JP2954709B2 - 三角錐型キューブコーナー型再帰反射シート - Google Patents

三角錐型キューブコーナー型再帰反射シート

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JP2954709B2
JP2954709B2 JP10519208A JP51920898A JP2954709B2 JP 2954709 B2 JP2954709 B2 JP 2954709B2 JP 10519208 A JP10519208 A JP 10519208A JP 51920898 A JP51920898 A JP 51920898A JP 2954709 B2 JP2954709 B2 JP 2954709B2
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triangular
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育夫 三村
恵二 安達
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は新規な構造の三角錐型キューブコーナー再帰
反射シートに関する。より詳しくは、本発明は新規な構
造の三角錐型反射素子が最密充填状に配置されたキュー
ブコーナー型再帰反射シートに関する。
詳しくは、本発明は、道路標識、工事標識等の標識
類、自動車、オートバイ等の車両のナンバープレート
類、衣料、救命具等の安全資材類、看板等のマーキン
グ、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサー
類の反射板等において有用な三角錐型キューブコーナー
再帰反射素子(以下、三角錐型反射素子又は単に素子と
もいう)によって構成されるキューブコーナー型再帰反
射シートに関する。
さらに詳しくは、本発明は、共通する一底面(X−
X′)上に突出した三角錐型キューブコーナー再帰反射
素子が、互いに該底面(X−X′)上の一つの底辺を共
有して、相対峙して該底面上に最密充填状に配置されて
おり、該底面(X−X′)は該三角錐型反射素子が共有
する多数の該底辺(x、x、…)を包含する共通の一平
面であり、相対峙する二つの該三角錐型反射素子は、該
底面(X−X′)上の共有する底辺(x、x、…)を含
む該底面に垂直な平面(Y−Y′、Y−Y′、…)に対
してそれぞれ実質的に対称となるように向き合った実質
的に同一形状の素子対をなしており、該三角錐型反射素
子は、該共有する底辺(x、x、…)を一辺とする実質
的に同一の五角形状の傾斜面(c1面、c2面)と、該三角
錐型反射素子の頂点(H1、H2)を起点とする前記c1面又
はc2面の上部の二辺をそれぞれ一辺とし、該三角錐型反
射素子の一つの稜線を共有して、これを一辺とする該c1
面又はc2面と実質的に直角に交差する実質的に同一の四
角形状の傾斜面(a1面、b1面;a2面、b2面)から成り、
該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)から、該三角錐型
反射素子の五角形状の傾斜面(c1面、c2面)の底辺
(x、x、…)を含む該底面(X−X′)までの高さ
(h′)が、該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)か
ら、該三角錐型反射素子の他の傾斜面(a1面、b1面;a2
面、b2面)の底辺(z、w)を包含する実質的に水平の
面(仮想面Z−Z′)までの高さ(h)よりも実質的に
大であることを特徴とする三角錐型キューブコーナー型
再帰反射シートに関する。
背景技術 従来、入射した光を光源に向かって反射する再帰反射
シートはよく知られており、その再帰反射性を利用した
該シートは上記のごとき利用分野で広く利用されてい
る。中でも三角錐型反射素子などのキューブコーナー再
帰反射素子の再帰反射原理を利用したキューブコーナー
型再帰反射シートは、従来のマイクロ硝子球を用いた再
帰反射シートに比べ光の再帰反射効率が格段に優れてお
り、その優れた再帰反射性能により年々用途が拡大しつ
つある。
しかしながら従来公知の三角錐型再帰反射素子は、そ
の反射原理から素子の持つ光学軸(三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射素子を構成する互いに90°の角度で交差
する3個の面から等しい距離にある該三角錐の頂点を通
る軸)と入射光線とがなす角度(以下これを入射角とい
う)が小さい角度の範囲では良好な再帰反射効率を示す
が、入射角が大きくなるに連れて再帰反射効率は急激に
低下する(すなわち入射角特性が劣る)。また、その三
角錐型反射素子を構成する透明媒体の屈折率と空気の屈
折率との比によって定まる内部全反射条件を満足する臨
界角度(αc)未満の角度で三角錐型反射素子面に入射
した光源は、該素子の界面で全反射することなく、該素
子の背面に透過するために、三角錐型反射素子を用いる
再帰反射シートは、一般に入射角特性が劣るという欠点
があった。
他方、三角錐型再帰反射素子は、該素子のほぼ全面に
わたって光の入射した方向に光を反射させることができ
るために、マイクロ硝子球型反射素子のように球面収差
などの原因によって反射光が広い角度に発散して反射す
ることはない。しかしながら、反射光のこの狭い発散角
度は実用面においては、例えば自動車のヘッドランプか
ら発せられた光が交通標識で再帰反射したとき、その光
軸から離れた位置にいる例えば運転者の目には達しにく
いという不都合が生じ易い。このような不都合は、特に
自動車と交通標識との距離が近接したときに、光線の入
射軸と運転者と反射点とを結ぶ軸(観測軸)とがなす角
度(観測角)が増大するためにますます増大する(すな
わち観測角特性が劣る)。
このようなキューブコーナー型再帰反射シート、特に
三角錐型キューブコーナー型再帰反射シートに関して
は、古くから多くの提案が知られており、種々の改良検
討がなされている。
例えば、ユンゲルセン(Jungersen)の米国特許第2,4
81,757号においては、薄いシートの上に様々な形の再帰
反射素子を設置してなる再帰反射シートおよびそれらシ
ートの製造方法について述べられている。上記米国特許
に例示されている三角錐型反射素子は、頂点を底面三角
形の中心に位置した光学軸の傾斜のない三角錐型反射素
子や、頂点の位置が底面三角形の中心に位置していない
光学軸の傾斜した三角錐型反射素子が例示されており、
接近してくる自動車に対して効率的に光を反射させるこ
とが記載されている。また、三角錐型反射素子の大きさ
としては、素子の深さとして1/10インチ(2,540μm)
以内であることが記載されている。さらに、この米国特
許のFig15には、光学軸が本発明における好適な態様と
同様にプラス(+)となる方向に傾斜している三角錐型
反射素子対が図示されており、その光学軸の傾斜角
(θ)は、図示されている三角錐型反射素子の底面三角
形の長辺と短辺の長さの比率から求めると、約6.5°で
あると推定される。
しかしながら、上記Jungersenの米国特許には、本発
明に示されるような極めて小さい三角錐型反射素子につ
いての具体的な開示は存在せず、また、優れた観測角特
性や入射角特性を与えるために、三角錐型反射素子がど
のような大きさ及び光学軸傾斜を有することが必要かな
どについては何らの記載も示唆もされていない。
なお本明細書において、「光学軸がプラス(+)とな
る方向に傾斜している」とは、後に詳述するように、三
角錐型反射素子の光学軸と該三角錐型反射素子の底面
(X−X′)との交点(Q)から、該素子対が共有する
底辺(x、x、…)までの距離(q)〔これは交点
(Q)から、該素子対が共有する底辺(x、x、…)を
含む該底面(X−X′)に垂直な平面(Y−Y′)間で
の距離と同じ〕と、該素子の頂点から底面(X−X′)
に下された垂線と該底面(X−X′)との交点(P)か
ら該素子対が共有する底辺(x、x、…)までの距離
(p)〔これは交点(P)から該垂直な平面(Y−
Y′)までの距離と同じ〕との差(q−p)がプラス
(+)となるような方向に光学軸が傾いていることを意
味するものとする。また逆に、(q−p)がマイナス
(−)となるような方向に光学軸が傾いているときに
は、以降「光学軸がマイナス(−)となる方向に傾斜し
ている」と表わすものとする。
また、スタム(Stamm)の米国特許第3,712,706号にお
いては薄いシート上に底面の三角形の形状が正三角形で
ある、所謂、正三角錐型キューブコーナー再帰反射素子
を、その底面が共通面上に最密充填状となるように並べ
られた再帰反射シートについて述べられている。このSt
ammの米国特許では、反射素子の反射面を、例えばアル
