JP5094829B2 - 自動操舵装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶等の航走体の針路を自動制御する自動操舵装置及び方法に関する。
現在、大洋を運航する船舶等のように数日間以上に亘って運航されることのある船舶の殆どは、操縦者の睡眠時間の確保、或いは操縦者の負担軽減を図ることを目的として、オートパイロットといわれる自動操舵装置を備えている。この自動操舵装置は、一定周期で針路偏差(予め設定された針路と実際の針路との差)を求め、この針路偏差を解消し得る命令舵角を計算し、得られた命令舵角に基づいた制御を行うことにより船舶の自動操舵を実現している。
つまり、図5に示す通り、予め設定された針路(設定針路)をφとし、ジャイロコンパス等によって検出された実際の針路(実針路)をφとすると、自動操舵装置は、一定周期で以下の(1)に示される針路偏差θを0にする制御を行う。尚、図5は、針路偏差θを説明するための図である。
θ=φ−φ …(1)
ここで、上記(1)に示される針路偏差θは、船舶の実針路が設定針路の右側の方向であるときには正の値をとり、左側の方向であるときには負の値をとる。尚、従来の自動操舵装置の詳細については、例えば以下の非特許文献1,2を参照されたい。
茂在寅男、小林実,「コンパスとジャイロの理論と実際」,海文堂出版,1971年9月 西谷芳雄,「コンパスと自動操舵」,成山堂書店,1988年9月
ところで、上述の通り、針路偏差θは設定針路φを中心にして正・負の値を取るため、その大きさの最大値は180°である。従って、従来の自動操舵装置は、針路偏差θの大きさを0〜180°の範囲で取り扱えば十分であるため、大きさが180°を超える自動変針を行うことができないという問題があった。このため、船舶の自動操舵が行われている最中に大きさが180°を超える変針を行う必要がある場合には、例えば自動操舵を一時的に中断して航海士等の操縦者が舵を手動で操舵する必要があった。
また、従来の自動操舵装置は、操縦者が意図した方向とは異なる方向に船舶が旋回してしまうことがあるという問題があった。図6は、従来の自動操舵装置の問題点を説明するための図である。いま、図6に示す通り、設定針路φ及び実針路φが共に0°である船舶を、図中符号D101が付された方向に沿って旋回(右旋回)させて新たな設定針路200°に自動変針させる場合を考える。
かかる場合に、従来の自動操舵装置によって求められる針路偏差は−160°になる。このため、船舶は操縦者が意図した右方向(符号D101が付された方向)とは異なる左方向(符号D102が付された方向)に沿って160°だけ旋回して新たな設定針路200°に自動変針することになり、操縦者の意図に反した旋回が行われるという問題があった、
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、操縦者の意図した方向に沿って大きさが180°を超える自動変針を行うことができる自動操舵装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の自動操舵装置は、航走体(30)の針路である設定針路を設定する設定部(12)と、当該設定部で設定された設定針路と前記航走体の実際の針路である実針路との差である針路偏差(E1)を求める演算部(13)と、当該演算部で求められた針路偏差に応じて前記航走体の針路を自動制御する制御部(14)とを備える自動操舵装置(1)において、前記制御部は、前記航走体を旋回させるべき方向である第1方向と前記針路偏差に応じて制御される前記航走体の旋回方向である第2方向とが異なる場合に、前記針路偏差で示される角度を前記第1方向における角度に変更した上で前記航走体の針路を自動制御することを特徴としている。
この発明によると、航走体を旋回させるべき方向である第1方向と針路偏差に応じて制御される航走体の旋回方向である第2方向とが異なる場合に、針路偏差で示される角度が第1方向における角度に変更された上で航走体の針路が制御部により自動制御される。
また、本発明の自動操舵装置は、前記航走体を旋回させるべき方向である前記第1方向と前記航走体を旋回させるべき角度とを入力する入力部(11)を備えており、前記設定部は、前記入力部からの入力があった場合には、前記入力部からの入力に基づいて前記設定針路を設定するとを特徴としている。
また、本発明の自動操舵装置は、前記演算部が、−360°よりも大きく360°よりも小さな範囲で前記針路偏差を求めることを特徴としている。
また、本発明の自動操舵装置は、前記制御部が、前記第1方向が前記航走体を右旋回させる方向であって前記針路偏差が正の値をとる場合には、前記針路偏差で示される角度を、当該角度から360°を差し引いた角度に変更することを特徴としている。
