JP5103720B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂と脂環式ポリエステル樹脂とを含む樹脂組成物に関し、特に、着色が少なく、耐加水分解性にも優れた成形品が得られる樹脂組成物に関するものである。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、衝撃強度等の機械的強度、寸法安定性に優れた樹脂であるため、カーポートの屋根材等の建築資材、ガラス繊維等の無機フィラーを配合してOA機器のシャーシや歯車等の電気・電子部品やダイヤライザー等の医療機器等幅広く用いられている。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、一般的に耐薬品性が劣るとされ、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエチレンテレフタレート(PET)のような芳香族ポリエステル樹脂をブレンドすることにより耐薬品性を改良する試みが行われている。これらの樹脂は、お互いに親和性が高いものの相溶しないため、ブレンドに際してはエステル交換反応を用いて相溶性を高めることが行われている。しかしながら、反応が過ぎると耐熱性が低下し、反応が充分でないと透明性が低下し、十分な機械的強度も得られない問題がある。
これに対し、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)樹脂(以下、PCC樹脂と略記する)と芳香族ポリカーボネート樹脂は相溶し、PCC樹脂と芳香族ポリカーボネートとからの組成物は高い透明性を示すことが知られている。しかしながら、PCC樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを溶融混練等により組成物とすると、エステル交換反応を引き起こし、透明ではあるが黄色く着色したものが得られるため、エステル交換抑制剤を使用し着色を防いでいることが示されている(非特許文献1参照)。
又、芳香族ポリカーボネート樹脂とある種の芳香族ポリエステル樹脂又は脂環式ポリエステル樹脂とのエステル交換反応抑制剤としては、例えば、酸性リン酸塩、特定のホスファイト、第IB族又はIIB族金属のリン酸塩、リンのオキソ酸及び酸性ピロリン酸金属塩が知られている(特許文献1及び2参照)。
一方、ある種の有機リン酸エステル金属塩を含む樹脂組成物が提案されており、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基のリン酸エステル亜鉛塩とポリ塩化ビニル樹脂からなる組成物が、加熱ロールへの付着低減など加工性が良好であること(特許文献3)、ポリアリレーンスルフィド樹脂あるいは熱可塑性ポリエステル樹脂と有機リン酸エステル金属塩を含有する樹脂組成物が、結晶化速度が速く、成形サイクルの短縮が図れること、(特許文献4)、ポリカーボネート及び/又はポリエステルカーボネート、ガラス転移温度が10℃未満のABSに代表される特定のグラフトポリマー及び炭素数1〜24のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基のリン酸エステル金属塩を含む樹脂組成物が、衝撃強度や熱安定性に優れることが示されている。(特許文献5)
J.Phys.:Condens. Matter 8(1996) p3811-3827 米国特許5,441,997 WO99/63002 特公昭54−19422号公報 特開平11−35807号公報 特表2002−509174号公報
近年、医療用器具の殺菌に、120℃のオートクレーブを用いた殺菌法がよく用いられるが、我々の検討によれば、特許文献1及び2に記載のエステル交換反応抑制剤を用いた組成物では、殺菌時の環境下において樹脂の耐加水分解性が充分でなく、分子量の低下を招く問題があることが判明した。耐加水分解性が劣ると、医療用器具に亀裂や割れ、ひいては破損を招く恐れがある。
又、特許文献3、4及び5等により、ある種の樹脂に有機リン酸エステル金属塩を配合した組成物が知られているが、芳香族ポリエステル樹脂と脂環式ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物に有機リン酸エステル金属塩を配合すること、それによりエステル交換反応を抑制し、着色を抑え、かつ耐加水分解性を改善することは知られていない。
即ち、本発明は、着色が少なく透明性に優れ、かつ耐加水分解性及び耐薬品性に優れた樹脂組成物を提供すること、を目的とするものである。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂及び脂環式ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物であって、特定のリン酸エステル金属塩を含む樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。 即ち、本発明の要旨は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂及び(B)脂環式ポリエステル樹脂並びに(C)下記式(1)、(3)又は(4)で示されるリン酸エステル金属塩及びモノステアリルリン酸の亜鉛塩からなる群のうちの少なくとも1種のリン酸エステル金属塩を含有することを特徴とする樹脂組成物、に存する。
Figure 0005103720
(式中、R1〜R 及び 14は、それぞれ独立に炭素数1〜50のアルキル基を示
し、Mは、アルカリ土類金属、及び亜鉛からなる群より選ばれる金属を示す。)
