JP5098802B2 - バルク酸化物超伝導材料及びその製造方法 - Google Patents

バルク酸化物超伝導材料及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高い臨界電流密度(Jc)を有するバルク酸化物超伝導材料及びその製造方法に関する。
いわゆる溶融法で製造されるRE系バルク酸化物超伝導材料、具体的には、RE2BaCuO5相が単結晶状のREBa2Cu3O7-x(ここでREはYを含む希土類元素の1種類又はその組合せ)相中に微細分散した希土類系酸化物超伝導体は、他の酸化物超伝導体に比較して磁束ピンニング力が大きく、特に、液体窒素温度(77K)に近い高温でも臨界電流密度が高いため、バルクマグネット、磁気浮上装置、電流リード等各種の応用分野への利用が期待されている。
このようなRE系バルク酸化物超伝導材料には、微量のPt、Rh、Ce等が添加され、1μm程度のRE2BaCuO5相の微細化が行われている。例えば、特許文献1及び2に記載されているQMG(Quench and Melt Growth)法に代表される溶融法は、RE2BaCuO5相又はRE4Ba2Cu2O10相とBa-Cu-Oを主成分とした液相とが共存(半溶融状態)する温度領域まで一度昇温し、これをREBa2Cu3O7-xが生成する包晶温度直上まで冷却し、その温度から徐冷を行うことにより、種結晶から結晶成長させて、核生成及び結晶方位の制御を行い、単一の結晶粒からなる大型のバルク材を得る手法である。
例えば、特許文献2に開示されている、包晶温度が高い種結晶を使用して結晶成長させるシーディング法では、種結晶は、製造しようとするRE1Ba2Cu3O7-x系酸化物超伝導体より融点(包晶温度)の高いRE2Ba2Cu3O7-x単結晶状試料が使用される。RE1Ba2Cu3O7-x系酸化物超伝導体の原料前駆体をRE1Ba2Cu3O7-xの包晶温度とRE2Ba2Cu3O7-xの包晶温度との中間温度まで加熱し、RE1Ba2Cu3O7-xが分解してRE1 2BaCuO5相又はRE1 4Ba2Cu2O10相とBa-Cu-Oを主成分とする液相との共存状態(半溶融状態)とし、その前駆体にRE2Ba2Cu3O7-x結晶の一面を接触させる。その後、RE1Ba2Cu3O7-xの包晶温度まで冷却することによりRE1Ba2Cu3O7-xが生成させるが、包晶温度近傍で徐冷を行うことによって、RE2Ba2Cu3O7-xの接触面の結晶方位と同じ方位に結晶成長させ、単結晶状バルクを製造する。
高いJcを得るためには、磁束をピン止めするピンニングサイトが超伝導相中に存在する必要がある。123相中に微細分散した211相は、常伝導相であることから、極めて強く有効なピンニングサイトとなる。このとき、ピンニング力は、211相と123相との界面で働くため、123相中の211相の体積割合が同じ場合、211相の粒径に反比例し、粒径が細かいほど強くなる。
結晶成長後、バルク超伝導体となる原料前駆体には、0.5質量%程度のPt又はRh、もしくは、1質量%程度のCeが添加される。これらの添加元素は、211相の粒の凝集及び粗大化を抑制する働きがある。例えば、特許文献3及び非特許文献1には、これら添加元素の効用に関して開示されている。
また、原料前駆体中に銀を添加した場合、そのRE組成における123相の生成温度(包晶温度)が低下することが知られている。例えば、特許文献4に記載されている図1には、銀の添加量に対する包晶温度の低下が示されており、5質量%程度までは添加量に比例して低下するが、10質量%以上では30〜40℃程度で飽和する。
また、非特許文献2には、イオン半径が比較的大きいNd、Sm、Eu、Gd系で酸素分圧を1%程度に低下させ、BaとRE元素との置換を抑制することにより、高い臨界温度(Tc)及び高いJc特性を有するバルク材料が得られることが報告されている。さらに、非特許文献3には、211相の粉末をボールミル等により粉砕し、粒径を細かくすることにより、高い特性が得られることが記載されている。
特開平2−153803号公報 特開平5−193938号公報 特開平6−72712号公報 特開平5−279031号公報 J. Mater. Res., 9 (1994) 1952-1960 Appl. Phys. Lett., 65 (1994) 633 Supercond. Sci. Technol., 13 (2000) 778-784
しかしながら、211相を123相中に微細分散させるには、単に微細な211相を原料粉として使用するだけではなく、微細な211相の凝集及び粗大化を抑制する熱処理方法又は製造方法が必要である。211相は、高温ではより凝集及び粗大化し易くなることから、211相の粗大化を抑制する観点からは、より低い温度でかつ、より短時間で熱処理を行うことが望ましい。しかしながら、熱処理時間を低温かつ短時間にした場合、123相の分解及び部分溶融が不十分となり、分解せずに残った多数の123相から結晶成長が起こり、バルクは多結晶化してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記の従来技術の問題点を解決し、123相の分解・部分溶融を低温・短時間で完了するとともに、211相の凝集・粗大化を抑制して、高Jcを有する単結晶状のバルク超伝導材料及びその製造方法を提供する。
本発明は、高Jc特性及び高磁束トラップ特性を有する超伝導バルク材料を提供するものであり、123相の分解・部分溶融を低温・短時間で完了できるよう前駆体配置及び熱処理工程を鋭意研究開発することにより、211相が均一かつ微細に分散した高特性のバルク材が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 1個の単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(ここで、REは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる希土類元素又はそれらの組合せ。0.0≦x≦0.5)(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が微細分散したバルク酸化物超伝導材料であって、前記バルク酸化物超伝導材料内に気孔率が5%以上25%以下の気孔含有層と気孔率が5%未満(0%を含む)の緻密層とがあり、前記緻密層が前記気孔含有層によって挟まれた領域が存在し、当該領域において前記123相が連続していることを特徴とするバルク酸化物超伝導材料。