或いは、本発明の自動操舵装置は、前記制御部が、前記第1方向が前記航走体を左旋回させる方向であって前記針路偏差が負の値をとる場合には、前記針路偏差で示される角度を、当該角度に360°を加えた角度に変更することを特徴としている。
本発明の自動操舵方法は、航走体(30)の針路である設定針路と前記航走体の実際の針路である実針路との差である針路偏差(E1)に応じて前記航走体の針路を自動制御する自動操舵方法において、前記航走体を旋回させるべき方向である第1方向と前記針路偏差に応じて制御される前記航走体の旋回方向である第2方向とが一致するか否かを判断する第1ステップ(S14、S15、S17)と、前記第1ステップで前記第1方向と前記第2方向とが一致しないと判断された場合に、前記針路偏差で示される角度を前記第1方向における角度に変更する第2ステップ(S16、S18)と、前記第2ステップで角度が変更された針路偏差に基づいて前記航走体の針路を自動制御する第3ステップとを含むことを特徴としている。
また、本発明の自動操舵方法は、前記針路偏差が、−360°よりも大きく360°よりも小さな値を取り得ることを特徴としている。
また、本発明の自動操舵方法は、前記第2ステップが、前記第1方向が前記航走体を右旋回させる方向であって前記針路偏差が正の値をとる場合には、前記針路偏差で示される角度を、当該角度から360°を差し引いた角度に変更し、前記第1方向が前記航走体を左旋回させる方向であって前記針路偏差が負の値をとる場合には、前記針路偏差で示される角度を、当該角度に360°を加えた角度に変更することを特徴としている。
本発明によれば、航走体を旋回させるべき方向である第1方向と針路偏差に応じて制御される航走体の旋回方向である第2方向とが異なる場合に、針路偏差で示される角度を第1方向における角度に変更した上で航走体の針路を制御しているため、操縦者の意図した方向に沿って大きさが180°を超える自動変針を行うことができるという効果がある。
本発明の一実施形態による自動操舵装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による自動操舵方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による自動操舵装置1のシミュレーション結果の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による自動操舵装置で応用可能な自動操舵中の危険回避を説明するための図である。 針路偏差θを説明するための図である。 従来の自動操舵装置の問題点を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による自動操舵装置及び方法について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による自動操舵装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の自動操舵装置1は、制御装置10及びパワー増幅部20を備えており、船舶30(航走体)に設けられた方位検出器31の検出結果に基づいて、船舶30に設けられた操舵機32を制御することにより船舶30の針路を自動制御する。尚、自動操舵装置1は当然ながら船舶30内に設けられるものであるが、図1では説明の便宜のために自動操舵装置1を船舶30外に図示している。
制御装置10は、入力部11、針路設定部12(設定部)、演算器13(演算部)、舵角制御部14(制御部)、及び演算器15を備えており、船舶30が進むべき針路(設定針路)と船舶30の実際の針路(実針路)との差である針路偏差を求め、この針路偏差を解消し得る命令舵角を示す制御信号S1を出力する。尚、上記の実針路は、方位検出器31から出力される検出信号S2で示される針路である。また、制御装置10は、上記の命令舵角を、予め設定された制御周期(例えば、1秒)毎に求める。
入力部11は、航海士等の操縦者により操作される操作盤やキーボード等を備えており、手動操舵と自動操舵との切り替え指示、船舶30を旋回させるべき方向(第1方向)及び船舶30を旋回させるべき角度の指示等の各種指示を入力する。針路設定部12は、船舶30が進むべき針路である設定針路を設定する。具体的には、操縦者の指示によって自動操舵が設定されている場合には、海図上に予め設定された自動航路に沿って船舶30を自動操舵させるための設定針路を示す設定信号U1を上記の制御周期毎に順次出力する。また、操縦者の指示によって手動操舵が設定されている場合には、入力部11から入力された指示に応じた船舶30の設定針路を示す設定信号U1を出力する。
