JP6445520B2 - 微小タイル型プリズム状キューブコーナー物品 - Google Patents

微小タイル型プリズム状キューブコーナー物品 Download PDF

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Description

本発明は概ね、再帰反射シート材と、キューブコーナー要素を組み込んだ関連物品と、に関し、かかる物品に対する具体的な応用では、かかる物品において別個のキューブコーナー配列が複数のタイル内に配置され、1つだけのキューブコーナー配列を組み込んだ物品に対して改善された再帰反射性能を提供する。本発明はまた、かかるキューブコーナー物品を組み込んだ物品及びシステム、並びにかかる物品の製造方法及び使用方法に関する。
再帰反射キューブコーナー物品は既知である。かかる物品は、キューブコーナー要素を組み込み、それぞれのかかるキューブコーナーは、3つのおよそ互いに垂直な反射率の高い小面を有する。反射小面は、光と相互作用し、光の投射角によらず、それぞれのキューブコーナー要素によって、投射光がやってきたおよその方向に投射光を戻す。この機能性は、例えば、街路及び高速道路の標識、道路及び道路脇に設置するための交通制御バレル及びコーン、夜間交通の周辺での作業及び他の活動に従事する人々のためのベスト及び他の衣類など、視認性の強化を必要とする用途において有用である。小面の反射性は、全内部反射によって、又は小面の上に被覆される金属層若しくは他の反射材料によって、もたらされ得る。再帰反射光が投射光の方向からわずかに偏位するように、3つの反射小面のうち二面角が完全な垂直からわずかに偏位するように、キューブコーナーを設計することはまた既知である。この方法では、投射光の方向に対して、小さいがゼロではない角度をヒトの目が定めることによって、ヒトは、より多くの再帰反射光を見ることができるようである。この点に関しては、米国特許第4,775,219号(Appeldornら)を参照する。
所与のキューブコーナー物品が、構造化表面を有する工具を用いて製作されることは既知である。キューブコーナー物品の構造化表面は、工具の構造化表面からのマイクロ複製により製造することができる。そのため、工具の構造化表面は、所与のキューブコーナー物品の構造化表面の反転版又はネガティブレプリカ(negative replica)である。このように、工具もまた、およそ互いに垂直な3つの小面の群を含み、工具自体が光の再帰反射性を示すかどうかに関わらず、キューブコーナー物品であるとみなすことができる。
別個のキューブコーナー配列が本明細書でタイルと呼ぶ隣接する領域又は区域のパターンに配置されるタイル型の構成で、キューブコーナー物品を提供することは既知である。
タイル張りによって、典型的には、物品の入射特性及び配向特性が変更される。市販の再帰反射キューブコーナーシート材は、平面視で、その最小の特徴的な寸法が約0.150インチ(3.8mm)以上である、長い帯状又は矩形領域(正方形を含む)の形状を有するタイルを用いている。キューブコーナー要素の向きは、任意の2つの隣接するタイル間で異なっている。
タイル張りを採用している、3種類の既知の再帰反射キューブコーナー物品について、これから検討することとする。
図1、1A、及び1Bは、米国特許第5,936,770号(Nestegardら)において検討されているタイル型再帰反射物品に関する。図1は、ちょうど2つの1次平面内で高入射角において改善された再帰反射性能を示すように、かつこの2つの1次平面のそれぞれにおいて様々な入射角度において実質的に同様の再帰反射性能を示すように設計された、再帰反射キューブコーナーシート材110の構造化表面の一部分の拡大図を表す。構造化表面は、キューブコーナー要素112の配列を含む複数の交互の区域を含む。キューブコーナー要素112は、シート材の片面上の配列中に、光学的に対向する適合ペアとして配設されている。それぞれのコーナーキューブ要素112は、3つの露出した平坦面122を有する3面体プリズムの形状を有している。面122同士の間の二面角は、約90°であるが、先の米国特許第4,775,219号のAppeldornの特許で検討されているように、90°からわずかに偏位してもよい。キューブコーナー要素112は、米国特許第4,588,258号(Hoopman)において開示されているように、傾斜形状を有することが好ましい。かかる傾斜は、高入射角における改善された再帰反射性能の単一の1次平面と、高入射角における改善された再帰反射性能の単一の2次平面と、を画定する。キューブコーナー要素の軸は、米国特許第5,565,151号(Nilsen)で検討されるように「後方」、若しくは「負」の方向に傾いてもよく、又は先の米国特許第4,588,258号(Hoopman)で検討されるように、「前方」若しくは「正」の方向に傾いてもよい。
シート材110の構造化表面は、およそ90度の向きに配設されたキューブコーナー配列の複数の交互の区域(「タイル」)を含む。したがって、シート材110は、このシート材上に第1の向きに配設されたキューブコーナー要素の配列を含む第1の区域106と、このシート材上に第2の向きに配設されたキューブコーナー要素の第2の区域108と、を含み、高入射角における改善された再帰反射性能の第1の1次平面と、第1の平面に垂直で、高入射角における改善された再帰反射性能の第2の1次平面と、を画定することを特徴とする。
第1の区域106は、シート材110の長手方向縁部に実質的に平行に延在する。第1の区域106は、2つの2次の溝セット126、128と、1次の溝セット130と、を含む、3つの互いに交差する溝のセットによって形成される、キューブコーナー要素112の配列を含む。配列中の個々のキューブコーナー要素112は、それらの光学軸が1次の溝130に垂直な面内で傾斜するように形成される。したがって、第1の区域106におけるキューブコーナー配列は、1次の溝130に垂直に、かつシート材110の長手方向縁部に垂直に、延在する、改善された再帰反射性能の1次平面を示す。個々のキューブコーナー要素は、キューブコーナー要素の底面に垂直な軸に対しておよそ8.15度の角度を介して傾けられて、55.5度、55.5度、及び69度の角度を含む基部三角形を画定する。第2の区域108は、シート材の長さに沿って、第1の区域106に実質的に平行に延在し、第2の区域の配列が、第1の区域106における配列に対して90度の向きに配設されていることを除いて、第1の区域106において配設された配列と実質的に同一であるキューブコーナー要素112の配列を含む。対向するキューブコーナー要素を、約7度〜約15度の角度を介して傾けることによって利点が得られる(先の米国特許第4,588,258号(Hoopman)を参照)が、様々な傾斜角度及び様々なキューブサイズが用いられてもよいといえる。
図1Aは、先の米国特許第4,588,258号(Hoopman)に従う単一のキューブコーナー配列の再帰反射性能を表す。かかるキューブコーナー配列は、高入射角において改善された再帰反射性能を示し、等輝度等高線の2つの最も広いローブを介して延在する平面によって表わされる、単一の主平面と、高入射角において改善された再帰反射性能を示し、等輝度等高線の2つのより短いローブを介して延在する平面によって表わされる、2次平面と、を示す。したがって、かかる単一のキューブコーナー配列を有するように製造されたシート材は、単一の好ましい向きを有する。図1の実施形態は、高入射角において改善された再帰反射性能を示す2つの平面を設けることにより、この制約を克服するといえる。国際公開第96/42025号(Smithら)に開示されているように、後方に傾けられたキューブは、照射角(entrance angularity)の2つの同様の好ましい平面を有するように構成されてもよい(例えば、50°、65°、65°の基部角度)。照射角の2つの好ましい平面は、必ずしも互いに垂直ではない。
図1Bは、図1に従う2配向型シート材のサンプルから取られた再帰反射輝度値の等輝度等高線のグラフである。再帰反射試験の形状及び測定角度の記述については、ASTM E−808−93b,Standard Practice for Describing Retroreflection(この、より最新版は、ASTM−E−808−01(2009)に表記されている)において与えられており、関係する角度及び他の形状因子もまた、図4と関連して以下で述べられる。図1Bの測定は、0.33度に固定した観測角度及び90度に固定した提示角においてなされた。入射角は、0〜80度で変化させ、シート材は、配向角の360度の範囲を通って回転した。図1Bにおいて、入射角は、同心円によって表わされ、一方、配向角は、グラフの周りに放射状に延在する数字によって表わされる。同心の等輝度等高線は、再帰反射光の相対的な再帰反射性を表す。最大の再帰反射性は、グラフの中心点によって表わされ、同心の等輝度等高線は、カンデラ/ルクス/m単位で測定された、最大値に対する再帰反射性の5%の減少分を表す。
図1Bを参照すると、図1の再帰反射シート材は、高入射角における改善された再帰反射性能の、ちょうど4つの広いローブを示している。これら4つのローブは、0度の配向角から始まって90度の間隔(例えば、0度、90度、180度、270度の配向角)で発生している。これら4つのローブは、高照射角における改善された再帰反射性能の2つの1次平面を画定する。第1の平面は、0〜180の向きにおけるシート材の平面を通って延在し、第2の平面は、90〜270の向きにおけるシート材を通って延在する。シート材は、これら2つの平面内で変動する入射角にわたって実質的に同様の再帰反射性能を示すとも言える。使用時には、シート材が最適な再帰反射性能を提供できるように、2つの異なる向きのいずれかにシート材が向けられてもよい。
更なる設計の詳細及び図1の物品のような再帰反射物品の変形例については、読者は、先の米国特許第5,936,770号(Nestegard)を参照されたい。
図2は、タイル張りを採用している別のキューブコーナー再帰反射シート材270の概略平面図である。タイル型シート材270は、Stimsonite Corporation(Niles,IL)によって、商品名STIMSONITE High Performance Grade Reflective Sheeting(ロット1203W、製品番号8432170)で商業的に販売された。タイル型シート材270は、後方に傾けられたキューブコーナー要素の適合ペアの複数のタイル型配列を採用している。シート材270の構造化表面は、シート材270の長手方向縁部272に対して複数の別の向きに位置付けられたキューブコーナー要素の適合ペアの配列の複数の群を含む。キューブコーナー配列は、配列の1次の溝が、シート270の長手方向縁部272に対して0度、30度、60度、及び90度の向きに位置付けられる平面内にあるように向けられている。
タイル型シート材270の更なる詳細については、他のタイル型再帰反射物品の記述と同様に、読者は、米国特許第5,822,121号(Smithら)を参照されたい。
図3は、米国特許出願公開第2011/0013281号(Mimuraら)において検討されたタイル型キューブコーナー物品310である。キューブコーナー物品310は、構造化表面を有しており、構造化表面における小面は、第1のキューブコーナー配列313−1及び第2のキューブコーナー配列313−2を形成しており、それぞれ、交互の帯状のタイル312−1、312−2に配置されている。この構造化表面は、デカルトのx−y−z座標系のx−y平面として示される基準面を画定する。第1のキューブコーナー配列313−1は、キューブコーナー314−1及び315−1を有する。これらのキューブコーナーは、傾斜している。すなわち、それぞれのキューブコーナーの光学軸(時には対称軸と呼ばれる)は、平面の垂直軸に対して、すなわち、z軸に対して傾いている。第2のキューブコーナー配列313−2は、キューブコーナー314−2及び315−2を有し、これらも傾斜している。キューブコーナー314−1、315−1、314−2、及び315−2について、様々なキューブコーナーの光学軸のx−y平面上への投影が、それぞれ、光学軸314d−1、315d−1、314d−2、及び315d−2として図中に示されている。