ミニウムなどの金属で蒸着処理を行って鏡面反射させる
ことにより、入射角の増大に伴なう再帰反射効率の低下
という問題や、内部全反射条件未満の角度で入射した光
が素子の界面を透過してしまい再帰反射しないと言う上
記不具合の改善を行っている。
しかしながら上記Stammの提案では、広角性の改善手
段として鏡面反射原理を採用しているために、得られる
再帰反射シートの外観が暗くなったり、鏡面層に採用さ
れているアルミニウム、銀などの金属が使用中に水や空
気の侵入により酸化されてしまい、反射輝度の低下を起
しがちであるなどの不具合を起しやすい。さらに、光学
軸の傾斜により広角性を改善する手段に関してはまった
く記載されていない。
さらに、ホープマン(Hoopman)のヨーロッパ特許第1
37,736B1号においては、薄いシート上に、底面の三角形
の形状が二等辺三角形である傾斜三角錐型キューブコー
ナー再帰反射素子が、その底面が共通面上に最密充填状
となるように並べられた再帰反射シートについて述べら
れている。この特許に記載の三角錐型キューブコーナー
再帰反射素子の光学軸の傾斜は、本発明の好適な三角錐
型反射素子の光学軸の傾斜方向とは反対に、マイナス
(−)方向に傾斜しており、その傾斜角は約7°〜13°
であることが示されている。
さらにまた、スチェッチ(Szczech)の米国特許第5,1
38,488号においても、同様に薄いシート上に、底面の三
角形の形状が二等辺三角形である傾斜三角錐型キューブ
コーナー再帰反射素子が、その底面が共通面上に最密充
填状となるように並べられた再帰反射シートについて開
示されている。この米国特許においては、該三角錐型反
射素子の光学軸は、お互いに向き合って対を成す二つの
三角錐型反射素子が互いに共有する辺の方向に傾斜して
おり、その傾斜角は約2°〜5°であり、素子の大きさ
が25μmから100μmであることが規定されている。
また、上記特許に対応するヨーロッパ特許第548,280B
1号においては、光学軸の傾きの方向が、対をなす二つ
の素子の共通の辺を含みかつ共通平面に垂直な面と素子
の頂点との距離が、素子の光学軸が共通平面と交差する
点と該垂直な面との距離に等しくなく、その傾斜角は約
2°〜5°であり、素子の大きさが25μmから100μm
であることが記載されている。
上記の様に、Szczechのヨーロッパ特許第548,280B1号
においては、光学軸の傾きがプラス(+)及びマイナス
(−)の両方を含む約2°〜5°の範囲となっている。
しかし、Szczechの上記米国特許及びヨーロッパ特許の
実施例には、光学軸の傾斜角度が(−)8.2°、(−)
9.2°及び(−)4.3°で、素子の高さ(h)が87.5μm
の三角錐型反射素子しか具体的には開示されていない。
以上述べた従来公知のJungersenの米国特許第2,481,7
57号;Stammの米国特許第3,712,706号;Hoopmanのヨーロ
ッパ特許第137,736B1号;Szczechの米国特許第5,138,488
号、ヨーロッパ特許第548,280B1号等の三角錐型キュー
ブコーナー再帰反射素子は、いずれも、光の入射及び反
射の中核をなす多数の三角錐型反射素子の底面が同一平
面上にある点で共通しており、かように底面が同一平面
にある三角錐型反射素子で構成された再帰反射シート
は、いずれも入射角特性が劣る、すなわち光線の該三角
錐型反射素子に対する入射角が増大すると、再帰反射輝
度が急激に減少するという欠点を有している。
一般に三角錐型キューブコーナー再帰反射シートに望
まれる基本的な光学特性として、高輝度性、すなわち、
該シート正面から入射した光の反射輝度に代表される反
射輝度の高さ(大きさ)、及び、広角性が要求され、さ
らに広角性に関しては、観測角特性、入射角特性、回転
角特性の三性能が要求される。
前述したとおり、従来公知の三角錐型キューブコーナ
ー再帰反射素子から構成された再帰反射シートは、いず
れも、入射角特性が低くかつ概して観測角特性も満足す
べきものではなかったのに対して、本発明者らは、光追
跡シュミレーションにより、該三角錐型反射素子の底面
(X−X′)上に一底辺を有する面(c面)の該素子の
頂点(H1、H2)からの深さ(h′)〔頂点(H1、H2)の
底面(X−X′)からの高さと同じ〕を、該三角錐型反
射素子の該c面と実質的に直角に交差する2面(a面、
b面)の底辺(z、w)を包含する面(仮想面Z−
Z′)の該頂点からの深さ(h)より実質的に大とする
ことにより、かような三角錐型反射素子から構成された
再帰反射シートの入射角特性を改善することができるこ
とを発見した。
発明の開示 本発明は、より詳細には、共通する一底面(X−
X′)上に突出した三角錐型キューブコーナー再帰反射
素子が、互いに該底面(X−X′)上の一つの底辺を共
有して、相対峙して該底面上に最密充填状に配置されて
おり、該底面(X−X′)は該三角錐型反射素子が共有
する多数の該底辺(x、x、…)を包含する共通の一平
面であり、相対峙する二つの該三角錐型反射素子は、該
底面(X−X′)上の共有する底辺(x、x、…)を含
む該底面に垂直な平面(Y−Y′、Y−Y′、…)に対
してそれぞれ実質的に対称となるように向き合った実質
的に同一形状の素子対をなしており、該三角錐型反射素
子は、該共有する底辺(x、x、…)を一辺とする実質
的に同一の五角形状の傾斜面(c1面、c2面)と、該三角
錐型反射素子の頂点(H1、H2)を起点とする前記c1面又
はc2面の上部の二辺をそれぞれ一辺とし、該三角錐型反
射素子の一つの稜線を共有してこれを一辺とする該c1
又はc2面と実質的に直角に交差する実質的に同一の四角
形状の傾斜面(a1面、b1面;a2面、b2面)から成り、該
三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)から、該三角錐型反
射素子の五角形状の傾斜面(c1面、c2面)の底辺(x、
x、…)を含む該底面(X−X′)までの高さ(h′)
が、該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)から、該三角
錐型反射素子の他の傾斜面(a1面、b1面;a2面、b2面)
の底辺(z、w)を包含する実質的に水平の面(仮想面
Z−Z′)までの高さ(h)よりも実質的に大であるこ
とを特徴とする三角錐型キューブコーナー型再帰反射シ
ートである。
本発明のさらに好適な三角錐型キューブコーナー型再
帰反射シートは、共通する一底面(X−X′)上に突出
した三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、互いに
該底面(X−X′)上の一つの底辺を共有して、相対峙
して該底面上に最密充填状に配置されており、該底面
(X−X′)は該三角錐型反射素子が共有する多数の該
底辺(x、x、…)を包含する共通の一平面であり、相
対峙する二つの該三角錐型反射素子は該底面(X−
X′)上の共有する底辺(x、x、…)を含む該底面に
垂直な平面(Y−Y′、Y−Y′、…)に対してそれぞ
れ実質的に対称となるように向き合った実質的に同一形
状の素子対をなしており、該三角錐型反射素子は、該共
有する底辺(x、x、…)を一辺とする傾斜面(c1面、
c2面)が、それぞれ実質的に同一の五角形状をなして該
共有する底辺に沿って連続して配置されており、該三角
錐型反射素子を形成する他の二つの傾斜面(a1面、b1
及びa2面、b2面)は、それぞれ、該三角錐型反射素子の
頂点(H1、H2)を起点とする前記c1面又はc2面の上部の
二辺をそれぞれ一辺として、該三角錐型反射素子の一つ
の稜線を共有してこれを一辺とする、実質的に同一の四
角形状の傾斜面をなし、該四角形状の傾斜面(a1面、b1
面)がその隣接する他の三角錐型反射素子の対応する四
角形状傾斜面(a2面又はb2面)と交差することによって
形成される該傾斜面(a1面、b1面)の底辺(z、w)を
包含する面(仮想面Z−Z′)は、前記底面(X−
X′)と実質的に平行であって、該三角錐型反射素子の
底面(X−X′)よりも実質的に上方に位置しており、
該三角錐型反射素子の光学軸と該底面(X−X′)との
交点(Q)から該素子対が共有する底辺(x、x、…)
までの距離(q)と、該素子の頂点(H1、H2)から底面
(X−X′)に下された垂線と該底面(X−X′)との
交点(P)から該素子対が共有する底辺(x、x、…)
までの距離(p)との差(q−p)がプラスとなるよう
な方向に、該光学軸が前記垂直な平面(Y−Y′)と少
なくとも3°の角度をなすように傾いていることを特徴
とする。
以下本発明を適宜図面を参照しつつさらに詳細に説明
する。
図面の簡単な説明 図1は、従来技術による三角錐型キューブコーナー再
帰反射素子の平面図である。
図2は、従来技術による三角錐型キューブコーナー再
