JP5091864B2 - 三角錐型キューブコーナー再帰反射物品及びその製造方法 - Google Patents

三角錐型キューブコーナー再帰反射物品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は交通標識、工事標識あるいは車両マーキングなどに好ましく用いることの出来る再帰反射物品に関し、優れた入射角特性、観測角特性および回転角特性に優れた再帰反射物品及びその製造方法に関する。
詳しくは、再帰反射物品をいかなる方位に設置しても均一な回転角特性を示す三角錐型キューブコーナー再帰反射物品及びその製造方法に関する。
さらに詳しくは、交通標識などに好ましく用いることが出来る再帰反射シートであって、改善された入射角特性、観測角特性および回転角特性を有する再帰反射シート及びその製造方法に関する。
優れた入射角特性、観測角特性および回転角特性を有する再帰反射シートの提供に関しては従来からいくつかの提案がなされている。
例えば、ユンゲルセン(Jungersen)の米国特許第2,310,790号においては傾斜された光学軸を有する再帰反射物品が提案されており、このような傾斜した光学軸を有するキューブコーナー再帰反射物品は入射角特性が改善されることが記載されている。
さらに、ホープマン(Hoopman)のヨーロッパ特許第137,736B1においても、同様に傾斜した光学軸を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射物品が開示されており、その光学軸の傾斜方向はユンゲルセンに開示された素子とは反対の方向(マイナス傾斜)であることが示されている。また、光学軸の傾斜した方位とそれに対して直角な方位に再帰反射性能が改善されることが示されているが、それ以外の方位においては再帰反射性能の改善は得られない。
さらにまた、スチェッチ(Szczech)の米国特許第5,138,488号においても、同様に傾斜した光学軸を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射物品が開示されている。ホープマンの発明と同様に、光学軸の傾斜した方位とそれに対して直角な方位に再帰反射性能が改善されることが示されているが、それ以外の方位においては再帰反射性能の改善は得られない。
上記の3つのいずれの発明においても、光学軸を傾斜した方向に再帰反射性能が改善される光学原理を利用して入射角特性を改善しているが、光学軸の傾斜した方位とそれに対して直角な方位以外においては再帰反射性能の改善は得られない。
また、観測角特性の改善に関しても様々な提案がなされている。
アッペルドーン(Appeldorn)の米国特許第4,775,219号には,様々な頂角偏差を有したいくつかの再帰反射素子を繰返しのパターンで配置することにより、再帰反射光ビームを僅かに拡散して観測角特性の改善を試みている。
ネステガード(Nestgarde)の米国特許第5,706,132号においては、直角に交差する2つの方向に光学軸の傾斜方向を振り分けた三角錐型キューブコーナー素子群を用いて、シートを縦方向または横方向に設置しても同じ再帰反射性能が得られるような三角錐型キューブコーナー再帰反射シートが開示されている。しかしながら、互に直角に交差する素子群はそれぞれ独立した領域を形成しておりシートの外観を著しく阻害するものであった。
さらに、三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の三つの底辺の長さが異なる再帰反射素子(不等辺素子とも言う)も知られている。
スミス(Smith)らの米国特許第5,926,316号には三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の三つの底辺の長さが異なる不等辺再帰反射素子が開示されているが、形成されている素子はいずれも回転対称形状を有している。
三村(Mimura)らの日本特許公開公報11−305017号にも三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の三つの底辺の長さが異なる再帰反射素子であって、素子の底辺の深さが異なっているような不等辺再帰反射素子が開示されている。しかしながら、この素子も形成されている素子はいずれも回転対称形状を有している。
三村(Mimura)らの日本特許公開2001−264525号にも三角錐型キューブコーナー素子が開示され、第1の素子対群を形成する素子対の該共有の底辺(A−B)が他の2組の底辺(B−C1、C1−AおよびB−C2、C2−A)の交点(A1、B1)を通らず、一方の素子の底面が五角形(A−A1−C1−B1−B)であり、他方の素子の底面が三角形(A−C2−B)であることや、第1の素子対群を形成する素子対の該共有の底辺(A−B)によって定められる平面(Sc面)が2つの底辺(B1−C1、C1−A1およびB−C2、C2−A)によって定められる基準平面(S面)と異なる深さで形成されていることが記載されている。しかしながら、この素子も形成されている素子はいずれも回転対称形状を有している。
また、薄板を利用して、キューブコーナー型再帰反射素子を形成する方法も提案されてきており、三村らの特許第3310297号や特許第3356290号や、クリンクらの特表2000−504821号やアーウィンらの特表2002−507945号や、スミスらの特表2002−509495号、特表2002−508085、ベンソンらの特表2002−507944号、スミスの特表2006−520019号や特表2006−520711号、スミーンクらの特表2006−520712号などを例示することができるが、いずれにも、回転対称形状の素子が記載されている。
本発明が解決しようとしている課題は、再帰反射物品における入射角特性、観測角特性および回転角特性の改善にある。
特に、外観の均一性に優れた三角錐型キューブコーナー再帰反射物品であって、併せて、特に優れた回転角特性および観測角特性を兼備する再帰反射物品を提供することである。
具体的な用途としては、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレート、車両反射テープ、路側反射体、光学センサーの反射体、安全衣料用品などに用いることのできる再帰反射物品を供給することにある。
さらに、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレートなどに用いることのできる薄くて柔軟な再帰反射シートであって、優れた回転角特性を所有しているために自由な方位でシートを裁断して標識に用いることが出来る再帰反射シートを供給することにある。
以下に、本発明の課題を解決するための具体的な手段に関して詳細に説明を行なう。
本発明における三角錐型キューブコーナー再帰反射物品は、一つの底辺(A‐B)を共有して対をなす三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群が3つの反射側面(a1,b1,c1,およびa2,b2,c2)の底辺(A−B、B−C、およびC−A)によって定められる基準平面(S面)上に最密充填状に配置されてなる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子物品において、該素子対の共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対群と、該素子対の底面の頂点(C1、C2)を結ぶ線分に対して線対称な形状の第2の素子対群により形成されていることを特徴とする。
基準平面(S面)は多数の再帰反射素子対群の3つの底辺群(A−B、B−C1、C1−A、またはA−B、B−C2、C2−A)によって定められる基準底面であり、再帰反射素子の底面(ABC)は該基準底面上にある。
従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰素子対は、共通の底辺(A−B)の中点を中心とした回転対称である。したがって、対を形成する2つの反射素子の光学軸はお互いに180度回転した方向に向かって対を成している。二等辺三角形の底面を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(二等辺素子)においては光学軸の傾斜方向は共通の底辺(A−B)に垂直な方向に傾斜し、三つの底辺の長さが等しくないような三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(不等辺素子)においては共通の底辺(A−B)に垂直ではなくなるが、いずれの素子対においても、光学軸の傾きの角度が同じで傾斜方向が180度逆の方向である2方向の方位に形成されている。
キューブコーナー再帰反射素子における再帰反射理論に基づけば再帰反射効率は光学軸が傾斜した方位に対して改善がなされる。従って、回転対称形の素子対においては光学軸の傾斜の方位は常に180度回転した方向であるために、傾斜方位に対してのみ再帰反射効率が改善されるが、他の方位に対しての改善は小さい。
一方、本発明における再帰反射素子対は線対称の対を成しているために、素子対が持つ二つの光学軸の傾斜方位も対象形をなす。光学軸の方位が異なる2種類の素子対が組み合わされて形成されて光学軸が4方向の方位に形成されているために、広範な範囲の方位に対して再帰反射性の改善を達成することが可能である。
本発明に用いることのできる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、2種類の反射素子対、即ち、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている素子対群と、該素子対の底面の頂点(C1、C2)に対して線対称な形状に合同な他の素子対群とによって構成されており、いずれの素子対も不等辺素子により構成され、線対称の素子対を形成している。
本発明に用いることのできる再帰反射素子において、該反射素子の頂点(H)から底面(ABC)におろした垂線の交点(P)、および、光学軸と底面(ABC)の交点(Q)により定められる光学軸の傾斜角度(θ=∠PHQ)、底面三角形(ABC)の頂部(C)と交点(P)が形成する線分(C−P)および線分(P−Q)がなす角(∠CPQ)を該光学軸の方位角(θa)としたときに、該傾斜角度(θ)が0.5〜25度であり、該方位角(θa)が5〜85度または95〜175度であることが好ましい。
光学軸の傾斜角(θ)が0.5未満であるような素子においては、入射角が非常に小さな角度で入射した光、即ち正面方向からの入射光に対しては優れた再帰反射性能を示すが、入射角が大きい角度においては再帰反射性能が著しく低下するために好ましくない。
光学軸の傾斜角(θ)が25度を超えるような素子においては正面方向からの入射光に対する再帰反射性能が劣り、さらに、素子の三つの再帰反射面(a1,b1,c1,およびa2,b2,c2)の面積の違いが過大になり大きな入射角においても好ましい反射性能は得られにくくなる。
即ち、好ましい入射角特性を付与するには、該傾斜角度(θ)が0.5〜25度であることが好ましい。
また、光学軸の方位角(θa)は5〜85度または95〜175度であることが好ましい。このような角度の方位角を持つ素子から構成されている再帰反射物品はあらゆる方位において均一な再帰反射性能を示す。
なお、本発明における光学軸の方位角(θa)とは、二等辺素子における光学軸の傾斜方向がプラスまたはマイナスであるという概念に対応している。従来公知の二等辺素子においてプラス傾斜とは光学軸が共有底辺(A−B)と反対の方向に傾斜しており、マイナス傾斜とは共有底辺(A−B)の方向に傾斜していることを意味している。
本発明における素子においては、方位角(θa)が−90〜90度である素子においては光学軸は共有底辺(A−B)と反対の方向に傾斜しており、方位角(θa)が90〜270度である素子においては光学軸は共有底辺(A−B)の方向に傾斜している。また、方位角が0度であるような素子はプラス傾斜の二等辺素子であり、方位角が180度であるような素子はマイナス傾斜の二等辺素子に一致する。
なお、方位角(θa)は−90度または+90度にもなりうるが、このような素子群においては第1と第2の素子対群の光学軸の方向は一致するために回転角特性の改善は得られにくい。
本発明の再帰反射物品においては、共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている素子対群と、該素子対の底面の頂部(C1、C2)に対して線対称な形状に合同な他の素子対群により形成されているので、第1の素子対群を形成する片方の素子の方位角(θa)が5〜85度または95〜175度であれば、対を形成する他のほうの素子の光学軸は線対称の方位角を持つ。また、第2の素子群は同じく第1群の光学軸と線対称の方位角を持つ。従って、再帰物品に含まれる4つの素子の光学軸は互いに線対称の4方向に振分けられている。
本発明における再帰反射素子の傾斜角度(θ)は3〜15度であり、方位角(θa)は25〜65度または115〜155度であることがより好ましい。
本発明における再帰反射素子の傾斜角度(θ)は3〜15度であり、方位角(θa)は40〜50度または130〜140度であることがさらに好ましい。
本発明における再帰反射素子の最も好ましい態様は、傾斜角度(θ)が4〜8度であり、方位角(θa)が43〜47度または133〜137度である。このような光学軸を持つ再帰反射物品は4つの光学軸が互いに略90度の方位角度で配置されており、優れた方位角特性を示す。
