JPH11305017A - 三角錐型キユーブコーナー再帰反射シート - Google Patents

三角錐型キユーブコーナー再帰反射シート

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JPH11305017A
JPH11305017A JP12829198A JP12829198A JPH11305017A JP H11305017 A JPH11305017 A JP H11305017A JP 12829198 A JP12829198 A JP 12829198A JP 12829198 A JP12829198 A JP 12829198A JP H11305017 A JPH11305017 A JP H11305017A
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育夫 三村
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    • G02B5/12Reflex reflectors
    • G02B5/122Reflex reflectors cube corner, trihedral or triple reflector type
    • G02B5/124Reflex reflectors cube corner, trihedral or triple reflector type plural reflecting elements forming part of a unitary plate or sheet

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三角錐型キューブコーナー再帰反射シートに
望まれる光学特性である、高輝度性及び、観測角特性、
入射角特性、回転角特性等の広角性の改善。 【解決手段】 互いに直角に交差する3つの傾斜面を有
する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、互い
に、その一つの底辺(x)を共有して、相対峙して、基
盤上に最密充填状に配置されており、それぞれ、相対峙
する二つの該三角錐型再帰反射素子は、その共有する底
辺(x,x・・・)の中点を通り、多数の該底辺(x,x・
・・)を含む平面(S−S’)に垂直な線を中心にして1
80度回転して、それぞれ実質的に対称となるように向
き合って、実質的に同一形状の三角錐型再帰反射素子対
を形成しており、3つの内角rx、ry及びrzがそれぞ
れ実質的に異なることを特徴とする三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な構造の三角錐
型キューブコーナー再帰反射シートに関する。より詳し
くは、本発明は新規な構造の三角錐型再帰反射素子が最
密充填状に配置された新規のキューブコーナー再帰反射
シートに関する。詳しくは、本発明は、道路標識、工事
標識等の標識類、自動車、オートバイ等の車両のナンバ
ープレート類、衣料、救命具等の安全資材類、看板等の
マーキング、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型
センサー類の反射板等において有用な三角錐型キューブ
コーナー再帰反射素子(以下、三角錐型再帰反射素子又
は単に反射素子ともいう)によって構成されるキューブ
コーナー再帰反射シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、入射した光を光源に向かって反射
する再帰反射シートはよく知られており、その再帰反射
性を利用した該シートは上記のごとき利用分野で広く利
用されている。中でも三角錐型再帰反射素子などのキュ
ーブコーナー再帰反射素子の再帰反射原理を利用したキ
ューブコーナー再帰反射シートは、従来のマイクロ硝子
球を用いた再帰反射シートに比べ光の再帰反射効率が格
段に優れており、その優れた再帰反射性能により年々用
途が拡大しつつある。
【0003】しかしながら従来公知の三角錐型再帰反射
素子は、その反射原理から反射素子の持つ光学軸(三角
錐型キューブコーナー再帰反射素子を構成する互いに90
゜の角度で交差する3個の面から等しい距離にある該三
角錐の頂点を通る軸)と入射光線とがなす角度(以下こ
れを入射角という)が小さい角度の範囲では良好な再帰
反射効率を示すが、入射角が大きくなるに連れて再帰反
射効率は急激に低下する(すなわち入射角特性が劣
る)。また、その三角錐型再帰反射素子を構成する透明
媒体の屈折率と空気の屈折率との比によって定まる内部
全反射条件を満足する臨界角度 (αc)未満の角度で三
角錐型再帰反射素子面に入射した光源は、該反射素子の
界面で全反射することなく、該反射素子の背面に透過す
るために、三角錐型再帰反射素子を用いる再帰反射シー
トは、一般に入射角特性が劣るという欠点があった。
【0004】他方、三角錐型再帰反射素子は、該反射素
子のほぼ全面にわたって光の入射した方向に光を反射さ
せることができるために、マイクロ硝子球型反射素子の
ように球面収差などの原因によって反射光が広い角度に
発散して反射することはない。しかしながら、反射光の
この狭い発散角度は実用面においては、例えば自動車の
ヘッドランプから発せられた光が交通標識で再帰反射し
たとき、その光軸から離れた位置にいる例えば運転者の
目には達しにくいという不都合が生じ易い。このような
不都合は、特に自動車と交通標識との距離が近接したと
きに、光線の入射軸と運転者と反射点とを結ぶ軸(観測
軸)とがなす角度(観測角)が増大するためにますます
増大する(すなわち観測角特性が劣る)。
【0005】このようなキューブコーナー再帰反射シー
ト、特に三角錐型キューブコーナー再帰反射シートに関
しては、古くから多くの提案が知られており、種々の改
良検討がなされている。例えば、ユンゲルセン(Junger
sen)の米国特許第2,481,757号においては、薄いシート
の上に様々な形の再帰反射素子を設置してなる再帰反射
シートおよびそれらシートの製造方法について述べられ
ている。上記米国特許に例示されている三角錐型再帰反
射素子は、頂点を平面三角形の中心に位置した光学軸の
傾斜のない三角錐型再帰反射素子や、頂点の位置が平面
三角形の中心に位置していない光学軸の傾斜した三角錐
型再帰反射素子が例示されており、接近してくる自動車
に対して効率的に光を反射させることが記載されてい
る。また、三角錐型再帰反射素子の大きさとしては、反
射素子の深さとして1/10インチ(2,540μm)以内であ
ることが記載されている。さらに、この該米国特許のFi
g 15には、光学軸が垂直面に対しプラス(+)となる方
向に傾斜している三角錐型再帰反射素子対が図示されて
おり、その光学軸の傾斜角(θ)は、図示されている三
角錐型再帰反射素子の平面三角形の長辺と短辺の長さの
比率から求めると、約6.5゜であると推定される。
【0006】しかしながら、上記 Jungersen の米国特
許には、本発明に示されるような極めて小さい三角錐型
再帰反射素子についての具体的な開示は存在せず、ま
た、優れた観測角特性や入射角特性を与えるために、三
角錐型再帰反射素子がどのような大きさ及び光学軸傾斜
を有することが必要かなどについては何ら記載もされて
いない。
【0007】なお本明細書において、「光学軸がプラス
(+)となる方向に傾斜している」とは、後に詳述する
ように、本発明において特定する、一つの底辺(x)を
共有して、相対峙する二つの該三角錐型再帰反射素子の
共有する底辺(x,x・・・)を含む平面を平面(S−
S’)とした場合に、三角錐型再帰反射素子の頂点を通
る光学軸と該三角錐型再帰反射素子の平面(S−S')
との交点(Q)から、該反射素子対が共有する底辺
(x、x、・・・・)までの距離(q)〔これは交点(Q)
から、該反射素子対が共有する底辺(x、x、・・・・)を
含む該平面(S−S')に垂直な垂直面(Lx)までの距
離と同じ〕と、該反射素子の頂点から平面(S−S')
に下された垂線と該平面(S−S')との交点(P)か
ら該反射素子対が共有する底辺(x、x、・・・・)までの
距離(p)〔これは交点(P)から底辺(x、x、・・・
・)を含む該平面(S−S')に垂直な垂直面(Lx)ま
での距離と同じ〕との差(q−p)がプラス(+)とな
るような方向に光学軸が上記垂直面(Lx)に対して傾
いていることを意味するものとする。また逆に、(q−
p)がマイナス(−)となるような方向に光学軸が傾い
ているときには、以降「光学軸が上記垂直面(Lx)に
対してマイナス(−)となる方向に傾斜している」と表
わすものとする。
【0008】また、スタム(Stamm)の米国特許第3,71
2,706号においては薄いシート上に平面の三角形の形状
が正三角形である、所謂、正三角錐型キューブコーナー
再帰反射素子を、その底面が共通面上に最密充填状とな
るように並べられた再帰反射シートについて述べられて
いる。この Stamm の米国特許では、反射素子の反射面
を、例えばアルミニウムなどの金属で蒸着処理を行って
鏡面反射させることにより、入射角の増大に伴なう再帰
反射効率の低下という問題や、内部全反射条件未満の角
度で入射した光が反射素子の界面を透過してしまい再帰
反射しないと言う欠点の改善を行っている。
【0009】しかしながら上記 Stamm の提案では、広
角性の改善手段として鏡面反射原理を採用しているため
に、得られる再帰反射シートの外観が暗くなったり、鏡
面層に採用されているアルミニウム、銀などの金属が使
用中に水や空気の浸入により酸化されてしまい、反射輝
度の低下を起しがちであるなどの欠陥を起しやすい。さ
らに、光学軸の傾斜により広角性を改善する手段に関し
てはまったく記載されていない。
【0010】さらに、ホープマン(Hoopman)のヨーロ
ッパ特許第137,736B1号においては、薄いシート上に、
底面の三角形の形状が二等辺三角形である傾斜三角錐型
キューブコーナー再帰反射素子が、その底面が共通面上
に最密充填状となるように並べられた再帰反射シートに
ついて述べられている。この特許に記載の三角錐型キュ
ーブコーナー再帰反射素子の光学軸の傾斜は、マイナス
(−)方向に傾斜しており、その傾斜角は約7゜〜13゜で
あることが示されている。
【0011】さらにまた、スチェッチ(Szczech)の米
国特許第5,138,488号においても、同様に薄いシート上
に、底面の三角形の形状が二等辺三角形である傾斜三角
錐型キューブコーナー再帰反射素子が、その底面が共通
面上に最密充填状となるように並べられた再帰反射シー
トについて開示されている。この米国特許においては、
該三角錐型再帰反射素子の光学軸は、お互いに向き合っ
て対を成す二つの三角錐型再帰反射素子が互いに共有す
る辺の方向に傾斜しており、その傾斜角は約2゜〜5゜で
あり、反射素子の大きさが25μmから100μmであること
が規定されている。
【0012】また、上記特許に対応するヨーロッパ特許
第548,280B1号においては、光学軸の傾きの方向が、対
をなす二つの反射素子の共通の辺を含みかつ共通平面に
垂直な面と反射素子の頂点との距離が、反射素子の光学
軸が共通平面と交差する点と該垂直な面との距離に等し
くなく、その傾斜角は約2゜〜5゜であり、反射素子の大
きさが25μmから100μmであることが記載されている。
【0013】上記の様に、Szczech のヨーロッパ特許第
548,280B1号においては、光学軸の傾きがプラス(+)
及びマイナス(−)の両方を含む約2゜〜5゜の範囲とな
っている。しかし、Szczech の上記米国特許及びヨーロ
ッパ特許の実施例には、光学軸の傾斜角度が(−)8.2゜、
(−)9.2゜及び(−)4.3゜で、反射素子の高さ(hs)が8
7.5μmの三角錐型再帰反射素子しか具体的には開示され
ていない。