帰反射素子の断面図である。
図3は、本発明を説明する三角錐型キューブコーナー
再帰反射素子の平面図である。
図4は、本発明を説明する三角錐型キューブコーナー
再帰反射素子の断面図である。
図5は、本発明を説明する一対の三角錐型反射素子を
拡大して示した平面図である。
図6は、本発明を説明する一対の三角錐型反射素子を
拡大して示した断面図である。
図7は、光学軸傾斜角(θ)と、光追跡シュミレーシ
ョンにより計算された正面輝度の関係を示すグラフであ
る。
図8は、本発明の三角錐型キューブコーナー反射シー
トの一態様の構造を示す断面図である。
発明の詳細な記述 本発明を説明する前に、まず従来公知の技術について
説明する。
図1と図2には、本発明の三角錐型キューブコーナー
再帰反射素子と対比するために、従来技術に基づく三角
錐型キューブコーナー再帰反射素子を説明する平面図と
断面図を示した。図1においては、共通する一平面上に
突出した三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、互
いに一つの底辺(x、x、…)を共有し、かつ多数の該
再帰反射素子の該共有する底辺(x、x、…)を含む共
通の平面(X−X′)に垂直な平面(Y−Y′)に対し
て略対称となるように向き合った素子対として、該素子
の底面が該共通する一平面(X−X′)上に最密充填状
に配置されている。
また、図2には、図1に示されている素子群の断面線
(L−L′)で切断した該三角錐型反射素子の断面図を
示す。これら素子対の有している光学軸は、互いに正反
対の方向に傾いている傾斜三角錐型キューブコーナー型
再帰反射シートであり、該素子の頂点(H1、H2)から底
面(X−X′)に下された垂線と該底面(X−X′)と
の交点(P)から、該素子対が共有する底辺(x、x、
…)までの距離(p)と、光学軸と該底面との交点
(Q)から該素子対が共有する底辺(x、x、…)まで
の距離(q)との差(q−p)がプラスとなるような方
向に、該光学軸が前記垂直な平面(Y−Y′)に対して
傾いている。
これに対して、図3と図4には本発明の三角錐型キュ
ーブコーナー再帰反射素子を説明する平面図と断面図が
示されている。図3においては、共通する一底面(X−
X′)上に突出した本発明の三角錐型反射素子が、互い
に該底面(X−X′)上の一つの底辺(x、x、…)を
共有して、相対峙して該底面(X−X′)上に最密充填
状に配置されていることが示されている。また、図4に
は、図3に示されている素子群の断面線(L−L′)で
切断した本発明の三角錐型反射素子の断面図を示す。図
3に示されているように、本発明の三角錐型反射素子
は、底面(X−X′)上の一つの底辺(x)を互いに共
有して相対峙している5角形状の傾斜面(c1面、c2面)
と、該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)を起点とする
前記c1面又はc2面の上部の二辺をそれぞれ一辺として、
該三角錐型反射素子の一つの稜線を共有して、これを一
辺とする該c1面又はc2面と実質的に直角に交差する実質
的に同一の四角形状の傾斜面(a1面、b1面及びa2面、b2
面)からなっている。
本発明の三角錐型反射素子は、図3に示されていると
おり、底面(X−X′)上の一つの底辺(x)を共有し
て、相対峙して、それぞれ実質的に対称となるように向
き合った実質的に同一の形状の素子対をなして、繰り返
しのパターンで最密充填状に配置されているために、該
共有の底辺(x)は一つの連続した直線を構成してい
る。また、隣接した他の三角錐型反射素子対の群が共有
する多数の底辺(x)は、前記の多数の底辺(x)を構
成する直線と平行で、等しい繰り返しピッチをもつ平行
直線群を形成する。
したがって、本発明の三角錐型反射素子の該傾斜面
(c1面、c2面)は、底辺(x)を共有して相対峙してお
り、底辺(x)は一つの連続した直線を構成しているた
めに、c1面は一つの連続した平面を形成し、同様に、c2
面も連続した平面を形成している。さらに、第3図のx
線に沿って見られる四角形状の傾斜面(a1面、b1面と2
つのc2面にはさまれた小さな四角形状の傾斜面)も、同
様にc1面又はc2面により形成されたx線上の平面上に位
置している。この結果、上記c1面またはc2面と上記小さ
な四角形状をもつ傾斜面により形成される面は、底辺が
上記連続した直線上にあり、断面がV字状の溝を形成し
ているc面と同じ傾斜面をなす。
なお本明細書における「実質的」なる用語は、極く僅
かな相違をも包含する表現であり、例えば「実質的に対
称」及び「実質的に同一の形状」とは、対応する辺及び
/又は角が完全に同一であるものと共に、その辺又は角
の大きさが、極く僅かに、例えばその値の1%以下程度
相違する場合を包含する表現である。
本発明の理解を容易にするために、図3において、 として示されている一対の三角錐型反射素子の拡大平面
図を図5として、またその図3においてL−L′線で示
した矢印方向からの側面図を図6として示した。
図6について説明すると、本発明の一対の三角錐型反
射素子の右側の素子R1(すなわち前記図3の で表わされる素子)のc1面は、点H1−D1−A−B−E1
囲まれる五角形状の面であり、a1面は点H1−J1−F1−D1
で囲まれる四角形状の面であり、またb1面は点H1−J1
G1−E1で囲まれる四角形状の面であり、a1面とb1面は実
質的に同一形状であり、c1面、a1面及びb1面は互いに実
質的に直角に交差している。また、面A−B−K1で表わ
される右側の三角錐型反射素子R1の底面は、共通の底面
(X−X′)の一部をなす。
図6において、R2で表わされる左側の三角錐型反射素
子は、図3において で表わされる一対の前記素子の左側の三角錐型反射素子
に該当し、その底面はA−B−K2で表わされ、底面がA
−B−K2で表わされる左側の三角錐型反射素子R2は、底
面がA−B−K1で表わされる右側の反射素子R1と同一形
状であって、両素子が共有する底辺(A−B)(これは
図3の共通する底辺x上にある)の左右に位置し、左側
の素子R2は、右側の素子R1が、両者の共有する底辺(A
−B)の中点(O)を中心として底面X−X′上を180
°左側に回転した形となっている。
したがって、図5において左側の素子R2の点H2−D2
B−A−E2で表わされるc2面、点H2−J2−F2−D2で表わ
されるa2面及び点H2−J2−G2−E2で表わされるb2面は、
右側の素子R1の前記c1面、a1面及びb1面とそれぞれ実質
的に同一の形状をなしており、c2面、a2面及びb2面も互
いに実質的に直角に交差している。
それ故、図5の線L−L′方向からの側面図である図
6において、点B−H1−J1−K1で表わされる右側の素子
R1の側面図と、点B−H2−J2−K2で表わされる左側の素
子R2の側面図とは、実質的に左右対称で同一形状をなし
ている。
図6に示したように、本発明の三角錐型反射素子
(R1、R2)の頂点は、それぞれH1及びH2で表わされてお
り、頂点(H1、H2)の共通底面(X−X′)からの高さ
はh′で表わされる。
この高さh′は、図5及び図6から明らかなように、
本発明の三角錐型反射素子R1及びR2の相対峙するc1面と
c2面がなすV字状の谷の、該素子の頂点H1及びH2を含む
面(仮想面)からの深さに該当する。
また、図5と図6から明瞭に理解できるように、本発
明の三角錐型反射素子R1及びR2の四角形状の斜面a1、b1
及びa2、b2はすべて実質的に同一形状で、素子R1の斜面
a1、b1の底辺F1−D1及びG1−E1及び素子R2の斜面a2面、
b2面の底辺F2−D2及びG2−E2はそれぞれ、同一平面をな
す仮想面(Z−Z′)上にあり、この仮想面Z−Z′か
ら該素子R1及びR2の頂点H1及びH2を含む面(仮想面)ま
での高さは第6図においてhで示されている。
したがって、本発明の該三角錐型反射素子R1及びR2
傾斜面a1面、b1面及びa2面、b2面がそれぞれ隣接する他
の素子の対応する斜面となす谷の頂点H1、H2を含む面か
らの深さ(その谷の底部は前記傾斜面a1面、b1面及びa2
面、b2面の底辺である)はhで表わされる。
本発明の三角錐型反射素子(R1、R2…)の特徴は、c1
面、c2面がなす谷の深さ(h′)が、a1面、b1面及びa2
面、b2面(及びこれらに対応する面)がなす谷の深さ
(h)よりも大きいことである。
また、本発明の三角錐型反射素子は、図3及び図5に
示すとおり、該素子R1及びR2のa1面、a2面の底辺は共通
の線w上にあり、またb1面、b2面の底辺は共通の線z上
に位置し、そしてc1面、c2面の底辺は共通の線x上に位
置する。
本発明においては、本発明の三角錐型反射素子の頂点
(H1、H2)の底面(X−X′)からの高さをh′とし、