本発明における再帰反射素子の3つの内角α(∠BAC)、β(∠ABC)及びχ(∠ACB)を180°で除した値(α/180°,β/180°,χ/180°)を三角座標で表した場合に、(α/180°,β/180°,χ/180°)が(0.250,0.275,0.475)、(0.450,0.475,0.075)及び(0.050,0.475,0.475)で囲まれた第1領域、(0.275,0.250,0.475)、(0.475,0.450,0.075)及び(0.475,0.050,0.475)で囲まれた第2領域のいずれかの領域に存在することが好ましい。
また、本発明における反射素子の高さ(h=HP)は20〜4,000μmであることが好ましい。高さが20μm未満である場合には、回折効果が過大となり再帰反射光の発散が大きくなりすぎるために再帰反射効率が低下して好ましくなく、4,000μmを超えるような素子においては反射素子が大きくなりすぎるために、柔軟なシート状の再帰反射物品が得られにくいために好ましくない。
また、本発明における反射素子の高さ(h=HP)が60〜150μであることがより好ましい。素子の高さが150μm以内であるような再帰反射物品は、柔軟で小さな曲面に容易に貼付出来るようなシートとして得られるために特に好ましい。
本発明の好適な態様においては、反射側面(a1およびa2)の底辺により規定される共通平面(Sa面)、反射側面(b1およびb2)の底辺により規定される共通平面(Sb面)および反射側面(c1およびc2)の底辺により規定される共通平面(Sc面)としたときに、該反射素子対の頂点(H1,H2)から共通平面(Sa面、Sb面、及びSc面)までの高さ(ha,hb,及びhc)の少なくとも一つの高さが異なる反射素子を用いることが好ましい。
反射素子の光学軸が傾斜していない、いわゆる正規反射素子においては三つの反射側素面(a1,b1,c1,およびa2,b2,c2)の面積は等しい。しかし、傾斜した光学軸を持つ反射素子においては反射側面の面積は等しくないので、再帰反射効率は低下する。この問題点を解決するためには三つの反射側面の面積が等しくなるように、反射素子対の頂点(H1,H2)から共通平面(Sa面、Sb面、及びSc面)までの高さ(ha,hb,及びhc)の少なくとも一つの高さが異なるようにすることが出来る。
反射側面の面積が等しくなるようにするには、小さな面積の反射側面の底辺を深くすることにより、頂点からの高さを大きくする方法が採用できる。
また、大きな面積の反射側面の底辺を浅くすることにより、頂点からの高さを小さくする方法も採用できる。いずれの方法も反射素子対の頂点(H1,H2)から共通平面(Sa面、Sb面、及びSc面)までの高さ(ha,hb,及びhc)の高さが異なる素子が形成される。
本発明における再帰反射素子の好ましい態様は三つの底辺の長さが等しくない所謂、不等辺素子であるので三つの反射側面の面積はいずれも等しくない。従って、好ましくは該反射素子対の頂点(H1,H2)から共通平面(Sa面、Sb面、及びSc面)までの高さ(ha,hb,及びhc)のいずれの高さも異なる反射素子の採用が望ましい。
なお、好ましい深さの比率は、上記、高さ(ha,hb及びhc)の最も大であるものをhmaxとし、最も小であるものをhminとした場合に、
1.05<hmax/hmin<1.9 (式1)
であることが再帰反射性能を改善する上で好ましい。
さらに、より好ましくは、上記、高さ(ha,hbとhc)の最も大であるものをhmaxとし、最も小であるものをhminとしたときに、hmaxが最も短い底辺で規定される平面と頂点(H1,H2)と高さであり、hminが最も長い底辺で規定される平面と頂点(H1,H2)と高さであることが再帰反射性能を改善する上で好ましい。
さらに上記のような線対称の対を成す本発明における反射素子の観測角特性をさらに改善することは、車両の運転手の視認性、特にバス、トレーラーなどの大型車両のようにヘッドランプと運転手の位置が大きく離れている場合に視認性を確保する上で重要である。
以下、前記線対称をなす反射素子の観測角特性を改善する方法を説明する。
本発明の線対称をなす反射素子の観測角を改善された態様においては、該再帰反射素子を形成する断面が実質的にV字状の溝(x,y1,およびy2)により形成されるプリズム頂角(Pab,Pbc,およびPca)が90度をなす理論的なV溝角をVx,Vy1,またはVy2とすると、少なくとも一方向のV溝角が、±(0.1〜20)分好ましくは、±(0.2〜10)分の偏差(dVx,dVy1,またはdVy2)を有していることが望ましい。
偏差(dVx,dVy1,またはdVy2)はプリズム頂角(Pab,Pbc,およびPca)が90度に対して大きくなる偏差や、小さくなる偏差のいずれの方向でも同様な効果を有する。
発散の無い理論的な形状を持つ再帰反射素子においては再帰反射光は光源にすべて戻り、運転手の目には到達しない。一方、このようなわずかな頂角偏差を有する反射素子は、入射した光を180度反対方向に再帰反射せず、わずかに広がりを持った発散された光束として光源の方向に戻る。
従って、わずかな頂角偏差を持つ反射素子においてはわずかに広がりを持った発散された光束として再帰反射するために、光源から離れた場所に位置する運転手の目に到達する。通常、好ましい光束の広がり角度は最大でも2〜3度である。過剰な広がりは特定の観測角における再帰反射光の低下を過剰に生じさせるために好ましくない。
このような光束の広がりが得られるようするには、少なくとも一方向のV溝角が、±(0.1〜20)分の偏差(dVx,dVy1,またはdVy2)を有していることが好ましく、均一な光束の広がりを得るためには3方向いずれの方向にも偏差を付与することが好ましい。
V溝角の偏差は素子を切削するのに用いる切削工具の角度をあらかじめ小さく形成することにより達成される。あるいは、偏差を持たない切削工具を切削方向に対して傾斜あるいは回転させることにより所望の偏差を与えることが出来る。
さらに、該V字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一方向のV溝角は、2種類以上の偏差を繰返しのパターンで形成していることが均一な光束の広がりを得るために好ましい。また、3方向いずれの方向にも繰返しの周期で偏差を付与することが好ましい。
また、該V字状の溝の少なくとも一方向のV溝角が左右非対称のV字状の溝形状を有していてもよい。このような左右非対称のV字状の溝は、片側のみが偏差を持っていても良いし、両側とも偏差を持っていても良い。
上記で説明したV溝角への偏差の付与の方法はおのおの単独または組み合わせて採用することが出来る。
また、本発明における反射素子の頂角に偏差を付与する他の好ましい態様としては、該反射素子を構成するV字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一つの方向の溝の底部の軌跡が、直線をなさない非直線底辺として形成することが出来る。
底辺の直線からの隔たりは、該非直線底辺の両端を結んだ両端直線からの該非直線底辺への垂線と該非直線底辺との交点と、両端直線との最大距離で規定される非直線因子(γAB,γBC,またはγCA)が,両端直線の長さをLとしたときに0.0001L〜0.05Lであることが好ましい。
さらに、該非直線底辺の軌跡は円弧,三角関数(正弦曲線,余弦曲線,正切曲線),逆三角関数,楕円関数,双曲線関数およびそれら関数を組み合わせた関数から選ばれる曲線で表されることが好ましい。
あるいは、該非直線底辺の軌跡が直線を組み合わせた折れ線の形状で表されてもよい。
上記で説明した非直線底辺をもつ再帰反射側面は隣接する他の再帰反射側面となすプリズム頂角が様々な角度で変化するために、均一な光束の広がりを得るために好ましい。特に曲線状の底辺は連続的にプリズム頂角が変動するために特に好ましい。
また、本発明における反射素子の頂角に偏差を付与するさらなる他の好ましい態様としては、該V字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一つのV溝角の断面形状が直線をなさない非直線断面であるような形状の反射素子の採用が好ましい。
このような反射素子は、該非直線断面の両端を結んだ両端直線からの該非直線断面への垂直線と該非直線断面との交点と両端直線との最大距離で規定される非直線因子(γAB,γBC,またはγCA)が,両端直線の長さをGとしたときに0.0001G〜0.05Gであることが好ましい。
さらに、該非直線断面は円弧,三角関数(正弦曲線,余弦曲線,正切曲線),逆三角関数,楕円関数,双曲線関数およびそれら関数を組み合わせた関数から選ばれる曲線で表されてもよく、該非直線断面が直線を組み合わせた折れ線で表されてもよい。
上記で説明した非直線断面をもつ再帰反射側面は隣接する他の再帰反射側面となすプリズム頂角が様々な角度で変化するために、均一な光束の広がりを得るために好ましい。特に曲線状の断面は連続的にプリズム頂角が変動するために特に好ましい。
本発明の好適な態様における三角錐型キューブコーナー再帰反射物品は、一つの底辺(A‐B)を共有して対をなすキューブコーナー再帰反射素子対群が3つの底辺(A−B、B−C1、C1−AおよびA−B、B−C2、C2−A)によって定められる基準平面(S面)上に最密充填状に配置されてなる三角錐型キューブコーナー再帰反射物品を形成する素子対の共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対と、
該素子対の底面の頂部(C1、C2)を結ぶ線分に対して線対称な形状に合同な第2の素子対群により形成されている形状キューブコーナー再帰反射物品において、
第1の素子対群を形成する素子対の該共有の底辺(A−B)が他の2組の底辺(B−C1、C1−AおよびB−C2、C2−A)の交点(A1、B1)を通らず、
一方の素子の底面が五角形(A−A1−C1−B1−B)であり、他方の素子の底面が三角形(A−C2−B)であり、
第1の素子対群を形成する素子対の素子の高さ(h1、h2)が異なり、
第2の素子対群を形成する素子対は第1の素子対の底面の頂部(C1、C2)に対して線対称な形状に合同である
ことを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射物品である。
基準平面(S面)は多数の再帰反射素子対群の3つの底辺群(A−B、B−C1、C1−A、またはA−B、B−C2、C2−A)によって定められる基準底面であり、再帰反射素子の底面(ABC)は該基準底面上にある。
従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対は、共通の底辺(A−B)の中点を中心とした回転対称である。したがって、対を形成する2つの反射素子の光学軸はお互いに180度回転した方向に向かって対を成している。二等辺三角形の底面を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(二等辺素子)においては光学軸の傾斜方向は共通の底辺(A−B)に垂直な方向に傾斜し、三つの底辺の長さが等しくないような三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(不等辺素子)においては共通の底辺(A−B)に垂直ではなくなるが、いずれの素子対においても、光学軸の傾斜角度が同じで傾斜方位が互いに180度となるように傾斜している。
キューブコーナー再帰反射素子における再帰反射理論に基づけば再帰反射効率は光学軸が傾斜した方位に対して改善がなされる。従って、回転対称形の素子対においては光学軸の傾斜の方位は常に180度回転した方向であるために、それぞれの素子の傾斜方位に対してのみ再帰反射効率が改善されるが、他の方位に対しての改善は小さい。
一方、本発明における再帰反射素子対は線対称の対を成しているために、素子対が持つ二つの光学軸の傾斜方位も線対称をなす。さらに、図5および図6に示されるように、光学軸の方位が異なる2種類の素子対が組み合わされて素子対群が形成されて光学軸が4方向の方位に形成されているために、広範な方位に対して再帰反射性能の改善を達成することが可能である。
Figure 0005091864
が他の2組の底辺(B−C1、C1−AおよびB−C2、C2−A)の交点(A1、B1)を通らず、離れた位置(A,B)を通るように形成されている。
線分(A1、B1)と線分(A、B)の距離(オフセット量)は例えば、素子対の底面の頂部(C1、C2)の距離の±(2〜20%)の範囲で適宜選択することができる。その結果、Sc面からの頂点(H1、H2)までの高さが異なり、かつ、互いに向かい合った2つの側面(c1、c2)は異なる形状を持ち、c1面はc2面より大きくなる
このような構造とすることで、本発明においては、回転角特性に加えて入射角特性が改善できるので好ましい。
さらに、本発明においては、第1の素子対群を形成する素子対の該共有の底辺(A−B)によって定められる平面(Sc面)が2つの底辺(B1−C1、C1−A1およびB−C2、C2−A)によって定められる基準平面(S面)と異なる深さで形成されているものである。
キューブコーナー型再帰反射素子では、光学軸の傾きによって、3つの反射側面(a1、b1、c1またはa2、b2、c2)の面積の比率が変化する。
本発明においては、3つの反射側面の面積をなるべく等しくすることが、反射効率と入射角特性を改善のために好ましい。
