JP5093458B2 - 光除電装置、像保持体ユニット、画像形成ユニットおよび画像形成装置 - Google Patents

光除電装置、像保持体ユニット、画像形成ユニットおよび画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、光除電装置、像保持体ユニット、画像形成ユニットおよび画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用したプリンタや複写機等の画像形成装置では、像保持体としての感光体ドラムの表面全体を所定の電位に帯電した後、画像情報に応じて画像露光を施して静電潜像を形成し、この静電潜像にトナー(可視剤)を供給して顕像化することによりトナー像として、当該トナー像を直接用紙(シート)上に転写した後、定着装置によって定着するか、中間転写体を介して用紙上に転写した後、定着装置によって定着することで、画像を形成するように構成されている。
このような構成の画像形成装置では、トナー像転写後の感光体ドラムに残留した電荷を一旦除去した後に、次の画像形成のための前述した帯電を行うようにしている。
これは、前回の画像形成における残留電荷を除去しないまま帯電を行った場合には、当該残留電荷のために感光体ドラムの表面電位が乱れるので、特に低湿環境下において、主にこの電位の乱れに起因してハーフトーン画像などで「横スジ」が発生したり、主に感光体ドラム上の帯電電位の差に起因して「ドラムポジゴースト」が発生し、印刷された画像の弊害となるからである。そして、このような「横スジ」や「ドラムポジゴースト」といった画像弊害を防止するには、除電手段として光除電装置を設けて、帯電工程前に感光体ドラムに光を照射して残留電荷を除去することが効果的だからである。
光除電装置は、棒状の導光部材を有している。この導光部材は、感光体ドラムと互いの軸が平行となるように感光体ドラムの軸方向に沿って所定距離隔てて対向配置されている。導光部材は、透光性が優れた材料、例えばアクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン等の樹脂またはガラスから構成されている。
導光部材の感光体ドラムに対向した面には、幅方向に延びた溝が長手方向に連続して形成されたレンズ部を備えている。
この溝は一定の頂角を有しており、導光部材の長手方向の一端から入射した光源からの光の一部を感光体ドラムに向けて反射し、当該感光体ドラムの表面に光を一様に照射する。溝は、光源から遠ざかるに従って徐々にピッチが大きくなり、また深さが深くなるように形成されている。したがって、導光部材を長手方向に通過する光は徐々に光量が減少するが、レンズ部の溝のピッチが大きく、深さが深くなっているので、感光体ドラムへ出力される光量の割合が通過する光量に比べて徐々に大きくなり、結果として感光体ドラムに出力する光量は感光体ドラムの軸方向でほぼ一定となる。
なお、光除電装置に関する技術としては、例えば特開2005−275130号公報、特開2006−113216号公報、特許第2701367号公報、特開2006−276529号公報などに記載されたものが知られている。
ここで、従来の光除電装置では、1つの光源に対して1つの棒状の導光部材が設けられている。よって、複数の感光体ドラムを有するカラー画像形成装置であれば、感光体ドラムの数と同数の導光部材が必要となるために、コストが高くなるという問題点があった。
また、高価な導光部材を用いることなく、光源で感光体ドラムを直接照射することも考えられるが、印刷速度が速い画像形成装置では感光体ドラムの周速度も速くなることから、光源から遠ざかるにつれて光量が不足するために感光体ドラム上の残留電荷の除去が不十分となる。すると、濃度ムラ(感光体ドラムの光源と反対側では濃度が濃くなるという濃度ムラ)や、ポジゴースト(感光体ドラムの光源と反対側でポジゴーストがでる)といった画質不良が発生しやすくなる。
光源の光量を強めることで半導体ドラムにおける光源から遠い部分の除電性能が高くなるが、今度は、光源の低寿命化や感光体ドラムの光疲労による画質不良(濃度ムラ)が発生してしまう。
特開2005−275130号公報 特開2006−113216号公報 特許第2701367号公報 特開2006−276529号公報