また、該頂点(H1、H2)の該仮想面(Z−Z′)からの
高さをhとした場合に、h′/hの値が1.05〜1.5の範囲
にあるキューブコーナー型再帰反射シート、特にh′/h
の値が1.07〜1.4の範囲にあるものが好適である。
また図3〜図6に示すとおり、本発明の多数の該三角
錐型反射素子は、既に説明したとおり、多数の該素子の
対応する2つのc面が共有する底辺(x、x、…)を共
有して、相対峙して、共有する底辺(x、x、…)を包
含する底面(X−X′)上に最密充填状に配置されてい
る。
本発明においては、図3〜図6を参照して説明する
と、共通する一底面(X−X′)上に突出した三角錐型
キューブコーナー再帰反射素子が、互いに該底面(X−
X′)上の一つの底辺を共有して、相対峙して該底面上
に最密充填状に配置されており、該底面(X−X′)は
該三角錐型反射素子が共有する多数の該底辺(x、x、
…)を包含する共通の一平面であり、相対峙する二つの
該三角錐型反射素子は、該底面(X−X′)上の共有す
る底辺(x、x、…)を含む該底面に垂直な平面(Y−
Y′、Y−Y′…)に対してそれぞれ実質的に対称とな
るように向き合った実質的に同一形状の素子対をなして
おり、該三角錐型反射素子は該共有する底辺(x、x、
…)を一辺とする傾斜面(c1面、c2面)はそれぞれ実質
的に同一の五角形状をなして、該共有する底辺に沿って
連続して配置されており、該三角錐型反射素子を形成す
る他の二つの傾斜面(a1面、b1面及びa2面、b2面)は、
それぞれ、該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)を起点
とする前記c1面又はc2面の上部の二辺をそれぞれ一辺と
して、該三角錐型反射素子の一つの稜線を共有して、こ
れを一辺とする実質的に同一の四角形状の傾斜面をな
し、該四角形状の傾斜面(a1面、b1面)がその隣接する
他の三角錐型反射素子の対応する四角形状傾斜面(a2
又はb2面)と交差することによって形成される該傾斜面
(a1面、b1面)の底辺(z、w)を包含する面(仮想面
Z−Z′)は前記底面(X−X′)と実質的に平行であ
って、該三角錐型反射素子の底面(X−X′)よりも実
質的に上方に位置しており、該三角錐型反射素子の光学
軸と該底面との交点(Q)から該素子対が共有する底辺
(x、x、…)までの距離(q)と、該素子の頂点
(H1、H2)から底面(X−X′)に下された垂線と該底
面(X−X′)との交点(P)から該素子対が共有する
底辺(x、x、…)までの距離(p)との差(q−p)
がプラスとなるような方向に該光学軸が前記垂直な平面
(Y−Y′)と少なくとも3°の角度(θ)をなすよう
に傾いている事を特徴とするキューブコーナー型再帰反
射シートが好適である。
本発明においては、図6を参照して説明すると、例え
ば三角錐型反射素子R1の頂点H1を通る光学軸が、頂点H1
から底面(X−X′)に対する垂線(H1−P)〔これは
前記の底面(X−X′)に垂直な平面(Y−Y′)と考
えてもよい〕に対する角度(θ)を光学軸傾斜角とい
い、前記の(q−p)がプラスとなる方向に光学軸傾斜
角(θ)を少くとも3°又はそれ以上にすることが好ま
しいのである。
本発明においては、該素子の頂点(H1、H2)から底面
(X−X′)に下された垂線と該底面(X−X′)との
交点(P)から、該素子対が共有する底辺(x、x、
…)までの距離(p)と、該三角錐型反射素子の光学軸
と該底面との交点(Q)から、該素子対が共有する底辺
(x、x、…)までの距離(q)との差(q−p)がプ
ラスとなるような方向に該光学軸が前記垂直な平面(Y
−Y′)と4°〜12°の角度をなすように傾いているキ
ューブコーナー型再帰反射シート、特に上記の(q−
p)がプラスとなるような方向に該光学軸が該垂直な平
面(Y−Y′)と5〜10°の角度をなすように傾いてい
るキューブコーナー型反射シートが好適である。
また、本発明においては、共通する底面(X−X′)
上に突出した多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射
素子の頂点を起点とする一つの稜線を共有して、これを
一辺とする実質的に同一の四角形状の傾斜面(a1面、b1
面)が、その隣接する他の三角錐型反射素子の対応する
四角形状傾斜面(a2面又はb2面)と交差することによっ
て形成される該傾斜面(a1面、b1面又はa2面、b2面)の
多数の底辺(z、w)を包含する面(仮想面Z−Z′)
から、該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)までの距離
(h)が、50μm〜400μm、特に上記の距離(h)が6
0μm〜200μm、殊に70〜100μmの三角錐型反射素子
を有するキューブコーナー型再帰反射シートが好適であ
る。
本発明における三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)か
ら共有の底面(X−X′)までの高さ(h′)は、上記
の様に、該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)から仮想
面(Z−Z′)までの高さ(h)よりも実質的に大であ
るために、種々の光学的特性の改善が得られる。
この改善は、h′がhよりも実質的に大であるため
に、h′とhが等しい従来技術のc1の傾斜面に比べて、
c1面の面積を大きくすることができるために達成するこ
とができる。特に、c1面に対して垂直に近い角度で入射
した光、言い換えれば、大きな入射角の場合には、c1
の面積が増大されているために、入射角特性の改善が顕
著である。
さらに、上記c1面の面積増大による光学特性の改善
は、光学軸を傾斜させた三角錐型反射素子、とりわけ、
該三角錐型反射素子において距離(p)と距離(q)と
の差(q−p)がプラスとなるような方向に光学軸が傾
いている場合に、特に顕著である。
本発明において、上記のように(q−p)がプラスと
なるように光学軸が傾斜している場合は、特に入射角特
性が改善される。従来技術による光学軸の傾斜した三角
錐型反射素子においては、光学軸の傾斜のない正規三角
錐型反射素子が、前述した(q−p)がプラスとなるよ
うにその素子の持つ光学軸を傾斜させることにより、共
有の底辺(x)をもつ傾斜面(c1面、c2面)の面積が傾
斜前の面積に比べて小さくなり、三面反射して再帰反射
する確率が低下するという欠点がある。一方、入射した
光線が三つの傾斜側面で反射して効率的に再帰反射する
ためには、三つの傾斜面の面積が等しいことが好まし
い。しかしながら、従来技術における傾斜三角錐型反射
素子では、傾斜角度の増大に伴い共有の底辺ももつ傾斜
面(c1面、c2面)の面積が他の2面(a1面、b1面及びa2
面、b2面)に比べて小さくなるために、上記で説明した
三面反射して再帰反射する確率が低下してしまう。この
為に、正面から入射した光の再帰反射性能(正面反射輝
度)の低下のみならず、入射角が増大した時の再帰反射
性能(入射角特性)も低下する。
(q−pて)がプラスとなるように光学軸が傾斜する
と、三角錐型反射素子の傾斜面(c1面、c2面)の面積
は、光学軸が傾斜する前の面積に比較すると、光学軸傾
斜角(θ)が+3°の場合は約91%、+4°の場合には
約86%、+12°の場合には約62%に減少し、このような
面積減少に伴い、正面反射輝度と入射角特性は低下す
る。
この面積比率の減少に伴う、正面輝度の低下は三角錐
型反射素子の幾何光学的光追跡コンピュータシュミレー
ションにより確認が可能である。第7図には、従来技術
の三角錐型反射素子の高さ(h)が80μmと一定とし、
光学軸傾斜角(θ)を0°から+14°まで変化させた時
の、入射角を0°とし、かつ観測角を0°として計算さ
れた正面輝度を示されており、傾斜角(θ)の増大とと
もに計算された正面輝度が減少することがわかる。
これに対して、本発明における三角錐型反射素子にお
いては、頂点(H1、H2)から共有の底面(X−X′)ま
での高さ(h′)が、仮想面(Z−Z′)までの高さ
(h)よりも実質的に大であるように設計されているた
めに、傾斜面(c1面、c2面)の面積を従来技術で形成さ
れた三角錐型反射素子の傾斜側面に比べて、大きくする
ことが可能である。
このために、本発明による三角錐型反射素子は、特
に、光学軸傾斜角(θ)を、(q−p)がプラスとなる
方向に少くとも+3°又はそれ以上に傾斜させることに
より、三角錐型反射素子のc面の面積減少による輝度低
下という欠点を改善することができる。本発明において
は、以上の理由により、光学軸傾斜角(θ)が+4°〜
+12°、特に+5〜10°となるように光学軸が傾斜する
のが好ましい。なお、光学軸傾斜角(θ)が12°を超え
るような三角錐型反射素子においては、素子の変形が過
