JP2005049385A - 副反射側面が設置された三角錐型キューブコーナー再帰反射物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子に反射側面に副反射側面が設置されている再帰反射素子を形成することにより,簡易な方法で三つの角度特性,特に観測角特性の改善を達成する。
【選択図】図10
Description
【産業上の利用分野】
【0002】
本発明は新規な構造の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートなどの再帰反射物品に関する。より詳しくは、本発明は新規な構造の三角錐型キユーブコーナー反射素子(以降,三角錐型反射素子とも言う)が最密充填状に配置されたキューブコーナー再帰反射物品などの再帰反射物品に関する。
【0003】
詳しくは、本発明は、道路標識(一般的な交通標識やデリニエーター)、路面標識(ペーブメントマーカー)、工事標識等の標識類、自動車やオートバイ等の車両のナンバープレート類、トラックやトレーラーのボディーに貼付される反射テープ、衣料、救命具等の安全資材類、看板等のマーキング、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサー類の反射板等において有用な三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(以下単に、三角錐型反射素子または反射素子ともいう)によって構成されるキューブコーナー型再帰反射シートなどの再帰反射物品に関する。
【0004】
さらに詳しくは、三方向からの実質的に対称な平行V字状溝群により形成された三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群により形成される再帰反射物品において、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を構成する三つの反射側面は,これら反射側面と該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面と垂直でこれら反射側面の底辺を含む垂直面とがなす半溝角によって定められる互いに実質的に垂直な正規反射側面であり、これら三つの正規反射側面の少なくとも一つの正規反射側面が、底辺が共通の平面と異なる高さにあり半溝角が該正規反射側面と異なる一つ以上の副V字状溝により切取られて形成された副反射側面が設置されている再帰反射素子を含んでいることを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射物品に関する。
【0005】
さらに詳しくは,互いに実質的に垂直な三つの正規反射側面の少なくとも一つの正規反射側面と副反射側面の半溝角のなす角度が0.0001°〜0.1°である再帰反射物品に関する。
【0006】
【従来の技術】
【0007】
従来、入射した光を光源に向かって反射する再帰反射シートおよび再帰反射物品はよく知られており、その再帰反射性を利用した該シートは上記のごとき利用分野で広く利用されている。中でもキューブコーナー再帰反射素子の再帰反射原理を利用した三角錐型キューブコーナー再帰反射シートなどの再帰反射物品は、従来のマイクロ硝子球を用いた再帰反射シートなどの再帰反射物品に比べ光の再帰反射効率が格段に優れており年々用途が拡大しつつある。
【0008】
しかしながら従来公知の三角錐型再帰反射素子は、その反射原理から,三角錐型再帰反射素子を構成する互いに90°の角度で交叉する3個の反射側面から等しい距離にあり三角錐の頂点を通る光学軸と入射光線とがなす角度が小さい角度の範囲では良好な再帰反射効率を示すが、この角度が大きくなるに連れて再帰反射効率は急激に低下する。また,素子の形状が三角形であるために素子のどの方向から光が入射するか,あるいは,観測者が素子のどの方向に位置するか(回転角)により再帰反射効率が大きく変化する。
【0009】
上記の理由により従来公知の三角錐型再帰反射素子は,入射角,すなわち,再帰反射物品の表面に垂直な線と入射光線とがなす角度が大きくなるにつれて再帰反射効率は急激に低下するという欠点がある。再帰反射物品の表面に垂直な線は光学軸が傾斜しないようにして形成された再帰反射素子においては,光学軸と平行であるが,光学軸が傾斜した再帰反射素子の場合には光学軸の傾斜角だけ異なる。一般に、入射角が大きくなるにつれて三角錐型反射素子を構成する透明媒体の屈折率と空気の屈折率との比によって定まる内部全反射条件を満足する臨界角より小さな角度で反射側面に光線が入射するために、反射側面で全反射することなく該素子の背面に透過するためであり、この理由により三角錐型反射素子を用いる再帰反射物品は一般に入射角特性が劣るという欠点があった。
【0010】
一方、三角錐型再帰反射素子はマイクロ硝子球型反射素子に比べて比較的大きな素子が採用されているために回折効果による反射光の広がりが少なく、さらに,マイクロ硝子球型反射素子のように球面収差によって反射光が過度に発散することがないので優れた反射性能を得る事が出来る。
【0011】
しかしながら、再帰反射光の過度に狭い発散は,実用面においては自動車のヘッドランプから発せられた光が交通標識で再帰反射したとき再帰反射光が光源であるヘッドランプに集中的に戻り,その反射光軸から離れた位置にいる運転者の目には達しにくいという不都合が生じ易い。このような不都合は、特に自動車と交通標識との距離が近接したときに、光線の入射軸と運転者と反射点とを結ぶ軸(観測軸)とがなす角度(観測角)が増大するために観測角特性が劣るという欠点があった。
【0012】
このようなキューブコーナー型再帰反射シートおよび再帰反射物品、特に三角錐型キューブコーナー再帰反射シートおよび再帰反射物品の入射角特性または観測角特性の改良に関しては、古くから多くの提案が知られており、種々の改良検討がなされている。
【0013】
例えば、ユンゲルセン(Jungersen)の米国特許第2,481,757号においては薄いシートの上に様々な形の再帰反射素子を設置述べられている。上記米国特許に例示されている三角錐型反射素子は頂点を底面三角形の中心に位置した光学軸の傾斜のない三角錐型反射素子や頂点の位置が底面三角形の中心に位置していない傾斜三角錐型反射素子が例示されており、接近してくる自動車に対して効率的に光を反射させる(入射角特性の改善)ことが記載されている。
【0014】
また、三角錐型反射素子の大きさとしては素子の深さとして1/10インチ(2,540μm)以内であることが記載されている。さらに、この米国特許のFig.15には、光学軸が、後述するようにプラス(+)となる方向に傾斜している三角錐型反射素子対が図示されており、その光学軸の傾斜角(θ)は、図示されている三角錐型反射素子の底面三角形の長辺と短辺の長さの比率から求めると、約6.5°であると推定される。
【0015】