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、導光部材を用いることなく、光源からの光を不足なく像保持体の表面に導くことができる光除電装置に関する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の光除電装置は、静電潜像が形成される像保持体の表面を光照射により除電する光除電装置であって、前記像保持体の回転軸方向の側方に配置され、前記像保持体の回転軸方向に光を照射する光源と、前記像保持体の回転軸方向に配置されて、当該像保持体と対向した反射面で前記光源からの光を反射してこれを前記像保持体の表面に導く反射部材とを有し、前記反射部材は、前記反射面が前記像保持体に向けて凹型に湾曲した形状で白色となっており、前記反射部材は、前記反射面の幅が前記光源が配置される側からその反対側に向かって広くなるように前記像保持体の回転軸方向に沿って変化する構造を有している、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記反射部材は、前記反射面が鏡面加工されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記反射部材は、少なくとも前記反射面が金属であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記反射部材の前記反射面は、光源側とその反対側とで反射特性が異なることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記反射部材は、光源側に少なくとも1つの孔が前記反射面に開口して形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記反射部材の前記反射面は、光源側からその反対側に向かって表面粗さが小さくなっていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記反射部材の前記反射面は、光源の反対側が金属であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記反射部材の前記反射面は、光源側からその反対側に向かって白色度が高くなっていることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項9に記載の本発明の像保持体ユニットは、請求項1〜8の何れかに記載の光除電装置を構成する反射部材を備えた筐体と、前記反射部材の反射面と対向して前記筐体に回転可能に取り付けられ、表面に静電潜像が形成される像保持体とを有し、前記反射部材は、前記筐体と一体形成されていることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項10に記載の本発明の画像形成ユニットは、請求項1〜8の何れかに記載の光除電装置を構成する反射部材を備えたフレームと、前記フレームに着脱可能に装着され、前記反射部材の反射面と対向して回転可能に取り付けられて表面に静電潜像が形成される像保持体を備えた像保持体ユニットとを有し、前記反射部材は、前記フレームと一体形成されていることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項11に記載の本発明の画像形成装置は、請求項1〜8の何れかに記載の光除電装置、請求項9記載の像保持体ユニットまたは請求項10記載の画像形成ユニットが装着されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、導光部材を用いなくても、反射部材によって光源からの光を、当該光源から距離を問わず不足なく像保持体の表面に導くことが可能になる。
また、請求項1記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、凹型に湾曲した反射面によって光が像保持体上に集束されるので、光源の光を効率よく像保持体の表面に導くことができ、除電性能が向上する。
さらに、請求項1記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、光源からの光が反射面で吸収されないので、光源の光を効率よく像保持体の表面に導くことができ、除電性能が向上する。
そして、請求項1記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、像保持体の回転軸方向における照射光の光量分布が平準化されるので、像保持体をその軸方向に対して均一に除電することができる。
請求項2記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、反射面における反射効率が向上するので光源の光を効率よく像保持体の表面に導くことができ、除電性能が向上する。
請求項3記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、反射面における反射効率が向上するので、光源の光を効率よく像保持体の表面に導くことができ、除電性能が向上する。
請求項4記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、像保持体の回転軸方向における照射光の光量分布がさらに平準化されるので、像保持体をその軸方向に対して均一に除電することができる。
請求項5記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、像保持体の回転軸方向における照射光の光量分布がさらに平準化されるので、像保持体をその軸方向に対して均一に除電することができる。
