以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る除電装置12を備えた画像形成装置1の概略構成を示す正面図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像読取装置40及び画像形成装置本体10を備えており、画像読取装置40により読み取った画像データ、又は、外部機器から送られてきた画像データに基づいて画像形成装置本体10によりモノクロ画像又はカラー画像を記録紙等の記録材Pに画像形成する。
画像読取装置40は、原稿搬送部41及び原稿読取部42を備え、原稿搬送部41で搬送される原稿Gを原稿読取部42で読み取るか、或いは、原稿載置台42aに載置された原稿Gを原稿読取部42で読み取り、読み取った原稿Gの画像を画像データとして出力する。
画像形成装置1は、電子写真方式の画像形成装置であり、複数の静電潜像担持体(具体的には感光体)を所定方向(この例では左右方向Y)に並設した構成、所謂タンデム式のカラー画像形成装置とされている。この例では、画像形成装置1は、フルカラー画像を形成できる中間転写方式のカラー複合機とされている。なお、本実施の形態では、画像形成装置1を、タンデム式のカラー画像形成装置としたが、その他のカラー画像形成装置としてもよい。また、画像形成装置1を、カラー画像形成装置としたが、モノクロ画像形成装置としてもよい。
画像形成装置本体10は、像担持体として作用する感光体11(具体的には感光体ドラム)、除電装置12、帯電装置として作用する帯電器13、露光装置14、現像装置15、一次転写装置として作用する中間転写ベルト装置16、ドラムクリーニング装置17、2次転写装置18、ベルトクリーニング装置19、定着装置20、搬送経路R1、給紙トレイ31及び排出トレイ32を備えている。
画像形成装置本体10では、感光体11の表面を帯電器13により帯電し、その帯電域に画像露光して静電潜像を露光装置14により形成し、この静電潜像を現像装置15によりトナー像として可視像化(現像)し、該可視像化されたトナー像を中間転写ベルト装置16に静電的に転写し、中間転写ベルト装置16に転写されたトナー像を2次転写装置18により記録材Pに転写し、さらに、トナー像を転写した記録材Pにトナー像を定着装置20により定着させる。
カラー画像は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の各色のトナー像が重ねられて形成される。このため、感光体11、除電装置12、帯電器13、現像装置15及びドラムクリーニング装置17は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられて、4つの画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdの何れにおいても、以下に示す同様の動作がなされる。
すなわち、除電装置12〜12は、感光体11〜11の表面に光を照射して感光体11〜11の表面における電荷(残留電荷)を除去(除電)する。なお、除電装置12〜12は、感光体11〜11の周囲において感光体11〜11の回転方向A(図1の例では時計方向)の中間転写ベルト装置16よりも下流側、かつ、帯電器13〜13よりも上流側に設けられている。この例では、除電装置12〜12は、ドラムクリーニング装置17〜17と帯電器13〜13との間に設けられている。なお、中間転写ベルト装置16とドラムクリーニング装置17〜17との間に設けられていてもよい。除電装置12〜12については、後ほど詳しく説明する。
帯電器13〜13は、除電装置12〜12にて除電された感光体11〜11の表面を所定の電位に均一に帯電させる。
露光装置14は、帯電器13〜13にて一様に帯電された感光体11〜11の表面を露光して感光体11〜11の表面に静電潜像を形成する。
現像装置15〜15は、露光装置14にて形成された感光体11〜11の表面の静電潜像を現像して、感光体11〜11の表面にトナー像を形成する。
各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdでは、かかる一連の動作によって、感光体11〜11の表面に各色のトナー像が形成される。
中間転写ベルト装置16は、1次転写ローラ16a及び中間転写ベルト16bを備えている。1次転写ローラ16aは、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ中間転写ベルト16bの内側に設けられている。1次転写ローラ16a〜16aは、感光体11〜11の表面に形成された各色のトナー像を矢印Cの方向へ周回移動する中間転写ベルト16bに転写する。
ドラムクリーニング装置17〜17は、中間転写ベルト16bに転写されずに残った感光体11〜11の表面における残留トナーを除去及び回収する。
2次転写装置18は、2次転写ローラ18aを備えている。2次転写ローラ18aは、中間転写ベルト16bとの間にニップ域を形成するように設けられている。2次転写ローラ18aは、搬送経路R1を通って搬送されてきた記録材Pをニップ域に挟み込んで搬送し、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト16bの表面に形成されたトナー像(例えばカラートナー像)を記録材P上に転写する。
