JP5092917B2 - 溶融ガラス微小滴の製造装置及び製造方法、ガラスゴブの製造装置及び製造方法、並びにガラス成形体の製造装置及び製造方法 - Google Patents

溶融ガラス微小滴の製造装置及び製造方法、ガラスゴブの製造装置及び製造方法、並びにガラス成形体の製造装置及び製造方法 Download PDF

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    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses

Description

本発明は、溶融ガラス微小滴の製造装置及び製造方法、ガラスゴブの製造装置及び製造方法、並びにガラス成形体の製造装置及び製造方法に関する。
近年、デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズ等として、ガラス製の光学素子が広範にわたって利用されている。このようなガラス製の光学素子として、ガラス素材を成形金型で加圧成形して製造したガラス成形体を用いることが多くなってきた。
加圧成形によってガラス成形体を製造する方法として、リヒートプレス法及び液滴成形法と呼ばれる2つの方法が知られている。リヒートプレス法は、予め作製しておいた所定質量及び形状を有するガラスプリフォーム(予備成形体)を成形型と共に加熱して加圧成形する方法であり、ガラス溶融炉等の大型設備を必要としないことから広く実施されている。
リヒートプレス法に用いるガラスプリフォームとしては、従来、研削・研磨等の機械加工によって製造されたもの(研磨プリフォーム)を用いることが多かったが、研磨プリフォームの作製には多大な労力と時間を要するという問題があった。そのため、下型の上に滴下した溶融ガラス滴を冷却固化してガラスゴブ(ガラス塊)を作製し、得られたガラスゴブを、リヒートプレス法のガラスプリフォーム(ゴブプリフォーム)として用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、液滴成形法は、所定温度に加熱した下型に溶融ガラス滴を滴下させ、滴下した溶融ガラス滴を、該下型と上型とで加圧成形してガラス成形体を得る方法である(例えば、特許文献2参照)。この方法は、下型や上型等の加熱と冷却を繰り返す必要がなく溶融ガラス滴から直接ガラス成形体を製造することができるので、1回の成形に要する時間を非常に短くできることから注目されている方法である。
また、近年における各種光学装置等の小型化に伴い、小型のガラスゴブやガラス成形体の需要が高まっている。しかし、そのような小型のガラスゴブやガラス成形体の製造に十分対応できるだけの微小な溶融ガラス滴を、ガラス溶融槽に接続された滴下ノズルから直接滴下することはできなかった。そのため、貫通孔を有する微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、当該溶融ガラス滴の一部を該貫通孔を通過させて分離することで、溶融ガラス微小滴を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭61−146721号公報 特開平1−308840号公報 特開2002−154834号公報
特許文献3に記載の方法により溶融ガラス微小滴を製造する場合、溶融ガラス微小滴を分離した後の余剰ガラスが、微小化部材の貫通孔に残留する。そのため、溶融ガラス微小滴を1つ分離するごとに、貫通孔に残された余剰ガラスを除去する工程が必要である。
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、余剰ガラスを除去する工程が終了するまで、次の溶融ガラス微小滴を分離することができないため、1つの溶融ガラス微小滴を製造するのに必要な時間(以下、「タクトタイム」という)が長く、製造コストが高いという問題があった。
また、タクトタイムが長いと、溶融ガラス微小滴の製造が、滴下ノズルから溶融ガラス滴が滴下する間隔に追いつかなくなる。そうなると、実際に溶融ガラス微小滴の製造に使用される溶融ガラス滴は、滴下ノズルから滴下する溶融ガラス滴のうちの一部のみ(通常、2〜10滴のうちの1滴)となり、他は廃棄することになるため、溶融ガラスの消費量が大きいという問題があった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、タクトタイムを短縮して、製造コストを低減するとともに、溶融ガラスの消費量を抑制することができる溶融ガラス微小滴の製造装置及び製造方法、ガラスゴブの製造装置及び製造方法、並びにガラス成形体の製造装置及び製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 溶融ガラス滴を滴下するための滴下ノズルと、
前記溶融ガラス滴の一部を通過させ、溶融ガラス微小滴を分離するための貫通孔を有する微小化部材と、を備える溶融ガラス微小滴の製造装置において、
複数の前記微小化部材と、
前記複数の微小化部材を、前記溶融ガラス滴の滴下経路に1つずつ順に配置する手段と、
前記溶融ガラス滴の滴下経路から外れた位置で、前記微小化部材から、前記溶融ガラス微小滴を分離した後に残される余剰ガラスを除去する手段と、を備え、
前記余剰ガラスを除去する手段は、前記微小化部材を上下反転させ、前記余剰ガラスを自重により落下させる手段であることを特徴とする溶融ガラス微小滴の製造装置。
2. 前記1に記載の溶融ガラス微小滴の製造装置と、
前記溶融ガラス微小滴を受けるための下型と、を備えることを特徴とするガラスゴブの製造装置。
3. 前記下型を複数備え、
前記複数の下型を、前記溶融ガラス微小滴を受けるための位置に1つずつ順に配置する手段を備えることを特徴とする前記2に記載のガラスゴブの製造装置。
