JP5099739B2 - 薄膜トランジスタ及びその製法 - Google Patents
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薄膜トランジスタ300は基板101上に、下地膜103、一対のソース・ドレイン電極104、酸化物半導体薄膜層105、ゲート絶縁膜106、ゲート電極107を積層した構造を有している。
薄膜トランジスタ300のような構造では、例えば、一対のソース・ドレイン電極に、酸化亜鉛に対してドナーとなる不純物をドーピングして低抵抗化した酸化亜鉛を用いる場合、酸化物半導体薄膜層をパターニングするためにエッチング処理を行うと、一対のソース・ドレイン電極104までエッチングしてしまうので、薄膜トランジスタ300のような構造を有することができない。つまり、一対のソース・ドレイン電極104に酸化亜鉛を使用することができず、一対のソース・ドレイン電極104の材料の選択肢を低下させてしまうといった問題が生じる。つまり、一対のソース・ドレイン電極104に使用できる物質が限られてくる。
一対のソース・ドレイン電極104に金属等を用いた場合、酸化物半導体薄膜層105との結晶構造ならびに格子定数の不整合により、一対のソース・ドレイン電極104上の一対の接触部152の結晶性が良好なものとならない。
つまり、酸化物半導体薄膜層105において、下地膜上の中央部151では、酸化物半導体薄膜層の結晶性は良好となるが、一対のソース・ドレイン電極上の一対の接触部152では、良好な結晶性を得ることが困難である。
この場合、TFT300のような構造では、一対のソース・ドレイン電極104上の結晶性の良好でない一対の接触部152の上部にチャネル105aを形成せざるを得ない。
また、結晶性の悪い一対の接触部152と結晶性の良好な中央部151の境界面では、結晶性の違いにより、電流律速が生じるといった問題も生じる。
リフトオフ加工とは、エッチング不可能な薄膜のパターニングするときに用いられる方法であり、目的とするパターンの逆パターンを、基板上にフォトレジストで形成し、目的薄膜(酸化物半導体薄膜層)を成膜後、不要部分をフォトレジストと共に除去し目的とするパターンを残す方法である。
しかしながら、リフトオフ加工は、フォトレジストを逆パターンで形成し、フォトレジスト上に形成した薄膜をエッチングではなく剥離により除去する加工法であるため、剥離した薄膜が基板上に再付着することにより製造歩留まりを低下させる懸念が大きく、量産性に優れた手法とはいえない。
また、一対のソース・ドレイン電極上の酸化物半導体薄膜層の結晶性を良好にし、リーク電流の増大、電流駆動能力の低下、電流律速を抑制した、高いTFT特性を有する薄膜トランジスタ及びその製法を提供することも解決課題とする。
前記一対のソース・ドレイン電極における前記一部の領域の配向と、該酸化物半導体薄膜層の配向が、同一方向に優先配向されていることを特徴とする薄膜トランジスタに関する。
加えて、一対のソース・ドレイン電極及び酸化物半導体薄膜層に不純物をドーピングしない酸化亜鉛を用いた場合、酸化物半導体薄膜層と一対のソース・ドレイン電極を同一の装置で成膜することができる。そのため、別途装置を用いることなく低抵抗化した酸化亜鉛を一対のソース・ドレイン電極に用いることができる。
また、一対のソース・ドレイン電極の少なくとも下地膜により被覆されずに形成された上側表面の一部の領域の(002)結晶面の格子面間隔d002が、酸化物半導体薄膜層の(002)結晶面の格子面間隔d002より小さいことにより、一対のソース・ドレイン電極の耐熱性が酸化物半導体薄膜層の耐熱性より低くなる。そのため、製造工程中の熱処理により、酸化物半導体薄膜層を高抵抗に維持した状態で、一対のソース・ドレイン電極の抵抗のみを選択的に低くすることができる。
そのため、酸化物半導体薄膜層において、熱処理による欠陥の発生が抑制でき、低抵抗化を防ぐことができる。それにより、リーク電流の抑制された薄膜トランジスタとなる。
また、一対のソース・ドレイン電極における下地膜により被覆されずに形成された上側表面の一部の領域の(002)結晶面の格子面間隔d002が、2.605Å以下であることにより、一対のソース・ドレイン電極を製造工程中の熱処理により、容易に、且つ選択的に低抵抗化することができる。
