータ・ジェネレータを発電機として機能させてエネルギ回生を行い、その発電に要するトルクを制動トルクとするいわゆる回生制動が行われる。その場合、蓄電装置が既にある程度以上に充電されていることにより、蓄電装置への充電が制限されていると、第2のモータ・ジェネレータで発生した電力のうち蓄電装置に充電できない電力を第1のモータ・ジェネレータに供給してこれをモータとして駆動する。こうすることにより、燃料の供給および点火を休止している内燃機関を強制的に回転させることにエネルギを消費できるので、回生制動力を維持できる。
蓄電装置に対する充電の制限によって車両の回生制動時に内燃機関を強制的に連れ回している場合、回生トルクを発生している第2のモータ・ジェネレータで発電した電力は、蓄電装置と第1のモータ・ジェネレータとに供給される。その蓄電装置の充電容量(SOC)は時々刻々変化し、それに伴って蓄電装置に対する充電制限量も変動するので、充電容量の変化すなわち充電制限量の変化に伴って第1のモータ・ジェネレータが発生するトルクが変化する。第1のモータ・ジェネレータは内燃機関の回転数を引き上げるように作用しているから、そのトルクが変化すると、内燃機関の回転数が変化することになる。しかしながら、その場合、運転者はアクセルペダルを踏み込むなどの加速操作を行っていないから、内燃機関の回転数が変化すると、運転者の意図しない挙動の変化、あるいは操作を行っていない挙動の変化が生じることになるので、運転者に違和感を与える原因となる。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、ハイブリッド車において、いわゆるばね上制振制御と内燃機関の回転数を回生エネルギによって引き上げている回生制動とを行っている状態での内燃機関の回転数の変動を抑制して違和感を生じさせることなく回生制動を行うことができる回生制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関と、その内燃機関の回転数を制御するための第1モータと、車両の慣性エネルギを回生して発電する第2モータと、これら第1モータおよび第2モータとの間で電力を授受する蓄電装置とを有するハイブリッド車の回生制御装置において、前記第1モータおよび第2モータの少なくともいずれか一方のモータによって前記車両のばね上振動を抑制する制振制御の実行中であることを判断する制振判断手段と、前記ハイブリッド車を走行させるための前記第1モータもしくは第2モータによるモータトルクに加減される、前記ばね上振動を抑制する制振トルクの上下限の制限を行うガード手段と、前記ハイブリッド車の慣性エネルギで前記第2モータを駆動して発電する回生制動時に前記蓄電装置が受け入れる電力が制限されることにより前記第2モータで発電した電力の一部を前記第1モータに供給して第1モータにより前記内燃機関を強制的に回転させている回生状態を判断する判断手段と、前記制振制御中であることの判断が成立し、かつ前記回生状態であることの判断が成立した場合に、前記ガード手段による前記ばね上振動を抑制する前記制振トルクの制限値を小さくして前記制振トルクの変動量を相対的に小さくするガード値制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ガード値制御手段は、前記車両の車速が速い場合には遅い場合に比較して前記制限値を相対的に小さくするように構成されていることを特徴とするハイブリッド車の回生制御装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記制振トルクが加減された前記モータトルクの上限値と下限値との少なくとも一方の制限を行うモータトルクガード手段を更に備え、前記ガード手段での制限値と前記モータトルクガード手段の制限値とが互いに異なっていることを特徴とするハイブリッド車の回生制御装置である。