4. 前記微小化部材を配置する手段および前記下型を配置する手段は、夫々、前記微小化部材および前記下型を、前記溶融ガラス滴の滴下経路と前記滴下経路から外れた位置との間、および、前記溶融ガラス微小滴を受けるための位置と前記位置から外れた位置との間を、円環状または直線状に循環または往復させることを特徴とする前記3に記載のガラスゴブの製造装置。
5. 前記複数の微小化部材の個数と前記複数の下型の個数とは異なることを特徴とする前記3または4に記載のガラスゴブの製造装置。
6. 前記2〜5のいずれかに記載のガラスゴブの製造装置と、
前記下型で受けた溶融ガラス微小滴を加圧成形するための上型と、を備えることを特徴とするガラス成形体の製造装置。
7. 前記上型を複数備え、
前記複数の下型を配置する手段は、前記下型の夫々を、前記溶融ガラス滴の滴下経路と前記下型の夫々に対応する前記上型による加圧成形の位置との間を順に移動させることを特徴とする前記6に記載のガラス成形体の製造装置。
8. 貫通孔を有する微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、当該溶融ガラス滴の一部を該貫通孔を通過させて分離する溶融ガラス微小滴の製造方法において、
前記溶融ガラス滴の滴下経路に、第1の微小化部材を配置する工程と、
前記第1の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下して溶融ガラス微小滴を分離する工程と、
前記第1の微小化部材を前記滴下経路から退避させ、第2の微小化部材を前記滴下経路に配置する工程と、
前記第1の微小化部材に残された余剰ガラスを、前記滴下経路から外れた位置で除去する工程と、
前記余剰ガラスを除去する工程が完了する前に、前記第2の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下して溶融ガラス微小滴を分離する工程と、を有し、
前記余剰ガラスを除去する工程は、前記第1の微小化部材を上下反転させ、前記余剰ガラスを自重により落下させる工程であることを特徴とする溶融ガラス微小滴の製造方法。
9. 前記余剰ガラスを除去する工程は、前記余剰ガラスの温度が(Tg+50)℃以下の状態で行うことを特徴とする前記に記載の溶融ガラス微小滴の製造方法。
ただし、Tgは、前記余剰ガラスのガラス転移温度である。
10. 前記8または9に記載の溶融ガラス微小滴の製造方法を含むガラスゴブの製造方法であって、
前記第1の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、分離された溶融ガラス微小滴を第1の下型に滴下する工程と、
前記第1の下型に滴下された溶融ガラス微小滴を前記第1の下型の上で冷却する工程と
前記第1の下型の上で溶融ガラス微小滴が冷却されることにより得られたガラスゴブを回収する工程と、
前記ガラスゴブを回収する工程が完了する前に、前記第2の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、分離された溶融ガラス微小滴を第2の下型に滴下する工程と、を備えることを特徴とするガラスゴブの製造方法
11. 前記第1の微小化部材および前記第2の微小化部材と、前記第1の下型および前記第2の下型とは、夫々、前記溶融ガラス滴の滴下経路と前記滴下経路から外れた位置との間、および、前記溶融ガラス微小滴の滴下位置と前記滴下位置から外れた位置との間を、円環状または直線状に循環または往復することを特徴とする前記10に記載のガラスゴブの製造方法。
12前記8または9に記載の溶融ガラス微小滴の製造方法を含むガラス成形体の製造方法であって、
前記第1の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、分離された溶融ガラス微小滴を第1の下型に滴下する工程と、
前記第1の下型に滴下された溶融ガラス微小滴を前記第1の下型と第1の上型とで加圧成形する工程と
前記第1の下型と前記第1の上型とによる加圧成形によって得られたガラス成形体を回収する工程と、
前記ガラス成形体を回収する工程が完了する前に、前記第2の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、分離された溶融ガラス微小滴を第2の下型に滴下する工程と、を備えることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
本発明によれば、溶融ガラス微小滴の製造後、微小化部材に残された余剰ガラスの除去を待たずに、次の溶融ガラス微小滴の製造を行うことができるため、タクトタイムを短縮することができる。従って、溶融ガラス微小滴の製造コストを低減することができ、また、溶融ガラスの消費量を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図11を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態であるガラスゴブの製造方法及び製造装置について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態におけるガラスゴブの製造方法のフローチャートである。また、図2は、本実施形態のガラスゴブの製造装置を示す斜視図であり、図3は、図2に示したガラスゴブの製造装置のA−A断面図である。ここで、図3(a)は、滴下ノズルから溶融ガラス滴を滴下し、1個目の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S102)における状態を示しており、図3(b)は、微小化部材から余剰ガラスを除去する工程(工程S105)と、2個目の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S106)とを並行して行っている状態を示している。
