JP5203190B2 - キューブコーナー型再帰反射物品 - Google Patents

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Description

本発明は交通標識や商業標識に用いるのに最適な再帰反射物品に関する。詳しくは、断面の形状が実質的にV字状形の3方向の溝群から形成され、再帰反射素子を形成するひとつの底辺を共有し回転対称形となるように形成されたキューブコーナー再帰反射素子対が多数配置されてなる再帰反射物品において、該再帰反射素子対群を形成する1つの方向の平行V字状溝群(x溝)の底部の軌跡が直線であり、他の2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡がx溝との交点において屈折する連続した屈曲線形状であって、該2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡は互に交差しないように形成されており、該再帰反射素子を形成する底面の投影形状が四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)であることを特徴とする再帰反射物品であり、夜間における優れた再帰反射性能を示す再帰反射物品に関する。
さらに詳しくは、優れた広角性能を有した再帰反射物品であって、改善された入射角特性、観測角特性、および回転角特性を有した再帰反射物品に関する。
三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は優れた再帰反射性能を有しており、交通標識などの再帰反射物品に好ましく用いられる。
優れた広角性能を有した再帰反射物品であって、改善された入射角特性、観測角特性、および回転角特性を有した再帰反射物品に関するに関しては従来からいくつかの提案がなされている。
このようなキューブコーナー型再帰反射シートおよび再帰反射物品、特に三角錐型キューブコーナー再帰反射シートおよび再帰反射物品の入射角特性または観測角特性の改良に関しては、古くから多くの提案が知られており、種々の改良検討がなされている。これらの技術の多くは、いずれも再帰反射素子の有する光学軸を傾斜することによって入射角特性を改善している。
例えば、ユンゲルセン(Jungersen)の米国特許第2,310,790号においては薄いシートの上に様々な形の再帰反射素子を設置述べられている。この米国特許に例示されている三角錐型反射素子は頂点を底面三角形の中心に位置した光学軸の傾斜のない底面形状が正三角形の三角錐型反射素子や、頂点の位置が底面三角形の中心に位置していない底面形状が二等辺三角形の三角錐型反射素子が例示されており、接近してくる自動車に対して効率的に光を反射させる(入射角特性の改善)ことが記載されている。
また、三角錐型反射素子の大きさとしては素子の深さとして1/10インチ(2,540μm)以内であることが記載されている。さらに、この米国特許のFig.15には、光学軸が、後述するようにプラス(+)となる方向に傾斜している三角錐型反射素子対が図示されており、その光学軸の傾斜角(θ)は、図示されている三角錐型反射素子の底面二等辺三角形の長辺と短辺の長さの比率から求めると、約6.5°であると推定される。
さらに、ホープマン(Hoopman)のヨーロッパ特許第137,736B1においては、薄いシート上に底面の三角形の形状が二等辺三角形である一対の傾斜三角錐型キューブコーナー再帰反射素子がお互いに180°回転した形でその底面が共通面上に最密充填状に並べられた再帰反射シートおよび再帰反射物品について述べられている。この特許に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の光学軸の傾斜は、本明細書に記載するマイナス(−)方向に傾斜しており、その傾斜角は約7°〜13°であることが示されている。
さらにまた、スチェッチ(Szczech)の米国特許第5,138,488号においても、同様に薄いシート上に底面の三角形の形状が二等辺三角形である傾斜三角錐型キューブコーナー再帰反射素子をその底面が共通面上に最密充填状となるように並べられた再帰反射シートおよび再帰反射物品が開示されている。この米国特許においては、該三角錐型反射素子の光学軸は、お互いに向き合って対を成す二つの三角錐型反射素子が互いに共有する辺の方向、すなわち後述するプラス(+)方向に傾斜しており、その傾斜角は約2°〜5°であり、素子の大きさが25μm〜100μmであることが規定されている。
また、上記特許に対応するヨーロッパ特許第548,280B1においては、対をなす二つの素子の共通の辺を含み、かつ共通平面に垂直な面と素子の頂点との距離が、素子の光学軸が共通平面と交差する点と前記垂直な面との距離に等しくなく、光学軸の傾斜角は約2°〜5°であり素子の大きさが25μm〜100μmであることが記載されている。
上記の様に、Szczechのヨーロッパ特許第548,280B1おいては、光学軸の傾きがプラス(+)およびマイナス(−)の両方を含む約2〜5°の範囲となっている。しかし、Szczechの上記米国特許およびヨーロッパ特許の実施例には、光学軸の傾斜角度が(−)8.2°、(−)9.2°および(−)4.3°で、素子の高さ(h)が87.5μmの三角錐型反射素子しか開示されていない。
しかしながら、上記の入射角特性、観測角特性を改善する技術においては回転角特性の改善は達成できなかった。
回転角特性の改善に関しても様々な提案が試みられているが、いずれの提案においても底部の形状が三角形である再帰反射素子の方位を、様々な領域に区切って組み合わせることにより回転角特性の改善を試みるものである。
例えば、ベネット(Bennett)等による米国特許第5,022,739号、米国特許第5,132,841号、米国特許第5,175,645号、また、ニールセン(Nilsen)等による米国特許第6,036,322号、さらに、ネステガード(Nestegard)等による米国特許第5,706,132号、米国特許第5,936,770号、スミス(Smith)による米国特許第5,898,523号などが例示できる。
しかしながら、いずれの特許技術においても素子の領域を区切る形状や三角錐型キューブコーナー素子の方位が異なっているものの3方向のV字状の並行溝群により再帰反射素子が形成されているという基本的な技術は同じであると言える。
さらに、三村(Mimura)の米国特許第6,883,921B2号においては、本発明に開示された底面の投影形状が等脚台形に類似の再帰反射素子を含んでなる再帰反射素子が知られている。しかしながら、この発明に記載されている再帰反射素子は3方向のV字状の並行溝群により、投影形状が四辺形(等脚台形)の四面型再帰反射素子と投影形状が二等辺三角形の三角錐型再帰反射素子の二つのキューブコーナー再帰反射素子が常に対として形成されている。また、二等辺三角形形状のキューブコーナー再帰反射素子は四辺形キューブコーナー再帰反射素子に比べて反射効率が劣っているという欠点がある。
また、三村(Mimura)の米国特許第6,083,607号においては、三角錐型キューブコーナー再帰反射素子であって、該素子を形成する3方向のV字状の溝の深さが異なっているような再帰反射素子が開示されている。この特許に開示されている再帰反射素子の底面の形状は三角形である。
本発明が解決しようとしている課題は、優れた広角特性をもつ再帰反射物品の提供に有り、優れた入射角特性、観測角特性および、回転角特性の改善にある。
特に、優れた回転角特性を持つ再帰反射物品であって、併せて、優れた入射角特性と観測角特性を具備しているような再帰反射物品を提供することである。
具体的な用途としては、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレート、車両反射テープ、路側反射体、光学センサーの反射体、安全衣料用品などに用いることのできる再帰反射物品を供給することにある。
さらに、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレートなどに用いることのできる薄くて柔軟な再帰反射シートであって、優れた回転角特性を所有しているために自由な方位でシートを裁断して標識に用いることが出来る再帰反射シート及びその他の様々な用途に用いることが出来る再帰反射シートを供給することにある。
以下に、本発明の課題を解決するための具体的な手段に関して詳細に説明を行なう。
本発明による再帰反射物品は、ひとつの底辺を共有する実質的に対称形の多数のキューブコーナー再帰反射素子対群からなる再帰反射物品において、該再帰反射素子対群が、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)とから形成されており、該再帰反射素子を形成する底面の投影形状が四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)であり、該再帰反射素子対群を形成する底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hx)と、底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hw)とが異なることを特徴とする。
さらに詳しくは、本発明の再帰反射素子対群を形成する、底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hx)と、底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hw)との比率(hx/hw)が1.05〜1.4、好ましくは1.1〜1.3であることを特徴とする。
本発明による再帰反射物品は、断面の形状が実質的にV字状形の3方向の溝群から形成され、再帰反射素子を形成するひとつの底辺を共有し回転対称形となるように形成されたキューブコーナー再帰反射素子対が多数配置されてなる再帰反射物品において、該再帰反射素子対群を形成する1つの方向の平行V字状溝群(x溝)の底部の軌跡が直線であり、他の2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡がx溝との交点において屈折する連続した屈曲線形状であって、該2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡は互に交差しないように形成されており、該V字状溝群の少なくとも一つのV字状溝が、共通平面および、該共通平面に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面とに垂直な面と、該V字状溝の底辺を含む反射側面とが交差してなる線分とV溝垂直平面とがなす片側溝角が、他方のV字状溝の片側溝角が等しくなく、該再帰反射素子を形成する底面の投影形状が四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)であることを特徴とする再帰反射物品に関する。
詳しくは、断面の形状が実質的にV字状形の3方向の溝群から形成され、再帰反射素子を形成するひとつの底辺を共有し回転対称形となるように形成されたキューブコーナー再帰反射素子対が多数配置されてなる再帰反射物品において、該再帰反射素子対群を形成する1つの方向の平行V字状溝群(x溝)の底部の軌跡が直線であり、他の2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝の底部の軌跡がx溝との交点において屈折する連続した屈曲線形状であって、該2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡は互に交差しないように形成されており、該V字状溝群の少なくとも一つのV字状溝が、共通平面および、該共通平面に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面とに垂直な面と、該V字状溝の底辺を含む反射側面とが交差してなる線分とV溝垂直平面とがなす片側溝角が一つの反射側面内で変化しており、該一つの反射側面が曲面および/または複平面を形成しており、該再帰反射素子を形成する底面の投影形状が四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)であることを特徴とする再帰反射物品に関する。