請求項6記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、像保持体の回転軸方向における照射光の光量分布がさらに平準化されるので、像保持体をその軸方向に対して均一に除電することができる。
請求項7記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、像保持体の回転軸方向における照射光の光量分布がさらに平準化されるので、像保持体をその軸方向に対して均一に除電することができる。
請求項8記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、像保持体の回転軸方向における照射光の光量分布がさらに平準化されるので、像保持体をその軸方向に対して均一に除電することができる。
請求項9記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、反射部材を取り付ける手間が省けるので、像保持体ユニットの組立工数を削減することができる。
請求項10記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、反射部材を取り付ける手間が省けるので、画像形成ユニットの組立工数を削減することができる。
請求項11記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、導光部材を用いることなく、反射部材によって光源からの光を不足なく像保持体の表面に導くことができるので、画像形成装置の低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明の一実施の形態としての画像形成装置であるタンデム型のカラープリンタの概念図を示すものである。このカラープリンタは、例えば、パーソナルコンピュータやスキャナ等から送られてくる画像データに基づいてプリント動作を実行するように構成されている。なお、画像形成装置としては、スキャナを備えた複写機やファクシミリ、あるいはこれらの機能を備えた複合機等として構成してもよいことはもちろんである。
図1において、タンデム型のカラープリンタ本体1の内部には、その略中央部に、画像形成ユニット2が上下方向に沿って配置されている。また、カラープリンタ本体1の内部には、画像形成ユニット2の一方側(図示する場合には左側)に、画像形成ユニット2で形成された複数色のトナー像が転写される転写材を吸着した状態で搬送する用紙搬送ベルトユニット3が配置されているともに、当該画像形成ユニット2の他方(図示する場合には右側)には、制御回路等を備えた制御ユニット4が、画像形成ユニット2の斜め上方に、高圧電源回路等を備えた電源回路ユニット5が、それぞれ配置されている。
また、カラープリンタ本体1内の底部には、画像が転写形成される転写材としての用紙18等を収容してこれを給紙する給紙カセット6が配置されている。
画像形成ユニット2は、下から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する4つの画像形成部7Y、7M、7C、7Kを備えており、これらの4つの画像形成部7Y、7M、7C、7Kは、上下方向に沿って一定の間隔を隔てて直列的に配置されている。
これらの4つの画像形成部7Y、7M、7C、7Kは、形成する画像の色以外はすべて同様に構成されており、大別して、図1に示すように、所定の回転速度で回転する像保持体である感光体ドラム8(8Y、8M、8C、8K)と、この感光体ドラム8の表面を一様に所定電位に帯電する一次帯電用の帯電ロール9(9Y、9M、9C、9K)と、当該感光体ドラム8の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する露光装置10(10Y、10M、10C、10K)と、感光体ドラム8上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像装置11(11Y、11M、11C、11K)と、現像後の感光体ドラム8上に残留した電荷を除去する除電装置21(21Y、21M、21C、21K)と、感光体ドラム8上に残留した転写残トナーをクリーニングするクリーニング装置12(12Y、12M、12C、12K)と、現像装置11にトナーを供給するトナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)とから構成されている。
現像装置11は、図1に示すように、内部に収容された二成分または一成分の現像剤を撹拌しながら現像ロール14(14Y、14M、14C、14K)へと供給し、当該現像ロール14に供給された現像剤の層厚を規制しながら、感光体ドラム8と対向する現像領域へと搬送し、当該感光体ドラム8の表面に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像するように構成されている。