図2、図3に示すガラスゴブの製造装置10は、溶融ガラス微小滴の製造装置20と、溶融ガラス微小滴を受けるための下型11とを備えている。溶融ガラス微小滴の製造装置20は、溶融ガラス滴30を滴下するための滴下ノズル26、貫通孔27を有する2つの微小化部材21a及び21bを備えている。なお、ここでは、2つの微小化部材21a及び21bを備える場合を例に挙げて説明するが、微小化部材の数は2つに限定されるものではなく、更に多数の微小化部材を備えていてもよい。
微小化部材21a及び21bは、回転テーブル22に支持されている。回転テーブル22は、コントローラ28によって制御されるモータ24によって軸23を中心に回転し、微小化部材21a及び21bを、溶融ガラス滴30の滴下経路DL上の位置P1と、滴下経路DLから外れた位置P2との間を順に移動させる。即ち、回転テーブル22、モータ24、及びコントローラ28は、微小化部材21a、21bを、溶融ガラス滴30の滴下経路DLに1つずつ順に配置する手段として機能する。
また、溶融ガラス微小滴の製造装置20は、位置P2の上方に、吸着装置25を備えている。吸着装置25は、微小化部材21aに残された余剰ガラス32を、滴下経路DLから外れた位置P2で除去する手段として機能する。
下型11は、上面に、分離された溶融ガラス微小滴を受ける凹面部12が設けられている。溶融ガラス微小滴を受ける面は、凹面に限定されるものではなく、製造するガラスゴブの形状に応じて、平面、凸面など、種々の形状とすることができる。
下型11は、予め所定温度に加熱しておく。下型11の温度が低すぎると、ガラスゴブの下面(下型11との接触面)に大きなしわが発生しやすく、また、急速に冷却されることによってガラスゴブにワレやクラックが発生する場合がある。逆に、必要以上に温度を高くしすぎると、ガラスと下型11との間に融着が発生したり、下型11の寿命が短くなったりするおそれがある。実際には、ガラスの種類や、形状、大きさ、下型11の材質、大きさ等種々の条件によって適正な温度が異なるため、実験的に適正な温度を求めておくことが好ましい。通常は、使用するガラスのガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−100℃からTg+100℃程度の温度に設定することが好ましい。
このため、下型11は、図示しない加熱手段によって所定温度に加熱できるように構成されている。加熱手段は、公知の加熱手段の中から適宜選択して用いることができる。例えば、下型11の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒータや、下型11の外側に接触させて使用するシート状のヒータ、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等を用いることができる。
下型11の材料は、溶融ガラスの受け型や成形金型に用いられる公知の材料の中から、条件に応じて適宜選択して用いることができる。好ましく用いることができる材料として、例えば、各種耐熱合金(ステンレス等)、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等)、カーボンを含んだ複合材料等が挙げられる。
また、下型11の更なる耐久性向上やガラスとの融着防止などのため、表面に被覆層を設けておくことも好ましい。被覆層の材料にも特に制限はなく、例えば、種々の金属(クロム、アルミニウム、チタン等)、窒化物(窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化硼素等)、酸化物(酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化チタン等)等を用いることができる。被覆層の成膜方法にも制限はなく、公知の成膜方法の中から適宜選択して用いればよい。例えば、真空蒸着、スパッタ、CVD等が挙げられる。
以下、図1に示したフローチャートに従って、本実施形態の各工程を順に説明する。
先ず、溶融ガラス滴30の滴下経路DLに、微小化部材21aを配置する(工程S101)。ここでは、コントローラ28の指示によってモータ24を駆動させ、軸23を中心に回転テーブル22を回転させることにより、微小化部材21aを、滴下経路DL上の位置P1に移動させればよい。
次に、微小化部材21aに溶融ガラス滴30を滴下して、溶融ガラス微小滴31を分離する(工程S102)。
滴下ノズル26は、溶融ガラスを貯留する溶融槽に接続されている。図示しないヒータにより、滴下ノズル26を所定温度に加熱すると、溶融ガラスが自重によって滴下ノズル26の内部に設けられた流路を通過し、表面張力によって先端部に溜まる。一定質量の溶融ガラスが溜まると、滴下ノズル26の先端部から自然に分離し、一定質量の溶融ガラス滴30が滴下する。
滴下ノズル26から滴下する溶融ガラス滴30の質量は、滴下ノズル26の先端部の外径などによって調整可能であり、ガラスの種類等によるが、0.1gから2g程度の溶融ガラス滴30を滴下することができる。
また、微小化部材21aに滴下する溶融ガラス滴30の質量は、製造する溶融ガラス微小滴31の質量よりも大きいことが必要である。通常、製造する溶融ガラス微小滴31の質量に対する、溶融ガラス滴30の質量の比が小さすぎると、溶融ガラス微小滴31の質量ばらつきが大きくなる傾向がある。そのため、微小化部材21aに滴下する溶融ガラス滴30の質量は、製造する溶融ガラス微小滴31の質量の2倍以上とすることが好ましい。
使用できるガラスの種類に特に制限はなく、公知のガラスの中から用途に応じて選択して用いることができる。例えば、ホウケイ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、リン酸ガラス、ランタン系ガラス等の光学ガラスが挙げられる。
溶融ガラス滴30が微小化部材21aに滴下すると、その衝撃によって溶融ガラス滴30の一部が貫通孔27を通過し、表面張力に打ち勝って分離して、溶融ガラス微小滴31となる。溶融ガラス微小滴31は、微小化部材21aの下方に配置された下型11によって受けられ、冷却・固化してガラスゴブとなる。