また、一対のソース・ドレイン電極における下地膜により被覆されずに形成された上側表面の一部の領域の(002)結晶面の格子面間隔d002が、2.619Å以下であることにより、耐熱性を十分に低くすることができる。そのため、製造工程中の熱処理により、酸化物半導体薄膜層を高抵抗に維持した状態で、一対のソース・ドレイン電極の抵抗を選択的に低減することができる。
この時、一対のソース・ドレイン電極の少なくとも下地膜により被覆されずに形成された上側表面の一部の領域を酸化亜鉛とすることで、TFTのチャネルが形成される酸化物半導体薄膜層の全範囲を結晶性の良好なものとすることができる。これにより、リーク電流の増大や電流律速を抑制することができる。
また、一対のソース・ドレイン電極が該基板保護膜上に形成されていることにより、一対のソース・ドレイン電極が酸化亜鉛からなる場合、一対のソース・ドレイン電極の結晶性を良好なものとすることができる。それにより、一対のソース・ドレイン電極上の酸化物半導体薄膜層の結晶性をさらに向上させることができる。
また、明細書中では、酸化亜鉛の配向性を(002)優先配向というようにミラー指数で表しているが、これを六方晶用指数で表すと(0002)優先配向となる。
図1に示す薄膜トランジスタ100は、基板1上より順に、基板保護膜2、一対のソース・ドレイン電極4、下地膜3、酸化物半導体薄膜層5、ゲート絶縁膜6、ゲート電極7を積層した構造である。
そして、基板1上は酸化珪素を主成分とする基板保護膜2が形成されている。なお、基板保護膜2には、酸化珪素のみからなる薄膜の他、酸化珪素と酸窒化珪素が混在してなる薄膜等も含まれる。
基板保護膜2は、基板1から不純物が薄膜トランジスタに拡散することを防ぐ役割を果たすものである。
下地膜3は、基板保護膜2、一対のソース・ドレイン電極4上に、一対のソース・ドレイン電極夫々における上側表面の一部の領域4aを被覆しないように形成されている。領域4aは、酸化物半導体薄膜層と接触する領域であるので、接触領域4aと称す。
そして、酸化物半導体薄膜層5は、一対のソース・ドレイン電極上に形成されており、酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体から形成されている。ここで、酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体とは、真性酸化亜鉛のほか、Li、Na、N、C等のp型ドーパントおよびB、Al、Ga、In等のn型ドーパントがドーピングされた酸化亜鉛およびMg、Be等がドーピングされた酸化亜鉛を含む。
酸化物半導体薄膜層5は、下地膜3上に形成されているため、酸化物半導体薄膜層5をエッチングによりパターニングする際、下地膜3がストッパーの役割を果たす。そのため、一対のソース・ドレイン電極4が酸化物半導体薄膜層5とともにエッチングされることがなく、一対のソース・ドレイン電極4とのエッチング選択性を向上させることができる。それにより、一対のソース・ドレイン電極の材料選択肢を拡大することができる。
以下、一対のソース・ドレイン電極4、下地膜3、酸化物半導体薄膜層5について説明する。なお、説明の便宜上、酸化物半導体薄膜層5を、下地膜3上に形成される中央部51と、一対のソース・ドレイン電極の接触領域4a上に形成される一対の接触部52に分けて説明する。
加えて、一対のソース・ドレイン電極4と酸化物半導体薄膜層5との接触抵抗を低減させることができる。それにより、電流駆動能力の優れた薄膜トランジスタ100を得ることができる。
一対の接触領域4a及びその上に形成される酸化物半導体薄膜層(接触部52)は、両方とも酸化亜鉛を主成分とするため、同一方向の優先配向を有することとなる。その結果、格子定数の不整合が極めて少なくなり、一対の接触部52は成膜初期から良好な結晶性を示すこととなる。そして、成膜初期の結晶性は、酸化物半導体薄膜層自体の特性にも影響を与え、一対の接触部52全体が良好な結晶性を示す。