請求項1の発明によれば、車両が惰性走行しているなど内燃機関が動力を出力していない場合、第2モータが車両の慣性エネルギで駆動されて発電し、エネルギ回生を行う。その電力は、蓄電装置での受け入れが制限されている場合に第1モータに供給され、第1モータが内燃機関の回転数を引き上げるように駆動されて、第1モータで電力が消費される。また、ばね上振動を抑制する制振制御が実行されている場合、いずれかのモータが駆動トルクを出力し、あるいはトルクを吸収し、したがって蓄電装置の充電もしくは放電が生じる。こうして制動を行っている状態で蓄電装置の受け入れることの可能な電力量、すなわち電力制限量が変動するが、ばね上振動を抑制する制振トルクの制限値が小さくされ、その変動幅もしくは変動量が小さくなる。そのため、内燃機関の回転数を制御している第1モータに供給される電力の変動が防止もしくは抑制され、その結果、内燃機関の回転数が維持され、もしくはその回転数が過度に変動することがなくなり、違和感などを防止することができる。
請求項2の発明によれば、エネルギ量の多い高車速時には、制振制御時のモータトルクの制限値が、より小さく設定されるので、第2モータによる動力変動が大きい場合であっても内燃機関の回転数の変動を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、ばね上振動を抑制するための制振トルクが加減されるモータトルクの上限値と下限値との少なくとも一方が制限され、その制限値は前記ガード手段による制限値とは異なっている。したがって、前記ガード手段によるトルクの制限が、モータトルクに影響しないので、ハイブリッド車の走行に影響が及ぶことがなく、またモータトルクをいわゆるガード処理を行うことができるので、モータやその制御機器などの耐久性を向上させることができる。
この発明で対象とするハイブリッド車は内燃機関とモータとを駆動力源とする車両であり、特に駆動力源として内燃機関と二つのモータとを備えている車両に適用することができる。その駆動系統(パワートレーン)の構成について説明すると、図4はその駆動系統の一例であるハイブリッド駆動機構を模式的に示しており、内燃機関(E/G)1と第1モータ・ジェネレータ(MG1)2とが、動力分割機構3を介して互いに連結されている。その内燃機関1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、水素ガスエンジン、天然ガスエンジンなどのいずれかであって、特に回転数や出力トルクに応じて燃料消費量(もしくは燃料消費率)が変化する。したがって燃費を重視した運転を行う場合には、回転数および出力トルクが個別に制御される内燃機関1である。
この種の内燃機関1の典型的な例がガソリンエンジンであり、以下の説明では内燃機関1をエンジン1と記す。ガソリンエンジンの場合、出力トルクは吸気量によって制御され、より具体的には電子スロットルバルブ4によって制御される。なお、ディーゼルエンジンの場合には燃料噴射量によって出力トルクが制御される。
上記のエンジン1と第1モータ・ジェネレータ2とは、第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン1の回転数を制御するように構成されている。すなわち、動力分割機構3は三つの回転要素が互いに差動作用を行う差動機構によって構成されており、図4に示す例は、シングルピニオン型遊星歯車機構によって動力分割機構3を構成した例である。この動力分割機構3における反力要素であるサンギヤ3Sに第1モータ・ジェネレータ2が連結され、そのサンギヤ3Sと同心円上に配置されている内歯歯車であるリングギヤ3Rが出力要素となっている。そして、これらサンギヤ3Sとリングギヤ3Rとに噛み合っているピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持しているキャリヤ3Cが入力要素となっており、そのキャリヤ3Cにエンジン1が連結されている。
出力要素となっている上記のリングギヤ3Rは、出力軸5を介してデファレンシャル6に連結され、そのデファレンシャル6から左右の駆動輪7に動力を伝達するように構成されている。その出力軸5には、制振トルクや駆動トルクを付加し、またエネルギ回生を行うための第2モータ・ジェネレータ(MG2)8が連結されている。この第2モータ・ジェネレータ8がこの発明における第2モータに相当している。また、上記の第1モータ・ジェネレータ2がこの発明の第1モータに相当している。なお、リングギヤ3Rと出力軸5との間、あるいは第2モータ・ジェネレータ8と出力軸5との間に減速機や変速機を配置することもできる。
