JP5098322B2 - オキセタン化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)当該固体触媒を、ヒーター等により50℃で保温しておき、高真空状態から徐々にアンモニア又は二酸化炭素に晒し、これらの吸着量を測定することで、全吸着等温線(化学吸着と物理吸着の両方を含む)を得る。
(2)次に、固体触媒を高真空におき、物理吸着したアンモニア又は二酸化炭素だけを完全に除去した後、そのまま再度アンモニア又は二酸化炭素に晒すことで、同様に二度目の吸着等温線(物理吸着等温線に該当する)を得る。
(3)全吸着等温線(一度目の吸着等温線;化学吸着と物理吸着の両方を含む)と物理吸着等温線の差により化学吸着等温線を得る。
(4)その化学吸着等温線は、ほぼ直線となるため、これを化学吸着等温線のP=0に外挿することで、固体触媒に単分子層で化学吸着したアンモニア量又は二酸化炭素量(化学吸着量)を認識する。
ガラス製フラスコに、硝酸セシウム5.2g及びイオン交換水20gを加えて撹拌し、硝酸セシウム水溶液を得た。次いで、アモルファスシリカ(粒径:10〜20メッシュ)16gに、先の硝酸セシウム水溶液を加えた後、更にリン酸水溶液(85%リン酸水溶液2.5gにイオン交換水10gを加えて調製したもの)を加えた。得られた水溶液を蒸発乾固させた後に、空気中にて600℃で2時間焼成して触媒Aを得た。
触媒A1.5gをガラス製サンプルセルに入れ、4Pa以下にて、380℃で2時間加熱した(前処理)。次に、アンモニアの化学吸着量測定を行うため、前処理された触媒Aを、サンプルセルのまま高性能・全自動ガス吸着量測定装置Autosorb−1−C型(ユアサアイオニクス社製)に設置した。
固体触媒をヒーターにより50℃で保温し、真空状態から徐々にアンモニアガスをサンプルセルに導入し、絶対圧5.3kPaから5.2kPa間隔で106.7kPaまで合計20点で吸着量(即ち、化学吸着量と物理吸着量を合わせた全吸着量)を測定(測定温度;50℃、熱平衡時間;60分、圧力公差;4、吸着平衡時間;2分)し、全吸着等温線(化学吸着と物理吸着の両方を含む)を作成した。
その後、高真空で排気することにより物理吸着したアンモニアを除去し、再度絶対圧5.3kPaから5.2kPa間隔で106.7kPaまで合計20点で吸着量(即ち、物理吸着量)を測定し、物理吸着等温線を作成した。全吸着量と物理吸着量の差から化学吸着等温線を作成し、これをP=0に外挿した。その結果、触媒Aのアンモニア化学吸着量は6μmol/gであった。
又、吸着ガスをアンモニアガスから二酸化炭素に変えて、二酸化炭素の化学吸着量測定を行った。その結果、二酸化炭素化学吸着量は1μmol/g以下であった。
内径7mmのパイレックス(登録商標)ガラス製縦型反応管に、触媒A1mlを充填し、その上層に直径2mmのガラスビーズ8gを充填した。次いで、触媒層温度を350℃に保持した後、アルゴンを毎分5mlで通気しながら、5質量%トリメチロールプロパン水溶液を流量2.9g/hで、反応管上方からメタリングポンプにより供給した。供給開始から1〜5時間(合計4時間分)の反応液を捕集して分析した結果、トリメチロールプロパンの転化率は12.1mol%、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの選択率は82.7mol%であった。
参考例1において、硝酸セシウムを硝酸ナトリウム2.3gに変えたこと以外は、参考例1と同様に触媒を製造した(触媒B)。
参考例2において、触媒Aを触媒Bに変えたこと以外は、参考例2と同様に化学吸着量測定を行った。その結果、アンモニアの化学吸着量は11μmol/g、二酸化炭素の化学吸着量は1μmol/g以下であった。
実施例1において、触媒Aを触媒Bに変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、トリメチロールプロパンの転化率は11.4mol%、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの選択率は50.6mol%であった。
参考例1において、リン酸を加えなかったこと以外は、参考例1と同様に触媒を製造した(触媒C)。
参考例2において、触媒Aを触媒Cに変えたこと以外は、参考例2と同様に化学吸着量測定を行った。その結果、アンモニアの化学吸着量は8μmol/g、二酸化炭素の化学吸着量は15μmol/gであった。
実施例1において、触媒Aを触媒Cに変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、トリメチロールプロパンの転化率は12.8mol%、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの選択率は66.3mol%であった。