しかしながら、上記Jungersenの米国特許には、後述するような極めて小さい三角錐型反射素子についての具体的な開示はなく、また、優れた観測角特性や入射角特性を与えるために、三角錐型反射素子がどのような大きさおよび光学軸傾斜を有することが望ましいかなどについての記載も示唆もされていない。
【0016】
また、スタム(Stamm)の米国特許第3,712,706号においては薄いシート上に底面の三角形の形状が正三角形である、所謂、正三角錐型キューブコーナー再帰反射素子をその底面が共通面上に最密充填状となるように配置された再帰反射シートおよび再帰反射物品について述べられている。このStammの米国特許では、反射素子の反射側面を例えばアルミニウムなどの金属で蒸着処理を行って入射光を鏡面反射させて、入射角を増大させることにより、再帰反射効率の低下という問題や内部全反射条件未満の角度で入射した光が素子の界面を透過してしまい再帰反射しないと言う上記の不具合の改善を行っている。
【0017】
しかしながら上記Stammの提案では、広角性の改善手段として反射側面に鏡面層を設置しているために、得られる再帰反射シートおよび再帰反射物品の外観が暗くなったり、鏡面層に採用されているアルミニウム、銀などの金属が使用中に水や空気の浸入により酸化されてしまい、反射輝度の低下を起しがちであるなどの不具合を起しやすい。さらに、光学軸の傾斜により広角性を改善する手段に関してはまったく記載されていない。
【0018】
さらに、ホープマン(Hoopman)のヨーロッパ特許第137,736B1においては、薄いシート上に底面の三角形の形状が二等辺三角形である一対の傾斜三角錐型キューブコーナー再帰反射素子がお互いに180°回転した形でその底面が共通面上に最密充填状に並べられた再帰反射シートおよび再帰反射物品について述べられている。この特許に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の光学軸の傾斜は、本明細書に記載するマイナス(−)方向に傾斜しており、その傾斜角は約7°〜13°であることが示されている。
【0019】
さらにまた、スチェッチ(Szczech)の米国特許第5,138,488号においても、同様に薄いシート上に底面の三角形の形状が二等辺三角形である傾斜三角錐型キューブコーナー再帰反射素子をその底面が共通面上に最密充填状となるように並べられた再帰反射シートおよび再帰反射物品が開示されている。この米国特許においては、該三角錐型反射素子の光学軸は、お互いに向き合って対を成す二つの三角錐型反射素子が互いに共有する辺の方向、すなわち後述するプラス(+)方向に傾斜しており、その傾斜角は約2°〜5°であり、素子の大きさが25μm〜100μmであることが規定されている。
【0020】
また、上記特許に対応するヨーロッパ特許第548,280B1においては、光学軸の傾きの方向が、対をなす二つの素子の共通の辺を含みかつ共通平面に垂直な面と素子の頂点との距離が、素子の光学軸が共通平面と交差する点と前記垂直な面との距離に等しくなく、その傾斜角は約2°〜5°であり素子の大きさが25μm〜100μmであることが記載されている。
【0021】
上記の様に、Szczechのヨーロッパ特許第548,280B1おいては、光学軸の傾きがプラス(+)およびマイナス(−)の両方を含む約2〜5°の範囲となっている。しかし、Szczechの上記米国特許およびヨーロッパ特許の実施例には、光学軸の傾斜角度が(−)8.2°、(−)9.2°および(−)4.3°で、素子の高さ(h)が87.5μmの三角錐型反射素子しか開示されていない。
【0022】
上記の4つの特許に示される再帰反射素子はいずれも素子を形成するV字状溝が本発明を説明する図7(a)に示されるような対称形を呈しており,形成される再帰反射素子は本発明を説明する図5および図6に示されるような左右対称形の一対の三角錐型キューブコーナー素子対として得られる。しかしながら,これらの発明においては,入射角特性の改善は得られても観測角特性の改善は達成されない。
【0023】
一方,観測角特性を改善する提案としては,例えば,アッペルドーン(Appeldorn)の米国特許第4,775,219号には,素子を形成するV字状溝が本発明を説明する図7(b)に示されるような非対称形を呈し,キューブコーナーを形成する理論的なV字状溝の角度に対してわずかな偏差を有している。さらに,隣り合うV字状溝との非対称性を与える角度を周期的に変化させることにより,特に観測角特性の改善を試みている。
【0024】
しかしながら,隣り合うV字状溝の角度を周期的に変化させることは金型加工の困難性を増大させるものであった。また,V字状溝を形成するダイアモンドバイトなどの加工工具を一方向に対しても数種類準備する必要があった。さらに,V字状溝を非対称に形成するさいも高精度の加工技術を要した。
【0025】
さらに、ウオルター(Walter)の米国特許第5,171,624号においては、本発明を説明する図7(c)に示されるような曲面状の断面形状を有した加工工具を用いて,2次曲面を有した反射側面を形成した三角詩型再帰反射素子が開示されている。このような,2次曲面を有した反射側面を形成した三角詩型再帰反射素子においては適度の再帰反射光の発散が可能であり観測角特性の改善が得られるが,このような曲面状の断面形状を有した加工工具を作成することは非常に困難であり意図した2次曲面を得ることは困難であった。
【0026】
ニルセン(Nilsen)の米国特許第5,565,151号においては、本発明を説明する図8に示されるような,反射側面(A−B−H)の一部を切り取り,それにより形成した三角柱形状(A−A1−A2−B2−B1−B)の部分と新しい反射側面(A2−H1−B2)とにより再帰反射光の発散を促進して観測角特性の改善を試みている。
【0027】
しかしながら,ニルセンの発明においてはどの様な形状の三角柱形状の設置が好ましいのか,あるいは,新しい反射側面はどのような角度で形成されるのが好ましいかの具体的な記載は少ない。また,反射側面の一部を切り取り三角柱形状の部分を形成するための特殊な工具を必要とする。さらに,新しく形成された三角柱形状の素子は再帰反射機能を有しておらず単に光をさまざまな方向に分散することにより再帰反射光の広がりを得ようとするものである。
【0028】
以上述べたように,従来公知のJungersenの米国特許第2,481,757号;Stammの米国特許第3,712,706号;Hoopmanのヨーロッパ特許第137,736B1;Szczechの米国特許第5,138,488号、ヨーロッパ特許第548,280B1等の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、図6に示されるように、いずれも、光の入射および反射の中核をなす多数の三角錐型反射素子の底面が同一平面上にある点、および、相対峙した一対の素子が相似形の形状をなして、かつ素子の高さが等しいという点で共通しており、かように底面が同一平面にある三角錐型反射素子で構成された再帰反射シートおよび再帰反射物品はいずれも入射角特性が劣り、すなわち光線の該三角錐型反射素子に対する入射角が増大すると、再帰反射輝度が急激に減少するという欠点を有している。