シングルピニオン型遊星歯車機構から構成されている上記の動力分割機構3についての共線図を図5に示しており、サンギヤ3Sを示す線とリングギヤ3Rを示す線との間にキャリヤ3Cを示す線が位置し、サンギヤ3Sを示す線とキャリヤ3Cを示す線との間隔を“1”とした場合、キャリヤ3Cを示す線とリングギヤ3Rを示す線との間隔がギヤ比ρに相当する間隔となっている。なお、ギヤ比ρは、動力分割機構3を構成している遊星歯車機構におけるサンギヤ3Sの歯数Zsとリングギヤ3Rの歯数Zrとの比(Zs/Zr)である。これら各回転要素を示す線上における基線からの距離がそれぞれの回転要素の回転数を示し、各回転要素の回転数を示す点を結んだ線は直線となる。なお、図5における矢印は、各回転要素のトルクの方向を示す。
エンジン1が動力を出力して走行している状態では、図5に示すように、リングギヤ3Rに走行抵抗などのいわゆる負のトルクが作用しており、また入力要素であるキャリヤ3Cにはエンジン1が出力したいわゆる正のトルクが作用している。この状態でサンギヤ3Sに負のトルク(サンギヤ3Sの回転数を減じる方向のトルク)を作用させると、リングギヤ3Rにはエンジントルクを増幅した正方向のトルクが作用し、これが走行抵抗などの負のトルクに打ち勝つことにより車両が走行する。そのサンギヤ3Sに作用させる負方向のトルクは、これに連結されている第1モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させることにより発生させることができる。この場合、図5から知られるように、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を低下させればエンジン回転数が低下し、また反対に第1モータ・ジェネレータ2の回転数を高くすればエンジン回転数が上昇する。すなわち、第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン回転数を制御することができる。
第1モータ・ジェネレータ2は上記のように、エンジン回転数の制御のために発電機として機能するが、これに加えて例えばエンジン1のモータリング(クランキング)のために電動機として機能させることも可能であり、このような機能もしくは動作の制御のために、第1モータ・ジェネレータ2はインバータ9を介してバッテリもしくはキャパシタなどの蓄電装置10に接続されている。また、第2モータ・ジェネレータ8は出力軸5に付加するトルクを制御し、またエネルギ回生の際には発電機として機能し、このような機能もしくは動作の制御のためにインバータ11を介して蓄電装置10に接続されている。そして、各モータ・ジェネレータ2,8の間で電力を相互に授受できるようになっている。
そして、前述した電子スロットルバルブ4の開度を制御することによるエンジン1の出力トルクの制御や、各インバータ9,11を介した各モータ・ジェネレータ2,8の制御などを行うためのハイブリッド(HV)コントローラ12が設けられている。このハイブリッドコントローラ12は、マイクロコンピュータを主体として構成された電子制御装置であり、入力されたデータおよび予め記憶しているデータならびにプログラムを使用して演算を行い、その演算の結果を電子スロットルバルブ4や各インバータ9,11に指令信号として出力するように構成されている。なお、このハイブリッドコントローラ12には、車速Vを示す検出信号、車輪速センサ13によって検出した車輪速信号、アクセルペダル14の踏み込み量を検出するアクセル開度センサ15からのアクセル開度信号などがデータとして入力されている。
上述した車両では、第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン1の回転数を制御するとともに、その第1モータ・ジェネレータ2で得られた電力を使用して第2モータ・ジェネレータ8を電動機として機能させることにより、出力軸5にトルクを付加するように構成されている。また、エネルギ回生を行うことも可能である。すなわち、車両が惰性走行している場合あるいは減速時に、エンジン1に対する燃料の供給および点火を停止し、その状態で第2モータ・ジェネレータ8を出力軸5から伝達されるトルクで駆動して発電機として機能させる。その結果、発電に要するトルクが出力軸5に対してその回転を止める方向の負のトルクとして作用し、制動力を生じさせることができる。また、発電された電力は蓄電装置10に供給されて充電される。