大となり、素子のどの方向から光が入るか(回転角)に
より反射輝度が大きく依存するために、回転角特性が低
下し、好ましくない。
三角錐型反射素子においては、h′/hの値が、好まし
くは1.05〜1.5、さらに好ましくは1.07〜1.4の範囲にあ
る場合に、最適な光学特性が得られる。このようなh′
/hの値を満足する三角錐型反射素子対の底辺を共有して
いる傾斜面(c1面、c2面)の面積は、他の二つの傾斜面
(a1面、b1面及びa2面、b2面)の面積に対して、略等し
い面積を持つことができるために、三面反射して再帰反
射する光線を増大することができる。
本発明の三角錐型反射素子の三つの傾斜面(a1面、b1
面、c1面)は、正面から見た面積の比率も入射軸方向か
ら見た面積比の比率も大きく変化しないから、本発明の
三角錐型反射素子は正面輝度特性と入射角特性の両方が
改善される。
また、h′/hの値が1.0又はそれ未満の場合、特に1.0
5未満の場合には、c1面、c2面の面積の増大する割合が
それ程顕著でなく、他方、h′/hが1.4を超える場合に
は他の二つの傾斜面(a1面、b1面及びa2面、b2面)の面
積の比率が、底辺を共有している傾斜面(c1面、c2面)
の面積に比べ小さくなるために、前記と同様の理由で光
学特性の改善が得られ難い。
本発明による三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)から
仮想面(Z−Z′)までの高さ(h)は好ましくは50〜
400μm、さらに好ましくは60〜200μmが推奨されう
る。高さ(h)が50μm未満の場合は、素子の大きさが
小さくなりすぎるために、素子の底面開口面積により定
まる回折効果により、再帰反射光の発散が過大となり、
正面輝度特性が低下する。また、高さ(h)が400μm
を超える場合には、シートの厚さが過大となり、柔軟な
シートが得られにくいため好ましくない。
また本発明における三角錐型反射素子のプリズム面で
ある三つの傾斜面(a1面、b1面、c1面)又は(a2面、b2
面、c2面)が互いに交差することによって形成される三
つのプリズム面角は、実質的に直角となるが、必ずしも
厳密な意味で直角(90°)でなくてもよく、必要に応じ
て直角から極く僅かに角度偏差を与えるようにすること
も可能である。該プリズム面角に極く僅かに角度偏差を
与えることによって、得られる三角錐型反射素子からの
反射光を適度に発散させることができる。しかしながら
この角度偏差を大きくし過ぎると、得られる三角錐型反
射素子からの反射光が発散し過ぎて再帰反射性能が低下
するので、これら三つの傾斜面(a1面、b1面、c1面)又
は(a2面、b2面、c2面)が互いに交差することによって
形成される少なくとも一つのプリズム面角の大きさは、
一般に89.5°〜90.5°、好ましくは89.7°〜90.3°の範
囲内となるようにするのがよい。
本発明の三角錐型キューブコーナー型再帰反射シート
は、一般に、以上述べたような三角錐型反射素子の形状
が、反転された凹形状として金属製のベルト上に最密充
填状に配置されたキューブコーナー成形用金型を用い、
この成形用金型に、後記するよな柔軟で且つ光学的透明
性、均一性に優れた適宜の樹脂シートを加熱押圧して、
該金型の形状を樹脂シートに反転・転写させて製造する
ことができる。
上記のキューブコーナー成形用金型の代表的な製造方
法については、例えば前記Stammの米国特許第3,712,706
号に詳細に記載されており、本発明においてもこの方法
に準じた方法を採用することができる。
具体的には、例えば、表面を平坦に研削した基材の上
に、先端角度が73.4〜81.0°程度の超硬質のバイト(例
えばダイアモンドバイト、タングステンカーバイド製バ
イト等)を用いて、2つの方向(図3のz方向及びw方
向)に、目的の三角錐型反射素子の形状に即して、それ
ぞれの方向の繰り返しピッチ及び溝の深さ(h)、並び
に相互の交差角度を定めて、その溝の深さ(h)が同じ
て断面形状がV字型の平行溝を切削し、次いで、第3方
向(x方向)を、先端角度が64.5〜46.5°程度の同様の
超硬質バイトを用いて、形成されているz方向溝とw方
向溝との交点を通り、これら二方向の交差角度(ここで
は鋭角の方を「交差角度」という)の補角を二等分する
ような繰り返しピッチ(図3の線xの繰り返しピッチ)
でV字型平行溝を切削することにより、凸状の微小な三
角錐が最密充填状に配置されたマイクロプリズム母型を
作成する。本発明においてはこの時、x方向溝の深さ
(h′)は、z方向及びw方向の溝の深さ(h)よりも
深くなるようにする。
本発明における好適な態様では、z方向及びw方向の
繰り返しピッチ100〜810μm、溝の深さ(h)50〜400
μm、相互の交差角度43〜55°;そしてx方向溝の深さ
(h′)75〜600μm程度の範囲である。
これらx方向、w方向及びz方向の溝の切削に際して
は、一般に、それぞれの溝の断面が二等辺三角形状とな
るように行うが、必要に応じて、これらの三方向の溝の
うち少なくとも一つの方向の溝の断面が、二等辺三角形
状から僅かにずれるように切削することも可能である。
その具体的方法としては、先端の形状が左右非対称のバ
イトを用いて切削したり、左右対称のバイトを僅かに傾
けて切削するなどの方法を例示することができる。この
ように溝の断面を二等辺三角形状から僅かにずらすこと
により、得られる三角錐型反射素子の三つの傾斜面(a1
面、b1面、c1面)又は(a2面、b2面、c2面)のそれぞれ
のプリズム面角のうち少なくとも一つのプリズム面角
に、直角(90°)から極く僅かに角度偏差を与えること
ができ、これによって三角錐型反射素子からの反射光を
完全な再帰反射の方向から適度に発散させることが可能
となる。
前記マイクロプリズム母型の作成に好適に用いること
のできる基材としては、ビッカース硬さ(JISZ2244)が
350以上、特に380以上の金属材料が好ましく、具体的に
は、例えば、アモルファス銅、電析ニッケル、アルミニ
ウム等を挙げることができ、合金系材料としては、例え
ば、銅−亜鉛合金(真鍮)、銅−錫−亜鉛合金、ニッケ
ル−コバルト合金、ニッケル−亜鉛合金、アルミニウム
合金等を挙げることができる。
また前記基材としては、合成樹脂材料の使用も可能で
あり、切削加工時に軟化して高精度の切削が困難となる
などの不都合が生じにくい等の理由から、そのガラス転
移点が150℃以上、特に200℃以上で且つロックウェル硬
さ(JISZ2245)が70以上、特に75以上の合成樹脂からな
る材料であるのが好ましく、具体的には、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンフタレー
ト系樹脂、ポタカーボネート系樹脂、ポリメチルメタク
リレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアリレート系
樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエーテルイ
ミド系樹脂及びセルローストリアセテート系樹脂等を挙
げることができる。
上記の如き合成樹脂からの平板の作成は、通常の樹脂
成形法、例えば、押出成形法、カレンダー成形法、溶液
キャスト法等により行うことができ、必要に応じてさら
に加熱処理、延伸処理等の処理を行うことができる。か
くして作成される平板の平面には、上記の方法によって
製造されるプリズム母型から電鋳金型を作成する際の導
電処理及び/又は電鋳加工を容易にするため、予備導電
処理を施すことができる。予備導電処理としては、金、
銀、銅、アルミニウム、亜鉛、クロム、ニッケル、セレ
ン等の金属を蒸着する真空蒸着法、これらの金属を用い
る陰極スパッタリング法、銅やニッケルを用いる無電解
メッキ法等が挙げられる。また、合成樹脂にカーボンブ
ラック等の導電性微粉末や有機金属塩等を配合し、平板
それ自体に導電性をもたせるようにしてもよい。
次に得られたマイクロプリズム母型は、その表面に電
鋳加工が施されて金属被膜が形成される。この金属被膜
を母型表面から取り外すことにより、本発明の三角錐型
コーナーキューブ型再帰反射シートの成形に用いるため
の金属製金型を作成することができる。
金属製マイクロプリズム母型の場合には、必要に応じ
てその表面を洗浄した後、直ちに電鋳加工を行うことが
できるが、合成樹脂製マイクロプリズム母型の場合に
は、電鋳加工を行うに先だって、先ず母型のプリズム表
面に導電性を付与させるための導電処理を施す必要があ
る。この導電処理としては、例えば、銀鏡処理、無電解
メッキ処理、真空蒸着処理、陰極スパッタリング処理な
どが採用可能である。
上記の銀鏡処理としては、具体的には、前述の方法で
形成した母型の表面をアルカリ洗剤などにより洗浄して