【0029】
また,同じく以上に述べた従来公知のAppeldornの米国特許第4,775,219号;Walterの米国特許第5,171,624号;Nilsenの米国特許第5,565,151号にはさまざまな手法による観測角特性の改善が提案されているが,いずれの発明もツールの作成や金型加工が困難であることなどの欠点を有している。
【0030】
【発明が解決すべき課題】
【0031】
一般に三角錐型キューブコーナー再帰反射シートおよび再帰反射物体に望まれる基本的な光学特性として、高反射性、即ち、該シート正面から入射した再帰反射光の強さ、および、広角性が要求される。さらに,この広角性に関しては、観測角特性、入射角特性、回転角特性の三つの性能が一般的に要求される。
【0032】
本発明の目的は、上記の従来公知の方法によらずに,三方向からの実質的に対称な平行V字状溝群により形成された三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群により形成される再帰反射物品において、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を構成する三つの反射側面は,これら反射側面と該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面と垂直でこれら反射側面の底辺を含む垂直面とがなす半溝角によって、互いに実質的に垂直となる正規反射側面であり、これら三つの正規反射側面の少なくとも一つの反射側面が、底辺が共通の平面と異なる高さにあり半溝角が該正規反射側面と異なる一つ以上の副V字状溝により切取られて形成した副反射側面が設置されている再帰反射素子を形成することにより,簡易な方法で三つの角度特性,特に観測角特性の改善を達成することにある。
【0033】
なお,本発明に言う正規反射側面とはキューブコーナー再帰反射素子において,三つの反射側面が互いに実質的に垂直であるような理論的なキューブコーナー反射側面の関係にあるような反射側面をいう。
【0034】
本発明の他の目的は,三つの正規反射側面の少なくとも一つの正規反射側面が、底辺が共通の平面と異なる高さにあり半溝角が該正規反射側面と異なる一つ以上の副V字状溝により切取られて形成した副反射側面が設置されている再帰反射素子を形成することにより,意図された観測角における再帰反射性能を選択的に改善することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明による三角錐型再帰反射素子の形成に用いる加工機械は,従来公知の加工方法を適宜用いる事が出来る。好ましい加工方法としてはV字状の先端形状を持ったダイアモンド工具を高速で回転させて切削加工するフライカット法,同じくV字状の先端形状を持ったダイアモンド工具を加工素材に押し当てながら切取るルーリング法やシェーバー法と呼ばれる加工方法またはV字状の断面形状を持った円盤状砥石を回転させる研削法などが採用できる。
【0037】
図1には本発明の三角錐型再帰反射素子を形成するのに用いたシェーバー加工機の例を示す。この加工機は図1にMx軸,My軸として示された2方向のスライドテーブル上に設置された回転テーブル(Mb軸),その上に設置されたスライド軸(Mz軸)に設置されたもう一つの回転軸(Mc軸)の下端に設置されたダイアモンド工具により構成されている。加工素材は回転テーブル上に固定されてダイアモンド工具が一定の力で押し付けられ,Mx軸またはMy軸にそって移動させることにより任意の軌跡を描いてV字状の溝が形成される。この際にMz軸の位置を制御することによりV字状の溝の深さをわずかに変化させることが出来る。さらに,本発明のV字状の溝を作成するためにMc軸をわずかに回転させることによりV字状の先端形状を持った工具の投影形状を変化させてV字状の溝の角度を変化させることが出来る。
【0038】
シェーバー加工においては所望の深さにV字状の溝を形成させるには1回の加工深さを例えば1〜10μmとして,所定の深さになるように数回の溝加工を行なう必要がある。この加工中にMx軸またはMy軸にそって移動させることにより直線だけではなく任意の軌跡を描いてV字状の溝が形成される。また,適宜Mz軸によりツールの深さを変化させることによってV字状の溝の深さを変化させることも可能である。
【0039】
フライカット法においても同様なV溝加工法を採用する事が出来,ダイアモンド工具の取り付け角度を変化させることによって工具の投影形状を変化させてV字状の溝の角度を変化させることが出来る。フライカット法においては所望の溝の深さを一度に形成できる利点がある。しかしながら,フライカット法においては直線状の軌跡を描かせることには適しているが,任意の軌跡を精度よく形成するには適さない。
【0040】
図2には本発明の三角錐型再帰反射素子を形成するのに用いたダイアモンドツールの例が示されている。ツールの先端には拡大図に示されているようなV字状の先端形状を持ったダイアモンドが取り付けてあり,V字状の溝の形状はこのダイアモンドの投影形状が反映される。さらに図3の(a)〜(d)にはこのダイアモンドツールの設置角度をさまざまに変化させることによりV字状の先端の投影形状を変化させることによって,形成されるV字状の溝を如何に変化させる事が出来るかを説明している。
【0041】
図3(a)には標準の取り付け方法により対称形のV字状のダイアモンドが対称の位置で取り付けられている。この加工ツールは先述した3つの方向の加工軸により3つの方向に回転させることができる。図3(b)においてはMx軸に沿った回転によりツールをわずかに回転させることにより,V字状の溝の角度を狭くする事が出来る。図3(c)においてはMb軸に沿った回転よりツールをわずかに傾斜させて投影形状を変化させV字状の溝の角度を狭くする事が出来る。この様な変化は通常工具の取り付け角度を変更させることによって達成される。
【0042】
さらに,図3(d)に示された方法においては,ツールをMy軸に沿った方向で左右にわずかに傾斜させて,V字状の溝を非対称に変化させる事が可能である。かかる,V字状の溝の形成は対称形のV字状のツールを用いて左右同時に形成することも出来るが,左右非対称なツールを用いて片側づつ形成してもよい。この方法は左右非対称のV字状の溝形成する際に特に有用である。
【0043】
また,V字状のツールはウオルター(Walter)の米国特許第5,171,624号において示されるような曲面状の断面形状を有した加工工具を用いて,2次曲面を有した反射側面を形成しつつ,三つの正規反射側面の少なくとも一つの正規反射側面が、底辺が共通の平面と異なる高さにあり半溝角が該正規反射側面と異なる一つ以上の副V字状溝により切取られて形成した副反射側面が設置されている再帰反射素子を形成することもできる。この場合には,正規反射側面又は副反射側面のいずれか又は両方が曲面状の断面形状を有することができる。