その場合、蓄電装置10の充電容量(SOC)が既にある程度十分になっていれば、蓄電装置10の耐久性の維持などの要請で、それ以上には充電することが制限される。すなわち、蓄電装置10で受け入れることのできる電力Winが制限される。このような電力制限がある場合には、第2モータ・ジェネレータ8で発生した電力もしくはその一部を第1モータ・ジェネレータ2に供給して第1モータ・ジェネレータ2をモータとして機能させる。そして、燃料の供給および点火が停止されているエンジン1をその第1モータ・ジェネレータ2によって強制的に回転させることにより、電力が消費され、こうすることにより第2モータ・ジェネレータ8によるエネルギ回生が継続されて回生制動力が維持される。
また、上記のハイブリッド車では、前述した第2モータ・ジェネレータ8によっていわゆるばね上制振を行うことができる。なお、ばね上制振とは、路面の凹凸に起因する振動を懸架装置(図示せず)によって抑制するばね下制振に対して、動力源から出力されるトルクの変動に起因する振動と、路面の凹凸に起因するばね上の振動とを抑制する制御である。
図6にばね上制振制御装置を説明するための制御ブロックを示してある。この制御ブロックは例えば前述したハイブリッドコントローラ12によって実行される制御を模式的に示したものであり、先ず、車両に対する要求トルクTtとエンジントルクTeとから主トルクTm1を求めるようになっている。ここで、要求トルクTtはばね上制振トルクを含まないトルクであり、一例として駆動力要求量と車速ならびにマップとから求めることができる。その駆動力要求量は、前述したアクセル開度や図示しないクルーズコントロールからの要求信号で表されるものである。また、マップは車両の特性を決めているものであって、駆動力要求量と車速とをパラメータとして、車両が発生するべき駆動トルクを定めたものである。したがって、主トルクTm1は、加速時もしくは巡航時では第2モータ・ジェネレータ8が出力するべき駆動トルクであり、減速時もしくは制動時には第2モータ・ジェネレータ8による回生制動トルクである。
一方、エンジントルクTeはエンジン1が出力するいわゆる直達トルクであり、上記の要求トルクTtとその時点の車速(もしくはエンジン回転数)とから求められる要求出力Pを最適燃費で出力する場合のトルクである。これは、例えばマップから求めることができ、そのマップの一例を図7に模式的に示してある。図7において、符号Pで示す線が等出力線であり、上記のようにして要求出力Pを求め、その要求出力Pを示す線と最適燃費線Cfとが交わる点が最適燃費での運転であり、その最適燃費運転点での出力トルクがエンジントルクTeとなる。その最適燃費線Cfは、エンジン1のスロットルバルブを全開にした状態を示す線と近似しており、したがってエンジントルクTeはフルスロットル(いわゆるWOT)の状態でのエンジントルクとほぼ等しいトルクになる。そして、要求トルクTtからエンジントルクTeを減じることにより主トルクTm1が求められる。なおその場合、エンジン1の初爆の際の初爆トルクTfをエンジントルクTeから減算してもよい。
上述のようにして求められた主トルクTm1にガード処理を施すガード処理器G1が設けられている。そのガード処理は、第2モータ・ジェネレータ8の容量あるいは特性を考慮して、そのトルク指令値の上限値と下限値とを制限するためのものであり、予め設定してある上限値を超える主トルクTm1の値および予め設定してある下限値未満の主トルクTm1の値をカットするように構成されている。こうしてガード処理された主トルクTm1から前述した初爆トルクTfを減算することができ、その初爆トルクTfを減算した主トルクTm2にガード処理を施すガード処理器G2が設けられている。これは、初爆トルクTfを減算した主トルクTm2の上下限値を制限するためのものである。
さらに、第2のガード処理器G2で処理された主トルクTm2に対して緩変化処理を施す緩変化処理器LR1が設けられている。制御対象である第2モータ・ジェネレータ8の応答性には限界があるから、演算されて求められた上記の主トルクTm2を第2モータ・ジェネレータ8の応答限界内の値に制限する処理(いわゆるレート・リミット処理)が、緩変化処理である。
