JP5309547B2 - 薄膜トランジスタパネルおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタパネルおよびその製造方法 Download PDF

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この発明は薄膜トランジスタパネルおよびその製造方法に関する。
従来の薄膜トランジスタパネルには、薄膜トランジスタの半導体薄膜の材料として、比較的高い移動度が得られる酸化亜鉛(ZnO)を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。この薄膜トランジスタパネルは絶縁基板を備えている。絶縁基板の上面にはゲート電極が設けられている。ゲート電極を含む絶縁基板の上面にはゲート絶縁膜が設けられている。ゲート電極上におけるゲート絶縁膜の上面には真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜が設けられている。半導体薄膜の上面全体には保護膜が設けられている。それらの上面全体には上層絶縁膜が設けられている。
半導体薄膜の両側における上層絶縁膜および保護膜には2つのコンタクトホールが設けられている。各コンタクトホールを介して露出された半導体薄膜の上面およびその周囲における上層絶縁膜の上面にはn型酸化亜鉛からなるオーミックコンタクト層が設けられている。各オーミックコンタクト層の上面にはソース電極およびドレイン電極が設けられている。
特開2006−100760号公報(図1)
ところで、上記従来の薄膜トランジスタパネルでは、半導体薄膜の下地となるゲート絶縁膜を窒化シリコンによって形成している(特許文献1の第10段落参照)。しかしながら、窒化シリコンからなるゲート絶縁膜の上面に真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜を成膜すると、後述の如く、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜の結晶配向性が比較的低く、ひいては薄膜トランジスタの性能(電界効果移動度)が比較的低いということが分かった。
そこで、この発明は、酸化亜鉛からなる半導体薄膜の結晶配向性を改善することができる薄膜トランジスタパネルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る薄膜トランジスタパネルは、絶縁基板と、前記絶縁基板上に該絶縁基板に接触するように相対向して設けられたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極と前記絶縁基板とに接触するように設けられた2つのオーミックコンタクト層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記2つのオーミックコンタクト層を含む前記絶縁基板上に設けられた酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜と、前記下地絶縁膜上に設けられた酸化亜鉛からなる半導体薄膜と、前記半導体薄膜上に設けられたゲート絶縁膜と、前記2つのオーミックコンタクト層の相対向する部分上における前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極とを有することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明に係る薄膜トランジスタパネルは、請求項1に記載の発明において、前記絶縁基板は無アルカリガラスからなることを特徴とするものである
請求項に記載の発明に係る薄膜トランジスタパネルは、請求項1または2に記載の発明において、さらに、前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁膜上に設けられたオーバーコート膜と、前記オーバーコート膜上に前記オーバーコート膜、前記ゲート絶縁膜および前記半導体薄膜に設けられたコンタクトホールを介して前記ソース電極に接続されて設けられた画素電極とを有することを特徴とするものである。
請求項に記載の発明に係る薄膜トランジスタパネルの製造方法は、絶縁基板上に該絶縁基板に接触するようにソース電極およびドレイン電極を相対向して形成する工程と、前記ソース電極および前記ドレイン電極と前記絶縁基板とに接触するように2つのオーミックコンタクト層を形成する工程と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記2つのオーミックコンタクト層を含む前記絶縁基板上に酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜を形成する工程と、前記下地絶縁膜上に酸化亜鉛からなる半導体薄膜を形成する工程と、前記半導体薄膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記2つのオーミックコンタクト層の相対向する部分上における前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
請求項に記載の発明に係る薄膜トランジスタパネルの製造方法は、請求項に記載の発明において、前記絶縁基板は無アルカリガラスからなることを特徴とするものである
請求項に記載の発明に係る薄膜トランジスタパネルの製造方法は、請求項4または5に記載の発明において、さらに、前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁膜上にオーバーコート膜を形成する工程と、前記ソース電極に対応する部分における前記オーバーコート膜、前記ゲート絶縁膜および前記半導体薄膜にコンタクトホールを形成する工程と、前記オーバーコート膜上に画素電極を前記オーバーコート膜、前記ゲート絶縁膜および前記半導体薄膜のコンタクトホールを介して前記ソース電極に接続させて形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
この発明によれば、酸化亜鉛からなる半導体薄膜の下地を酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜または石英ガラスからなる絶縁基板とすることにより、下地を窒化シリコンによって形成する場合と比較して、酸化亜鉛からなる半導体薄膜の結晶配向性を改善することができる。