本発明の樹脂組成物は、着色が少なく透明性が高いため、光学用部品製造用の樹脂組成物として有用であり、又、耐加水分解性に優れ、耐薬品性も良好であるため、水蒸気殺菌を必要とする医療用器具、部品製造用の樹脂組成物として有用である。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件(実施態様)の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明はこれらの記載内容に限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物における(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族環を有するポリ炭酸エステルであり、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲン又は炭酸ジエステルとを反応させることによって得られ、この製造方法としては、ホスゲン法、エステル交換法等特に限定されない。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4−4‘−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、必要に応じて2種以上混合して使用してもよい。これらの中では特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)が好適に使用される。
炭酸ジエステルとしては、下記式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005103720
(式中、A’は、炭素数1〜18の置換されていてもよい脂肪族又は芳香族炭化水素基であり、2つのA’は同一であっても異なっていてもよい。)
上記式(5)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート等が例示される。これらの炭酸ジエステルは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよいが、これらの中では、ジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートを用いるのが好ましい。
また、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、α,α’,α“−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン等で例示される多価ヒドロキシ化合物、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノール等を分岐に対応する量使用すればよい。
ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端停止剤又は分子量調整剤を使用してもよい。
末端停止剤又は分子量調整剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物等を用いることができ、一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、通常のフェノール、p−t−ブチルフェノール、トリブロモフェノール、長鎖アルキルフェノール、アルキルエーテルフェノール、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル等が挙げられる。
一価のフェノール性水酸基を有する化合物以外には脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等も使用することができる。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂の場合、末端停止剤または分子量調整剤は、必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
本発明で使用する(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、メチレンクロライド溶媒中20℃で測定される極限粘度〔η〕より〔η〕=1.23×10-4×M0.83で計算される平均分子量Mとして、通常10,000〜100,000であり、好ましくは13,000〜50,000である。
ポリカーボネート1gをメチレンクロライド100mlに溶解し、オストワルド粘度計でその比粘度(ηsp)を測定する。更に濃度(c)を変えて、同様に比粘度を測定し、各濃度(c)とその濃度で測定された比粘と濃度の比(ηsp/c)をグラフにプロットし、
極限粘度〔η〕=limηsp/c
c→O
を求める。
本発明に係わる樹脂組成物に用いられる(B)脂環式ポリエステル樹脂は、主としてジカルボン酸成分とジオール成分とから得られ、ジカルボン酸成分としては、脂環式ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体を主成分とし、ジオール成分としては、脂環式ジオールを主成分とし、両成分をエステル化またはエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させて得ることができる。
なお、ここで主成分とするとは、ジカルボン酸成分及びジオール成分に対し、夫々80モル%以上であることをいうものとする。(B)脂環式ポリエステル樹脂は、その性能を損なわない限り、用いられる原料中に上記のジカルボン酸成分およびジオール成分以外の成分を含むことが可能であるが、これら以外の成分は、通常、ジカルボンサン成分とジオール成分の合計のモル数に対して10モル%程度以下である。
脂環式ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体としては、脂環式構造にカルボキシル基が2つ結合したものであれば特に限定されるものではないが、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、及びそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらの中でも、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体は、得られるポリエステル樹脂の成形温度が従来のポリエステル樹脂の成形温度に近く、また、工業的に入手しやすい点で好ましく、特に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、そのエステル形成性誘導体に比べて耐加水分解性の点で最も好ましい。