ベルトクリーニング装置19は、記録材Pに転写されずに中間転写ベルト16bの表面に残った残留トナーを除去及び回収する。
定着装置20は、加熱ローラ21及び加圧ローラ22を備え、加熱ローラ21及び加圧ローラ22の間にトナー像が転写された記録材Pを挟み込んで加熱および加圧し、トナー像を記録材Pに定着させる。
給紙トレイ31は、記録材Pを積載するようになっている。給紙トレイ31の記録材Pの供給側には、ピックアップローラ33が設けられている。ピックアップローラ33は、記録材Pを給紙トレイ31から引き出して、搬送経路R1に搬送する。
搬送経路R1は、記録材Pを2次転写装置18や定着装置20を経由して排出ローラ36に搬送する。搬送経路R1の記録材Pの排出側には、排出ローラ36が設けられている。排出ローラ36は、搬送経路R1で搬送されてきた記録材Pを排出トレイ32に排出する。搬送経路R1には、レジストローラ34及び各搬送ローラ35〜35が設けられている。レジストローラ34は、記録材Pを一端停止させて記録材Pの先端を揃えた後、中間転写ベルト16bと2次転写ローラ18aとの間のニップ域におけるトナー像の転写タイミングに合わせて記録材Pを搬送する。各搬送ローラ35〜35は、記録材Pの搬送を促すローラである。
また、搬送経路R1は、反転経路Rrを備えている。画像形成装置本体10は、記録材Pの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、記録材Pを排出ローラ36から反転経路Rrへ逆方向に搬送して、記録材Pの表裏を反転させてレジストローラ34へ再度導き、記録材Pの表面と同様にして、記録材Pの裏面にトナー像を定着させて排出トレイ32へ排出する。
なお、図1において、符号Xは、幅方向(奥行き方向)を示しており、符号Yは、幅方向Xに直交する左右方向Yを示しており、符号Zは、高さ方向(具体的には上下方向)を示している。
[本実施の形態に係る除電装置について]
次に、本実施の形態に係る除電装置12の概略構成について、図2及び図3を参照しながら以下に説明する。
図2は、本実施の形態に係る除電装置12を説明するための説明図であって、図1に示す画像形成装置1の1つの画像形成ステーションPa部分を拡大して示す概略正面図である。図3は、本実施の形態に係る除電装置12に備えられる導光体121及び光源120を示す概略構成図である。図3(a)は、導光体121及び光源120の側面図を示しており、図3(b)は、導光体121及び光源120の底面図を示している。
図2及び図3に示すように、除電装置12は、導光体121を備えている。導光体121は、光源120(図3参照)からの光L(La)(後述する図5参照)を入射する光入射面121aと、光入射面121aから入射した光L(図3参照)を出射する光出射面121b(図2及び図3(a)参照)とを有している。
本実施の形態に係る除電装置12は、光源120からの光L(La)を導光体121の光入射面121aに入射し、光入射面121aに入射した光L(図3参照)を導光体121内で反射し、導光体121内で反射した光Lを光出射面121bから出射し、光出射面121bから出射した光L(Lb)(図3(a)参照)を感光体11の表面に照射するようになっている。
そして、除電装置12は、導光体121の光入射面121a及び光出射面121b以外の外周面に、光反射部材122(図2参照)が設けられている。光反射部材122は、光入射面121aから入射した導光体121内の光を反射させて光出射面121bから出射させるための機能を有する。
導光体121の光出射面121bとは反対側の面である反対側面121cには、導光体121内の光Lを光出射面121bに向けて反射させるための凹凸形状の凹凸部121c1(図3参照)を有している。凹凸部121c1の凹凸形状は、反対側面121cの感光体11の表面の有効画像形成領域(画像が形成されるべき領域)に対応する領域に設けられている。凹凸形状における凹部及び凸部は、導光体121の厚み方向Wに沿って延びている。凹部及び凸部は、この例では、三角山型形状とされている。
除電装置12は、光源120を備えている。光源120は、この例では、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)とされている。光源120は、この例では、発光ダイオードとされているが、他の光源であってもよい。また、除電装置12は、この例では、光源120を備えているが、光源120は、除電装置12の構成要素でなくてもよい。
導光体121に用いることができる材料としては、所謂アクリル樹脂と称されるポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA:Poly Methyl Methacrylate)等の光透過性に優れた樹脂材料やガラス材料を例示できる。
図3に示すように、導光体121は、この例では、光入射面121aと光出射面121bとが互いに隣接して設けられ、かつ、光入射面121aに隣接して光出射面121bとは反対側に設けられた反対側面121cと、光入射面121aと光出射面121bと反対側面121cとに隣接して設けられた第1側面121dと、光入射面121aと光出射面121bと反対側面121cとに隣接して第1側面121dとは反対側に設けられた第2側面121e(図2及び図3(b)参照)とを有している。
そして、光反射部材122は、反対側面121c、第1側面121d及び第2側面121eに設けられている。