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態としての薄膜トランジスタパネルの要部の断面図を示す。この薄膜トランジスタパネルはガラス基板(絶縁基板)1を備えている。ガラス基板1は、限定する意味ではないが、無アルカリガラスからなっている。ガラス基板1の上面の相対向する所定の2箇所にはアルミニウム、クロム、ITO等からなるソース電極2およびドレイン電極3が設けられている。
ソース電極2およびドレイン電極3の相対向する側の各上面およびその各近傍のガラス基板1の上面にはITOからなるオーミックコンタクト層4、5が設けられている。ソース電極2、ドレイン電極3およびオーミックコンタクト層4、5を含むガラス基板1の上面には酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜6が設けられている。
ガラス基板1の上面に設けられたオーミックコンタクト層4、5の各所定の箇所に対応する部分における下地絶縁膜6にはコンタクトホール7、8が設けられている。ソース電極2の所定の箇所に対応する部分における下地絶縁膜6にはコンタクトホール9が設けられている。
下地絶縁膜6のコンタクトホール7、8を介して露出されたオーミックコンタクト層4、5の各上面を含む下地絶縁膜6の上面には真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10が設けられている。下地絶縁膜6のコンタクトホール9に対応する部分における半導体薄膜10には、該コンタクトホール9よりもやや大きめのコンタクトホール11が設けられている。ここで、酸化亜鉛とは、ZnOのみならず、ZnOの他、Mg、Cd等を含むZnO系全体を意味するものである。
半導体薄膜10の上面には窒化シリコンからなるゲート絶縁膜12が設けられている。2つのオーミックコンタクト層4、5の相対向する部分上におけるゲート絶縁膜12の上面の所定の箇所にはアルミニウム、クロム、ITO等からなるゲート電極13が設けられている。
ここで、ソース電極2、ドレイン電極3、オーミックコンタクト層4、5、下地絶縁膜6、ゲート電極13下の半導体薄膜10、ゲート絶縁膜12およびゲート電極13により、トップゲート型の薄膜トランジスタ14が構成されている。この薄膜トランジスタ14では、ゲート電極13下の全域およびその周囲に半導体薄膜10が設けられているが、ゲート電極13に電圧が印加されると、ゲート電界がかかる領域がゲート電極13下の全域(点線で囲まれた領域)となり、この部分における半導体薄膜10のみにキャリアが効果的に誘起されるので、薄膜トランジスタして動作することが可能である。
ゲート電極13を含むゲート絶縁膜12の上面には窒化シリコンからなるオーバーコート膜15が設けられている。半導体薄膜10のコンタクトホール11に対応する部分におけるオーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12にはコンタクトホール16が設けられている。オーバーコート膜15の上面の所定の箇所にはITO等の透明導電材料からなる画素電極17が設けられている。画素電極17は、オーバーコート膜15、ゲート絶縁膜12および半導体薄膜10のコンタクトホール16、11を介してソース電極2に接続されている。
(実験結果)
次に、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10の下地となる下地絶縁膜6の材料についての実験結果について説明する。この場合、図2に示すように、第1の試料として、無アルカリガラスからなるガラス基板1の上面に、プラズマCVD法により、酸化シリコンからなる下地絶縁膜6および真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10を連続して成膜したものを用意した。また、第2の試料として、図2において、下地絶縁膜6を酸窒化シリコンによって形成したものを用意した。さらに、第1の比較試料として、図2において、下地絶縁膜6を窒化シリコンによって形成したものを用意した。
そして、第1、第2の試料および第1の比較試料に対してX線回折法により回折強度を測定したところ、図3に示す結果が得られた。この場合、酸化亜鉛の結晶構造はウルツ鉱型構造であるので、回折ピークは(002)面とした。また、図3において、θは回折角度である。図3から明らかなように、回折ピークの大きさは、第1の比較試料、第2の試料、第1の試料の順で大きくなっている。
すなわち、回折ピークは、第1の試料(下地絶縁膜6の材料が酸化シリコン)が一番大きく、次に第2の試料(下地絶縁膜6の材料が酸窒化シリコン)が大きく、第1の比較試料(下地絶縁膜6の材料が窒化シリコン)が一番小さい。ここで、回折ピークが大きいほど、単位体積当り多くの(002)面が検出されているということであり、つまり同じ向きに揃っている結晶が多く、結晶配向の乱れが少ないということを示している。
このことから、図1に示す薄膜トランジスタパネルでは、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10の下地を酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜6とすることにより、下地絶縁膜6を窒化シリコンによって形成する場合と比較して、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10の結晶配向性を改善することができ、ひいては薄膜トランジスタ14の性能(電界効果移動度)を向上することができる。
(製造方法の一例)
次に、図1に示す薄膜トランジスタパネルの製造方法の一例について説明する。まず、図4に示すように、ガラス基板1の上面の相対向する所定の2箇所に、スパッタ法により成膜されたアルミニウム等からなる金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、ソース電極2およびドレイン電極3を形成する。次に、ソース電極2およびドレイン電極3の相対向する側の各上面およびその各近傍のガラス基板1の上面に、スパッタ法により成膜されたITO膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、オーミックコンタクト層4、5を形成する。