そして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像装置11Y、11M、11C、11Kに対応して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを供給する現像剤収容容器としてのトナーカートリッジ13Y、13M、13C、13Kを備えている。
また、除電装置21は、感光体ドラム8に光を照射することにより現像後の残留電荷を除去し、次の画像形成においてドラム表面が一様に帯電されるようにしている。
さらに、クリーニング装置12は、図1に示すように、感光体ドラム8の表面に残留した転写残トナーをクリーニングブレード15(15Y、15M、15C、15K)によって除去し、除去された転写残トナーをクリーニング装置12の内部に搬送して収容するようになっている。
ここで、本実施の形態の感光体ドラム8において、直径φは24mm、400V帯電時での減衰(帯電させた感光体ドラムを暗室に放置した場合の減衰)は、室温28℃・湿度85%で0.31sec後に15.9V(帯電電位:400V−15.9V=384.1V)、室温10℃・15%で0.31sec後に15.6V(帯電電位:400V−15.6V=384.4V)である。よって、減衰率は、0.3sec程度の微小時間であれば、0.1secで5V程度減衰する線形性を有している。また、プロセススピード(感光体ドラムの線速)は、カラー印刷では約78.7mm/sec、モノクロ印刷では約105mm/secである。感光体ドラムの周長は75.36mm(24mm(感光体ドラムの直径)×3.14(円周率))であることから、カラー印刷では、一秒間に感光体ドラム8がほぼ一回転する速度となる。
なお、本発明において、感光体ドラムの仕様は上記数値に限定されるものではなく、様々な仕様を選定することができるのは、もちろんである。
カラープリンタ本体1の内部には、図1に示すように、制御ユニット4が配置されており、この制御ユニット4には、例えば、画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理装置16が設けられている。この画像処理装置16からは、露光装置10にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像データが順次出力され、この露光装置10から画像データに応じて出射される4本のレーザビームLBが、それぞれの感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に走査露光されて静電潜像が形成される。各感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に形成された静電潜像は、現像装置11Y、11M、11C、11Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として現像される。
また、用紙搬送ベルトユニット3は、図1に示すように、無端状ベルトとして、循環し移動する用紙搬送ベルト17を備えており、当該用紙搬送ベルト17は、各画像形成部7Y、7M、7C、7Kで形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像が転写される転写材としての用紙18を静電的に吸着した状態で搬送するように構成されている。
用紙搬送ベルト17は、図1に示すように、上下方向に沿って配置された張架ロールとしての駆動ロール19と従動ロール20との間に所定のテンションで張架されており、図示しない駆動モータによって回転駆動される駆動ロール19によって、所定の速度で図1においては反時計回りに循環移動するように構成されている。
駆動ロール19と従動ロール20との距離は、例えば、A3サイズの用紙18の長さと略等しい長さに設定されているが、これに限らず、任意に設定してよいことはもちろんである。また、用紙搬送ベルト17としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを無端ベルト状に形成したものが用いられる。
また、駆動ロール19の表面には、図1に示すように、用紙18を用紙搬送ベルト17の表面に静電的に吸着させるための吸着ロール22が、用紙搬送ベルト17を介して当接するように配置されている。この吸着ロール22は、例えば、画像形成部7Y、7M、7C、7Kの帯電ロール9と同様に、金属製芯金の表面に導電性ゴムを被覆して構成されており、金属製芯金に所定の吸着用のバイアス電圧が印加されるようになっている。そして、吸着ロール22は、給紙カセット6から送られてくる用紙18を静電的に帯電して、用紙搬送ベルト17の表面に吸着させるように構成されている。なお、吸着ロール22は、必ずしも設けなくともよい。