なお、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体のトランス体とシス体との比率(トランス体:シス体)は、通常、80:20〜100:0の範囲であり、得られる脂環式ポリエステル樹脂の耐熱性の点から85:15〜100:0が好ましく、より好ましくは90:10〜100:0である。
本発明におけるジカルボン酸成分としては、上記のような脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を全ジカルボン酸成分に対して通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するものであり、その他の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等を含有していてもよい。具体的にはテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フェニレンジオキシカルボン酸、4,4‘−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4‘−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4‘−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、および、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ならびに、これらの各アルキル基が炭素数1〜4程度の(ジ)アルキルエステル、およびハロゲン化物等が挙げられる。
脂環式ジオール成分としては、脂環式構造に水酸基が2つ結合したものであれば特に限定されるものではないが、得られるポリエステル樹脂の耐熱性を高くすることができることから、その構造中に5員環または6員環を有し、かつ水酸基を2つ有するジオールであることが好ましい。
このような脂環式ジオールとしては、例えば、1,2−シクロペンタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン等の5員環含有ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環含有ジオール等が挙げられる。これらの中でも、6員環に水酸基が2つ結合したジオール、具体的には、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、特に1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。1,4−シクロヘキサンジメタノールは、メチロール基が1位と4位の位置にあるので反応性が高く、高重合度ポリエステルが得やすいこと、高いガラス転移温度のポリエステル樹脂が得られること、および工業生産品であり入手が容易であるという利点があるからである。
なお、1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス体とシス体の比率(トランス:シス)は、得られる脂環式ポリエステル樹脂のガラス転移温度の点から60:40〜100:0の範囲内にあることが好ましい。
本発明において、ジオール成分としては上記のような脂環式ジオールを全ジオール成分に対し80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するものである。80モル%未満ではポリカーボネートとの相溶性が劣る傾向となり、また耐熱性が劣る傾向となる。
本発明において用いられるその他のジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、およびキシリレングリコール、4,4‘−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール等が挙げられる。
さらに、前記ジオール成分およびジカルボン酸成分以外の少量共重合成分として、例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、および、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分や、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官能成分等が用いられてもよい。
なお、(B)脂環式ポリエステル樹脂としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とするジオール成分とから得られる脂環式ポリエステル樹脂が、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性の点で好ましい。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応またはエステル交換反応における各成分の使用比率としては、ジオール成分の合計が、ジカルボン酸成分の合計に対し、1〜2モル倍であるのが好ましい。特に、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの高沸点のものを主成分とする場合には、1〜1.2モル倍であるのが好ましい。
脂環式ポリエステルを製造するためのエステル化またはエステル交換反応および重縮合反応では、充分な反応速度を得るために触媒を用いるのが好ましい。このような触媒としては、通常エステル化またはエステル交換反応に用いられる触媒であれば特に限定されないが、例えば、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物およびスズ化合物などが挙げられる。これらの中でもチタン化合物は、エステル化またはエステル交換反応と続いて行われる重縮合反応の両反応において活性が高いことから好ましく、具体的には、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートまたはこれらの有機チタネートの加水分解物などが挙げられ、1種類を用いても、2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて、マグネシウム化合物やリン化合物などと組み合わせてもよい。触媒を使用する際の使用量は、生成するポリエステル樹脂に対して、通常1〜2000ppmの範囲内、好ましくは10〜1000ppmの範囲である。