次に、ソース電極2、ドレイン電極3およびオーミックコンタクト層4、5を含むガラス基板1の上面に、プラズマCVD法により、酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜6を成膜する。次に、フォトリソグラフィ法により、ガラス基板1の上面に形成されたオーミックコンタクト層4、5の各所定の箇所に対応する部分における下地絶縁膜6にコンタクトホール7、8を形成し、且つ、ソース電極2の所定の箇所に対応する部分における下地絶縁膜6にコンタクトホール9を形成する。
次に、図5に示すように、下地絶縁膜6のコンタクトホール7、8を介して露出されたオーミックコンタクト層4、5の各上面および下地絶縁膜6のコンタクトホール9を介して露出されたソース電極2の上面を含む下地絶縁膜6の上面に、プラズマCVD法により、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10および窒化シリコンからなるゲート絶縁膜12を連続して成膜する。
次に、図6に示すように、ゲート絶縁膜12の上面の所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたアルミニウム等からなる金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、ゲート電極13を形成する。次に、ゲート電極13を含むゲート絶縁膜12の上面に、プラズマCVD法により、窒化シリコンからなるオーバーコート膜15を成膜する。
次に、オーバーコート膜15の上面に、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜21を形成する。この場合、下地絶縁膜6のコンタクトホール9に対応する部分におけるレジスト膜21には開口部22が形成されている。次に、レジスト膜21をマスクとしてオーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12を連続してエッチングすると、図7に示すように、レジスト膜21の開口部22に対応する部分におけるオーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12にコンタクトホール16が連続して形成される。
この場合、コンタクトホール16を介して半導体薄膜10の表面が露出される。そこで、窒化シリコンからなるオーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12のエッチング方法としては、オーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12のエッチング速度は速いが、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10をなるべく侵さないようにするために、六フッ化イオウ(SF6)を用いた反応性プラズマエッチング(ドライエッチング)が好ましい。
次に、レジスト膜21をレジスト剥離液を用いて剥離する。この場合も、コンタクトホール16を介して露出された半導体薄膜10の表面がレジスト剥離液に曝されるが、この曝された部分はゲート電極13に対応する部分(実質的なデバイスエリア)以外であるので、別に支障はない。
次に、図8に示すように、オーバーコート膜15をマスクとして半導体薄膜10をエッチングすると、オーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12のコンタクトホール16に対応する部分における半導体薄膜10にコンタクトホール11が形成される。このとき、コンタクトホール16の周囲における半導体薄膜10にサイドエッチングが生じても、このサイドエッチングが生じた部分はゲート電極13に対応する部分(実質的なデバイスエリア)以外であるので、別に支障はない。
ここで、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10のエッチング液としては、サイドエッチングを少なくするため、アルカリ水溶液を用いてもよい。例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)30wt%未満水溶液、好ましくは2〜10wt%水溶液を用いる。エッチング液の温度は、5〜40℃、好ましくは室温(22〜23℃)とする。
次に、図1に示すように、オーバーコート膜15の上面の所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたITO等の透明導電材料からなる画素電極形成用膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、画素電極17をオーバーコート膜15、ゲート絶縁膜12、半導体薄膜10および下地絶縁膜6のコンタクトホール16、11、9を介してソース電極2に接続させて形成する。かくして、図1に示す薄膜トランジスタパネルが得られる。
このようにして得られた薄膜トランジスタパネルでは、ゲート電極13下の全域およびその周囲に半導体薄膜10を形成しているので、ゲート電極13下の全域に形成された半導体薄膜10の周囲に空洞が形成されることがなく、ゲート絶縁膜12の堆積不足でカバレッジが悪くなることはなく、薄膜トランジスタ14の信頼性を損なわないようにすることができる。また、ゲート電極13下の全域に形成された半導体薄膜10の周囲に空洞がないため、ゲート電極13下がゲート電界がかかる位置であっても、当該部分で絶縁破壊が生じないようにすることができる。
(第2実施形態)
図9はこの発明の第2実施形態としての薄膜トランジスタパネルの要部の断面図を示す。この薄膜トランジスタパネルにおいて、図1に示す薄膜トランジスタパネルと異なる点は、酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜6を備えておらず、その代わりに、ガラス基板(絶縁基板)1を石英ガラスによって形成した点である。