本発明は、より詳細には、断面の形状が実質的にV字状形の3方向の溝群から形成され、再帰反射素子を形成するひとつの底辺を共有し回転対称形となるように形成されたキューブコーナー再帰反射素子対が多数配置されてなる再帰反射物品において、該再帰反射素子対群を形成する1つの方向の平行V字状溝群(x溝)の底部の軌跡が直線であり、他の2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡がx溝との交点において屈折する連続した屈曲線形状であって、該2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡は互に交差しないように形成されており、C1−AとA−Bのなす角をrA1、A−BとB−C1のなす角をrB1、B−C1とC1−Aのなす角をrC1とした時に、rA1、rB1、rC1がそれぞれ実質的に異なっており、該再帰反射素子を形成する底面の投影形状が四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)であることを特徴とする再帰反射物品である。
本発明による再帰反射物品は、断面の形状が実質的にV字状形の3方向の溝群から形成され、再帰反射素子を形成するひとつの底辺を共有し回転対称形となるように形成されたキューブコーナー再帰反射素子対が多数配置されてなる再帰反射物品において、該再帰反射素子対群を形成する1つの方向の平行V字状溝群(x溝)の底部の軌跡が直線であり、他の2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡がx溝との交点において屈折する連続した屈曲線形状であって、該2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡は互に交差しないように形成されており、該素子対群が、第1のゾーンと第2のゾーンを備えており、該第1のゾーンのx方向のV字状溝群をx1線とし、該第2のゾーンのx方向のV字状溝群をx2線とし、x1線とx2線のなす角度が5〜175度であり、該再帰反射素子を形成する底面の投影形状が四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)を形成している。
本発明の再帰反射物品を構成する再帰反射素子対は、断面がV字状の溝を3方向から切り取ることにより形成される。
一つの方向のV字状の溝は、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x溝)によって構成される。
また、他の2方向のV字状の溝は、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の2種の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)とから形成されており、これらの2種類の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)は、位相が異なっているが互いに平行で同一の隔たりを持って同じ方向に形成されている。
つまり、該並行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡は互いに交差しないように形成されている。
本発明の目的は、上記の従来公知の方法によらずに、x方向、w1方向、および
w2方向の三つの方向からの平行V字状溝群(x、x、x…、w1、w1、w1…、およびw2、w2、w2…)により形成され、該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面(S‐S’)上に設置された多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品において、共通平面(S‐S’)および該共通平面(S‐S’)に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面(Svx、Svw1、またはSvw2)とに垂直な面と該V字状溝の底辺を含む反射側面(a1、b1、c1、a2、b2、またはc2)とが交差してなる線分と、V溝垂平直面とがなす片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、またはGRw2)の内、少なくとも一つのV字状溝が形成する一方の再帰側反射面とV字状溝の底部の素子底面に対する垂線とがなす片側溝角と、他方の片側溝角(GLxとGRx、GLw1とGRw1、GLw2とGRw2)が等しくないものである。
なお、本発明に言う正規反射側面とはキューブコーナー再帰反射素子において、三つの反射側面が互いに実質的に垂直であるような理論的なキューブコーナー反射側面の関係にあるような反射側面をいう。さらに、正規な片側溝角とは正規な再帰反射素子を形成するに必要な溝角を意味している。
本発明の目的は、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対を構成する少なくとも一方向のV字状溝(x溝、w1溝、またはw2溝)を底辺に持つ反射側面において、該片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、GRw2)がキューブコーナーを形成する正規な片側溝角から0.0001〜0.1°の最大偏差をもって再帰反射素子対群を形成することにより、意図された観測角における再帰反射性能を選択的に改善することにある。
本発明に従うと、上記目的は、x方向、w1方向、およびw2方向の三つの方向からの平行V字状溝群(x、x、x…、w1、w1、w1…、およびw2、w2、w2…)により形成され、該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面(S‐S’)上に設置された多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品において、共通平面(S‐S’)および該共通平面(S‐S’)に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面(Svx、Svw1、またはSvw2)とに垂直な面と、該V字状溝の底辺を含む反射側面(a1、b1、c1、a2、b2、またはc2)とが交差してなる線分と、V溝垂直平面とがなす片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、またはGRw2)がキューブコーナーを形成する正規な片側溝角から0.0001〜0.1°の最大偏差をもって再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品を提供することによって、達成される。
これらの2方向のV字状の溝により形成されるキューブコーナー方再帰反射素子の底面の投影形状は四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)を形成しており、該四辺形の長いほうの底辺を共通の素子底辺として、互いに向かい合った実質的に対称形の素子対として形成されている。
本発明において、屈曲線形状とは一定の長さの直線が一定の角度を持って連続的に周期的に結合された形状であって、結合部分は曲線部を持たずに鋭く曲がってもいいが、一定の曲線部によって結合されてほうが本発明における再帰反射物品を形成するための金型を加工する場合に好適である。曲線部の具体的な大きさとしては半径が5〜50μmの曲線を例示することが出来る。
本発明における再帰反射物品は従来公知の方法に従い、再帰反射素子の反転した凹形状の成型金型を用いて、圧縮成型、射出成型、射出圧縮成型、および注型成型などの方法で形成することが出来る。凹形状の成型金型は、同じく従来公知のフライカット加工、ヘール加工、シェーパー加工、ルーリング加工、ミーリング加工、フライス加工、押圧加工などの方法により凸形状の金型をV字状の溝加工方法により作成した後に、電鋳法により反転させて作成することが出来る。V字状溝群(w1溝およびw2溝)を形成する屈曲線の屈曲部分が曲線形状を形成していて反射側面を形成しないが、他のV字状溝群(x溝)により大部分の領域が切取られて再帰反射性能を低下する不具合は少ない。
本発明において実質的に対称形のV字状の溝とは、該V字状の溝により形成されるキューブコーナー再帰素子の再帰反射性能が目的とする再帰反射製品の再帰反射の明るさを達成できるほどの精度が得られる程度の角度を有しているV字状の溝である。
本発明の目的は、上記の従来公知の方法によらずに、x方向、w1方向、および
w2方向の三つの方向からの平行V字状溝群(x、x、x…、w1、w1、w1…、およびw2、w2、w2…)により形成され、該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面(S‐S’)上に設置された多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品において、共通平面(S‐S’)および該共通平面(S‐S’)に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面(Svx、Svw1、またはSvw2)とに垂直な面と該V字状溝の底辺を含む反射側面(a1、b1、c1、a2、b2、またはc2)とが交差してなる線分と、V溝垂平直面とがなす片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、またはGRw2)が該反射側面内で一定の角度をなさず、該反射側面が曲面および/または複平面を形成することを特徴とする多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品を形成することにより、簡易な方法で三つの角度特性、特に観測角特性の改善を達成することにある。
なお、本発明に言う正規反射側面とはキューブコーナー再帰反射素子において、三つの反射側面が互いに実質的に垂直であるような理論的なキューブコーナー反射側面の関係にあるような反射側面をいう。さらに、正規な片側溝角とは正規な再帰反射素子を形成するに必要な溝角を意味している。
本発明の目的は、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対を構成する少なくとも一方向のV字状溝(x溝、w1溝、またはw2溝)を底辺に持つ反射側面において、該片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、GRw2)がキューブコーナーを形成する正規な片側溝角から0.0001〜0.1°の最大偏差をもって一定の角度をなさず、反射側面が曲面および/または複平面を形成することを特徴とする多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を形成することにより、意図された観測角における再帰反射性能を選択的に改善することにある。
本発明に従うと、上記目的は、x方向、w1方向、およびw2方向の三つの方向からの平行V字状溝群(x、x、x…、
w1、w1、w1…、およびw2、w2、w2…)により形成され、該平行V字状溝群の底辺群により定められる共通平面(S‐S’)上に設置された多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品において、
共通平面(S‐S’)および該共通平面(S‐S’)に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面(Svx、Svw1、またはSvw2)とに垂直な面と、該V字状溝の底辺を含む反射側面(a1、b1、c1、a2、b2、またはc2)とが交差してなる線分と、V溝垂直平面とがなす片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、またはGRw2)が該反射側面内で一定の角度をなさず、該反射側面が平面を形成しないことを特徴とする多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品を提供することによって、達成される。
更に、本発明の目的は、上記の従来公知の方法によらずに、三つの方向から等間隔に配置されたV字状溝群(x、x、x…、w1、w1、w1…、およびw2、w2、w2…)により形成され、該V字状溝群の底辺群により定められる共通平面(S‐S’)上に設置された多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品において、該再帰反射素子対におけるいずれかの方向のV字状溝を構成する底辺が直線状の軌跡をなさない非直線底辺であり、該V字状溝により形成される反射側面が曲面および/または複平面を形成することを特徴とする多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品を形成することにより、簡易な方法で三つの角度特性、特に観測角特性の改善を達成することにある。