[第1実施形態から第5実施形態について]
次に、第1実施形態から第5実施形態に係る除電装置12について図4から図10を参照しながら以下に説明する。
(第1実施形態)
図4は、第1実施形態に係る除電装置12を光入射面121a側の斜め上から視た斜視図である。図5は、第1実施形態に係る除電装置12を光入射面121a側の斜め上から視た分解斜視図である。
図4及び図5に示す導光体121は、この例では、光出射面121bと反対側面121cとの距離が光入射面121aへの光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って小さくなるように構成されている。
詳しくは、導光体121は、三角柱形状又は略三角柱形状(具体的には略三角柱形状)の単一の導光体とされている。また、光源120は、単一の光源とされている。
三角柱形状又は略三角柱形状の導光体121における3つの四角形状の面のうちの2つの面がそれぞれ光入射面121a及び光出射面121bとされている。
具体的には、図4及び図5に示す導光体121は、光出射面121bが幅方向Xに長い長尺部材とされている。導光体121は、光出射面121bの長さ(幅方向Xの長さ)が光入射面121aの高さ(光出射面121bと反対側面121cとの間の距離)よりも大きくなっており、光入射面121aの高さが導光体121の厚み(第1側面121dと第2側面121eとの間の距離)よりも大きくなっている。導光体121は、光出射面121bと光入射面121aとが直角又は略直角とされている。導光体121は、第1側面121dと第2側面121eとが平行又は略平行とされている。導光体121は、第1側面121d及び第2側面121eと光出射面121b及び光入射面121aとが直角又は略直角とされている。また、導光体121は、反対側面121cが光入射面121aへの光L(La)の入射方向(光源120からの光L(La)の光軸の方向、この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って次第に光出射面121b側に近づくように傾斜している。ここで、傾斜した反対側面121cは、直線状になっていてもよいし、次第に光出射面121b側に湾曲するようになっていてもよい。
なお、導光体121の形状は、次のような形状であってもよい。すなわち、導光体121の形状は、厳密に言えば四角柱形状又は略四角柱形状であったとしても、光入射面121aとは反対側の面の高さが光入射面121aの高さに比べて十分小さい場合(例えば、それには限定されないが、光入射面121aの高さの3分の1以下の場合)には、略三角柱形状とみなすことができる。
第1実施形態に係る除電装置12において、光反射部材122は、シート状の部材とされている。この例では、光反射部材122は、光反射面122a(図5参照)の光反射率が均一になっている。
ところで、光反射部材122を導光体121に接着剤や粘着剤等の接着層(具体的には透明な接着層)を介在させた状態で設ける場合には、導光体121内の光Lが接着層で反射効率が低下し易く、その結果、光反射部材122での反射効率が低下してしまう。
この点、第1実施形態に係る除電装置12において、シート状の光反射部材122は、導光体121に直接密着するように設けられている。ここで、光反射部材122の導光体121との密着は、光反射部材122が導光体121の反対側面121cにおける凹凸部121c1のうち凸部に接触するものの、凹部に接触しない態様も含む概念である。
詳しくは、光反射部材122は、導光体121の反対側面121cに密着する底面光反射部122cと、導光体121の第1側面121dに密着する第1側面光反射部122dと、導光体121の第2側面121eに密着する第2側面光反射部122eとを有している。底面光反射部122c、第1側面光反射部122d及び第2側面光反射部122eは、一体的に形成されている。
光反射部材122における底面光反射部122c、第1側面光反射部122d及び第2側面光反射部122eは、それぞれ、導光体121における反対側面121c、第1側面121d及び第2側面121eに全面的又は略全面的に密着されている。
第1実施形態に係る除電装置12は、光反射部材122を介して導光体121を保持する保持部材123をさらに備えている。保持部材123は、光反射部材122を介して導光体121の少なくとも光反射部材122に対応する部分を保持している。
詳しくは、保持部材123は、光反射部材122が設けられた導光体121の少なくとも光反射部材122に対応する部分の外形状が嵌る内形状を有している。すなわち、保持部材123の内形状は、導光体121の少なくとも光反射部材122に対応する部分が光反射部材122を介して嵌り込むような凹状の形状とされている。
具体的には、保持部材123は、導光体121の反対側面121cを光反射部材122の底面光反射部122cを介して保持する底面保持部123cと、導光体121の第1側面121dを光反射部材122の第1側面光反射部122dを介して保持する第1側面保持部123dと、導光体121の第2側面121eを光反射部材122の第2側面光反射部122eを介して保持する第2側面保持部123eとを有している。