この場合、ソース電極2、ドレイン電極3およびオーミックコンタクト層4、5を含むガラス基板1の上面には真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10が設けられている。したがって、2つのオーミックコンタクト層4、5間における半導体薄膜10はガラス基板1の上面に設けられ、この部分における半導体薄膜10の下地は石英ガラスからなるガラス基板1となっている。
(実験結果)
次に、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10の下地となるガラス基板1の材料についての実験結果について説明する。この場合、図10に示すように、第3の試料として、石英ガラスからなるガラス基板1の上面に、プラズマCVD法により、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10を成膜したものを用意した。また、第2の比較試料として、図10において、ガラス基板1を無アルカリガラスによって形成したものを用意した。
そして、第3の試料および第2の比較試料に対してX線回折法により回折強度を測定したところ、図11に示す結果が得られた。この場合も、酸化亜鉛の結晶構造はウルツ鉱型構造であるので、回折ピークは(002)面とした。また、図11において、θは回折角度である。図11から明らかなように、回折ピークの大きさは、第1の比較試料(図3参照)、第2の比較試料、第3の試料の順で大きくなっている。
すなわち、回折ピークは、第3の試料(ガラス基板1の材料が石英ガラス)が一番大きく、次に第2の比較試料(ガラス基板1の材料が無アルカリガラス)が大きく、第1の比較試料(図2の構造で下地絶縁膜6の材料が窒化シリコン)が一番小さい。この場合も、回折ピークが大きいほど、単位体積当り多くの(002)面が検出されているということであり、つまり同じ向きに揃っている結晶が多く、結晶配向の乱れが少ないということを示している。
このことから、図9に示す薄膜トランジスタパネルでは、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10の下地を石英ガラスからなるガラス基板1とすることにより、ガラス基板1を無アルカリガラスによって形成する場合と比較して(且つ、下地を窒化シリコンによって形成する場合と比較して)、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10の結晶配向性を改善することができ、ひいては薄膜トランジスタ14の性能(電界効果移動度)を向上することができる。
(製造方法の一例)
次に、図9に示す薄膜トランジスタパネルの製造方法の一例について説明する。まず、図12に示すように、ガラス基板1の上面の相対向する所定の2箇所に、スパッタ法により成膜されたアルミニウム等からなる金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、ソース電極2およびドレイン電極3を形成する。
次に、ソース電極2およびドレイン電極3の相対向する側の各上面およびその各近傍のガラス基板1の上面に、スパッタ法により成膜されたITO膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、オーミックコンタクト層4、5を形成する。次に、ソース電極2、ドレイン電極3およびオーミックコンタクト層4、5を含むガラス基板1の上面に、プラズマCVD法により、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10および窒化シリコンからなるゲート絶縁膜12を連続して成膜する。
次に、ゲート絶縁膜12の上面の所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたアルミニウム等からなる金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、ゲート電極13を形成する。次に、ゲート電極13を含むゲート絶縁膜12の上面に、プラズマCVD法により、窒化シリコンからなるオーバーコート膜15を成膜する。
次に、オーバーコート膜15の上面に、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜21を形成する。この場合も、ソース電極2の所定の箇所に対応する部分におけるレジスト膜21には開口部22が形成されている。次に、レジスト膜21をマスクとしてオーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12を連続してエッチングすると、図13に示すように、レジスト膜21の開口部22に対応する部分におけるオーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12にコンタクトホール16が連続して形成される。
この場合も、コンタクトホール16を介して半導体薄膜10の表面が露出される。そこで、窒化シリコンからなるオーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12のエッチング方法としては、オーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12のエッチング速度は速いが、真性酸化亜鉛からなる半導体薄膜10をなるべく侵さないようにするために、六フッ化イオウ(SF6)を用いた反応性プラズマエッチング(ドライエッチング)が好ましい。
次に、レジスト膜21をレジスト剥離液を用いて剥離する。この場合も、オーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12のコンタクトホール16を介して露出された半導体薄膜10の表面がレジスト剥離液に曝されるが、この曝された部分はゲート電極13に対応する部分(実質的なデバイスエリア)以外であるので、別に支障はない。
次に、図14に示すように、オーバーコート膜15をマスクとして半導体薄膜10をエッチングすると、オーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12のコンタクトホール16に対応する部分における半導体薄膜10にコンタクトホール11が形成される。このとき、オーバーコート膜15およびゲート絶縁膜12のコンタクトホール16の周囲における半導体薄膜10にサイドエッチングが生じても、このサイドエッチングが生じた部分はゲート電極13に対応する部分(実質的なデバイスエリア)以外であるので、別に支障はない。