(2) 前記バルク酸化物超伝導材料内に、前記気孔含有層が複数存在することを特徴とする(1)に記載のバルク酸化物超伝導材料。
(3) 前記緻密層の厚みが0.5〜8mmであることを特徴とする(1)又は(2)に記載のバルク酸化物超伝導材料。
(4) 前記バルク酸化物超伝導材料内に分散する211相の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料。
(5) 前記バルク酸化物超伝導材料の外径が50mm以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料。
(6) 前記バルク酸化物超伝導材料が、銀を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料。
(7) 前記銀の含有量が、3〜30質量%であることを特徴とする(6)に記載のバルク酸化物超伝導材料。
(8) 単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(ここで、REは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる希土類元素又はそれらの組合せ。0.0≦x≦0.5)(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が微細分散したバルク酸化物超伝導材料の製造方法であって、123相又は123相を生成し得る粉体を含む複数の超伝導バルク材原料圧粉体を加熱し、半溶融状態にした後、前記複数の超伝導バルク材原料圧粉体を半溶融状態において接触又は結合させた後、冷却することにより、211相が微細分散した123相の結晶成長を行うことを特徴とするバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(9) 前記接触又は結合においては、半溶融状態の圧粉体が重力により落下して接触又は結合させることを特徴とする(8)に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(10) 前記超伝導バルク材原料圧粉体の銀の含有量が3〜30質量%であることを特徴とする(8)に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(11) 前記超伝導バルク材原料圧粉体の銀の含有量が7〜30質量%であることを特徴とする(8)に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(12) 単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(ここで、REは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる希土類元素又はそれらの組合せ。0.0≦x≦0.5)(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が微細分散したバルク酸化物超伝導材料の製造方法であって、123相又は123相を生成し得る粉体を含む複数の超伝導バルク材原料圧粉体の間に、超伝導バルク材原料圧粉小片を挿入して、前記超伝導バルク材原料圧粉体を積層した後、加熱して超伝導バルク材原料圧粉体の部分溶融処理をしてから、超伝導バルク材原料圧粉小片の部分溶融処理をし、その後、冷却することで、211相が微細分散した123相の結晶成長を行うことを特徴とするバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(13) 単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(ここで、REは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる希土類元素又はそれらの組合せ。0.0≦x≦0.5)(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が微細分散したバルク酸化物超伝導材料の製造方法であって、123相又は123相を生成し得る粉体を含む複数の超伝導バルク材原料圧粉体の間に、前記超伝導バルク材原料圧粉体より123相生成温度(Tf)が高い超伝導バルク材原料圧粉小片を挿入して、前記超伝導バルク材原料圧粉体を積層した後、超伝導バルク材原料圧粉体のTf以上、超伝導バルク材原料圧粉小片のTf未満の温度に加熱して所定時間保持する超伝導バルク材原料圧粉体の部分溶融処理をしてから、超伝導バルク材原料圧粉小片のTf以上の温度に加熱して超伝導バルク材原料圧粉小片の部分溶融処理をし、その後、冷却することで、211相が微細分散した123相の結晶成長を行うことを特徴とするバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(14) 前記超伝導バルク材原料圧粉体が銀を3〜30質量%含有し、前記超伝導バルク材原料圧粉小片が銀を4質量%以下(0質量%を含む)含有し且つ前記超伝導バルク材原料圧粉体より銀含有量が少ないことを特徴とする(12)又は(13)に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(15) 前記超伝導バルク材原料圧粉体の銀含有量が7〜30質量%であることを特徴とする(12)〜(14)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(16) 前記超伝導バルク材原料圧粉小片の金属元素の仕込み組成が123相の組成であることを特徴とする(12)〜(15)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(17) 前記超伝導バルク材原料圧粉体の間に前記超伝導バルク材原料圧粉小片で形成する隙間が、1〜10mmであることを特徴とする(12)〜(16)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(18) 前記超伝導バルク材原料圧粉小片1個の体積が1mm3以上100mm3以下であることを特徴とする(12)〜(16)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(19) 前記超伝導バルク材原料圧粉体の厚さが1mm以上10mm以下であることを特徴とする(8)〜(18)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(20) 前記超伝導バルク材原料圧粉体の外径が65mm以上であることを特徴とする(8)〜(19)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