【0014】以上述べた従来公知の Jungersen の米国
特許第2,481,757号; Stamm の米国特許第3,712,706
号;Hoopman のヨーロッパ特許第137,736B1号;Szczech
の米国特許第5,138,488号、ヨーロッパ特許第548,280B
1号等の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、い
ずれも、光の入射及び反射の中核をなす多数の三角錐型
再帰反射素子の3つの底辺が形成する三角形の少なくと
もいずれか2つの内角が等しい点で共通しており、かよ
うに3つの底辺が形成する三角形の少なくともいずれか
2つの内角が等しい三角錐型再帰反射素子で構成された
再帰反射シートは、いずれも入射角特性が劣る、すなわ
ち光線の該三角錐型再帰反射素子に対する入射角が増大
すると、再帰反射輝度が急激に減少するという欠点を有
している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一般に三角錐型キュー
ブコーナー再帰反射シートに望まれる基本的な光学特性
として、高輝度性、すなわち、該シート正面から入射し
た光の反射輝度に代表される反射輝度の高さ(大き
さ)、及び、広角性が要求され、さらに広角性に関して
は、観測角特性、入射角特性、回転角特性の三性能が要
求される。
【0016】前述したとおり、従来公知の三角錐型キュ
ーブコーナー再帰反射素子から構成された再帰反射シー
トは、いずれも、入射角特性が低くかつ概して観測角特
性も満足すべきものではなかったのに対して、本発明者
等は、光追跡シュミレーションにより、互いに対称の位
置に設けられている該三角錐型再帰反射素子が共有する
一底辺(x,x・・・)の平面(X−X’)から該反射素
子の頂点(H1,H2)までの高さ(h’)を、該三角錐
型再帰反射素子の前記の共有する一底辺を一辺として有
するc面と実質的に直角に交差する2面(a面、b面)
の底辺(z,w)を包含する面(Z−Z’)から該反射
素子の頂点までの高さ(h)より実質的に大とすること
により、かような三角錐型再帰反射素子から構成された
三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの入射角特性
を改善することができることを発見し、特許出願を行っ
た。(特願平8−295907)
【0017】さらに、本発明者らは、引き続き光追跡シ
ミュレーションによる検討を継続して、相対峙する2つ
の該三角錐型再帰反射素子の三角形状の共有する底辺
(x,x・・・)を一辺として有する傾斜面(c1面,c2
面)の底辺(x,x・・・)を含む該第1の平面(X−
X’)から、該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1
2)までの高さ(h’)が、該三角錐型再帰反射素子
の他の傾斜面(a1面,b1面,a2面,b2面)の底辺
(z,w)を包含する実質的に水平の第2の底面(Z−
Z’)から、該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1
2)までの高さ(h)よりも実質的に小となるように
することによっても、このような三角錐型再帰反射素子
から構成された三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
トの入射角特性を改善することができることを発見し
て、特許出願を行った。(特願平9−330836)
【0018】本発明者らは、さらに検討を継続した結
果、相対峙する三角錐型再帰反射素子が共有する底辺
(x,x・・・)上を通り、かつ該底辺(x,x・・・)を含
む平面(S−S’)に垂直な垂直面を垂直面(Lx,Lx
・・・)とし、該三角錐型再帰反射素子の他の2つの底辺
(y,y・・・)及び(z,z・・・)上を通り、該平面(S
−S’)に垂直な2つの垂直面をそれぞれ垂直面
(Ly,Ly・・・)及び垂直面(Lz,Lz・・・)とし、かつ (1)垂直面(Ly)と垂直面(Lz)とがなす内角をrx (2)垂直面(Lz)と垂直面(Lx)とがなす内角をry (3)垂直面(Ly)と垂直面(Lx)とがなす内角をrz とした場合、3つの内角rx、ry及びrzをそれぞれ実
質的に異なる値(角度)とすることにより、かような三
角錐型再帰反射素子から構成された再帰反射シートの入
射角特性を改善することができることを発見した。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、より詳細に
は、互いに直角に交差する3つの傾斜面を有する三角錐
型キューブコーナー再帰反射素子が、互いに、その一つ
の底辺(x)を共有して、相対峙して、基盤上に最密充
填状に配置されており、それぞれ、相対峙する二つの該
三角錐型再帰反射素子は、その共有する底辺(x,x・・
・)の中点を通り、該底辺(x,x・・・)を含む平面(S
−S’)に垂直な線を中心にして180度回転して、そ
れぞれ実質的に対称となるように向き合って、実質的に
同一形状の三角錐型再帰反射素子対を形成しており、か
つ該三角錐型再帰反射素子の底辺(x,x・・・)上を通
り、該平面(S−S’)に垂直な垂直面を垂直面
(Lx,Lx・・・)とし、該三角錐型再帰反射素子の他の
2つの底辺(y,y・・・)及び(z,z・・・)を通り、該
平面(S−S’)に垂直な2つの垂直面をそれぞれ垂直
面(Ly,Ly・・・)及び垂直面(Lz,Lz・・・)とし、か
つ (1)垂直面(Ly)と垂直面(Lz)とがなす内角をrx (2)垂直面(Lz)と垂直面(Lx)とがなす内角をry (3)垂直面(Ly)と垂直面(Lx)とがなす内角をrz とした場合、3つの内角rx、ry及びrzがそれぞれ実
質的に異なることを特徴とする三角錐型キューブコーナ
ー再帰反射シートである。
【0020】本発明のさらに好適な三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シートは、該三角錐型再帰反射素子の3
つの内角rx、ry及びrzが、それぞれ、実質的に異な
り、かつ、該3つの内角rx、ry及びrzの最大の内角
を内角rmaxとすると、該内角rmaxが 63゜≦ rmax ≦88゜ である三角錐型キューブコーナー再帰反射シートであ
る。本発明のさらに好適な三角錐型キューブコーナー再
帰反射シートは、該三角錐型再帰反射素子の3つの内角
x、ry及びrzが、それぞれ、実質的に異なり、かつ
該3つの内角rx、ry及びrzを三角座標で表した場合
に、(rx/180゜,ry/180゜,rz/180゜)が(0.49
2,0.242,0.266)、(0.492,0.042,0.466)及び(0.
358,0.308,0.333)で囲まれた第1領域、(0.267,0.
242,0.491)、(0.467,0.042,0.491)及び(0.333,
0.308,0.358)で囲まれた第2領域、(0.242,0.267,
0.491)、(0.019,0.467,0.514)及び(0.317,334,
0.350)で囲まれた第3領域、(0.242,0.492,0.26
6)、(0.019,0.492,0.489)及び(0.317,0.358,0.
325)で囲まれた第4領域、(0.267,0.492,0.241)、
(0.467,0.492,0.041)及び(0.333,0.358,0.308)
で囲まれた第5領域、及び(0.492,0.267,0.241)、
(0.492,0.467,0.041)及び(0.358,0.334,0.308)
で囲まれた第6領域、のいずれかの領域に存在する三角
錐型キューブコーナー再帰反射シートである。
【0021】本発明のさらに好適な三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シートは、多数の、相対峙する二つの三
角錐型再帰反射素子の共有する多数の底辺(x,x・・
・)を含む平面を平面(S−S’)とし、多数の該三角
錐型再帰反射素子の他の多数の底辺をそれぞ底辺(y,
y・・・)及び底辺(z,z・・・)とし、かつ、多数の底辺
(y,y・・・)を含む平面を平面(T−T’)及び多数
の底辺(z,z・・・)を含む平面を平面(U−U’)と
した場合に、平面(S−S’)と、平面(T−T’)
と、平面(U−U’)とが実質的に同一の平面をなすこ
とを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
トである。
【0022】本発明のさらに好適な三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シートは、多数の、相対峙する二つの三
角錐型反射素子の共有する多数の底辺(x,x・・・)を
含む平面(S−S’)から該三角錐型再帰反射素子の頂
点(H1,H2)までの高さをhsとし、該三角錐型再帰
反射素子の他の一方の底辺(y,y・・・)を含む平面
(T−T’)から該三角錐型再帰反射素子の頂点
(H1,H2)までの高さをhtとし、かつ該三角錐型再
帰反射素子のさらに他の底辺(z,z・・・)を含む平面
(U−U’)から該三角錐型再帰反射素子の頂点
(H1,H2)までの高さをhuとした場合に、hsが、h
t及びhuよりも実質的に大である三角錐型キューブコー
ナー再帰反射シートである。
【0023】本発明のさらに好適な三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シートは、上記hsとhtとhuがそれぞ
れ実質的に相違し、hsが、ht及びhuよりも実質的に
大である請求項5に記載の三角錐型キューブコーナー再
帰反射シートである。本発明のさらに好適な三角錐型キ
ューブコーナー再帰反射シートは、該三角錐型再帰反射
素子の頂点(H1、H2)から平面(S−S')に下され
た垂線と該平面(S−S')との交点(P)から該素子
対が共有する底辺(x、x、....)までの距離(p)
と、該三角錐型反射素子の光学軸と該平面(S−S')
との交点(Q)から該素子対が共有する底辺(x、
x、....)までの距離(q)との差(q−p)がプラス
(+)となるような方向に該光学軸が前記垂直面(L
x,Lx・・・)と4゜〜12゜の角度をなすように傾いてい
る三角錐型キューブコーナー再帰反射シートである。
【0024】本発明のさらに好適な三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シートは、上記hsが、ht及びhuより
も実質的に小である三角錐型キューブコーナー再帰反射
シートである。本発明のさらに好適な三角錐型キューブ
コーナー再帰反射シートは、上記hsとhtとhuがそれ
ぞれ実質的に相違し、hsが、ht及びhuよりも実質的
に小である三角錐型キューブコーナー再帰反射シートで
ある。
【0025】本発明のさらに好適な三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シートは、該三角錐型再帰反射素子の頂
点(H1、H2)から平面(S−S')に下された垂線と
平面(S−S')との交点(P)から該素子対が共有す
る底辺(x、x、....)までの距離(p)と、該三角錐
型反射素子の光学軸と該平面(S−S')との交点
(Q)から該素子対が共有する底辺(x、x、....)ま
での距離(q)との差(q−p)がマイナス(−)とな
るような方向に該光学軸が前記垂直面(Lx,Lx・・
・)と4゜〜12゜の角度をなすように傾いている三角錐型
キューブコーナー再帰反射シートである。
【0026】本発明のさらに好適な三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シートは、上記hsとhtとhuがそれぞ
れ実質的に相違し、該hs、ht及びhuの最も大である
ものをhmaxとし、最も小であるものをhminとし、残り