上記の緩変化処理された主トルクTm3およびエンジントルクTeに基づいて振動を低減もしくは減殺するためのばね上制振トルク(以下、単に制振トルクと記す)Tvを求めるための制振トルク演算器Cvが設けられている。この制振トルク演算器Cvは、主トルクTm3およびエンジントルクTeからなるいわゆる実行トルクの変動を抑制するように制振トルクTvを求める演算器である。なお、この制振トルク演算器Cvには、車輪速Vwが信号として入力されている。したがって、制振トルク演算器Cvは、上記の実行トルクおよび路面からの入力トルク(路面の凹凸を乗り越えた場合などに駆動系統に駆動輪側から伝達されるトルク)に基づいてそれらの変動を抑制するように制振トルクTvを算出するように構成されている。
上記の制振トルク演算器Cvで求められた制振トルクTvにフィルタ処理を施すフィルタFが設けられている。このフィルタFは、制振トルクTvのうち、除去するべき振動成分と同じ振動帯域の制振トルクTvに相当する成分を通過させ、他の帯域の成分を除去するためのものであり、例えば車両の前後振動の要因となる低周波成分を制振トルクTvによって低減もしくは減殺する場合にはローパスフィルタが採用され、また駆動系統の捻りなどに起因する中周波数の成分を制振トルクTvによって低減もしくは減殺する場合にバンドパスフィルタが採用される。
フィルタ処理された制振トルクTvに所定のゲインを掛け合わせる演算器Apが設けられ、さらにゲインを掛けた制振トルクTvを、前述した主トルクTm3に加算する加算器A1が設けられている。なお、初爆トルクTfによる影響をも考慮する場合には、更に、初爆トルクTfを加えてもよい。こうして求められた主トルクTm4には、上下限の制限を受けていないトルクが加算されているので、第2モータ・ジェネレータ8の容量もしくは特性に応じたガード処理をその主トルクTm4に施すためのガード処理器G3が設けられている。初爆トルクTfの影響を考慮する場合には、このガード処理器G3でガード処理された主トルクTm4から初爆トルクTfを減算することができ、そうした場合、ガード処理されていない初爆トルクTf分の変動が生じるので、初爆トルクTfが減算された主トルクTm5に、再度、ガード処理するガード処理器G4が設けられている。
主トルクに加減算される制振トルクTvや初爆トルクTfは演算して求められたものであって、その変化の程度は制限を受けていないので、第4のガード処理器G4でガード処理された主トルクTm5に対して、第2モータ・ジェネレータ8の応答性を考慮した緩変化処理(いわゆるレート・リミット処理)を施すための緩変化処理器LR2が設けられている。そして、この緩変化処理器LR2で緩変化処理した後に電動機トルク指令Tmを出力するように構成されている。すなわち、上記の駆動力制御装置は、要求トルクTtとエンジントルクTeとから求められた主トルクにフィルタ処理を施さずに、制振トルクTvのみにフィルタ処理を施し、そのフィルタ処理を施した制振トルクTvを主トルクに加算し、電動機トルク指令値を求めるように構成されている。
上述した第2モータ・ジェネレータ8を使用する制振制御では、第2モータ・ジェネレータ8を発電機として機能させ、それに伴う負のトルクを出力軸5に加え、あるいは第2モータ・ジェネレータ8をモータとして機能させ、それに伴う正のトルクを出力軸5に加える。その場合に第2モータ・ジェネレータ8で発電された電力は蓄電装置10に供給され、また第2モータ・ジェネレータ8を駆動する電力は蓄電装置10から供給される。そのため、蓄電装置10がいわゆる満充電もしくはそれに近い状態になっていれば、第2モータ・ジェネレータ8で発電した電力を蓄電装置10に供給できず、また蓄電装置10の電力残存量(SOC)が低下していれば、第2モータ・ジェネレータ8に電力を供給できなくなる。すなわち、このような場合、第2モータ・ジェネレータ8を使用したばね上制振制御が制限される。
上述したように回生制動およびばね上制振制御を行っている場合のエンジン1および各モータ・ジェネレータ2,8の動作状態を図8に共線図で示してある。図8において矢印はトルクの作用している方向を示しており、第1モータ・ジェネレータ2およびこれが連結されているサンギヤ3Sにはこれを正回転させる方向にトルクが作用し、またエンジン1およびこれが連結されているキャリヤ3Cには摩擦による負の方向のトルクが作用している。さらに、第2モータ・ジェネレータ8およびこれが連結されているリングギヤ3Rには回生制動による負の方向のトルクが作用し、これに加えてばね上制振のために正あるいは負の方向のトルクが繰り返し作用している。