各画像形成部7Y、7M、7C、7Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、図1に示すように、用紙搬送ベルト17の表面に吸着された状態で搬送される用紙18上に、転写ロール23Y、23M、23C、23Kによって互いに重ね合わされた状態で順次多重に転写される。なお、転写ロール23Y、23M、23C、23Kは、用紙搬送ベルトユニット3に一体的に取り付けられている。
用紙18は、図1に示すように、プリンタ本体1の底部に配置された給紙カセット6から給紙されて、プリンタ本体1へと搬送される。この給紙カセット6は、所望のサイズや材質の用紙18が収容される用紙トレイ24を備えている。また、用紙トレイ24の直上には、最上部に位置する用紙18とニップするピックアップロール(記録媒体取出手段)35が配置されている。これにより、当該用紙トレイ24からは、所望のサイズや材質の用紙18が一枚ずつピックアップロール35で取り出されて給送ロール25によって給送されるとともに、捌きロール26によって1枚ずつ分離された状態で給紙され、給紙手段としてのレジストロール27を介して所定のタイミングで用紙搬送ベルト17上の吸着位置へと搬送されるようになっている。
なお、給送ロール25およびピックアップロール35はカラープリンタ本体1側に設けられ、捌きロール26は給紙カセット6側に設けられている。
ここで、ピックアップロール35の機能と給送ロール25の機能とを一つにしたロールを用いてもよい。また、捌きロール26ではなく、取り出される用紙18に対して所定の摩擦抵抗をもったパッドタイプの捌き手段でもよい。
転写材としては、例えば、A4サイズやA3サイズ、あるいはB5サイズやB4サイズなど種々のサイズ、および、普通紙、コート紙等の厚紙やOHPシートなど、種々の材質のものが用いられる。
そして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像が多重に転写された用紙18は、図1に示すように、用紙18自体が有する剛性(いわゆるコシ)によって用紙搬送ベルト17から分離された後、搬送経路28に沿って定着装置29へと搬送される。そして、定着装置29において用紙18に熱および圧力が加えられることによりトナー像が用紙18上に定着される。
用紙搬送ベルト17と定着装置29は近接して配置されており、用紙搬送ベルト17から分離された用紙18は、用紙搬送ベルト17の搬送力によって定着装置29へと搬送される。この定着装置29は、加熱ロール30と加圧ベルト31とを互いに圧接した状態で回転駆動し、これら加熱ロール30と加圧ベルト31の間に形成されるニップ部に用紙18を通過させることにより、熱および圧力で定着処理を施すように構成されている。
その後、各色のトナー像が定着された用紙18は、排出ロール32によって、カラープリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ33上にプリント面を下にした状態で排出され、プリント動作が終了する。
なお、カラープリンタでは、カラーの画像に限らず、モノクロなど所望の色の画像をプリントすることが可能となっており、プリントする画像の色に応じて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の全てまたは一部の画像形成部7Y、7M、7C、7Kによってトナー像が形成される。
なお、図1中、符号34はプリンタ本体1の正面に取り付けられた液晶パネル等の表示部を備えた操作パネルを示しており、当該操作パネル34では、プリンタの状態を表示したり、必要な操作等を行うように構成されている。
さて、本実施の形態の画像形成装置の除電装置21は、感光体ドラム8の残留電荷を光の照射により光学的に除去する光除電装置であり、図2に示すように、アルミニウムからなる円筒状の基体8aの外周全面に例えばOPC(Organic Photo Conductor:有機光導電体)などの光半導体からなる感光層8bが設けられた感光体ドラム8の回転軸方向の側方に配置されて、感光体ドラム8の回転軸方向に向けて光を照射するLED(光源)21aを有している。
また、除電装置21には、感光体ドラム8の回転軸方向に沿って、例えばABS樹脂等のプラスチック、あるいはステンレスやアルミニウム等の金属などからなる長尺状の反射部材21bを有しており、感光体ドラム8と所定の間隔(例えば8mm)を空けて配置されている。
ここで、光源であるLED21aは、例えばLEDチップが金属製のリード上にマウントされ、当該部分を透明な樹脂で封止することで作製されており、反射部材21bの長手方向の一方端側に配置されている。なお、LED21aには、感光体ドラム8の感光層8bの光感度に合った波長が使用される。