Mimuraの参考文献は、キューブコーナー314−1及び315−1は、順序付けられた内角又は基部角度が(54.918°、66.659°、58.423°)である基部三角形を有し、キューブコーナー314−2及び315−2は、順序付けられた内角が(54.918°、58.423°、66.659°)である基部三角形を有する、実施形態について記述している。基部三角形及びそれらの順序付き角度についての更なる検討が以下でなされる。キューブコーナー314−1のうち所与の1つと、キューブコーナー315−1のうち隣接する1つとは、キューブコーナーの適合ペアを形成する。なぜなら、キューブコーナー314−1は、z軸を中心に180度回転させた場合、キューブコーナー315−1と同じキューブ形状でかつ同じキューブの向きを有するキューブコーナーを生成するためである。キューブコーナー314−2のうち所与の1つと、キューブコーナー315−2のうち隣接する1つとはまた、同じ理由でキューブコーナーの適合ペアを形成する。しかしながら、配列313−1内の任意の所与のキューブコーナーは、配列313−2内の任意のキューブコーナーと同じキューブ形状を有さず、配列313−2内の任意のキューブコーナーと適合ペアを形成しない。
我々は、構造化表面が、タイル型構成に結合された異なるキューブコーナー配列を含む、キューブコーナー物品の群(family)を開発した。様々なキューブコーナー配列の設計上の特徴は、任意選択的にそのそれぞれのタイルの設計上の特徴と組み合わせて、例えば、再帰反射光に対する改善された配向均一性、構造化表面の改善された見かけの空間均一性、とりわけタイルの延在する縁部に沿う、断片化されたキューブコーナー要素の減少(又は、断片化されていないキューブコーナー要素の表面適用範囲の増加)、及び製造の容易さなどの1つ以上の有益な製品特性をもたらすように選択され、一方で、所望に応じて、全体的に高い再帰反射性を有する薄く可撓性のあるキューブコーナーシート材において、1つの、幾つかの、又は全てのこれらの有益な特徴を実現することができる。製造の容易さは、少なくとも2つの可能な態様を有する。1つの態様は、再帰反射キューブコーナーフィルムを製造し得る速度に関し、タイルの大部分又は全てに対するキューブコーナー配列を、フィルムウェブのダウンウェブ(downweb)方向に平行な(かつ、好ましくはそれぞれのタイルの縁部にも平行な)1つの溝セットを有するように設計し、硬化性の材料を工具の構造化表面により容易にかつより速く押し込むことが出来るようにすることによって、この速度を増すことができる。2つ目の態様は、キューブコーナー工具の製造における費用の低減及び簡易さの向上に関し、これらは、1つの配列に対するキューブ形状が、別の向きの配列におけるキューブ形状と同じであるように、かつ/又は別の向きの配列におけるキューブ形状の並べ替えであるように、3つ以下の切削工具の1つのセットのみで切削することができるキューブコーナー配列を使用することにより実現することができる。
我々は、とりわけ、それぞれのタイルが傾斜したキューブコーナー要素の1つの配列を含有する、タイル型構成における複数のキューブコーナー配列を用いる再帰反射シート材などのキューブコーナー物品について本明細書に開示する。タイルは、長く、かつ狭くてもよく、すなわち、延在してもよく、物品の少なくとも2つ又は3つの隣接するタイルのそれぞれにおける、又はタイルの大部分、又は全てのタイルにおける配列は、少なくとも1つの長さ方向の溝を含んでもよく、溝は、タイルの縁部に平行で、固定した面内軸に平行であり、軸は、物品のダウンウェブ方向であってもよい。それぞれのタイルは、狭い幅(例えば、0.2〜5mm、又は1mm未満、又は0.2〜1mm)であってもよく、タイルの縁部に沿う、無駄な断片化されたキューブコーナー及び垂直表面を回避又は低減するために、長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しい幅を有してもよい。それぞれの配列は、傾斜平面と、照射角の1次平面と、を有してもよく、複数のタイルに対する照射角の1次平面は、方位角において、傾斜平面よりもより均等に分布していてもよい。
本出願は、とりわけ、面内軸を有する基準面を画定する構造化表面を有する物品を更に開示し、構造化表面は、第1、第2、第3のタイルを含む複数のタイルに配置された複数のキューブコーナー配列を含む。第1、第2、及び第3のタイルは、それぞれ第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列によって画定され、第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列は、それぞれ第1、第2、及び第3の照射角の1次平面を有し、1次平面のそれぞれは、面内軸に対して異なる向きに向いている。
第1、第2、及び第3のタイルはそれぞれ、面内軸に平行な1つのタイルの縁部を含む。第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれは、面内軸に平行な1つの所与の溝を含む。第1、第2、及び第3のタイルはそれぞれ、面内軸に平行に伸長していてもよい。第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれについて、所与の溝は、長さ方向の溝のピッチを画定する複数の長さ方向の溝のうちの1つであってもよく、第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれは、それぞれの長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しい幅を有してもよい。第1、第2、及び第3のタイルの幅はそれぞれ、0.2mm〜5mm、又は0.2mm〜1mm、又は0.5mm〜1mmの範囲にあってもよい。複数のタイルは、第1、第2、及び第3のタイル以外の追加のタイルを含んでもよく、追加のタイルは、対応する追加のキューブコーナー配列を有し、追加のキューブコーナー配列の全ては、面内軸に平行な1つの所与の溝を含んでもよい。
第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれにおけるキューブコーナーは、基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、特徴付けられ、第1及び第2のキューブコーナー配列についての基部角度の順序付きセットは、互いに等しくてもよく、第1及び第3のキューブコーナー配列についての基部角度の順序付きセットは、互いの並べ替えでもよい。基部角度の順序付きセットの概念は、以下で更に検討される。
第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列に対する基部角度の順序付きセットは、代替的に互いに等しくてもよい。次いで、複数のタイルは、第4のキューブコーナー配列によって画定される第4のタイルを更に含み、第4のキューブコーナー配列は、第1、第2、又は第3の照射角の1次平面のいずれにも平行ではない、第4の照射角の1次平面を有し、第4のキューブコーナー配列中のキューブコーナーは、第1のキューブコーナー配列についての基部角度の順序付きセットの並べ替えである、基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられてもよい。第4のタイルは、面内軸に平行に伸長してもよく、第4のキューブコーナー配列は、面内軸に平行な1つの長さ方向の溝を含んでもよい。
複数のキューブコーナー配列におけるキューブコーナー配列の全ては、それぞれの照射角の1次平面を有してもよく、照射角の1次平面は、面内軸に対して少なくとも4つの特有の向きを画定してもよい。少なくとも4つの特有の向きに関連したキューブコーナー配列はそれぞれ、面内軸に平行な1つの長さ方向の溝を含んでもよく、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられてもよく、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えかのいずれかである。照射角の1次平面はまた、面内軸に対して少なくとも5つの特有の向きを画定してもよい。少なくとも5つの特有の向きに関連したキューブコーナー配列は、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられてもよく、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えかのいずれかである。照射角の1次平面はまた、面内軸に対して少なくとも6つの特有の向きを画定してもよい。少なくとも6つの特有の向きに関連したキューブコーナー配列は、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられてもよく、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えかのいずれかである。
第1及び第2のタイルは、境界に沿って接するタイルの縁部を有してもよく、境界の近傍の第1のタイル上のキューブコーナーの列の小面と、境界の近傍の第2のタイル上のキューブコーナーの列の小面とは、集合的に複合溝を形成してもよく、この複合溝は、面内軸に平行である。複合溝は、第1のキューブコーナー配列の所与の溝の溝角度とは異なり、第2のキューブコーナー配列の所与の溝の溝角度とも異なる、複合溝角度を有してもよい。
構造化表面は、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供してもよい。構造化表面は、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供してもよい。
本出願はまた、対応する複数のタイルに配置された複数のキューブコーナー配列を含む構造化表面を有する物品であって、構造化表面は、面内軸を有する基準面を画定する、物品を開示する。複数のタイルのそれぞれに対するキューブコーナー配列は、溝が該面内軸に平行に延在する所与の溝セットを有し、複数のタイルのそれぞれに対するキューブコーナー配列は、それに関連した傾斜平面及び照射角の1次平面を有する。複数のタイルに対する照射角の1次平面の特有のものは、傾斜平面の特有のものよりも方位角においてより均一に分布している。
照射角の1次平面の特有のものは、最小の角度分離PhiMin1を有してもよく、傾斜平面の特有のものは、最小の角度分離PhiMin2を有してもよく、PhiMin1は、PhiMin2よりも大きくてもよく、又は、PhiMin1は、PhiMin2の少なくとも2倍であってもよい。照射角の1次平面の特有のものは、最大の角度分離PhiMax1を有してもよく、傾斜平面の特有のものは、最大の角度分離PhiMax2を有してもよく、PhiMax1は、PhiMax2よりも小さくてもよい。照射角の1次平面の特有のものに対する角度分布メトリックPhiADM1(以下に記載)は、傾斜平面の特有のものに対する、対応する角度分布メトリックPhiADM2(同様に以下に記載)よりも大きくてもよい。
複数のタイルはそれぞれ、面内軸に平行に伸長されていてもよい。タイルは、0.2mm〜5mm、又は0.2mm〜1mm、又は0.5mm〜1mmの範囲にあるそれぞれの幅を有してもよい。それぞれのタイルに対する所与の溝セットは、かかるタイルに対する長さ方向の溝セットであってもよい。構造化表面は、キューブコーナー配列のうちN個の特有のものにそれぞれ関連するN個の特有の照射角の1次平面を有してもよく、Nは、4、5、又は6であってもよい。複数のタイルは、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜したキューブコーナーの配列を備える、第1、第2、及び第3のタイルを含んでもよく、第1、第2、及び第3の配列は、それに関連した、どの2つも互いに平行ではない、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜平面を有してもよい。第1、第2、及び第3の配列のそれぞれに対して、所与の溝セットは、長さ方向の溝のピッチを画定する長さ方向の溝セットであってもよく、第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれは、それぞれの長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しい幅を有してもよい。