このような回生制動およびばね上制振制御は各モータ・ジェネレータ2,8および蓄電装置10を使用して行い、その場合に蓄電装置10の充電容量(もしくは電力残存量:SOC)によって制御の制限を受ける。その場合のパワー収支について説明すると、パワー収支を守るためには,以下の式が成り立つ必要がある。
Win≦Pg +Pm −Ploss≦Wout (1)
ここで、Winは蓄電装置10で受け入れることのできる電力の制限値(充電電力制限値)、Woutは蓄電装置10から放電できる電力の制限値(放電電力制限値)、Pgは発電電力、Pmはモータ駆動することにより消費される電力、Plossは電力損失量である。
(1)式を解いてパワー収支を守る第1モータ・ジェネレータ2の上下限トルクが、
Tgmn ≦Tg ≦Tgmx
と決まる。なお、Tgは第1モータ・ジェネレータ2の制御目標トルク、Tgmnはその下限ガード(下限トルク値)、Tgmxはその上限ガード(上限トルク値)である。
制御目標トルクTgにTgmnとTgmxの上下限ガードをかければパワー収支を守ることができる。しかし、制御目標トルクTgに上下限ガードをかけるのではなく、エンジン1の動作点(主にエンジン回転数)を調節してパワー収支を守るようにする。その理由は、制御目標トルクTgを上下限ガードに収めるよりもエンジン回転数制御を優先することが好ましく、これに反して、エンジン動作点を考慮せず制御目標トルクTgに上下限ガードをかけるとエンジン回転数制御を所期どおりに実行することが難しくなり、違和感を生じさせるからである。よって、制御目標トルクTgに上下限ガードをかけてパワー収支を守るのではなく、パワー収支が守れるように、エンジン回転数を調節する。
そこで、第1モータ・ジェネレータ2について運動方程式を立てる。
Ig ×dng/dt=Tg (2)
なお、Igは第1モータ・ジェネレータ2の慣性モーメント、dng/dtは第1モータ・ジェネレータ2の回転速度である。
ここで,制御目標トルクTgにTgmnとTgmxとを代入すれば、
Tgmn ≦Tg ≦Tgmx
を満たす第1モータ・ジェネレータ2の回転角度ngの変化量すなわち回転速度dng/dtも決まる。その回転速度dng/dtを△ngとすると、
△mgmn ≦△ng ≦△ngmx (3)
これをエンジン回転数に換算すると、
△ne =ρ/(1+ρ)x△mg (4)
となる。なお、ρは動力分割機構3を構成している遊星歯車機構のギヤ比である。
以上のようにして、エンジン1の回転数レートリミットが求まる。
△nemn ≦△ne ≦△nemx (5)
エンジンの回転数を(5)式を満たすように制御すれば、エンジン回転数を目標とする回転数に維持しつつ、パワー収支を守ることができる。
上述したようにエンジン回転数を制御する場合、蓄電装置10における電力制限値Win,Woutを上下限とするパワー収支を維持する制御になるから、その上下限値Win,Woutが変動すれば、それに伴ってエンジン回転数の上下限値△nemn,△nemxも変動する。すなわち、エンジン回転変動を引き起こす。特に、ばね上制振制御で蓄電装置10の電力を多量に使用すると、これが蓄電装置10の上下限値Win,Woutを変動させる要因になるので,エンジン1の回転数変動が顕著になる可能性がある。このような回転数変動が回生制動時に生じると、加減速操作(アクセル操作)を行っていないにも拘わらず、エンジン1の回転数が大小に変化することになるので、違和感の原因となる。
この発明の制御装置は、エンジン1の回転数を第1モータ・ジェネレータ2で引き上げている回生制動時におけるエンジン回転数の変動を防止もしくは抑制して違和感を与えることを回避するために、以下の制御を実行するように構成されている。図1はその制御の一例を説明するためのフローチャートであって、先ず、ばね上制振制御の実行中であるか否かが判断される(ステップS1)。このステップS1を実行する機能的手段がこの発明の制振判断手段に相当し、前述した図6にブロック図で示すシステムが稼働しているか否かによって判断することができる。