【0044】
あるいは,直線状のV字状のツールと2次曲面を有した断面形状を有したツールを併せ持って本発明の再帰反射素子を形成することもできる。
【0045】
本発明の再帰反射素子を形成するツールとしては,ダイアモンド,サファイア,各種の切削合金を用いる事ができ,その中でもダイアモンドが特に耐摩耗性,すなわちV字状形状の角度を加工中において一定に保つ上で好ましい。
【0046】
図4には,前記従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群を形成する原理を図示してある。これらの素子群を形成するには,α−β−γ軸で定義されたα−β面に設置された被切削物を,α−β面上の三方向(x,y,z方向)からの実質的に対称な平行V字状溝群により形成することにより達成される。一般的な再帰反射素子においては,三方向のV字状の溝は互いに一点で交差するようにして形成されており,その結果,図5や図6に示されるような三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が対として共通平面上(S−S’面)に,底辺を隣り合う素子の底辺と共有するようにして最密充填の形で形成される。
【0047】
形成される素子の大きさは,図5に示される素子の高さ(h)として代表され,三方向の平行溝群の間隔(ピッチ)により定められる。また,光学軸の傾斜角は底面の三角形の形状,即ち,三方向のV字状の溝が交差する角度により定まる。光学軸の傾斜がない再帰反射素子の交差の角度はx−y,y−z, x−zともに60°であり,光学軸がプラス方向に傾斜する場合はy−zの交差角が60°より小さく,また,光学軸がマイナス方向に傾斜する場合はy−zの交差角が60°より大きくなる。
【0048】
なお,本発明で言う光学軸の傾斜角がプラス,マイナス傾斜素子とは,図5において,頂点H1から下した垂線が共通平面(S−S’)と交差する点(P1)と共通の底辺(AB)の中点(O)までの距離をp,光学軸と共通平面(S−S’)とが交差する点(Q1)と中点(O)との距離をqとしたときに(q−p)がプラスとなるように光学軸が傾斜した素子をプラス傾斜素子といい,マイナスとなるように光学軸が傾斜した素子をマイナス傾斜素子と呼ぶ。また,光学軸が傾斜していない正規素子においては点P1と点Q1は同じ位置にあり(q−p)はゼロである。
【0049】
以下において,さらに詳細に本発明における副反射側面を持つ三角錐型キューブコーナー再帰反射物品を形成する方法に関して図を引用しながら説明を加える。
【0050】
図9には,本発明における三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を構成する三つの反射側面が,これら反射側面と該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面と垂直でこれら反射側面の底辺を含む垂直面とがなす半溝角によって、互いに実質的に垂直となる正規反射側面であり、これら三つの正規反射側面の少なくとも一つの反射側面が、底辺が共通の平面と異なる高さにあり半溝角が該正規反射側面と異なる一つ以上の副V字状溝により切取られて形成した副反射側面が設置されている再帰反射素子を形成するためのV字状の溝を形成する方法が示されている。
【0051】
図9の(a)においては,実質的に同じ角度を持つ左右の半溝角(G1L,G1R)により三つの反射側面が互いに実質的に垂直となるように一方向のV字状の溝が形成されて一つの方向の正規反射側面を形成する。しかる後に,半溝角がdGLおよびdGRだけ小さな半溝角(G2L,G2R)で副V字状溝が,同じ方向で深さがdhだけ深くなるようにして形成されている。その結果,この溝には反射側面が互いに垂直となるような正規反射側面と,その下の部分には正規反射側面を形成する角度とはわずかに異なるような副反射側面が形成されている。
【0052】
図9の(b)においては,異なる角度を持つ左右の半溝角(G1L,G1R)により第1のV次状の溝が形成される。この際に右側の半溝角(G1R)により正規反射側面が形成され,左側の半溝角(G1L)は正規反射側面を形成する角度に対してわずかな偏差を含んで副反射側面を形成する。しかる後に,半溝角がdGLおよびdGRだけ小さな半溝角(G2L,G2R)で副V字状溝が,同じ方向で深さがdhだけ深くなるようにして形成されている。その結果,左側の半溝角(G2R)により正規反射側面が形成され,右側の半溝角(G2L)は正規反射側面を形成する角度に対してわずかな偏差(dGR,
dGL)を含んで副反射側面を形成する。
【0053】
なお,本発明における反射素子においては,上記の副反射側面を形成する方法において,必ずしも両側の面に理論的に正確な正規反射側面を形成する必要はなく,全ての面が正規反射側面を形成する角度に対してわずかな偏差を与えても良い。しかしながら,正面方向への再帰反射性能を保持させるためにはある程度の正規反射側面の面積率が保持されるようにしたほうが好ましい。
【0054】
好ましい正規反射側面の面積率は30%〜80%が例示されるが,目的とする正面方向の再帰反射性能と広角性により適宜選択する事ができる。
【0055】
該再帰反射物品において,互いに実質的に垂直な三つの正規反射側面の少なくとも一つの正規反射側面と副反射側面の半溝角のなす角度は好ましくは0.0001°〜0.1°,より好ましくは0.005°〜0.05°である。0.0001°より小さな角度においては,再帰反射光の広がりが過小となって優れた広角性が改善されず,0.1°より大きな角度においては再帰反射光の広がりが過大となって正面方向の再帰反射性能が低下して好ましくない。
【0056】
該再帰反射物品において,素子を構成する反射面の底辺と 正規反射側面と副反射側面とが交差して形成する縁との高さの差(dh)が,再帰反射素子の高さをhとしたときに,0.1h〜0.9h,より好ましくは,0.3h〜0.7hであることが正面方向の再帰反射性能の達成と広角性を改善する上で好ましい。本発明による底辺とは図11に示される縁(A−B,B−CおよびC−A)を意味し、正規反射側面と副反射側面とが交差して形成する縁とは図11に示される縁(A’−B’,B’−C’およびC’−A’)を意味する。
【0057】
dhが0.1hより小さい場合には正規反射側面の面積率が過大となって広角性が改善されず,0.9hより大きい場合には副反射側面の面積率が過大となって正面方向の再帰反射性能が低下して好ましくない。
【0058】