第1実施形態に係る除電装置12において、光反射部材122は、光反射面122a(図5参照)の色が白色又は光源120から出射される光L(La)の色と同色若しくは同系色とされていてもよいし、光反射面122aが鏡面又は略鏡面とされていてもよい。ここで、光源120から出射される光L(La)の色は、感光体11の分光感度特性に対応した色であり、この例では、赤色とされている。
また、光源120から出射される光L(La)の色と同系色とは、例えば、色相環で光L(La)の色に近い予め定めた所定範囲内にある色、或いは、複数に等分(例えば20等分や40等分)に分割された色相環で光L(La)の色と隣り合う色を挙げることができる。白色は特定波長の光を吸収しない或いは略吸収しない色とすることができる。これらのことは、後述する第2実施形態から第5実施形態についても同様である。
光反射部材122の材料としては、光Lを反射することができれば、何れの材料も用いることができる。例えば、光反射部材122の材料は、シート状の樹脂材料(例えば、不飽和ポリエステル樹脂)や紙材を用いることができる。また、光反射面122aが鏡面又は略鏡面とされた光反射部材122を導光体121に設ける態様としては、アルミニウム(Al)等の金属材料で構成されて鏡面又は略鏡面を有するシート状の部材を導光体121に設ける態様を例示できる。
光反射部材122は、第1実施形態のようにシート状の部材とされて導光体121に直接密着される他、次の第2実施形態のように塗布加工により導光体121に塗布されることができる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る除電装置12に備えられる導光体121及び光反射部材122を示す概略構成図である。図6(a)は、導光体121及び光反射部材122を光入射面121a側の斜め上方から視た斜視図を示しており、図6(b)は、導光体121及び光反射部材122を光入射面121aとは反対側の斜め上方から視た斜視図を示している。なお、図6に示す第2実施形態において、図4及び図5に示す第1実施形態と実質的に同様の部材及び箇所には同一符号を付している。このことは、後述する第3実施形態から第5実施形態についても同様である。
第2実施形態に係る除電装置12において、光反射部材122は、塗布加工により導光体121に塗布されている。詳しくは、光反射部材122は、導光体121に塗布される塗布部材とされている。
塗装部材とされた光反射部材122の塗装加工としては、代表的には、印刷による塗布加工や蒸着による塗布加工を例示できる。
第2実施形態に係る除電装置12において、光反射部材122は、光反射面122aの色が白色又は光源120から出射される光L(La)の色と同色若しくは同系色とされていてもよいし、光反射面122aが鏡面又は略鏡面とされていてもよい。
光反射面122aが鏡面又は略鏡面とされた光反射部材122を導光体121に設ける態様としては、アルミニウム(Al)等の金属材料を導光体121に印刷又は蒸着する態様を例示できる。
(第3実施形態)
ところで、導光体121の光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量は、導光体121の光入射面121aへの光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121a(すなわち光源120)から遠ざかるに従って低下する。
そこで、第3実施形態に係る除電装置12において、光反射部材122は、光反射面122aの光反射率が光入射面121aへの光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121a(すなわち光源120)から遠ざかるに従って高くなるように構成されている。
図7は、第3実施形態に係る除電装置12に備えられる導光体121及び光反射部材122の第1実施形態に対応する構成を示す概略構成図である。図7(a)は、導光体121及び光反射部材122を光入射面121a側の斜め上方から視た斜視図を示しており、図7(b)は、導光体121及び光反射部材122を光入射面121aとは反対側の斜め上方から視た斜視図を示している。
また、図8は、第3実施形態に係る除電装置12に備えられる導光体121及び光反射部材122の第2実施形態に対応する構成を示す概略構成図である。図8(a)は、導光体121及び光反射部材122を光入射面121a側の斜め上方から視た斜視図を示しており、図8(b)は、導光体121及び光反射部材122を光入射面121aとは反対側の斜め上方から視た斜視図を示している。
光反射部材122の光反射面122aの光反射率が光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って高くなる態様としては、光反射面122aの光反射率(例えば明度)をグラデーションにする態様を例示でき、光反射面122aの光反射率(例えば明度)を光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って段階的に大きくする態様や、光反射面122aの光反射率(例えば明度)を光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って連続的に(次第に)大きくする態様を例示できる。
この例では、光反射面122aの光反射率(例えば明度)を光入射面121aから遠ざかるに従って連続的に(次第に)大きくしている。