本発明の他の目的は、該非直線底辺の両端を結んだ両端直線からの該非直線底辺への垂直線と該非直線底辺との交点と両端直線との最大距離で規定される非直線因子(fx、fy、またはfz)が、両端直線の長さをLとしたときに0.0001L〜0.05Lであることを特徴とする多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品を用いて、意図された観測角における再帰反射性能を選択的に改善することにある。
なお、本発明における正規反射側面とはキューブコーナー再帰反射素子のもつ三つの反射側面が互いに実質的に垂直であるような理論的なキューブコーナー反射側面の関係にあるような反射側面をいう。さらに、正規な片側溝角とは正規な再帰反射素子を形成するに必要なV字状溝のもつ片側溝角を意味している。また、非直線底辺とは反射側面を形成する底辺が直線状の軌跡をなさない底辺を意味し、このような底辺を持つ反射側面は平面を形成せず、2次または3次曲面およびこれらの曲面の組み合わせからなる多面反射側面、あるいは複数の平面の組み合わせからなる多面反射側面を形成している。
本発明のさらに好適な再帰反射物品は、該再帰反射素子の3つの内角rA1、rB1及びrC1が、それぞれ、実質的に異なり、かつ、該3つの内角rA1、rB1及びrC1の最大の内角を内角rmaxとすると、該内角rmaxが63°≦rmax≦88°である再帰反射物品である。
該再帰反射装置が第1のゾーンおよび第2のゾーンを備えていて、該第1のゾーンのx1線と、該第2のゾーンのx2線とのなす角度が5〜175度、好ましくは80〜100度である再帰反射装置においては、各ゾーンを組み合わせることにより水平方向と垂直方向およびその間の入射角特性を均一化することができる。
さらに、該再帰反射装置は3つ以上のゾーンを備えていても良い。各ゾーンのx線は、それらの線のなす角度が全方向にわたって均等になるように角度を分割して組み合わせることにより水平方向と垂直方向およびその間の入射角特性をさらに均一化することができる。
本発明において用いられるキューブコーナー再帰反射素子は、大きな傾斜角の光学軸を採用することができるので優れた入射角特性を持つことが出来る。従来公知の再帰反射素子においては光学軸の傾斜を大きくするにつれて、素子を形成する三つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の面積の違いが大きくなるために再帰反射効率が低下するという問題があった。一方、本発明における再帰反射素子においては、このような反射効率の低下を小さくすることが出来るために光学軸の傾斜角度がプラス(+)3度以上に傾斜することが出来る。
本発明における再帰反射素子の光学軸の傾斜角度は、好ましくはプラス(+)5〜20度、より好ましくは、プラス(+)7〜12度に傾斜させることが好ましい。このような大きい角度で光学軸が傾斜していても、従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子と異なって素子を形成する三つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の面積の違いが小さいために再帰反射効率が低下するという不具合は最小限に抑えることが可能である。
また、該再帰反射素子の四辺形形状の底面を形成する二つの底辺(A−B,D1−E1およびA−B,D2−E2)の距離をr、および、他の斜辺(A−D1,B−E1およびA−E2,B−D2)の延長線の交点(C1およびC2)と底辺(A−B)との距離をsとしたときに。距離rと距離sとの比率(R)
R=r/s (式1)
が0.4〜0.95であることが好ましい。この比率(R)を0.4〜0.95、好ましくは0.5〜0.9に調節することによって、素子を形成する三つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の面積の違いを小さくすることが出来る。
このようにして、従来公知の二等辺三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の頂点(C1およびC2)部分を、底辺(D1−E1,D2−E2)で切り取った四辺形形状の底面をもつ本発明によるキューブコーナー再帰反射素子の再帰反射効率は、切り取る前の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の再帰反射効率に対して変化が少ない。
本発明によれば、優れた広角特性、即ち、優れた入射角特性、観測角特性および、回転角特性の改善された再帰反射物品が提供できる。
本発明における再帰反射素子対群を形成する、底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hx)と、底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hw)とを異なるようにして形成している。
好ましくは、本発明における高さ(hx)と高さ(hw)との比率(hx/hw)が1.05〜1.4、であることが好ましく、さらに1.1〜1.3であることがより好ましい。
この様にプラス傾斜の本発明による反射素子においては、x方向のV字状の溝をw1方向またはw2方向のV字状の溝よりも深く形成することにより、共通の底辺(A−B)を含む反射側面(c1面、およびc2面)の面積を広くすることができるために再帰反射効率がより改善することができる。好ましくは他の反射側面(a1面,b1面、およびa2面,b2面)の面積と略等しくなるようにするのが好ましい。
また、マイナス傾斜の再帰反射素子においてはx方向の溝を浅くすることによって、過剰に大きくなった共通の底辺(A−B)を含む反射側面(c1面、およびc2面)の面積を小さくすることができるために再帰反射効率がより改善することができる。
図1は、従来技術による三角錐型キューブコーナー素子対である。
図2は、従来技術による三角錐型キューブコーナー素子群である。
図3は、光学軸傾斜角と反射側面の面積比の関係である。
図4は、従来技術によるキューブコーナー型再帰反射素子対である。
図5は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射素子対である。
図6は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射素子対群である。
図7は、本発明における反射素子対群を構成するV溝底部軌跡である。
図8は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射素子対である。
図9は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射素子対群である。
図10は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射素子対である。
図11は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射素子対群である。
図12は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射素子対である。
図13は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射素子対群である。
図14は、本発明における片側溝角である。
図15は、本発明の再帰反射素子の形成に用いる加工機械である。
図16は、本発明の再帰反射素子の形成に用いる加工工具である。
図17は、本発明の再帰反射素子の形成に用いる加工工具の取り付け方法である。
図18は、従来技術によるV字状溝の断面図である。
図19は、従来技術によるV字状溝の断面図である。
図20は、本発明のV字状溝の断面図である。
図21は、本発明の再帰反射素子対の図である。
図22は、本発明の再帰反射素子対の図である。
図23は、本発明の再帰反射素子対である。
図24は、本発明による再帰反射物品の平面図である。
図25は、本発明による再帰反射物品の平面図である。
図26は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射物品の断面図である。
図27は、本発明におけるキューブコーナー型再帰反射物品の断面図である。
本発明による多方向性再帰反射物品の好ましい形態を、図を引用しつつ以下に説明を行う。
図1は従来技術による三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対を示す。該再帰反射素子は底面(A−C1−B,およびA−C2−B)が三角形状であり、一つの底辺(A−B)を共有して対称形の形を持つ。従って、向かい合う二つの素子の頂点(H1およびH2)から底面までの高さ(h)は等しい。
このような再帰反射素子における光学軸は三つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)から等しい距離にある軸として定義される。この光学軸は頂点から底面(A−C1−B,およびA−C2−B)に対する垂線(H1−P1)に対して傾斜させることによって、傾斜させた方向から入ってくる光の再帰反射効率を向上することが出来る。このような光学軸の傾斜による入射角方向への再帰反射性の改善、即ち、入射角特性の改善の技術は良く知られている。
このような光学軸の傾斜角(θ)はプラス方向またはマイナス方向にすることが出来る。本発明においてプラス方向の傾斜とは、底辺(A−B)の中点(0)から頂点(H1)と底面(A−C1−B)との交点(P1)との距離(p)と底辺(A−B)の中点(0)から光学軸と底面(A−C1−B)との交点(Q1)との距離(q)との差(p−q)がプラスの場合にはプラス傾斜、マイナスの場合にはマイナス傾斜と定義される。
図2は図1に示された従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対がおのおのの底辺を共有しながら最密充填状に集合している再帰反射素子群を示されている。このような、再帰反射素子群は3方向(x,y,およびz)の断面がV字状の平行溝群によって形成される。3方向のV字状の溝のV溝の角度は、再帰反射素子の3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)がおのおの垂直に形成されるように決定される。また、V字状の溝の底部の軌跡は実質的に直線をなし、隣り合う同じ方向のV字状の溝は平行で等ピッチとなっている。
光学軸が傾斜している再帰反射素子は入射角特性の変化による再帰反射性能の変化は少なく入射角特性に優れているが、過度の光学軸の傾斜は特に正面方向、即ち、入射角が小さな方向の再帰反射性能の低下をきたす。
図3にはプラス方向に傾斜した再帰反射素子の光学軸の傾斜角(θ)と2つの反射側面(a,c)の面積の比率の関係が示されている。例えば、光学軸が+12度傾斜したような再帰反射素子の反射側面(c面)の面積は他の反射側面(a面)の面積の60%に過ぎない。キューブコーナー方再帰反射素子において光が再帰反射するためには3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)において3回反射する必要があり、反射側面の面積が過度に異なるような再帰反射素子においては再帰反射効率が低下する。また、過度に変形し頂点(C1)方向に引き伸ばされたようなプラス傾斜の再帰反射素子においては、頂点(C1)近傍の再帰反射側面(a1面,b1面,およびa2面,b2面)は有効に再帰反射に貢献しない。
即ち、プラス方向に大きく傾斜したような光学軸を持つような三角錐型キューブコーナー再帰反射素子における、再帰反射に寄与しうる領域は反射側面の一部であり、頂点(C1、C2)近傍の領域は再帰反射に寄与しない領域である。
図4には、上記で説明したような過度にプラス方向に傾斜した再帰反射素子の欠点を改善するために、A−B方向の溝に平行で底辺(A−B)の中点(0)と頂点(C1)との中点を通過してA−B底辺に平行なV字状の溝(A1−B1)が形成されているような従来公知の再帰反射素子が示されている。
図5に示される再帰反射素子は、同じ光学軸傾斜角(θ)と素子高さ(h)をもつ従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の一つの底面の頂点(C1,C2)をV字状の溝により切取って形成されている。底面の頂点(C1,C2)は本発明の四辺形の底面を形成する二つの底辺(A−D1,B−E1,およびA−E2,B−D2)の延長線の交点に位置する。
図5に示される再帰反射素子の四辺形形状の底面を形成する二つの底辺(A−BとE1−D1,またはA−BとE2−D2)の距離をr、および、他の斜辺(A−D1,B−E1およびA−E2,B−D2)の延長線の交点(C1,およびC2)と底辺(A−B)との距離をsとしたときに、距離rと距離sとの比率(R=r/s)は0.8となっている。