図10には,上記の方法で形成された副反射側面をもつ三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の平面図と断面図を例示する。図10において,点線で示された仮想的な頂点(H1,H2)をもつ仮想的な三角錐(A−B−C1−H1,A−B−C2−H2)は三つの正規反射側面(A−B−H1,A−C1−H1,B−C1−H1およびA−B−H2,A−C2−H2,B−C2−H2)により形成された正規なキューブコーナー再帰反射素子であり,共通平面(S−S’)上にそれぞれの底辺を隣接した素子の底辺と共有するようにして細密充填状に形成されている。
【0059】
これらの正規なキューブコーナー再帰反射素子は,三方向の第1のV字状の溝よりわずかに角度の大きな第2のV字状の溝(副V字状溝)により正規反射側面の一部を切取られて副反射側面(A1’−B1’−H1’,
A1’−C1’−H1’, B1’−C1’−H1’および A2’−B2’−H2’, A2’−C2’−H2’, B2’−C2’−H2’)が形成されている。また,頂点はH1’およびH2’になり,素子の高さがhからh’と低くなっている。
【0060】
従って、本発明における図10に示された副反射側面を持つ三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は,3つの正規反射側面(A−B−B1’−A1’, B−C1−C1’−B1’, C1−A−A1’−C1’ およびA−B−B2’−A2’,
B−C2−C2’−B2’, C2−A−A2’−C2’)と3つの副反射側面(A1’−B1’−H1’, A1’−C1’−H1’, B1’−C1’−H1’および
A2’−B2’−H2’, A2’−C2’−H2’, B2’−C2’−H2’)より形成されており,底面(A−B−C1およびA−B−C2)は共通平面(S−S’)上にある。
【0061】
図11には上記の図10に示された副反射側面が形成された素子の斜視図が示されている。A’−B’,B’−C’,C’−A’において折れ曲がった反射側面の上方面が正規反射側面であり,下方面が副反射側面を示しているが,本発明においては上下逆の形状でも同様な性能が得られる。あるいは両方が正規反射側面を形成しないような副反射側面であっても良い。
【0062】
また,副反射側面を形成する半溝角の正規反射側面形成角度からの偏差は三方向のV字状の溝がすべておなじであってもよく,三方向がそれぞれ異なった偏差を持っていても良い。また,同じ方向の平行溝群において全ての溝が同じ偏差を持っていても良いが,周期的に変化する偏差を持った平行溝として形成されてもよい。
【0063】
図12においては図10において形成した副反射側面を持つ多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の集合図が示されている。三方向(x’,y’,z’)のいずれの平行溝群にも副反射側面が形成されている。
【0064】
図13にはx’方向のV字状の平行溝群に副反射側面が設置されており,yとz方向の溝には正規反射側面のみが設置されているような態様が示されている。この様な態様においては特にx’方向と直角な方向に対して観測角特性の改善が与えられる。
【0065】
図14には三方向のV字条の平行溝群の1本おきに副反射側面が設置されて,他の溝には副反射側面が設置されていない態様が示されている。この態様においては正規反射側面の面積比率が大きくなるように形成されているために正面方向の再帰反射性能が維持されやすい。
【0066】
前記三角錐型キューブコーナー再帰反射素子母型の作成に好適に用いることのできる基材としては、JIS−Z2244に規定されたビッカース硬さが350以上、特に380以上の金属材料が好ましく、具体的には、例えば、アモルファス銅、電析ニッケル、アルミニウム等を挙げることができ、合金系材料としては、例えば、銅−亜鉛合金(真鍮)、銅−錫−亜鉛合金、ニッケル−コバルト合金、ニッケル−亜鉛合金、アルミニウム合金等を挙げることができる。
【0067】
また前記基材としては、合成樹脂材料の使用も可能であり、切削加工時に軟化して高精度の切削が困難となるなどの不都合が生じにくい等の理由から、そのガラス転移点が150℃以上、特に200℃以上で且つロックウェル硬さ(JIS−Z2245)が70以上、特に75以上の合成樹脂からなる材料であるのが好ましく、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、およびセルローストリアセテート系樹脂等を挙げることができる。
【0068】
得られた凸形状の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子母型は、その表面を電鋳加工を行うことにより金属被膜が形成される。この金属被膜を母型表面から取り外すことにより、本発明の三角錘型コーナーキューブ再帰反射シートおよび再帰反射物体の成形に用いるための金属製金型を作成することができる。前記のようにして加工された金型は,電鋳加工法によって反転された形状として転写されて樹脂成型用の凹形状の金型として供される。
【0069】
電鋳加工は、一般に、例えば、スルファミン酸ニッケル60重量%水溶液中、40℃、電流条件10A/dm2の条件下で行われる。電鋳層の形成速度としては、例えば、0.02mm/時間以下程度とすることにより均一な電鋳層が得られやすく、それ以上の形成速度においては表面の平滑性の欠如や電鋳層の中に欠損部分が生じるなどの不具合が起こりやすい。
【0070】
このようにして再帰反射素子母型から作成した第1世代の電鋳金型は、さらに第2世代の電鋳金型を作成するのに用いる電鋳マスターとして、繰り返し用いることができる。従って、一つの再帰反射素子母型から幾つもの電鋳金型を作成することが可能である。
【0071】
作成された複数個の電鋳金型は、精密に切断された後に、合成樹脂によるマイクロプリズムシートの成形を行うための最終的な金型の大きさまで組み合せ接合して用いることができる。この接合の方法としては、切断端面を精密に切断した後に単に突き合わせる方法や、組み合わせた接合部分を、例えば電子ビーム溶接、YAGレーザー溶接、炭酸ガスレーザー溶接などの方法で溶接する方法などが採用可能である。
【0072】
組み合わされた電鋳金型は、合成樹脂成形用金型として合成樹脂の成形に用いられる。この合成樹脂成形の方法としては圧縮成形や射出成形を採用することができる。
【0073】圧縮成形は、例えば、形成した薄肉状のニッケル電鋳金型、所定の厚さの合成樹脂シートおよびクッション材として厚さ5mm程度のシリコーンゴム製シートを、所定の温度に加熱された圧縮成形プレスに挿入した後、成形圧の10〜20%の圧力下で30秒予熱を行った後、180〜250℃、10〜30kg/cm2程度の条件下で約2分間加熱加圧することにより行うことができる。しかるのち、加圧状態のままで室温まで冷却して圧力を開放することにより、プリズム成形品を得ることが可能である。
【0074】