(21) 前記超伝導バルク材原料圧粉体中に平均粒径が0.5μm以下である211相を含むことを特徴とする(8)〜(20)のいずれかに記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
本発明によれば、簡便に、Jc及び磁束トラップ特性に優れた超伝導材料を提供することができる。特に大型の材料においては、高磁界を発生するバルク酸化物超伝導マグネットを簡便に実現し得ることから、その工業的効果は甚大である。
本発明のバルク酸化物超伝導材料は、単結晶状のREBa2Cu3O7-x中(0.0≦x≦0.5)に非超伝導相であるRE2BaCuO5相(211相)が微細分散した組織を有するもの(いわゆるQMG材料)である。ここで、単結晶状というのは、完璧な単結晶でなく、小傾角粒界等の実用に差支えない欠陥を有するものも包含するという意味である。REBa2Cu3O7-x相(123相)及びRE2BaCuO5相(211相)におけるREは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる希土類元素及びそれらの組み合わせである。なお、La、Nd、Sm、Eu、Gdを含む123相は1:2:3の化学量論組成から外れ、REのサイトにBaが一部置換した状態になることもある。また、非超伝導相である211相においても、La、Ndは、Y、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luとは幾分異なり、金属元素の比が非化学量論的組成であったり、結晶構造が異なっていたりすることが知られている。
前述のBa元素の置換は、臨界温度を低下させる傾向がある。また、より酸素分圧の小さい環境においては、Ba元素の置換が抑制される傾向にあることから、大気中よりはむしろ、アルゴン又は窒素中に酸素を微量混合した0.1〜1%酸素雰囲気内で、結晶成長を行うことが望ましい。
また、バルク酸化物超伝導材料中に銀が含まれていると、123相の包晶温度が低下する。その結果、微細な211相の凝集及び粗大化を抑制し、機械的強度及び臨界電流密度(Jc)が増加する傾向があるため、バルク酸化物超伝導材料中に銀が含まれていることが望ましい。
123相は、211相とBaとCuとの複合酸化物からなる液相との包晶反応(211相 + 液相(BaとCuとの複合酸化物) → 123相)により生成される。そして、この包晶反応により、123相が生成される温度(Tf:123相生成温度)は、RE元素のイオン半径に関連し、イオン半径の減少に伴いTfも低くなる。また、雰囲気中の酸素量の低下および銀の添加量の増大に伴い、Tfは低下する傾向にある。
単結晶状の123相中に211相が微細分散した材料は、123相が結晶成長する際、未反応の211相の粒が123相中に取り残されるためにできる。即ち、QMG材料は、
211相 + 液相(BaとCuとの複合酸化物) → 123相+211相
で示される反応により生成される。
QMG材料中の211相の微細分散は、臨界電流密度(Jc)を向上させる観点から極めて重要である。超伝導体が磁場中においても高い臨界電流密度(Jc)を有するためには、超伝導的に弱結合となる大傾角粒界を含まない単結晶状の123相であるばかりではなく、さらに、磁束の動きを止めるためのピンニングセンターが必要となる。このピンニングセンターとして機能するものが微細分散した211相であり、より細かく多数分散していることが望ましい。また、微細分散した211相がピンニングセンターとして機能するためには、平均粒径が0.5μm以下であることが望ましい。
Pt、Rh又はCeの少なくとも一つを原料中に微量添加することにより、半溶融状態(211相と液相とからなる状態)で211相が粒成長するのを抑制し、結果的に材料中の211相を約1μm以下に微細化できる。添加量は、微細化効果が現れる量及び材料コストの観点から、Ptで0.2〜2.0質量%、Rhで0.01〜0.5質量%、Ceで0.5〜2.0質量%であることが望ましい。そして、添加されたPt、Rh、Ceは123相中に一部固溶する。また、固溶できなかった元素は、BaやCuとの複合酸化物を形成し、材料中に点在することになる。
また、211相等の非超伝導相は、劈開し易い123相中に微細分散することによって、超伝導体を機械的に強化し、バルク材料として成り立たす重要な働きをも担っている。123相中の211相の割合は、Jc特性及び機械強度の観点から、5〜35mol%であることが望ましい。また、銀を添加した場合、Tfを低下させる効果が得られるためには、添加量によって1〜500μm程度の銀又は銀化合物を3質量%超30質量%以下含むことが望ましい。
また、結晶成長後、室温まで徐冷した材料の酸素欠損量(x)は、0.5程度で半導体的な抵抗率の温度変化を示すものの、約60K級の臨界温度を有し超伝導となる。これを各RE系により350℃〜600℃で100時間程度、酸素雰囲気中においてアニールすることにより酸素が材料中に取り込まれ、酸素欠損量(x)は0.2以下となり、臨界温度が90K級の良好な超伝導特性を示す。
前駆体中の粉末は、出発原料が123相と211相とを含む混合粉の場合以外でも、約900℃から123相及び211相を形成する反応が進む。加熱・昇温により123相が分解・部分溶融する場合、以下に示す反応により酸素を放出する。この反応は、前駆体の表面から進行し、徐々に内部へと進む。表面近傍の123相は、雰囲気の酸素分圧で決まる分解温度で溶融分解が起きるが、内部では、分解により放出される酸素は、比較的内部に留まり、酸素分圧が高くなることから、より高温になるまで反応が進まない。その結果、前駆体をより高温に曝さなければならないため、211相の粒子の凝集・粗大化が進んでしまう。