本発明においては、光学軸の傾斜が+傾斜のときには、c1がa1やb1に比べ小さくなるので、hxをhyより大きくすることでa1、b1、c1の面積を近づけることができ、hx/hyを1.05〜1.5さらには、1.07〜1.4とするのが、反射効率と入射角特性を改善のために好ましい。
本発明においては、光学軸の傾斜が一傾斜のときには、c1がa1やb1に比べ大きくなるので、hxをhyより小さくすることでa1、b1、c1の面積を近づけることができ、hx/hyを0.67〜0.95さらには、0.71〜0.93とするのが、反射効率と入射角特性を改善のために好ましい。
本発明の好適な態様における三角錐型キューブコーナー再帰反射物品は、一つの底辺(A‐B)を共有して対をなすキューブコーナー再帰反射素子対群が3つの底辺(A−B、B−C、およびC−A)によって定められる基準平面(S面)上に最密充填
Figure 0005091864
辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対群と、該素子対の底面の頂部(C1、C2)に対して線対称な形状に合同な第2の素子対群により形成されていることを特徴とするキューブコーナー再帰反射
Figure 0005091864
形(A−D1−E1−B、A−D2−E2−B)を形成しており、該底辺(D1−E1、D2−E2)は共有の底辺(A−B)と平行であることを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射物品である。
基準平面(S面)は多数の再帰反射素子対群の3つの底辺群(A−B、B−C1、C1−A、またはA−B、B−C2、C2−A)によって定められる基準底面であり、再帰反射素子の底面(ABC)は該基準底面上にある。
従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰素子対は、共通の底辺(A−B)の中点を中心とした回転対称である。したがって、対を形成する2つの反射素子の光学軸はお互いに180度回転した方向に向かって対を成している。二等辺三角形の底面を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(二等辺素子)においては光学軸の傾斜方向は共通の底辺(A−B)に垂直な方向に傾斜し、三つの底辺の長さが等しくないような三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(不等辺素子)においては共通の底辺(A−B)に垂直ではなくなるが、いずれの素子対においても、光学軸の傾斜角度が同じで傾斜方位が互いに180度となるように傾斜している。
キューブコーナー再帰反射素子における再帰反射理論に基づけば再帰反射効率は光学軸が傾斜した方位に対して改善がなされる。従って、回転対称形の素子対においては光学軸の傾斜の方位は常に180度回転した方向であるために、それぞれの素子の傾斜方位に対してのみ再帰反射効率が改善されるが、他の方位に対しての改善は小さい。
一方、本発明における再帰反射素子対は線対称の対を成していであるために、素子対が持つ二つの光学軸の傾斜方位も対称形をなす。さらに、図6に示されるように、光学軸の方位が異なる2種類の素子対が組み合わされて形成されて光学軸が4方位に形成されているために、広範な方位に対して再帰反射性の改善を達成することが可能である。
本発明に用いることのできる三角錐型キューブコーナー再帰反射物品は、2種類の再帰反射素子対群、即ち、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている素子対群と、該素子対群の底面の頂部(C1、C2)に対して線対称な形状に合同な他の素子対群とによって構成されており、いずれの素子対も不等辺素子により構成され、線対称の素子対を形成している。
また、本発明による再帰反射物品は、ひとつの底辺を共有する実質的に対称形の多数のキューブコーナー再帰反射素子対群からなっており、図6に示されているように該再帰反射素子対群が、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)とから形成されており、該再帰反射素子を形成する底面の投影形状が等脚台形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)を形成している。
本発明の再帰反射物品を構成する再帰反射素子対は、断面の形状がV字状の溝を2方向から切り取ることにより形成される。
一つの方向のV字状の溝は、断面の形状が実質的に対称形であり底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)によって構成される。
また、もう一つの方向のV字状の溝は、断面の形状が実質的に対称形であり底部の軌跡が屈曲線形状の2種の平行V字状溝群(w1およびw2)とから形成されており、これらの2種類の平行V字状溝群(w1およびw2)は、位相が異なっているが互いに平行で同一の隔たりを持って同じ方向に形成されている。
Figure 0005091864
子の底面の投影形状は台形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)を形成しており、該台形の長いほうの底辺を共通の素子底辺として、互いに向かい合った実質的に対称形の素子対として形成されている。
本発明において、屈曲線形状とは一定の長さの直線が一定の角度を持って連続的に周期的に結合された形状であって、結合部分は曲線部を持たずに鋭く曲がってもいいが、一定の曲線部によって結合されてほうが本発明における再帰反射物品を形成するための金型を加工する場合に好適である。曲線部の具体的な大きさとしては半径が5〜50μmの曲線を例示することが出来る。
本発明における再帰反射物品は従来公知の方法に従い、再帰反射素子の反転した凹形状の成型金型を用いて、圧縮成型、射出成型、射出圧縮成型、および注型成型などの方法で形成することが出来る。凹形状の成型金型は、同じく従来公知のフライカット加工、ヘール加工、シェーパー加工、ルーリング加工、ミーリング加工、フライス加工、押圧加工などの方法により凸形状の金型をV字状の溝を形成する方法により作成した後に、電鋳法等により反転させて作成することが出来る。V字状溝群(w1およびw2)を形成する屈曲線の屈曲部分が曲線形状を形成していて反射側面を形成しないが、他のV字状溝群(x)により大部分の領域が切取られて再帰反射性能を低下する不具合は少ない。
本発明において実質的に対称形のV字状の溝とは、該V字状の溝により形成されるキューブコーナー再帰素子の再帰反射性能が目的とする再帰反射製品の再帰反射の明るさを達成できる程度の角度精度を有しているV字状の溝である。
本発明において用いられるキューブコーナー再帰反射素子は、大きな傾斜角の光学軸を採用することができるので優れた入射角特性を持つことが出来る。従来公知の再帰反射素子においては光学軸の傾斜を大きくするにつれて、素子を形成する三つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の面積の違いが大きくなるために再帰反射効率が低下するという問題があった。一方、本発明における再帰反射素子においては、このような反射効率の低下を小さくすることが出来るために光学軸の傾斜角度がプラス(+)3度以上に傾斜することが出来る。
本発明における再帰反射素子の光学軸の傾斜角度は、好ましくはプラス(+)5〜20度、より好ましくは、プラス(+)7〜12度に傾斜させることが好ましい。このような大きい角度で光学軸が傾斜していても、従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子と異なって素子を形成する三つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の面積の違いが小さいために再帰反射効率が低下するという不具合は最小限に抑えることが可能である。
また、該再帰反射素子の等脚台形形状の底面を形成する二つの台形底辺(A−B,D1−E1およびA−B,D2−E2)の距離をr、および、他の斜辺(A−D1,B−E1およびA−E2,B−D2)の延長線の交点(C1およびC2)と底辺(A−B)との距離をsとしたときに。距離rと距離sとの比率(R)
R=r/s (式2)
が0.4〜0.95であることが好ましい。この比率(R)を0.4〜0.95、好ましくは0.5〜0.9に調節することによって、素子を形成する三つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の面積の違いを小さくすることが出来る。
このようにして、従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の頂点(C1およびC2)部分を、台形底辺(D1−E1,D2−E2)で切り取った台形形状の底面をもつ本発明によるキューブコーナー再帰反射素子の再帰反射効率は、切り取る前の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の再帰反射効率に対して変化が少ない。
本発明は、一つの底辺(A‐B)を共有する対をなす三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群が3つの底辺(A−B、B−C、およびC−A)によって定められる基準平面(S面)上に最密充填状に配置されてなる三角錐型キューブコーナー再帰反射物品であって、該素子対の共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対群と、該素子対の底面の頂部(C1、C2)を結ぶ線分に対して線対称な形状に合同な第2の素子対群により形成された三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対からなる反射物品を断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)とから形成する方法である。
基準平面(S面)は多数の再帰反射素子対群の3つの底辺群(A−B、B−C1、C1−A、またはA−B、B−C2、C2−A)によって定められる基準底面であり、再帰反射素子の底面(ABC)は該基準底面上にある。
従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対は、共通の底辺(A−B)の中点を中心とした回転対称である。したがって、対を形成する2つの反射素子の光学軸はお互いに180度回転した方向に向かって対を成している。二等辺三角形の底面を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(二等辺素子)においては光学軸の傾斜方向は共通の底辺(A−B)に垂直な方向に傾斜し、三つの底辺の長さが等しくないような三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(不等辺素子)においては共通の底辺(A−B)に垂直ではなくなるが、いずれの素子対においても、光学軸の傾斜角度が同じで傾斜方位が互いに180度となるように傾斜している。
キューブコーナー再帰反射素子における再帰反射理論に基づけば再帰反射効率は光学軸が傾斜した方位に対して改善がなされる。従って、回転対称形の素子対においては光学軸の傾斜の方位は常に180度回転した方向であるために、それぞれの素子の傾斜方位に対してのみ再帰反射効率が改善されるが、他の方位に対しての改善は小さい。
本発明に用いることのできる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、2種類の反射素子対、即ち、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている素子対群と、該素子対の底面の頂部(C1、C2)に対して線対称な形状に合同な他の素子対群とによって構成されており、いずれの素子対も不等辺素子により構成され、線対称の素子対を形成している。
Figure 0005091864
曲線形状の平行溝群(y1およびy2)は、深さが異なっていることが好ましい。
Figure 0005091864
面(a1,b1,c1,およびa2,b2,c2)の面積比は1に近い。しかし、傾斜した光学軸を持つ反射素子においては反射側面の面積は等しくないので、再帰反射効率は低下する。
この問題点を解決するためには三つの反射側面の面積が等しくなるように、光学軸の傾斜が+傾斜の時には該直線の平行溝群(x)を屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)よりも深く、光学軸の傾斜が−傾斜の時には該並行溝群(x)を屈曲線形状の平行
Figure 0005091864
びa2,b2,c2)の面積比を1に近づけることができ、反射効率と入射角特性を改善することができて好ましい。
本発明においては、さらに、y1とy2の溝の深さを異なるように形成することができ、好ましい深さの比率は、x,y1,y2の最も深いものをhmaxとし、最も浅いものをhminとした場合に、1.05<hmax/hmin<1.9とすることが、再帰反射効率および入射角特性の改善のために好ましい。
本発明による再帰反射物品を形成する方法においては、該直線の平行溝群(x)のV字状であり底部の溝幅(w)が、5〜100μmであることが好ましい。