図3に示すように、微小化部材21aの貫通孔27の内周面は、溶融ガラス滴30が進入する入り口に向かって孔径が広がるテーパー部51と、略一定の径を有するストレート部52とを有していることが好ましい。このように、貫通孔27の内周面にテーパー部51を設けることで、溶融ガラス微小滴31の質量ばらつきを低減させることができる。質量ばらつきを低減させる観点からは、テーパー部51のうち、溶融ガラス滴30が最初に接触する位置におけるテーパーの開き角が30°〜90°の範囲であることが好ましく、テーパーの開き角が30°〜60°の範囲であることがより好ましい。
溶融ガラス微小滴31の大きさ(質量)は、種々のパラメータの影響を受ける。例えば、溶融ガラスの粘度、表面張力、比重、微小化部材21aに滴下する際の溶融ガラス滴30の温度や速度、ストレート部52の孔径、ストレート部52の長さ、テーパー部51のテーパーの開き角、貫通孔27の内周面の平滑度、微小化部材21aの熱容量や材質等が挙げられる。そのため、これらのパラメータを適宜調整することによって溶融ガラス微小滴31の大きさを調整することが可能である。
例えば、ストレート部52の孔径を大きくすると、得られる溶融ガラス微小滴31は大きくなり、ストレート部52の孔径を小さくすると、得られる溶融ガラス微小滴31は小さくなる。従って、ストレート部52の孔径を適宜選択することにより、溶融ガラス微小滴31の大きさを調整することができる。
溶融ガラス微小滴31の大きさ(質量)は、微小化部材21aに滴下する際の溶融ガラス滴30の温度によっても変化する。溶融ガラス滴30の温度を上げると粘度が下がるため、溶融ガラス微小滴31の質量は大きくなる。反対に溶融ガラス滴30の温度を下げると粘度が上がるため、溶融ガラス微小滴31の質量は小さくなる。また、溶融ガラス滴30の温度が低すぎると、粘度が高くなりすぎ、溶融ガラス微小滴31を得ることが困難になる場合がある。逆に、溶融ガラス滴30の温度が高すぎると、滴下の過程で泡や脈理が発生し、得られるガラスゴブの内部品質に問題が出てくる場合がある。そのため、これらの問題を考慮した上で、適切な温度条件を設定することが好ましい。
また、滴下ノズル26と微小化部材21aとの距離によって、溶融ガラス滴30が微小化部材21aに滴下する際の衝撃力が変化し、溶融ガラス微小滴31の大きさが変化する。距離が長い場合には得られる溶融ガラス微小滴31の質量は大きくなり、距離が短い場合には得られる溶融ガラス微小滴31の質量は小さくなる。滴下ノズル26の先端と微小化部材21aとの距離は、一般には100mm〜3000mmの範囲が好ましく、200mm〜2000mmの範囲がより好ましい。
微小化部材21aの材質としては、各種の金属やセラミック等を使用することができるが、耐熱性が高く、酸化等によって貫通孔27の内周面が劣化しにくいものが好ましい。また、溶融ガラス滴30との接触によって微小化部材21aの温度が変化すると、ストレート部52の孔径などが変化し、溶融ガラス微小滴31の質量が変化してしまう。そのため、微小化部材21aの材質は、線膨張係数が小さいことが好ましい。中でも、フェライト系ステンレス、タングステン合金など、熱膨張係数が13×10−6/℃以下の材料を用いることが特に好ましい。
次に、固化したガラスゴブを下型11から回収し(工程S103)、1個目のガラスゴブの製造が完了する。
続いて、2個目のガラスゴブを製造するため、滴下経路DLに配置される微小化部材を切り替える(工程S104)。ここでは、回転テーブル22を180°回転させて、微小化部材21aを滴下経路DLから外れた位置P2に退避させるとともに、微小化部材21bを滴下経路DL上の位置P1に移動させる。なお、溶融ガラス微小滴31の質量ばらつきを低減させる観点から、微小化部材21aと21bは、同じ材質及び形状であることが好ましい。
滴下経路DLに配置される微小化部材の切り替えは、所定時間ごとに行ってもよいし、溶融ガラス滴30の滴下を検知するセンサを設け、センサからの出力によって行ってもよい。溶融ガラス滴30の滴下を検知するセンサとしては、例えば、溶融ガラス滴30が滴下経路DLを通過したことを検知する光学センサ、溶融ガラス滴30が微小化部材21aに衝突したことを検知する圧力センサや振動センサなどが挙げられる。
溶融ガラス微小滴を分離した後の微小化部材21aには、余剰ガラス32が残される。そのため、同一の微小化部材21aを続けて使用する場合には、残された余剰ガラス32を除去した後でなければ次の溶融ガラス微小滴を分離することができない。
本実施形態においては、この微小化部材21aに残された余剰ガラス32を除去する工程(工程S105)と、次の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S106)及びそれにより得られたガラスゴブを回収する工程(工程S107)とを並行して行う。これは、1個目のガラスゴブを製造した後に、滴下経路DLに配置される微小化部材を切り替える工程(工程S104)を有することによってはじめて可能となっている。このような工程とすることによって、溶融ガラス微小滴31を製造するのに必要な時間(タクトタイム)が短縮され、溶融ガラス微小滴の製造コストを低減することができ、また、溶融ガラスの消費量を抑制することができる。
ここで、余剰ガラス32を除去する工程(工程S105)について、詳細に述べる。本実施形態において、余剰ガラス32を除去する工程(工程S105)は、滴下経路DLから外れた位置P2に配置された微小化部材21aから、吸着装置25によって余剰ガラス32を吸着して除去することによって行う。しかし、余剰ガラス32を除去する手段はこれに限定されるものではなく、例えば、エアー等を吹き付けて余剰ガラス32を吹き飛ばす方法、微小化部材21aを上下反転させて余剰ガラス32を落下させる方法などにより行うこともできる。