射出成形は、例えば、上記の方法で形成した肉厚のニッケル電鋳金型を常法に基づいて射出成形金型として、常用の射出成形機を用いて成形することが出来る。その際に、溶融樹脂を金型内に注入する際に可動金型と固定金型を加圧したままにする射出成形法や、可動金型と固定金型を加圧せずにわずかな間隙を開いて溶融樹脂を注入した後に加圧する射出圧縮法が採用できる。この様な方法は特に肉厚の成型品、たとえば、ペーブメントマーカーなどを製造するのに適している。
【0075】
さらに、例えば、上記方法で形成した厚さ約0.5mmの薄肉電鋳金型を、前記溶接法により接合してエンドレスベルト金型を作成し、このベルト金型を加熱ロールと冷却ロールとからなる1対のロール上に設置して回転させ、加熱ロール上にあるベルト金型に、溶融した合成樹脂をシート状の形状で供給し、1個以上のシリコーン製ロールで加圧成形を行った後、冷却ロール上でガラス転移点温度以下に冷却して、ベルト金型から引き剥がすことにより連続したシート状の製品を得ることが可能である。
【0076】
次に本発明のキューブコーナー再帰反射物品および再帰反射物体の好適な構造の一態様について、その断面図である図15を参照しながら説明する。
【0077】
図15において、4は本発明の複合キューブコーナー再帰反射素子(R1、R2)が最密充填状に配置された反射素子層、3は反射素子を保持する保持体層であり、11は光の入射方向である。反射素子層(4)および保持体層(3)は一体(5)であるのが普通であるが、別々の層を積層しても構わない。本発明における再帰反射シートおよび再帰反射物体の使用目的、使用環境に応じて表面保護層(1)、観測者に情報を伝達したり、シートの着色のための印刷層(2)、反射素子層の裏面に水分が侵入するのを防止するための封入密封構造を達成するための結合材層(7)、結合材層(7)を支持する支持体層(8)、および、該再帰反射シートおよび再帰反射物体を他の構造体に貼付するために用いる接着剤層(9)と剥離材層(10)とを設けることができる。
【0078】
印刷層(2)は通常、表面保護層(1)と保持体層(3)の間、あるいは、表面保護層(1)の上や反射素子(4)の反射側面上に設置することが出来、通常グラビア印刷、スクリーン印刷,フレキソ印刷,熱転写印刷,デジタルレーザー印刷,およびインクジェット印刷などの手段により設置可能である。
【0079】
上記反射素子層(4)および保持体層(3)を構成する材料としては本発明の一つの目的である柔軟性を満足するものであれば特に限定されるものではないが、光学的透明性、均一性のあるものが好ましい。本発明において使用し得る材料の例としては、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのオレフィン樹脂、セルロース系樹脂およびウレタン樹脂などを例示できる。また、耐候性を向上する目的で紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などをそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いることが出来る。さらに、着色剤としての各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料および染料、蛍光染料などを含有させることが出来る。
【0080】
表面保護層(1)には再帰反射素子層(4)に用いたのと同じ樹脂を用いることが出来るが耐候性を向上する目的で紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などをそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いることが出来る。さらに、着色剤としての各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料および染料、蛍光染料などを含有させることが出来る。
【0081】
本発明における反射素子層(4)は内部全反射条件を満足する臨界角度を大きくする目的で複合キューブコーナー再帰反射素子背面に空気層(6)を設置するのが一般的である。使用条件下において水分の侵入による臨界角の低下および金属層の腐食などの不具合を防止するために反射素子層(4)と支持体層(8)とは結合剤層(7)によって密封封入されるのが好ましい。
【0082】
この密封封入の方法としては米国特許第3,190,178号、第4,025,159号、日本公開実用新案昭和50−28669号等に示されている方法が採用できる。結合剤層(7)に用いる樹脂としては(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などがあげられ、接合の方法としては公知の熱融着性樹脂接合法、熱硬化性樹脂接合法、紫外線硬化性樹脂接合法、電子線硬化性樹脂接合法などが適宜採用可能である。
【0083】
本発明に用いる結合剤層(7)は支持体層(8)の全面にわたって塗布しうるし、再帰反射素子層との接合部分に印刷法などの方法により選択的に設置することも可能である。
【0084】
支持体層(8)を構成する材料の例としては再帰反射素子層を構成する樹脂や一般のフィルム成形可能な樹脂、繊維、布、ステンレスやアルミニウムなどの金属箔または板をそれぞれ単独または複合して用いることが出来る。
【0085】
本発明の再帰反射シートおよび再帰反射物体を金属板、木板、ガラス板、プラスチック板などに貼付するために用いる接着剤層(9)および該接着剤のための剥離材層(10)は、適宜、公知のものを選択することができる。接着剤としては感圧型接着剤、感熱型接着剤、架橋型接着剤などを適宜選択できる。感圧接着剤としてはブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ノニルアクリレートなどアクリル酸エステルをアクリル酸、酢酸ビニールなどと共重合して得られるポリアクリル酸エステル粘着剤やシリコーン樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤などを用いる事ができる。感熱型接着剤としてはアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系樹脂などを用いる事ができる。
【0086】
次に、本発明のキューブコーナー再帰反射物品および再帰反射物体の他の好適な構造の一態様について、その断面図である図16を参照しながら説明する。
【0087】
図16において、反射素子(4)の素子の表面には金属の鏡面反射層(12)が設置されており、さらに、接着剤層と剥離剤層とが鏡面反射層(12)に直接接触されて積層されている。この態様におけるキューブコーナー再帰反射物品および再帰反射物体は鏡面反射原理で再帰反射するために空気層を必要とせず、したがって、結合剤層と支持体層を必要としない。また、本発明における反射素子(4)の素子の表面に設置された金属の鏡面反射層(12)は素子表面の全域を覆われていてもよく、あるいは、部分的に覆われていてもよい。
【0088】