その油成分などの汚れを除去した後、タンニン酸などの
表面活性化剤を用いて活性化処理を行い、次いで速やか
に硝酸銀溶液を用いて銀鏡化する方法が挙げられる。こ
の銀鏡化は硝酸銀水溶液と還元剤(ブドウ糖やグリオキ
ザール等)水溶液の二筒式ノズルガンを用いたスプレー
法、硝酸銀水溶液と還元剤水溶液との混合液中に浸漬す
る浸漬法などが採用しうる。また、銀鏡被膜の厚さは電
鋳時の導電性が満足される範囲で薄い方が好ましく、例
えば、0.1μm以下の厚さを例示しうる。
無電解メッキ処理には、銅やニッケルがなど用いられ
る。無電解ニッケルメッキ液においては、ニッケルの水
可溶性金属塩として硫酸ニッケルや塩化ニッケルなどを
用いることができ、これに錯化剤としてクエン酸塩やリ
ンゴ酸塩を主成分とした溶液、及び還元剤として次亜リ
ン酸ナトリウム、ホウ素化水素ナトリウム、アミンボラ
ンなどを加えたものがメッキ液として用いられる。
真空蒸着処理は、銀鏡処理と同様に母型表面の洗浄を
行った後、真空装置に入れ、金、銀、銅、アルミニウ
ム、亜鉛、ニッケル、クロム、セレン等の金属を加熱気
化させて、冷却されている該母型表面に析出させて導電
被膜を形成させることによって行うことができる。ま
た、陰極スパッター処理は、平滑で所望の金属箔を装着
できる陰極板と被処理材料を載せるアルミニウム又は鉄
など金属製の陽極台が内部に設けられている真空装置
に、真空蒸着処理と同様に処理した母型を入れて陽極台
上に置き、真空蒸着の場合に用いたと同様の金属の箔を
陰極に取り付けて荷電してグロー放電を起こさせ、これ
により発生する陽イオン流を陰極の金属箔に衝突させる
ことにより金属原子又は微粒子を蒸発させ、これを該母
型表面に析出させて導電被膜を形成させることにより行
うことができる。これらの方法において形成される導電
被膜の厚さとしては、例えば、300Åの厚さが例示され
る。
合成樹脂製プリズム母型に、電鋳加工に際して平滑で
均一な電鋳層を形成するためには、上記の導電処理は該
母型の全面にわたって均一に施す必要がある。導電処理
が不均一な場合には、導電性の悪い部分の電鋳層表面の
平滑性が低下したり、又は電鋳層が形成されず欠損部分
となってしまうなどの不具合を生じる可能性がある。
この不具合を回避するためには、例えば、銀鏡処理の
直前に処理面をアルコールなどの溶剤で処理することに
より銀鏡液の漏れを改善する方法を採用しうるが、本発
明において形成される合成樹脂製プリズム母型は凹部分
が非常に深く鋭角なために、濡れの改善が不十分となり
がちである。この凹形状に基づく導電被膜の不具合は蒸
着処理などにおいても起こり易い。
電鋳加工により得られる電鋳層の表面を均一なものと
するために、しばしば活性化処理が行われる。この活性
化処理としては、例えば、10重量%スルファミン酸水溶
液に浸漬する方法等を採用することができる。
銀鏡処理が行われた合成樹脂製の母型に電鋳加工を行
った場合には、銀の層は電鋳層と一体化されて合成樹脂
製の母型から容易に剥離されるが、無電解メッキや陰極
スパッタリング処理でニッケルなどの導電被膜を形成し
た場合は、合成樹脂表面と該導電被膜との密着が良いた
めに、電鋳加工後の電鋳層と合成樹脂層との剥離が困難
となる場合がある。そのようなときには、電鋳加工に先
だって導電被膜層の上にクロメート処理などの所謂剥離
処理を行うのがよい。その場合、導電被膜層は剥離後に
合成樹脂層上に残留する。
表面に導電被膜層が形成された合成樹脂製プリズム母
型は、このような各種の前処理を行った後、電鋳加工に
より該導電被膜層の上に電鋳層が形成される。また、金
属製プリズム母型は、前記のように必要に応じてその表
面を洗浄した後、該金属上に直接電鋳層が形成される。
電鋳加工は、一般に、例えば、スルファミン酸ニッケ
ル60重量%水溶液中、40℃、電流条件10A/dm2程度の条
件下で行われる。電鋳層の形成速度としては、例えば、
48時間/mm以下程度とすることにより均一な電鋳層が得
られやすく、それ以上の形成速度においては表面の平滑
性の欠如や電鋳層の中に欠損部分が生じるなどの不具合
が起こりやすい。
また、電鋳加工においては、金型の表面摩耗性の改善
を目的として、コバルトなどの成分を加えたニッケル・
コバルト合金電鋳を行うこともできる。コバルトを10〜
15重量%加えることにより、得られる電鋳層のビッカー
ス硬度Hvを300〜400にまで硬くすることが可能であるの
で、得られる電鋳金型を用いて合成樹脂を成形し、本発
明の三角錐型キューブコーナー型再帰反射シートを製造
するに際して、該金型の耐久性を改善することが可能と
なる。
このようにしてプリズム母型から作成した第1世代の
電鋳金型は、さらに第2世代の電鋳金型を作成するのに
用いる電鋳マスターとして、繰り返し用いることができ
る。従って、一つのプリズム母型から幾つもの電鋳金型
を作成することが可能である。
作成された複数個の電鋳金型は、精密に切断された後
に、合成樹脂によるマイクロプリズムシートの成形を行
うための最終的な金型の大きさまで組み合せ接合して用
いることができる。この接合の方法としては、切断端面
を単に突き合わせる方法や組み合わせた接合部分を、例
えば電子ビーム溶接、YAGレーザー溶接、炭酸ガスレー
ザー溶接などの方法で溶接する方法などが採用可能であ
る。
組み合わされた電鋳金型は、合成樹脂成形用金型とし
て合成樹脂の成形に用いられる。この合成樹脂成形の方
法としては圧縮成形や射出成形を採用することができ
る。
圧縮成形は、例えば、形成した薄肉状のニッケル電鋳
金型、所定の厚さの合成樹脂シート及びクッション材と
して厚さ5mm程度のシリコーンゴム製シートを、所定の
温度に加熱された圧縮成形プレスに挿入した後、成形圧
の10〜20%の圧力下で30秒予熱を行った後、180〜250
℃、10〜30kg/cm2程度の条件下で約2分間加熱加圧する
ことにより行うことができる。しかるのち、加圧状態の
ままで室温まで冷却して圧力を開放することにより、プ
リズム成形品を得ることが可能である。
さらに、例えば、上記方法で形成した厚さ約0.5mmの
薄肉電鋳金型を、前記溶接法により接合してエンドレス
ベルト金型を作成し、このベルト金型を加熱ロールと冷
却ロールとからなる1対のロール上に設置して回転さ
せ、加熱ロール上にあるベルト金型に、溶融した合成樹
脂をシート状の形状で供給し、1個以上のシリコーン製
ロールで加圧成形を行った後、冷却ロール上でガラス転
移点温度以下に冷却して、ベルト金型から引き剥がすこ
とにより連続したシート状の製品を得ることが可能であ
る。
次に本発明のキューブコーナー型再帰反射シートの好
適な構造の態様について、その断面図である図8を参照
しながら説明する。
図8において、1は本発明の三角錐型反射素子(R1
R2)が最密充填状に配置された反射素子層、2は反射素
子を保持する保持体層であり、10は光の入射方向であ
る。反射素子層(1)および保持体層(2)は一体であ
るのが普通であるが、別々の層を積層しても構わない。
本発明における再帰反射シートの使用目的、使用環境に
応じて表面保護層(4)、観察者に情報を伝達したりシ
ートの着色のための印刷層(5)、反射素子層の裏面に
水分が侵入するのを防止するための密封封入構造を達成
するための結合材層(6)、結合材層(6)を支持する
支持体層(7)、および、該再帰反射シートを他の構造
体に貼付するために用いる接着剤層(8)と剥離材層
(9)とを設けることができる。
表面保護層(4)には再帰反射素子層(1)に用いた
のと同じ樹脂を用いることが出来るが耐候性を向上する
目的で紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤などをそ
れぞれ単独あるいは組み合わせて用いることが出来る。
さらに、着色剤として各種の有機顔料、無機顔料および
染料などを含有させることが出来る。
印刷層(5)は通常、表面保護層(4)と保持体層
(2)の間、あるいは、表面保護層(4)の上や反射素
子(1)の反射面上に設置することが出来、通常グラビ
ア印刷、スクリーン印刷およびインクジェット印刷など
の手段により設置可能である。
上記反射素子層(1)および保持体層(2)を構成す
る材料としては本発明の一つの目的である柔軟性を満足
するものであれば特に限定されるものではないが、光学
的透明性、均一性のあるものが好ましい。本発明におい
て使用し得る材料の例としては、ポリカーボネート樹
脂、塩化ビニール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素
樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポ
リオレフィン樹脂、セルロース系樹脂及びポリウレタン
樹脂などを例示できる。
本発明における反射素子層(1)は内部全反射条件を