構造化表面は、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供してもよい。構造化表面は、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供してもよい。
本出願はまた、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜したキューブコーナーの配列を備えた少なくとも第1、第2、及び第3のタイルを含む、複数のタイルに分割された構造化表面を有する物品を開示する。第1、第2、及び第3の配列は、それに関連した、どの2つも互いに平行ではない、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜平面を有する。第1、第2、及び第3の配列におけるキューブコーナーは、それぞれ第1、第2、及び第3の基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、特徴付けられ、第1及び第2の基部角度の順序付きセットは、互いに等しくてもよく、第1及び第3の基部角度の順序付きセットは、互いの並べ替えでもよい。
第1、第2、及び第3の配列のそれぞれは、溝セットを有してもよく、溝セットの溝は、配列のそれぞれのタイルの縁部に平行に延在する。第1、第2、及び第3の配列のそれぞれは、互いに交差してキューブコーナーを形成する平行な溝の3つのセットによって画定されてもよい。物品はまた、傾斜したキューブコーナーの第4の配列を備える第4のタイルを含んでもよく、第4の配列は、それに関連した、第1、第2、又は第3の傾斜平面のいずれにも平行ではない第4の傾斜平面を有してもよい。第4の配列は、第4の基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって特徴付けられ、第4の基部角度の順序付きセットは、第3の基部角度の順序付きセットと同一でもよい。構造化表面は、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供してもよい。構造化表面は、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供してもよい。
関連する方法、システム、及び物品についても検討する。
本出願のこれらの態様及び他の態様は、以下の「発明を実施するための形態」より明らかになるであろう。しかしながら、上記の概要は、いかなる場合においても特許請求される主題に対する限定として解釈されるべきではなく、手続時に補正され得る添付の「特許請求の範囲」によってのみ定義されるものである。
既知のタイル型再帰反射シート材の構造化表面の正面図又は平面図である。 図1のシート材からのキューブコーナー配列又はタイルの1つの再帰反射性能を示す等輝度グラフである。 図1のシート材についての再帰反射性能を示す等輝度グラフである。 既知の別のタイル型再帰反射シート材の概略平面図である。 公開特許出願において開示された多方向の要素群である。 照射及び観測形状に関する特定のパラメータを表す再帰反射物品の斜視図である。 異なる向きの3つのキューブコーナー配列を組み合わせることができる配置の概略正面図又は概略平面図である。 3つの対応するタイルに配置した、図5に示すような3つの別々のキューブコーナー配列を備える構造化表面の概略正面図又は概略平面図である。 図6のキューブコーナー物品の概略側面図又は概略立面図である。 3つの薄層を有する再帰反射物品であって、薄層の上にそれぞれ異なるキューブコーナー配列が形成され、又は形成されてもよい、再帰反射物品の概略正面図又は概略平面図である。 同一の再帰反射物品の概略側面図又は概略立面図である。 2つの延在する薄層の概略正面図又は概略平面図であり、溝セットにおける溝がどのように薄層の主要な縁部に平行又は実質的に平行であり得るかを示す。 観測者によって観察されたタイル型再帰反射物品の概略斜視図である。 複数の伸長したタイルを備える再帰反射物品の概略正面図又は概略平面図である。 傾斜したキューブコーナーの単一の配列についてのモデル化した全光反射(total light return)(TLR)対配向角を示すグラフである。 図5及び図6に示すような異なる向きの3つの傾斜したキューブコーナー配列を有するタイル型再帰反射物品についての、モデル化したTLR対配向角を示すグラフである。 異なる向きの3つの傾斜したキューブコーナー配列を有する別のタイル型再帰反射物品についての、モデル化したTLR対配向角を示すグラフである。 キューブ形状、キューブの向き、傾斜平面、及び照射角の1次平面などの概念を説明するための個々のキューブコーナー要素の概略上面図又は概略平面図である。 傾斜したキューブコーナーの6つの別個の配列を有するタイル型キューブコーナー物品の概略上面図又は概略平面図である。 図14のキューブコーナー配列からの代表的な個々のキューブコーナー要素の概略上面図又は概略平面図であり、同図はまた、傾斜平面及び照射角の1次平面を示す。 図14のキューブコーナー配列についての、傾斜平面と、照射角の1次平面と、の模式図である。 図14の再帰反射物品についての、様々な入射角におけるモデル化されたTLRのグラフであり、物品は、屈折率が1.586の材料からなると仮定している。 図17のグラフに類似のモデル化されたグラフであるが、物品は、屈折率1.5の材料からなると仮定している。公開特許出願において開示された多方向の要素群である。 図3の多方向の要素群の光学シミュレーションに関連する上述の公開特許出願からのグラフである。 図3の構造化表面についての、様々な入射角におけるモデル化されたTLRのグラフであり、物品は、屈折率が1.586の材料からなると仮定している。 図17及び図20からのデータを入射角の関数としての均一性指数として再プロットしたグラフである。
図中、同様の参照番号は、同様の要素を示す。
我々は、物品において、又はその製造において、幾つの、かつどの部分の開示された設計上の特徴が用いられているかに応じて、多数の有益な製品の特性をもたらすことができるキューブコーナー物品の群を開発した。
設計上の特徴について更に詳細を検討する前に、まず、図4を参照して、再帰反射物体の照射及び観測形状に関連する特定のパラメータについて概観する。図中、物品450は、前面430を有する。物品450は、再帰反射性を提供するための(例えば、物体の後ろ側又は裏側に)構造化表面を有してもよい再帰反射シート又は他の再帰反射物体であってもよい。物品は、概ね基準面内にあると仮定する。図において、デカルトのx−y−z座標系が示されており、基準面は、x−y平面に対応すると仮定する。なお、所与の物品が、湾曲している、曲がっている、ないしは平坦ではない場合、平面に近似するのに十分小さい物品の部分は、分離して考えられてもよい。物品450及び基準面はまた、面法線軸448を画定し、この軸は、基準面に垂直であり、したがって、z軸に平行である。我々はまた、時に基準マークと呼ばれる、特定の面内軸465を画定することができる。面内軸465は、当然、法線軸448に垂直であり、物品450の前面上の、又は別の関連する部分上の、ある点において法線軸と交差する。面内軸465は、例えば、ダウンウェブ方向、特定の溝セットの溝方向、又は物品の縁部若しくは物品のタイルの縁部などの、物品450の平面における対象の特定の方向で選択されてもよい。
物品450は、光源416によって照射され、検出器466は、物品450によって反射した光の輝度又は強度を測定する。光源416及び検出器466は、物品450に対して任意の位置に示される。光源416から物品450へ伸びる照射軸は、法線軸448に対して角度βをなす。照射軸及び法線軸448は、x−y平面に垂直な入射平面を画定し、面内軸465に対して角度ωをなす。検出器466から物品450へ延在する観測軸は、照射軸に対して角度αをなす。観測軸及び照射軸は、平面を画定し、この平面は、照射平面に対して角度γをなす。これらの角度は、以下のように呼ばれる。
α−観測角
β−入射角
γ−提示角
ω−配向角
これらの角度、及び本明細書で検討される他の角度は、別途注記がない限り、弧度の単位で表現される。
物品450などの物品の反射輝度、あるいは、反射率、再帰反射率、又は単に輝度と呼ばれるものは、Rと表わされ、概ね全ての4つの角度α、β、γ、及びωの関数である。反射輝度は、法線方向の照度及び物品の表面積(又は、その被試験部分)で割った物品の反射光度であり、平方メートルあたりのルクスあたりのカンデラの単位で表現され、cd/(lux・m)又はcd/lx/mと略記される。α、β、γ、及びωの値が指定されていない場合、0.2度の観測角α、−4度の入射角β、0度の提示角γ、0度の配向角ωを仮定するのが一般的である。物品450などの物品の全光反射(TLR)は、キューブコーナーの活性領域の割合又は比率と、光線強度との積に関連している。別途記載のない限り、TLRは、物品によって反射される全光を、その基部が物品の前面と一致する(図4の前面430を参照)半球に積分することによって算出され、半球内部の全ての方向ベクトルは、図4の座標系を基準として非負のz成分を有する。半球は、観測角αの全範囲、及び提示角γの全範囲を画定する。しかしながら、場合によっては、TLRは、例えば、観測角α中にその半角が4度である円錐の範囲を定める検出器に対応する部分など、半球のある部分のみに反射される光に基づいて算出されてもよい。したがって、TLRは概ね、入射角β及び配向角ωのみの関数である。物品450などの物品についての、等強度プロットとも呼ばれる等輝度等高線グラフは、図1A又は図1Bなどのようなグラフであり、物品の再帰反射性能(これは、通常はTLRによって表わされるが、所望に応じて、代わりに、特定の提示角γ(典型的には0度)及び観測角α(典型的には0.2度)における再帰反射率Rによって表わされる)は、入射角β及び配向角ωの関数として等高線の形式でプロットされる。
物品450などの物品に対する照射角の1次平面は、(例えば、配向角ωに関して定義される)入射平面を指し、この1次平面において、等輝度等高線グラフは、最大範囲のローブを示す。例えば、上述の図1Aのグラフは、配向角90度、270度に対応する1つの照射角の1次平面を有し、上述の図1Bのグラフは、一方は、配向角90度、270度に対応し、他方は、配向角0度、180度に対応する、2つの照射角の1次平面を有する。照射角の1次平面が1つのみ存在する場合には、かかる平面はまた、照射角の中心的平面とも呼ばれる。したがって、他の照射角の1次平面が存在しないため、例えば、図1Aの照射角の1次平面はまた、照射角の中心的平面である。(配向角0度、180度に対応する)照射角2次平面は、照射角の1次平面のローブよりも小さな範囲のローブを有している。
物品450などの物品の均一性指数(「UI」)は、配向角ωの関数として、物品のTLRがどれだけ変化するかの尺度である。本明細書の目的のために、UIは、配向角ωの全範囲にわたって、10度又は15度などの所定の増分におけるTLRを求めることによって算出される。かかるTLR値の全ての、最小値、最大値、及び平均値が求められる。次いで、UIは、最大TLR値と最小TLR値との間の差分で割った平均TLR値と等しくなるように算出される。UIは、入射角βの関数に過ぎない。
ここで、多数の有益な製品特性をもたらす特有の組み合わせにおいて用いることができると我々が発見したタイル型キューブコーナー物品の設計上の特徴の検討に戻る。上述したように、タイル型構成を有する多数のキューブコーナー物品は、これまでに開示されている。かかる物品の多くが、商用で製造、販売、及び使用されてきた。その結果、利用者の大多数は、それらの物品が彼らの意図する目的に対して満足のいくものであると判った。
一般的に市場においてタイル型キューブコーナー製品が広く受け入れられているにも関わらず、我々は、かかる物品のより一層の採用について、何らかの課題又は障害が存在するかどうか検討を行った。我々が特定した課題及び障害は、必ずしもタイル型キューブコーナー物品に関連した「問題」であると他者によって認識されなかった。この作業の過程において、我々は、本明細書の他の箇所で説明するように、設計上の特徴の特有の組み合わせの使用を通じて得られるであろう利点又は利益にも気づいたが、再び、これらの利点又は利益は、必ずしも他者によって認識される何らかの特定の「問題」に関連してはいなかった。