なお、本実施例の基板保護膜2は酸化珪素を主成分とする薄膜であるが、少なくとも上表面が酸化珪素であれば、酸化亜鉛からなる一対のソース・ドレイン電極の結晶性を良好なものとすることができる。そのため、例えば、基板保護膜2として、窒化珪素膜上に酸化珪素膜を積層した二層構造の積層体を用いることもできる。それにより、基板1からの不純物の拡散をより効果的に防ぐことができる。
なお、一対のソース・ドレイン電極4は、ITOや金属の一部(少なくとも接触領域4a)を、酸化亜鉛に対してドナーとなる不純物がドーピングされることで低抵抗化した酸化亜鉛により被覆したものでもよい。これにより、低い配線抵抗を有した状態で、一対の接触部52の結晶性を良好なものとすることができる。
下地膜3としては、他にも、Al2O3,TaOx,HfOx,HfSiOx等を挙げることができる。これらを下地膜3に用いた場合でも、良好な酸化物半導体薄膜層5(中央部51)を得ることができる。
ここで、一対のソース・ドレイン電極4は、ゲート電極7とオーバーラップする必要があるため、チャネル5aは、中央部51及び一対の接触部52に亘って形成されることとなる。
一対のソース・ドレイン電極4が酸化亜鉛に対してドナーとなるイオンがドーピングされた酸化亜鉛である時、中央部51及び一対の接触部52が共に結晶性が良いため、チャネル5aが中央部51及び一対の接触部52に亘って形成されることとなっても、結晶性の良好でない範囲を電流が流れることがないため、電流駆動能力に優れ、且つリーク電流の抑制された薄膜トランジスタとなる。
具体的には、酸化物半導体薄膜層5の格子面間隔d002は2.619Å以上であり、一対の接触領域4aの格子面間隔d002が2.605Å以下であることが好ましい。酸化物半導体薄膜層5の格子面間隔d002が2.619Å以上であることにより、酸化物半導体薄膜層の耐熱性が向上し、ゲート絶縁膜6の成膜工程等の熱処理の影響を少なくすることができる。つまり、酸化物半導体薄膜層5中で浅い不純物準位を形成する欠陥の発生を抑制することができ、酸化物半導体薄膜層5の低抵抗化を防ぐことができる。これにより、薄膜トランジスタ100のリーク電流を抑えることができる。
一方、少なくとも一対の接触領域4aの格子面間隔d002が2.605Å以下であることにより、一対のソース・ドレイン電極の耐熱性を十分に低くすることができる。そのため、薄膜トランジスタの製造工程の熱処理等により、酸化物半導体薄膜層5を高抵抗に維持した状態で、一対のソース・ドレイン電極4の配線抵抗を低くすることができる。
この時、少なくとも一対の接触領域4aの格子面間隔d002は、2.619Å以下であることが好ましい。これにより、一対のソース・ドレイン電極の耐熱性を低くすることができ、配線抵抗の低い一対のソース・ドレイン電極4を得ることができるからである。
また、酸化物半導体薄膜層5の格子面間隔d002が2.625Å以上であるとき、少なくとも一対の接触領域4aの格子面間隔d002は2.609Å以下であることがさらに好ましい。これにより、一対のソース・ドレイン電極4の耐熱性がより低くなり、その結果、配線抵抗を容易に低くすることができるからである。
なお、格子面間隔d002が酸化物半導体薄膜層より小さい、酸化亜鉛にドナーとなる不純物をドーピングしたものを少なくとも一対の接触領域4aに用いてもよい。
また、本発明には、一対の接触領域4aだけでなく、一対のソース・ドレイン電極の全体に酸化物半導体薄膜層5の格子面間隔d002より小さい酸化亜鉛を用いることも当然含まれる。
ゲート絶縁膜6は、酸化珪素膜、酸窒化珪素膜、窒化珪素膜又は窒化珪素に酸素もしくは酸素を構成元素に含む化合物を用いて酸素をドーピングした膜により形成される。
ゲート絶縁膜4は、例えばプラズマ化学気相成長(PCVD)法により形成される。
ゲート電極7はCr、Tiに例示される金属膜からなる。
一対のソース・ドレイン電極4としては、金属、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛に対してドナーとなる不純物がドーピングされることで低抵抗化した酸化亜鉛、若しくは、金属等の少なくとも接触領域4aに相当する部分を低抵抗化した酸化亜鉛で被覆したもの等が挙げられる。