のものをhmidとした場合に、 1.05 < hmax/hmid < 1.5 1.05 < hmid/hmin < 1.5 である三角錐型キューブコーナー再帰反射シートであ
る。本発明のさらに好適な三角錐型キューブコーナー再
帰反射シートは、上記hs、ht及びhuがいずれも50μ
以上であり、かつ400μ以下である三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射シートである。
【0027】また、本発明の三角錐型キューブコーナー
再帰反射シートを作成するための母型の製造方法は、母
型基盤上に、一定の繰り返しピッチで平行な多数のV字
上の溝をそれぞれ異なるx方向、y方向及びz方向の3
方向に切削し、この際、該3方向のy方向の溝とz方向
の溝の交差角度をrx、x方向の溝とz方向の溝の交差
角度をry、x方向の溝とy方向の溝の交差角度をrz
した場合、3つの交差角度rx、ry及びrzがそれぞれ
実質的に異なる方向に該x方向、y方向及びz方向を定
めて、該3方向にそれぞれ多数の該V字状の溝を切削す
ることにより、互いに直角に交差する3つの傾斜面
(a,b,c)を有する三角錐型キューブコーナー素子
が、互いに、その一つの底辺(x)を共有して、相対峙
して、基盤上に最密充填状に配置され、それぞれ、相対
峙する二つの該三角錐型キューブコーナー素子は、その
共有する底辺(x,x・・・)の中点を通り、多数の該底
辺(x,x・・・)を含む平面(S−S’)に垂直な線を
中心にして180度回転して、それぞれ実質的に対称と
なるように向き合って、実質的に同一形状の一対の三角
錐型キューブコーナー素子を形成しており、かつ各三角
錐型キューブコーナー素子の3つの頂角に対応する該r
x、ry及びyzがそれぞれ実質的に異なる三角錐型キュ
ーブコーナー素子が多数配置されていることを特徴とす
る三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作成する
ための母型の製造方法である。
【0028】本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反
射シートを作成するための母型の製造方法は、該x方向
の溝の深さをvx、y方向の溝の深さをvy、z方向の溝
の深さをvzとした場合、vx、vy及びvzが実質的に等
しくなるように該3方向に該溝を切削する三角錐型キュ
ーブコーナー再帰反射シートを作成するための母型の製
造方法である。本発明の三角錐型キューブコーナー再帰
反射シートを作成するための母型の製造方法は、上記v
xが、vy及びvzよりも実質的に大となるように該3方
向に該溝を切削するである三角錐型キューブコーナー再
帰反射シートを作成するための母型の製造方法である。
【0029】本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反
射シートを作成するための母型の製造方法は、上記vx
が、vy及びvzよりも実質的に小となるように該3方向
に該溝を切削するである三角錐型キューブコーナー再帰
反射シートを作成するための母型の製造方法である。本
発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作成
するための母型の製造方法は、上記vx、vy及びvz
それぞれ実質的に相違するように該3方向に該溝を切削
する三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作成す
るための母型の製造方法である。
【0030】以下本発明を適宜図面を参照しつつさらに
詳細に説明する。本発明を説明する前に、まず従来公知
の技術について説明する。図1〜図4には、本発明の三
角錐型キューブコーナー再帰反射シートを構成する三角
錐型再帰反射素子と対比するために、従来技術に基づく
三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを構成する三
角錐型再帰反射素子を示した。
【0031】図1及び図2は、前記Jungersen の米国特
許第2,481,757号(以下Jungersen特許という 。)に記
載された三角錐型再帰反射素子(以下、Jungersen 再帰
反射素子という。)について説明した図である。図1
(イ)及び(ロ)はJungersen特許に記載されたFig15及び
Fig17を拡大して示したものであり、図2(イ)及(ロ)
は、それぞれ該Fig15及び17に示された三角錐型再帰反
射素子群中の1組の三角錐型再帰反射素子対の平面図及
び断面図である。
【0032】図1(イ)及び(ロ)においては、図2
(ロ)で示された三角錐型再帰反射素子の共通の底面
(以下共通底面(W)という。)上に突出した三角錐型
再帰反射素子が、該共通底面(W)上に最密充填状に配
置されている。
【0033】また、図2(イ)及び(ロ)において、三角
錐型再帰反射素子対は、上記平面(W−W’)に含まれ
る底辺(A−B),底辺(B−C1)及び底辺(A−
1)と稜(H1−A),稜(H1−B)及び稜(H1−C
1)で画定される三角錐型再帰反射素子(R1)と、該平
面(W−W’)に含まれる辺(A−B),辺(B−
2)及び辺(A−C2)と稜(H2−A),稜(H2
B)及び稜(H2−C2)で画定される三角錐型再帰反射
素子(R2)とからなり、該三角錐型再帰反射素子
(R1)と三角錐型再帰反射素子(R2)とは、辺(A−
B)を含み、且つ該平面(W−W’)に垂直な垂直面
(Lx)を対称面として対称となっている。なお、図2
(ロ)は、図2(イ)に示されている三角錐型再帰反射素
子対を稜(H1−C1)及び稜(H2−C2)を含み、且つ
上記平面(W−W’)に垂直な面で切断した該三角錐型
再帰反射素子対の断面図である。
【0034】上記三角錐型再帰反射素子対(R1,R2
を構成する2つの三角錐型再帰反射素子(R1,R2)の
各底面の三角形(A−B−C1,A−B−C2で示され
る)は二等辺三角形であり、内角ryは内角rzと等し
く、内角rxは内角ry及び内角rzのいずれとも異な
り、且つ内角ry及び内角rzより小である。
【0035】図2(ロ)に示されるように、該三角錐型
再帰反射素子対の有している光学軸(H1−Q,H2
Q)は、該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1、H2)か
ら該平面(W−W’)に下された垂線と該平面(W−
W’)との交点(P)から、該三角錐型再帰反射素子対
が共有する底辺(A−B)までの距離(p)と、光学軸
と該平面(W−W’)との交点(Q)から該三角錐型再
帰反射素子対が共有する底辺(A−B)までの距離
(q)との差(q−p)がプラス(+)となるような方
向に、該光学軸が上記垂直面(Lx)に対して傾いてい
る。
【0036】図3及び図4は、前記Hoopman のヨーロッ
パ特許第137,736B1号(以下Hoopman特許という。)に記
載された三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(以下
Hoopman再帰反射素子という。)について説明した図で
ある。図3(イ)及び(ロ)はHoopman特許に記載されたF
ig3及びFig4を示したものであり、図4(イ)及(ロ)
は、それぞれ該Fig3及び4に示された三角錐型再帰反射
素子群中の1組の三角錐型再帰反射素子対の平面図及び
断面図である。
【0037】図4(イ)より明らかなように、該三角錐
型再帰反射素子(R1,R2)は前記Jungersen 再帰反射
素子と同様に、該三角錐型再帰反射素子の、底辺(A−
B)を共有する2つの三角形(A−B−C1,B−A−
2)は二等辺三角形であり、前記Jungersen 再帰反射
素子の場合と同様に定義される図4(イ)に示された三
角錐型再帰反射素子の内角ryと内角rzとは等しく、内
角rxは内角ry及び内角rzのいずれとも異なる。
【0038】また、図4(ロ)には、図4(イ)に示され
ている三角錐型再帰反射素子対を稜(C1−H1)及び稜
(C2−H2)を含み、且つ上記平面(W−W’)に垂直
な垂直面で切断した該三角錐型再帰反射素子対の断面図
を示す。該三角錐型再帰反射素子対の有している光学軸
(H1−Q,H2−Q)は、図4(ロ)で示すとおり、該
三角錐型再帰反射素子の頂点(H1、H2)から該平面
(W−W’)に下された垂線と該平面(W−W’)との
交点(P)から、該三角錐型再帰反射素子対が共有する
底辺(A−B)までの距離(p)と、光学軸と該平面
(W−W’)との交点(Q)から該三角錐型再帰反射素
子対が共有する底辺(A−B)までの距離(q)との差
(q−p)がマイナス(−)となるような方向に、該光
学軸が上記垂直面(Lx)に対して傾いている。
【0039】これに対して、図5(イ)、(ロ)及び
(ハ)には内角ry、内角rz及び内角rxがそれぞれ実質
的に異なる、本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反
射シートを構成する三角錐型再帰反射素子の好ましい一
例が示されている。図5(イ)は基盤上に配置された本
発明の三角錐型再帰反射素子群を示した平面図であり、
図5(ロ)及(ハ)は、それぞれ、該三角錐型再帰反射素
子群中の1組の三角錐型再帰反射素子の平面図及び該平
面図を断面線(L−L’)で切断した断面図である。図
5においては、共通する一平面(S−S’)上に突出し
た本発明の三角錐型再帰反射素子が、互いに該平面(S
−S’)上の一つの底辺(x、x、....)を共有して、
相対峙して該平面(S−S’)上に最密充填状に配置さ
れていることが示されている。
【0040】図5(ロ)及び(ハ)に示されているよう
に、上記三角錐型再帰反射素子群の一組の三角錐型再帰
反射素子対は、平面(S−S’)上の一つの底辺(x)
(これは、図5(ロ)の線(X−X’)上の線分(A−
B)と同じ)を互いに共有して相対峙している三角錐型
再帰反射素子の3角形状の傾斜面(c1面、c2面)と、
該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1、H2)を起点とす
る前記傾斜面(c1面,c2面)の上部の二辺をそれぞれ
一辺として、該三角錐型再帰反射素子の一つの稜線を共
有して、これを一辺とする該c1 面又はc2 面と実質的
に直角に交差する、それぞれ実質的に同一の形状の傾斜
面(a1面とa2面)及び(b1面とb2面)からなり、共
通する底辺(x) 底辺(y,y) 底辺(z,z)は同
一平面(S−S’)上に存在している。
【0041】また、上記三角錐型再帰反射素子対を構成
する2つの三角錐型再帰反射素子(R1、R2)は、該平
面(S−S')上の共有する底辺(x)の中点(O)を
通り該平面(S−S')に垂直な線を中心にして180
度回転して、それぞれ実質的に対称となるように向き合
った実質的に同一形状の三角錐型再帰反射素子対をなし
ている。
【0042】更に、一対の該三角錐型再帰反射素子が共
有する底辺(x)上を通り、該平面(S−S’)に垂直
な垂直面を垂直面(Lx,Lx・・・)とし、該三角錐型再
帰反射素子の他の2つの底辺(y,y・・・)及び(z,
z・・・)を通り、該平面(S−S’)に垂直な2つの垂
直面をそれぞれ垂直面(Ly,Ly・・・)及び垂直面
(Lz,Lz・・・)とし、かつ (1)垂直面(Ly)と垂直面(Lz)とがなす内角をrx (2)垂直面(Lz)と垂直面(Lx)とがなす内角をry (3)垂直面(Ly)と垂直面(Lx)とがなす内角をrz とした場合、本発明の三角錐型再帰反射素子は、3つの
内角rx、ry及びrzがそれぞれ実質的に異なる。上記
三角錐型再帰反射素子は、3つの内角のうち2つの内角
が等しい前記Jungersen 再帰反射素子及びHoopman再帰
反射素子とは異なり、その3つの内角rx、内角ry、内
角rzは、それぞれ実質的に異なっており、その大きさ
の順序は、上記例においては、ry<rz<rxである。