我々が特定した1つの課題は、配向角についての等強度プロットの不均一性の程度であった。例えば、図1Bの等強度プロットに関連したタイル型キューブコーナーシート材について、(典型的に0度及び90度の向きに対応している)垂直及び水平の入射平面における照射角は、とても似通っている。しかしながら、水平から角度45度などの他の向きにおいては、全く異なる照射角が得られる。かかるタイル型シート材は、とりわけ、再帰反射性を提供するためにキューブコーナー要素ではなくガラスビーズの層を用いるシート材と比べると、配向角において0〜180度の全範囲にわたって不均一の再帰反射性能を示す。ビーズ型再帰反射シート材は、多くの用途で依然として用いられており、より多くのタイル型キューブコーナーシート材がビーズ型シート材に置き換わることができるよう検討するべき1つの課題は、配向角の関数としての再帰反射性能におけるより優れた均一性を得ることである。ガラスビーズの円形対称性のおかげで、ビーズ型シート材は典型的に、配向角の全範囲にわたってその再帰反射性能において高い均一性を有する。
とりわけ、ビーズ型再帰反射シート材を現在用いている用途においてタイル型キューブコーナー物品を用いることを検討する場合、別の課題は、物品の見かけの空間均一性に関する。ビーズ型シート材は典型的に、高い空間均一性の程度を有する。すなわち、相対的に近い観察距離であっても、かかるシート材は典型的に、シート材の表面にわたる様々な場所における外観にわずかの差を示すか、又は全く有意な差を示さない。しかしながら、図1Bに関連したようなタイル型キューブコーナー物品は、およそ10〜20フィート(3〜6メートル)よりも近い距離から観察した場合、顕著に空間的に不均一である(縞がある)外観を有する。かかる空間不均一性は、多くの用途において好ましくはない、又は問題があるとはみなされないが、我々は、そのことによって、タイル型キューブコーナー物品のより広範な用途に対して課題又は障害を課し得ることに気づいた。観察距離が近くなること、すわなち、およそ10〜20フィート(3〜6メートル)よりも近くなることは、ビーズ型シート材の購入者が、例えば、シート材が自動車のナンバープレートに用いられることになるなどの購入決定に関するシート材を評価する場合に通常起こり得る。より近い距離における視覚的な不均一性は、個々のタイルの幅又は他の特徴的な最小横寸法にいくぶん起因する。タイル型キューブコーナー製品の大部分は、少なくとも0.150インチ(3.8mm)、より典型的には0.375インチ(9.5mm)のタイル幅を有する。より小さな寸法及びより狭いタイル、例えば、幅0.040インチ(1mm)以下などが、より視覚的に均一である外観を提供するために用いることができる。しかしながら、かかる狭い幅は、構造化表面の工具を個々の細片に切削するために、従来の放電加工(EDM)を用いる場合、かつタイル型キューブコーナー工具を生成するために、従来のレイアップ(lay-up)手法を用いて、この細片を互いに並べて配置する場合、作業するのが困難になり得る。かかる個々の狭い細片の断面アスペクト比(幅で割った高さ又は厚み)は、約1以下の値を示し、結果として、個々の細片は、ワイヤーに類似し、かつワイヤーのような動きをする。かくして、それらは、ねじれ、又は曲がる傾向があり、結果的に、レイアッププロセス中に他の狭い細片又はタイルと密接に位置を合わせて保持することが難しくなり得る。
別の課題は、タイル型キューブコーナー物品の視覚的不均一性にも影響を与え、隣接するタイルにおける溝の向きの差異の程度に関する。隣接するタイルにおける溝の向きの極端な差異により、人間の観察者によって気づかれるような、かかるタイル間の外観における認知される差異を増幅する場合がある。対照的に、隣接するタイル内に、例えば、タイルの縁部に平行に、かつ特定の面内軸に平行に、同一の又は類似の向きを有する溝を設けることによって、タイル間の外観上の差位を低減することができ、それによって、タイル型物品の視覚的均一性を増大させ、視覚的不均一性を低減させることができる。
別の課題は、タイル型工具のレイアップに備えて、(EDMか、又は任意の他の適切な手法によって)個々のタイルを切削する方法に関し、その切削の方法は、タイルの縁部に沿って位置するキューブコーナーの完全性及び有効性に影響を与える。図1の、例えば、タイル、又は区域106を参照する。これらのタイルにおいて、タイルの延在する縁部に隣接して位置する構造体は、配列における他のキューブコーナーに比べると、キューブコーナーの全ての3つの完全な状態の小面よりも少ない小面を有している。かかる構造体は、本明細書では、断片化されたキューブコーナー要素と呼ばれる。配列における完全な(断片化されていない)キューブコーナーに比べると、かかる構造体は、欠落した小面(又はその一部)により全体的に又は部分的に無駄なものになる。断片化された多数のキューブコーナー要素、すなわち、タイルの縁部でキューブコーナー要素の一部が切断され、それによってタイルから欠落していることを除いて、配列における他の箇所のキューブコーナー要素と同一である構造体をもたらす方法で、タイルの幾つか又は多数を切削することは、2つの理由で望ましくない。第1に、断片化されたキューブコーナーにより、断片化されたキューブコーナーが占有するタイル型物品の全体の表面積の比率又は割合に比例して、タイル型物品の再帰反射輝度が減少する。第2に、タイルの縁部に沿う断片化されたキューブコーナー要素において、垂直、又はほぼ垂直の壁が生成される。かかる垂直の壁により、その後の複数世代にわたる工具の複製が製造されるとき、又はめっきされるとき、分離の問題を引き起こす場合がある。
視覚的不均一性に関連して既に上述したように、隣接するタイルにおける溝の向きが異なる差異の程度により、製造の容易さに関する別の課題にも影響が出る。したがって、タイルの大部分又は全てが特定の面内方向に整列した1つの溝セットを有するようにタイル型物品を設計し、その面内方向がタイル型形状(適切に構成された外側表面を有する柱体又は円筒など)を有するキューブコーナーキャビティ工具への硬化性材料(流動性を有する重合体、又は重合体の前駆物質など)の流れの方向に平行になるように製造を行うことによって、硬化性材料は、より容易に高い忠実度で、その結果、他の場合よりも速いライン速度で確実にかつ完全に構造体を充填又は複製することができることを我々は発見した。硬化性材料の流れの方向は、工具と、例えば、塗工用ダイ又は流体材料の回転バンクなどの流体源との間の相対的な動きの方向によって定義されてもよく、この方向はまた、製造されるキューブコーナーシート材又は他の物品のダウンウェブ方向であることが好ましい。面内方向はまた、物品内のタイルの大部分又は全てのうち少なくとも1つの縁部に平行であることが好ましい。
開示するタイル型キューブコーナー物品は、上述した、又は本明細の他の箇所で述べられる課題の全てを解決するために設計された製品特性を含有する必要はなく、代わりに、それらは、かかる特性のいくつかのみを含有してもよい。特性の幾つかは、相乗的である。例えば、タイルの大部分又は全てが、特定の面内方向に整列した1つの溝セットを有するようにタイル型物品が設計される場合、視覚的均一性も増大させることができ、製品をより容易にかつより速く製造することができる。更に、面内方向がタイルの大部分又は全ての縁部に整列するように物品がまた設計される場合、タイルの幅をタイルの縁部に整列した溝のピッチの整数倍に等しくすることにより、かつ、それぞれのタイルの外側の溝の頂点をタイルの縁部に一致させることにより、それらの縁部に沿う断片化されたキューブコーナーの形成を回避又は最小化することができる。
したがって、キューブコーナー工具の製造を、上述した課題の幾つか又は全てを解決するように実行することができる。
1つの手法では、単一種類のキューブ形状を使用して、それぞれ3つの異なるキューブの向きを有する配列を持つ、3つの異なる種類のタイルを生成することができる。この点に関して、図5の配置510が参照される。キューブ形状によって、我々は、キューブコーナー、又はキューブコーナーの適合ペア、又はかかるキューブコーナーの配列の特徴付けについて、以下で更に検討するように、(複数の)キューブコーナーに関連した基部三角形の順序付き角度に関して言及する。図5の配置510は、3つのキューブコーナー配列:513−1、513−2、及び513−3を有する。これらの配列のうちそれぞれ1つにおいて、キューブコーナーは、3つの交差する平行な溝のセットによって形成又は画定される。配列513−1では、溝方向517Aに全て平行な溝517−1は、溝方向518Aに全て平行な溝518−1と交差し、溝方向519Aに全て平行な溝519−1とも交差する。描画された実施形態において、溝方向及びピッチは、溝方向518A、517Aが56度の角度を形成し、溝方向517A、519Aが56度の角度を形成し、溝方向519A、518Aが68度の角度を形成する、前方に傾斜したキューブの適合ペアを形成するように選択される。したがって、この配列におけるキューブコーナーは、(56、56、68)のキューブ形状を有する。これらの交差角度は、例証的なものであり、限定的ではないとみなされるべきである。更に、キューブの光学軸は、この場合では溝方向517Aに垂直である、傾斜平面と呼ばれる平面(又は、平行な平面のセット)において傾いている。このキューブ形状がポリカーボネートなどの屈折率1.59の透明材料において実施される場合、結果は、等強度プロット502Aになる。等強度プロットは、照射角の1次平面503Aを示し、本ケースでは、この平面は、配列513−1に対する傾斜平面と一致する。
配列513−2では、溝方向517Bに全て平行な溝517−2が、溝方向518Bに全て平行な溝518−2と交差し、溝方向519Bに全て平行な溝519−2とも交差する。溝方向及びピッチは、再度、溝方向518B、517Bが56度の角度を形成し、溝方向517B、519Bが56度の角度を形成し、溝方向519B、518Bが68度の角度を形成する、前方に傾斜したキューブの適合ペアを形成するように選択される。したがって、この配列におけるキューブコーナーは、(56,56,68)のキューブ形状、すなわち、配列513−1と同じキューブ形状であるが、配列513−1と513−2との間の相対的な方位角回転によって示されるような異なる向きにあるキューブ形状を有する。配列513−2中のキューブの光学軸は、この場合では溝方向517Bに垂直である、傾斜平面と呼ばれる平面(又は、平行な平面のセット)において傾いている。このキューブ形状が屈折率1.59の同じ透明材料において実施される場合、結果は、等強度プロット502Bになる。等強度プロットは、照射角の1次平面503Bを示し、この平面は、配列513−2に対する傾斜平面と一致する。
配列513−3では、溝方向517Cに全て平行な溝517−3が、溝方向518Cに全て平行な溝518−3と交差し、溝方向519Cに全て平行な溝519−3とも交差する。溝方向及びピッチは、再び、溝方向518C、517Cが56度の角度を形成し、溝方向517C、519Cが56度の角度を形成し、溝方向519C、518Cが68度の角度を形成する、前方に傾斜したキューブの適合ペアを形成するように選択される。したがって、この配列中のキューブコーナーは、(56,56,68)のキューブ形状、すなわち、配列513−1及び513−2と同じキューブ形状であるが、配列513−1、513−2、513−3の間の相対的な方位角回転によって示されるような、異なる向きにあるキューブ形状を有する。配列513−3中のキューブの光学軸は、この場合では溝方向517Cに垂直である、傾斜平面と呼ばれる平面(又は、平行な平面のセット)において傾いている。このキューブ形状が屈折率1.59の同じ透明材料において実施される場合、結果は、等強度プロット502Cになる。等強度プロットは、照射角の1次平面503Cを示し、この平面は、配列513−3に対する傾斜平面と一致する。