123相 → 211相 + 液相(BaとCuとの複合酸化物) + O2
また、溶融分解反応を短時間で完了させるため、極めて高速で昇温した場合、分解反応により放出された酸素が内部に不均一に残留し、mmオーダーの気孔(欠陥)を形成する。このため、材料の均一性が得られなくなる。
211相の凝集・粗大化を抑制するように、分解反応を低温・短時間で完了させるためには、酸素の放出を容易にするように前駆体の配置を考慮する必要がある。そこで、分解反応は表面から進行することから、前駆体の表面積を大きくする必要がある。例えば、直径50mm、厚さ30mmの円柱状の前駆体の場合、これを厚さ15mmの円柱を2枚重ねることにより、表面積を増大させることができる。即ち、前駆体を分割し、それらを別々に半溶融状態に加熱すればよい。
しかしながら、単に、分割して重ねたものを加熱するだけでは、表面から溶融するため、溶融層が周囲を覆い、2枚の円柱が結合してしまう。そのため、結局、内部の酸素分圧が高くなり、厚さ30mmの円柱とほぼ同様の結果となる。酸素の放出をスムースに行うことができるようにするには、2枚の円柱を実質的に別々に半溶融処理(加熱・昇温)した後に2枚の円柱を結合・一体化させる必要がある。ここで、半溶融状態とは、粘土のように、固相と液相とが混ざった状態であり、ある程度の変形が可能な状態である。
このような状況を可能にするためには、例えば、2枚のRE系の前駆体の円柱間に同じRE系の小片を配置し、加熱・溶融すればよい。このような状況においては、小片が前駆体間に隙間を作っており、小片が半溶融状態になって軟化し、半溶融化中又は半溶融化した前駆体の重さにより潰されるまでの間は、隙間を形成する。この方法では、比較的低温でかつ短時間で全体を半溶融化し、2枚の前駆体は完全には分離されて溶融処理されたわけではないが、実質的には、ほぼ別々に分離溶融されており、後に2枚の前駆体を結合・一体化することが可能となる。
さらに、完全に分離した状態で半溶融処理を行う場合には、例えば、銀を添加した2枚のRE系の前駆体の円柱間に同じRE系で銀を含まないバルクの小片を配置し、加熱・溶融すればよい。このような状況においては、小片のTfは前駆体のTfより高いため、前駆体のTf以上、小片のTf以下の温度領域においては、前駆体は完全に分離して半溶融化処理が進むことになる。そして、さらに温度が上昇すると、小片が半溶融状態になり、前駆体の重さにより潰されると同時に半溶融状態になり軟化した前駆体間に埋没し、2枚の前駆体は結合・一体化する。
このように重力により、半溶融状態の前駆体を結合する方法の他にも、炉内で機械的に外力を加え結合・一体化することも可能ではある。例えば、電気炉内で薄い円柱状の前駆体を半溶融処理溶融状態にした後、マニピュレイター等によりそれらを積層した後に、種結晶を乗せて徐冷することにより、結晶成長を行うことができる。
超伝導バルク材原料圧粉体の形状は、特に限定されるものではないが、超伝導バルク材原料圧粉体の溶融・結合後に全体に密着した結合界面を得るためには、超伝導バルク材原料圧粉体は板状であり平坦な面を有することが望ましい。また、前述したように、Tfを低下させる効果が得られるためには、超伝導バルク材原料圧粉体の銀添加量は、3〜30質量%が望ましいが、小片との溶融分解温度との温度差を十分大きく取るという観点から、7〜30質量%がさらに望ましい。超伝導バルク材原料圧粉体の厚さ(最も厚みの薄い部分の長さ)は、10mm超の場合においても有効ではあるが、酸素放出の観点から1mm以上10mm以下がさらに望ましい。なお、1mm以上としたのは、成形性及び作業性の観点を考慮したものである。
また、本発明は、超伝導バルク材原料圧粉体の体積にかかわらず有効であるが、本発明の効果は、バルク酸化物超伝導材料がより大きい場合により顕著に現れる。したがって、熱処理により外径が小さくなることを考慮すると、外径が65mm未満の圧粉体の場合においても有効ではあるが、本発明の効果が十分に得られるためには、超伝導バルク材原料圧粉体の外径(最も幅の大きい部分の長さ)が65mm以上であることが望ましい。その結果、バルク酸化物超伝導材料の外径(最も幅の大きい部分の長さ)が50mm以上となる。
また、本発明では、211相の凝集・粗大化が抑制されると、臨界電流密度(Jc)を向上させることができる。前述したように、バルク酸化物超伝導材料に含まれる211相の粒径が細かいほど効果が顕著になる。したがって、平均粒径が0.5μm超の211粉末を原料に用いた場合においても有効ではあるが、本発明の効果が十分に得られるためには、超伝導バルク材原料圧粉体が、平均粒径が0.5μm以下の211相を含むことが望ましい。
この時配置する小片は、銀を0〜4質量%含み、かつ、123相又は123相を生成し得る粉体を含むバルク体(隙間形成超伝導バルク体)であればよい。さらに、銀を3〜30質量%(望ましくは7〜30質量%)添加した超伝導バルク材原料圧粉体との溶融分解温度との温度差を十分大きく取るという観点から、小片の銀添加量を実質的に0質量%とすることが望ましい。なお、小片に銀が含まれている場合には、超伝導バルク材原料圧粉体よりも銀の含有量が少ないことが望ましい。また、小片は、分解温度での状態変化(固相→液相+固相)を大きくする観点から単相の123相が望ましく、さらに十分に焼結された緻密な小片が望ましい。
小片が形成する隙間は、超伝導バルク材原料圧粉体が半溶融状態において軟化して撓むことを考慮し、1〜10mmが望ましい。小片1個のサイズは、超伝導バルク材原料圧粉体の厚さに比べ小さければよい。体積が大きい場合、分解・溶融後に銀の拡散が十分に進まなくなり、包晶温度の高い領域が内部に残留することになり、望ましくない核生成が起こり、多結晶化し易くなることから、最低限、超伝導バルク材原料圧粉体を支えるために、小片1個の体積は1mm3以上100mm3以下であることが望ましい。なお、1mm3以上としたのは、成形性及び作業性の観点を考慮したものである。
銀を添加したRE系の123相の溶融分解温度は、銀(約7質量%以上)を添加したRE系より、30℃程度高い。したがって、隙間を形成するための小片の分解温度以下で、かつ銀を添加した(例えば、厚さ15mmの)前駆体の分解温度以上に保持することによって、隙間を保ち、酸素の放出を促進しながら前駆体を分解溶融処理することができる。