図3に示すように、反射部材21bは、内周面である反射面21b−1が凹型に湾曲しており、当該反射面21b−1が感光体ドラム8に向けられるようにして配置される。反射部材21bの一方端(図示する場合には右側)では、反射面21b−1が外方に開口している。そして、前述したLED21aは、反射面21b−1に臨むようにしてこの開口した一方端側に配置され、当該反射面21b−1を照射する。また、反射部材21bの他方端(図示する場合には左側)には、反射面21b−1に対して略直角をなす側壁部21b−2が形成されている。なお、反射面は湾曲していなくてもよく、例えば平面であってもよい。
図4に示すように、反射面21b−1の反対側である外部面21b−3には、長手方向の両端に突起21b−3aがそれぞれ形成され、中央に係合爪21b−3bが形成されている。そして、後述する感光体ユニット(像保持体ユニット)2aの筐体2a−1(図5)に形成された嵌合孔に突起21b−3aが嵌り込むとともに係合溝に係合爪21b−3bが係合することにより、反射部材21bが筐体2a−1に取り付けられる。
なお、本実施の形態において、感光体ユニットは画像形成ユニット2のフレームに着脱可能に取り付けられており、反射部材21bはこのように感光体ユニットに取り付けられている。一方、LED21aは感光体ユニットではなく、画像形成ユニット2のフレームに配置されている。但し、LED21aも感光体ユニットに配置してもよいことは勿論である。
以上の構成を有する除電装置21において、LED21aから感光体ドラム8の回転軸方向に向けて光が照射されると、一部は直接感光体ドラム8の表面に到達し、他の一部は反射部材21bの反射面21b−1に到達する。前述のように、反射面21b−1は感光体ドラム8と対向しているので、反射面21b−1に到達した光は、この反射面21b−1で反射して感光体ドラム8の表面へと導かれる。なお、LED21aから照射されたさらに他の一部の光は、側壁部21b−2の内壁21b−2aに到達し、ここで反射して、同様に感光体ドラム8の表面へと導かれる。
そして、このように直接にあるいは反射面21b−1や内壁21b−2aで反射して感光体ドラム8の表面に到達した光により、トナー像転写後の感光体ドラム8に残留した電荷が除去される。その後、新たな画像形成のために、帯電ロール9により感光体ドラム8の表面が一様に所定電位に帯電される。
このように、本実施の形態の除電装置21では、LED21aからの光を反射部材21bの反射面21b−1で反射して感光体ドラム8の表面に導くようにしている。したがって、高価な導光部材を用いなくても、反射部材21bによってLED21aからの光を、このLED21aから距離を問わず不足なく感光体ドラム8の表面に導くことができ、低コストで画像弊害の原因とならない光除電装置が得られる。
また、導光部材が不要になることから、装置の小型化を図ることもできる。
さらに、反射部材21bの反射面21b−1が感光体ドラム8に向けて凹型に湾曲した形状となっているので、当該反射面21b−1によって光が感光体ドラム8上に集束される。したがって、LED21aの光を効率よく感光体ドラム8の表面に導くことができ、除電性能が向上する。
さて、図5において、感光体ユニット(像保持体ユニット)2aは、各色のトナー像を形成する4つの画像形成部7Y、7M、7C、7Kにそれぞれ対応しており、図示するように、例えば樹脂製の筐体2a−1を有している。そして、筐体2a−1には、画像形成部7Y、7M、7C、7Kを構成する感光体ドラム8が回転可能に取り付けられ、さらに、帯電ロール9、現像装置11、除電装置21(本実施の形態の場合には、除電装置21を構成する反射部材21b)、クリーニング装置12、およびトナーカートリッジ13が取付可能になっている。また、筐体2a−1の側部には、クリーニング装置12により回収された転写残トナーを廃棄トナーボックス(図示せず)に取り込むための回収路40が取り付けられている。
なお、図5においては、帯電ロール9およびクリーニング装置12は筐体2a−1に隠れている。また、現像装置11およびトナーカートリッジ13は図示されていない。
このような感光体ユニット2aにおいて、反射部材21bは、前述のように、当該反射部材21bに形成された突起21b−3aおよび係合爪21b−3bにより筐体2a−1に取り付けられている。
但し、反射部材21bと筐体2a−1とが同じ材料であった場合はもちろん、本実施の形態のように反射部材21bと筐体2a−1とが異なった材料であった場合でも、互いに異なる材料を一体成形する公知の技術を用いることにより、反射部材21bと筐体2a−1とを一体形成することができる。このようにすれば、反射部材21bを筐体2a−1に取り付ける手間が省けるので、感光体ユニット2aの組立工数を削減することができる。
図6において、画像形成ユニット2はフレーム2−1を有している。そして、このフレーム2−1に、各現像色に対応して設けられた4つの感光体ユニット2a(図5)が上下方向に着脱可能に装着されている。
ここで、反射部材21bは、感光体ユニット2aの筐体2a−1ではなく、画像形成ユニット2のフレーム2−1と一体形成するようにしてもよい。このようにすれば、反射部材21bを筐体2a−1やフレーム2−1に取り付ける手間が省けるので、画像形成ユニット2の組立工数を削減することができる。