同じキューブ形状を有するが向きの異なる、全ての3つの配列513−1、513−2、513−3を形成することにより全ての配列中に同じ溝角度が現れる。この点について、溝は、傾斜した表面間に形成される、延在した開放空間を指し、この傾斜した表面は、2つの交差する平面を実質的に画定し、この2つの平面は、溝の頂点(例えば、基部又は底部)に対応する線に沿って交差する。2つの平面間の二面角は、溝の夾角、すわなち「溝角度」である。製造公差の範囲内の意図しない変動性による、かつ/又は2次的な設計上の特徴を提供する目的のための意図的な変動性による、交差する平面のうち一方又は両方に関する完全な平面性からの軽微なずれ、及び線又は頂点に関する完全な直線性からの軽微なずれがあってもよい。任意のかかる軽微なずれは、典型的に大変小さく、関連する面又は線の画像又は縮尺図面を直接に目視しても目立たない程度であろう。溝を含有する構造化表面の、反転した複製、すなわちネガティブレプリカは、溝の延在した開放空間に対応する延在した立体空間を有し、ポジティブ構造が検討されているか、又はネガティブ(反転した)構造が検討されているかに関わらず、溝及びその特徴を検討することができるように、概略的に、かかる延在した立体空間又は「反転溝」もまた、「溝」という用語の範囲内にあると広くみなしてもよい。本明細書で検討する誤差の範囲内で、同じ溝角度のセットが図5の全ての配列中に存在する(実際、それぞれの配列中に2つの固有の溝角度のみが存在する)ために、配列は全て、まず、例えば、ダイヤモンド工具又は他の好適な切削工具の単一のセットで銅又は他の好適な材料製のマスター基板上でフライカット又は治されて(rule)、製造することができる。これは、(例えば、ダイヤモンド工具の設定数を最小化するなど)製造プロセスを単純化し、在庫を減らすために有利である。
図5の3つの配列は、配列、及び配列のそれぞれの照射角の1次平面が異なる方向を向いているとしても、溝方向が特定の固定の面内軸に平行である溝又は溝セットをそれぞれの配列が含むように、特定の方法で向けられている。この点については、我々は、配列513−1、513−2、513−3の全てが、図5に示すデカルトのx−y−z座標系のx−y平面内にある、又はx−y平面に平行に延在すると仮定している。固定された面内軸とみなすことができるy軸は、配列513−1中の溝517−1の溝方向517Aに平行、配列513−2中の溝519−2の溝方向519Bに平行、配列513−3中の溝518−3の溝方向518Cに平行であるように配列及び座標系が配置されている。3つの配列の照射角の1次平面と同様に、3つの配列の傾斜平面が全て異なる方向に向いている間、この条件は満足される。
図5の配列には、多くの改変を行うことが可能である。例えば、3つの配列中のそれぞれの溝セット及びキューブコーナーについて、溝のピッチ、溝の深さ、及びキューブの高さは、同じであると仮定されていた。しかしながら、そうである必要はなく、全てが、(56,56,68)などの同じキューブ形状、同じそれぞれの傾斜平面、及び同じそれぞれの照射角の1次平面を維持する間は、1つの配列の溝のピッチ、溝の深さ、及びキューブの高さは、他の配列のうち一方又は両方に対して変更されてもよい。したがって、1つの配列中のキューブコーナーは、別の配列中のキューブコーナーよりも大きくても(例えば、より高くても、かつ/又はより広くても)よく、更に別の配列中のキューブコーナーと同じ寸法であっても、又はより小さくても(例えば、より低くても、かつ/又はより狭くても)よい。他の実施形態では、それぞれの配列の1つの溝又は溝セットがy軸などの指定された面内方向と平行な溝方向を有するという条件を依然として維持する間、他の配列のうち一方又は両方に対して、1つの配列中に異なるキューブ形状を用いることができる。異なるキューブ形状は、正又は負の傾斜の程度を有してもよい。更に、所与のキューブ配列の傾斜平面は、照射角の1次平面に一致してもよく、一致しなくてもよく、照射角の1次平面は、照射角の中心的平面、又は複数の照射角の1次平面のうちの1つであってもよい。3つの別個のキューブコーナー配列のみを図5に示したが、例えば4つ、5つ、又は6つ以上の、より多くの別個のキューブコーナー配列が代替の実施形態で用いられてもよい。キューブコーナー配列は、それらを構成するキューブコーナーが、例えば、キューブ形状、キューブの向き、及び/又はキューブの寸法など、任意の物質的方法において異なる場合に、別個であると言うことができる。3つ以上の別個のキューブコーナー配列はまた、連続して繰り返し現れてもよく、それぞれの配列がタイル型物品中に複数回現れる。また、図5に示した配列とは異なり、配列のうち1つ、幾つか、又は全てにおけるキューブコーナーは、正確に3つの交差する平行溝のセットによって画定される必要はない。したがって、キューブコーナーは、平面視において(キューブコーナーの形状は、依然としてかかるキューブコーナーに関連した基部三角形によって画定されるものの、)単純な三角形の形状ではない底面を有してもよい。この点について、米国特許第5,557,836号(Smithら)、第5,914,813号(Smithら)、第6,083,607号(Mimuraら)、第6,390,629号(Mimuraら)、及び第6,540,367号(Bensonら)、並びに国際公開第2004/061489号()、並びに日本特許公報JP 11−305017(Mimuraら)が参照される。
概略のために、図5に示した配列のそれぞれは、任意の形状のタイルによって境界を囲まれているとみなすことができる。図に示されたダイヤモンド形状の外形は、1つのかかる可能なタイル形状である。多くの用途において、伸長した細片形状の外形は、特定の有用性があり、タイル形状として便益がある。しかしながら、概ね、任意の好適なタイル形状を用いることができる。この点についての「タイル」は、1つのみのキューブコーナー配列が存在する境界で区切られた単一の領域を指し、1つのキューブコーナー配列は、この領域全体に延在するが、領域の境界において、中断、ないしは別の方法で分断されている。同様に、キューブコーナー配列は、キューブコーナーの繰り返しパターンを指し、繰り返しパターンは、実質的に1種類のキューブコーナーのみを、又は1種類のキューブコーナーの適合ペアのみを有し、ここにおいて、「実質的に」とは、製造公差内での意図しない変動性のために、かつ/又は2次的な設計上の特徴を提供する目的のための意図的な変動性のために、キューブコーナー間又はキューブコーナーペア間に同一性からの軽微なずれが存在することがあることを考慮に入れたものである。任意のかかる軽微なずれは、典型的に大変小さく、キューブコーナー配列の画像又は縮尺図面を直接に目視しても目立たない程度であろう。
タイル型キューブコーナー物品610の構造化表面は、図6に示されている。構造化表面は、A、B、及びCと標識された3つの対応するタイルに配置された、図5に示したような3つの別個のキューブコーナー配列を含む。検討の簡略化及び簡潔化のために、我々は、タイルA、B、及びCがそれぞれ図5のキューブコーナー配列513−1、513−2、及び513−3を含むと仮定する。これらの配列の特徴は、上記で検討されており、ここでは繰り返さず、また、図5と図6との間で同様の参照番号は同様の要素を表わす。上述したキューブコーナー配列の様々な改変がこのタイル型物品610及びその変形例に等しくあてはまると仮定する。配列中の様々な溝の向きは、面内y軸に対して同じであると仮定し、タイルのそれぞれの配列は、溝方向が面内方向に平行である1つの溝又は溝セットを有する。これにも関わらず、タイルは、照射角の1次平面(平面503A、503B、及び503Cを参照のこと)を有し、それらの平面は、タイル型物品が全体として配向角の全範囲にわたって、例えば30度(以上)、40度(以上)、又は50度(以上)の入射角などのとりわけ高入射角においてより均一な再帰反射性能を有することができるように方位角において異なる向きを有する。
タイルA、B、Cのそれぞれは、y軸に平行な、したがって、それぞれの配列中の溝セットのうちの1つに対する溝方向にも平行な対向したタイルの縁部を有する。これらのタイルの縁部は、タイルAのタイル幅WA、タイルBのタイル幅WB、タイルCのタイル幅WCを画定する。これらの幅は、所望に応じて調整することができるが、中程度から短い観察距離においてより空間的に均一な外観を提供するために、これらの幅は、例えば、0.2〜5mm、又は1mm未満、又は0.2〜1mmなど比較的狭いことが好ましい。幅WA、WB、WCは、必須ではないが、互いに等しくてもよい。幅WA、WB、WCはまた、タイルの幅を横切るキューブコーナーの整数数に等しくなるように選択されることが好ましい。別の言い方をすると、幅WA、WB、WCは、それぞれのタイルについての長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しくなるように選択されることが好ましい。すわなち、WAは、溝517−1のピッチの整数倍であり、WBは、溝519−2のピッチの整数倍であり、WCは、溝518−3のピッチの整数倍である。長さ方向の溝のピッチは、タイルごとに同じでもよく、又は異なっていてもよく、整数倍は、タイルごとに同じでもよく、又は異なっていてもよい。これらの場合のいずれにおいても、長さ方向の溝の溝頂点がそれぞれのタイルのそれぞれの縁部と確実に実質的に一致するようにすることによって、断片化されたキューブコーナーを低減又は排除することができる。断片化されたキューブコーナーは、長さ方向の溝が沿って延びるタイルの縁部を可能な限り長くする、又は少なくともタイルの他の縁部(図6の部分図には図示せず)よりも長くすることによって更に低減することができる。別の言い方をすると、タイルは、例えば、図6のy軸などの面内軸の方向に伸長した形状を有する。しかしながら、幾つかの場合では、タイルを伸長しないよう(例えば、正方形)に設計する、又は図6のx軸に沿ってなどy軸以外の面内方向に沿って伸長するように設計することについて妥当な理由があり得る。したがって、所与のタイルの「長さ方向の」溝又は溝セットは、少なくとも名目上は主軸、短軸、又はタイルの任意の縁部と整列した溝又は溝セットを指す。
キューブコーナー物品610は、図6に示すタイルA、B、Cのみを有してもよく、又は物品は、例えば、繰り返しパターンA、B、C、A、B、C、...、の、若しくはタイルA、B、Cと同じキューブ形状を有するキューブコーナー配列、及び/若しくはタイルA、B、Cと比べて異なるキューブ形状を有するキューブコーナー配列を含むパターンを含む、他の繰り返しパターン若しくは繰り返しではないパターンの追加のタイルを有してもよい。
物品610は、キューブコーナー工具でもよく、タイルA、B、Cは、タイル型工具をレイアップするプロセスにおいて横に並べて配置される原版又は複製工具の細片であってもよい。細片は、EDM又は別の好適な精密切削手法によって原版又は複製工具から切断されてもよい。幅が1mm以下の程度、例えば、およそ0.2〜1mmの範囲内である細片を提供するために、断片を処理し、それらを最小のねじれ、湾曲、又はそりでレイアップする目的のために、細片又はタイルを薄層の形態で採用することが特に有益であることを我々は発見した。この点について、薄層は、対向する主表面、及びこの対向する主表面に接続する作用表面を有する、金属又は他の好適な材料の薄板を指し、作用表面は、特定のタイルについてキューブコーナー配列を画定するように小面を刻まれ、又は構造化されている。典型的に、好適な材料には、銅、真鍮、又はそれらの合金、又は好ましくは最小のまくれで機械加工できる他の材料が含まれる。薄層は、構造的一体性を増大させ、幅よりも物理的高さがはるかに大きいおかげで、そり又はねじれに耐える。薄層は、個別に機械加工され、作用表面に溝を形成し、好適なキューブコーナー配列を画定してもよく、次いで、薄層の群は、一塊で一緒に保持又は固定され、タイル型構造化表面を画定してもよい。薄層はまた、例えば、薄層が一塊で一緒に保持される間に複数の作用表面にわたって溝を形成し、次いで、所望のタイル型構造化表面を画定する薄層の新しい群を形成するために、異なるかかる塊から薄層を選択することにより、群で機械加工されてもよい。
キューブコーナー物品610の側面図又は立面図を図6Aに示す。この図において、本明細書では複合溝と呼ぶ、構造化表面における溝をより容易に特定できる。なぜならば、それらの溝は、1つのタイルからのキューブコーナーの小面によって部分的に形成され、隣接するタイルからのキューブコーナーの小面によって部分的に形成されるからである。この側面図において、キューブコーナーの小面614a、614bは、タイルAにおいて特定される。タイルAの中央部分において、これらの小面のペアは、図5の溝517−1に対応する溝617を形成する。同様に、キューブコーナーの小面624a、624bは、タイルBにおいて特定される。タイルBの中央部分において、これらの小面のペアは、図5の溝519−2に対応する溝619を形成する。キューブコーナーの小面634a、634bは、タイルCにおいて特定される。タイルCの中央部分において、これらの小面のペアは、図5の溝518−3に対応する溝618を形成する。しかしながら、タイルA及びBの縁部が接する境界において、単一の複合溝617619が形成されることに注意されたい。複合溝617619は、境界近傍のタイルA上のキューブコーナー列の小面614aと、同じ境界近傍のタイルB上のキューブコーナー列の小面624bと、によって画定される。複合溝617619は、溝617及び619の溝方向に平行な溝方向に沿って延在する。同様に、タイルB及びCの縁部が接する境界において、単一の複合溝619618が形成される。複合溝619618は、境界近傍のタイルB上のキューブコーナー列の小面624aと、同じ境界近傍のタイルC上のキューブコーナー列の小面634bと、によって画定される。複合溝619618は、溝619及び618の溝方向に平行な溝方向に沿って延在し、したがって、y軸と同様に、溝617及び複合溝617619に対しても平行に延在する。複合溝617619及び619618はまた、図6の正面図又は平面図中でも見られるが、これらの溝は、その図では標識されていない。