かかる構成において、例えば、図7(a)及び図7(b)に示す構成では、シート状の光反射部材122の光反射面122aに対してグラデーションパターンを印刷又は蒸着するようにしてもよいし、図8(a)及び図8(b)に示す構成では、導光体121に対してグラデーションパターンを印刷又は蒸着するようにしてもよい。光反射部材122又は導光体121に対してグラデーションパターンを印刷する場合、光反射部材122又は導光体121に対して網点印刷を行う態様を例示できる。また、光反射部材122又は導光体121に対してグラデーションパターンを蒸着する場合、光反射部材122又は導光体121に対して蒸着材料をマスクするマスク部材(図示せず)を光L(La)の入射方向に所定の速度で段階的に或いは連続的に移動させながら該蒸着材料を光反射部材122又は導光体121に蒸着する態様を例示できる。
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態に係る除電装置12に備えられる導光体121及び光源120を示す概略側面図である。図9(a)は、第4実施形態の構成の導光体121の一例を示しており、図9(b)は、第4実施形態の構成の導光体121の他の例を示している。なお、図9において、凹凸部121c1は図示を省略している。このことは、後述する第5実施形態の図10についても同様である。
図9(a)及び図9(b)に示す除電装置12において、導光体121は、2つの光入射面121a,121aを有する単一の導光体とされている。単一の導光体121は、2つの光入射面121a,121aが相反する位置に設けられている。光源120は、単一の導光体121の2つの光入射面121a,121aに光L(La),L(La)をそれぞれ入射する2つの光源とされている。2つの光源120,120は、それぞれの光L(La),L(La)の光軸が揃う又は略揃うように設けられている。
図9(a)に示す導光体121は、六面体形状又は略六面体形状(具体的には直方体形状又は略直方体形状)の導光体とされている。
図9(a)に示す導光体121における6つの四角形状の面のうちの相反する2つの面がそれぞれ2つの光入射面121a,121aとされ、残りの面のうちの何れか1つの面が光出射面121bとされている。2つの光源120,120は、光L(La),L(La)を2つの光入射面121a,121aにそれぞれ入射する。
図9(b)に示す導光体121は、図9(a)に示す導光体121において、光出射面121bと反対側面121cとの間の距離(高さ)が光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121a,121aから遠ざかるに従って小さくなるように構成した導光体とされている。
具体的には、図9(a)及び図9(b)に示す導光体121は、光出射面121bが幅方向Xに長い長尺部材とされている。導光体121は、光出射面121bの長さ(幅方向Xの長さ)が光入射面121aの高さ(光出射面121bと反対側面121cとの間の距離)よりも大きくなっており、光入射面121aの高さが導光体121の厚み(第1側面121dと第2側面121e(図9では図示せず)との間の距離)よりも大きくなっている。導光体121は、光出射面121bと光入射面121aとが直角又は略直角とされている。導光体121は、第1側面121dと第2側面121e(図9では図示せず)とが平行又は略平行とされている。導光体121は、第1側面121d及び第2側面121eと光出射面121b及び光入射面121aとが直角又は略直角とされている。また、導光体121は、2つの光入射面121a,121aの面積が同等又は略同等とされている。
図9(a)及び図9(b)に示す導光体121の光入射面121a及び光出射面121b以外の外周面に、光反射部材(例えば第1実施形態から第3実施形態に対応する構成の光反射部材122)が設けられる。
(第5実施形態)
図10は、第5実施形態に係る除電装置12に備えられる導光体121及び光源120を示す概略側面図である。
図10に示す除電装置12において、2つの導光体(例えば第1実施形態から第3実施形態に対応する構成の2つの導光体121)を備え、2つの導光体121,121は、それぞれの光入射面121a,121aが相反する位置に位置するように設けられている。
また、2つの導光体121,121は、それぞれの光出射面121b,121bが揃う又は略揃うように設けられている。これにより、それぞれの光出射面121b,121bからの光L(Lb)の出射方向を同一方向又は略同一方向を向けることができる。詳しくは、2つの導光体121,121は、それぞれの光入射面121a,121aとは反対側が互いに近接又は接触して、それぞれの第1側面121d,121d及び第2側面121e,121eが揃う又は略揃うように設けられている。2つの導光体121,121は、それぞれの光出射面121b,121bが光入射面121aへの光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)に沿った仮想平面上に並設されている。
光源120は、2つの導光体121,121のそれぞれの光入射面121a,121aに光L(La),L(La)をそれぞれ入射する2つの光源とされている。2つの光源120,120は、それぞれの光L(La),L(La)の光軸が揃う又は略揃うように設けられている。
図10に示す導光体121,121の光入射面121a,121a及び光出射面121b,121b以外の外周面に、光反射部材(例えば第1実施形態から第3実施形態に対応する構成の光反射部材122)が設けられる。