本発明において用いられる脂環式ポリエステル樹脂の固有粘度は、0.4〜1.6dl/gが好ましく、さらに好ましくは0.6〜1.5dl/gである。固有粘度が0.4dl/g未満であると機械的強度が十分でなく、1.6dl/gより大きいと流動性が低下し、成形性に劣るからである。において用いるポリエステル樹脂は、必要に応じて固相重合を行い、固有粘度を高くしたものであっても良い。
本発明において用いられる脂環式ポリエステル樹脂の末端カルボン酸濃度は、通常50当量/ton以下であり、30当量/ton以下であることが好ましく、特に20当量/ton以下であることがより好ましい。末端カルボン酸濃度が高すぎると、脂環式ポリエステル樹脂そのものの耐加水分解性が低下し、芳香族ポリカーボネート樹脂と混合した樹脂組成物においても、耐加水分解性が低下する傾向となる。
本発明において用いられる脂環式ポリエステル樹脂の融点は、通常200℃以上、好ましくは210℃以上であり、上限は通常260℃程度である。中でも、好ましい脂環式ポリエステル樹脂として、ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とし、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ポリエステル樹脂の場合、融点が200〜250℃、好ましくは210〜230℃、特に好ましくは215〜230℃である。
本発明に係わる樹脂組成物における(C)リン酸エステル金属塩は、下記式(1)、(2)、(3)又は(4)で示される。式中、R1〜R14は、それぞれ独立に選ばれる炭素数1〜50のアルキル基を示すが、炭素数の下限は好ましくは10、更に好ましくは、16であり、好ましい上限は30、更に好ましくは24である。このようなアルキル基として、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルへキシル、tert−オクチル、n−デシル、イソノニル、イソデシル、n−ドデシル、イソトリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソオクタデシル、n−エイコシル、n−ドコシル、n−トリコシル、n−テトラコシル、ヘキサコシル、トリアコンチル等が挙げられる。入手の容易さからR1〜R14が同一の基であるのが好ましい。また、Mは、アルカリ土類金属又は亜鉛からなる群から選ばれる金属を示し、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。(C)リン酸エステル金属塩は、得られる樹脂組成物の色調の点(黄味が少ない)から、好ましくは、亜鉛またはアルミニウムの塩であり、より好ましくは亜鉛塩である。好ましいリン酸エステル金属塩としては、モノステアリルリン酸の亜鉛塩、ジステアリルリン酸の亜鉛塩及びそれらの混合物、モノステアリルリン酸のアルミニウム塩、ジステアリルリン酸のアルミニウム塩及びそれらの混合物が挙げられる。
Figure 0005103720
本発明の樹脂組成物において、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)脂環式ポリエステル樹脂の重量比[(A):(B)]は、90:10〜10:90が好ましく、90:10〜30:70がより好ましく、90:10〜25:75が更に好ましく、特に90:10〜60:40が好ましい。(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の割合が少なすぎると、例えば脂環式ポリエステル樹脂が結晶性の場合、殺菌処理時の熱処理により樹脂組成物が結晶化し、白濁し透明性が損なわれる怖れがある。また耐熱性も劣る傾向となる。一方ポリカーボネート樹脂の割合が大き過ぎると、耐薬品性の改良の効果が小さい可能性がある。(C)リン酸エステル金属塩の含有量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)脂環式ポリエステル樹脂の樹脂の合計100重量部に対して通常、0.01〜5重量部であり、好ましくは下限が0.05重量部であり、上限が3重量部である。又、樹脂組成物が樹脂製造時の触媒等に由来してチタンを含有する場合には、樹脂組成物中のチタン原子と、リン酸エステル金属塩由来の樹脂組成物中のリン原子とのモル比(以下、P/Tiと略記する)が3〜25であるのが好ましく、特に好ましくは5〜20である。P/Tiが3未満では、樹脂組成物が着色する傾向となり、また、P/Tiが25より大きいと耐加水分解性が劣る傾向となる。
本発明の樹脂組成物には、その目的に応じ、所望の特性を付与する他のポリマー、難燃剤、耐衝撃改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、繊維状マグネシウム、チタン酸カリウムウイスカー、セラミックウイスカー、マイカ、タルク等の補強材、充填材、洗顔量などの一種または二種以上を含有させてもよい。
各成分の配合方法としては、例えば、タンブラー、ヘンシェルミキサー等を使用する方法、フィーダーにより定量的に押出機ホッパーに供給して混合する方法などが挙げられる。混練方法としては、一軸押出機、二軸押出機などを使用する方法が挙げられる。混練温度としては、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂及び(B)脂環式ポリエステル樹脂の熱安定性が維持できる温度範囲であれば特に限定されないが、混練機中の樹脂温度が230〜350℃の範囲であるのが好ましい。このような樹脂温度とするためには、例えば混練機としてスクリュ直径100mm以下の二軸混練機を使用する場合、通常バレル設定温度を230〜350℃の範囲に設定することにより達成される。