図6には図5に示される再帰反射素子対が多数集まって形成された再帰反射素子群が、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)とから形成されていることが示されている。
図13には図12に示される再帰反射素子対が多数集まって形成された再帰反射素子群が、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)とから形成されていることが示されている。
なお、図13において高さ(hx)は形成するx方向のV字状の溝の深さにより定められ、高さ(hw)は形成するw1方向およびw2方向のV字状の溝の深さにより定められる。従って、x方向のV字状の溝の深さはw1方向およびw2方向のV字状の溝の深さより浅く形成されており、w1方向およびw2方向のV字状の溝の深さは実質的に同じになるように形成されている。
図7においても本発明による再帰反射素子対群が、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)とから形成されていることが、該V字状溝の底部の軌跡のみを示すことにより説明されている。
図7の縦方向に示されているx方向の平行V字状溝群(x)はそれぞれ断面形状が実質的に同じ角度を持ち、互いに平行で同一の隔たりをもって設置されている。またw1方向またはw2方向の底部の軌跡が屈曲線状のV字状溝群(w1およびw2)もそれぞれ断面形状が実質的に同じ角度を持ち、互いに平行で同一の隔たりをもって設置されている。さらに、w1方向とw2方向のV字状溝群は屈曲の位相は半周期異なっているが互に平行で等しい隔たりを持って設置されている。
図8にも本発明による、再帰反射素子を形成する底面の投影形状が四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)であることを特徴とする再帰反射物品が示されている。
図8に示される再帰反射素子は、同じ光学軸傾斜角(θ)と素子高さ(h)をもつ従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の一つの底面の頂点(C1,C2)をV字状の溝により切取って形成されている。底面の頂点(C1,C2)は本発明の四辺形の底面を形成する二つの底辺(A−D1,B−E1,およびA−E2,B−D2)の延長戦の交点に位置する。
図8に示される再帰反射素子の四辺形形状の底面を形成する二つの底辺(A−BとE1−D1,またはA−BとE2−D2)の距離をr、および、他の斜辺(A−D1,B−E1およびA−E2,B−D2)の延長線の交点(C1,およびC2)と底辺(A−B)との距離をsとしたときに、距離rと距離sとの比率(R=r/s)は0.6となっている。
図9には図8に示される再帰反射素子対が多数集まって形成された再帰反射素子群が、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)と、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)とから形成されていることが示されている。
図10には本発明による再帰反射素子であって、図1に示される三角錐型再帰反射素子と同じ光学軸傾斜角(θ)と素子高さ(h)をもつ従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の一つの底面の頂点(C1,C2)をV字状の溝により切取って形成された形を持つ本発明による再帰反射素子対が示されている。このような素子において距離rと距離sとの比率(R)が0.8であって、底辺(A−B,D1−E1,およびD2−E2)と素子の頂点(H1,H2)との高さ(hx)が、底辺(K1−G1,L1−J1,L2−J2,およびK2−G2)と素子の頂点(H1,H2)との高さ(hw)よりも大きく形成されている。即ち、図10におけるhxはhwよりも20%大きく形成されている。
なお、図11において高さ(hx)は形成するx方向のV字状の溝の深さにより定められ、高さ(hw)は形成するw1方向およびw2方向のV字状の溝の深さにより定められる。従って、x方向のV字状の溝の深さはw1方向およびw2方向のV字状の溝の探さより深く形成されており、w1方向およびw2方向のV字状の溝の深さは実質的に同じになるように形成されている。
図12には本発明による再帰反射素子であって、図1に示される三角錐型再帰反射素子と同じ光学軸傾斜角(θ)と素子高さ(h)をもつ従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の一つの底面の頂点(C1,C2)をV字状の溝により切取って形成された形を持つ本発明による再帰反射素子対が示されている。このような素子において距離rと距離sとの比率(R)が0.6であって、底辺(K1−L1,G1−J1,およびG2−J2)と素子の頂点(H1,H2)との高さ(hx)が、底辺(A−D1,B−E1,A−E2,およびB−D2)と素子の頂点(H1,H2)との高さ(hw)よりも小さく形成されている。具体的には、図12におけるhxはhwよりも20%小さく形成されている。また、共通の底辺(K1−L1またはK2−L2)は線分A−Bより高い位置にあり、点K1は点L2に一致し、点L1は点K2に一致し
図14には、本発明の片側溝角についてx溝を例に説明している
従来技術を説明する図14(a)では、一方の再帰側反射面とV字状溝の底部の素子底面に対する垂線とがなす片側溝角(GLx)と、他方の片側溝角(GRx)が等しいが、本発明を説明する図14(b)では、dGxだけ正規な片側溝角より偏差を持っている。
本発明では、このdGxが0.0001〜0.1度であることが好ましい。0.0001度未満の場合は光の発散が過小となり観測角特性の改善が得られにくく、0.1度を超える場合には、光の発散が過剰となり正面方向の再帰反射特性が著しく低下する不具合がある。
図15には本発明による再帰反射素子対群を形成するのに用いたシェーパー加工機の例を示す。この加工機は図15にMx軸、My軸として示された2方向のスライドテーブル上に設置された回転テーブル(Mb軸)、その上に設置されたスライド軸(Mz軸)に設置されたもう一つの回転軸(Mc軸)の下端に設置されたダイアモンド工具により構成されている。加工素材は回転テーブル上に固定されてダイアモンド工具が一定の力で押しあてられ、Mx軸またはMy軸にそって移動させることにより任意の軌跡を描いてV字状の溝が形成される。この際にMz軸の位置を制御することによりV字状の溝の深さをわずかに変化させることが出来る。さらに、本発明のV字状の溝を作成するためにMc軸をわずかに回転させることによりV字状の先端形状を持った工具の投影形状を変化させてV字状の溝の角度を一つのV字状溝のなかで連続的に変化させることが出来る。
シェーパー加工においては所望の深さのV字状の溝を形成させるには1回の加工深さを例えば1〜10μmとして、所定の深さになるように数回の溝加工を行なう必要がある。この加工中にMx軸およびMy軸にそって移動させることにより直線だけではなく任意の軌跡を描いてV字状の溝が形成される。これによって本発明による再帰反射素子対におけるいずれかの方向のV字状溝を構成する底辺が直線状の軌跡をなさない非直線底辺をもつ再帰反射素子が形成できる。
本発明の再帰反射素子を形成する工具としては、ダイアモンド、サファイア、各種の切削合金を用いる事ができ、その中でもダイアモンドが特に耐摩耗性にすぐれており、加工中にV字状溝の角度を一定に保つ上で好ましい。また、磨耗によるV字状の溝の角度が変化しないようにするために、2つの加工工具を用いて所定の深さまでの予備切削と目的とする深さでの仕上げ切削を分けてもよい。
従来公知のいわゆるフライカット法とよばれる加工方法においてもV字状溝加工法を実施する事が可能であり、ダイアモンド工具の取り付け角度を変化させることによって工具の投影形状を変化させてV字状の溝の角度を微小に変化させることが出来る。フライカット法においては所望の溝の深さを一度の切削で形成できる利点がある。しかしながら、フライカット法においては直線状の軌跡を描かせることには適しているが、任意の非直線的な軌跡を精度よく形成するには適さない。また、加工中に工具取付け角度を変化させて一つのV字状溝のなかでV字状の溝の角度を変化させることは出来ない。
図16(a)には本発明の再帰反射素子を形成するのに用いたダイアモンド工具の例が示されている。工具の先端には拡大図(b)に示されているようなV字状の先端形状を持ったダイアモンドが取り付けてあり、V字状の溝の形状と角度はこのダイアモンドの投影形状が反映される。さらに図17の(a)〜(d)にはこのダイアモンド工具の設置角度をさまざまに変化させることによりV字状の先端の投影形状を変化させ、形成されるV字状の溝を如何に変化させる事が出来るかを説明している。
図17(a)には標準の取り付け方法により対称形のV字状のダイアモンドが対称の位置で加工基準面に対して垂直に取り付けられている。この加工工具は先述した3つの方向の加工軸により3つの方向に回転させることができる。
図17(b)においては加工工具の先端を中心としてMx軸に沿った回転により工具をわずかに傾斜させることにより、V字状溝の角度を狭くする事が出来ることを示している。この様な変化は通常工具の垂直方向(Mc軸)の取り付け角度を変更させることによって達成される。
また、図17(c)においては加工工具の先端を中心としてMc軸に沿った回転(角度;η)により工具をわずかに旋回させて投影形状を変化させ、V字状溝の角度をわずかに狭くする事が出来ることを示している。この様な角度の変更はV字状の溝の加工中にMc軸を旋回させて行なう事ができ、この様な方法によって形成されたV字状溝の断面形状は一定の角度をもたない。
このような切削工具の図17(c)に図示されている旋回角(η)と切削工具の先端の投影角度(両側の片側溝角の和に一致し両側溝角(2G’)とも言う)との関係は式1によって表すことができる。
2G’=2tan−1(tanG・cosη)
式1
なお、式1においてGは旋回がない加工工具の先端の片側溝角、ηは図17(c)に示される工具の旋回角そしてG’は旋回した工具の投影片側溝角を表している。
具体的には、正規な光学軸の傾斜のない三角錐型キューブコーナー再帰素子を形成するのに必要な加工工具の先端の片側溝角は35.2640°であるが、工具をη=1°旋回させたときの投影角度G’は35.2599°であり、η=2°旋回させたときの投影角度G’は35.2475°であり、さらにη=10°旋回させた場合には34.8516°の投影角度が得られる。このような微小な角度の変化は加工工具の製作精度をはるかに上回るものである。しかしながら、図16に示されているように加工工具の厚さと加工先端部分のすくい角からくる制限から過剰の旋回角は好ましくない。
さらに、図17(d)に示された方法においては、加工工具の先端中心にMy軸に沿った方向で左右にわずかに傾斜させて、V字状の溝を非対称に変化させる事が可能である。かかる、非対称のV字状溝の形成は対称形のV字状の工具を用いて左右同時に形成することも出来るが、左右非対称な工具を用いて片側ずつ形成してもよい。この方法は非対称のV字状の溝形成する際に特に有用である。
以下に、本発明における再帰反射物品を形成する方法に関して図を引用しながらさらに詳細に説明を加える。
図19には、従来公知の方法によって多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を形成するためのV字状溝を形成する方法が示されている。図19(a)においては左右対称のV字状溝を形成した図が示されている。形成されたV字状溝の断面に示される片側溝角(図18(a)におけるGLx、GRx)は一つのV字状の溝において一定の角度を示している。
図19(b)においては左右非対称のV字状溝を形成した図が示されている。形成されたV字状溝の断面に示される片側溝角(図18(b)におけるGL、GR)はやはり一つのV字状の溝において一定の角度を示している。
図19(c)においては断面が曲線の形状を持った溝を形成した図が示されている。形成された断面が曲線の形状を持った溝の断面に示される片側溝角(図18(c)におけるGL、GR)は一つのV字状の溝において一定の形状を示している。
図20には本発明における、共通平面(S‐S’)および該共通平面(S‐S’)に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面(Svx、Svw1、またはSvw2)とに垂直な面と該V字状溝の底辺を含む反射側面(a1、b1、c1、a2、b2、またはc2)とが交差してなる線分と、ことを特徴とする多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群により形成される再帰反射物品を形成するのに用いたV字状溝を形成する方法が示されている。