【0043】また、図5(ハ)に示されている本発明の
三角錐型再帰反射素子の一態様においては、該三角錐型
再帰反射素子の頂点(H1、H2)から該平面(S−
S’)に下された垂線と該平面(S−S’)との交点
(P)から、該三角錐型再帰反射素子対が共有する底辺
(x)までの距離(p)と、光学軸と該平面(S−
S’)との交点(Q)から該三角錐型再帰反射素子対が
共有する底辺(x)までの距離(q)との差(q−p)
がマイナス(−)となるような方向に、該光学軸が上記
垂直面(Lx)に対して傾いている。
【0044】図6には、図5に示した三角錐型再帰反射
素子とは別の態様の本発明の好ましい態様の三角錐型再
帰反射素子の一例が示されており、図6(イ)及び(ロ)
は、それぞれ、該三角錐型再帰反射素子群中の1対の三
角錐型再帰反射素子の平面図及びその線(L−L’)に
沿って切断した断面図である。
【0045】上記三角錐型再帰反射素子は、前記図5に
示された三角錐型再帰反射素子と同様、その3つの内角
x、ry及びrzはそれぞれ実質的に異なっているが、
前記図5に示した三角錐型再帰反射素子とは異なり、多
数の三角錐型再帰反射素子対のその共有する多数の底辺
(x,x・・・)は平面(S−S’)上にあるが、その共
有する多数の底辺(y,y・・・)と、その共有する多数
の底辺(z,z・・・)は、平面(S−S’)とは異な
り、且つ平面(S−S’)と平行な他の平面(T−
T’)上にある。
【0046】多数の三角錐型再帰反射素子対の多数の底
辺(x,x・・・)を含む平面を(S−S’)とし、該素
子対の多数の底辺(y,y・・・)を含む平面を平面(T
−T’)とし、さらに該素子対の多数の底辺(z,z・・
・)を含む平面を平面(U−U’)とすると、本発明に
おいては、平面(S−S’)と、平面(T−T’)と
(平面U−U’)は、それぞれの本発明の三角錐型再帰
反射素子の頂点(H1,H2)までの高さが、異なってい
てもよいし、それらの頂点(H1,H2)までの高さが同
一でもよいし、或いはそれらの中の一つの平面の高さの
みが異なっていても良い。
【0047】また、多数の、相対峙する二つの三角錐型
再帰反射素子の共有する多数の底辺(x,x・・・)を含
む平面(S−S’)から該三角錐型再帰反射素子の頂点
(H1,H2)までの高さをhsとし、該三角錐型再帰反
射素子の他の一方の底辺(y,y・・・)を含む平面(T
−T’)から該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1
2)までの高さをhtとし、かつ該三角錐型再帰反射素
子のさらに他の底辺(z,z・・・)を含む平面(U−
U’)から該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1,H2
までの高さをhuとした場合に、 (1) hsがht及びhuよりも大であって、かつhtがhu
と等しい本発明の態様が図6の(イ)、(ロ)に示されて
おり、さらに
【0048】(2) hs>hu>ht である本発明の態様が図7の(イ)及び(ロ)に示されて
おり、さらに、 (3) hs>ht>hu である態様が図8の(イ)、(ロ)、(ハ)に示されてい
る。
【0049】また、図6(ロ)に示されている本発明の
態様においては、該三角錐型再帰反射素子対の有してい
る光学軸(H1−Q,H2−Q)は、互いに上記垂直面
(Lx)に関して正反対の方向に傾いている傾斜三角錐
型キューブコーナー再帰反射シートであり、該三角錐型
再帰反射素子の頂点(H1、H2)から該平面(S−
S’)に下された垂線と該平面(S−S’)との交点
(P)から、該三角錐型再帰反射素子対が共有する底辺
(x)までの距離(p)と、光学軸と該平面(S−
S’)との交点(Q)から該三角錐型再帰反射素子対が
共有する底辺(x)までの距離(q)との差(q−p)
がプラス(+)となるような方向に、該光学軸が上記垂
直面(Lx)に対して傾いている。
【0050】図7及び図8には、本発明に従った三角錐
型再帰反射素子の更に別の好ましい一例が示されてお
り、図7(イ)は、基盤上に配置された三角錐型再帰反
射素子群の平面図であり、図7(ロ)は、該平面図の断
面線(L−L’)で切断した断面図であり、図8
(イ)、(ロ)及び(ハ)はそれぞれ、該三角錐型再帰反
射素子群中の1組の三角錐型再帰反射素子対の平面図、
断面図及び側面図である。
【0051】図7に示した本発明の三角錐型反射素子
は、図7(イ)に示されているとおり、平面(S−S')
上の一つの底辺(x)を共有して、相対峙して、それぞ
れ実質的に対称となるように向き合った実質的に同一の
形状の素子対をなして、繰り返しのパターンで最密充填
状に配置されているために、該共有の底辺(x)は一つ
の連続した直線を構成している。また、隣接した他の三
角錐型反射素子対の群が共有する多数の底辺(x)は、
前記の多数の底辺(x)を構成する直線と平行で、等し
い繰り返しピッチをもつ平行直線群を形成する。
【0052】したがって、上記三角錐型反射素子の該傾
斜面(c1面、c2面)は、底辺(x)を共有して相対峙
しており、底辺(x)は一つの連続した直線を構成して
いるために、c1面は一つの連続した平面を形成し、同
様に、c2面も連続した平面を形成している。さらに、
図7(イ)に見られるように、c1面及びc2面は5角形
であり、a1面、a2面は4角形であり、b1面、b2面は
三角形を形成している。
【0053】図8(イ)について説明すると、一対の三
角錐型反射素子の右側の素子R1と左側の素子R2とは、
共通の底辺A−Bの中心点Oを中心として180゜回転した
関係をなしている。そして、素子R1について説明する
と、素子R1のc1面は、点H1−D1−A−B−E1で囲
まれる五角形状の面であり、a1面は点H1−E1−G1
1で囲まれる四角形状の面であり、またb1面は点H1
−D1−F1で囲まれる三角形状の面であり、a1面とb1
面は実質的に異なった形状であり、c1面、a1面及びb
1面は互いに実質的に直角に交差している。
【0054】図8(ロ)及び(ハ)に示したように、本発
明の三角錐型反射素子(R1、R2)の頂点は、それぞれ
1及びH2で表わされており、頂点(H1、H2)の平面
(S−S')からの高さはhsで表わされる。
【0055】この高さhsは、図8(イ)、(ロ)及び
(ハ)から明らかなように、本発明の三角錐型反射素子
1及びR2の相対峙するc1面とc2面がなすV字状の谷
の、該素子の頂点H1及びH2を含む面からの深さに該当
する。
【0056】本発明における三角錐型キューブコーナー
再帰反射シートを構成する三角錐型再帰反射素子は、該
三角錐型再帰反射素子の底辺(x,x・・・)上を通り、
該平面(S−S’)に垂直な垂直面を垂直面(Lx,Lx
・・・)とし、該三角錐型再帰反射素子の他の2つの底辺
(y,y・・・)及び(z,z・・・)を通り、該平面(S−
S’)に垂直な2つの垂直面をそれぞれ垂直面(Ly
y・・・)及び垂直面(Lz,Lz・・・)とし、かつ (1)垂直面(Ly)と垂直面(Lz)とがなす内角をrx (2)垂直面(Lz)と垂直面(Lx)とがなす内角をry (3)垂直面(Ly)と垂直面(Lx)とがなす内角をrz とした場合、3つの内角rx、ry及びrzがそれぞれ実
質的に異なることを特徴とするものであって、これによ
り種々の光学的特性の改善が得られる。
【0057】第9図は、本発明の三角錐型再帰反射素子
の内角rx、ry及びrzを説明する三角座標である。内
角の和、rx+ry+rz=180゜であり、(rx+ry+r
z)/180゜=1であるから、三角座標の1つの頂点Kx1
に、rx/180゜=1の値を置き、他の1つの頂点K
y1に、ry/180゜=1の値を置き、更に他の1つの頂点
z1に、rz/180゜=1の値を置くと、任意の三角形の
3つの内角rx、ry及びrzをそれぞれrx/180゜,ry
/180゜及びrz/180゜に置き換えることにより、該三
角座標上に表すことができ、逆に、三角座標で表された
点により該三角形の3つの内角rx、ry及びrzが一義
的に決まる。
【0058】例えば、点(Kd)で示された三角形の3
つの内角rx、ry及びrzについては、図9の三角座標
に示されるように、rx/180゜は線分(Kdx−Kd)の
長さの値である0.467で表され、ry/180゜は線分(K
dy−Kd)の長さの値である0.167で表され、rz/180゜
は線分(Kdz−Kd)の長さの値である0.366で表されか
ら、点(Kd)は三角座標上で(0.467,0.167,0.366)
と表示することができる。なお、上記表示の一般的表示
を(rx/180゜,ry/180゜,rz/180゜)とする。
【0059】三角錐型再帰反射素子の三つの傾斜面(a
1面、b1面、c1面)又は(a2面、b2面、c2面)は、
実質的に直角に互いに交差しているため、3つの内角r
x、ry及びrzのいずれの内角も90゜以下であるので、
三角錐型再帰反射素子の3つの内角rx、ry及びr
zは、上記三角座標上の点(Kx0)即ち(0,0.5,0.
5)、点(Ky0)即ち(0.5,0,0.5)及び点(Kz0
即ち(0.5,0.5,0)をその3つの頂点とする逆正三角
形の内部に位置した点で表される。
【0060】前記図2(イ)で示されたJungersen 再帰
反射素子若しくは前記図4(ハ)で示されたHoopman再帰
反射素子等の如く、3つの内角rx、ry及びrzのいず
れかの2つの内角が等しい場合には、点(Kxs)を三角
座標上の(0.5,0.25,0.25)にとり、点(Kys)を三
角座標上の(0.25,0.5,0.25)にとり、点(Kzs)を
三角座標上の(0.25,0.25,0.5)にとると、それぞれ
の3つの内角rx、ry及びrzは、線分(Kx0
xs)、線分(Ky0−Kys)又は線分(Kz0−Kzs)上
の点で表すことができる。
【0061】本発明における三角錐型再帰反射素子は、
その3つの内角rx、ry及びrzがそれぞれ実質的に異
なるため、該3つの内角rx、ry及びrzを三角座標で
表した場合に、(rx/180゜,ry/180゜,rz/180
゜)が、点(Kx0)即ち(0,0.5,0.5)、点(Ky0
即ち(0.5,0,0.5)及び点(Kz0)即ち(0.5,0.5,
0)を3つの頂点とする逆正三角形の内部であり、かつ
実質的に線分(Kx0−K xs)、線分(Ky0−Kys)又は
線分(Kz0−Kzs)上に含まれない領域に存在する。
【0062】本発明においては、上記(rx/180゜,r
y/180゜,rz/180゜)が(0.492,0.242,0.266)、
(0.492,0.042,0.466)及び(0.358,0.308,0.333)
で囲まれた第1領域、(0.267,0.242,0.491)、(0.4
67,0.042,0.491)及び(0.333,0.308,0.358)で囲
まれた第2領域、(0.242,0.267,0.491)、(0.019,
0.467,0.514)及び(0.317,334,0.350)で囲まれた
第3領域、(0.242,0.492,0.266)、(0.019,0.49
2,0.489)及び(0.317,0.358,0.325)で囲まれた第
4領域、(0.267,0.492,0.241)、(0.467,0.492,
0.041)及び(0.333,0.358,0.308)で囲まれた第5領
域、及び(0.492,0.267,0.241)、(0.492,0.467,
0.041)及び(0.358,0.334,0.308)で囲まれた第6領
域、のいずれかの領域に属するのが好適である。
【0063】本発明においては、更に好ましくは、上記
(rx/180゜,ry/180゜,rz/180゜)が(0.484,
0.234,0.282)、(0.484,0.084,0.432)及び(0.38
4,0.284,0.332)の各点で囲まれた第1領域、(0.28
4,0.234,0.482)、(0.434,0.084,0.482)及び(0.