余剰ガラス32を除去する際、余剰ガラス32が十分に冷却されていないと、余剰ガラス32が粘りを有するために微小化部材21aに張り付いて除去に失敗したり、貫通孔27の周辺に微細なガラス片が残存し、次に分離する溶融ガラス微小滴の質量が変化したりする場合がある。そのため、余剰ガラス32の除去は、余剰ガラス32の温度が(Tg+50)℃以下の状態で行うことが好ましい。ただし、Tgは、余剰ガラス32のガラス転移温度である。本実施形態においては、余剰ガラス32を除去する工程(工程S105)が完了するのを待たずに、次の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S106)等を行うことができるため、余剰ガラス32が上記温度に冷却されるまでの待ち時間が長い場合でも、タクトタイムに与える影響が小さくてすむというメリットがある。
余剰ガラス32を除去する工程(工程S105)と並行して、次の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S106)、及び得られたガラスゴブを回収する工程(工程S107)を行う。工程S106では、工程S104で新たに滴下経路DL上の位置P1に配置された微小化部材21bに溶融ガラス滴30を滴下し、溶融ガラス微小滴31を分離する。工程S106及び工程S107の内容は、上述の工程S102及び工程S103と同様であるため、詳細の説明は省略する。
その後、更に引き続いてガラスゴブの製造を行う場合は、上述の工程S104〜工程S107を繰り返せばよい。
なお、本実施形態の製造方法により製造されたガラスゴブは、リヒートプレス法による各種精密光学素子の製造に用いるガラスプリフォーム(ゴブプリフォーム)などとして使用することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態であるガラスゴブの製造方法及び製造装置について、図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、本実施形態におけるガラスゴブの製造方法のフローチャートである。図5は、本実施形態のガラスゴブの製造装置を上方から見た図(平面図)であり、図6は、図5に示したガラスゴブの製造装置のB−B断面図である。
以下、上述の第1の実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1の実施形態と同様の部分については詳細の説明を省略する。
図5、図6に示すガラスゴブの製造装置10は、4つの微小化部材21a〜21dを有する溶融ガラス微小滴の製造装置20と、溶融ガラス微小滴を受けるための4つの下型11a〜11dとを備えている。なお、微小化部材と下型の数は4つに限定されるものではなく、それぞれ複数であればよい。微小化部材と下型の数が同じであってもよいし、異なっていてもよい。
4つの微小化部材21a〜21dは、回転テーブル22に円周4等配で支持され、それぞれ90°間隔で位置P1〜P4に配置されている。回転テーブル22を、軸23を中心に90°ずつ回転させることで、微小化部材21a〜21dを、溶融ガラス滴30の滴下経路DLに1つずつ順に配置することができる。
また、本実施形態の溶融ガラス微小滴の製造装置20は、余剰ガラス32を除去するための吸着装置25を備えている。図5では、微小化部材21cに残された余剰ガラス32を、位置P3で除去するように構成されているが、余剰ガラス32を除去する位置は、滴下経路DLから外れた位置P2〜P4であればよい。
4つの下型11a〜11dは、下型台13に1列に支持されている。モータ14によって、下型台13を図の矢印方向に直線的に移動することで、下型11a〜11dを、溶融ガラス微小滴31を受けるための位置P11に1つずつ順に配置することができる。
以下、図4のフローチャートを用いて、本実施形態のガラスゴブの製造方法の各工程を説明する。
先ず、微小化部材21a及び下型11aを所定位置に配置する(工程S201)。ここでは、軸23を中心に回転テーブル22を回転させ、微小化部材21aを、滴下経路DL上の位置P1に移動させる。併せて、下型台13を移動させ、溶融ガラス微小滴31を受けるための位置P11に下型11aを配置する。
次に、微小化部材21aに溶融ガラス滴30を滴下して、溶融ガラス微小滴31を分離する(工程S202)。分離された溶融ガラス微小滴31は、位置P11に配置された下型11aによって受けられ、冷却・固化してガラスゴブとなる。
続いて、2個目のガラスゴブを製造するため、所定位置に配置される微小化部材及び下型を切り替える(工程S203)。ここでは、回転テーブル22を90°回転させて、余剰ガラス32の残された微小化部材21aを滴下経路DLから外れた位置P2に退避させるとともに、微小化部材21bを滴下経路DL上の位置P1に移動させる。また、下型台13を移動させ、溶融ガラス微小滴31を受けるための位置P11に下型11bを配置する。
このように、1個目のガラスゴブを製造した後に、滴下経路DLに配置される微小化部材を切り替えるため、余剰ガラス32を除去する工程(工程S204)が完了するのを待たずに、次の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S205)を行うことができる。また、併せて、溶融ガラス微小滴31を受けるための位置P11に配置される下型を切り替えるため、1個目のガラスゴブを回収する工程(工程S206)が完了するのを待たずに、次の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S205)を行うことができる。