図20(a)には左右対称の状態(GL=GR)で片側溝角(GL、GR)が連続的に変化して、片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、またはGRw2)が該反射側面内で一定の角度をなさず、該反射側面が曲面および/または複平面を形成するようなV字状溝が示されている。この様な溝の具体的な加工方法としては図17(b)あるいは(c)に示されるような方法で、V字状溝を加工する間に加工工具を傾斜あるいは旋回させることにより工具投影形状を連続的に変化させることにより達成される。
図20(b)には左右非対称の状態で片側溝角(GL、GR)が連続的に変化して、片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、またはGRw2)が該反射側面内で一定の角度をなさず、該反射側面が曲面および/または複平面を形成するようなV字状溝が示されている。この様な溝の具体的な加工方法としては図17(d)に示されるような方法で、V字状溝を加工する間に加工工具を左右に傾斜させることにより工具投影形状を非対称に連続的に変化させることにより達成される。
図20(c)には断面が曲線の形状を持った溝が左右対称の状態(GL=GR)で片側溝角(GL、GR)が連続的に変化して、片側溝角(GLx、GRx、GLy、GRy、GLz、またはGRz)が該反射側面内で一定の角度をなさず、該反射側面が曲面および/または複平面を形成するようなV字状溝が示されている。この様な溝の具体的な加工方法としては断面が曲線の形状を持った加工工具を用いて図17(b)あるいは(c)に示されるような方法で、V字状溝を加工する間に加工工具を傾斜あるいは旋回させることにより工具投影形状を連続的に変化させることにより達成される。また、この断面が曲線の形状を持った加工工具を用いて図20(b)に示されるような左右非対称な溝の形成も可能である。
上記の方法により片側溝角(GL、GR)が連続的に変化して、片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、またはGRw2)が該反射側面内で一定の角度をなさず、該反射側面が曲面および/または複平面を形成するようなV字状溝を形成することにより作成した本発明による三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の一例を図21を用いながら説明する。
図21(a)は本発明による再帰反射素子対の平面図を示している。二つの素子はx方向の底辺(A−B)を共有する形で互いに反射側面(A−B−H1、A−B−H2)が対峙するようにしている。二つの素子の底面(A−B−E1−D1、A−B−D2−E2)は共通平面(S‐S’)上にある。
また、図21(b)には図21(a)に示されている再帰反射素子対の切断線C−C’によって切取った断面形状が示されている。x方向のV字状溝の断面はH1−O−H2として示されており、断面形状は左右対称形の直線であり、その片側溝角は三つの反射側面が互いに垂直をなすような正規な角度で形作られている。
図21(c)には図21(a)に示されている再帰反射素子対の切断線J−J’によって切取った断面形状(O−K1’−J1、O−K2’−J2)が示されている。x方向のV字状溝の断面はK1’−O−K2’として示されており、断面形状は左右対称形の直線である。しかしながら、そのV字状溝の形状(K1’−O−K2’)は図21(b)に示されているような正規な角度K1−O−K2とは異なって小さくなっている。
図21(d)には図21(c)に示された正規な角度より小さな角度のV字状溝を形成するために、切削工具を旋回させてその投影形状を変化させる方法が図示されている。位置O、Aにおいては切削工具は旋回されておらずその投影形状は三つの反射側面が互いに垂直をなすような正規な角度になっている。位置Jにおいては切削工具は加工機械のMc軸にたいして旋回しておりその投影形状は三つの反射側面が互いに垂直をなすような正規な角度よりわずかに小さくなっている。切削工具が平面図21(a)のA点からO点へ移動するにつれて加工工具は図21(d)に示されるように加工機械のMc軸にたいして連続的に旋回しておりその投影形状は三つの反射側面が互いに垂直をなすような正規な角度にたいして連続的に変化する。
従って、対峙する反射側面(A−B−H1、A−B−H2)は平面を形成せず曲面となるがいずれの位置においても断面は直線状のV字状溝形状を示している。このような曲面をもった反射側面は入射した光線を光源に向かって平行に再帰反射しない。したがって、このような曲面をもった反射側面は様々な反射角度で反射するために、再帰反射した光線が均一な広がりを持つ発散パターンをもつ事ができて好ましい観測特性を得ることができる。
さらに、断面図21(b)には光学軸(t1、t2)が示されているが本発明において反射側面の一部は平面形状を有していないために、ここに示される光学軸は平面形状を有していない反射側面と対応する平面形状を有する反射側面によって形成されたキューブコーナー型再帰反射素子の光学軸を意味している。しかしながら、本発明における再帰反射素子の平面形状を有していない反射側面の平面からの偏差は非常に微小であり、光学軸で定められる入射角特性はこの対応する光学軸によって近似的に算定可能である。
また、同様な方法で数種類の異なった平面からの偏差パターンをもったV字状溝を数種類くみあわせて繰り返しのパターンでx方向、w1方向およびw2方向のV字状溝を形成させてもよく、このような組み合わせは均一な再帰反射光の広がりを得られるために特に好ましい。
本発明における再帰反射物品を構成する再帰反射素子対群は、再帰反射素子対を構成する少なくとも一方向のV字状溝(x、w1、またはw2)を底辺に持つ反射側面において、該片側溝角(GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、GRw2)がキューブコーナーを形成する正規な片側溝角から0.0001〜0.1°の最大偏差をもって一定の角度をなさず、反射側面が曲面および/または複平面を形成することを特徴とする多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群であることが様々な観測角での再帰反射特性を均一なものとするうえで特に好ましい。
従来技術における類似の技術においては、一つの再帰反射素子に対して1通りの片側溝角あるいは頂角の偏差を与えることしかできないために、数種類の片側溝角の組み合わせを形成する必要があり非常に煩雑な加工方法を採用せざるを得なかった。
しかしながら、本発明における片側溝角の偏差の付与の方法においては、一つの素子の中で最大偏差から正規な片側溝角からの偏差がない角度まで連続的に変化させる事ができる。したがって、形成された再帰反射素子の頂角は最大偏差に基づいた頂角偏差から正規な頂角までをあわせもった素子として存在しうるのである。
さらに、与えうる最大偏差は単一の切削工具を用いてその工具の旋回角を調節することで簡単に得られるという利点がある。具体的には、一つの素子あるいは隣接したいくつかの素子にわたって加工工具の旋回角の変化パターンを調節することにより、たとえば旋回角の小さな範囲を多くすることにより観測角の小さな部分の再帰反射性能を優先的に向上する事ができ、また、旋回角の大きな範囲を多くすれば観測角の大きな部分での再帰反射性能を改善する事ができる。
与えることのできる正規な片側溝角からの最大偏差は0.0001〜0.1°が好ましい。0.0001°未満の場合は光の発散が過小となり観測角特性の改善が得られにくく、0.1°を超える場合には光の発散が過剰となり正面方向の再帰反射特性が著しく低下する不具合がある。
本発明における再帰反射物品を構成する再帰反射素子対群は、該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対を構成する三方向のV字状溝において、共通平面(S‐S’)に垂直でV字状溝の底辺を含む垂直面(V溝垂直平面;Svx、Svw1、またはSvw2)と、V溝垂直平面および共通平面(S‐S’)とに垂直な面と該底辺を含む反射側面とが交差する線分とがなす角(片側溝角;GLx、GRx、GLw1、GRw1、GLw2、GRw2)が一定の角度をなさず、反射側面が曲面および/または複平面を形成することを特徴とする多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群であることが、素子の様々な方位からの入射光に対して均一な再帰反射パターンを与える事ができて好ましい。
しかしながら、一定方向の方位に対する観測角特性を選択的に改善することも可能である。そのためには一定方向のV字状溝に対して選択的に片側溝角に対して偏差を与えることにより達成される。
図22には本発明による他の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の平面図(a)および断面図(b)が示されている。本態様においては全ての底辺が非直線底辺を有しているために、三つの反射側面は平面を形成していない。図22(a)において、二つの素子はx方向の非直線底辺(A−O’−B)を共有する形で二つの反射側面(A−O’−B−H1、A−O’−B−H2)が互いに対峙するようにしている。また、二つの素子の底面(A−O’−B−E1−D1、A−O’−B−D2−E2)は共通平面(S‐S’)上にある。底辺(A−O’−B)は曲線状の該非直線底辺を有しており、該非直線底辺の両端を結んだ両端直線(A−B)からの該非直線底辺(A−O’−B)への垂直線(O−O’)と該非直線底辺との交点(O’)と両端直線との最大距離で規定される非直線因子(fx)は、両端直線の長さをLとしたときに0.0001L〜0.05Lとなるように形成されている。他の二つの底辺においても、両端直線との最大距離で規定される非直線因子(fy、およびfz)は同様に両端直線の長さをLとしたときに0.0001L〜0.05Lとなるように形成されている。なお、fx、fy、およびfzは同じであっても異なっていてもよい。
また、図22(b)には図22(a)に示されている再帰反射素子対の切断線D−D’によって切取った断面形状が示されている。x方向のV字状溝の断面はH1−O’−H2として示されており、断面形状は左右対称形の直線であり、その片側溝角は三つの反射側面が互いに垂直をなすような正規な角度と同じ角度で作られている。yおよびz方向のV字状溝の断面形状においても断面形状は左右対称形の直線であり、その片側溝角は三つの反射側面が互いに垂直をなすような正規な角度と同じ角度で作られている。
図22(b)においては非直線底辺(A−O’−B)は両端直線(A−B)にたいして、fxだけ偏った位置で左右対称なV字状溝が形成されているために、左右の素子は高さ(h1、h2)が異なるようにして形成されている。しかしながら、採用する非直線因子(fx、fy、およびfz)の値によっては左右の素子の高さは同じになる場合もある。
図23には、本発明の再帰反射素子が示されている。C1−AとA−Bのなす角をrA1、A−BとB−C1のなす角をrB1、B−C1とC1−Aのなす角をrC1とした時にrA1、rB1、rC1がそれぞれ実質的に異なるために、2つの傾斜面(a1、b1及びa2、b2)の共通の稜線(H1、C1及びH2、C2)が共有する垂直面と垂直な方向に向かわず、したがって、再帰反射素子の持つ光学軸の傾斜する方向に向かっていない。例えば、光学軸がa面方向に傾いている場合には、入射光がa面方向から入射した場合には、むしろb面方向から入射した場合よりも良好な再帰反射性能を示す。
したがって、本発明における再帰反射素子の光学軸は、2つの傾斜面(a1、b1及びa2、b2)の共通の稜線(H1、C1及びH2、C2)が共有する垂直面に対して傾けられていると同時に、a面(またはb面方向)にも傾けられているために、それらいずれの方向に改善された再帰反射性能を示すために、本発明における再帰反射性能を示すために、本発明における再帰反射素子を路側標識に用いた場合には、道路進行方向に向かって左右の方向に対する改善とともに、上下方向に対して偏った再帰反射性能が達成される。このような改善は、路側標識のみならず、頭上標識、種々の案内標識においても同様な改善が達成しうる。
図24には、該再帰反射装置が第1のゾーンおよび第2のゾーンを備えていて、該第1のゾーンのx1線と、該第2のゾーンのx2線とのなす角度が5〜175度、好ましくは80〜100度である再帰反射装置の一つの例の平面図が示されている。第1のゾーンは外縁とのなす角度(η1)が0度であり、第2のゾーンは外縁とのなす角度(η2)が90度であるようにして組み合わされた二つのゾーンが繰り返しのパターンで設置されている。
図25には、該再帰反射装置が第1のゾーンおよび第2のゾーンを備えていて、第1のゾーンは外縁とのなす角度(η1)が135度であり、第2のゾーンは外縁とのなす角度(η2)が45度であるようにして組み合わされた二つのゾーンが繰り返しのパターンで設置されている再帰反射装置の一つの例の平面図が示されている。