演算器13は、針路設定部12から出力される設定信号U1から、方位検出器31から出力される検出信号S2を減算することにより、設定信号U1で示される設定針路と検出信号S2で示される実針路との差を示す針路偏差E1を求める。ここで、設定信号U1で示される設定針路をφとし、検出信号S2で示される実針路をφとし、針路偏差E1で示される針路偏差をθとすると、演算器13は、従来と同様に(1)式を用いて針路偏差θを求める。但し、演算器13は、−360°よりも大きく360°よりも小さな範囲で針路偏差θを求める。このため、従来は取り扱われなかった180°よりも大きな針路偏差(例えば+200°なる針路偏差)や、−180°よりも小さな針路偏差(例えば、−200°なる針路偏差)が演算器13によって求められることもある。
舵角制御部14は、演算器13から出力される針路偏差E1に応じて船舶30の針路を自動制御する。具体的に、舵角制御部14は、針路偏差E1の符号が正である場合には、船舶30を左旋回させる命令舵角を示す制御信号U2を出力して船舶30を左旋回させる制御を行うことによって針路偏差E1を解消する。これに対し、針路偏差E1の符号が負である場合には、船舶30を右旋回させる命令舵角を示す制御信号U2を出力して船舶30を右旋回させる制御を行うことによって針路偏差E1を解消する。
また、舵角制御部14は、入力部11から入力された船舶30を旋回させるべき方向(第1方向)と、演算器13から出力される針路偏差E1に応じて制御される船舶30の旋回方向(第2方向)とが異なる場合に、針路偏差E1で示される角度を、船舶30を旋回させるべき方向の角度に変更する。具体的には、以下の(2)式又は(3)式を用いて針路偏差E1で示される角度を変更する。
つまり、船舶30を旋回させるべき方向が右方向(右旋回)であって、針路偏差E1が正の場合(左旋回の命令舵角が算出される場合)には、以下の(2)に示す式によって針路偏差E1で示される角度Devを変更する。これに対し、船舶30を旋回させるべき方向が左方向(左旋回)であって、針路偏差E1が負の場合(右旋回の命令舵角が算出される場合)には、以下の(3)に示す式によって針路偏差E1で示される角度Devを変更する。
Dev=Dev−360° …(2)
Dev=Dev+360° …(3)
以上の(2)式又は(3)式を用いて針路偏差E1で示される角度Devを変更するのは、操縦者が入力部11を操作して入力した角度(船舶30を旋回させるべき角度)の値に拘わらず、操縦者の意図した旋回方向に船舶30を旋回させるためである。つまり、前述の通り、舵角制御部14は、針路偏差E1の符号が正である場合には船舶30を左旋回させ、針路偏差E1の符号が負である場合には船舶30を右旋回させる命令舵角を算出するため、操縦者が入力部11を操作して入力した角度によっては操縦者の意図とは逆方向に旋回する場合があり、これを防止するために針路偏差E1で示される角度Devを変更している。
演算器15は、舵角制御部14から出力される制御信号U2から、パワー増幅部20から出力される舵角信号S3を減算することにより、制御信号Y12で示される命令舵角と船舶30の実際の舵角との差を示す制御信号S1を求める。つまり、船舶30の実際の舵角が制御装置10にフィードバックされ、制御信号U2で示される命令舵角との差が零になるように船舶30の舵角が制御される。
パワー増幅部20は、制御装置10から出力される制御信号S1を、予め設定された増幅率で増幅して操舵機32に出力する。パワー増幅部20で増幅された制御信号S1により操舵機32が駆動され、これにより船舶30の舵33が操舵される。操舵機32は、アクチュエータ等の駆動機構を備えており、この駆動機構によって船舶30に設けられた舵33を駆動する。尚、パワー増幅部20には、舵33の舵角を検出して舵角信号S3を出力する舵角検出器(図示省略)が設けられている。方位検出器31は、回転型或いは振動式等の機械式ジャイロスコープ、光ファイバジャイロ或いはリングレーザジャイロ等の光学式ジャイロスコープ、その他のジャイロスコープであり、船舶30の進行に関する方位角を検出して検出信号S2を出力する。
次に、上記構成における自動操舵装置1の動作、つまり本実施形態による自動操舵方法について詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態による自動操舵方法を示すフローチャートである。尚、図2に示すフローチャートは、自動操舵が行われている最中に操縦者によって旋回の指示がなされた場合に行われる処理を示すフローチャートである。以下では、まず自動操舵中の動作について簡単に説明し、次いで操縦者によって旋回の指示がなされた場合の動作について説明する。
[自動操舵中の動作]