334,0.284,0.382)の各点で囲まれた第2領域、(0.2
34,0.284,0.482)、(0.084,0.434,0,482)及び
(0.284,0.334,0.382)の各点で囲まれた第3領域、
(0.234,0.484,0.282)、(0.084,0.484,0.432)及
び(0.284,0.384,0.332)の各点で囲まれた第4領
域、(0.284,0.484,0.232)、(0.434,0.484,0.08
2)及び(0.334,0.384,0.282)の各点で囲まれた第5
領域、及び(0.484,0.284,0.232)、(0.484,0.43
4,0.082)及び(0.384,0.334,0.282)の各点で囲ま
れた第6領域のいずれかの領域に存在する。
【0064】図10には、本発明の三角錐型再帰反射素
子の3つの内角rx、ry及びrzを三角座標で表した場
合に、(rx/180゜,ry/180゜,rz/180゜)が取り
得る好適な上記6領域を、前記三角座標の点(Kx0)、
点(Ky0)及び点(Kz0)の各点を頂点とする逆三角形
部分のみを拡大して示した。
【0065】なお、図10において、点(N7)と点
(N8)とをその両端とする線分は、前記Hoopman特許で
開示された再帰反射素子における3つの内角rx、ry
びrzの値(角度)が位置する範囲であり、点(N9)と
点(N10)とをその両端とする線分は、前記本発明者が
出願した特許出願(特願平8−295807号)に記載
された三角錐型再帰反射素子における3つの内角rx
y及びrzの値(角度)が位置する範囲である。
【0066】従来技術における再帰反射素子では、素子
の持つ光学軸は共有の底辺(x、x、・・・・)と垂直な方向
に向かっており、光学軸の傾斜の方向は(p―q)がプ
ラスである場合もマイナスである場合も垂直面Lxに対
して直角な方向に傾斜している。従って、共有の底辺
(x、x、・・・・)と垂直な方向から入射した光、即ち、光
学軸の傾斜方向と平行に入射した光に対しては最大の反
射性能を示すが、該方向から傾斜面(a面及びb面)方
向に左右に外れた方向から入射した光(即ち、回転角ω
がゼロでない)に対する反射性能は劣る。また、その低
下の程度はa面とb面の両方向において対称である。
【0067】上記のような従来技術における再帰反射素
子をもちいた再帰反射シートを交通標識に用いた場合の
問題点を、路側標識の場合を例に以下に説明する。
【0068】上記のような光学軸の傾斜の方向が垂直面
Lxに対して直角な方向に傾斜している再帰反射素子を
例えば路側標識に用い、その光学軸の傾斜方向を道路の
進行方向に向かって左右に広がる方向に向けるように設
置した場合(即ち、共有の底辺(x、x...)が道路面に
対して垂直に向けられた場合)には、再帰反射性能は進
行方向に向かって左右に増大されるようになる。従っ
て、路側標識の左下側(右側通行の国においては右下
側)を進行する運転手に対して再帰反射の性能が改善す
る事ができるが、再帰反射の低下の程度はa面とb面の
両方向(路側標識の上下方向)において対称であるため
に、輝度性能の左右方向の改善は達成されても上下方向
の改善はなされない。
【0069】一方、本発明における三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射素子は、3つの内角rx、ryおよびrz
がそれぞれ実質的に異なるために、二つの傾斜面
(a1、b1及びa2、b2 )の共通の稜線(H1、C1
びH2、C2 )が共有する垂直面(Lx)と垂直な方向に
向かわず、従って、再帰反射素子の持つ光学軸の傾斜す
る方向も垂直面(Lx)と垂直な方向に向かっていな
い。例えば、光学軸がa面方向に傾いている場合には、
入射光がa面方向から入射した場合には、むしろ、b面
方向から入射した場合よりも良好な再帰反射性能を示
す。
【0070】従って、本発明における再帰反射素子の光
学軸はLx面に対して傾けられていると同時に、a面
(またはb面方向)にも傾けられているために、それら
いずれの方向に改善された再帰反射性能を示すために、
本発明における再帰反射素子を路側標識に用いた場合に
は、道路進行方向に向かって左右の方向に対する改善と
ともに、上下方向に対して偏った再帰反射性能が達成さ
れる。このような改善は路側標識のみならず、頭上標識、
種々の案内標識においても同様な改善が達成しうる。
【0071】本発明のhtとhuとが等しく、かつhs
t及びhuと異なる三角錐型再帰反射素子においては、
該hsと(ht及びhu)との大である高さをhmaxとし、
小であるものをhminとした場合に、 1.05 < hmax/hmin < 1.5 であることが好ましく、 1.07 < hmax/hmin < 1.3 であることが更に好ましく、 1.09 < hmax/hmin < 1.2 であることが特に好ましい。
【0072】このようなht/hsの値を満足する三角錐
型再帰反射素子対の底辺を共有している傾斜面(c
1面、c2面)の面積は、他の二つの傾斜面(a1面、b1
面及びa2面、b2面)の面積に対して、略等しい面積を
持つことができるために、三面反射して再帰反射する光
線を増大することができる。
【0073】光学軸傾斜角(θ)が、頂点(H1,H2)
から平面(S−S’)に下した垂線に対して4゜〜12゜、
特に5〜10゜となるように光学軸が傾斜するのが好まし
い。
【0074】更に本発明に従うhs、ht及びhuのいず
れもが実質的に異なる三角錐型再帰反射素子において
は、該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1、H2)から、
仮想平面(T−T’)までの高さ(ht)が、該三角錐
型再帰反射素子の頂点(H1、H2)から、仮想平面(U
−U')までの高さ(hu)よりも実質的に大であるよう
に設計されているために、上記と同様な理由により、底
辺(x、x、....)を含み、該三角錐型再帰反射素子が
配列された面に垂直な垂直面(Lx)内にあって、該三
角錐型再帰反射素子が配列された面の方向に傾いた方向
から入射する光線に対して、再帰反射性を高めることが
できる。
【0075】上記hs、ht及びhuのいずれもが異なる
三角錐型再帰反射素子においては、該hs、ht及びhu
の最も大であるものをhmaxとし、最も小であるものを
minとし、残りのものをhmidとした場合に、 1.05 < hmax/hmid < 1.5 1.05 < hmid/hmin < 1.5 であることが好ましく、 1.07 < hmax/hmid < 1.3 1.07 < hmid/hmin < 1.3 であることが更に好ましく、 1.09 < hmax/hmid < 1.2 1.09 < hmid/hmin < 1.2 であることが特に好ましい。
【0076】このようなht/hsの値を満足する三角錐
型再帰反射素子対の底辺を共有している3つの傾斜面
(c1面、c2面)の面積、傾斜面(a1面、a2面)の面
積及び傾斜面(a1面、b1面及びa2面、b2面)の面積
は、略等しい面積を持つことができるために、三面反射
して再帰反射する光線を増大することができる。
【0077】上記三角錐型再帰反射素子の高さhs、ht
及びhuのいずれもが好ましくは50〜400μm、さらに好
ましくは60〜200μmであることが推奨されうる。高さh
s、ht又はhuのいずれかが50μm未満の場合は、反射素
子の大きさが小さくなりすぎるために、反射素子の平面
開口面積により定まる回折効果により、再帰反射光の発
散が過大となり、正面輝度特性が低下する。また、高さ
s、ht又はhuのいずれかが400μmを超える場合に
は、シートの厚さが過大となり、柔軟なシートが得られ
にくいため好ましくない。
【0078】また本発明における三角錐型再帰反射素子
のプリズム面である三つの傾斜面(a1面、b1面、c1
面)又は(a2面、b2面、c2面)が互いに交差するこ
とによって形成される三つのプリズム面角は、実質的に
直角となるが、必ずしも厳密な意味で直角(90゜)でな
くてもよく、必要に応じて直角から極く僅かに角度偏差
を与えるようにすることも可能である。該プリズム面角
に極く僅かに角度偏差を与えることによって、得られる
三角錐型再帰反射素子からの反射光を適度に発散させる
ことができる。しかしながらこの角度偏差を大きくし過
ぎると、得られる三角錐型再帰反射素子からの反射光が
発散し過ぎて再帰反射性能が低下するので、これら三つ
の傾斜面(a1面、b1面、c1面)又は(a2面、b
2面、c2面)が互いに交差することによって形成される
少なくとも一つプリズム面角の大きさは、一般に89.5゜
〜90.5゜、好ましくは89.7゜〜90.3゜の範囲内となるよう
にするのがよい。
【0079】本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反
射シートは、一般に、以上述べたような三角錐型再帰反
射素子の形状が、反転された凹形状として金属製のベル
ト上に最密充填状に配置されたキューブコーナー成形用
金型を用い、この成形用金型に、後記するような柔軟で
且つ光学的透明性、均一性に優れた適宜の樹脂シートを
加熱押圧して、該金型の形状を樹脂シートに反転・転写
させて製造することができる。
【0080】上記のキューブコーナー成形用金型の代表
的な製造方法については、例えば前記 Stamm の米国特
許第3,712,706号に詳細に記載されており、本発明にお
いてもこの方法に準じた方法を採用することができる。
【0081】具体的には、例えば、表面を平坦に研削し
た基材の上に、先端角度が73.4〜81.0゜程度の超硬質の
バイト(例えばダイアモンドバイト、タングステンカー
バイド製バイト等)を用いて、2つの方向(図3のz方
向及びy方向)に、該2方向の交差角度(ここでは鋭角
の方を「交差角度」という)が該三角錐型再帰反射素子
の内角rxと等しくなるように、目的の三角錐型再帰反
射素子の形状に即して、それぞれの方向の繰り返しピッ
チ及び溝の深さ、並びに相互の交差角度を定めて、所定
の溝の深さで断面形状がV字型の平行溝を切削する。次
いで、第3方向(x方向)を、先端角度が64.5〜46.5゜
程度の同様の超硬質バイトを用いて、形成されているz
方向溝とy方向溝との交点を通り、x方向とz方向との
交差角度を該三角錐型再帰反射素子の内角ryと等し
く、且つx方向とy方向との交差角度を該三角錐型再帰
反射素子の内角rzと等しくするような繰り返しピッチ
(図5(イ)又は図7(イ)の線xの繰り返しピッチ)で
V字型平行溝を切削することにより、凸状の微小な三角
錐が最密充填状に配置されたマイクロプリズム母型を作
成する。本発明においてはこの時、z方向とy方向との
交差角度、即ち該三角錐型再帰反射素子の内角rx、x
方向とz方向との交差角度、即ち該三角錐型再帰反射素
子の内角ry及びx方向とy方向との交差角度、即ち該
三角錐型再帰反射素子の内角rzが、それぞれ実質的に
異なるようにする。
【0082】前記マイクロプリズム母型の作成に好適に
用いることのできる基材としては、ビッカース硬さ(JI
S Z 2244)が350以上、特に380以上の金属材料が好まし
く、具体的には、例えば、アモルファス銅、電析ニッケ
ル、アルミニウム等を挙げることができ、合金系材料と
しては、例えば、銅−亜鉛合金(真鍮)、銅−錫−亜鉛
合金、ニッケル−コバルト合金、ニッケル−亜鉛合金、
アルミニウム合金等を挙げることができる。
【0083】また前記基材としては、合成樹脂材料の使
用も可能であり、切削加工時に軟化して高精度の切削が
困難となるなどの不都合が生じにくい等の理由から、そ
のガラス転移点が150℃以上、特に200℃以上で且つロッ
クウェル硬さ(JIS Z 2245)が70以上、特に75以上の合
成樹脂からなる材料であるのが好ましく、具体的には、
例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチ
レンフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
メチルメタクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ
アリレート系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポ
リエーテルイミド系樹脂及びセルローストリアセテート
系樹脂等を挙げることができる。
【0084】上記の如き合成樹脂からの平板の作成は、
通常の樹脂成形法、例えば、押出成形法、カレンダー成
形法、溶液キャスト法等により行うことができ、必要に
応じてさらに加熱処理、延伸処理等の処理を行うことが
できる。かくして作成される平板の平面には、本発明の
方法によって製造されるプリズム母型から電鋳金型を作
成する際の導電処理及び/又は電鋳加工を容易にするた
め、予備導電処理を施すことができる。予備導電処理と
しては、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、クロム、ニ
ッケル、セレン等の金属を蒸着する真空蒸着法、これら
の金属を用いる陰極スパッタリング法、銅やニッケルを
用いる無電解メッキ法等が挙げられる。また、合成樹脂
にカーボンブラック等の導電性微粉末や有機金属塩等を
配合し、平板それ自体に導電性をもたせるようにしても
よい。
【0085】次に得られたマイクロプリズム母型は、そ
の表面に電鋳加工が施されて金属被膜が形成される。こ
の金属被膜を母型表面から取り外すことにより、本発明
の三角錐型コーナーキューブ型再帰反射シートの成形に
用いるための金属製金型を作成することができる。
【0086】金属製マイクロプリズム母型の場合には、
必要に応じてその表面を洗浄した後、直ちに電鋳加工を
行うことができるが、合成樹脂製マイクロプリズム母型
の場合には、電鋳加工を行うに先だって、先ず母型のプ
リズム表面に導電性を付与させるための導電処理を施す
必要がある。この導電処理としては、例えば、銀鏡処
理、無電解メッキ処理、真空蒸着処理、陰極スパッタリ
ング処理などが採用可能である。
【0087】上記の銀鏡処理としては、具体的には、前
述の方法で形成した母型の表面をアルカリ洗剤などによ
り洗浄してその油成分などの汚れを除去した後、タンニ
ン酸などの表面活性化剤を用いて活性化処理を行い、次