このように、該再帰反射装置が第1のゾーンおよび第2のゾーンを備えていて、該第1のゾーンのx1線と、該第2のゾーンのx2線とのなす角度が5〜175度、好ましくは80〜100度である再帰反射装置においては、各ゾーンを組み合わせることにより水平方向と垂直方向およびその間の入射角特性を均一化することができる。
さらに、該再帰反射装置は3つ以上のゾーンを備えていても良い。各ゾーンのx線は、それらの線のなす角度が全方向にわたって均等になるように角度を分割して組み合わせることにより水平方向と垂直方向およびその間の入射角特性をさらに均一化することができる。
本発明における再帰反射物品は従来公知の方法に従い、V溝形成法やプレート法に従い、素子対が最密充填された金型を得ることができ、前記の図5〜25に示されたような再帰反射素子の反転した凹形状の成型金型を用いて、圧縮成型、射出成型、射出圧縮成型、および注型成型などの方法で形成することが出来る。
凹形状の成型金型は、やはり従来公知のフライカット加工、ヘール加工、シェーパー加工、ルーリング加工、ミーリング加工、フライス加工、押圧加工などの方法により凸形状の金型を作成した後に電鋳法により反転させて作成することが出来る。
また、本発明における再帰反射物品は従来公知の樹脂を用いて形成させることが出来る。好ましい樹脂としてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリエステル樹脂などが例示できるが、透明性、耐久性に優れた樹脂であれば限定されるものではない。
また、樹脂には様々な添加剤を加えることが出来る。たとえば、染料や顔料などの着色剤、耐侯性を付与するために紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤などを再帰反射素子を構成する樹脂に添加することが出来る。また、耐侯性を向上させるために再帰反射素子を構成する樹脂層の上に他の樹脂を積層することも好ましい。
本発明による再帰反射物品は、具体的な用途として交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレート、車両反射テープ、路側反射体、光学センサーの反射体、安全衣料用品などに用いるために種々の情報表示手段、例えば、印刷層の設置、他の情報表示体の積層などを行なうことができる。
特に、本発明の再帰反射物品は薄型で柔軟な形態のシート状であることが好ましい。そのようなシート状の製品を得るためには再帰反射素子の大きさ(h)は例えば30〜500μmであることが好ましい。
次に本発明のキューブコーナー型再帰反射シートおよび再帰反射物品の好適な構造の一態様について、その断面図である図26を参照しながら説明する。
26において、4は本発明の再帰反射素子が最密充填状に配置された反射素子層、3は反射素子を保持する保持体層であり、11は光の入射方向である。反射素子層(4)および保持体層(3)は一体(5)であるのが一般的であるが、別々の層を積層しても構わない。本発明における再帰反射シートおよび再帰反射物品の使用目的、使用環境に応じて表面保護層(1)、観測者に情報を伝達したりシートの着色のための印刷層(2)、反射素子層の裏面に水分が侵入するのを防止するための封入密封構造を達成するための結合材層(7)、結合材層(7)を支持する支持体層(8)、および、該再帰反射シートおよび再帰反射物品を他の構造体に貼付するために用いる接着剤層(9)と剥離材層(10)とを設けることができる。
印刷層(2)は通常、表面保護層(1)と保持体層(3)の間、あるいは、表面保護層(1)の上や反射素子(4)の反射面上に設置することが出来、通常グラビア印刷、スクリーン印刷およびインクジェット印刷などの手段により設置可能である。
上記反射素子層(4)および保持体層(3)を構成する材料としては本発明の一つの目的である柔軟性を満足するものであれば特に限定されるものではないが、光学的透明性、均一性のあるものが好ましい。本発明において使用し得る材料の例としては、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのオレフィン樹脂、セルロース系樹脂およびウレタン樹脂などを例示できる。また、耐候性を向上する目的で紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などをそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いることが出来る。さらに、着色剤としての各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料および染料、蛍光染料などを含有させることが出来る。
表面保護層(1)には再帰反射素子層(4)に用いることが出来る樹脂として例示したのと同じ樹脂を用いることが出来るが耐候性を向上する目的で紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などをそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いることが出来る。さらに、着色剤としての各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料および染料、蛍光染料などを含有させることが出来る。
本発明における反射素子層(4)は内部全反射条件を満足する臨界角度を大きくする目的で再帰反射素子背面に空気層(6)を設置するのが一般的である。使用条件下において水分の侵入による臨界角の低下および金属層の腐食などの不具合を防止するために反射素子層(4)と支持体層(8)とは結合剤層(7)によって密封封入されるのが好ましい。
この密封封入の方法としては米国特許第3,190,178号、第4,025,159号、日本公開実用新案昭和50−28669号等に示されている方法が採用できる。結合剤層(7)に用いる樹脂としては(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などがあげられ、接合の方法としては公知の熱融着性樹脂接合法、熱硬化性樹脂接合法、紫外線硬化性樹脂接合法、電子線硬化性樹脂接合法などが適宜採用可能である。
本発明に用いる結合剤層(7)は支持体層(8)の全面にわたって塗布しうるし、再帰反射素子層との接合部分に印刷法などの方法により選択的に設置することも可能である。
支持体層(8)を構成する材料の例としては再帰反射素子層を構成する樹脂や一般のフィルム成形可能な樹脂、繊維、布、ステンレスやアルミニウムなどの金属箔または板をそれぞれ単独または複合して用いることが出来る。
本発明の再帰反射シートおよび再帰反射物品を金属板、木板、ガラス板、プラスチック板などに貼付するために用いる接着剤層(9)および該接着剤のための剥離材層(10)は、適宜、公知のものを選択することができる。接着剤としては感圧型接着剤、感熱型接着剤、架橋型接着剤などを適宜選択できる。感圧接着剤としてはブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ノニルアクリレートなどアクリル酸エステルをアクリル酸、酢酸ビニールなどと共重合して得られるポリアクリル酸エステル粘着剤やシリコーン樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤などを用いる事ができる。感熱型接着剤としてはアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系樹脂などを用いる事ができる。
次に、本発明にもとづく再帰反射物品の他の好適な構造の一態様について、その断面図である図27を参照しながら説明する。
図27において、反射素子(4)の素子の表面には金属の鏡面反射層(12)が設置されており、さらに、接着剤層が鏡面反射層(12)に直接接触されて積層されている。この態様におけるキューブコーナー型再帰反射シートおよび再帰反射物品は鏡面反射原理で再帰反射するために空気層を必要とせず、したがって、結合剤層と支持体層を必要としない。また、本発明における反射素子(4)の素子の表面に設置された金属の鏡面反射層(12)は素子表面の全域を覆われていてもよく、あるいは、部分的に覆われていてもよい。
本発明の三角錐キューブコーナー型再帰反射シートおよび再帰反射物品は、反射素子(4)の表面上に、真空蒸着、化学メッキ、スパッタリングなどの手段を用いて、アルミニウム、銅、銀、ニッケルなどの金属からなる鏡面反射層(12)を設けることができる。鏡面反射層(12)を設ける方法のうち、アルミニウムを用いた真空蒸着法が、蒸着温度を低くすることができるため、蒸着工程における再帰反射素子の熱変形を最小に抑えることができ、また得られる鏡面反射層(12)の色調も最も明るくなるので好ましい。
上記アルミニウム鏡面反射層(12)の連続蒸着処理装置は、真空度が7〜9×10−4mmHg程度に維持できる真空容器、その中に設置された基体シートおよびその光入射側表面上に積層された表面保護層の2層からなるプリズム原反シートを繰り出す巻出装置、蒸着処理されたプリズム原反シートを巻き取る巻取装置、並びに、それらの間にあって、黒鉛坩堝中で電熱ヒーターを用いてアルミニウムを溶融させることが可能な加熱装置よりなっている。黒鉛坩堝中には純度が99.99重量%以上の純アルミニウムペレットが投入され、例えば、交流電圧350〜360V、電流が115〜120A、処理速度が30〜70m/分の条件で溶融され、蒸気化されたアルミニウム原子によって再帰反射素子の表面に鏡面反射層(12)を例えば0.08〜0.2μmの厚さで蒸着処理することにより設けることができる。
以下、実施例により本発明の詳細を更に具体的に説明するが、本発明は実施例にのみ限定されるものでないことはいうまでもない。
<再帰反射係数>
実施例をはじめ本明細書に記載の再帰反射係数は以下で述べる方法で測定されたものである。再帰反射係数測定器として、ガンマーサイエンティフィック社製「モデル920」を用い100mm角の再帰反射シートの再帰反射係数をASTM
E810−91に規定される測定法に準じて、観測角0.2°、入射角5°、10°、20°、30°、40°および50°の角度条件で、適宜の5個所について測定し、その平均値をもって再帰反射シートの再帰反射係数とした。
<実施例1>
表面を平坦に切削した100mm角の銅板の上に、先端角度が50.529°のダイアモンドバイトを用いてV字状の溝の隔たりが207.269μmであり、深さが100.0μmである断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)を繰り返しのパターンで切削した。
ついで、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1)を、断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図5において辺(A−D1)および辺(A−E2)で示される屈曲線の長さが225.357μmで交差角(∠D1−A−E2)が133.775°である平行屈曲溝群(w1)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w1)のx溝方向の隔たりは265.385μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。
さらに、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w2)を、同じく断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図5において辺(B−D2)および辺(B−E1)で示される屈曲線の長さが225.357μmで交差角(∠E1−B−D2)が133.775°である平行屈曲溝群(w2)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w2)のx溝方向の隔たりは265.385μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。また、平行V字状溝群(w1)とのx溝方向の隔たりは44.231μmであり、周期は半周期異なるようにして図6に示されるような本発明による再帰反射素子群を形成した。
このようにして形成した再帰反射素子対の、素子頂点(H1またはH2)から底面までの高さ(h)は100.0μmであり、この再帰反射素子の光学軸傾斜角(θ)は+10.0°であり、反射素子を構成する3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の頂角はいずれも90°であった。さらに、図5に規定される長さsは259.086μm、rは207.269μm、また比率Rは0.80であった。