次に、小片の分解温度以上に加熱することによって、小片は体積が極めて小さいため酸素の放出が容易であり、ほぼ小片のRE系が有する雰囲気中での溶融分解温度で分解する。分解溶融した後は、小片はつぶれ、半溶融状態になった前駆体同士が接合・一体化する。小片が存在した周囲には、前駆体の液相を介し、銀が拡散するため、全体として銀の濃度は、ほぼ均一になる。また、種付け後は、全体として、RE系成分も同一であるため、小片部分からの核生成は起こらず、シーディングによって単結晶化を行うことが可能となる。
バルク酸化物超伝導材料の熱処理が、大気中で行われる場合、結晶成長後のバルク体内部には、30〜300μm程度の気孔(気泡又はボイド)を5〜25体積%含むが、表面層の0.5〜8mm(通常3mm)程度は、気孔を含まない(5体積%未満)層(緻密層)ができる。これは、気孔を形成する気相成分が拡散し、表面から放出されるためである。本発明の熱処理を大気中で行った場合、超伝導バルク材原料圧粉体の溶融時にそれぞれの表面から気孔を形成する気相成分が拡散し、その後、小片がつぶれ、超伝導バルク材原料圧粉体が互いに結合することから、バルク内部にも気孔を含まない層を形成することになる。このような状況は、気孔層間に気孔のない緻密層が存在することになり、本発明で作製された材料特有の組織を有することになる。ここでは、バルク酸化物超伝導材料中の直径約30〜300μmの固相がない領域を気孔と呼ぶことにする。
また、銀を添加した材料の場合等では、銀自身が温度変化によって、僅かに酸素を吸収又は放出したりするため、銀粒子に隣接して気孔を形成することがある。また、結晶成長後の凝固の際の体積収縮により、同様に隣接して気孔を形成することもある。このようにしてできた気孔は、約50μm以下と小さく、また、その占有率も5体積%未満と小さくなる。そのため、緻密層の気孔率を5体積%以下とした。
(実施例1)
市販されている純度99.9%の各試薬Gd2O3、BaO2、CuOを、Gd:Ba:Cuの金属元素のモル比が13:17:24(即ち、最終組織の123相:211相のモル比が7:3)になるように混合した。さらに、白金を0.5質量%添加した。そして、混合粉を一旦890℃で8時間仮焼し、さらに粉砕した。次に、仮焼粉に酸化銀(Ag2O)を10質量%添加し、内径80mmの円筒状金型及び冷間等方静水圧プレス(CIP)により、厚さ約27mmの円板状の成形体を1枚、厚さ約9mmの円板状の成形体を3枚作製した。また、Gd2O3の代わりにSm2O3及びYb2O3を用いて、上記Gd系の成形体と同様の方法により、厚さ4mmのSm系円板状成形体及びYb系円板状成形体を作製した。
また、Gd2O3、BaO2、CuOを、Gd:Ba:Cuの金属元素のモル比が1:2:3になるように混合し、さらに1質量%の銀を添加した混合粉を生成して、大気中890℃で8時間仮焼し、さらに粉砕した。この仮焼粉を外径20mm、厚さ4mmのペレットに成型した後、大気中920℃で8時間焼結した。焼結されたペレットから2mm角の隙間形成用超伝導バルクを12個切り出した。
次に、図1に示すように、Al2O3の支持材5の上に、Sm系成形体4、Yb系成形体3、隙間形成用超伝導バルク2、9mm厚さGd系成形体1、隙間形成用超伝導バルク2、9mm厚さGd系成形体1、隙間形成用超伝導バルク2、9mm厚さGd系成形体1の順番で下から重ね、炉内に配置した。また、比較材として、Al2O3の支持材5の上にSm系成形体4、Yb系成形体3、27mm厚さGd系成形体の順番で下から重ね、同じ炉内に配置した。
これらの重ねた成形体を、大気中において1030℃まで8時間で昇温し、10分保持した。その後、さらに1080℃まで30分で昇温し、20分保持した。次に、1030℃まで1時間で降温し、1時間保持した。その間に、1030℃において、予め作製しておいたSm系の種結晶(QMG結晶)を半溶融状態の前駆体上に乗せた。このとき、種結晶の方位はc軸が円盤状の前駆体の法線方向になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、1005〜980℃まで120時間かけて冷却し、結晶成長を行った。さらに常温まで約15時間かけて冷却した。
本実施例において、9mm厚さの原料圧粉体を、隙間形成用超伝導バルクを介して積層して作製した超伝導バルク材は、種結晶から単結晶状に成長していたが、比較材は、種結晶以外の部分から多数の核生成が発生しており、全体として単結晶状のGd系材料が得られなかった。
また、本実施例により得られた材料は、熱処理により外径が約60mmに収縮していた。そこで、上下部分を切断し、外周部を直径55mm、厚さ20mmの円柱状バルクに加工した後、酸素気流中において、450℃で100時間、続いて400℃で100時間酸素アニール処理を行った。
そして、得られた円柱状バルク材料を金属リングで補強した後、3.5Tの磁場中で液体窒素を用いて77Kに冷却し、補足磁場を評価した。その結果、中心部で2.2Tの磁束密度が得られ、かつ、同心円状の磁束密度分布であった。
さらに、円柱状のバルク超伝導体を平面に垂直に切断した。図2に、本実施例で作製したバルク超伝導体の断面における気孔分布の様子を示す。図2に示すように、幅約1.0mmの気孔(ボイド)がない2層(領域)があることを確認した。さらに、気孔含有層に挟まれた緻密層の光学顕微鏡写真を図3示す。図3に示すように、緻密層では気孔が少なく、気孔含有層では気孔が多いことを確認した。
以上のように、本実施例により高い超伝導特性を有するバルク材料を得られることが分かった。
(実施例2)
市販されている純度99.9%の各試薬Gd2O3、Dy2O3、BaO2、CuOを、Gd:Dy:Ba:Cuの金属元素のモル比が0.5:0.5:2:3(即ち、Gd:Dyが1:1になる123相)になるように混合し、さらに、白金を0.5質量%添加した混合粉を作製した。続いて、890℃で8時間仮焼し、Gd-Dy系123相を作製した。次にGd2O3、Dy2O3、BaO2、CuOを、Gd:Dy:Ba:Cuの金属元素のモル比が1:1:1:1(即ち、Gd:Dyが1:1になる211相)になるように混合し、さらに、白金を0.5質量%添加した混合粉を作製した。続いて、880℃で8時間仮焼し、Gd-Dy系211相を作製した。