即ち、本実施形態の場合には、余剰ガラス32を除去する工程(工程S204)、次の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S205)、及び1個目のガラスゴブを回収する工程(工程S206)の3つの工程を、並列に行うことができる。そのため、溶融ガラス微小滴31を製造するのに必要な時間(タクトタイム)が短縮され、溶融ガラス微小滴の製造コストを低減することができ、また、溶融ガラスの消費量を抑制することができる。
工程S204〜工程S206の各工程の詳細については、上述の第1の実施形態の場合と同様である。
(第3の実施形態)
次に、微小化部材に残された余剰ガラス32を除去する手段の別の例について、図7、図8を参照しながら説明する。図7は、余剰ガラス32を除去する手段を備えた微小化部材の切替・除去装置15を上方から見た図(平面図)であり、図8は、微小化部材21dから余剰ガラス32を除去する際の動きを模式的に示した図である。上述の第1の実施形態(図2、図3)や第2の実施形態(図5、図6)のガラスゴブの製造装置10において、回転テーブル22及び吸着装置25の代わりに、この切替・除去装置15を使用することができる。
切替・除去装置15は、軸23の周りに、微小化部材21a〜21dを支持する4つの支持部54を有している。支持部54は、それぞれ90°間隔で配置され、軸23を中心に90°ずつ回転させることで、微小化部材21a〜21dを、溶融ガラス滴30の滴下経路DL上の位置P1に1つずつ順に配置することができる。また、4つの支持部54は、それぞれモータ53を有し、微小化部材21a〜21dを上下反転させることができるように構成されている。
滴下経路DL上の位置P1で溶融ガラス微小滴を分離した後、滴下経路DLから外れた位置P2に移動された微小化部材21dには、余剰ガラス32が残存している(図8(a))。ここで、モータ53を駆動させて微小化部材21dを上下反転させ、余剰ガラス32を落下させて除去する(図8(b))。このように、微小化部材21dを上下反転させる方法を用いることで、余剰ガラス32を簡易かつ確実に除去することができる。また、余剰ガラス32の除去を更に確実に行うため、図8(b)のように、微小化部材21dの反転中に、エアーノズル16により上方からエアー等を吹き付けることも効果的である。
なお、余剰ガラス32の除去は、滴下経路DLから外れた位置P2〜P4のいずれかで行えばよい。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態であるガラス成形体の製造方法及び製造装置について、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、本実施形態におけるガラス成形体の製造方法のフローチャートであり、図10と図11は、本実施形態のガラス成形体の製造装置を模式的に示す断面図である。図10は、1個目の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S402)における状態を示しており、図11は、余剰ガラスを除去する工程(工程S405)と、2個目の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S406)とを並行して行っている状態を示している。
本発明のガラス成形体の製造方法は、上述の方法によって製造された溶融ガラス微小滴を下型に滴下し、下型と上型とで加圧成形してガラス成形体を製造する方法である。以下、上述の第1〜第3の実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部分については詳細の説明を省略する。
図10、図11に示すガラス成形体の製造装置40は、支持部42に支持された2つの微小化部材21a、21bと、2つの下型11a、11bを備えている。なお、微小化部材と下型の数はこれに限定されるものではない。微小化部材は複数であればよい。また、下型は1つのみでもよく、複数であってもよい。タクトタイムを、より短縮する観点からは複数の下型を備えていることが好ましい。
ガラス成形体の製造装置40は、支持部42を図の矢印の方向に移動することで、微小化部材21a、21bを、溶融ガラス滴の滴下経路DLに1つずつ順に配置することができるように構成されている。このように、直線的に移動する支持部42を用いる代わりに、図2のような回転テーブル22を用いてもよい。また、滴下経路DLから外れた位置で、微小化部材21a、21bに残された余剰ガラス32を除去するための2つの吸着装置25が備えられている。
一方の下型11aは、溶融ガラス微小滴31を受けるための位置P11と、加圧成形のための位置P12の間を移動できるように構成されている。同様に、もう1つの下型11bは、溶融ガラス微小滴31を受けるための位置P11と、加圧成形のための位置P13の間を移動できるように構成されている。
加圧成形のための位置P12とP13の上方には、溶融ガラス微小滴31を加圧成形するための上型41a、41bが、それぞれ配置されている。上型41a、41bは、図示しない駆動手段により、溶融ガラス微小滴31を加圧する方向(図の上下方向)に、それぞれ移動することができる。上型41a、41bの材料は、下型11a、11bと同様の材料の中から適宜選択することができる。
下型11a、11bと、上型41a、41bは、予め所定温度に加熱しておく。所定温度とは、上述の第1の実施形態の場合と同様であり、加圧成形によってガラス成形体に良好な転写面を形成できる温度を適宜選択すればよい。下型11a、11bと、上型41a、41bの加熱温度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
以下、図9に示したフローチャートに従って、本実施形態の各工程を順に説明する。なお、上述のガラスゴブの製造方法の場合と同様の工程については、詳しい説明を省略する。
先ず、滴下経路DLに微小化部材21aを配置する(工程S401)。ここでは、支持部42を移動させ、微小化部材21aを、滴下経路DL上の位置に移動させる。併せて、下型11aを移動させ、溶融ガラス微小滴31を受けるための位置P11に配置する。