自動操舵が行われている間は、船舶30を自動操舵させるための設定針路を示す設定信号U1が針路設定部12から出力され、設定信号U1と方位検出器31からの検出信号S2との差を示す針路偏差E1が演算器13により求められる。そして、針路偏差E1の符号が正である場合には船舶30を左旋回させる命令舵角が求められる一方で、針路偏差E1の符号が負である場合には船舶30を右旋回させる命令舵角が求められ、これらの命令舵角を示す制御信号U2が舵角制御部14から出力される。
舵角制御部14から制御信号U2が出力されると、演算器15によって制御信号U2から舵角信号S3が減算されて制御信号S1が求められる。この制御信号S1はパワー増幅部20で予め設定された所定の増幅率で増幅された後に操舵機32に入力され、これにより船舶30の舵33が操舵される。以上の処理が前述した制御周期(例えば、1秒)毎に繰り返されることにより、海図上に予め設定された自動航路に沿った船舶30の自動操舵が実現される。
[操縦者によって旋回の指示がなされた場合の動作]
操縦者が入力部11を操作して船舶30を旋回させる指示を行うと図2に示す処理が開始される。尚、図2に示す処理は、船舶30が停船している場合、船舶30の自動操舵が行われている場合、或いは船舶30が手動操舵されている場合の何れの場合であっても、操縦者によって旋回指示が行われたときに実行される。
図2に示す処理が開始されると、まず方位検出器31からの検出信号S2が制御装置10に入力される(ステップS11)。これにより、制御装置10には船舶30の実針路が入力される。尚、以下では、ステップS11で入力された実針路を「RC」と表記する。次に、操縦者が入力部11を操作して行った指示の内容が針路設定部12及び舵角制御部14に入力される(ステップS12)。具体的には、操縦者によって指示された船舶30を旋回させるべき方向を示す情報が舵角制御部14に入力され、船舶30を旋回させるべき角度(設定針路)を示す情報が路設定部12に入力される。
次いで、入力部11から針路設定部12に入力された角度(設定針路)を示す設定信号U1が演算部13に出力されて針路偏差E1が求められる(ステップS13)。いま、ステップS12で入力された設定針路をSCとすると、針路偏差E1で示される角度Devは以下の(4)式で表される。尚、演算部13で求められた針路偏差E1は舵角制御部14に出力される。
Dev=RC−SC …(4)
針路偏差E1が入力されると、舵角制御部14は、まず船舶30を旋回させるべき方向(ステップS12で入力さた旋回方向)が左旋回であるか否かを判断する(ステップS14:第1ステップ)。この判断結果が「NO」である場合には、針路偏差E1で示される角度Devが0°よりも大きいか否かを判断する(ステップS15:第1ステップ)。角度Devが0°以下の場合には、ステップS15の判断結果が「NO」になり、図2に示す一連の処理が終了する。これに対し、角度Devが0°よりも大きい場合には、ステップS15の判断結果が「YES」になり、前述した(2)式を用いて角度Devを変更する処理が行われ(ステップS16:第2ステップ)、その後に図2に示す一連の処理が終了する。
他方、ステップS14の判断結果が「YES」である場合には、針路偏差E1で示される角度Devが0°よりも小さいか否かを判断する(ステップS17:第1ステップ)。角度Devが0°以上の場合には、ステップS17の判断結果が「NO」になり、図2に示す一連の処理が終了する。これに対し、角度Devが0°よりも小さい場合には、ステップS17の判断結果が「YES」になり、前述した(3)式を用いて角度Devを変更する処理が行われ(ステップS18:第2ステップ)、その後に図2に示す一連の処理が終了する。
図2に示す一連の処理が終了すると(ステップS15,S17の判断結果が「NO」である場合、又はステップS16,S18の処理が終了すると)、舵角制御部14は、針路偏差E1で示される角度Devに基づいて船舶30を旋回させる制御を行う(第3ステップ)。具体的には、針路偏差E1で示される角度Devの符号が正である場合には、船舶30を左旋回させる命令舵角を示す制御信号U2を出力して船舶30を左旋回させる制御を行うことによって針路偏差E1を解消する。これに対し、針路偏差E1の符号が負である場合には、船舶30を右旋回させる命令舵角を示す制御信号U2を出力して船舶30を右旋回させる制御を行うことによって針路偏差E1を解消する。以上の制御が行われることにより、船舶30の針路が操縦者によって指示された設定針路に変更される。