さらに、得られた211相を遊星型ボールミルにより平均粒径0.25μmに粉砕し、123相及び粉砕した211相がモル比で7:3になるように混合した。さらに、混合粉には酸化銀(Ag2O)を12質量%添加し、内径80mmの円筒状金型及びCIPにより、厚さ約30mmの円板状の成形体を1枚、厚さ約10mmの円板状の成形体を3枚作製した。また、Gd2O3及びDy2O3の代わりにSm2O3及びYb2O3を用いて、上記Gd-Dy系の成形体と同様の方法により、厚さ4mmのSm系円板状成形体及びYb系円板状成形体を作製した。
また、Gd2O3、Dy2O3、BaO2、CuOを、Gd:Dy:Ba:Cuの金属元素のモル比が0.5:0.5:2:3になるように混合し、さらに0.5質量%の白金を添加した混合粉を大気中890℃で8時間仮焼し、さらに粉砕した。この仮焼粉を外径20mm、厚さ4mmのペレットに成型した後、大気中920℃で8時間焼結した。焼結されたペレットから直径約1.5mm、長さ4mmの隙間形成用超伝導バルクを12個切り出した。
これらの作製した成形体及びバルクを用いて、本実施例及び比較例として、実施例1において重ねた順序と同様に、Al2O3の支持材5の上に重ね、炉内に配置した。この時、隙間形成用超伝導バルク2は長さ方向が垂直になるように配置した。
これらの重ねた成形体を、大気中において1005℃まで8時間で昇温し、20分保持した。その後、さらに1065℃まで40分で昇温し、25分保持した。次に、1020℃まで1時間で降温し、30分保持した。その間に、予め作製しておいたSm系の種結晶(QMG結晶)を半溶融状態の前駆体上に乗せた。このとき、種結晶の方位はc軸が円盤状の前駆体の法線方向になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、990〜955℃まで150時間かけて冷却し、結晶の成長を行った。さらに常温まで約15時間かけて冷却した。
本実施例により10mm厚さの原料圧粉体を、隙間形成用超伝導バルクを介して積層して作製した超伝導バルク材は、種結晶から単結晶状に成長していたが、比較例の比較材は、種結晶以外の部分から多数の核生成が発生しており、全体として単結晶状のGd-Dy系材料が得られなかった。
また、本実施例により得られた材料は、熱処理により外径約60mmに収縮していた。そこで、上下部分を切断し、直径55mm、厚さ20mmの円柱状バルクに加工した後、酸素気流中において、450℃で100時間、続いて400℃で100時間酸素アニール処理を行った。
そして、得られた円柱状のバルク材料を金属リングで補強した後4.5Tの磁場中で液体窒素を用いて77Kに冷却し、補足磁場を評価した。その結果、中心部で2.5Tの磁束密度が得られ、かつ、同心円状の磁束密度分布であった。さらに、円柱状のバルク超伝導体を平面に垂直に切断したところ、中央部分に、2層、幅約1.0mmに気孔がない領域があることを確認した。
このように、本実施例により高い超伝導特性を有するバルク材料を得られることが分かった。
(実施例3)
市販されている純度99.9%の各試薬Gd2O3、BaO2、CuOを、Gd:Ba:Cuの金属元素のモル比が27:33:46(即ち、最終組織の123相:211相のモル比が65:35)になるように混合した。さらに、白金を0.5質量%添加した。そして、混合粉を一旦890℃で8時間仮焼し、さらに粉砕した。さらに、仮焼粉に酸化銀(Ag2O)を10質量%添加し、内径90mmの円筒状金型及びCIPにより、厚さ約28mmの円板状に成形体を1枚、厚さ約7mmの円板状の成形体を4枚作製した。また、Gd2O3の代わりにSm2O3及びYb2O3を用いて、上記Gd系の成形体と同様の方法により、厚さ4mmのSm系円板状成形体及びYb系円板状成形体を作製した。
また、Gd2O3、BaO2、CuOを、Gd:Ba:Cuの金属元素のモル比が1:2:3になるように混合し、大気中890℃で8時間仮焼して、さらに粉砕した。そして、この仮焼粉を外径20mm、厚さ5mmのペレットに成型した後、大気中920℃で8時間焼結した。さらに、焼結されたペレットから直径1.5mm、長さ5mmの隙間形成用超伝導バルクを16個切り出した。
これらの作製した成形体及びバルクを用いて、実施例1とほぼ同様に図1に示すように、Al2O3の支持材5の上に、Sm系成形体4、Yb系成形体3、9mm厚さGd系成形体1、隙間形成用超伝導バルク2、9mm厚さGd系成形体1、隙間形成用超伝導バルク2、7mm厚さGd系成形体1の順番で下から重ね、炉内に配置した。また、比較材として、Al2O3の支持材5の上にSm系成形体4、Yb系成形体3、28mm厚さGd系成形体の順番で下から重ね同じ炉内に配置した。
これらの重ねた成形体を、酸素濃度1%のアルゴンガス気流中において1000℃まで8時間で昇温し、10分保持した。そして、その後、さらに1050℃まで30分で昇温し、20分保持した。次に、1000℃まで1時間で降温し、1時間保持した。そして、1005℃において、予め作製しておいたSm系の種結晶(QMG結晶)を半溶融状態の前駆体上に乗せた。このとき、種結晶の方位はc軸が円盤状の前駆体の法線方向になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、980〜950℃まで150時間かけて冷却し、結晶の成長を行った。さらに常温まで約15時間かけて冷却した。
本実施例により9mm厚さの原料圧粉体を、隙間形成用超伝導バルクを介し積層して作製した超伝導バルク材は、種結晶から単結晶状に成長していたが、比較例の比較材は、種結晶以外の部分から多数の核生成が発生しており、全体として単結晶状のGd系材料が得られなかった。
また、本実施例により得られた材料は、熱処理により外径約68mmに収縮していた。そこで、上下部分を切断し、直径65mm、厚さ20mmの円柱状バルクに加工した後、酸素気流中において、450℃で100時間、続いて400℃で100時間酸素アニール処理を行った。
そして、得られた円柱状のバルク材料を金属リングで補強した後、3.5Tの磁場中で液体窒素を用いて77Kに冷却し、補足磁場を評価した。その結果、中心部で2.53Tの磁束密度が得られ、かつ、同心円状の磁束密度分布であった。さらに、円柱状のバルク超伝導体を平面に垂直に切断したところ3層、幅約0.8mmに気孔がない領域があることを確認した。