酸化物半導体薄膜層5及び一対の接触領域4aの成膜方法としては、例えば、原料ガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを用いて、高周波マグネトロンスパッタリング法により行うことが例示できる。この時、成膜圧力を低くする、若しくはAr/O2流量比の減少させることによって、格子面間隔d002を大きくすることができる。
つまり、酸化物半導体薄膜層5の成膜条件を、一対の接触領域4aの成膜条件に比して、成膜圧力を低くするか、若しくはAr/O2流量比を減少させて成膜することで、一対の接触領域4aの格子面間隔d002を酸化物半導体薄膜層5より小さくすることができる。詳しくは、後の試験例2で述べる。
そして、下地膜3上及び下地膜3の開口部から露出された一対の接触領域4a上に、酸化物半導体薄膜層5を接触領域4aと接続するように形成する。
例えば、下地膜3が酸化珪素等のとき、下地膜3上の中央部51は良好な結晶性を示す。また、少なくとも一対のソース・ドレイン電極4の接触領域4aが、酸化物半導体薄膜層5と同一方向の優先配向を有するとき、一対のソース・ドレイン電極4上の一対の接触部52も良好な結晶性を示す。
つまり、酸化物半導体薄膜層5の結晶性がすべての範囲(中央部51、一対の接触部52)において良好な結晶性を示す。そのため、優れたTFT特性を有する薄膜トランジスタとなる。
また、リフトオフ加工に比して、微細化が可能で、且つ量産性に優れるフォトリソグラフィ工程により、容易に薄膜トランジスタを作成することができる。
一対のソース・ドレイン電極4として、酸化物半導体薄膜層5より、格子面間隔d002が小さい酸化亜鉛を用いる場合、夫々の格子面間隔d002の値を考慮して、酸化物半導体薄膜層5を高抵抗に維持した状態で、一対のソース・ドレイン電極4を低抵抗化することができる温度等の条件でゲート絶縁膜6を形成すれば良い。
なお、薄膜トランジスタ100を外部に接続して利用する場合、ゲート絶縁膜6に一対のソース・ドレイン電極4と通じるコンタクトホールをフォトリソグラフィ等により設けて、例えば、表示電極等と接続することにより利用することができる。
例えば、図3に示すような第二実施例に係る薄膜トランジスタ200が挙げられる。
以下、図3を用いて、薄膜トランジスタ200について説明する。なお、薄膜トランジスタ200において、第一実施例に係る薄膜トランジスタ100と同様の構成には、同じ符号を付しており、説明は省略する。
ゲート絶縁膜6としては、酸化珪素膜、酸窒化珪素膜、窒化珪素膜等、絶縁性の高い物質が好ましい。ゲート絶縁膜6の絶縁性が高いことで良好な電気特性を有する薄膜トランジスタとなるからである。
そして、ゲート絶縁膜6上には、一対のソース・ドレイン電極4が間隙を有して形成されている。
酸化物半導体薄膜層5は、下地膜3上に形成されているため、酸化物半導体薄膜層をエッチングしてパターニングする際、下地膜がストッパーの役割を果たす。そのため、一対のソース・ドレイン電極4が酸化物半導体薄膜層5とともにエッチングされることがなく、一対のソース・ドレイン電極4とのエッチング選択性を向上させることができる。
一対のソース・ドレイン電極4(少なくとも接触領域4a)としては、酸化亜鉛に対してドナーとなるイオンがドーピングされた酸化亜鉛等が挙げられる。
下地膜3としては、他にも、Al2O3,TaOx,HfOx,HfSiOx等を挙げることができる。
なお、上記各実施例では、一対の接触領域4aを一対のソース・ドレイン電極4の上面とほぼ同一面に形成し、一対の接触領域4aと接するように酸化物半導体薄膜層5を成膜することで、一対の接触部52を形成したが、この方法に替えて、一対のソース・ドレイン電極4を形成した後、一対のソース・ドレイン電極4の一部を露出する開口部を有する下地膜3を形成し、当該開口部内に一対の接触領域4a(例えば、酸化物半導体薄膜層5と同一方向の優先配向を有する低抵抗化した酸化亜鉛等)を別途設けるようにしてもよい。
以下、酸化亜鉛の結晶性の下地膜に対する依存性についての試験例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものにする。
下地膜としては、試験例として酸化珪素からなる薄膜を、比較例として、インジウムスズ酸化物(ITO)からなる薄膜、窒化珪素(SiN)からなる薄膜を用いた。