様々な配列中で用いられるキューブ形状に応じて、所与の複合溝は、溝セットについての溝角度と同じ、又は異なる溝角度を有してもよく、この溝セットの溝は、複合溝をその間に形成する隣接する2つのタイル上の複合溝に平行である。例えば、図6a中のタイルA、B、及びCは、キューブ形状が(56、56、68)である図5からのキューブコーナー配列を包含すると仮定する場合、溝617についての溝角度は、名目上84.832であり、溝619についての溝角度は、名目上62.938であり、溝618についての溝角度は、名目上62.938であり、更に、複合溝617619についての溝角度は、名目上73.885であり、複合溝619618についての溝角度は、名目上62.938である。したがって、複合溝617619についての溝角度は、溝617及び619の溝角度とは異なるが、複合溝619618は、溝619及び618の溝角度と同一である。
図6のキューブコーナー物品610に、又は本明細書中に開示される他のタイル型キューブコーナー物品に対応することができる薄層の群は、図7A及び図7Bにおいて模式的に示されている。3つの個々の薄層701、702、703は、キューブコーナー物品710を形成するために、固定、ないしは別の方法で保持され、又は一緒にグループ化されている。図7Aは、物品710の正面図又は平面図であり、図7Bは、物品710の側面図又は立面図である。これらの図中には、デカルトのx−y−z座標系が参考のために設けられているが、少なくとも、構造化表面は、x−y平面中に存在するか、又はこれと平行に延在する範囲で、この座標系は、図5及び図6とも一貫している。溝及びキューブコーナー(図の簡略化のため図7A及び7Bでは図示せず)は、物品710の全体的な構造化表面711を画定するために、薄層の作用表面中に設けられており、構造化表面711は、薄層701の作用表面における構造化表面711A、薄層702の作用表面における構造化表面711B、薄層703の作用表面における構造化表面711Cへと分割されている。構造化表面711A、711B、711Cはそれぞれ、単一のキューブコーナー配列を含有し、構造化表面の別個のタイルを画定する。タイルはそれぞれ、y軸に沿って伸長し、それぞれの幅WA、WB、WCのうち任意の1つよりも長い長さLを有する。それぞれのタイルはまた、(面内)y軸に平行な、対向する伸長するタイルの縁部を有する。例示的な実施形態では、構造化表面711Aは、キューブコーナー配列513−1を含有し、構造化表面711Bは、キューブコーナー配列513−2を含有し、構造化表面711Cは、キューブコーナー配列513−3を含有するが、本明細書の他の箇所で検討されるように、変更及び改変を加えることもできる。したがって、図5及び図6からの溝方向517A、517B、517Bは、それぞれの薄層701、702、703の作用表面上に重ね合わせられ、それぞれの薄層の作用表面は、溝方向がそれぞれのタイルの対向する縁部に平行である溝セットを含有する。
図7Bの側面図又は立面図において、薄層701、702、703の端面を見ることができ、薄層の高さHが示されている。上述したように、例えば、典型的なニッケル工具の細片の切り出しに対して、薄層に向上した構造的一体性をもたらすために、所与の薄層の高さは、薄層の幅よりもはるかに大きい。断面アスペクト比、例えば、薄層701についてH/WA、薄層702についてH/WB、薄層703についてH/WCは、所望に応じて調整できるが、少なくとも5、又は少なくとも10、又は少なくとも20であることが好ましい。幅WA、WB、WCもまた、所望に応じて調整されてもよく、典型的には、それらは全て、0.2〜5mm、又は0.2〜1mmの範囲内にあってもよい。1つの特定の実施形態では、それらは全て0.635mm(0.025インチ)に等しくてもよく、他の寸法もまた用いられてもよい。
薄層又はタイルの平面視のアスペクト比もまた所望に応じて調整することができる。このアスペクト比は、薄層701についてL/WA、薄層702についてL/WB、薄層703についてL/WCである。長さの寸法Lは、物品中のタイルの大部分又は全てについて、長さ方向の溝方向に平行であると仮定する。このアスペクト比は、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、又は少なくとも150であり得るが、0〜1の値を含む、他の値もまた用いることができる。この点について、上述したように、「長さ方向の」溝又は溝セットは、主軸、短軸、又は関連したタイル若しくは薄層の任意の縁部に少なくとも名目上整列した溝又は溝セットを指す。
図8において、タイル型キューブコーナー物品810の一部分が模式的に示されている。物品810の2つのタイルのみが示されており、タイルは、図7Aのそれぞれの個々の薄層に対応することができる。このように、薄層801及び802は、それぞれの作用表面811A、811Bを有し、作用表面において、それぞれのキューブコーナー配列が本明細書の教示に従って形成されており、図の乱雑さを低減するために、薄層ごとにこれらの配列から1つの溝セットのみが図中に示されている。薄層は、図示するように、それぞれの伸長された対向する縁部801a、801b、及び802a、802bを有し、それらはまた、伸長したタイルの縁部とみなすことができる。これらの縁部は、薄層の作用表面と主要(側)表面との交差箇所にある。
図8は、製造公差内での意図しない変動性、及び/又は2次的な設計上の特徴を提供する目的のための意図的な変動性のいずれにせよ、薄層又はタイルのうち1つ以上の中に、正確な平行からの軽微なずれが存在し得、かかる軽微なずれは、本明細書で検討される設計上の特徴を無効にしないことを説明している。したがって、それぞれの薄層801、802の構造化表面は、溝方向が薄層又はタイルの縁部に平行である、1つの長さ方向の溝、又は長さ方向の溝セットを有するといえる。薄層801において、かかる溝セットは、溝817のセットであり、薄層802において、かかる溝セットは、溝819のセットである。溝ピッチp2を有する溝819は、縁部802a、802bに正確に平行になるように描かれている。対照的に、溝ピッチp1を有する溝817は、正確な平行から軽微なずれを含むように描かれている。溝817は、(図示された場合において)薄層又はタイルの全長Lにわたって、溝ピッチ(p1)に等しい量だけずれている。かかるずれにより、理想的ではないが、いくらかの機能性を保持して縁部に隣接する(それらは断片化されているものの)多くのキューブコーナーが依然としてもたらされる。描画された実施形態において、薄層801の上端及び下端近傍に位置するかかるキューブコーナーに対してより多くの機能性が維持されている。長さLが100mmで、0.2又は0.1mmの溝ピッチp1を有する典型的な薄層の場合、これは、縁部801a、801bのいずれかと、それぞれ約0.11度又は0.057度、すなわち約0.1度以下の溝方向との間の角度のずれに対応する。
正確に平行な場合でさえ、同様の軽微な平行移動のずれは、薄層又はタイルの縁部に対して溝頂点を配置する際に起こり得る。例えば、薄層802において、溝819の最も左側の溝頂点が、縁部802aと正確に一致するように描かれており、最も右側の溝頂点が、縁部802bと正確に一致するように描かれている。かかる一致からの軽微なずれ、例えば、長さ方向の溝のピッチの30%又は20%又は10%未満の典型的なずれは、本明細書で検討される設計特性を無効にすることなく起こり得る。かかる軽微なずれによりまた、割合WB/p1が正確な整数から、例えば、0.2未満又は0.1未満だけごくわずかにずれ得る。溝頂点を薄層又はタイルの縁部と不正確に位置合わせする場合、縁部は、非常に狭く平坦な、若しくははす縁部によって、又は断片化されたキューブコーナーの非常に狭い細片によって特徴付けられ得る。
我々は、物品の見かけの空間均一性における、タイルの幅W、すなわち、最小の横寸法、及び観察距離Dの効果を説明するために図9を挙げる。人間Pは、距離Dから、再帰反射シート材などのキューブコーナー物品910を観察又は評価する。物品910は、x−y平面内にあるか、又はこれと平行に延在する構造化表面911を有する。構造化表面は、タイル912を含む複数のタイルに配置された別個のキューブコーナー配列を含む。タイルは、y軸などの面内軸に平行に延在してもよく、特徴的な幅Wを有してもよい。人間Pが個々のタイルを観察又は注目する程度は、物品の見かけの空間均一性に直接的な影響を有する。上述したように、隣接するタイル間に同一の又は類似の向きの溝を設けることにより、かつ/又はタイルの特徴的な最小横寸法(幅W)を縮小することにより、空間均一性が向上する。タイルの幅Wを縮小することで、所与の観察距離Dにおける個々のタイルによって範囲が定められる角度が縮小し、これにより見かけの空間均一性を増大させる傾向がある。およそ3〜6メートル(10〜20フィート)よりも近い観察距離Dにおける良好な空間均一性を提供するために、1mm未満、又は0.2〜1mmの範囲内のタイル幅Wを設けることが望ましい。上述のように薄層上にキューブコーナー配列を形成することにより、多くの実施形態においてかかる小さい幅を得ることができる。
とりわけ、非常に広く、非常に長くてもよい、再帰反射キューブコーナーシート材に関して、タイル張りの複数の段階を使用して、タイル型キューブコーナー物品を製作することができる。かかるキューブコーナー物品の一例を、図10における物品1010として示す。物品1010は、本明細書で検討されるように、複数のタイル1012に配置された別個のキューブコーナー配列を含む構造化表面1011を有する。タイルはそれぞれ、ここではy方向として示される面内方向に沿って伸長している。y方向は、物品1010の製作のダウンウェブ方向に対応してもよく、タイルの大部分又は全ては、溝方向がy方向に平行である1つの長さ方向の溝又は溝セットを有してもよい。
タイル1012は、複数の薄層、又は他の好適な細片、又は工具の断片においてキューブコーナー配列を形成し、次いで、これらの断片のうち異なるものを群又は束に配置し、最初のタイル型表面を形成することにより製造され得る。かかる群は、構造化表面1011の矩形区域1011Bにおいて示される。例えば、重合体フィルム製造ライン上で製造される再帰反射シート材など、構造化表面がかかる区域よりも大きいことが意図されている物品を製造するために、区域の複数の複製が製造され、互いに並んでレイアップされ得る。かかるプロセスの結果により、隣接する区域1011Aから1011Fを伴う物品1010がもたらされ、かかる区域のそれぞれは、区域1011Bに示されるように個々のタイル1012の同じ配置を有し得る。区域間の境界において、境界の対向する側上に同じ種類のキューブコーナー配列が存在する場合でさえ、キューブコーナー配列は、小さな間隙又は不連続性によって典型的には分断される。
図11A及び図11Bにおいて、単一のキューブコーナー配列の再帰反射性能は、配向角の関数として、例示的なタイル型キューブコーナー物品の再帰反射性能と比較されている。図11Aは、単一のキューブコーナー配列のモデル化又は算出された全光反射(TLR)をプロットしている。配列は、57度、57度、及び66度の角度において互いに交差する3つの溝セットから形成されると仮定する。したがって、配列中のキューブコーナーは、(57、57、66)のキューブ形状を有する。これらのキューブは、前方に傾斜し、傾斜平面内に照射角の1次平面を有する。この配列についてのTLRは、物品が屈折率1.5の透明材料から製造されていると仮定して、配向角及び入射角の関数として算出し、その結果を図11Aにプロットした。グラフにおいて、様々な曲線が度単位で入射角と等しい数字で標識されている。したがって、図11a中の曲線0は、照射角0度についてのものであり、同図の曲線10は、照射角10度についてのものであるなどである。グラフを詳しく調べると、単一の配列が0度及び10度の入射角についての配向角の関数として、かなり均一な再帰反射性を提供することを明らかにしている。より大きい入射角、とりわけ20度以上の入射角については、不均一性がだんだんと明らかになっている。