このように、本実施例により高い超伝導特性を有するバルク材料を得られることが分かった。
(実施例4)
市販されている純度99.9%の各試薬RE2O3(REはそれぞれGd、Dy)、BaO2、CuOを、RE:Ba:Cuの金属元素のモル比が5:7:10(即ち、最終組織の123相:211相のモル比が75:25)になるように混合した。さらに、Ptを0.3質量%、CeO2を0.8質量%、Ag2Oを15質量%添加した、REがGd、Dyの混合粉をそれぞれ作製した。そして、各混合粉を、一旦880℃で8時間仮焼した。さらに、前記Gd系仮焼粉とDy系仮焼粉とを90:10、及び80:20で混合した仮焼粉を作製した。
以上のように作製したGd系仮焼粉、Gd(90)-Dy(10)系仮焼粉及びGd(80)-Dy(20)系仮焼粉の3種類の仮焼粉は、内径100mmの円筒状金型中に、図4に示すように、中心部から外周方向へGd系仮焼粉、Gd(90)-Dy(10)系仮焼粉、Gd(80)-Dy(20)系仮焼粉の順に3層構造になるよう充填し、さらにCIPにより厚さ約12mmの円板状に3枚成形した。また、比較材として同様に厚さ約36mmの円板を作製した。
また、Gd2O3、Dy2O3、BaO2、CuOを、Gd:Dy:Ba:Cuの金属元素のモル比が0.8:0.2:2:3になるように混合し、さらに、銀を添加せず、0.5質量%の白金を添加した混合粉を大気中890℃で8時間仮焼し、さらに粉砕した。そして、この仮焼粉を外径20mm、厚さ4mmのペレットに成型した後、大気中930℃で8時間焼結した。さらに、焼結されたペレットから2.5mm角の隙間形成用超伝導バルクを12個切り出した。
これらの作製した円板及びバルクを用いて、実施例1〜3と同様に図1に示すように、Al2O3の支持材5の上に、Sm系成形体4、Yb系成形体3、12mm厚さGd-Dy系成形体、Gd-Dy系隙間形成用超伝導バルク、12mm厚さGd-Dy系成形体、Gd-Dy系隙間形成用超伝導バルク、12mm厚さGd-Dy系成形体の順番で下から重ね、炉内に配置した。このとき、Gd-Dy系隙間形成用超伝導バルクは、外周(Gd(80)-Dy(20)系)層上に4個配置した。また、比較材として、Al2O3の支持材5の上にSm系成形体4、Yb系成形体3、36mm厚さGd-Dy系成形体の順番で下から重ね、同じ炉内に配置した。
これらの重ねた成形体を、大気中において1030℃まで8時間で昇温した。そして、さらに1085℃まで10時間で昇温し、30分保持した。その後、さらに1030℃まで1時間で降温し、1時間保持した。その間、予め作製しておいたSm系の種結晶(QMG結晶)を半溶融状態の前駆体上に乗せた。このとき、種結晶の方位はc軸が円板状の前駆体の法線方向になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、1005〜975℃まで180時間かけて冷却し、結晶の成長を行った。さらに常温まで約15時間かけて冷却した。一連の熱処理により、外径75mmの円柱形のGd-Dy系材料を作製した。
本実施例により12mm厚さの原料圧粉体と隙間形成用超伝導バルクとを積層して作製した超伝導バルク材は、種結晶から単結晶状に成長していたが、比較材は、種結晶以外の部分から多数の核生成が発生しており、全体として単結晶状のGd-Dy系材料が得られなかった。
また、本実施例により得られた材料は、熱処理により外径約75mmに収縮していた。そこで、上下部分を切断し、外径70mm、厚さ25mmの円柱状バルクに加工した後、酸素気流中において、450℃で100時間、続いて400℃で100時間酸素アニール処理を行った。
そして、得られた円柱状のバルク材料を金属リングで補強した後4.5Tの磁場中で液体窒素を用いて77Kに冷却し、補足磁場を評価した。その結果、中心部で3.2Tの磁束密度が得られ、かつ、同心円状の磁束密度分布であった。さらに、円柱状のバルク超伝導体を平面に垂直に切断したところ、幅約1.2mmで2層、気孔がない領域があることを確認した。
このように、本実施例により高い超伝導特性を有するバルク材料を得られることが分かった。
本発明の実施例1における試料の配置関係を示す図である。 本発明の実施例1において得られた材料の切断面における気孔分布を示す模式図である。 本発明の実施例1において得られた材料の緻密層周辺の気孔分布を示す光学顕微鏡写真である。 本発明の実施例4において用いた金型内の圧粉体の組成分布の一例を示す図である。
符号の説明
1 9mm厚さGd系成形体
2 隙間形成用超伝導バルク
3 Yb系成形体
4 Sm系成形体
5 Al2O3の支持材

Claims (21)

  1. 1個の単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(ここで、REは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる希土類元素又はそれらの組合せ。0.0≦x≦0.5)(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が微細分散したバルク酸化物超伝導材料であって、前記バルク酸化物超伝導材料内に気孔率が5%以上25%以下の気孔含有層と気孔率が5%未満(0%を含む)の緻密層とがあり、前記緻密層が前記気孔含有層によって挟まれた領域が存在し、当該領域において前記123相が連続していることを特徴とするバルク酸化物超伝導材料。
  2. 前記バルク酸化物超伝導材料内に、前記気孔含有層が複数存在することを特徴とする請求項1に記載のバルク酸化物超伝導材料。
  3. 前記緻密層の厚みが0.5〜8mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルク酸化物超伝導材料。
  4. 前記バルク酸化物超伝導材料内に分散する211相の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料。
  5. 前記バルク酸化物超伝導材料の外径が50mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料。
  6. 前記バルク酸化物超伝導材料が、銀を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料。