そして、以上に説明した除電装置21をプリンタ本体1に装着することにより、あるいは以上に説明した感光体ユニット2aや画像形成ユニット2をプリンタ本体1に装着することにより、高価な導光部材を用いることなく、反射部材21bによってLED21aからの光を不足なく感光体ドラム8の表面に導くことができるので、画像形成装置そのものの低コスト化を図ることができる。
さて、上記説明において、除電装置21を構成する反射部材21bの反射面21b−1は湾曲面あるいは平面であるが、このような反射面21b−1を白色にすることができる。白色にすれば、LED21aからの光が反射面21b−1で吸収されないので、LED21aの光を効率よく感光体ドラム8の表面に導くことができることになり、除電性能が向上する。
また、反射部材21bの反射面21b−1を、例えばRa(面粗さ)=1.0μmに鏡面加工することもできる。鏡面加工にすれば、反射面21b−1における光の反射効率が向上するので、同様にLED21aの光を効率よく感光体ドラム8の表面に導くことができることになり、除電性能が向上する。なお、上記面粗さの数値は一例であり、本発明がこの値に限定されるものではない。
さらに、反射部材21bの反射面21b−1を金属としてもよい。このようにしても、反射面21b−1における光の反射効率が向上するので、同様にLED21aの光を効率よく感光体ドラム8の表面に導くことができることになり、除電性能が向上する。この場合、反射部材21bそのものを金属製とすることにより反射面21b−1を金属としてもよい。つまり、少なくとも反射面21b−1が金属であればよい。
なお、反射部材21bの反射面21b−1を金属とする手段の一例として、金属膜フィルムの貼着がある。つまり、例えばポリカーボネート製のフィルムの表面に、アルミニウム、クロム、ニッケル、金などを蒸着して金属薄膜を形成して金属膜フィルムを作製し、これを反射面21b−1に貼着することができる。
ここで、反射部材21bは、反射面21b−1と感光体ドラム8との間隔をLED21aからの距離に応じて変化するよう構成したり、反射面21b−1の幅をLED21aからの距離に応じて変化するよう構成することができる。
つまり、図7に示すように、反射部材21bを、LED21aが配置される側からその反対側に向かって反射面21b−1と感光体ドラム8との間隔が次第に狭くなるように配置することができる(H1>H2)。また、図8に示すように、反射部材21bを、LED21aが配置される側(図示する場合には右側)からその反対側に向かって反射面21b−1の幅が次第に広くなるように形成することができる(W1<W2)。
前者の場合には、LED21aからの距離が遠くなるにつれて反射面21b−1が感光体ドラム8に接近するために、後者の場合には、LED21aからの距離が遠くなるにつれて反射光量が増加するために、感光体ドラム8の回転軸方向における照射光の光量分布がさらに平準化される。したがって、感光体ドラム8をその軸方向に対して均一に除電することができ、この感光体ドラム8の軸方向における印刷濃度差やゴースト差のない画像が得られる。
なお、反射部材21bの間隔を変える技術と、反射部材21bの幅を変える技術とは、併用することもできる。
さて、感光体ドラム8の回転軸方向における照射光の光量分布を平準化する手段としては、これ以外にも、反射部材21bの反射面21b−1を、LED21a側とその反対側とで反射特性を異ならせることがある。
第1の具体例としては、図9に示すように、反射部材21bに、反射面21b−1に開口した孔21b−1aを形成する。図示するように、孔21b−1aは、LED21a側からその反対側に向かって次第に小さくなるように複数形成されている。この構成では、光量が相対的に大きくなる反射面21b−1のLED21a側では、光が孔21b−1aから漏れて反射光量が減少するので、結果として、感光体ドラム8の回転軸方向における照射光の光量分布が平準化される。なお、孔の大きさを同じにして、孔間隔で反射光量を調整するようにしてもよい。また、孔21b−1aの数はいくつでもよいが、1つの場合にはLED21a側に形成するようにする。
第2の具体例としては、図10に示すように、反射部材21bの反射面21b−1を、LED21a側からその反対側に向かって表面粗さが小さくなるようにする。この構成では、光量が相対的に大きくなる反射面21b−1のLED21a側になる程、乱反射する光量が増加して感光体ドラム8へ到達する光量が減少するので、感光体ドラム8の回転軸方向における照射光の光量分布が平準化される。
第3の具体例としては、図11に示すように、反射部材21bの反射面21b−1について、LED21aの反対側を金属面21b−1bにする。この構成では、光量が相対的に小さくなる反射面21b−1のLED21aと反対側で反射光量が増加するので、感光体ドラム8の回転軸方向における照射光の光量分布が平準化される。なお、金属面21b−1bは、例えば前述した金属膜フィルムを貼着することにより作製される。