(本実施の形態について)
以上説明した第1実施形態から第5実施形態によれば、従来の如く、2次元レンズアレイを用いることがないので、構成の複雑化及び高コスト化を招くことを回避することができる。しかも、導光体121の光入射面121a及び光出射面121b以外の外周面に、光反射部材122が設けられているので、導光体121内の光Lを光反射部材122により光出射面121bから出射する光L(Lb)の出射方向に集めることができる。従って、光源120から出射される光L(La)の光量を大きくすることなく、導光体121の光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量を大きくすることができ、これにより感光体11の表面に照射する光L(Lb)の光量を大きくして感光体11の表面において除電を安定化させることが可能となる。その結果、記録材Pに転写される画像にムラが生じることを抑制することが可能となる。また、光源120から少ない光量の光L(La)で感光体11の表面を除電することができ、従って、消費電力を抑えることができる上、光源120の長寿命化を実現させることができる。
また、光反射部材122は、シート状の部材であり、導光体121に直接密着するように設けられていることで(図4、図5及び図7参照)、導光体121内の光Lを光反射部材122に直接反射させることができ、例えば、光反射部材122を導光体121に接着剤や粘着剤等の接着層(具体的には透明の接着層)を介在させた状態で設ける場合に発生し易い反射効率の低下を回避することがでる。従って、光反射部材122での反射効率の低下を効果的に防止することができる。また、光反射部材122としてシート状の部材を用いることで、除電装置12を安価に作製することができる。
また、光反射部材122は、光反射面122aの色が白色又は光源120から出射される光L(La)の色と同色若しくは同系色とされていることで、光Lを光反射面122aで効率的に反射させることができる。従って、光反射部材122の光反射面122aでの光Lの反射効率を向上させることができ、光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量をさらに大きくすることができる。これにより感光体11の表面に照射する光L(Lb)の光量をさらに大きくして感光体11の表面の除電をさらに安定化させることができる。また、光源120からさらに少ない光量の光L(La)で感光体11の表面を除電することができ、従って、消費電力をさらに抑えることができる上、光源120のさらなる長寿命化を実現させることができる。
また、光反射部材122は、光反射面122aが鏡面又は略鏡面とされていることで、光反射部材122の光反射面122aでの光Lの反射効率をさらに向上させることができ、導光体121の光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量をより一層大きくすることができる。これにより感光体11の表面に照射する光L(Lb)の光量をより一層大きくして感光体11の表面の除電をより一層安定化させることができる。また、光源120からより一層少ない光量の光L(La)で感光体11の表面を除電することができ、従って、消費電力をより一層抑えることができる上、光源120のより一層の長寿命化を実現させることができる。
また、光反射部材122は、光反射面122aの光反射率が光入射面121aへの光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って高くなるように構成されていることで(図7及び図8参照)、光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量を、光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って増やすことができ、これにより、光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量が光入射面121aから遠ざかるに従って低下することを抑制することができる。好ましくは、光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量を光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において一定又は略一定にすることができる。
また、導光体121は、光入射面121aと光出射面121bとが互いに隣接して設けられ、かつ、光入射面121aに隣接して光出射面121bとは反対側に設けられた反対側面121cと、光入射面121aと光出射面121bと反対側面121cとに隣接して設けられた第1側面121dと、光入射面121aと光出射面121bと反対側面121cとに隣接して第1側面121dとは反対側に設けられた第2側面121eとを有し、光反射部材122は、反対側面121c、第1側面121d及び第2側面121eに設けられていることで、光出射面121bからの光L(Lb)を感光体11の表面に効率的に照射することができる。