  7. 前記銀の含有量が、3〜30質量%であることを特徴とする請求項6に記載のバルク酸化物超伝導材料。
  8. 単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(ここで、REは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる希土類元素又はそれらの組合せ。0.0≦x≦0.5)(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が微細分散したバルク酸化物超伝導材料の製造方法であって、123相又は123相を生成し得る粉体を含む複数の超伝導バルク材原料圧粉体を加熱し、半溶融状態にした後、前記複数の超伝導バルク材原料圧粉体を半溶融状態において接触又は結合させた後、冷却することにより、211相が微細分散した123相の結晶成長を行うことを特徴とするバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  9. 前記接触又は結合においては、半溶融状態の圧粉体が重力により落下して接触又は結合させることを特徴とする請求項8に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  10. 前記超伝導バルク材原料圧粉体の銀の含有量が3〜30質量%であることを特徴とする請求項8に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  11. 前記超伝導バルク材原料圧粉体の銀の含有量が7〜30質量%であることを特徴とする請求項8に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  12. 単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(ここで、REは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる希土類元素又はそれらの組合せ。0.0≦x≦0.5)(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が微細分散したバルク酸化物超伝導材料の製造方法であって、123相又は123相を生成し得る粉体を含む複数の超伝導バルク材原料圧粉体の間に、超伝導バルク材原料圧粉小片を挿入して、前記超伝導バルク材原料圧粉体を積層した後、加熱して超伝導バルク材原料圧粉体の部分溶融処理をしてから、超伝導バルク材原料圧粉小片の部分溶融処理をし、その後、冷却することで、211相が微細分散した123相の結晶成長を行うことを特徴とするバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  13. 単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(ここで、REは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる希土類元素又はそれらの組合せ。0.0≦x≦0.5)(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が微細分散したバルク酸化物超伝導材料の製造方法であって、123相又は123相を生成し得る粉体を含む複数の超伝導バルク材原料圧粉体の間に、前記超伝導バルク材原料圧粉体より123相生成温度(Tf)が高い超伝導バルク材原料圧粉小片を挿入して、前記超伝導バルク材原料圧粉体を積層した後、超伝導バルク材原料圧粉体のTf以上、超伝導バルク材原料圧粉小片のTf未満の温度に加熱して所定時間保持する超伝導バルク材原料圧粉体の部分溶融処理をしてから、超伝導バルク材原料圧粉小片のTf以上の温度に加熱して超伝導バルク材原料圧粉小片の部分溶融処理をし、その後、冷却することで、211相が微細分散した123相の結晶成長を行うことを特徴とするバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  14. 前記超伝導バルク材原料圧粉体が銀を3〜30質量%含有し、前記超伝導バルク材原料圧粉小片が銀を4質量%以下(0質量%を含む)含有し且つ前記超伝導バルク材原料圧粉体より銀含有量が少ないことを特徴とする請求項12又は13に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  15. 前記超伝導バルク材原料圧粉体の銀含有量が7〜30質量%であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  16. 前記超伝導バルク材原料圧粉小片の金属元素の仕込み組成が123相の組成であることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  17. 前記超伝導バルク材原料圧粉体の間に前記超伝導バルク材原料圧粉小片で形成する隙間が、1〜10mmであることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  18. 前記超伝導バルク材原料圧粉小片1個の体積が1mm3以上100mm3以下であることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  19. 前記超伝導バルク材原料圧粉体の厚さが1mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項8〜18のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  20. 前記超伝導バルク材原料圧粉体の外径が65mm以上であることを特徴とする請求項8〜19のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
  21. 前記超伝導バルク材原料圧粉体中に平均粒径が0.5μm以下である211相を含むことを特徴とする請求項8〜20のいずれか1項に記載のバルク酸化物超伝導材料の製造方法。
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