本発明による再帰反射物品を形成する方法においては、三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群からなる再帰反射物品を、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)とから形成する方法であるが、屈曲するときに、工具を溝群の形状に影響を与えず旋回させるために、底部の溝幅を設けることが好ましい。
本発明においては、該底部の溝幅を5〜100μm、さらには、15〜50μmとするのが好ましい。5μm未満では、加工工具の旋回が難しく、100μm以上では、再帰反射効率が劣るので好ましくない。
本発明の方法は、三つの底辺の長さが異なり一つの底辺を共有した回転対称形の三角錐型キューブコーナー素子対において、該素子対の二つの底辺が隣接する他の素子対の底辺を共有し他の一つの底辺が同一直線上に配列されてなる素子対配列A、該素子配列Aの直線配列された底辺に対して線対称の形で形成されている素子対配列Bを、少なくとも1配列おきに配置することを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の形成方法である。
本発明で得ようとしている三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、一つの底辺(A‐B)を共有して対をなす三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群が3つの底辺(A−B、B−C、およびC−A)によって定められる基準平面(S面)上に最密充填状に配置されてなる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子物品において、該素子対の共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対群と、該素子対の底面の頂部(C1、C2)に対して線対称な形状に合同な第2の素子対群により形成されていることを特徴とするものである。
基準平面(S面)は多数の再帰反射素子対群の3つの底辺群(A−B、B−C1、C1−A、またはA−B、B−C2、C2−A)によって定められる基準底面であり、再帰反射素子の底面(ABC)は該基準底面上にあるものである。
本発明における再帰反射素子対は線対称の対を成しているために、素子対が持つ二つの光学軸の傾斜方位も対称形をなす。また、光学軸の方位が異なる2種類の素子対が組み合わされて形成されて光学軸が4方向の方位に形成されているために、広範な範囲の方位に対して再帰反射性の改善を達成することが可能である。
本発明に用いることのできる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、2種類の反射素子対、即ち、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている素子対群と、該素子対の底面の頂部(C1、C2)に対して線対称な形状に合同な他の素子対群とによって構成されており、いずれの素子対も不等辺素子により構成され、線対称の素子対を形成している。
本発明の方法は、このような三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を形成するための方法である。
本発明の方法は、再帰反射素子対を線対称の対として形成するための方法として、素子対配列A群が端部に形成された薄板PAを左右回転させて薄板PBとすることにより、該素子配列Aの直線配列された底辺に対して線対称の形で形成されている素子対配列Bを形成し、該薄板PAとPBを少なくとも1配列おきに交互に配置することを特徴とするものである。
本発明においては、該薄板の厚さが50〜10000μmの表面が平滑な平板であることが好ましい。平板の厚さが50μm未満では、形成される三角錐型キューブコーナー素子の開口寸法が小さすぎるために、回折効果により再帰反射する光束が広がりすぎて、再帰反射の輝度が低下するという不都合があり、また、平板の厚さが10000μmを超える場合には、一般に薄型で柔軟なプリズム型再帰反射シートの形成が困難となる。また、使用する平板の厚さは一定である必要はなく、厚さの異なる2種又はそれ以上の平板を組合わせて用いてもよい。
本発明においては、該薄板の材質が金属系薄板、プラスチック系薄板、セラミック系薄板またはガラス系薄板であるものが好ましい。
本発明において、該薄板の材質が金属系薄板を用いる時は、真鍮、ニッケル、ニッケル‐リン合金、銅、リン青銅、無酸素銅等の銅合金、ステンレス鋼あるいはアルミニウムなどの公差を正確に維持できる寸法的に安定な材料を選択することが好ましい。特に加工性の面で、ニッケル‐リン合金、リン青銅、無酸素銅等の銅合金、ステンレス鋼が好ましい。
本発明において、該薄板の材質がプラスチック系薄板を用いる時は、薄板がV溝切削時の強度不足により歪むという問題点を改善するために、特定の材質の薄板、詳しくは、ロックウェル硬さ(JIS Z2245)70以上、好ましくは75以上の合成樹脂で形成されている薄板を用いることが好ましい。
さらに、上記の硬さを有すると共に、切削加工時に軟化して高精度の切削が困難となるなどの不都合が生じにくい等の理由から、その軟化点が150℃以上、特に200℃以上の熱可塑性又は熱硬化性の合成樹脂であるのが好ましい。
このような合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びセルローストリアセテート系樹脂等を好適に例示することができる。中でも、入手の容易性、加工性等の点からポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂及びポリカーボネート系樹脂が好ましい。
本発明において、該薄板の材質がセラミック系薄板を用いる時は、機械強度が強く、耐熱性であり、熱膨張が小さいなど熱的特性に優れる材質を選ぶのが好ましく、アルミナ、窒化ケイ素、ステアタイト、ジルコン、水晶、サファイア、光学ガラスあるいは石英ガラスから選ばれることが好ましい。
本発明においては、薄板を重ねた後に端部集積面に三角錐型キューブコーナー素子の高さより厚い金属メッキ層を施し、該金属メッキ層に三方向からの平行V溝群を形成することが、V溝群を形成する際に、薄板が歪んだり薄板がずれたりすることがなく好ましい。
本発明においては、金属メッキ層が銅、ニッケルまたはニッケル−リン合金であることが、V溝を形成する時に、変形、歪み、あるいは熱膨張などが起こりにくいので好ましい。
発明の効果
再帰反射シートの3つの輝度特性、即ち入射角特性、観測角特性、回転角特性を改善することができ、とりわけ、回転角特性の改善された再帰反射シート及びその製造方法を提供できる。
図1は、従来技術による三角錐型キューブコーナー素子対である。
図2は、従来技術による三角錐型キューブコーナー素子群である。
図3は、従来技術による三角錐型キューブコーナー素子群である。
図4は、本発明における多方向性素子対である。
図5は、本発明における多方向性素子群である。
図6は、本発明における多方向性素子群である。
図7は、本発明における多方向性素子群である。
図8は、本発明における多方向性素子対である。
図9は、本発明における多方向性素子群である。
図10は、本発明における多方向性素子群である。
図11は、本発明における多方向性素子群の作成方法を示す図である。
図12は、本発明における再帰反射素子の形状を規定する領域図である。
図13は、本発明における多方向性素子対である。
図14は、本発明における多方向性素子群である。
図15は、本発明における多方向性素子群である。
図16は、本発明における多方向性素子対である。
図17は、本発明における多方向性素子群である。
図18は、本発明における多方向性素子群である。
図19は、本発明における多方向性素子対である。
図20は、本発明における多方向性素子群である。
図21は、本発明における多方向性素子群である。
図22は、本発明における多方向性素子群の底辺の軌跡である。
図23は、本発明における多方向性素子対である。
図24は、本発明における多方向性素子対の立体図である。
図25は、本発明における多方向性素子群である。
図26は、本発明における多方向性素子対の立体図である。
図27は、本発明における多方向性素子対の立体図である。
図28は、本発明における多方向性素子対の立体図である。
図29は、本発明における多方向性素子対の立体図である。
図30は、本発明による再帰反射素子対である。
図31は、本発明による再帰反射素子群である。
図32は、本発明による再帰反射素子群である。
図33は、本発明による再帰反射素子対である。
図34は、本発明による再帰反射素子群である。
図35は、本発明による再帰反射素子群である。
図36は、本発明による再帰反射素子対である。
図37は、本発明による再帰反射素子群である。
図38は、本発明による再帰反射素子群である。
図39は、図2の素子群を得るための、V溝群の底部の軌跡である。
図40は、図6の素子群を得るための、V溝群の底部の軌跡である。
図41は、本発明における多方向性素子対である。
図42は、本発明における多方向性素子群である。
図43は、図42の素子群を得るための、V溝群の底部の軌跡である。
図44は、本発明の再帰反射素子の形成に用いる加工機械である。
図45は、本発明の再帰反射素子の形成に用いる加工工具である。
図46は、本発明の再帰反射素子の形成に用いる加工工具の取付け方法である。
図47は、本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の形成方法である。
図48は、本発明に用いられる薄板である。
図49は、本発明に用いられる薄板である。
本発明による多方向性再帰反射物品の好ましい形態を、図を引用しつつ以下に説明を行う。
図1は従来技術による不等辺素子対の平面図(A)と断面図(B)を示す。不等辺素子対を形成する二つの素子は、共有の底辺(A−B)の中点(O)に関して回転対称な形状を持つ。このような不等辺素子対においては、光学軸の方位角が0度または180度でない二方向の光学軸が互いに180度逆の方向を向いて配置されている。
図2には図1に示される不等辺素子対と隣接する他の不等辺素子対を示している。いずれの素子対の光学軸も同じ方向に傾斜している。
図3には図1および図2に示される従来技術による不等辺素子対の集合図が示されている。すべての素子対は回転対称形の素子対より形成されており、いずれの素子対の光学軸も同じ方向に傾斜している。このような素子群は光学軸が傾斜した方向には再帰反射性能の改善がなされるが、他の方向において、特に光学軸の傾斜方向に対して45度の方位においては再帰反射性能の改善は達成されていない。このような問題点は、従来公知の反射素子のマイナス傾斜素子において顕著である。
図4は本発明による再帰反射素子対を示す。本発明における素子対は第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子であり、共有の底辺(A−B)に対して線対称な形状の対を成している。また、いずれの底辺(A−B、B−C、およびC−A)も基準平面(S面)の上にある。
図4における素子の光学軸の方位角(θa)は5〜85度、好ましくは25〜65度、より好ましくは40〜50度、さらに好ましくは43〜47度の角度であり共有の底辺(A−B)から離れる方向に傾斜している。また光学軸の傾斜角度(θ)は0.5〜25度、好ましくは3〜15度、より好ましくは4〜8度である。
図5は図4に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図5に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図6は図4及び図5に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図6に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図7は、本発明の再帰反射素子群を示している。図7においては、素子配列が、2列おきに対をなしている。本発明においては、屈曲点を少なくすることができるので、このような配列とすることも好ましい。
図8は本発明による反射素子対を形成する一つの素子対において、光学軸の傾斜角(θ)および方位角(θa)の関係を示す図である。光学軸の傾斜角(θ)は∠HPQで示され、光学軸の方位角(θa)は底面三角形(ABC)の頂部(C)と交点(P)が形成する線分(C−P)および線分(P−Q)がなす角(∠CPQ)で示すことが出来る。
なお、本発明における光学軸の方位角(θa)は、二等辺素子における光学軸の傾斜方向がプラスまたはマイナスであるという概念に対応している。従来公知の二等辺素子においてプラス傾斜とは光学軸が共有底辺(A−B)と反対の方向に傾斜しており、マイナス傾斜とは共有底辺(A−B)の方向に傾斜していることを意味している。
本発明の素子において、方位角(θa)が−90〜90度である素子においては光学軸が共有底辺(A−B)と反対の方向に傾斜しており、方位角(θa)が90〜270度である素子においては光学軸が共有底辺(A−B)の方向に傾斜している。また、方位角が0度であるような素子はプラス傾斜の二等辺素子であり、方位角が180度であるような素子はマイナス傾斜の二等辺素子である。