次に、微小化部材21aに溶融ガラス滴を滴下して、溶融ガラス微小滴31を分離する(工程S402)。そして、溶融ガラス微小滴31を受けた下型11aを加圧成形のための位置P12に移動し、下型11aと上型41aとで溶融ガラス微小滴31を加圧成形した後、得られたガラス成形体を回収する(工程S403)。
下型11aに滴下された溶融ガラス微小滴31は、加圧成形される間に下型11aや上型41aとの接触面からの放熱によって冷却し、固化する。ガラス成形体が、下型11aや上型41aによる転写面の形状が崩れない温度にまで冷却された後、加圧を解除し、ガラス成形体を回収する。ガラスの種類や、ガラス成形体の大きさや形状、必要な精度等によるが、通常はガラスのTg近傍の温度まで冷却されていればよい。
加圧成形の際に負荷する荷重は、常に一定であってもよいし、時間的に変化させてもよい。負荷する荷重の大きさは、製造するガラス成形体のサイズ等に応じて適宜設定すればよい。上型41aを上下移動させる駆動手段に特に制限はなく、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等の公知の駆動手段を適宜選択して用いることができる。また、上型41aを上下駆動する代わりに、下型11aを上下駆動して加圧成形を行ってもよいし、上型41aと下型11aの両方を上下駆動させてもよい。
続いて、2個目のガラス成形体を製造するため、滴下経路DLに配置される微小化部材を切り替える(工程S404)。ここでは、支持部42を図の左方向に移動させ、微小化部材21aを、滴下経路DLから外れた位置に退避させるとともに、微小化部材21bを滴下経路DL上の位置に移動させる。併せて、下型11bを移動させ、溶融ガラス微小滴31を受けるための位置P11に配置する。
本実施形態においては、この微小化部材21aに残された余剰ガラス32を除去する工程(工程S405)と、次の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S406)及びガラス成形体を成形・回収する工程(工程S407)とを並行して行う。これは、1個目のガラス成形体を製造した後に、滴下経路DLに配置される微小化部材を切り替える工程(工程S404)を有することによってはじめて可能となっている。このような工程とすることによって、ガラス成形体を製造するのに必要な時間(タクトタイム)が短縮され、ガラス成形体の製造コストを低減することができ、また、溶融ガラスの消費量を抑制することができる。
余剰ガラス32を除去する工程(工程S405)では、滴下経路DLから外れた位置に配置された微小化部材21aから、吸着装置25によって余剰ガラス32を吸着して除去する。また、第3の実施形態で説明したように、微小化部材21aを上下反転させることにより余剰ガラス32を除去することもできる。
余剰ガラス32を除去する工程(工程S405)と並行して、次の溶融ガラス微小滴を分離する工程(工程S406)、及び、ガラス成形体を成形・回収する工程(工程S407)を行う。工程S406では、工程S404で新たに滴下経路DL上の位置に配置された微小化部材21bに溶融ガラス滴を滴下し、溶融ガラス微小滴31を分離する。工程S407では、溶融ガラス微小滴31を受けた下型11bを加圧成形のための位置P13に移動し、下型11bと上型41bとで溶融ガラス微小滴31を加圧成形した後、得られたガラス成形体を回収する。工程S406及び工程S407の内容は、上述の工程S402及び工程S403と同様であるため、詳細の説明は省略する。
その後、引き続いてガラス成形体の製造を行う場合は、再度、工程S404〜工程S407を繰り返せばよい。
なお、本実施形態のガラス成形体の製造方法は、ここで説明した以外の別の工程を含んでいてもよい。例えば、ガラス成形体を回収する前にガラス成形体の形状を検査する工程や、ガラス成形体を回収した後に下型や上型をクリーニングする工程等を設けてもよい。
本実施形態の製造方法により製造されたガラス成形体は、デジタルカメラ等の撮像レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、光通信用のカップリングレンズ等の各種光学素子として用いることができる。また、リヒートプレス法によって光学素子を製造するためのガラスプリフォームとして用いることもできる。
第1の実施形態におけるガラスゴブの製造方法のフローチャートである。 第1の実施形態におけるガラスゴブの製造装置を示す斜視図である。 図2に示すガラスゴブの製造装置のA−A断面図である。 第2の実施形態におけるガラスゴブの製造方法のフローチャートである。 第2の実施形態におけるガラスゴブの製造装置の平面図である。 図5に示すガラスゴブの製造装置のB−B断面図である。 第3の実施形態における微小化部材の切替・除去装置の平面図である。 微小化部材から余剰ガラスを除去する際の動きを模式的に示した図である。 第4の実施形態におけるガラス成形体の製造方法のフローチャートである。 第4の実施形態におけるガラス成形体の製造装置の模式図(工程S402)である。 第4の実施形態におけるガラス成形体の製造装置の模式図(工程S405、S406)である。
符号の説明
10 ガラスゴブの製造装置
11、11a、11b、11c、11d 下型
13 下型台
14 モータ
15 切替・除去装置
16 エアーノズル
20 溶融ガラス微小滴の製造装置
21a、21b、21c、21d 微小化部材
22 回転テーブル
23 軸
24 モータ
25 吸着装置
26 滴下ノズル
27 貫通孔
28 コントローラ
30 溶融ガラス滴
31 溶融ガラス微小滴
32 余剰ガラス
40 ガラス成形体の製造装置
41a、41b 上型
42 支持部
51 テーパー部
52 ストレート部
53 モータ
54 支持部
DL 滴下経路

Claims (12)