ばね上制振制御が実行されていることによりステップS1で肯定的に判断された場合には、第2モータ・ジェネレータ8で発電した電力を使用して第1モータ・ジェネレータ2を駆動し、その第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン1の回転数を引き上げている回生制動中か否かが判断される(ステップS2)。前述したように、車両が惰性走行している場合、あるいは減速している場合、第2モータ・ジェネレータ8で発電することにより制動力を生じさせ、その電力を蓄電装置10が受け入れることが制限されていれば、エンジンブレーキ状態あるいは制動力を保証するために、燃料の供給および点火が中止されているエンジン1を第1モータ・ジェネレータ2によって強制的に回転させることにより電力を消費する。なお、このステップS2を実行する機能的手段がこの発明の判断手段に相当する。
上述した蓄電装置10で受け入れる電力の制限(Win制限)がある状態で回生制動が行われている場合、すなわちステップS2で肯定的に判断された場合には、蓄電装置10での電力制限値Winの変動に基づいて第1モータ・ジェネレータ2のトルクTgが変化し、それによってエンジン1の回転数が変動する可能性がある。そこで図1に示す制御例では、ばね上制振制御が実行され、かつ第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン1の回転数を引き上げている回生制動制御が実行されている場合、ばね上制振トルクのガード値が小さくされる(ステップS3)。
このガード値を小さくする制御は、制振トルクの上限値を相対的に小さいトルクに制限し、および/または下限値(絶対値)を相対的に小さいトルクに制限する制御であるから、結局、蓄電装置10からの放電や充電が制限もしくは抑制され、それに伴って制振トルクの変動幅が小さくなる。その結果、ステップS3の制御が実行されることにより、第1モータ・ジェネレータ2に対する電力の変動およびそのトルクの変動が抑制もしくは防止されるので、惰性走行もしくは減速時にエンジン回転数が意図せずに変化したり、それに伴って違和感が生じたりすることを回避もしくは防止することができる。
なお、ばね上制振制御が実行されていないことにより前述したステップS1で否定的に判断された場合、および回生制動を行っているとしても第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン1の回転数を引き上げていないことによりステップS2で否定的に判断された場合には、ばね上制振トルクのガード値を特には小さくせずに、設計上予め設定した通常のガード値を選択する(ステップS4)。
この発明に係る制御装置は、上記のステップS3もしくはステップS4で選択されたガード値によるガード処理を、図6を参照して説明した制振トルクTvもしくはこれに演算器Apで所定のゲインを掛けた値に施すように構成されている。その部分の構成をブロック図で示せば図2のとおりである。すなわちばね上制振トルクTvに所定のガード処理を施す処理器G5が設けられており、この処理器G5によるガード値が前述したステップS3で相対的に小さくさせられ、あるいは前述したステップS4で通常時の値に設定される。
この演算器Apで処理された制振トルクTvは、演算器A1において主トルクTm3に加減算されるように構成されている。そして、この演算器A1で演算処理して得られた主トルクTm4にガード処理を施すガード処理器G3(もしくはG4)が設けられ、そのガード処理器G3(またはG4)によって主トルクTm4にガード処理を施すように構成されている。すなわち、走行のためのトルクガード処理は、制振トルクのガード処理とは別個に行うようになっている。なお、このガード処理器G3(またはG4)がこの発明のトルクガード手段に相当し、そのガード値は、制振トルクに対する前記処理器G5によるガード値とは異なって設定されている。
すなわち、前記処理器G5における低下されられているガード値は、主として制振トルクの変動幅もしくは変動量を抑制するためのものであり、これに対してガード処理器G3(もしくはG4)はモータやその制御機器の損傷や耐久性の低下などを防止するためにガード処理するものであり、このような目的もしくは機能の相違が要因となって、それぞれのガード値は互いに異なる値に設定されている。なお、ガード処理器G3(またはG4)のガード値は、前述したばね上制振制御の実行・不実行によって変化させることとしてもよい。
また一方、高車速ほど車両の慣性エネルギが大きく、したがって高車速ほど、回生制動時の電力の変動が大きいことは前述したとおりである。そのため、回生制動時のエンジン回転数の変動を防止もしくは抑制するためにばね上制振トルクのガード値を小さくする場合にも、例えば図3に示すように、高車速ほど制振トルクのガード値を小さくすることが好ましい。