図8においてこの関係を説明する。本発明の素子において底辺(A−B)と交点Pとの距離をp、底辺(A−B)と点Qとの距離をqとしたときに、方位角(θa)が−90〜90度である素子においては(q−p)がプラスであり、方位角(θa)が90〜270度である素子においては(q−p)がマイナスである。
図9は本発明による他の態様の再帰反射素子対を示す。図8における本発明における素子対も第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子であり、共有の底辺(A−B)に対して線対称な形状の対を成している。
図9における素子の光学軸の方位角(θa)は95〜175度、好ましくは115〜155度、より好ましくは130〜140度、さらに好ましくは133〜137度の角度であり共有の底辺(A−B)の方向に傾斜している。また光学軸の傾斜角度(θ)は0.5〜25度、好ましくは3〜15度、より好ましくは4〜8度である。
図10は図9に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図10に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図11は図9及び図10に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図11に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図12は本発明における反射素子の3つの内角α(∠BAC)、β(∠ABC)及びχ(∠ACB)を180°で除した値(α/180°,β/180°,χ/180°)を三角座標で表した場合に、(α/180°,β/180°,χ/180°)が(0.250,0.275,0.475)、(0.450,0.475,0.075)及び(0.050,0.475,0.475)で囲まれた第1領域、(0.275,0.250,0.475)、(0.475,0.450,0.075)及び(0.475,0.050,0.475)で囲まれた第2領域のいずれかの領域に存在することを示している。
図13は本発明による好適な再帰反射素子対の一態様を示す。本発明における素子対は第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子であり、共有の底辺(A−B)に対して線対称な形状の対を成している。また、断面図(B1)に示されるように素子対の2本の光学軸は底面(A−B)の方向に対して互いに離れる方向に傾斜している。
図13に示される第1の素子対(A1)と第2の素子対(A2)において、反射側面(c1,c2)の底辺(A−B)は共通平面(Sc面)上に有り、反射側面(a1,a2)の底辺(A−C1,A−C2)および反射側面(b1,b2)の底辺(D1−B1,D2−B2)は共通平面(Sab面)にある。
また、共通平面(Sc面)は共通平面(Sab面)より深い位置にあり、高さ(hc)は高さ(hb,ha)より大きいために、反射側面(c1)の面積は増大している。
図14は図13に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図13に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方位に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図15は図13及び図14に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図6に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
また、図16は本発明による他の態様の再帰反射素子対を示す。本発明における素子対は第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子であり、共有の底辺(A−B)に対して線対称な形状の対を成している。また、断面図(B1)に示されるように素子対の2本の光学軸は底面(A−B)の方向に対して互いに近づく方向に傾斜している。
図16に示される第1の素子対(A1)と第2の素子対(A2)において、反射側面(c1,c2)の底辺(A−B)は共通平面(Sc面)上に有り、反射側面(a1,a2)の底辺(A−C1,A−C2)および反射側面(b1,b2)の底辺(D1−B1,D2−B2)は共通平面(Sab面)上にある。
また、共通平面(Sc面)は共通平面(Sab面)より浅い位置にあり、高さ(hc)は高さ(hb,ha)より小さいために、反射側面(c1)の面積は減少している。
図17は図18に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図17に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方位に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図18は図16及び図17に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図18に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
さらに、図19は本発明による他の好ましい態様の再帰反射素子対を示す。本発明における素子対は第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子であり、共有の底辺(A−B)に対して線対称な形状の対を成している。また、断面図(B1)に示されるように素子対の2本の光学軸は底面(A−B)の方向に対して互いに離れる方向に傾斜している。
図19に示される第1の素子対(A1)と第2の素子対(A2)において、反射側面(c1,c2)の底辺(A−B)は共通平面(Sc面)上に有り、反射側面(a1,a2)の底辺(A−C1,A−C2)は共通平面(Sa面)上に有り、反射側面(b1,b2)の底辺(D1−B1,D2−B2)は共通平面(Sb面)上に有る。
そして、共通平面(Sc面)、共通平面(Sa面)、および共通平面(Sb面)はいずれも深さが異なっている。従って、高さ(hc)、高さ(hb)、および高さ(ha)のいずれの高さも等しくない。これらの高さ(hc)、高さ(hb)、および高さ(ha)は三つの反射側面の面積(a1,b1,c1,およびa2,b2,c2)が実質的に等しくなるように選択される。この様な三つの共通平面(Sc面、Sb面、およびSa面)の深さがいずれも異なっているような不等辺素子は、反射側面の面積(a1,b1,c1,およびa2,b2,c2)が実質的に等しく再帰反射効率に優れる。
図20は図19に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図19に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方位に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図21は図19及び図20に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図21に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示しているために、いずれの方位に対しても均一な再帰反射性能を示し回転角特性に優れる。
図22は図6に示される再帰反射素子対の集合図において、再帰反射素子を形成するV字状の溝の軌跡が実質的にV字状の溝(x,y1,およびy2)により形成されていることを示している。V字状のx溝は互いに平行で等間隔の直線群を形成しており、y1およびy2溝は屈曲した線群により構成されており、互いに等間隔に配置されている。
図23は本発明による線対称な対を形成する素子対の一方の素子を示す立体図である。底面(ABC)は三つの底辺(A−B,B−C,および,C−A)から構成されており、共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なる。反射素子の頂点(H)から底面(ABC)に下された垂線と底面との交点(P)、光学軸との交点(Q)とすると、光学軸の方位角(θa)は∠CPQで表すことができる。
図23に示される反射素子においては三つの反射側面(ABH,BCH,および,CAH)は互いに実質的に垂直なプリズム頂角を持つキューブコーナー形状を持つ。
図24は本発明による観測角特性が改善された反射素子の態様を示している。
図24において反射側面(ABH’)は垂直を形成する理論的な反射側面(ABH)に対してわずかに異なる角度で形成されており、他の反射側面との交差角は垂直に対してわずかに頂角偏差を持っている。図23においては一つの面に関して偏差を与えているが他の2面に対しても偏差を与えることが好ましい。
図24に示されるような頂角偏差を持つ反射素子を形成するためには、反射素子を形成する断面が実質的にV字状の溝(x,y1,およびy2)により形成されるプリズム頂角(Pab,Pbc,およびPca)が90度をなす理論的なV溝角をVx,Vy1,またはVy2とすると、少なくとも一方向のV溝角が、±(0.1〜20)分、好ましくは±(0.2〜10)分の偏差(dVx,dVy1,またはdVy2)を有していることが望ましい。
図25は図24に示された頂角偏差を有する反射素子を形成する方法において、該V字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一方向のV溝角を、2種類以上の偏差を繰返しのパターンで形成していることが示されている。図25において、x溝はV字状の溝のV溝角が3つの角度(Vxa,Vxb,および,Vxc)で繰り返しの周期で形成されている。また、y1溝においても3つの角度(Vy1a,Vy1b,および,Vy1c)で繰り返しの周期で形成されて、y2溝においても3つの角度(Vy2a,Vy2b,および,Vy2c)で繰り返しの周期で形成されていることが示されている。
図26は本発明による観測角特性が改善された反射素子の他の態様を示している。
図26には、該反射素子を構成するV字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一つの方向の溝の底部の軌跡が、直線をなさない非直線底辺として形成されている。
底辺の直線からの隔たりは、該非直線底辺の両端を結んだ両端直線からの該非直線底辺への垂線と該非直線底辺との交点と、両端直線との最大距離で規定される非直線因子(γAB,γBC,またはγCA:図示されず)が,両端直線の長さをLとしたときに0.0001L〜0.05Lであることが好ましい。
さらに、該非直線底辺の軌跡は円弧,三角関数(正弦曲線,余弦曲線,正切曲線),逆三角関数,楕円関数,双曲線関数およびそれら関数を組み合わせた関数から選ばれる曲線で表されることが好ましい。
あるいは、図27に示されるように該非直線底辺の軌跡が直線を組み合わせた折れ線の形状で形成されていてもよい。
図28は本発明による観測角特性が改善された反射素子の他の態様を示している。
図28には、該V字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一つのV溝角の断面形状が直線をなさない非直線断面であるような形状の反射素子が示されている。図28に示される反射素子の反射側面(ABH)は平面を形成せず、湾曲した面を有している。
このような反射素子は、該非直線断面の両端を結んだ両端直線からの該非直線断面への垂直線と該非直線断面との交点と両端直線との最大距離で規定される非直線因子(γAB,γBC,またはΓca:図示されず)が,両端直線の長さをGとしたときに0.0001G〜0.05Gであることが好ましい。
さらに、該非直線断面は円弧,三角関数(正弦曲線,余弦曲線,正切曲線),逆三角関数,楕円関数,双曲線関数およびそれら関数を組み合わせた関数から選ばれる曲線で表されてもよい。
あるいは、図29に示されるように該非直線断面が直線を組み合わせた折れ線で表されてもよい。このような反射素子においては反射側面は一平面を形成せず多面体(ABB’C,およびA’B’H’)として形成される。
図30は本発明による再帰反射素子対を示す。第1の素子対群を形成する素子対の該共有の底辺(A−B)が他の2組の底辺(B−C1、C1−AおよびB−C2、C2−A)の交点(A1、B1)を通らず、
一方の素子の底面が五角形(A−A1−C1−B1−B)であり、他方の素子の底面が三角形(A−C2−B)であり、
第1の素子対群を形成する素子対の素子の高さ(h1、h2)が異なり
第2の素子対群を形成する素子対は第1の素子対の底面の頂部(C1、C2)に対して線対称な形状に合同である。
本発明においては、線分(A1、B1)と線分(A、B)の距離(オフセット量)を素子対の底面の頂部(C1、C2)の距離の±(2〜20%)とすることが、入射角特性を改善するために好ましい。