本発明において、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)脂環式ポリエステル樹脂とを溶融混練する場合、水分、ガス等を除去するのが好ましい。この方法としては、例えば混練機をベント装置付きのもので行う方法が簡便である。ベント装置が2カ所以上に設置された混練機を用いることもできる。
上記のようにして得られた本発明の樹脂組成物は、プレッシャークッカー試験機内で120℃、0.11MPaの水蒸気雰囲気に24時間暴露した後の固有粘度保持率が70%以上であり、かつイエローネスインデックスが10以下であるのが好ましい。その測定条件は、後述の実施例に記載の通りである。固有粘度保持率が小さいことは耐水性が劣ることを意味し、イエローネスインデックス(YI)が大きいことは黄色味の着色が生じ、透明性も劣ることを意味するので、特に医療器具等の高温殺菌処理が必要な用途には好ましくない。上記固有粘度保持率及びイエローネスインデックス(YI)の樹脂組成物は、上記成分(A)、(B)及び(C)を含有する本発明の樹脂組成物の中でも、成分(C)の金属成分として亜鉛又はアルミニウムを選択することにより、好ましくは、その配合比を好ましい範囲に選択することで得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形などの慣用の成形方法に従って所望の成形品とすることが出来る。成形温度としては、樹脂組成物の熱安定性が維持できる範囲であれば特に限定されないが、バレル温度が230〜350℃の範囲が好ましい。本発明の樹脂組成物による成形品は医療器具などの高温殺菌処理を要する用途に好適に使用できる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の諸例で使用した原材料及び評価方法は次の通りである。
また、樹脂組成物、成形品などの物性は、以下に記載した項目について、以下に記載の方法で評価した。
樹脂組成物の構成成分
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
(A−1)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 ユーピロン(登録商標)S−3000F
(B)脂環式ポリエステル樹脂
(B−1):下記製造例1に記載の脂環式ポリエステル樹脂
固有粘度=1.143dl/g、末端カルボン酸濃度=13.2当量/トン、YI(ペレット)=8.9、融点217.3℃
(B−2):下記製造例2に記載の脂環式ポリエステル樹脂
固有粘度=0.841dl/g、末端カルボン酸濃度=2.7当量/トン、YI(ペレット)=13.8、融点219.6℃
(C)リン酸エステル金属塩
(C−1)リン酸エステル亜鉛塩:堺化学工業社製LBT-1830
モノステアリルリン酸の亜鉛塩とジステアリルリン酸の亜鉛塩の混合物
(C−2)リン酸エステルアルミニウム塩:堺化学工業社製LBT-1813
モノステアリルリン酸のアルミニウム塩とジステアリルリン酸のアルミニウム塩の混合物
(C−3)リン酸エステルカルシウム塩:堺化学工業社製LBT-1820
モノステアリルリン酸のカルシウム塩とジステアリルリン酸のカルシウム塩の混合物
(D)リン酸エステル金属塩以外のリン化合物
(D−1)亜リン酸 :和光純薬社製
(D−2)ポリリン酸 :和光純薬社製

各種物性測定方法および分析方法
<固有粘度の測定方法>
試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用いて、濃度が約1.00g/dLとなるように溶解させ濃度C(g/dL)を算出する。この溶液を、30℃まで冷却、保持し、全自動溶液粘度計(センテック社製「2CH型DJ504」)にて、試料溶液の落下秒数(t)及び溶媒のみの落下秒数(t0)を測定し、下式により算出した。
IV=((1+4KHηsp)0.5−1)/(2KHC)
ここで、 ηsp=t/t0−1 であり、ηは試料溶液の落下秒数、η0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。
<末端カルボン酸濃度(AV)の測定方法>
試験管にペレット0.4gを採取し、ベンジルアルコール25mlに加え、195±3℃に設定したオイルバス中で7〜9分間加熱し溶解する。得られた溶解溶液を、常温まで放冷し、エチルアルコール2mlを加え、自動滴定装置(東亜ディケーケー社製、形式:AUT−501)によって、複合pH電極を用いて、0.01規定の水酸化ナトリウム・ベンジルアルコール溶液で滴定した。
尚、0.01規定の水酸化ナトリウム・ベンジルアルコール溶液は、JIS K8006に準拠して調製、標定を行い、ファクターを算出した。得られた滴定曲線の変曲点から滴定量を求め、次式すなわち、
末端カルボン酸濃度(AV)={(A−B)×0.01N×F}/W
に基づいて、AVを算出した。
この式において、Aは、測定滴定量(ml)、Bはブランク滴定量(ml)、Fは、0.01規定の水酸化ナトリウム・ベンジルアルコール溶液力価、Wは、ペレット重量である。
<イエローネスインデックス(YI)>
JISK7103に従い、光電色彩計(日本電色工業社製ND−300)を用いて、試料ペレットを直径30mm、高さ18mmの円柱状の石英セルに充填し、約90度づつ回転させながら4回平均で三刺激値X、Y、Zを測定し、黄色度Y1は下式によって計算で求めた。
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
<融点の測定方法>
JIS K 7121に従い、示差走査熱量計(セイコーインスツルメント社製DSC220)を用いて以下のようにして測定した。
ペレット化した試料から約10mgをカッターナイフで切り出し、アルミパンに入れ密封し、昇温速度20℃/分で室温から300℃まで加熱し、300℃で3分間保持した後に、降温速度20℃/分で300℃から25℃まで冷却し、さらに昇温速度20℃/分で300℃まで昇温した。融点は、二回目の昇温時の値を採用し、融解熱ピークの極大部分の温度とした。
<耐加水分解性>
ペレットを飽和型プレッシャークッカー試験機(平山製作所社製、形式:PC−242)に入れ、120℃、水蒸気圧0.11MPaで24時間処理した。
耐加水分解性は、処理前の固有粘度(IVO)に対する処理後の固有粘度(IVI)の保持率(%)で示した。