本発明の三角錐キューブコーナー再帰反射物品および再帰反射物体は、反射素子(4)の表面上に、真空蒸着、化学メッキ、スパッタリングなどの手段を用いて、アルミニウム、銅、銀、ニッケルなどの金属からなる鏡面反射層(12)を設けることができる。鏡面反射層(12)を設ける方法のうち、アルミニウムを用いた真空蒸着法が、蒸着温度を低くすることができるため、蒸着工程における再帰反射素子の熱変形を最小に抑えることができ、また得られる鏡面反射層(12)の色調も最も明るくなるので好ましい。
【0089】
上記アルミニウム鏡面反射層(12)の連続蒸着処理装置は、真空度が7〜9×10−4mmHg程度に維持できる真空容器、その中に設置された基体シートおよびその光入射側表面上に積層された表面保護層の2層からなるプリズム原反シートを繰り出す巻出装置、蒸着処理されたプリズム原反シートを巻き取る巻取装置、並びに、それらの間にあって、黒鉛坩堝中で電熱ヒーターを用いてアルミニウムを溶融させることが可能な加熱装置よりなっている。黒鉛坩堝中には純度が99.99重量%以上の純アルミニウムペレットが投入され、例えば、交流電圧350〜360V、電流が115〜120A、処理速度が30〜70m/分の条件で溶融され、蒸気化されたアルミニウム原子によって再帰反射素子の表面に鏡面反射層(12)を例えば0.8〜2.0μmの厚さで蒸着処理することにより設けることができる。
【0090】
次に,光追跡法コンピュータシュミレーション法により,前記で説明した副反射側面が設置された三角錐型キューブコーナー再帰反射物品の再帰反射性能の挙動を,従来技術における再帰反射物品と比較しつつ説明する。
【0091】
なお,このシュミレーションにおいては所定の形状を有した再帰反射素子群を多数配置した再帰反射素子物品に多数の平行光線をランダムな位置に照射して,再帰反射した光線を入射軸を中心として設置した仮想上のスクリーンでとらえて,スクリーン上の再帰反射光の密度と分布を求めた。
【0092】
図17には,図5で示されたような形状を有する従来公知の三角錐型キューブコーナー素子の再帰反射パターンを示した。用いた素子の形状は高さ(h)が100μm,光学軸の傾斜角度が+7.0°で三つの正規反射側面をもつ素子,即ち,三つの反射側面が互いに直角な素子を最密充填状に配置した再帰反射物品を用いた。
【0093】
シュミレーションより得られた再帰反射パターンは,正面方向の比再帰反射性能が大きな値を示したが,スクリーン上の光の広がりは回折効果にのみ基づくために小さく,観測角特性,即ち,スクリーンの中心から離れた位置での光の強さが弱い。
【0094】
図18には三つの反射側面がなす角度(頂角)がすべて90.1955°である以外は図17に用いた素子と同じ形状を持つ素子を用いた。この様な頂角偏差を持つ素子においては再帰反射した光線は光源,即ちスクリーンの中心には戻らずに分裂した六個のピークに分裂して再帰反射する。分裂したピークの位置は正規反射側面を形成する理論的な角度からの偏差、即ち、頂角偏差の大きさに比例して中心位置から離れる。
【0095】
図18においては中心部への光の再帰反射が起こらず,正面方向の再帰反射が著しく劣っている事がわかる。さらに,再帰反射光のピークが六つに分裂しているため観測者のいる位置,即ち,中心からの方位角によってはやはり再帰反射性能が著しく低下している。
【0096】
図19に示される本発明による副反射側面が設置された再帰反射物品は,図17のシュミレーションに用いた素子に,図14で示される形状で一つの反射側面に面積率30%の頂角偏差が+0.078°,+0.1171°および+0.1955°となる副反射側面を繰り返しのパターンで混合して形成した再帰反射物品を用いた。
【0097】
図19に示される本発明による副反射側面が設置された再帰反射物品においては,再帰反射光線が全ての方位角において適度な広がりを持って再帰反射しており,優れた観測角特性が得られている事がわかる。
【0098】
【発明の効果】
【0099】
本発明の効果は、上記の従来公知の方法によらずに,三方向からの実質的に対称な平行V字状溝群により形成された三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群により形成される再帰反射物品において、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を構成する三つの反射側面は,これら反射側面と該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面と垂直でこれら反射側面の底辺を含む垂直面とがなす半溝角によって、互いに実質的に垂直となる正規反射側面であり、これら三つの正規反射側面の少なくとも一つの反射側面が、底辺が共通の平面と異なる高さにあり半溝角が該正規反射側面と異なる一つ以上の副V字状溝により切取られて形成した副反射側面が設置されている再帰反射素子を形成することにより,簡易な方法で三つの角度特性,特に観測角特性の改善を達成することにある。
【0100】
本発明における副反射側面は,意図された程度の再帰反射光の広がりを達成する事ができ,従来困難であった観測角特性の改善を達成する事ができる。さらに,選択的に副反射側面の設置する方向を選択することにより,特定の方向に再帰反射光の広がりを与える事ができるために,特定の方向,たとえば,運転者のいる方向に選択的に観測角特性を改善することもできる。
【0101】
【実施例】
以下、実施例により本発明の詳細を更に具体的に説明するが、本発明は実施例にのみ限定されるものでないことはいうまでもない。
【0102】
<再帰反射係数>
実施例をはじめ本明細書に記載の再帰反射係数は以下で述べる方法で測定されたものである。再帰反射係数測定器として、ガンマーサイエンティフィック社製「モデル920」を用い100mm×100mmの再帰反射シートの再帰反射係数をASTM E810−91に準じて、観測角0.2°、1.0°、入射角5°、10°、20°、30°の角度条件で、適宜の5個所について測定し、その平均値をもって再帰反射シートの再帰反射係数とした。
【0103】
<比較例1>
図5で示されたような形状を有する従来公知の三角錐型キューブコーナー素子を作成した。用いた素子の形状は高さ(h)が100μm,光学軸の傾斜角度が+7.0°で三つの正規反射側面をもつ素子,即ち,三つの反射側面が互いに直角な素子を最密充填状に配置した再帰反射物品を用いた。この様な形状の金型をフライカット法によって真鍮製の金型に形成した後に,電鋳法を用いて凹形状の成形金型を作成し,厚さ200μmのポリカーボネートシート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン H3000」)を用いて圧縮成形によって従来公知の再帰反射物品を比較品1として作成した。
【0104】
なお,上記比較品1の金型を作成するのに用いた理論的な加工パラメーターは以下の通りであった。
素子高さ:100μm
光学軸の傾斜角:+7.0°