図31は図5に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図5に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図32は図30及び図31に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図32に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図33は本発明による再帰反射素子対を示す。図33には本発明の光学軸の傾斜が+傾斜の素子が示されている。図33は図30において、線分(A、B)をS面より深くSc面の深さで形成したものであり、c1、c2の面積が大きくなっており、3つの反射側面(a1、b1、c1)の面積比が図29に示されている3つの反射側面(a1、b1、c1)の面積比よりも1に近づいており、再帰反射素子の反射効率と入射角特性が改善されるので好ましい。
図33のように再帰反射素子の光学軸の傾斜が+傾斜の時には、hxをhyより大きくすることでa1、b1、c1の面積を近づけることができ、hx/hyを1.05〜1.5さらには、1.07〜1.4とするのが、反射効率と入射角特性を改善のために好ましい。
図34は図33に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図33に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図35は図33及び図34に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図35に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図36には本発明による、再帰反射素子を形成する底面の投影形状が台形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)であることを特徴とする再帰反射物品が示されている。
図36に示される再帰反射素子は、図4に示された従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の一つの底面の頂点(C1,C2)をV字状の溝により切取って形成されている。底面の頂点(C1,C2)は本発明の等脚台形の底面を形成する二つの底辺(A−D1,B−E1,およびA−E2,B−D2)の延長線の交点に位置する。
図36に示される再帰反射素子の等脚台形形状の底面を形成する二つの台形底辺(A−BとE1−D1,またはA−BとE2−D2)の距離をr、および、他の斜辺(A−D1,B−E1およびA−E2,B−D2)の延長線の交点(C1,およびC2)と底辺(A−B)との距離をsとしたときに、距離rと距離sとの比率(R)
R=r/s (式2)
が0.4〜0.95であることが好ましい。この比率(R)を0.4〜0.95、好ましくは0.5〜0.9に調節することによって、素子を形成する三つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の面積の違いを小さくすることができ、再帰反射効率と、入射角特性を改善することができるので好ましい。
図37は図35に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。
図38は図36及び図37に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図38に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図39には図2に示されている従来公知の不等辺素子対群を構成する断面がV字状の溝群の底部の軌跡を示している。該溝群は3つの方向の平行溝群(x,y,および,z)により構成されており、これらの3方向の溝群は1点で交差する直線群である。
図4は本発明による再帰反射素子対を示す。本発明における素子対は第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子で構成されており、共有の底辺(A‐B)に対して線対称な形状の対を成している。また、いずれの底辺(A‐B、B‐C、およびC‐A)も基準平面(S面)の上にある。
図6は図4に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図6に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図40は、図6に示されている本発明の不等辺素子対群を構成する断面がV字状の溝群の底部の軌跡を示している。該溝群は1つの方向の平行溝群(x)と断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)により構成されており、これらの3方向の溝群は1点で交差する。
図40においては、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)は、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)と交差する位置で屈曲している。
図41は本発明による再帰反射素子対を示す。本発明における素子対は第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子で構成されており、共有の底辺(A‐B)に対して線対称な形状の対を成している。また、いずれの底辺(A‐B、B‐C、およびC‐A)も基準平面(S面)の上にあり、直線の平行溝群(x)の溝幅(w)が、屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)の底部の溝幅となる。
図42は図41に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図42に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
図43は、図42に示されている本発明の不等辺素子対群を構成する断面がV字状の溝群の底部の軌跡を示している。該溝群は1方向の直線の平行溝群(x)と2方向の屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)により構成されており、屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)は繰り返し底部の溝幅(w)をもって形成されている。
本発明においては、該底部の溝幅(w)を5〜100μm、さらには、15〜50μmとするのが、好ましい。5μm未満では、加工工具の旋回が難しく、100μm以上では、再帰反射効率が劣るので好ましくない。
インターバルは、加工工具の形状で調整することができ、具体的にはV字形状の加工工具の先端に平坦な部分を設け、その形状を転写させることにより形成することができる。インターバルの大きさは、該平坦な部分の幅により調整することが可能である。
本発明による再帰反射物品を構成する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群の形成に用いる加工機械は、V字状の先端形状を持ったダイアモンド工具を加工素材に押し当てながら切取るルーリング法やシェーパー法と呼ばれる加工方法がもっとも好ましい。
本発明による三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を形成するのに用いたシェーパー機は、図44に示すように、加工工具および加工基材を設置して5方向(Mx軸、My軸、Mz軸、Mb軸、Mc軸)の制御により加工するものである。
加工基材は回転テーブル上に固定し、加工工具をMx軸またはMy軸にそって移動させることによりV字状の溝を形成する。この際にMz軸の位置を制御することによりV字状の溝の深さを変化させることが出来る。
さらに、本発明のV字状の溝を作成するためにMc軸をわずかに回転させることによりV字状の先端形状を持った加工工具の投影形状を変化させてV字状の溝の角度を一つのV字状溝のなかで連続的に変化させることが出来る。
シェーパー加工においては所望の深さのV字状の溝を形成させるには1回の加工深さを例えば1〜10μmとして、所定の深さになるように数回の溝加工を行なう必要がある。この加工中にMx軸およびMy軸にそって移動させることにより直線だけではなく任意の軌跡を描いてV字状の溝が形成される。これによって本発明によ
Figure 0005091864
本発明の再帰反射素子を形成する加工工具としては、ダイアモンド、サファイア、各種の切削合金を用いる事ができ、その中でもダイアモンドが特に耐摩耗性にすぐれており、加工中にV字状溝の角度を一定に保つ上で好ましい。また、磨耗によるV字状の溝の角度が変化しないようにするために、2つの加工工具を用いて所定の深さまでの予備切削と目的とする深さでの仕上げ切削を分けてもよい。
従来公知のいわゆるフライカット法とよばれる加工方法においてもV字状溝加工法を実施する事が可能であり、ダイアモンド工具の取り付け角度を変化させることによって工具の投影形状を変化させてV字状の溝の角度を微小に変化させることが出来る。フライカット法においては所望の溝の深さを一度の切削で形成できる利点がある。しかしながら、フライカット法においては直線の軌跡を描かせることには適しているが、任意の非直線的な軌跡を精度よく形成するには適さない。また、加工中に工具取付け角度を変化させて一つのV字状溝のなかでV字状の溝の角度を変化させることは出来ない。
図45(a)には本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を形成するのに用いたダイアモンド工具の例が示されている。工具の先端には拡大図(b)に示されているようなV字状の先端形状を持ったダイアモンドが取り付けてあり、V字状の溝の形状と角度はこのダイアモンドの投影形状が反映される。さらに図46の(a)〜(d)にはこのダイアモンド工具の設置角度をさまざまに変化させることによりV字状の先端の投影形状を変化させ、形成されるV字状の溝を如何に変化させる事が出来るかを説明している。
図46(a)には標準の取り付け方法により対称形のV字状のダイアモンドが対称の位置で加工基準面に対して垂直に取り付けられている。この加工工具は先述した3つの方向の加工軸により3つの方向に回転させることができる。
図46(b)においては加工工具の先端を中心としてMx軸に沿った回転により工具をわずかに傾斜させることにより、V字状溝の角度を狭くする事が出来ることを示している。この様な変化は通常工具の垂直方向(Mc軸)の取り付け角度を変更させることによって達成される。
また、図46(c)においては加工工具の先端を中心としてMc軸に沿った回転(角度;η)により工具をわずかに旋回させて投影形状を変化させ、V字状溝の角度をわずかに狭くする事が出来ることを示している。この様な角度の変更はV字状の溝の加工中にMc軸を旋回させて行なう事ができ、この様な方法によって形成されたV字状溝の断面形状は一定の角度をもたない。
このような切削工具の図46(c)に図示されている旋回角(η)と切削工具の先端の投影角度(両側の片側溝角の和に一致し両側溝角(2G’)とも言う)との関係は式3によって表すことができる。
2G’=2tan−1(tanG・cosη) 式3
なお、式3においてGは旋回がない加工工具の先端の片側溝角、ηは図46(c)に示される工具の旋回角そしてG’は旋回した工具の投影片側溝角を表している。
本発明においては、底部の溝幅(w)上で加工工具を旋回させることが好ましい。
図47は、本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の形成方法を説明した図である。
図47(1)は、1配列の薄板を示しており、図47(2)は、それを多数重ねたものを示している。図47(3)は、多数重ねた薄板にV溝を形成したものを示している。多数重ねた薄板に直接V溝を形成することもできるが、本発明においては、薄板を重ねた後に端部集積面に三角錐型キューブコーナー素子の高さより厚い金属メッキ層を施し、該金属メッキ層に三方向からの平行V溝群を形成することが好ましい。この段階では、素子対配列は全てA群である。
図47(4)は、素子対配列A群が端部に形成された薄板PAを左右回転して薄板PBができることを示している。
図47(5)は、図47(4)の工程を繰り返して、薄板PAと薄板PBを一枚おきになるように重ねて並べたものである。
図48は、全て薄板PAの図である。
図49は、一枚おきに薄板PAを左右回転させたもので、薄板PA、薄板PB、薄板PA、薄板PB、・・・と並んでいる図である。
図7は、二枚おきに薄板PAを左右回転させたもので、薄板PA、薄板PA、薄板PB、薄板PB、薄板PA、薄板PA、・・・と並んでいる図である。
以下、実施例により本発明の詳細を更に具体的に説明する。
実施例をはじめ本明細書に記載の再帰反射性能は、3次元光学シミュレーションによる計算より求めた。該光学シミュレーションは、モンテカルロ光線追跡法により、三次元空間内における光の挙動を計算により求めるものである。光源は白色平行光とし、再帰反射物品の大きさを100mmと設定して計算した。計算は、入射角(β)が5°、15°、30°、回転角(ε)が0°〜345°まで15°毎に実施し、回転角特性評価は、再帰反射物品から10mの位置に設定した評価面の照度分布の合計値により数値化し、以下の基準で判定した。
◎ β=30°における各回転角の数字の変動係数が20以上
○ β=30°における各回転角の数字の変動係数が10以上20未満
× β=30°における各回転角の数字の変動係数が10未満
また、入射角5°での各回転角における評価面の照度分布の合計値を合算した数値(TV)を求め、実施例と比較例で比較した。