いで速やかに硝酸銀溶液を用いて銀鏡化する方法が挙げ
られる。この銀鏡化は硝酸銀水溶液と還元剤(ブドウ糖
やグリオキザール等)水溶液の二筒式ノズルガンを用い
たスプレー法、硝酸銀水溶液と還元剤水溶液との混合液
中に浸漬する浸漬法などが採用しうる。また、銀鏡被膜
の厚さは電鋳時の導電性が満足される範囲で薄い方が好
ましく、例えば、0.1μm以下の厚さを例示しうる。
【0088】無電解メッキ処理には、銅やニッケルがな
ど用いられる。無電解ニッケルメッキ液においては、ニ
ッケルの水可溶性金属塩として硫酸ニッケルや塩化ニッ
ケルなどを用いることができ、これに錯化剤としてクエ
ン酸塩やリンゴ酸塩を主成分とした溶液、及び還元剤と
して次亜リン酸ナトリウム、ホウ素化水素ナトリウム、
アミンボランなどを加えたものがメッキ液として用いら
れる。
【0089】真空蒸着処理は、銀鏡処理と同様に母型表
面の洗浄を行った後、真空装置に入れ、金、銀、銅、ア
ルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、セレン等の金属
を加熱気化させて、冷却されている該母型表面に析出さ
せて導電被膜を形成させることによって行うことができ
る。また、陰極スパッター処理は、平滑で所望の金属箔
を装着できる陰極板と被処理材料を載せるアルミニウム
又は鉄など金属製の陽極台が内部に設けられている真空
装置に、真空蒸着処理と同様に処理した母型を入れて陽
極台上に置き、真空蒸着の場合に用いたと同様の金属の
箔を陰極に取り付けて荷電してグロー放電を起こさせ、
これにより発生する陽イオン流を陰極の金属箔に衝突さ
せることにより金属原子又は微粒子を蒸発させ、これを
該母型表面に析出させて導電被膜を形成させることによ
り行うことができる。これらの方法において形成される
導電被膜の厚さとしては、例えば、300μの厚さが例示
される。
【0090】合成樹脂製プリズム母型に、電鋳加工に際
して平滑で均一な電鋳層を形成するためには、上記の導
電処理は該母型の全面にわたって均一に施す必要があ
る。導電処理が不均一な場合には、導電性の悪い部分の
電鋳層表面の平滑性が低下したり、又は電鋳層が形成さ
れず欠損部分となってしまうなどの不具合を生じる可能
性がある。
【0091】この不具合を回避するためには、例えば、
銀鏡処理の直前に処理面をアルコールなどの溶剤で処理
することにより銀鏡液の濡れを改善する方法を採用しう
るが、本発明において形成される合成樹脂製プリズム母
型は凹部分が非常に深く鋭角なために、濡れの改善が不
十分となりがちである。この凹形状に基づく導電被膜の
不具合は蒸着処理などにおいても起こり易い。
【0092】電鋳加工により得られる電鋳層の表面を均
一なものとするために、しばしば活性化処理が行われ
る。この活性化処理としては、例えば、10重量%スルフ
ァミン酸水溶液に浸漬する方法等を採用することができ
る。
【0093】銀鏡処理が行われた合成樹脂製の母型に電
鋳加工を行った場合には、銀の層は電鋳層と一体化され
て合成樹脂製の母型から容易に剥離されるが、無電解メ
ッキや陰極スパッタリング処理でニッケルなどの導電被
膜を形成した場合は、合成樹脂表面と該導電被膜との密
着が良いために、電鋳加工後の電鋳層と合成樹脂層との
剥離が困難となる場合がある。そのようなときには、電
鋳加工に先だって導電被膜層の上にクロメート処理など
の所謂剥離処理を行うのがよい。その場合、導電被膜層
は剥離後に合成樹脂層上に残留する。
【0094】表面に導電被膜層が形成された合成樹脂製
プリズム母型は、このような各種の前処理を行った後、
電鋳加工により該導電被膜層の上に電鋳層が形成され
る。また、金属製プリズム母型は、前記のように必要に
応じてその表面を洗浄した後、該金属上に直接電鋳層が
形成される。
【0095】電鋳加工は、一般に、例えば、スルファミ
ン酸ニッケル60重量%水溶液中、40℃、電流条件10A/d
m2程度の条件下で行われる。電鋳層の形成速度として
は、例えば、48時間/mm以下程度とすることにより均一
な電鋳層が得られやすく、それ以上の形成速度において
は表面の平滑性の欠如や電鋳層の中に欠損部分が生じる
などの不具合が起こりやすい。
【0096】また、電鋳加工においては、金型の表面摩
耗性の改善を目的として、コバルトなどの成分を加えた
ニッケル・コバルト合金電鋳を行うこともできる。コバ
ルトを10〜15重量%加えることにより、得られる電鋳層
のビッカース硬度Hvを300〜400にまで硬くすることが
可能であるので、得られる電鋳金型を用いて合成樹脂を
成形し、本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
ートを製造するに際して、該金型の耐久性を改善するこ
とが可能となる。
【0097】このようにしてプリズム母型から作成した
第1世代の電鋳金型は、さらに第2世代の電鋳金型を作
成するのに用いる電鋳マスターとして、繰り返し用いる
ことができる。従って、一つのプリズム母型から幾つも
の電鋳金型を作成することが可能である。
【0098】作成された複数個の電鋳金型は、精密に切
断された後に、合成樹脂によるマイクロプリズムシート
の成形を行うための最終的な金型の大きさまで組み合せ
接合して用いることができる。この接合の方法として
は、切断端面を単に突き合わせる方法や組み合わせた接
合部分を、例えば電子ビーム溶接、YAGレーザー溶
接、炭酸ガスレーザー溶接などの方法で溶接する方法な
どが採用可能である。
【0099】組み合わされた電鋳金型は、合成樹脂成形
用金型として合成樹脂の成形に用いられる。この合成樹
脂成形の方法としては圧縮成形や射出成形を採用するこ
とができる。
【0100】圧縮成形は、例えば、形成した薄肉状のニ
ッケル電鋳金型、所定の厚さの合成樹脂シート及びクッ
ション材として厚さ5mm程度のシリコーンゴム製シート
を、所定の温度に加熱された圧縮成形プレスに挿入した
後、成形圧の10〜20%の圧力下で30秒予熱を行った後、
180〜250℃、10〜30kg/cm2程度の条件下で約2分間加
熱加圧することにより行うことができる。しかるのち、
加圧状態のままで室温まで冷却して圧力を開放すること
により、プリズム成形品を得ることが可能である。
【0101】さらに、例えば、上記方法で形成した厚さ
約0.5mmの薄肉電鋳金型を、前記溶接法により接合して
エンドレスベルト金型を作成し、このベルト金型を加熱
ロールと冷却ロールとからなる1対のロール上に設置し
て回転させ、加熱ロール上にあるベルト金型に、溶融し
た合成樹脂をシート状の形状で供給し、1個以上のシリ
コーン製ロールで加圧成形を行った後、冷却ロール上で
ガラス転移点温度以下に冷却して、ベルト金型から引き
剥がすことにより連続したシート状の製品を得ることが
可能である。
【0102】次に本発明のキューブコーナー再帰反射シ
ートの好適な構造の一態様について、その断面図である
図11を参照しながら説明する。
【0103】図11において、1は本発明の三角錐型再
帰反射素子(R1、R2)が最密充填状に配置された反射
素子層、2は反射素子を保持する保持体層であり、10
は光の入射方向である。反射素子層(1)および保持体
層(2)は一体であるのが普通であるが、別々の層を積
層しても構わない。本発明における再帰反射シートの使
用目的、使用環境に応じて表面保護層(4)、観察者に
情報を伝達したりシートの着色のための印刷層(5)、
反射素子層の裏面に水分が侵入するのを防止するための
密封封入構造を達成するための結合材層(6)、結合材
層(6)を支持する支持体層(7)、および、該再帰反
射シートを他の構造体に貼付するために用いる接着剤層
(8)と剥離材層(9)とを設けることができる。
【0104】表面保護層(4)には再帰反射素子層
(1)に用いたのと同じ樹脂を用いることが出来るが耐
候性を向上する目的で紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化
防止剤などをそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いる
ことが出来る。さらに、着色剤としての各種の有機顔
料、無機顔料および染料などを含有させることが出来
る。
【0105】印刷層(5)は通常、表面保護層(4)と
保持体層(2)の間、あるいは、表面保護層(4)の上
や反射素子(1)の反射面上に設置することが出来、通
常グラビア印刷、スクリーン印刷およびインクジェット
印刷などの手段により設置可能である。
【0106】上記反射素子層(1)および保持体層
(2)を構成する材料としては本発明の一つの目的であ
る柔軟性を満足するものであれば特に限定されるもので
はないが、光学的透明性、均一性のあるものが好まし
い。本発明において使用し得る材料の例としては、ポリ
カーボネート樹脂、塩化ビニール樹脂、(メタ)アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレ
ン樹脂などのポリオレフィン樹脂、セルロース系樹脂及
びポリウレタン樹脂などを例示できる。
【0107】本発明における反射素子層(1)は内部全
反射条件を満足する臨界角度を大きくする目的でキュー
ブコーナー再帰反射素子背面に空気層(3)を設置する
のが一般的である。使用条件下において水分の侵入によ
る臨界角の低下および金属層の腐食などの不具合を防止
するために反射素子層(1)と支持体層(7)とは結合
剤層(6)によって密封封入されるのが好ましい。この
密封封入の方法としては米国特許第3,190,178号、第4,0
25,159号、日本公開実用新案昭和50−28669号等に示さ
れている方法が採用できる。結合剤層(6)に用いる樹
脂としては(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などがあげられ、接合の
方法としては公知の熱融着性樹脂接合法、熱硬化性樹脂
接合法、紫外線硬化性樹脂接合法、電子線硬化性樹脂接
合法などが適宜採用可能である。
【0108】本発明に用いる結合剤層(6)は支持体層
(7)の全面にわたって塗布しうるし、再帰反射素子層
との接合部分に印刷法などの方法により選択的に設置す
ることも可能である。
【0109】支持体層(7)を構成する材料の例として
は再帰反射素子層を構成する樹脂や一般のフィルム成形
可能な樹脂、繊維、布、ステンレスやアルミニウムなど
の金属箔または板をそれぞれ単独または複合して用いる
ことが出来る。
【0110】本発明の再帰反射シートを金属板、木板、
ガラス板、プラスチック板などに貼付するために用いる
接着層(8)および該接着剤のための剥離層(9)は、
適宜、公知のものを選択することができる。
【0111】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。
【0112】実施例1 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、第1方
向(図5(イ)のx方向)を、先端角度が113.4゜のダイ
アモンドバイトを用いて、繰り返しピッチが174.3μm、
溝の深さが80.0μmとなるように、断面形状がV字の平
行溝を、繰り返しのパターンでフライカッティング法に
よって切削した。
【0113】しかる後に、第2方向を(図5(イ)のy
方向)を、先端角度が49.3゜のダイアモンドバイトを用
いて、繰り返しピッチが211μm、溝の深さが80.0μmで
あって、図5(ロ)の角度(A−B−C1)で表わされる
線xとの交差角度が45.7゜となるように、断面形状がV
字の平行溝を、繰り返しのパターンでフライカッティン
グ法によって切削した。
【0114】更に、第3方向に(図5(イ)のz方向)
を、先端角度が41.9゜のダイアモンドバイトを用いて、
繰り返しピッチが239.8μm、溝の深さが80.0μmであっ
て、図5(ロ)の角度(B−A−C1)で表わされる線x
との交差角度が 54.4゜、角度(A−C1−B)で表わ
される線yとの交差角度が79.9゜となるように断面形状
がV字の平行溝を繰り返しのパターンでフライカッティ
ング法によって切削した。
【0115】真鍮板上に三角錐型再帰反射素子の平面
(S−S')からの高さが80μmの凸形状の多数の三角錐
型キューブコーナーが、最密充填状に配置された母型を
形成した。この三角錐型再帰反射素子の3つの内角は、
それぞれ、rx=79.9、ry=54.4、rz=45.7であり、
三角錐を構成する三面のプリズム面角はいずれも90゜で
あった。
【0116】この真鍮製母型を用いて電鋳法により、材
質がニッケルであって、形状が反転された凹形状のキュ
ーブコーナー成形用金型を作成した。この成形用金型を
用いて、厚さ300μmのポリカーボネート樹脂シート(三
菱エンジニアリングプラスティックス株式会社製「ユー
ピロン E2000」)を成形温度200℃、成形圧力50kg/cm2
の条件で圧縮成形した後に、加圧下で30℃まで冷却して
から樹脂シートを取り出して、表面に支持体層の厚さが
約250μmで、その3つの傾斜面の底辺がいずれも同一の
平面(S−S’)上に存在し、該平面(S−S’)から
その頂点(H1,H2)までの高さhs=80μm、3つの内
角が、それぞれ、rx=79.9、ry=54.4、rz=45.7の
キューブコーナーを最密充填状に配置したポリカーボネ
ート樹脂製の三角錐型キューブコーナー再帰反射シート
を作成した。
【0117】実施例2 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、第1方
向(x方向)を、先端角度が113.4゜のダイアモンドバイ
トを用いて、繰り返しピッチが174.3μm、溝の深さが7
2.7μmとなるように断面形状がV字の平行溝を繰り返し
のパターンでフライカッティング法によって切削した。
【0118】しかる後に、第2方向(y方向)を、先端
角度が49.3゜のダイアモンドバイトを用いて、繰り返し
ピッチが211μm、溝の深さが80μmであって、線xとの
交差角度が45.7となるように断面形状がV字の平行溝を
繰り返しのパターンでフライカッティング法によって切
削した。
【0119】更に、第3の方向(z方向)を、先端角度
が41.9゜のダイアモンドバイトを用いて、繰り返しピッ
チが240μm、溝の深さが80μm、線xとの交差角度が54.