第4の具体例としては、反射部材21bの反射面21b−1を、LED21a側からその反対側に向かって白色度が高くなるようにする。この構成では、光量が相対的に小さくなる反射面21b−1のLED21aと反対側で光が吸収されにくくなって反射光量が増加するので、感光体ドラム8の回転軸方向における照射光の光量分布が平準化される。
以上の説明では、本発明をタンデム型のカラープリンタに適用した場合が示されているが、タンデム型以外のカラープリンタに適用することもでき、さらにはモノクロプリンタにも適用することができる。
本発明の一実施の形態としての画像形成装置であるタンデム型のカラープリンタの概念図である。 図1の画像形成装置に装着された除電装置を感光体ドラムとの関係で示す概念図である。 本発明に係る除電装置を反射面側から示す斜視図である。 本発明に係る除電装置を外部面側から示す斜視図である。 本発明に係る除電装置が装着された感光体ユニットを示す斜視図である。 本発明に係る感光体ユニットが装着された画像形成ユニットを示す斜視図である。 本発明に係る除電装置の変形例を示す説明図である。 本発明に係る除電装置の他の変形例における反射部材を示す斜視図である。 本発明に係る除電装置の他の変形例における反射部材を示す斜視図である。 本発明に係る除電装置の他の変形例における反射部材を示す斜視図である。 本発明に係る除電装置の他の変形例における反射部材を示す斜視図である。
符号の説明
1 カラープリンタ本体(画像形成装置)
2 画像形成ユニット
2−1 フレーム
2a 感光体ユニット(像保持体ユニット)
2a−1 筐体
8 感光体ドラム(像保持体)
8a 基体
8b 感光層
21 除電装置(光除電装置)
21a LED(光源)
21b 反射部材
21b−1 反射面
21b−1a 孔
21b−1b 金属面
21b−2 側壁部
21b−2a 内壁
21b−3 外部面
21b−3a 突起
21b−3b 係合爪

Claims (11)

  1. 静電潜像が形成される像保持体の表面を光照射により除電する光除電装置であって、
    前記像保持体の回転軸方向の側方に配置され、前記像保持体の回転軸方向に光を照射する光源と、
    前記像保持体の回転軸方向に配置されて、当該像保持体と対向した反射面で前記光源からの光を反射してこれを前記像保持体の表面に導く反射部材とを有し、
    前記反射部材は、前記反射面が前記像保持体に向けて凹型に湾曲した形状で白色となっており、
    前記反射部材は、前記反射面の幅が前記光源が配置される側からその反対側に向かって広くなるように前記像保持体の回転軸方向に沿って変化する構造を有している、
    ことを特徴とする光除電装置。
  2. 前記反射部材は、前記反射面が鏡面加工されていることを特徴とする請求項1記載の光除電装置。
  3. 前記反射部材は、少なくとも前記反射面が金属であることを特徴とする請求項1記載の光除電装置。
  4. 前記反射部材の前記反射面は、光源側とその反対側とで反射特性が異なることを特徴とする請求項1記載の光除電装置。
  5. 前記反射部材は、光源側に少なくとも1つの孔が前記反射面に開口して形成されていることを特徴とする請求項4記載の光除電装置。
  6. 前記反射部材の前記反射面は、光源側からその反対側に向かって表面粗さが小さくなっていることを特徴とする請求項4記載の光除電装置。
  7. 前記反射部材の前記反射面は、光源の反対側が金属であることを特徴とする請求項4記載の光除電装置。
  8. 前記反射部材の前記反射面は、光源側からその反対側に向かって白色度が高くなっていることを特徴とする請求項4記載の光除電装置。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の光除電装置を構成する反射部材を備えた筐体と、
    前記反射部材の反射面と対向して前記筐体に回転可能に取り付けられ、表面に静電潜像が形成される像保持体とを有し、
    前記反射部材は、前記筐体と一体形成されている、
    ことを特徴とする像保持体ユニット。
  10. 請求項1〜8の何れかに記載の光除電装置を構成する反射部材を備えたフレームと、
    前記フレームに着脱可能に装着され、前記反射部材の反射面と対向して回転可能に取り付けられて表面に静電潜像が形成される像保持体を備えた像保持体ユニットとを有し、
    前記反射部材は、前記フレームと一体形成されている、
    ことを特徴とする画像形成ユニット。
  11. 請求項1〜8の何れかに記載の光除電装置、請求項9記載の像保持体ユニットまたは請求項10記載の画像形成ユニットが装着されていることを特徴とする画像形成装置。
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