次に、図9に示すように、オーバーコート膜15の上面の所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたITO等の透明導電材料からなる画素電極形成用膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、画素電極17をオーバーコート膜15、ゲート絶縁膜12および半導体薄膜10のコンタクトホール16、11を介してソース電極2に接続させて形成する。かくして、図に示す薄膜トランジスタパネルが得られる。
このようにして得られた薄膜トランジスタパネルでも、ゲート電極13下の全域およびその周囲に半導体薄膜10を形成しているので、ゲート電極13下の全域に形成された半導体薄膜10の周囲に空洞が形成されることがなく、ゲート絶縁膜12の堆積不足でカバレッジが悪くなることはなく、薄膜トランジスタ14の信頼性を損なわないようにすることができる。また、ゲート電極13下の全域に形成された半導体薄膜10の周囲に空洞がないため、ゲート電極13下がゲート電界がかかる位置であっても、当該部分で絶縁破壊が生じないようにすることができる。
この発明の第1実施形態としての薄膜トランジスタパネルの要部の断面図。 実験に用いた第1の試料等を説明するために示す断面図。 第1の試料等に対するX線回折法による回折強度の測定結果を示す図。 図1に示す薄膜トランジスタパネルの製造方法の一例において、当初の工程の断面図。 図4に続く工程の断面図。 図5に続く工程の断面図。 図6に続く工程の断面図。 図7に続く工程の断面図。 この発明の第2実施形態としての薄膜トランジスタパネルの要部の断面図。 実験に用いた第3の試料等を説明するために示す断面図。 第3の試料等に対するX線回折法による回折強度の測定結果を示す図。 図9に示す薄膜トランジスタパネルの製造方法の一例において、当初の工程の断面図。 図12に続く工程の断面図。 図13に続く工程の断面図。
符号の説明
1 ガラス基板
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4、5 オーミックコンタクト層
6 下地絶縁膜
7〜9 コンタクトホール
10 半導体薄膜
11 コンタクトホール
12 ゲート絶縁膜
13 ゲート電極
14 薄膜トランジスタ
15 オーバーコート膜
16 コンタクトホール
17 画素電極

Claims (6)

  1. 絶縁基板と、前記絶縁基板上に該絶縁基板に接触するように相対向して設けられたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極と前記絶縁基板とに接触するように設けられた2つのオーミックコンタクト層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記2つのオーミックコンタクト層を含む前記絶縁基板上に設けられた酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜と、前記下地絶縁膜上に設けられた酸化亜鉛からなる半導体薄膜と、前記半導体薄膜上に設けられたゲート絶縁膜と、前記2つのオーミックコンタクト層の相対向する部分上における前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極とを有することを特徴とする薄膜トランジスタパネル。
  2. 請求項1に記載の発明において、前記絶縁基板は無アルカリガラスからなることを特徴とする薄膜トランジスタパネル。
  3. 請求項1または2に記載の発明において、さらに、前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁膜上に設けられたオーバーコート膜と、前記オーバーコート膜上に前記オーバーコート膜、前記ゲート絶縁膜および前記半導体薄膜に設けられたコンタクトホールを介して前記ソース電極に接続されて設けられた画素電極とを有することを特徴とする薄膜トランジスタパネル。
  4. 絶縁基板上に該絶縁基板に接触するようにソース電極およびドレイン電極を相対向して形成する工程と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極と前記絶縁基板とに接触するように2つのオーミックコンタクト層を形成する工程と、
    前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記2つのオーミックコンタクト層を含む前記絶縁基板上に酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる下地絶縁膜を形成する工程と、
    前記下地絶縁膜上に酸化亜鉛からなる半導体薄膜を形成する工程と、
    前記半導体薄膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記2つのオーミックコンタクト層の相対向する部分上における前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタパネルの製造方法。
  5. 請求項に記載の発明において、前記絶縁基板は無アルカリガラスからなることを特徴とする薄膜トランジスタパネルの製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の発明において、さらに、
    前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁膜上にオーバーコート膜を形成する工程と、
    前記ソース電極に対応する部分における前記オーバーコート膜、前記ゲート絶縁膜および前記半導体薄膜にコンタクトホールを形成する工程と、
    前記オーバーコート膜上に画素電極を前記オーバーコート膜、前記ゲート絶縁膜および前記半導体薄膜のコンタクトホールを介して前記ソース電極に接続させて形成する工程と、
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタパネルの製造方法。
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