4゜、線yとの交差角度が79.9゜となるように断面形状
がV字の平行溝を繰り返しのパターンでフライカッティ
ング法によって切削した。
【0120】真鍮板上に三角錐型再帰反射素子の平面
(S−S')からの高さ(hs)が 72.7μm、平面(T
−T')からの高さ(ht)及び平面(U−U')からの
高さ(hu)が80μmの凸形状の多数の三角錐型キューブ
コーナーが最密充填状に配置された母型を形成した。こ
の三角錐型再帰反射素子の3つの内角は、それぞれ、r
x=79.9、ry=54.4、rz=45.7であり、三角錐を構成
する三面のプリズム面角はいずれも90゜であった。
【0121】以下、実施例1と同様に材質がニッケルの
凹形状のキューブコーナー成形用金型を作成し、これを
用いて実施例1と同様のポリカーボネート樹脂シートを
同様の成形条件で圧縮成形して、表面に支持体層の厚さ
が約250μmで、hs=72.2μm、ht=hu=80μm、3つ
の内角が、それぞれ、rx=79.9、ry=54.4、rz=45.
7のキューブコーナーを最密充填状に配置したポリカー
ボネート樹脂製の三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
ートを作成した。
【0122】実施例3 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、第1方
向(x方向)を、先端角度が113゜のダイアモンドバイト
を用いて、繰り返しピッチが174μm、溝の深さが72.9μ
mとなるように断面形状がV字の平行溝を繰り返しのパ
ターンでフライカッティング法によって切削した。
【0123】しかる後に、第2方向(y方向)を、先端
角度が49.3゜のダイアモンドバイトを用いて、繰り返し
ピッチが211μm、溝の深さが80μm、線xとの交差角度
が45.7゜となるように断面形状がV字の平行溝を繰り返
しのパターンでフライカッティング法によって切削し
た。
【0124】更に、第3方向(z方向)を、先端角度が
41.9゜のダイアモンドバイトを用いて、繰り返しピッチ
が240μm、溝の深さが88μm、線xとの交差角度が54.4
゜、線yとの交差角度が79.9゜となるように断面形状が
V字の平行溝を繰り返しのパターンでフライカッティン
グ法によって切削した。
【0125】真鍮板上に三角錐型再帰反射素子の平面
(S−S')からの高さ(hs)が 72.7μm、平面(T
−T')からの高さ(ht)が80μm、平面(U−U')か
らの高さ(hu)が88μmの凸形状の多数の三角錐型キュ
ーブコーナーが最密充填状に配置された母型を形成し
た。この三角錐型再帰反射素子の3つの内角は、それぞ
れ、rx=79.9、ry=54.4、rz=45.7であり、三角錐
を構成する三面のプリズム面角はいずれも90゜であっ
た。
【0126】以下、実施例1と同様に材質がニッケルの
凹形状のキューブコーナー成形用金型を作成し、これを
用いて実施例1と同様のポリカーボネート樹脂シートを
同様の成形条件で圧縮成形して、表面に支持体層の厚さ
が約250μmで、hs=72.2μm、ht=80μm、hu=88μ
m、3つの内角は、それぞれ、rx=79.9、ry=54.4、
z=45.7のキューブコーナーを最密充填状に配置した
ポリカーボネート樹脂製の三角錐型キューブコーナー再
帰反射シートを作成した。
【0127】実施例4 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、第1方
向(y方向)を、先端角度が95.3゜のダイアモンドバイ
トを用いて、繰り返しピッチが161μm、溝の深さが72.7
μmとなるように断面形状がV字の平行溝を繰り返しの
パターンでフライカッティング法によって切削した。
【0128】しかる後に、第2方向(z方向)を、先端
角度が67.9゜のダイアモンドバイトを用いて、繰り返し
ピッチが173μm、溝の深さが80μmであって、線yとの
交差角度が42.3゜となるように断面形状がV字の平行溝
を繰り返しのパターンでフライカッティング法によって
切削した。
【0129】更に、第3方向(x方向)を、先端角度が
44.2゜のダイアモンドバイトを用いて、繰り返しピッチ
が230μm、溝の深さが88μmであって、線yとの交差角
度が63.6゜、線zとの交差角度が74.1゜となるように断
面形状がV字の平行溝を繰り返しのパターンでフライカ
ッティング法によって切削した。
【0130】真鍮板上に三角錐型再帰反射素子の平面
(S−S')からの高さ(hs)が 88μm、平面(T−
T')からの高さ(ht)が72.7μm、平面(U−U')か
らの高さ(hu)が80μmの凸形状の多数の三角錐型キュ
ーブコーナーが最密充填状に配置された母型を形成し
た。この三角錐型再帰反射素子の3つの内角は、それぞ
れ、rx=42.3、ry=74.1、rz=63.6であり、三角錐
を構成する三面のプリズム面角はいずれも90゜であっ
た。
【0131】以下、実施例1と同様に材質がニッケルの
凹形状のキューブコーナー成形用金型を作成し、これを
用いて実施例1と同様のポリカーボネート樹脂シートを
同様の成形条件で圧縮成形して、表面に支持体層の厚さ
が約250μmで、hs=88μm、ht=72.7μm、hu=80μ
m、3つの内角が、それぞれ、rx=42.3、ry=74.1、
z=63.6でのキューブコーナーを最密充填状に配置し
たポリカーボネート樹脂製の三角錐型キューブコーナー
再帰反射シートを作成した。
【0132】比較例1 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、先端角
度が第1方向(z方向)と第2方向(y方向)が61.98゜
で、第3方向(x方向)が86.53゜のダイアモンドバイト
を用いて、第1方向と第2方向との繰り返しピッチが18
1.24μmで第3方向の繰り返しピッチが160.29μm、また
第1方向と第2方向との交差角度が68.86゜となるように
断面形状がV字の溝を繰り返しのパターンでフライカッ
ティング法によって切削し、真鍮板上にキューブコーナ
ー再帰反射素子の高さが80μmの凸形状の多数の三角錐
型キューブコーナーが最密充填状に配置された母型を形
成した。この反射素子の光学軸傾斜角θは−8゜、三角
錐を構成する三面のプリズム面角はいずれも90゜であっ
た。
【0133】実施例1と同じ方法でポリカーボネート樹
脂製の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作成
した。
【0134】比較例2 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、先端角
度が第1方向(z方向)と第2方向(y方向)が73.44゜
で、第3方向(x方向)が64.53゜のダイアモンドバイト
を用いて、第1方向と第2方向との繰り返しピッチが16
6.92μmで第3方向の繰り返しピッチが177.23μm、また
第1方向と第2方向との交差角度が56.18゜となるように
断面形状がV字の溝を繰り返しのパターンでフライカッ
ティング法によって切削し、真鍮板上に反射素子の高さ
が80μmの凸形状の多数の三角錐型キューブコーナーが
最密充填状に配置された母型を形成した。このキューブ
コーナー再帰反射素子の光学軸傾斜角θは+3゜、三角
錐を構成する三面のプリズム面角はいずれも90゜であっ
た。
【0135】実施例1と同じ方法でポリカーボネート樹
脂製の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作成
した。
【0136】第1表に、上記実施例1〜2、及び比較例
1〜2で作成した三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
ートの再帰反射輝度の測定データー〔反射輝度の単位
は、いずれも(cd/Lx・m2)〕を示した。実施例1及び
実施例2の再帰反射シートは広範な範囲で高い反射輝度
を示したが、比較例1の反射シートは特に入射角が5゜
〜10゜での輝度変化が大きく、比較例2の反射シートに
おいては入射角30゜における輝度低下が大きく、従っ
て、いずれの比較例においても入射角特性が劣ってい
る。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術であるJungersen 特許に記載された図
面であり、(イ)は三角錐型キューブコーナー再帰反射
シートの反射素子群の平面図を表すFig15であり、(ロ)
は該反射素子群の断面図を表すFig17である。
【図2】上記図1に示された反射素子群中の1組の三角
錐型再帰反射素子対の図であり、(イ)は平面図であ
り、(ロ)は断面図である。
【図3】従来技術であるHoopman特許に記載された図面
であり、(イ)は三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
ートの反射素子群の平面図を表すFig3であり、(ロ)は
該反射素子群の断面図を表すFig4である。
【図4】上記図3に示された反射素子群中の1組の三角
錐型再帰反射素子対の図であり、(イ)は平面図であ
り、(ロ)は断面図である。
【図5】本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
ートを構成する三角錐型再帰反射素子の1例を説明す
る、その共有する底辺(x,x・・・)、底辺(y,y・・
・)及び底辺(z,z・・・)がいずれも同一平面(S−
S’)に包含される三角錐型再帰反射素子の図であり、
(イ)は該三角錐型再帰反射素子の反射素子群の平面図
であり、(ロ)は該反射素子群中の1組の三角錐型再帰
反射素子対の平面図であり、(ハ)は該反射素子対の断
面図である。
【図6】本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
ートを構成する三角錐型再帰反射素子の別の1例を説明
する、その共有する底辺(x,x・・・)が平面(S−
S’)に包含され、底辺(y,y・・・)及び底辺(z,
z・・・)がいずれも該平面(S−S’)とは異なる平面
(T−T’)に包含される三角錐型再帰反射素子の図で
あり、(イ)は三角錐型再帰反射素子対の平面図であ
り、(ロ)は該反射素子対の断面図である。
【図7】本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
ートを構成する三角錐型再帰反射素子の更に別の1例を
説明する、その共有する底辺(x,x・・・)、底辺
(y,y・・・)及び底辺(z,z・・・)がいずれもそれぞ
れ異なる平面に包含される三角錐型再帰反射素子群の図
であり、(イ)は該三角錐型再帰反射素子群の平面図で
あり、(ロ)は該三角錐型再帰反射素子群の断面図であ
る。
【図8】上記図7に示された反射素子群中の1組の三角
錐型再帰反射素子対の図であり、(イ)は三角錐型再帰
反射素子対の平面図であり、(ロ)は該反射素子対の断
面図であり、(ハ)は側面図である。
【図9】三角錐型再帰反射素子の3つの内角rx、ry
びrzの値(角度)を表す三角座標の図である。
【図10】従来技術による三角錐型再帰反射素子の3つ
の内角rx、ry及びrzの値(角度)及び本発明に従う
三角錐型再帰反射素子の3つの内角rx、ry及びrz
値(角度)の好適範囲を表す三角座標の部分図である。
【図11】本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射
シートの一例を説明する断面図である。
【符号の説明】
1.反射素子層 2.保持体層 3.空気層 4.表面保護層 5.印刷層 6.結合材層 7.支持体層 8.接着剤層 9.剥離材層

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに直角に交差する3つの傾斜面を有