このことより、例えば、第一実施例に係る薄膜トランジスタ100のような構造において、一対のソース・ドレイン電極4にITOを用いた場合、酸化物半導体薄膜層5の中央部51と一対の接触部52の結晶性が大きく異なることとなり、TFT特性を低下させてしまうことが分かる。
次いで、酸化亜鉛の格子面間隔d002と抵抗の関係についての試験例2を示す。
試験例2では、ガラス基板上に高周波マグネトロンスパッタリング法を用いて、成膜圧力を7Pa,1Pa,0.5Paの3種類、原料ガスとなるアルゴンと酸素の混合ガスのAr/O2ガス流量比を10/5、10/15、10/30ccm(cc/min)の3種類、合計9種類の条件において真性酸化亜鉛からなる薄膜(以下、単に酸化亜鉛薄膜と称す)の成膜を行った。
その他の条件として、ターゲットには純度ファイブナインの酸化亜鉛焼結体をプレスしたものを用い、基板温度150℃、基板とターゲット間の距離を90mmで固定し、酸化亜鉛ターゲットサイズは直径4インチφ、投入電力180W、即ち高周波電力密度2.2W/cm2で行った。そして、膜厚は65nmとした。
その結果、全ての酸化亜鉛薄膜は(002)方向にのみX線回折ピークを有し、基板に垂直方向である(002)方向に優先配向していることが確かめられた。
図5中31乃至34が夫々、酸化亜鉛の格子面間隔d002の値が2.605Å(薄膜I)、2.619Å(薄膜B)、2.625Å(薄膜E)、2.636Å(薄膜H)の酸化亜鉛薄膜であり、真空中で2時間熱処理をし、熱処理後、試料温度が約200℃以下になった時点で大気中に取り出して測定したシート抵抗率を示している。なお、縦軸はシート抵抗率を、横軸はアニール温度を示す。
格子面間隔d002が2.605Åの薄膜では、200℃の熱処理でも、成膜直後の高抵抗状態(シート抵抗で1E+14Ω/□以上)に比較して、3桁程度の抵抗率の低下が見られ、250℃の熱処理では10桁近い抵抗率の低下が見られた。
一方、格子面間隔d002が2.619Å及びそれ以上の酸化亜鉛薄膜では、200℃の熱処理では、成膜直後の抵抗から、殆ど低下しないことが分かる。また、250℃の熱処理では、格子面間隔d002が2.605Åの場合10桁近い抵抗率の低下が見られたのに対し、格子面間隔d002が2.619Åの場合5桁程度の低下に抑えられている。
また、格子面間隔d002が2.625Åの酸化亜鉛薄膜では、250℃の熱処理において、抵抗率の低下を2桁程度にまで、2.636Åではそれ以上に抑えられている。
つまり、格子面間隔の増大と共に低抵抗化が始まる温度が高温側に移行している、即ち耐熱性が向上していることが分かる。
なお、図5で示したシート抵抗の熱処理温度依存性は本試験例の条件で行った結果であり、本発明を何ら限定するものではない。例えば、本試験例では真空中で熱処理を行っているが、酸素雰囲気で熱処理を行った場合、32(薄膜B)では300℃の熱処理を行っても抵抗率の低下が殆ど見られず、33(薄膜E),34(薄膜H)に至っては、350℃の熱処理を行っても抵抗率の低下が殆ど見られなかった。
2 基板保護膜
3 下地膜
4 一対のソース・ドレイン電極
4a 一対のソース・ドレイン電極の上側表面の一部の領域
5 酸化物半導体薄膜層
100,200 薄膜トランジスタ
Claims (11)
- 基板上に間隙を有して形成される一対のソース・ドレイン電極と、チャネルとして形成される酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体薄膜層と、該酸化物半導体薄膜層が形成される下地膜を有する薄膜トランジスタであって、
前記下地膜が、該一対のソース・ドレイン電極上で、且つ、該一対のソース・ドレイン電極夫々における上側表面の一部の領域を被覆しないように形成され、
前記酸化物半導体薄膜層が該下地膜上に形成され、且つ該一対のソース・ドレイン電極における該一部の領域と接し、
前記一対のソース・ドレイン電極における前記一部の領域の配向と、該酸化物半導体薄膜層の配向が、同一方向に優先配向されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 基板上に間隙を有して形成される一対のソース・ドレイン電極と、チャネルとして形成される酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体薄膜層と、該酸化物半導体薄膜層が形成される下地膜を有する薄膜トランジスタであって、