満足する臨界角度を大きくする目的でキューブコーナー
再帰反射素子背面に空気層(3)を設置するのが一般的
である。使用条件下において水分の侵入による臨界角の
低下および金属層の腐食などの不具合を防止するために
反射素子層(1)と支持体層(7)とは結合剤層(6)
によって密封封入されるのが好ましい。この密封封入の
方法としては米国特許第3,190,178号、第4,025,159号、
日本公開実用新案昭和50−28669号等に示されている方
法が採用できる。結合剤層(6)に用いる樹脂としては
(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド
樹脂、エポキシ樹脂などがあげられ、接合の方法として
は公知の熱融着性樹脂接合法、熱硬化性樹脂接合法、紫
外線硬化性樹脂接合法、電子線硬化性樹脂接合法などが
適宜採用可能である。
本発明に用いる結合剤層(6)は支持体層(7)の全
面にわたって塗布しうるし、再帰反射素子層との接合部
分に印刷法などの方法により選択的に設置することも可
能である。
支持体層(7)を構成する材料の例としては再帰反射
素子層を構成する樹脂や一般のフィルム成形可能な樹
脂、繊維、布、ステンレスやアルミニウムなどの金属箔
または板をそれぞれ単独または複合して用いることが出
来る。
本発明の再帰反射シートを金属板、木板、ガラス板、
プラスチック板などに貼付するために用いる接着層
(8)および該接着剤のための剥離層(9)は、適宜、
公知のものを選択することができる。
実施例 以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、第1
方向(図3のz方向)と第2方向(図3のw方向)を、
先端角度が77.89°のダイアモンドバイトを用いて、z
方向及びw方向の繰り返しピッチが163.64μm、溝の深
さ(h)が80μmであって、図5の∠A−K1−Bで表わ
される線zと線wとの交差角度が49.22°となるように
断面形状がV字の平行溝を繰り返しのパターンでフライ
カッティング法によって切削した。
しかる後に、第3方向(x方向)を、先端角度が54.5
3°のダイアモンドバイトを用いて、繰り返しピッチ
(図3の線xの繰り返しピッチ)が196.46μm、溝の深
さ(h′)が90μm、第1方向及び第2方向と第3方向
との交差角度が65.39°となるようにV字平行溝を切削
して、真鍮板上に三角錐型反射素子の仮想面(Z−
Z′)からの高さ(h)が80μmの凸形状の多数の三角
錐型キューブコーナーが最密充填状に配置された母型を
形成した。この三角錐型反射素子の光学軸傾斜角θは+
8°であり、三角錐を構成する三面のプリズム面角はい
ずれも90°であった。またh′/hは、90/80=1.125であ
った。
この真鍮製母型を用いて電鋳法により、材質がニッケ
ルであって、形状が反転された凹形状のキューブコーナ
ー成形用金型を作成した。この成形用金型を用いて、厚
さ300μmのポリカーボネート樹脂シート(三菱エンジ
ニアリングプラスティックス株式会社製「ユーピロンE2
000」)を成形温度200℃、成形圧力50kg/cm2の条件で圧
縮成形した後に、加圧下で30℃まで冷却してから樹脂シ
ートを取り出して、表面に支持体層の厚さが約250μm
で、h=80μm、h′=90μm、且つ三角錐を構成する
三面のプリズム面角に角度偏差を与えていないキューブ
コーナーを最密充填状に配置したポタカーボネート樹脂
製の三角錐型キューブコーナー型再帰反射シートを作成
した。
実施例2 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、先端
角度が第1方向(z方向)と第2方向(w方向)が77.8
1°で、第3方向(x方向)が54.45°のダイアモンドバ
イトを用いて、第1方向と第2方向との繰り返しピッチ
が163.64μm、切削溝の深さ(h)が80μm、第1方向
と第2方向との交差角度が49.22°であり、また第3方
向の繰り返しピッチが196.46μm、切削溝の深さ
(h′)が90μmとなるように断面形状がV字の溝を繰
り返しのパターンでフライカッティング法によって切削
し、真鍮板上に三角錐型反射素子の仮想面(Z−Z′)
からの高さ(h)が80μmの凸形状の多数の三角錐型キ
ューブコーナーが最密充填状に配置された母型を形成し
た。この三角錐型反射素子の光学軸傾斜角θは+8°で
あり、三角錐を構成する三面のプリズム面角はいずれも
89.92°であった。またh′/hは90/80=1.125であっ
た。
以下、実施例1と同様に材質がニッケルの凹形状のキ
ューブコーナー成形用金型を作成し、これを用いて実施
例1と同様のポリカーボネート樹脂シートを同様の成形
条件で圧縮成形して、表面に支持体層の厚さが約250μ
mで、h=80μm、h′=90μm、且つ三角錐を構成す
る三面のプリズム面角に極く僅かな角度偏差を与えたキ
ューブコーナーを最密充填状に配置したポリカーボネー
ト樹脂製の三角錐型のキューブコーナー型再帰反射シー
トを作成した。
比較例1 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、先端
角度が第1方向(z方向)と第2方向(w方向)が61.9
8°で、第3方向(x方向)が86.53°のダイアモンドバ
イトを用いて、第1方向と第2方向との繰り返しピッチ
が181.24μmで第3方向の繰り返しピッチが160.29μ
m、また第1方向と第2方向との交差角度が68.86°と
なるように断面形状がV字の溝を繰り返しのパターンで
フライカッティング法によって切削し、真鍮板上にキュ
ーブコーナー再帰反射素子の高さが80μmの凸形状の多
数の三角錐型キューブコーナーが最密充填状に配置され
た母型を形成した。この反射素子の光学軸傾斜角θは−
8°、三角錐を構成する三面のプリズム面角はいずれも
90°であった。
実施例1と同じ方法でポリカーボネート樹脂製の三角
錐型キューブコーナー型再帰反射シートを作成した。
比較例2 表面を平坦に研削した100mm角の真鍮板の上に、先端
角度が第1方向(z方向)と第2方向(w方向)が73.4
4°で、第3方向(x方向)が64.53°のダイアモンドバ
イトを用いて、第1方向と第2方向との繰り返しピッチ
が166.92μmで第3方向の繰り返しピッチが177.23μ
m、また第1方向と第2方向との交差角度が56.18°と
なるように断面形状がV字の溝を繰り返しのパターンで
フライカッティング法によって切削し、真鍮板上に反射
素子の高さが80μmの凸形状の多数の三角錐型キューブ
コーナーが最密充填状に配置された母型を形成した。こ
のキューブコーナー再帰反射素子の光学軸傾斜角θは+
3°、三角錐を構成する三面のプリズム面角はいずれも
90°であった。
実施例1と同じ方法でポリカーボネート樹脂製の三角
錐型キューブコーナー型再帰反射シートを作成した。
第1表に、上記実施例1〜2、及び比較例1〜2で作
成した三角錐型キューブコーナー型再帰反射シートの再
帰反射輝度の測定データー〔反射輝度の単位は、いずれ
も(cd/Lx・m2〕を示した。実施例1及び実施例2の再
帰反射シートは広範な範囲で高い反射輝度を示したが、
比較例1の反射シートは特に入射角が5°〜10°での輝
度変化が大きく、比較例2の反射シートにおいては入射
角30°における輝度低下が大きく、従って、いずれの比
較例においても入射角特性が劣っている。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共通する一底面(X−X′)上に突出した
    三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、互いに該底
    面(X−X′)上の一つの底辺を共有して、相対峙して
    該底面上に最密充填状に配置されており、該底面(X−
    X′)は該三角錐型反射素子が共有する多数の該底辺
    (x、x、…)を包含する共通の一平面であり、相対峙
    する二つの該三角錐型反射素子は該底面(X−X′)上
    の共有する底辺(x、x、…)を含む該底面に垂直な平
    面(Y−Y′、Y−Y′、…)に対してそれぞれ実質的
    に対称となるように向き合った実質的に同一形状の素子
    対をなしており、該三角錐型反射素子は該共有する底辺
    (x、x、…)を一辺とする実質的に同一の五角形状の
    傾斜面(c1面、c2面)と、該三角錐型反射素子の頂点
    (H1、H2)を起点とする前記c1面又はc2面の上部の二辺
    をそれぞれ一辺とし、該三角錐型反射素子の一つの稜線
    を共有して、これを一辺とする該c1面又はc2面と実質的
    に直角に交差する実質的に同一の四角形状の傾斜面(a1