さらに、制振トルクのガード値を車速や蓄電装置10の充電量(SOC)などに基づいて変化させる場合、その変化速度あるいは変化割合を抑制するためにレートリミット処理を施すことが好ましい。これは、上記のガード処理器G3(もしくはG4)によるガード処理と併せて行ってもよく、あるいはガード処理に替えて行ってもよい。また、前記処理器G5によるガード処理と併せてレートリミット処理をばね上制振トルクに施すこととしてもよい。このようにすれば、蓄電装置10の充電量あるいは放電量が急激に変化することが防止されるので、エンジン回転数の変動をより確実に防止もしくは抑制することができる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、対象とするハイブリッド車の構成は上述した構成以外のものであってもよく、例えばエンジンおよび第1モータ・ジェネレータによって後輪を駆動し、第2モータ・ジェネレータによって前輪を駆動する構成のものであってもよい。
この発明に係る制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。 ばね上制振トルクを加減算した後の主トルクに対してガード処理を施し、かつそのガード値を変化させるように構成した例を説明するための部分的なブロック図である。 その制振トルクガード値と車速との関係を示す線図である。 この発明で対象とする車両もしくはパワートレーンの一例を示す概略図である。 その動力分割機構についての共線図である。 この発明に係る制御装置の一例を説明するためのブロック図である。 最適燃費で運転した場合のエンジントルクを説明するための等パワー線図である。 エンジン回転数を引き上げている回生制動とばね上制振とを行っている状態の第1および第2のモータ・ジェネレータならびにエンジンの動作状態を説明するための共線図である。
符号の説明
1…エンジン(内燃機関)、 2…第1モータ・ジェネレータ、 5…出力軸、 7…駆動輪、 8…第2モータ・ジェネレータ、 9,11…インバータ、 12…ハイブリッドコントローラ、 G3,G4…ガード処理器、 G5…処理器。

Claims (3)

  1. 内燃機関と、その内燃機関の回転数を制御するための第1モータと、車両の慣性エネルギを回生して発電する第2モータと、これら第1モータおよび第2モータとの間で電力を授受する蓄電装置とを有するハイブリッド車の回生制御装置において、
    前記第1モータおよび第2モータの少なくともいずれか一方のモータによって前記車両のばね上振動を抑制する制振制御の実行中であることを判断する制振判断手段と、
    前記ハイブリッド車を走行させるための前記第1モータもしくは第2モータによるモータトルクに加減される、前記ばね上振動を抑制する制振トルクの上下限の制限を行うガード手段と、
    前記ハイブリッド車の慣性エネルギで前記第2モータを駆動して発電する回生制動時に前記蓄電装置が受け入れる電力が制限されることにより前記第2モータで発電した電力の一部を前記第1モータに供給して第1モータにより前記内燃機関を強制的に回転させている回生状態を判断する判断手段と、
    前記制振制御中であることの判断が成立し、かつ前記回生状態であることの判断が成立した場合に、前記ガード手段による前記ばね上振動を抑制する前記制振トルクの制限値を小さくして前記制振トルクの変動量を相対的に小さくするガード値制御手段と
    を備えていることを特徴とするハイブリッド車の回生制御装置。
  2. 前記ガード値制御手段は、前記車両の車速が速い場合には遅い場合に比較して前記制限値を相対的に小さくするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の回生制御装置。
  3. 前記制振トルクが加減された前記モータトルクの上限値と下限値との少なくとも一方の制限を行うモータトルクガード手段を更に備え、
    前記ガード手段での制限値と前記モータトルクガード手段の制限値とが互いに異なっている
    ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の回生制御装置。
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