x方向の対称形V字状溝の角度:56.5288°
y,z方向の対称形V字状溝の角度:77.0417°
x方向の対称形V字状溝のピッチ:239.76125°
y,z方向の対称形V字状溝のピッチ:205.22636°
x−y溝の交錯角度:64.6605°
y−z溝の交錯角度:50.6790°
z−x溝の交錯角度:64.6605°
【0105】
<比較例2>
比較品2としては,三つの反射側面がなす角度(頂角)がすべて90.1955°となるようにV字状の溝の角度を正規反射側面となる角度に偏差を与えて作成した以外は比較品1に用いた素子と同じ形状を持つ素子を用いた。
【0106】
<実施例1>
本発明の副反射側面を有する再帰反射物品(発明品1)は,図12に示されるような三方向のV字状溝の全ての溝が副V字状溝によって副反射側面が形成されている。副反射側面を形成される前の素子の形状は比較品1と同じく素子高さが100μm,光学軸の傾斜角が+7.0°である。
【0107】
しかる後に,元の素子の高さの半分(50μm)で副反射側面が切取られるように、即ちdh=0.5hとなる位置で、副V字状溝を正規反射側面を形成したV字状溝よりも浅い位置で,また,三つの副反射側面を形成する半溝角がすべて0.02°だけ正規反射側面を形成する半溝角より大きくなるように偏差を与えて切取った。
【0108】
この様な形状の金型をフライカット法によって真鍮製の金型に形成した後に,電鋳法を用いて凹形状の成形金型を作成し,厚さ200μmのポリカーボネートシート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン H3000」)を用いて圧縮成形によって従来公知の再帰反射物品を発明品1として作成した。
【0109】
<測定結果>
上記の比較品1,比較品2および発明品1の再帰反射係数を測定し、以下の値を得た。
【0110】
各測定値は、順に観測角0.2°の入射角5°、10°、20°、30°、観測角1°の入射角5°、10°、20°、30°のものである。
比較品1 820、638、562、320、169、130、119、117。
比較品2 313、213、159、105、245、198、154、119。
発明品1 493、448、373、293、291、246、212、167。
【0111】
発明品1の観測角1.0°における再帰反射係数は比較品1,2にくらべて大きな値を示しており,観測角特性が著しく優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】再帰反射素子の形成に用いる加工機械
【図2】再帰反射素子の形成に用いる加工ツール
【図3】再帰反射素子の形成に用いる加工ツールの取付け方法
【図4】再帰反射素子の形成に用いる加工方法を説明する図
【図5】従来技術による再帰反射素子対の図
【図6】従来技術による再帰反射素子の斜視図
【図7】従来技術によるV字状溝の断面図
【図8】従来技術による再帰反射素子の斜視図
【図9】本発明によるV字状溝の断面図
【図10】本発明による再帰反射素子対の図
【図11】本発明による再帰反射素子の斜視図
【図12】本発明による再帰反射素子群の平面図
【図13】本発明による再帰反射素子群の平面図
【図14】本発明による再帰反射素子群の平面図
【図15】本発明による再帰反射素子群の断面図
【図16】本発明による再帰反射素子群の断面図
【図17】従来技術による再帰反射素子のシュミレーション
【図18】従来技術による再帰反射素子のシュミレーション
【図19】本発明による再帰反射素子のシュミレーション
【符号の説明】
1 表面保護層
2 印刷層
3 保持体層
4 反射素子層
5 保持体層+反射素子層
6 空気層
7 結合剤層
8 支持体層
9 接着剤層
10 剥離材層
11 入射光
12 鏡面反射層
Claims (7)
- 三方向からの実質的に対称な平行V字状溝群により形成された三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群により形成される再帰反射物品において、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を構成する三つの反射側面は,これら反射側面と該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面と垂直でこれら反射側面の底辺を含む垂直面とがなす半溝角によって定められる互いに実質的に垂直な正規反射側面であり、これら三つの正規反射側面の少なくとも一つの正規反射側面が、底辺が共通の平面と異なる高さにあり半溝角が該正規反射側面と異なる一つ以上の副V字状溝により切取られて形成された副反射側面設置されている再帰反射素子を含んでいることを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該再帰反射物品において,互いに実質的に垂直な三つの正規反射側面の少なくとも一つの正規反射側面と副反射側面の半溝角のなす角度が0.0001°〜0.1°である請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該再帰反射物品において,互いに実質的に垂直な三つの正規反射側面の少なくとも一つの正規反射側面と副反射側面の半溝角のなす角度が0.005°〜0.05°である請求項2に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該再帰反射物品において,素子を構成する反射面の底辺と 正規反射側面と副反射側面とが交差して形成する縁との高さの差(dh)が,再帰反射素子の高さをhとしたときに,0.1h〜0.9hであることを特徴とする請求項1〜3に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該再帰反射物品において,素子を構成する反射面の底辺と 正規反射側面と副反射側面とが交差して形成する縁との高さの差(dh)が,再帰反射素子の高さをhとしたときに,0.3h〜0.7hであることを特徴とする請求項1〜4に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該再帰反射物品において,V字状溝が形成された向合う一対の反射側面を構成する一対の正規反射側面または副反射側面の半溝角が異なることを特徴とする請求項1〜5に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該再帰反射物品において,V字状溝が形成された向合う一対の反射側面を構成する一対の正規反射側面または副反射側面の半溝角が0.0001°〜0.1°異なることを特徴とする請求項1〜6に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
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