<実施例1>
図4〜6に示されるような形状であって、図4(A2)における∠C1ABが66.659°、∠C1BAが54.918°、素子高さが81.066μm、光学軸傾斜角θが6°、θaが70°である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。
<実施例2>
図4〜6に示されるような形状であって、図4(A2)における∠C1ABが69.586°、∠C1BAが52.033°、素子高さが78.776μm、光学軸傾斜角θが9°、θaが70°である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。
<実施例3>
図13〜15に示されるような形状であって、図13(A2)における∠C1ABが66.659°、∠C1BAが54.918°、光学軸傾斜角θが6°、θaが70°であり、haが81.066μm、hbが81.066μm、hcが91.066である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。なお、この際のhmax/hminは1.123であった。
<実施例4>
図19〜21に示されるような形状であって、図19(A2)における∠C1ABが66.659°、∠C1BAが54.918°、光学軸傾斜角θが6°、θaが70°であり、haが96.066μm、hbが81.066μm、hcが91.066である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。なお、この際のhmax/hminは1.185であった。
<実施例5>
図30〜32に示されるような形状であって、図30(A2)における∠C1A1B1が66.659°、∠C1B1A1が54.918°、素子高さが81.066μm、光学軸傾斜角θが6°、θaが70°である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群の形状において、AB方向のV字状溝がC2側に10μm移動して設けられた三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。この際のオフセット量は、C1とC2の距離の3%であった。
<実施例6>
図33〜35に示されるような形状であって、図33(A2)における∠C1A1B1が66.659°、∠C1B1A1が54.918°、素子高さが81.066μm、光学軸傾斜角θが6°、θaが70°である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群の形状において、AB方向のV字状溝がC2側に10μm移動し、かつAB方向のV字状溝の深さが91.066μm、その他のV字状溝の深さが81.066μmである三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。この際のオフセット量は、C1とC2の距離の3%であり、hmax/hminは1.123であった。
<実施例7>
図36〜38に示されるような形状であって、図36(A2)における∠D1ABが66.659°、∠E1BAが54.918°、素子高さが81.066μm、光学軸傾斜角θが6°、θaが70°である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群の形状において、比率(R)が0.7となるようにV字状溝のピッチを定めた形状である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。
<比較例1>
1〜3に示されるような形状であって、∠C1AB、∠C1BAが共に56.594°であり、素子高さが100μm、光学軸傾斜角θが6°、θaが180°である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。
<比較例2>
図1〜3に示されるような形状であって、∠C1ABが66.659°、∠C1BAが54.918°、素子高さが81.066μm、光学軸傾斜角θが6°、θaが70°である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。
実施例および比較例の光学シミュレーション結果を、グラフ1〜9に示す。
グラフ1
Figure 0005091864
グラフ2
Figure 0005091864
グラフ3
Figure 0005091864
グラフ4
Figure 0005091864
グラフ5
Figure 0005091864
グラフ6
Figure 0005091864
グラフ7
Figure 0005091864
グラフ8
Figure 0005091864
グラフ9
Figure 0005091864
また、回転角特性評価結果とTVについて、表1に示す。
Figure 0005091864
本発明における再帰反射物品の具体的な用途としては、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレートなどに用いることのできる再帰反射物品および再帰反射シートであって、優れた回転角特性を所有しているために自由な方位でシートを切断して標識に用いることが出来る。

Claims (42)

  1. 一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が一つの底辺(AB)を共有して対をなすキューブコーナー再帰反射素子対が多数集合して成る三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群が、それぞれの三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の3つの底辺(A−B、B−C、およびC−A)によって定められる基準平面(S面)上に最密充填状に配置されてなる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子物品において、
    それぞれの三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、該一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が共有する共有底辺(AB)と他の2つの底辺(B−C、C−A)とがなす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)の大きさ互いに異なる素子であり、
    該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群は、一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が共有底辺(AB)を基準として互いに線対称で配置されている三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対から成る第1の素子対群と、該第1の素子対群の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対該共通底辺に直交する方向に位置する底面の頂部(C1、C2)同士を結ぶ線分を基準に該第1の素子対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対に対して線対称な形状に合同な三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対から成る第2の素子対群により形成されている
    ことを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  2. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の頂点(H)から底面(ABC)におろした垂線の交点(P)、および、光学軸と底面(ABC)の交点(Q)により定められる光学軸の傾斜角度(θ=∠PHQ)、底面三角形(ABC)の頂部(C)と交点(P)が形成する線分(C−P)および線分(P−Q)がなす角(∠CPQ)を該光学軸の方位角(θa)としたときに、
    該傾斜角度(θ)が0.5〜25度であり、
    該方位角(θa)が5〜85度または95〜175度である
    ことを特徴とした請求項1に記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  3. 該傾斜角度(θ)が3〜15度であり、
    該方位角(θa)が25〜65度または115〜155度である
    ことを特徴とした請求項に記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  4. 該傾斜角度(θ)が3〜15度であり、
    該方位角(θa)が40〜50度または130〜140度である
    ことを特徴とした請求項に記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  5. 該傾斜角度(θ)が4〜8度であり、
    該方位角(θa)が43〜47度または133〜137度である
    ことを特徴とした請求項に記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  6. 該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の3つの内角α(∠BAC)、β(∠ABC)及びχ(∠ACB)を180°で除した値(α/180°,β/180°,χ/180°)を三角座標で表した場合に、
    (α/180°,β/180°,χ/180°)が(0.250,0.275,0.475)、(0.450,0.475,0.075)及び(0.050,0.475,0.475)で囲まれた第1領域、(0.275,0.250,0.475)、(0.475,0.450,0.075)及び(0.475,0.050,0.475)で囲まれた第2領域のいずれかの領域に存在する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  7. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の高さ(h=HP)が20〜4,000μmである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  8. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の高さ(h=HP)が60〜150μmである
    ことを特徴とする請求項に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  9. 該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の反射側面(a1およびa2)の底辺により規定される共通平面(Sa面)、および、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の反射側面(b1およびb2)の底辺により規定される共通平面(Sb面)および、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の反射側面(c1およびc2)の底辺により規定される共通平面(Sc面)としたときに、
    三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の頂点(H1,H2)から共通平面(Sa面、Sb面、及びSc面)までの高さ(ha,hb,及びhc)の少なくとも一つの高さが異なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  10. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の頂点(H1,H2)から共通平面(Sa面、Sb面、及びSc面)までの高さ(ha,hb,及びhc)のいずれの高さも異なる
    ことを特徴とする請求項に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  11. 記高さ(ha,hb及びhc)の最も大であるものをhmaxとし、最も小であるものをhminとした場合に、
    1.05<hmax/hmin<1.9
    (式1)
    である
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  12. 記高さ(ha,hbとhc)の最も大であるものをhmaxとし、最も小であるものをhminとしたときに、
    hmaxが最も短い底辺で規定される平面と頂点(H1,H2)と高さであり、hminが最も長い底辺で規定される平面と頂点(H1,H2)と高さである
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  13. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を形成する断面が実質的にV字状の溝(x,y1,およびy2)により形成されるプリズム頂角(Pab,Pbc,およびPca)が90度をなす理論的なV溝角をVx,Vy1,またはVy2とすると、