<製造例1(B−1)>
攪拌機、留出管、加熱装置、圧力計、温度計および減圧装置を有する容量が100リットルのステンレス製反応器に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体:シス体の比率が96:4)101.5重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体:シス体の比率が69:31)87重量部およびテトラ−n−ブチルチタネートの6重量%ブタノール溶液0.005重量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。反応器内を窒素ガスでシールしながら、内温を30分間で150℃に昇温し、さらに150℃から200℃まで1時間かけて昇温した。次いで、200℃で1時間保持してエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ、反応器内の圧力を徐々に減圧しながら重縮合反応を行った。反応機内圧力を絶対圧力0.1kPa、反応温度を250℃に保って、重縮合反応を3.7時間行った。重縮合反応終了後、得られた樹脂を水中にストランド状に抜き出し、切断してペレット化した。固有粘度および末端カルボン酸濃度は、それぞれ1.143dl/g、13.2当量/トン、YI(ペレット)=8
.9、融点217.3℃であった。
<製造例2(B−2)>
製造例1における1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込量を87.9重量部に、重縮合反応時間を3.7時間から4.5時間に変更したこと以外は、製造例1と同様に行った。固有粘度および末端カルボン酸濃度は、それぞれ0.841dl/g、2.7当量/トンであり、YI(ペレット)=13.8、融点219.6℃であった。
<実施例1>
上記(A−1)の芳香族ポリカーボネート樹脂70重量部、上記(B−1)の脂環式ポリエステル樹脂30重量部及び上記(C−1)のリン酸エステル金属塩0.1重量部を秤量し、タンブラーミキサーで均一に混合して混合物とした。得られた混合物を、脱気装置を備えた二軸混練機(日本製鋼所社製TEX30-42W)のホッパーに供給した。二軸混練機はシリンダー設定温度280℃、スクリュ回転数150rpm、吐出量15kg/hrの条件で、溶融混練し、ストランド状に押し出し、カッターでペレット状にした。
得られたペレットを用いて、前述の耐加水分解性試験及びYIを測定し、結果を表1に記載した。
<実施例2〜6及び比較例1〜4>
実施例1の混練条件において、表1に記載の配合に従って同様にペレットを得た。
得られたペレットを用いて、上述の耐加水分解性試験及びYIを測定し、結果を表1に記載した。
Figure 0005103720
上記結果から明らかなように、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂及び(B)脂環式ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物にリン化合物を含有しない比較例4では、耐加水分解性が良好であるものの、YIが著しく劣り、亜リン酸又はポリリン酸を含有する比較例1〜3ではYIが良好であるものの、耐加水分解性が著しく劣る。これらに対して、本願発明のリン酸エステル金属塩を含有する実施例1〜6では、YI及び耐加水分解性のいずれもがバランスよく良好である。
本発明の樹脂組成物は、イエローネスインデックスが比較的小さく、着色が少なく、耐加水分解性に優れるため、高温殺菌処理を要する医療器具等の成形品分野用の樹脂組成物として特に有用である。

Claims (6)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂及び(B)脂環式ポリエステル樹脂並びに(C)下記式(1)、(3)又は(4)で示されるリン酸エステル金属塩及びモノステアリルリン酸の亜鉛塩からなる群のうちの少なくとも1種のリン酸エステル金属塩を含有することを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 0005103720
    (式中、R1〜R 及び 14は、それぞれ独立に炭素数1〜50のアルキル基を示
    し、Mは、アルカリ土類金属、及び亜鉛からなる群より選ばれる金属を示す。)
  2. (B)脂環式ポリエステル樹脂が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とするジオール成分とから得られる脂環式ポリエステル樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)脂環式ポリエステル樹脂の重量比[(A):
    (B)]が、90:10〜10:90であり、かつ(A)と(B)との合計100重量部
    あたりの(C)の含有量が0.01〜5重量部である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. (B)脂環式ポリエステル樹脂が、融点210℃以上、末端カルボン酸濃度30当量/ton以下の脂環式ポリエステル樹脂である請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体のトランス体とシス体の比率(トランス体:シス体)が85:15〜100:0であり、1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス体とシス体の比率(トランス体:シス体)が60:40〜100:0である請求項2乃至4の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  6. プレッシャークッカー試験機内で120℃、0.11MPaの水蒸気雰囲気に24時間暴露した後の固有粘度保持率が70%以上であり、かつイエローネスインデックスが10以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載の樹脂組成物。
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