  1. 溶融ガラス滴を滴下するための滴下ノズルと、
    前記溶融ガラス滴の一部を通過させ、溶融ガラス微小滴を分離するための貫通孔を有する微小化部材と、を備える溶融ガラス微小滴の製造装置において、
    複数の前記微小化部材と、
    前記複数の微小化部材を、前記溶融ガラス滴の滴下経路に1つずつ順に配置する手段と、
    前記溶融ガラス滴の滴下経路から外れた位置で、前記微小化部材から、前記溶融ガラス微小滴を分離した後に残される余剰ガラスを除去する手段と、を備え、
    前記余剰ガラスを除去する手段は、前記微小化部材を上下反転させ、前記余剰ガラスを自重により落下させる手段であることを特徴とする溶融ガラス微小滴の製造装置。
  2. 請求項に記載の溶融ガラス微小滴の製造装置と、
    前記溶融ガラス微小滴を受けるための下型と、を備えることを特徴とするガラスゴブの製造装置。
  3. 前記下型を複数備え、
    前記複数の下型を、前記溶融ガラス微小滴を受けるための位置に1つずつ順に配置する手段を備えることを特徴とする請求項に記載のガラスゴブの製造装置。
  4. 前記微小化部材を配置する手段および前記下型を配置する手段は、夫々、前記微小化部材および前記下型を、前記溶融ガラス滴の滴下経路と前記滴下経路から外れた位置との間、および、前記溶融ガラス微小滴を受けるための位置と前記位置から外れた位置との間を、円環状または直線状に循環または往復させることを特徴とする請求項3に記載のガラスゴブの製造装置。
  5. 前記複数の微小化部材の個数と前記複数の下型の個数とは異なることを特徴とする請求項3または4に記載のガラスゴブの製造装置。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載のガラスゴブの製造装置と、
    前記下型で受けた溶融ガラス微小滴を加圧成形するための上型と、を備えることを特徴とするガラス成形体の製造装置。
  7. 前記上型を複数備え、
    前記複数の下型を配置する手段は、前記下型の夫々を、前記溶融ガラス滴の滴下経路と前記下型の夫々に対応する前記上型による加圧成形の位置との間を順に移動させることを特徴とする請求項6に記載のガラス成形体の製造装置。
  8. 貫通孔を有する微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、当該溶融ガラス滴の一部を該貫通孔を通過させて分離する溶融ガラス微小滴の製造方法において、
    前記溶融ガラス滴の滴下経路に、第1の微小化部材を配置する工程と、
    前記第1の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下して溶融ガラス微小滴を分離する工程と、
    前記第1の微小化部材を前記滴下経路から退避させ、第2の微小化部材を前記滴下経路に配置する工程と、
    前記第1の微小化部材に残された余剰ガラスを、前記滴下経路から外れた位置で除去する工程と、
    前記余剰ガラスを除去する工程が完了する前に、前記第2の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下して溶融ガラス微小滴を分離する工程と、を有し、
    前記余剰ガラスを除去する工程は、前記第1の微小化部材を上下反転させ、前記余剰ガラスを自重により落下させる工程であることを特徴とする溶融ガラス微小滴の製造方法。
  9. 前記余剰ガラスを除去する工程は、前記余剰ガラスの温度が(Tg+50)℃以下の状態で行うことを特徴とする請求項に記載の溶融ガラス微小滴の製造方法。
    ただし、Tgは、前記余剰ガラスのガラス転移温度である。
  10. 請求項8または9に記載の溶融ガラス微小滴の製造方法を含むガラスゴブの製造方法であって、
    前記第1の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、分離された溶融ガラス微小滴を第1の下型に滴下する工程と、
    前記第1の下型に滴下された溶融ガラス微小滴を前記第1の下型の上で冷却する工程と
    前記第1の下型の上で溶融ガラス微小滴が冷却されることにより得られたガラスゴブを回収する工程と、
    前記ガラスゴブを回収する工程が完了する前に、前記第2の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、分離された溶融ガラス微小滴を第2の下型に滴下する工程と、を備えることを特徴とするガラスゴブの製造方法。
  11. 前記第1の微小化部材および前記第2の微小化部材と、前記第1の下型および前記第2の下型とは、夫々、前記溶融ガラス滴の滴下経路と前記滴下経路から外れた位置との間、および、前記溶融ガラス微小滴の滴下位置と前記滴下位置から外れた位置との間を、円環状または直線状に循環または往復することを特徴とする請求項10に記載のガラスゴブの製造方法。
  12. 請求項8または9に記載の溶融ガラス微小滴の製造方法を含むガラス成形体の製造方法であって、
    前記第1の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、分離された溶融ガラス微小滴を第1の下型に滴下する工程と、
    前記第1の下型に滴下された溶融ガラス微小滴を前記第1の下型と第1の上型とで加圧成形する工程と
    前記第1の下型と前記第1の上型とによる加圧成形によって得られたガラス成形体を回収する工程と、
    前記ガラス成形体を回収する工程が完了する前に、前記第2の微小化部材に溶融ガラス滴を滴下し、分離された溶融ガラス微小滴を第2の下型に滴下する工程と、を備えることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
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