    少なくとも一方向のV溝角が、±(0.1〜30)分の偏差(dVx,dVy1,またはdVy2)を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  14. 少なくとも一方向のV溝角が、±(0.2〜10)分の偏差(dVx,dVy1,またはdVy2)を有している
    ことを特徴とする請求項13に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  15. 該V字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一方向のV溝角が、2種類以上の偏差を繰返しのパターンで形成されている
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  16. 該V字状の溝の少なくとも一方向のV溝角が左右非対称のV字状の溝形状を有している
    ことを特徴とする請求項14または15に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  17. 該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を形成する断面が実質的にV字状の溝(x,y1,およびy2)により形成され、該V字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一つの方向の溝の底部の軌跡が、直線をなさない非直線底辺である
    ことを特徴とする請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  18. 該非直線底辺の両端を結んだ両端直線からの該非直線底辺への垂線と該非直線底辺との交点と、両端直線との最大距離で規定される非直線因子(γAB,γBC,またはγCA)が,両端直線の長さをLとしたときに0.0001L〜0.05Lである
    ことを特徴とする請求項17に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  19. 該非直線底辺の軌跡が円弧,三角関数(正弦曲線,余弦曲線,正切曲線),逆三角関数,楕円関数,双曲線関数およびそれら関数を組み合わせた関数から選ばれる曲線で表される
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  20. 該非直線底辺の軌跡が直線を組み合わせた折れ線で表される
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  21. 該V字状の溝(x,y1,およびy2)の少なくとも一つのV溝角の断面形状が直線をなさない非直線断面である
    ことを特徴とする請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  22. 該非直線断面の両端を結んだ両端直線からの該非直線断面への垂直線と該非直線断面との交点と両端直線との最大距離で規定される非直線因子(γAB,γBC,またはγCA)が,両端直線の長さをGとしたときに0.0001G〜0.05Gである
    ことを特徴とする請求項21に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  23. 該非直線断面が円弧,三角関数(正弦曲線,余弦曲線,正切曲線),逆三角関数,楕円関数,双曲線関数およびそれら関数を組み合わせた関数から選ばれる曲線で表される
    ことを特徴とする請求項21または22に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  24. 該非直線断面が直線を組み合わせた折れ線で表される
    ことを特徴とする請求項21または22に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  25. 第1の素子対群を形成する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の該共有底辺(A−B)が他の2組の底辺(B−C1、C1−AおよびB−C2、C2−A)の交点(A1、B1)を通らず、一方の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の底面が五角形(A−A1−C1−B1−B)であり、他方の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の底面が三角形(A−C2−B)であり、
    第1の素子対群を形成する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の素子の高さ(h1、h2)が異なり
    第2の素子対群を形成する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対は該第1の素子対群の該三角錐型キューブコーナー再帰反射対の底面の頂部(C1、C2)を結ぶ線分に対して線対称な形状に合同である
    ことを特徴とする請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  26. 第1の素子対群を形成する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の該共有底辺(A−B)によって定められる平面(Sc面)が、2つの底辺(B1−C1、C1−A1およびB−C2、C2−A)によって定められる基準平面(S面)と異なる深さで形成されている
    ことを特徴とする請求項25に記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  27. Sc面から該素子の高さ(h1、h2)の内大きい方の頂点までの高さをhxS面から該素子の高さ(h1、h2)の内大きい方の頂点までの高さをhyとしたときにhxがhyより大きい
    ことを特徴とする請求項25または26に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品
  28. hx/hyが1.05〜1.5の範囲になるようにhxがhyより大きいことを特徴とする請求項25または26に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  29. hx/hyが1.07〜1.4の範囲になるようにhxがhyより大きい
    ことを特徴とする請求項28に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  30. 該hxがhyより小さいことを特徴とする請求項25または26に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  31. hx/hyが0.67〜0.95の範囲になるようにhxがhyより小さいこと
    を特徴とする請求項25または26に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  32. hx/hyが0.71〜0.93の範囲になるようにhxがhyより小さい
    ことを特徴とする請求項25または26に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  33. 第1の素子対群と第2の素子対群を形成する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の底面が四角形(A−D1−E1−B、A−D2−E2−B)を形成しており、
    該底辺(D1−E1、D2−E2)は共有の底辺(A−B)と平行である
    ことを特徴とする請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  34. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の光学軸の傾斜角度がプラス(+)3度以上である
    ことを特徴とする請求項33に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  35. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の光学軸の傾斜角度がプラス(+)5〜20度である
    ことを特徴とする請求項34に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  36. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の光学軸の傾斜角度がプラス(+)7〜12度である
    ことを特徴とする請求項35に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  37. 三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の等脚台形形状の底面を形成する二つの台形底辺(A−BとE1−D1,またはA−BとE2−D2)の距離をr、および、他の斜辺(A−D1,B−E1およびA−E2,B−D2)の延長線の交点(C1およびC2)と底辺(A−B)との距離をsとしたときに距離rと距離sとの比率(R)
    R=r/s
    (式2)
    が0.4〜0.95である
    ことを特徴とする請求項33〜36のいずれか一つに記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  38. 距離rと距離sとの比率(R)が0.5〜0.9である
    ことを特徴とする請求項37に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
  39. 一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が一つの底辺(AB)を共有する対をなすキューブコーナー再帰反射素子対が多数集合して成る三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群が、それぞれの三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の3つの底辺(A−B、B−C、およびC−A)によって定められる基準平面(S面)上に最密充填状に配置されてなる三角錐型キューブコーナー再帰反射物品の形成方法であって、
    三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対が共有する共有底辺(AB)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)の大きさが異なる素子であり、
    該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群は、一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が共有底辺(AB)を基準として互いに線対称で配置されている三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対から成る第1の素子対群と、該第1の素子対群の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対該共通底辺に直交する方向に位置する底面の頂部(C1、C2)同士を結ぶ線分を基準に該第1の素子対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対に対して線対称な形状に合同な三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対から成る第2の素子対群により形成された三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対からなる三角錐型キューブコーナー再帰反射物品を、
    断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)とから形成する
    ことを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射物品の形成方法。
  40. 該直線の平行溝群(x)と、屈曲線形状の平行溝群(y1およびy2)の深さが異なっている
    ことを特徴とする請求項39に記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品成方法。
  41. 直線の平行溝群(x)がV字状であり底部の溝幅(w)が、5〜100μmである
    ことを特徴とする請求項39または40に記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品成方法。
  42. 該直線の平行溝群(x)がV字状であり底部の溝幅(w)が、15〜50μmである
    ことを特徴とする請求項41に記載三角錐型キューブコーナー再帰反射物品成方法。
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