図11Aのキューブコーナー配列といくつかの点で類似のタイル型キューブコーナー物品の再帰反射性能が図11Bに示されている。タイル型物品は、上述の図5及び図6に示したように、3つの対応するタイルに配置された3つの別個のキューブコーナー配列を用いた。したがって、3つのタイルにおけるキューブコーナー配列は、異なる向きの配列であり、それぞれは、溝方向が面内軸に平行である長さ方向の溝セットを含有したが、全てのキューブコーナー配列は、図11Aの単一のキューブコーナー配列と同じキューブ形状(57、57、66)のキューブコーナーを用いた。タイル型物品についてのTLRを、再度、屈折率1.5の透明材料を仮定して、配向角及び入射角の関数として算出し、結果を図11Bにプロットした。図11Aと正に同じように、図11Bにおける様々な曲線は、度単位で入射角と等しい数値で再度標識されている。これら2つの図のグラフを比較することにより、20度及び30度の両方の入射角において、大いに改善された配向均一性が確認でき、更に大きい入射角においてもいくらか改善された配向均一性が確認できる。別のタイル型キューブコーナー物品が検討された。
この物品は、等しい幅の伸長したタイルに配置された正確に3つのキューブコーナー配列を含有すると仮定した限りにおいて、図11Bの物品と類似しており、それぞれの配列について、3つの溝セットのうちの1つは、その溝方向が伸長の面内軸に平行になるように向けられた。しかしながら、それぞれの配列の3つの溝セットは、異なる角度で交差するように製造され、3つの配列は、図11Bのキューブ形状とは異なるキューブ形状、すなわち、(50、62.1、67.9)のキューブ形状の傾斜したキューブコーナーを含有した。3つの配列のそれぞれは、この形状の傾斜したキューブを含有したが、配列中のキューブコーナーは、3つのキューブコーナー配列の異なる方位角の向きにより異なる向きを有した。(50、62.1、67.9)のキューブ形状は、二等辺よりはむしろ不等辺である基部三角形に関連している。改変されたタイル型キューブコーナー物品についてのTLRを、再度、屈折率1.5の透明材料を仮定して、配向角及び入射角の関数として算出した。結果を、図12にプロットする。図11A及び図11Bと正に同じように、図12における様々な曲線は、度単位で入射角と等しい数値で標識されている。この実施形態においては、少なくとも40度の入射角における限りは、図11Bのタイル型物品に対して、配向均一性が更に改善されており、図12のTLRは、配向角の0度から90度の全範囲にわたってより均一である。
図11A、11B、及び12についての結果は、屈折率1.5の透明材料から製造され、上記で説明したような構造化表面を有する、キューブコーナー物品を想定している。屈折率を増加させることにより、一般的に、改善された照射角の区域の幅を広げることができる。例えば、屈折率の増加に伴って、図1A中の改善された照射角の水平区域は、より広くなる(すなわち、垂直方向においてその幅が増加することとなる)。そのため、3つの異なる向きにタイル張りすることにより、屈折率が増すにつれて、向きに関してより均一になる傾向となる。概ね、本明細書で検討される設計上の特徴は、任意の好適な屈折率のキューブコーナー物品に適用することができる。更に、それらの設計上の特徴は、配列中に依存した反射のメカニズム、すわなち、キューブコーナーの小面が反射性の金属(例えば、アルミニウム、銀、ニッケル、若しくはそれらの合金)、若しくは他の好適な材料で覆われているかどうか、又はキューブコーナーの小面が覆われておらず(例えば、空気若しくは真空に露出しており)内部全反射(TIR)現象を用いて光を反射するかどうか、といったことに関わらず、キューブコーナー物品に適用することができる。
これまでの記述では、様々なキューブコーナー要素のキューブ形状、並びにその適合ペア及び配列が言及及び検討されてきた。図13に関連して、明確さのために、我々は、キューブコーナー、並びにその形状及び向きのより系統的な検討を提供する。したがって、我々は、デカルトx−y−z座標系のx−y平面内にある、又はx−y平面に平行に延在する、仮想の構造化表面1311を有する仮想のキューブコーナー物品1310の平面図を図中に提示する。比較及び検討の目的のために、表面1311は、異なる個々のキューブコーナー1320、1330、1340、1350、1360、及び1370を含有して示される。実際には、これらのキューブコーナーのうちの任意の所与の1つは、平行な溝のうち3つの交差するセットから形成される単一のキューブコーナー配列という文脈において所与のタイルの構造化表面上に典型的に存在し、配列は、図13における対象の所与の個々のキューブコーナーと適合ペアを形成するキューブコーナーを含む、他の同一の又は類似のキューブコーナーを含有する。
図中のそれぞれのキューブコーナーは、(キューブコーナー配列において溝頂点に一致し得る)3つの二面角ではない縁部によって境を限られ、二面角ではない縁部は、基部三角形を形成する。(場合によっては、所与の配列中のキューブコーナーは、認識可能な基部三角形を形成する二面角ではなない3つの縁部を有さなくてもよい。かかる場合、キューブコーナーの小面を平面であるとみなし、次いで、これらの平面と、例えばx−y平面などの構造化表面の平面に平行な基準面との交点によって形成される三角形を検討することによって、基部三角形が依然としてかかるキューブコーナーに関連づけられる。)我々は、キューブコーナーのキューブ形状を、関連する基部三角形の3つの内角によって特徴付け、内角は、基部角度と呼ばれ得る。しかしながら、以下に示すように、それらの3つの基部角度を表現する順番は、重要であり得る。したがって、我々は、基部三角形の内角を特定の順番で列記するという本明細書の目的のために慣例を採用する。すわなち、まず最小の角度を列記し、次いで、残りの角度をかかる最小角度に対して時計周りに(例えば、図13の、図の平面にキューブ頂点が投影されている斜視図など、所与の一貫した平面斜視から基部三角形を見て)列挙する。我々は、結果として得られる角度のセット又は群を、基部角度の順序付きセット、又はより簡単に順序付きセット、若しくは順序付き角度と呼ぶ。基部三角形が2つの角度が3番目よりも小さい二等辺である場合、順序付きセットにおいて、最初の2つの(最小の)基部角度を列記する。この慣例を用いると、図13に示されるキューブコーナーに関連した基部三角形の順序付き角度、すなわち、かかるキューブコーナーのキューブ形状は、以下の通りである。
キューブコーナー1320:(50.8、58.73、70.47)、
キューブコーナー1330:(50.8、58.73、70.47)、
キューブコーナー1340:(50.8、58.73、70.47)、
キューブコーナー1350:(50.8、70.47、58.73)、
キューブコーナー1360:(54.616、54.616、70.768)、及び
キューブコーナー1370:(46.2、66.9、66.9)。
これらのキューブコーナーのそれぞれは、傾斜し、すわなち、その光学軸は、構造化表面の平面に直交していない。したがって、光学軸は、z軸に対して傾いており、z軸に平行ではない。傾斜形状は、キューブコーナーに対する(かつそれが一部であってもよい配列に対する)傾斜平面を画定し、傾斜平面は、キューブコーナーの光学軸、及び構造化表面の法線方向、すなわちz軸を含有する。図13におけるキューブコーナーごとの傾斜平面は、太い黒色矢印を参照して特定され、矢印は、所与のキューブコーナーの光学軸の、x−y平面上への投影を表す。したがって、例えば、キューブコーナー1320は、その光学軸の投影を表す太い黒色矢印を有するように示され、x−y平面に垂直で太い黒色矢印を含有する平面は、かかるキューブコーナー1320の傾斜平面を表す。傾斜平面は、基部三角形の任意の側に垂直ではないので、キューブコーナー1320、1330、1340、及び1350は、片側に傾いて傾斜しているといえる。キューブコーナー1360は、前方に傾斜しているといえる。キューブコーナー1370は、後方に傾斜しているといえる。
傾斜形状はまた、上述したように、それぞれのキューブコーナーに(かつそれが一部であってもよい配列に)照射角の1次平面を提供する。図13に示されるキューブコーナーのそれぞれについて、照射角の(複数の)1次平面が算出され、かかる(複数の)平面の方向は、図13において、対応するキューブコーナー上に重なり合った1本の点線又は複数の点線によって示されている。したがって、例えば、キューブコーナー1320、1330、1340、及び1350はそれぞれ、1つのみの照射角の1次平面を有し、これらの場合のそれぞれにおいて、この平面は、キューブコーナーの傾斜平面と平行ではない。キューブコーナー1360は、1つのみの照射角の1次平面を有し、それは、傾斜平面に平行である。キューブコーナー1370は、2つの照射角の1次平面を有し、それらのいずれも傾斜平面に平行ではない。
キューブコーナー1320、1330、及び1340の順序付けられた基部角度のセットは、互いに等しいので、キューブコーナー1320、1330、及び1340は全て、同じキューブ形状を有する。これらのキューブコーナーのうち、キューブコーナー1320及び1330はまた、それらが異なるキューブ寸法及び異なるキューブ高さを有するという事実にも関わらず、同じキューブの向きを有する。キューブコーナー1320及び1340は、同じキューブ寸法及び高さを有するが、それぞれの傾斜平面は互いに平行ではないので、異なる向きを有する。
キューブコーナー1320及び1360は、順序付け基部角度の異なるセットを伴う、異なるキューブ形状を有するが、それぞれの傾斜平面が互いに平行である場合、それらは同じ向きを有し得る。
キューブコーナー1320及び1350は、同じキューブ寸法及び高さを有するが、異なるキューブ形状を有する。これらのキューブコーナーのそれぞれが、50.8度の1つの基部角度、58.73度の別の基部角度、及び70.47度の別の基部角度を有しても、すわなち、1つのキューブコーナー要素の基部三角形における全ての基部角度が、他のキューブコーナー要素の基部三角形においても見られても、それらはやはり、異なるキューブ形状を有する。図を詳しく調べることによって、並びに一致しない順序付け基部角度のそれぞれのセットを比較することによって、異なるキューブ形状が見られる。なお、キューブコーナー1320を、その傾斜平面がキューブコーナー1350についての傾斜平面に平行になるように、方位角上に(z軸を中心に)回転する場合、これらのキューブコーナーについての、それぞれの照射角の1次平面は、互いに平行ではなくなるであろうことに留意されたい。したがって、キューブコーナー1320のキューブ形状(50.8、58.73、70.47)は、キューブコーナー1350のキューブ形状(50.8、70.47、58.73)とは異なる。
キューブコーナー1320とキューブコーナー1350との間の特有の関係は、1つのキューブコーナー(又は、かかるキューブコーナーの配列)についての、基部角度の順序付きセットが、他のキューブコーナー(又は、かかる他のキューブコーナーの配列)についての、基部角度の順序付きセットの並べ替えであることに注目することによって、表現することができる。例えば、順序付きセット(50.8、70.47、58.73)は、順序付きセット(50.8、58.73、70.47)の並べ替えである。なぜなら、上記の「順序付きセット」という用語の記述に準拠する限りは、これらの順序付きセットが、同じ角度を、異なる順序で包含しているからである。この関係を有するキューブコーナーの配列は、少なくとも、平行な溝の3つの交差するセットによってそれらのキューブコーナーが形成される場合、同じ溝角度を有し、切削工具の単一のセットで形成することができる。別の言い方をすると、3つのダイヤモンド切削工具を用いて、キューブコーナー1320のようなキューブの配列を形成するために必要な、平行な溝の3つのセットを形成してもよく、キューブコーナー1350は、キューブコーナー1320とは異なるキューブ形状を有しても、(異なる順序で用いられる場合、)これらの同じ3つのダイヤモンド切削工具を用いて、キューブコーナー1350のようなキューブの配列を形成するのに必要な平行な溝の3つのセットを形成することができる。この関係を利用して、我々は、キューブコーナー物品の別々のタイルにおける6つもの別個のキューブコーナー配列を提供することができ、それぞれの配列は、異なる向きを有し、それぞれの配列は、溝方向が所与の面内軸と平行な長さ方向の溝を有し、これらの配列の全ては、3つの溝切削工具の単一のセットで製造することができる。かかる実施形態は、図14に示されている。