前記下地膜が、該一対のソース・ドレイン電極上で、且つ、該一対のソース・ドレイン電極夫々における上側表面の一部の領域を被覆しないように形成され、
前記酸化物半導体薄膜層が該下地膜上に形成され、且つ該一対のソース・ドレイン電極における該一部の領域と接し、
前記一対のソース・ドレイン電極において、少なくとも前記一部の領域が、酸化亜鉛に対してドナーとなる不純物がドーピングされた酸化亜鉛からなることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 前記酸化亜鉛に対してドナーとなるイオンが、Li、Na、N、C、B、Al、Ga、In、Mg、Beのうちいずれか1種以上であることを特徴とする請求項2記載の薄膜トランジスタ。
- 基板上に間隙を有して形成される一対のソース・ドレイン電極と、チャネルとして形成される酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体薄膜層と、該酸化物半導体薄膜層が形成される下地膜を有する薄膜トランジスタであって、
前記下地膜が、該一対のソース・ドレイン電極上で、且つ、該一対のソース・ドレイン電極夫々における上側表面の一部の領域を被覆しないように形成され、
前記酸化物半導体薄膜層が該下地膜上に形成され、且つ該一対のソース・ドレイン電極における該一部の領域と接し、
前記酸化物半導体薄膜層及び前記一対のソース・ドレイン電極における前記一部の領域が、前記基板に対して垂直方向に(002)優先配向を有する酸化亜鉛を主成分とし、該一部の領域の(002)結晶面の格子面間隔d002が、該酸化物半導体薄膜層の(002)結晶面の格子面間隔d002より小さいことを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 前記酸化物半導体薄膜層の(002)結晶面の格子面間隔d002が2.619Å以上であり、前記一対のソース・ドレイン電極における前記一部の領域の(002)結晶面の格子面間隔d002が、2.605Å以下であることを特徴とする請求項4記載の薄膜トランジスタ。
- 前記酸化物半導体薄膜層の(002)結晶面の格子面間隔d002が2.625Å以上であり、前記一対のソース・ドレイン電極における前記一部の領域の(002)結晶面の格子面間隔d002が、2.619Å以下であることを特徴とする請求項4記載の薄膜トランジスタ。
- 前記一対のソース・ドレイン電極における前記一部の領域の(002)結晶面の格子面間隔d002が、2.605Å以下であることを特徴とする請求項6記載の薄膜トランジスタ。
- 前記一対のソース・ドレイン電極が、少なくとも前記一部の領域を酸化亜鉛により被覆されたインジウムスズ酸化物からなることを特徴とする請求項2乃至7いずれか記載の薄膜トランジスタ。
- 前記下地膜が酸化珪素を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の薄膜トランジスタ。
- 前記基板が少なくとも上側表面が酸化珪素を主成分とする基板保護膜により被覆されており、前記一対のソース・ドレイン電極が該基板保護膜上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の薄膜トランジスタ。
- 請求項1乃至10いずれか記載の薄膜トランジスタの製法であって、
基板上に一対のソース・ドレイン電極を間隙を有して形成し、
該一対のソース・ドレイン電極上に前記下地膜を形成し、
該下地膜を開口して、該一対のソース・ドレイン電極夫々における上側表面の一部の領域を露出させ、該下地膜上に、酸化物半導体薄膜層を該一対のソース・ドレイン電極における該一部の領域と接して形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製法。
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