ここで、ステップS12の処理において、船舶30を旋回させるべき方向として右方向(右旋回方向)が入力され、船舶30を旋回させるべき角度(設定針路)として200°が入力された場合を考える。尚、ここではステップS11で入力される実針路を0°とする。かかる場合には、ステップS13で求められる針路偏差E1の角度Devは上記(4)式から−200°になる。すると、図2中のステップS14,S15の判断結果が何れも「NO」になり、角度Devの符号が負であるから、船舶30を200°だけ操縦者の意図した右方向に旋回させる制御が行われる。
次に、ステップS11で入力される実針路が90°である場合であって、ステップS12の処理において、船舶30を旋回させるべき方向として右旋回方向が入力され、設定針路として45°が入力された場合を考える。かかる場合には、ステップS13で求められる針路偏差E1の角度Devは+45°になる。すると、図2中のステップS14の判断結果が「NO」になり、ステップS15の判断結果が「YES」になるため、ステップS16にて角度Devが−315°に変更される。変更された角度Devの符号が負であるため、船舶30を315°だけ操縦者の意図した右方向に旋回させる制御が行われる。
次いで、ステップS11で入力される実針路が90°である場合であって、ステップS12の処理において、船舶30を旋回させるべき方向として左旋回方向が入力され、設定針路として45°が入力された場合を考える。かかる場合には、ステップS13で求められる針路偏差E1の角度Devは+45°になる。すると、図2中のステップS14の判断結果が「YES」になり、ステップS17の判断結果が「NO」になる。ここで、角度Devの符号が正であるため、船舶30を45°だけ操縦者の意図した左方向に旋回させる制御が行われる。
最後に、ステップS12の処理において、船舶30を旋回させるべき方向として左旋回方向が入力され、設定針路として200°が入力された場合を考える。尚、ここではステップS11で入力される実針路を0°とする。かかる場合には、ステップS13で求められる針路偏差E1の角度Devは−200°になる。すると、図2中のステップS14,S17の判断結果が何れも「YES」になるため、ステップS18にて角度Devが+160°に変更される。変更された角度Devの符号が正であるため、船舶30を160°だけ操縦者の意図した左方向に旋回させる制御が行われる。
図3は、本発明の一実施形態による自動操舵装置1のシミュレーション結果の一例を示す図である。図3に示すシミュレーション結果は、旋回時の角速度が0.5[°/sec]である特性を有する船舶30に対し、シミュレーション開始時の時刻0[sec]において設定針路を0°に設定し、時刻100[sec]で設定針路を359°に設定して右旋回を指示した場合のシミュレーション結果である。尚、図3中において、符号SCが付された折れ線は設定針路を示し、符号RCが付された折れ線は実針路を示し、符号Devが付された折れ線は針路偏差を示している。
図3に示す通り、時刻0〜100[sec]の間は、設定針路SC、実針路RC、及び針路偏差Devは何れも0°である。時刻100[sec]で設定針路SCが359°に変更されると、前述した(4)式から針路偏差Devは−359°になる。尚、時刻100[sec]以後は、設定針路SCは359°に固定される。舵角制御部14は、針路偏差Devの符号が負であるために船舶30を右旋回させ、針路偏差Devを0°に設定する制御を行う。尚、図3に示す例では、針路SCが0°から359°に向かう向きに変化しているため、船舶30が右旋回が行われていることが分かる。
以上の制御が行われることにより、図3に示す通り、実針路RCが設定針路SCに徐々に近づいていき、針路偏差Devが0°になった時点で実針路RCと設定針路SCとが一致する。このように、本実施形態では、180度を超える設定針路を設定した場合であっても、操縦者の意図した方向に船舶30を旋回させることができる。尚、図3に示す例では、船舶30の旋回方向として右旋回が指定されており、針路偏差Devの符号が負であることから、針路偏差Devを変更する処理(図2中のステップS16)は行われない。
以上の通り、本実施形態では、−360°よりも大きく360°よりも小さな範囲で針路偏差を取り扱えるようにし、船舶30を旋回させるべき方向と、針路偏差の符号に応じて制御される船舶30の旋回方向とが異なる場合に、針路偏差で示される角度を、船舶30を旋回させるべき方向の角度に変更した上で船舶30の針路を自動制御している。このため、操縦者の意図した方向に沿って大きさが180°を超える自動変針を行うことができる。
このため、例えば自動操舵を行っている最中の危険回避に応用することが可能である。図4は、本発明の一実施形態による自動操舵装置で応用可能な自動操舵中の危険回避を説明するための図である。いま、図3中における自動操舵中の船舶30左舷方向に浅瀬40及び他の船舶41が存在するため、これらを回避すべく船舶30を200°だけ右旋回させる場合を考える。