    する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、互い
    に、その一つの底辺(x)を共有して、相対峙して、基
    盤上に最密充填状に配置されており、それぞれ、相対峙
    する二つの該三角錐型再帰反射素子は、その共有する底
    辺(x,x・・・)の中点を通り、多数の該底辺(x,x・
    ・・)を含む平面(S−S’)に垂直な線を中心にして1
    80度回転して、それぞれ実質的に対称となるように向
    き合って、実質的に同一形状の三角錐型再帰反射素子対
    を形成しており、かつ該三角錐型再帰反射素子の底辺
    (x,x・・・)上を通り、該平面(S−S’)に垂直な
    垂直面を垂直面(Lx,Lx・・・)とし、該三角錐型再帰
    反射素子の他の2つの底辺(y,y・・・)及び(z,z・
    ・・)上を通り、該平面(S−S’)に垂直な2つの垂直
    面をそれぞれ垂直面(Ly,Ly・・・)及び垂直面(Lz
    z・・・)とし、かつ (1)垂直面(Ly)と垂直面(Lz)とがなす内角をrx (2)垂直面(Lz)と垂直面(Lx)とがなす内角をry (3)垂直面(Ly)と垂直面(Lx)とがなす内角をrz とした場合、3つの内角rx、ry及びrzがそれぞれ実
    質的に異なることを特徴とする三角錐型キューブコーナ
    ー再帰反射シート。
  2. 【請求項2】 該三角錐型再帰反射素子の3つの内角r
    x、ry及びrzが、それぞれ、実質的に異なり、かつ、
    該3つの内角rx、ry及びrzの最大の内角を内角rmax
    とすると、該内角rmaxが 63゜≦ rmax ≦88゜ である請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰
    反射シート。
  3. 【請求項3】 該三角錐型再帰反射素子の3つの内角r
    x、ry及びrzが、それぞれ、実質的に異なり、かつ該
    3つの内角rx、ry及びrzを三角座標で表した場合
    に、(rx/180゜,ry/180゜,rz/180゜)が(0.49
    2,0.242,0.266)、(0.492,0.042,0.466)及び(0.
    358,0.308,0.333)で囲まれた第1領域、(0.267,0.
    242,0.491)、(0.467,0.042,0.491)及び(0.333,
    0.308,0.358)で囲まれた第2領域、(0.242,0.267,
    0.491)、(0.019,0.467,0.514)及び(0.317,334,
    0.350)で囲まれた第3領域、(0.242,0.492,0.26
    6)、(0.019,0.492,0.489)及び(0.317,0.358,0.
    325)で囲まれた第4領域、(0.267,0.492,0.241)、
    (0.467,0.492,0.041)及び(0.333,0.358,0.308)
    で囲まれた第5領域、及び(0.492,0.267,0.241)、
    (0.492,0.467,0.041)及び(0.358,0.334,0.308)
    で囲まれた第6領域、のいずれかの領域に存在する請求
    項1に記載された三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
    ート。
  4. 【請求項4】 多数の、相対峙する二つの三角錐型再帰
    反射素子の共有する多数の底辺(x,x・・・)を含む平
    面を平面(S−S’)とし、多数の該三角錐型再帰反射
    素子の他の多数の底辺をそれぞ底辺(y,y・・・)及び
    底辺(z,z・・・)とし、かつ、多数の底辺(y,y・・
    ・)を含む平面を平面(T−T’)及び多数の底辺
    (z,z・・・)を含む平面を平面(U−U’)とした場
    合に、平面(S−S’)と、平面(T−T’)と、平面
    (U−U’)とが実質的に同一の平面をなすことを特徴
    とする請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰
    反射シート。
  5. 【請求項5】 多数の、相対峙する二つの三角錐型反射
    素子の共有する多数の底辺(x,x・・・)を含む平面
    (S−S’)から該三角錐型再帰反射素子の頂点
    (H1,H2)までの高さをhsとし、該三角錐型再帰反
    射素子の他の一方の底辺(y,y・・・)を含む平面(T
    −T’)から該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1
    2)までの高さをhtとし、かつ該三角錐型再帰反射素
    子のさらに他の底辺(z,z・・・)を含む平面(U−
    U’)から該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1,H2
    までの高さをhuとした場合に、hsが、ht及びhuより
    も実質的に大である請求項1に記載の三角錐型キューブ
    コーナー再帰反射シート。
  6. 【請求項6】 上記hsとhtとhuがそれぞれ実質的に
    相違し、hsが、ht及びhuよりも実質的に大である請
    求項5に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
    ト。
  7. 【請求項7】 該三角錐型再帰反射素子の頂点(H1
    2)から平面(S−S')に下された垂線と該平面(S
    −S')との交点(P)から該素子対が共有する底辺
    (x、x、....)までの距離(p)と、該三角錐型反射
    素子の光学軸と該平面(S−S')との交点(Q)から
    該素子対が共有する底辺(x、x、....)までの距離
    (q)との差(q−p)がプラス(+)となるような方
    向に該光学軸が前記垂直面(Lx,Lx・・・)と4゜〜12
    ゜の角度をなすように傾いている請求項5又は6のいず
    れかに記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
    ト。
  8. 【請求項8】 上記hsが、ht及びhuよりも実質的に
    小である請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再
    帰反射シート。
  9. 【請求項9】 上記hsとhtとhuがそれぞれ実質的に
    相違し、hsが、ht及びhuよりも実質的に小である請
    求項8に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
    ト。
  10. 【請求項10】 該三角錐型再帰反射素子の頂点
    (H1、H2)から平面(S−S')に下された垂線と平
    面(S−S')との交点(P)から該素子対が共有する
    底辺(x、x、....)までの距離(p)と、該三角錐型
    反射素子の光学軸と該平面(S−S')との交点(Q)
    から該素子対が共有する底辺(x、x、....)までの距
    離(q)との差(q−p)がマイナス(−)となるよう
    な方向に該光学軸が前記垂直面(Lx,Lx・・・)と4゜
    〜12゜の角度をなすように傾いている請求項8又は9の
    いずれかに記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射シ
    ート。
  11. 【請求項11】 上記hsとhtとhuがそれぞれ実質的
    に相違し、該hs、ht及びhuの最も大であるものをh
    maxとし、最も小であるものをhminとし、残りのものを
    midとした場合に、 1.05 < hmax/hmid < 1.5 1.05 < hmid/hmin < 1.5 である請求項6又は9のいずれかに記載の三角錐型キュ
    ーブコーナー再帰反射シート。
  12. 【請求項12】 上記hs、ht及びhuがいずれも50μ
    以上であり、かつ400μ以下である請求項1〜11のい
    ずれかに記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
    ト。
  13. 【請求項13】 母型基盤上に、一定の繰り返しピッチ
    で平行な多数のV字上の溝をそれぞれ異なるx方向、y
    方向及びz方向の3方向に切削し、この際、該3方向の
    y方向の溝とz方向の溝の交差角度をrx、x方向の溝
    とz方向の溝の交差角度をry、x方向の溝とy方向の
    溝の交差角度をrzとした場合、3つの交差角度rx、r
    y及びrzがそれぞれ実質的に異なる方向に該x方向、y
    方向及びz方向を定めて、該3方向にそれぞれ多数の該
    V字状の溝を切削することにより、互いに直角に交差す
    る3つの傾斜面(a,b,c)を有する三角錐型キュー
    ブコーナー素子が、互いに、その一つの底辺(x)を共
    有して、相対峙して、基盤上に最密充填状に配置され、
    それぞれ、相対峙する二つの該三角錐型キューブコーナ
    ー素子は、その共有する底辺(x,x・・・)の中点を通
    り、多数の該底辺(x,x・・・)を含む平面(S−
    S’)に垂直な線を中心にして180度回転して、それ
    ぞれ実質的に対称となるように向き合って、実質的に同
    一形状の一対の三角錐型キューブコーナー素子を形成し
    ており、かつ各三角錐型キューブコーナー素子の3つの
    頂角に対応する該rx、ry及びyzがそれぞれ実質的に
    異なる三角錐型キューブコーナー素子が多数配置されて
    いることを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反
    射シートを作成するための母型の製造方法。
  14. 【請求項14】 該x方向の溝の深さをvx、y方向の
    溝の深さをvy、z方向の溝の深さをvzとした場合、v
    x、vy及びvzが実質的に等しくなるように該3方向に
    該溝を切削する請求項13に記載の三角錐型キューブコ
    ーナー再帰反射シートを作成するための母型の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 上記vxが、vy及びvzよりも実質的
    に大となるように該3方向に該溝を切削するである請求
    項13に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
    トを作成するための母型の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記vxが、vy及びvzよりも実質的
    に小となるように該3方向に該溝を切削するである請求
    項13に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
    トを作成するための母型の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記vx、vy及びvzがそれぞれ実質
    的に相違するように該3方向に該溝を切削する請求項1
    3に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを
    作成するための母型の製造方法。
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