実施例1において、触媒Aを触媒Cに、5質量%トリメチロールプロパン水溶液を50質量トリメチロールプロパン水溶液に、触媒量を2mlに、アルゴンの流量を毎分5mlに変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、トリメチロールプロパンの転化率は45.6mol%、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの選択率は73.2mol%であった。
実施例4において、50質量%トリメチロール水溶液を50質量トリメチロールエタン水溶液に変えたこと以外は、実施例4と同様に反応を行った。その結果、トリメチロールプロパンの転化率は45.6mol%、3-メチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの選択率は46.1mol%であった。
参考例1において、硝酸セシウムを加えず、イオン交換水10gを加えたこと以外は、参考例1と同様に触媒を製造した(触媒X)。
参考例2において、触媒Aを触媒Xに変えたこと以外は、参考例2と同様に化学吸着量測定を行った。その結果、アンモニアの化学吸着量は278μmol/g、二酸化炭素の化学吸着量は1μmol/g以下であった。
実施例1において、触媒Aを触媒Xに変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、トリメチロールプロパンの転化率は25.7mol%であったが、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの生成は確認されなかった。
参考例2において、触媒Aをγ-アルミナ(NST-7;日揮ユニバーサル社製)に変えたこと以外は、参考例2と同様に化学吸着量測定を行った。その結果、アンモニアの化学吸着量は477μmol/g、二酸化炭素の化学吸着量は104μmol/gであった。
実施例1において、触媒Aをγ-アルミナ(NST-7;日揮ユニバーサル社製)に変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、トリメチロールプロパンの転化率は100mol%であったが、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの生成は確認されなかった。
参考例2において、触媒Aを酸化ジルコニウム(XZ16052;NORTON社製)に変えたこと以外は、参考例2と同様に化学吸着量測定を行った。その結果、アンモニアの化学吸着量は376μmol/g、二酸化炭素の化学吸着量は276μmol/gであった。
参考例2において、触媒Aを酸化ジルコニウム(XZ16052;NORTON社製)に変えたこと以外は、参考例2と同様に反応を行った。その結果、トリメチロールプロパンの転化率は100mol%であったが、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの生成は確認されなかった。
実施例2において、触媒AをNaY型ゼオライト(320NAA;東ソー社製)に変えたこと以外は、実施例2と同様に化学吸着量測定を行った。その結果、アンモニアの化学吸着量は2596μmol/g、二酸化炭素の化学吸着量は3μmol/gであった。
参考例2において、触媒AをNaY型ゼオライト(320NAA;東ソー社製)に変えたこと以外は、参考例2と同様に反応を行った。その結果、トリメチロールプロパンの転化率は100mol%であったが、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの生成は確認されなかった。
Claims (3)
- 50℃において、アンモニアの化学吸着量が100μmol/g以下であり、且つ二酸化炭素の化学吸着量が100μmol/g以下である、アルカリ金属化合物が担体に担持されている固体触媒の存在下、トリメチロールアルカンを分子内脱水反応させることを特徴とする、3-アルキル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの製造方法。
- 固体触媒が、更にリン化合物が担体に担持されているものである請求項1記載の3-アルキル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの製造方法。
- 固体触媒の担体が、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア及び活性炭からなる少なくとも1種の担体である、請求項1又は2記載の3-アルキル-3-ヒドロキシメチルオキセタンの製造方法。
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