従来は180°を超える針路偏差を取り扱うことができなかったため、設定針路を200°に設定してしまうと、図6を用いて説明した通り、船舶30は操縦者の意図した右方向とは反対の左方向に旋回し、船舶30は図中の航路P1に沿って進む可能性があった。このため、従来は、左舷方向の浅瀬40や他の船舶41を回避するためには、例えば自動操舵を一時的に中断して航海士等の操縦者が舵を手動で操舵する必要があった。
これに対し、本実施形態では、操縦者が船舶30を旋回させるべき方向として右方向を指示し、船舶30を旋回させるべき角度として200度を指示するだけで、船舶30は操縦者の意図した右方向に旋回して図中の航路P2に沿って進む。このように、本実施形態では、操縦者が舵を手動で操舵することなく、自動操舵中における危険回避を容易且つ迅速に行うこともできる。
以上、本発明の一実施形態による自動操舵装置及び方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限される訳ではなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では船舶の自動操舵を行う自動操舵装置を例に挙げて説明したが、船舶以外の航走体や移動体の自動操舵にも適用可能である。
1 自動操舵装置
11 入力部
12 針路設定部
13 演算器
14 舵角制御部
30 船舶
E1 針路偏差

Claims (8)

  1. 航走体の針路である設定針路を設定する設定部と、当該設定部で設定された設定針路と前記航走体の実際の針路である実針路との差である針路偏差を求める演算部と、当該演算部で求められた針路偏差に応じて前記航走体の針路を自動制御する制御部とを備える自動操舵装置において、
    前記制御部は、前記航走体を旋回させるべき方向である第1方向と前記針路偏差に応じて制御される前記航走体の旋回方向である第2方向とが異なる場合に、前記針路偏差で示される角度を前記第1方向における角度に変更した上で前記航走体の針路を自動制御することを特徴とする自動操舵装置。
  2. 前記航走体を旋回させるべき方向である前記第1方向と前記航走体を旋回させるべき角度とを入力する入力部を備えており、
    前記設定部は、前記入力部からの入力があった場合には、前記入力部からの入力に基づいて前記設定針路を設定する
    とを特徴とする請求項1記載の自動操舵装置。
  3. 前記演算部は、−360°よりも大きく360°よりも小さな範囲で前記針路偏差を求めることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動操舵装置。
  4. 前記制御部は、前記第1方向が前記航走体を右旋回させる方向であって前記針路偏差が正の値をとる場合には、前記針路偏差で示される角度を、当該角度から360°を差し引いた角度に変更することを特徴とする請求項3記載の自動操舵装置。
  5. 前記制御部は、前記第1方向が前記航走体を左旋回させる方向であって前記針路偏差が負の値をとる場合には、前記針路偏差で示される角度を、当該角度に360°を加えた角度に変更することを特徴とする請求項3記載の自動操舵装置。
  6. 航走体の針路である設定針路と前記航走体の実際の針路である実針路との差である針路偏差に応じて前記航走体の針路を自動制御する自動操舵方法において、
    前記航走体を旋回させるべき方向である第1方向と前記針路偏差に応じて制御される前記航走体の旋回方向である第2方向とが一致するか否かを判断する第1ステップと、
    前記第1ステップで前記第1方向と前記第2方向とが一致しないと判断された場合に、前記針路偏差で示される角度を前記第1方向における角度に変更する第2ステップと、
    前記第2ステップで角度が変更された針路偏差に基づいて前記航走体の針路を自動制御する第3ステップと
    を含むことを特徴とする自動操舵方法。
  7. 前記針路偏差は、−360°よりも大きく360°よりも小さな値を取り得ることを特徴とする請求項6記載の自動操舵方法。
  8. 前記第2ステップは、前記第1方向が前記航走体を右旋回させる方向であって前記針路偏差が正の値をとる場合には、前記針路偏差で示される角度を、当該角度から360°を差し引いた角度に変更し、
    前記第1方向が前記航走体を左旋回させる方向であって前記針路偏差が負の値をとる場合には、前記針路偏差で示される角度を、当該角度に360°を加えた角度に変更する
    ことを特徴とする請求項7記載の自動操舵方法。
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