    面、b1面;a2面、b2面)から成り、該三角錐型反射素子
    の頂点(H1、H2)から、該三角錐型反射素子の五角形状
    の傾斜面(c1面、c2面)の底辺(x、x、…)を含む該
    底面(X−X′)までの高さ(h′)が、該三角錐型反
    射素子の頂点(H1、H2)から、該三角錐型反射素子の他
    の傾斜面(a1面、b1面;a2面、b2面)の底辺(z、w)
    を包含する実質的に水平の面(仮想面Z−Z′)までの
    高さ(h)よりも実質的に大であることを特徴とする三
    角錐型キューブコーナー型再帰反射シート。
  2. 【請求項2】共通する一底面(X−X′)上に突出した
    三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、互いに該底
    面(X−X′)上の一つの底辺を共有して、相対峙して
    該底面上に最密充填状に配置されており、該底面(X−
    X′)は該三角錐型反射素子が共有する多数の該底辺
    (x、x、…)を包含する共通の一平面であり、相対峙
    する二つの該三角錐型反射素子は該底面(X−X′)上
    の共有する底辺(x、x、…)を含む該底面に垂直な平
    面(Y−Y′、Y−Y′、…)に対してそれぞれ実質的
    に対称となるように向き合った実質的に同一形状の素子
    対をなしており、該三角錐型反射素子は、該共有する底
    辺(x、x、…)を一辺とする傾斜面(c1面、c2面)
    が、それぞれ実質的に同一の五角形状をなして該共有す
    る底辺に沿って連続して配置されており、該三角錐型反
    射素子を形成する他の二つの傾斜面(a1面、b1面及びa2
    面、b2面)は、それぞれ、該三角錐型反射素子の頂点
    (H1、H2)を起点とする前記c1面又はc2面の上部の二辺
    をそれぞれ一辺として、該三角錐型反射素子の一つの稜
    線を共有してこれを一辺とする、実質的に同一の四角形
    状の傾斜面をなし、該四角形状の傾斜面(a1面、b1面)
    がその隣接する他の三角錐型反射素子の対応する四角形
    状傾斜面(a2面又はb2面)と交差することによって形成
    される該傾斜面(a1面、b1面)の底辺(z、w)を包含
    する面(仮想面Z−Z′)は、前記底面(X−X′)と
    実質的に平行であって、該三角錐型反射素子の底面(X
    −X′)よりも実質的に上方に位置しており、該三角錐
    型反射素子の光学軸と該底面(X−X′)との交点
    (Q)から該素子対が共有する底辺(x、x、…)まで
    の距離(q)と、該素子の頂点(H1、H2)から底面(X
    −X′)に下された垂線と該底面(X−X′)との交点
    (P)から該素子対が共有する底辺(x、x、…)まで
    の距離(p)との差(q−p)がプラスとなるような方
    向に、該光学軸が前記垂直な平面(Y−Y′)と少なく
    とも3°の角度をなすように傾いていることを特徴とす
    るキューブコーナー型再帰反射シート。
  3. 【請求項3】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の
    頂点(H1、H2)の底面(X−X′)からの高さをh′と
    し、また、該頂点(H1、H2)の前記仮想面(Z−Z′)
    からの高さをhとした場合に、h′/hの値が1.05〜1.5
    の範囲にある特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
    キューブコーナー型再帰反射シート。
  4. 【請求項4】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の
    頂点(H1、H2)の底面(X−X′)からの高さをh′と
    し、また、該頂点(H1、H2)の前記仮想面(Z−Z′)
    からの高さをhとした場合に、h′/hの値が1.07〜1.4
    の範囲にある特許請求の範囲第1項又は第2項記載のキ
    ューブコーナー型再帰反射シート。
  5. 【請求項5】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の
    頂点(H1、H2)から底面(X−X′)に下された垂線と
    該底面(X−X′)との交点(P)から該素子対が共有
    する底辺(x、x、…)までの距離(p)と、該三角錐
    型反射素子の光学軸と該底面(X−X′)との交点
    (Q)から該素子対が共有する底辺(x、x、…)まで
    の距離(q)との差(q−p)がプラスとなるような方
    向に該光学軸が該垂直な平面(Y−Y′)と4°〜12°
    の角度をなすように傾いている特許請求の範囲第1項〜
    第4項のいずれかに記載のキューブコーナー型再帰反射
    シート。
  6. 【請求項6】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の
    頂点(H1、H2)から底面(X−X′)に下された垂線と
    該底面(X−X′)との交点(P)から該素子対が共有
    する底辺(x、x、…)までの距離(p)と、該三角錐
    型反射素子の光学軸と該底面(X−X′)との交点
    (Q)から該素子対が共有する底辺(x、x、…)まで
    の距離(q)との差(q−p)がプラスとなるような方
    向に該光学軸が該垂直な平面(Y−Y′)と5°〜10°
    の角度をなすように傾いている特許請求の範囲第1項〜
    第4項のいずれかに記載のキューブコーナー型再帰反射
    シート。
  7. 【請求項7】共通する底面(X−X′)上に突出した多
    数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の頂点
    (H1、H2)を起点とする一つの稜線を共有して、これを
    一辺とする実質的に同一の四角形状の傾斜面(a1面、b1
    面)がその隣接する他の三角錐型反射素子の対応する四
    角形状傾斜面(a2面又はb2面)と交差することによって
    形成される該傾斜面(a1面、b1面又はa2面、b2面)の多
    数の底辺(z、w)を包含する面(仮想面Z−Z′)か
    ら該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)までの距離
    (h)が50μm〜400μmである特許請求の範囲第1項
    〜第6項のいずれかに記載のキューブコーナー型再帰反
    射シート。
  8. 【請求項8】共通する底面(X−X′)上に突出した多
    数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の頂点
    (H1、H2)を起点とする一つの稜線を共有して、これを
    一辺とする実質的に同一の四角形状の傾斜面(a1面、b1
    面)がその隣接する他の三角錐型反射素子の対応する四
    角形状傾斜面(a2面又はb2面)と交差することによって
    形成される該傾斜面(a1面、b1面又はa2面、b2面)の多
    数の底辺(z、w)を包含する面(仮想面Z−Z′)か
    ら該三角錐型反射素子の頂点(H1、H2)までの距離
    (h)が60μm〜200μmである特許請求の範囲第1項
    〜第7項のいずれかに記載のキューブコーナー型再帰反
    射シート。
  9. 【請求項9】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の
    三つの傾斜面(a1面、b1面、c1面)又は(a2面、b2面、
    c2面)が互いに交差することによって形成される少なく
    とも一つプリズム面角の大きさが89.5°〜90.5°の範囲
    内である特許請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記
    載のキューブコーナー型再帰反射シート。
  10. 【請求項10】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子
    の三つの傾斜面(a1面、b1面、c1面)又は(a2面、b
    2面、c2面)が互いに交差することによって形成される
    少なくとも一つプリズム面角の大きさが89.7°〜90.3°
    の範囲内である特許請求の範囲第1項〜第9項のいずれ
    かに記載のキューブコーナー型再帰反射シート。
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