また、導光体121は、光出射面121bと反対側面121cとの距離が光入射面121aへの光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って小さくなるように構成されていることで(図4から図8、図9(b)及び図10参照)、導光体121の反対側面121cで反射した光Lを光出射面121bに到達させる距離を、光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って短くすることができ、これにより、光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量が光入射面121aから遠ざかるに従って低下することを抑制することができる。
また、導光体121は、光反射部材122を介して保持部材123に保持されていることで(図4及び図5参照)、保持部材123により光反射部材122を導光体121に密着させた状態で導光体121を確実に保持することができる。
また、光反射部材122は、塗布加工により導光体121に塗布されることで(図6及び図8参照)、導光体121に光反射部材122を容易に設けることができる。また、光反射部材122を介して導光体121を保持する保持部材123を省略することができる。
また、導光体121は、2つの光入射面121a,121aを有する単一の導光体とされており、単一の導光体121は、2つの光入射面121a,121aが相反する位置に設けられており、光源120は、2つの光入射面121a,121aに光L(La),L(La)をそれぞれ入射する2つの光源とされていることで(図9参照)、単一の導光体121の相反する位置に設けられた2つ光入射面121a,121aからそれぞれ2つの光源120,120からの光L(La),L(La)を入射させることができる。従って、光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量をさらに大きくすることができ、これにより感光体11の表面に照射する光L(Lb)の光量をさらに大きくして感光体11の表面において除電をさらに安定化させることが可能となる。
また、単一の導光体121が六面体形状又は略六面体形状(具体的には直方体形状又は略直方体形状)の導光体とされていることで(図9(a)参照)、導光体121を比較的簡単に作製することができる。
また、2つの導光体121,121を備え、2つの導光体121,121は、それぞれの光入射面121a,121aが相反する位置に位置するように設けられていることで(図10参照)、光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)におけるサイズが比較的大きい感光体11にも対応させることができる。
また、2つの導光体121,121は、それぞれの光出射面121b,121bが揃う又は略揃うように設けられていることで(図10参照)、2つの導光体121,121のうち、一方の導光体121の光出射面121bから出射して感光体11の表面に照射する光L(Lb)の光量と他方の導光体121の光出射面121bから出射して感光体11の表面に照射する光の光量とを同程度にすることができる。
[実施例]
次に、除電装置12について、光源120からの光量を一定にし、導光体121に光反射部材122を設けた場合(実施例1,2)と、導光体121に光反射部材122を設けない場合(比較例)とで、導光体121の光出射面121bから光L(Lb)が照射された感光体11の表面における照度を調べたので、以下に説明する。
実施例1では、導光体121に第1実施形態に対応するシート状で光反射率を均一にした光反射部材122(図4及び図5参照)を設け、実施例2では、導光体121に第3実施形態に対応するシート状で光反射率をグラデーションにした光反射部材122(図7参照)を設け、実施例1、実施例2及び比較例において、感光体11の表面の幅方向Xにおける複数箇所(具体的には33箇所)の照度を測定した。その結果を図11及び図12に示す。
(実施例1)
図11は、実施例1での感光体11の表面の照度を比較例での感光体11の表面の照度と共に示すグラフである。
図11に示すように、導光体121に第1実施形態に対応するシート状で光反射率を均一にした光反射部材122を設けた実施例1では、導光体121に光反射部材122を設けない比較例に比べて、感光体11の表面の照度が高くなっており、従って、導光体121の光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量を大きくして感光体11の表面の除電の安定化を実現できることが分かった。
(実施例2)
図12は、実施例2での感光体11の表面の照度を比較例での感光体11の表面の照度と共に示すグラフである。
図12に示すように、導光体121に第3実施形態に対応するシート状で光反射率をグラデーションにした光反射部材122を設けた実施例2では、導光体121に光反射部材122を設けない比較例に比べて、感光体11の表面の照度が概ね高くなっている上、光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って低くなることが抑えられており、従って、導光体121の光出射面121bから出射する光L(Lb)の光量が光L(La)の入射方向(この例では幅方向X)において光入射面121aから遠ざかるに従って低下することを抑制できることが分かった。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。