この真鍮製母型を用いて、濃度が55%のスルファミン酸ニッケル液を用いた電鋳法により、材質がニッケルであって、形状が反転された凹形状の再帰反射素子成形用金型を作成した。この成形用金型を用いて、厚さ150μmのポリカーボネート樹脂シート(三菱エンジニアリングプラスティックス株式会社製「ユーピロン
H3000」)を成形温度200℃、成形圧力50kg/cm2の条件で圧縮成形した後に、加圧下で30℃まで冷却してから樹脂シートを取り出して、表面に保持体層の厚さが約100μmの多数の再帰反射素子を最密充填状に配置したポリカーボネート樹脂製の本発明における再帰反射素子シートを作成した。
<実施例2>
実施例1と同じく、表面を平坦に切削した100mm角の銅板の上に、先端角度が50.529°のダイアモンドバイトを用いてV字状の溝の隔たりが155.452μmであり、深さが100.0μmである断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)を繰り返しのパターンで切削した。
ついで、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1)を、断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図8において辺(A−D1)および辺(A−E2)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠D1−A−E2)が133.775°である平行屈曲溝群(w1)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w1)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。
さらに、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w2)を、同じく断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図8において辺(B−D2)および辺(B−E1)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠E1−B−D2)が133.775°である平行屈曲溝群(w2)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w2)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。また、平行V字状溝群(w1)とのx溝方向の隔たりは88.462μmであり、周期は半周期異なるようにして図9に示されるような本発明による再帰反射素子群を形成した。
このようにして形成した再帰反射素子対の、素子頂点(H1またはH2)から底面までの高さ(h)は100.0μmであり、この再帰反射素子の光学軸傾斜角(θ)は+10.0°であり、反射素子を構成する3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の頂角はいずれも90°であった。さらに、図8に規定される長さsは259.086μm、rは155.452μm、また比率Rは0.60であった。
この母型を用いて実施例1と同じ方法によって多数の再帰反射素子を最密充填状に配置したポリカーボネート樹脂製の本発明における再帰反射素子シートを作成した。
<実施例3>
実施例1と同じく、表面を平坦に切削した100mm角の銅板の上に、先端角度が50.529°のダイアモンドバイトを用いてV字状の溝の隔たりが155.452μmであり、深さが120.0μmである断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)を繰り返しのパターンで切削した。
ついで、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1)を、断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図10において辺(A−D1)および辺(A−E2)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠D1−A−E2)が133.775°である平行屈曲溝群(w1)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w1)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径10μmの曲率半径を持って切削を行なった。
さらに、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w2)を、同じく断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図10において辺(B−D2)および辺(B−E1)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠E1−B−D2)が133.775°である平行屈曲溝群(w2)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w2)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。また、平行V字状溝群(w1)とのx溝方向の隔たりは88.462μmであり、周期は半周期異なるようにして図10に示されるような本発明による再帰反射素子群を形成した。
このようにして形成した再帰反射素子対の光学軸傾斜角(θ)は+10.0°であり、反射素子を構成する3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の頂角はいずれも90°であった。さらに、図10に規定される長さsは259.086μm、rは155.452μm、また比率Rは0.60であった。
この母型を用いて実施例1と同じ方法によって多数の再帰反射素子を最密充填状に配置したポリカーボネート樹脂製の本発明における再帰反射素子シートを作成した。
<実施例4>
実施例1と同じく、表面を平坦に切削した100mm角の銅板の上に、先端角度が50.529°のダイアモンドバイトを用いて、図14のdGが0.03°となるようにV字状の溝の隔たりが155.452μmであり、深さが100.0μmである断面の形状がV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)を繰り返しのパターンで切削した。
ついで、断面の形状がV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1)を、先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、図14のdGが0.03°となるようにV字状の溝の深さが100.0μmであり、図8において辺(A−D1)および辺(A−E2)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠D1−A−E2)が133.775°である平行屈曲溝群(w1)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w1)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。
さらに、断面の形状がV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w2)を、先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、図14のdGが0.03°となるようにV字状の溝の深さが100.0μmであり、図8において辺(B−D2)および辺(B−E1)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠E1−B−D2)が133.775°である平行屈曲溝群(w2)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w2)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。また、平行V字状溝群(w1)とのx溝方向の隔たりは88.462μmであり、周期は半周期異なるようにして図9に示されるような本発明による再帰反射素子群を形成した。
このようにして形成した再帰反射素子対の、素子頂点(H1またはH2)から底面までの高さ(h)は100.0μmであり、この再帰反射素子の光学軸傾斜角(θ)は+10.0°であり、反射素子を構成する3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の頂角はいずれも90°であった。さらに、図8に規定される長さsは259.086μm、rは155.452μm、また比率Rは0.60であった。
この母型を用いて実施例1と同じ方法によって多数の再帰反射素子を最密充填状に配置したポリカーボネート樹脂製の本発明における再帰反射素子シートを作成した。
<実施例5>
実施例1と同じく、表面を平坦に切削した100mm角の銅板の上に、先端角度が50.529°のダイアモンドバイトを用いてV字状の溝の隔たりが155.452μmであり、深さが100.0μmである断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)を繰り返しのパターンで切削した。
ついで、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1)を、断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図8において辺(A−D1)および辺(A−E2)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠D1−A−E2)が133.775°である平行屈曲溝群(w1)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w1)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。
さらに、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w2)を、同じく断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図8において辺(B−D2)および辺(B−E1)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠E1−B−D2)が133.775°である平行屈曲溝群(w2)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w2)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。また、平行V字状溝群(w1)とのx溝方向の隔たりは88.462μmであり、周期は半周期異なるようにして図9に示されるような本発明による再帰反射素子群を形成した。このとき図22で示される非直線因子fx、fy、fzをいずれも0.5μmとした。
このようにして形成した再帰反射素子対の、素子頂点(H1またはH2)から底面までの高さ(h)は100.0μmであり、この再帰反射素子の光学軸傾斜角(θ)は+10.0°であり、反射素子を構成する3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の頂角はいずれも90°であった。さらに、図8に規定される長さsは259.086μm、rは155.452μm、また比率Rは0.60であった。
この母型を用いて実施例1と同じ方法によって多数の再帰反射素子を最密充填状に配置したポリカーボネート樹脂製の本発明における再帰反射素子シートを作成した。
<実施例6>
実施例1と同じく、表面を平坦に切削した100mm角の銅板の上に、先端角度が51.667°のダイアモンドバイトを用い、V字状の溝の隔たりが126.796μmであり、深さが100.0μmである断面の形状が実質的に対称形のV字状であり、底部の軌跡が直線の平行溝群(x)を繰り返しのパターンで形成した。
ついで、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり、底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1)を、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図23において(A−D1)で示される線分の長さが135.669μm、(A−E2)で示される線分の長さが141.700μmで、(∠D1−A−B)で示される角度が85.360°、(∠E2−A−B)で示される角度が72.611°となるように平行屈曲溝群(w1)を繰り返しのパターンで形成した。
さらに、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり、底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w2)を、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図23において(A−B)で示される線分の長さが185.862μm、(B−E1)で示される線分の長さが141.700μm、(B−D2)で示される線分の長さが135.669μmで、(∠E1−B−A)で示される角度が72.611°、(∠D2−B−A)で示される角度が85.360°となるように平行屈曲溝群(w2)を繰り返しのパターンで形成し、本発明による再帰反射素子群の母型を製作した。
このようにして形成した再帰反射素子群の、素子頂点(H1またはH2)から底面までの高さ(h)は100.0μmであり、反射素子を構成する3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の頂角はいずれも90°であった。
この母型を用いて実施例1と同じ方法によって多数の再帰反射素子を最密充填状に配置したポリカーボネート樹脂製の本発明における再帰反射素子シートを作成した。
<実施例7>
表面を平坦に切削した25×100mm角の銅板の上に、先端角度が50.529°のダイアモンドバイトを用いてV字状の溝の隔たりが155.452μmであり、深さが100.0μmである断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が直線の平行溝群(x)を繰り返しのパターンで切削した。
ついで、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1)を、断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図8において辺(A−D1)および辺(A−E2)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠D1−A−E2)が133.775°である平行屈曲溝群(w1)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w1)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。
さらに、断面の形状が実質的に対称形のV字状であり底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w2)を、同じく断面形状が対称で先端角度が79.505°のダイアモンドバイトを用いて、V字状の溝の深さが100.0μmであり、図8において辺(B−D2)および辺(B−E1)で示される屈曲線の長さが169.018μmで交差角(∠E1−B−D2)が133.775°である平行屈曲溝群(w2)を繰り返しのパターンで切削した。隣り合う平行V字状溝群(w2)のx溝方向の隔たりは309.616μmであり、屈曲部は半径5μmの曲率半径を持って切削を行なった。また、平行V字状溝群(w1)とのx溝方向の隔たりは88.462μmであり、周期は半周期異なるようにして図9に示されるような本発明による再帰反射素子群を形成した。
このようにして形成した再帰反射素子対の、素子頂点(H1またはH2)から底面までの高さ(h)は100.0μmであり、この再帰反射素子の光学軸傾斜角(θ)は+10.0°であり、反射素子を構成する3つの反射側面(a1面,b1面,c1面,およびa2面,b2面,c2面)の頂角はいずれも90°であった。さらに、図8に規定される長さsは259.086μm、rは155.452μm、また比率Rは0.60であった。(金型Aという)
次いで金型Aと同じように、表面を平坦に切削した25×100mm角の銅板の上に、金型Aとは素子の向きが90°異なるように金型Aに形成した素子対群と同じ形状の素子対群を形成した。(金型Bという)
金型をA,B,A,Bの順に組み合わせて、100mm角の母型を作成した。
この母型を用いて実施例1と同じ方法によって多数の再帰反射素子を最密充填状に配置したポリカーボネート樹脂製の本発明における再帰反射素子シートを作成した。
<比較例>
図1および図2示される三角錐型キューブコーナー再帰反射素子において、x、yおよびz方向のV字状の溝を以下のパラメーターに基づいて切削し、実施例1と同じ方法で図1および図2に示される多数の再帰反射素子を最密充填状に配置したポリカーボネート樹脂製の三角錐型キューブコーナー型再帰反射シートを作成した。
上記の比較例による母型を作成するのに用いた切削のパラメータをまとめると以下の通りであった。
x、yおよびz方向のV溝の深さ
100.0μm
yおよびz方向のV溝の角度
79.505°
x方向のV溝の角度
50.529°
yおよびz方向のV溝のピッチ
203.403μm
x方向のV溝のピッチ
259.086μm
y方向とz方向のV溝の交差角度
46.225°
y、z方向とx方向のV溝の交差角度
66.887°
光学軸の傾斜角度
+10.0°
上記の実施例1〜7および比較例で作成したキューブコーナー型再帰反射シートの再帰反射係数の値を表1に示した。本発明に基づく実施例1〜7による再帰反射物品の再帰反射係数は、従来技術に基づく比較例の三角錐型キューブコーナー型再帰反射シートの再帰反射係数にくらべ、シートの正面方向の再帰反射性及び入射角の大きな方向への再帰反射特性のいずれも優れたものであった。
Figure 0005203190
本発明における再帰反射物品の具体的な用途としては、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレートなどに用いることのできる再帰反射物品および再帰反射シートであり、優れた入射角特性、観測角特性および回転角特性を所有しているので、広範な用途に用いることが出来る。

Claims (20)

  1. 断面の形状が実質的にV字状形の3方向の溝群から形成され、再帰反射素子を形成するひとつの底辺を共有し回転対称形となるように形成されたキューブコーナー再帰反射素子対が多数配置されてなる再帰反射物品において、該再帰反射素子対群を形成する1つの方向の平行V字状溝群(x溝)の底部の軌跡が直線であり、他の2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡がx溝との交点において屈折する連続した屈曲線形状であって、該2方向の平行V字状溝群(w1溝およびw2溝)の底部の軌跡は互に交差しないように形成されており、該再帰反射素子を形成する底面の投影形状が四辺形(A−B−E1−D1,およびA−B−E2−D2)であることを特徴とする再帰反射物品。
  2. 該再帰反射素子対群を形成する底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hx)と、底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hw)とが異なることを特徴とする請求項1記載の再帰反射物品。
  3. 該再帰反射素子対群を形成する、底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hx)と、底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hw)との比率(hx/hw)が1.05〜1.4であることを特徴とする請求項2に記載の再帰反射物品。
  4. 該再帰反射素子対群を形成する、底部の軌跡が直線の平行V字状溝群(x)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hx)と、底部の軌跡が屈曲線形状の平行V字状溝群(w1およびw2)のV溝底辺と反射素子の頂点(H1,H2)からの高さ(hw)との比率(hx/hw)が1.1〜1.3であることを特徴とする請求項2〜3に記載の再帰反射物品。
  5. 該V字状溝群の少なくとも一つのV字状溝が、共通平面および、該共通平面に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面とに垂直な面と、該V字状溝の底辺を含む反射側面とが交差してなる線分とV溝垂直平面とがなす片側溝角が、他方のV字状溝の片側溝角が等しくないことを特徴とする請求項1記載の再帰反射物品。
  6. 前記、一方の片側溝角と他方の片側溝角との差(dG)が0.0001〜0.1度であることを特徴とする請求項5に記載の再帰反射物品。
  7. 少なくとも一つの平行V字状溝群(x溝,w1溝,またはw2溝)において、隣接するV字状溝の片側溝角の差異(dG)が少なくとも2種類以上の繰返しのパターンで形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の再帰反射物品。
  8. 該V字状溝群の少なくとも一つのV字状溝が、共通平面および、該共通平面に垂直でV字状溝の底辺を含むV溝垂直平面とに垂直な面と、該V字状溝の底辺を含む反射側面とが交差してなる線分とV溝垂直平面とがなす片側溝角が一つの反射側面内で変化しており、該一つの反射側面が曲面および/または複平面を形成していることを特徴とする請求項1記載の再帰反射物品。
  9. 少なくとも一つの反射側面において、該片側溝角がキューブコーナーを形成する正規な片側溝角から0.0001〜0.1°の最大偏差をもっていることを特徴とする請求項8記載の再帰反射物品。
  10. 該V字状溝の底点が形成する底辺が、直線状の軌跡をなさない非直線底辺であることを特徴とする請求項9記載の再帰反射物品。
  11. 該非直線底辺の両端を結んだ両端直線から該非直線底辺への垂直線と該非直線底辺との交点と両端直線との最大距離で規定される非直線因子が、両端直線の長さをLとした時に0.0001L〜0.05Lであることを特徴とする請求項10記載の再帰反射物品。
  12. C1−AとA−Bのなす角をrA1、A−BとB−C1のなす角をrB1、B−C1とC1−Aのなす角をrC1とした時に、rA1、rB1、rC1がそれぞれ実質的に異なっていることを特徴とする請求項1記載の再帰反射物品。
  13. 該再帰反射素子の3つの内角rA1、rB1及びrC1が、それぞれ、実質的に異なり、かつ、該3つの内角rA1、rB1及びrC1の最大の内角を内角rmaxとすると、該内角rmaxが63°≦rmax≦88°である請求項12に記載の再帰反射物品。
  14. 該素子対群が、第1のゾーンと第2のゾーンの組み合わせを備えており、該第1のゾーンのx方向のV字状溝群をx1線とし、該第2のゾーンのx向のV字状溝群をx2線とし、x1線とx2線のなす角度が5〜175度でことを特徴とする請求項1記載の再帰反射物品。
  15. 該x1線とx2線のなす角度が80〜100度であることを特徴とする請求項14記載の再帰反射物品。
  16. 該再帰反射素子の光学軸の傾斜角度がプラス(+)3度以上であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の再帰反射物品。
  17. 該再帰反射素子の光学軸の傾斜角度がプラス(+)5〜20度であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の再帰反射物品。
  18. 該再帰反射素子の光学軸の傾斜角度がプラス(+)7〜12度であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の再帰反射物品。
  19. 該再帰反射素子の四辺形形状の底面を形成する二つの底辺(A−BとE1−D1,またはA−BとE2−D2)の距離をr、および、他の斜辺(A−D1,B−E1およびA−E2,B−D2)の延長線の交点(C1およびC2)と底辺(A−B)との距離をsとしたときに。距離rと距離sとの比率(R)
    R=r/s (式1)
    が0.4〜0.95であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の再帰反射物品。
  20. 距離rと距離sとの比率(R)が0.5〜0.9であることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の再帰反射物品。
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