図14において、キューブコーナー物品1410が、概略上面図又は概略平面図で示されている。物品1410は、再帰反射シート材、又はその製造に関連した工具であってもよい。物品1410は、A、B、C、D、E、Fと標識された6つの隣接するタイルの積み重ねに配置された、6つの別個のキューブコーナー配列を伴う構造化表面1411を有する。タイルは面内y軸に平行に伸長し、それぞれのタイルはy軸にまた平行である対向する伸長した縁部を有する。代替の実施形態では、タイルは、y軸に沿って伸長する必要はなく、かつ/又はy軸に平行な縁部を有する必要はない。それぞれのタイルは、平行な溝の3つの交差するセットによって形成された傾斜したキューブコーナー要素のうち1つの配列を有する。タイルごとに、その3つの溝セットのうちの1つは、溝方向がy軸に平行である長さ方向の溝のセットである。それぞれのタイルはまた、タイルの伸長した縁部において、断片化されたキューブコーナーが実質的に無いように、長さ方向の溝の長さ方向の溝ピッチの整数倍に等しいタイル幅(x方向に測定)を有する。タイル幅は、一様ではない。タイルA及びDは、互いに等しいが、タイルB、C、E、及びFのタイル幅よりも広いタイル幅を有し、タイルB、C、E、及びFのタイル幅もまた互いに等しい。
図における参照の目的のために、キューブコーナーの1つの拡大された適合ペアは、それぞれのタイルの右手側に示される。いかなる場合も、拡大された適合ペアは、関連するキューブコーナー配列におけるキューブコーナー要素の適合ペアを表している。図13と類似の様式で、キューブコーナーの光学軸のx−y平面内の投影を示すために、それぞれの拡大された適合ペアにおいて太い黒色矢印が含まれている。したがって、これらの太い黒色矢印は、配列ごとの傾斜平面の方向の指示を提供する。図12を踏まえて、適合ペア及びその関連した配列について、照射角の1次平面の方向を示すために、図14のそれぞれの拡大された適合ペア上に点線が重ね合わせられている。
タイルA、B、及びCのキューブコーナーは全て、(49、61、70)のキューブ形状を有する。タイルD、E、及びFのキューブコーナーは全て、(49、70、61)のキューブ形状を有する。したがって、タイルA、B、又はCのうち任意の1つのキューブコーナーについての基部角度の順序付きセットは、タイルD、E、及びFのうち任意の1つのキューブコーナーについての基部角度の順序付きセットの並べ替えであり、逆も同様である。更に、3つのダイヤモンド切削工具の1つのセットを用いて、タイルA、B、C、D、E、及びFの全てについてのキューブの配列を形成するために必要な平行な溝の3つのセットを形成することができる。
複合溝は、図14においては標識されていないが、図中に容易に見られる。1つの複合溝は、タイルA及びBの境界において現れ、別の複合溝は、タイルB及びCの境界において現れ、別の複合溝は、タイルC及びDの境界において現れ、別の複合溝は、タイルD及びEの境界において現れ、別の複合溝は、タイルE及びFの境界において現れる。それぞれの場合において、これらの複合溝は、y軸に平行であり、所与の複合溝に隣接するそれぞれのタイルにおける溝セットの溝方向に平行である。更に、それぞれの場合において、複合溝は、所与の複合溝の境を限る2つのタイルのそれぞれにおける長さ方向の溝の溝角度とは異なる溝角度を有する。
キューブコーナー物品1410には、多くの改変を行うことが可能である。タイルの幅及び形状を変更することができる。タイルは、異なる順序で再配置されてもよい。物品1410に存在するタイルのうち1つ以上を除去してもよく、1つ以上の傾斜していないキューブコーナー配列と同様に1つ以上の傾斜したキューブコーナー配列を含む、異なるキューブコーナー配列を有する1つ以上のタイルが、挿入され、ないしは別の方法で追加されてもよい。かかる改変において、少なくとも2つのタイルは、キューブ形状は同一だが、向きが異なるキューブコーナー配列を有してもよく、少なくとも2つのタイルは、基部角度のセットが並べ替えによって関連づいているキューブを有してもよい。平行な溝のセットについての異なる交差角度、及びキューブコーナーについての対応する異なる基部角度が用いられてもよい。所与の溝セットにおける溝の溝深さは、全て同じでもよく、又は全て互いに異なっていてもよく、又は幾つかは同じでありいくつかは異なっていてもよい。あるいは又は加えて、第1の溝セットにおいて用いられる(複数の)溝深さは、第1の溝セットと交差する第2の溝セットにおいて用いられる(複数の)溝深さと同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
図15では、図14のタイルA、B、C、D、E、Fのそれぞれからの1つのキューブコーナーが、キューブ形状及び面内y軸に対する向きを維持しながら再現及び拡大されている。簡略化のために、図14のタイルAからのキューブコーナーは、図15においてAと標識され、図14のタイルBからのキューブコーナーは、図15においてBと標識されるなどである。この図において、光学軸のx−y平面内の投影を表す太い黒色矢印、並びに照射角の1次平面を表す点線を、図14においてよりもより容易に見ることができる。
図16において、図14のタイルA、B、C、D、E、Fの全てについての、したがってまた、図15のキューブコーナーA、B、C、D、E、Fの全てについての、傾斜平面及び照射角の1次平面が、x軸及びy軸に関して互いに重ね合わされて図示されており、これらの軸は、図14及び図15においてと同じ意味を有する。キューブコーナー配列(及び対応するタイル)ごとに、図16における実線は、傾斜平面及びx軸及びy軸に関するその向きを表し、図16における点線は、照射角の1次平面及び同じx軸及びy軸に関するその向きを表す。これらの実線及び点線は、簡略化のために、図14及び図15で用いられる同じ標識に対応し、A、B、C、D、E、Fの文字で標識されている。例えば、図14のタイルA及び図15のキューブAは、図16において実線Aによって表わされる傾斜平面と、図16において点線Aで表わされる照射角の1次平面と、を有する。したがって、図16における様々な傾斜平面及び照射角の1次平面は、タイル型キューブコーナー物品1410及びその構成部品(タイル)を表す。図16の実線及び点線の長さは、任意であるが、実線は、均一な長さの点線よりも長い、均一な長さを有するように描かれ、そのため読者は、より簡単に両者の区別がつけられる。図16を詳しく調べることで、物品1410は、物品の構成要素である照射角の1次平面が物品の構成要素である傾斜平面よりも、方位角においてより均等に分布するように構成されていることが明らかになる。
物品1410のうち2つを単純に結合することにより製造された物品については、二重の傾斜平面及び二重の照射角の1次平面が図16のような表現で表されるであろう。かかる平面を重複して数えることを避けるために、我々は、より一般的に、複数のタイルについての照射角の1次平面の特有のものが、傾斜平面の特有のものよりも方位角中においてより均等に分布しているように、タイル型キューブコーナー物品は構成されると規定する。「方位角においてより均等に分布している」という概念を定量化するために、我々は、照射角の1次平面の特有のもの同士の間の最小の角度分離として角度PhiMin1を定義することができ、かつ、傾斜平面の特有のもの同士の間の最小の角度分離としてPhiMin2を定義することができる。図16において、PhiMin1は、18.00度であり、PhiMin2は、2.23度である。我々はまた、照射角の1次平面の特有のもの同士の間の最大の角度分離として角度PhiMax1を定義してもよく、傾斜平面の特有のものの最大の角度分離としてPhiMax2を定義してもよい。図16において、PhiMax1は、52.00度であり、PhiMax2は、58.77度である。我々は、照射角の1次平面の特有のもの同士の間の平均角度分離として角度PhiAvg1を更に定義してもよく、傾斜平面の特有のもの同士の間の平均角度分離としてPhiAvg2を定義してもよい。図16において、PhiAvg1とPhiAvg2とは、同じであり、それぞれは、30.00度に等しい。我々は、PhiAvg/(PhiMax−PhiMin)に等しい角度分布メトリック(「PhiADM」)を定義することができる。図16において、照射角の1次平面についての角度分布メトリックは、PhiADM1=0.882であり、傾斜平面についての角度分布メトリックは、PhiADM2=0.531である。したがって、「方位角においてより均等に分布している」という概念を定量化するために、我々は、以下の関係の任意の1つ、又は幾つか(任意の2つ以上の任意の組み合わせ)、又は全てを指定することができる。
・PhiMin1>PhiMin2
・PhiMin1≧2PhiMin2
・PhiMax1<PhiMax2
・PhiADM1>PhiADM2
図14に示したものに基づいて、幾つかのキューブコーナー物品をモデル化した。第1の場合、モデルは、上述した同じキューブ形状、すわなち、タイルA、B、及びCについては(49、61、70)を、タイルD、E、及びFについては(49、70、61)を、想定した。モデルは、先の米国特許第4,775,219号のAppeldornの特許に関して、上述したように、投射光の方向からわずかに光を分散させるために、キューブコーナーが2次的な設計上の特徴を有すると更に仮定した。2次的な設計上の特徴は、正確に90度のキューブコーナーの小面同士の間の二面角を生成するであろう溝角度とは、溝角度がごくわずかに異なり、この溝角度の差は、正確な直交性を生成する名目上の向きに対して、弧の2分(0.033度)だけずれたキューブコーナーの小面に等しいと仮定した。モデルは、6つのキューブコーナー配列のそれぞれについて個別に、キューブコーナー物品は屈折率1.586の透明なポリカーボネートからなると仮定して、かつキューブコーナーは空気に露出されており内部全反射によって光を反射すると仮定して、初めに全光反射(TLR)を算出した。TLRは、一連の異なる入射角に対する配向角の関数として算出された。次いで、モデルは、配向角と入射角との組み合わせ毎に、6つの配列に対するTLRの加重平均を算出した。タイルB、C、E、及びFの配列については、15%の重み値が用いられ、タイルA及びDの配列については、20%の重み値が用いられた。これらの重み値は、タイル型物品1410におけるそれぞれのタイルの、相対的な幅、及び相対的な表面積に比例している。
結果として得られる、算出されたタイル型再帰反射物品の再帰反射性能は、図17の等強度プロットにおいて示されている。図において、算出されたTLRの大きさは、半径方向にあり、配向角は、方位角方向にある。0度〜70度までの10度きざみで、入射角についての曲線がプロットされており、曲線1700は、0度の入射角を表し、曲線1710は、10度の入射角を表し、曲線1720は、20度の照射角を表すなどである。次いで、第2のタイル型キューブコーナー物品がモデル化された。物品は、屈折率が、1.586ではなく1.50であると仮定したことを除いて、図17の物品と同じであると仮定した。この改変に伴って、タイル型物品のTLRを、図17に関連して上記で記載したのと同じ方法で算出した。結果として得られる算出された再帰反射性能が、図17と同じフォーマットを有する図18の等強度プロットにおいて示されている。0度〜60度までの10度きざみで、入射角についての曲線がプロットされており、曲線1800は、0度の入射角を表し、曲線1810は、10度の入射角を表し、曲線1820は、20度の照射角を表すなどである。これらの曲線と図17の対応する曲線との間には、いくらかの差異を見ることができる。かかる差異は、キューブコーナー物品の屈折率における変化の影響を例証するものである。
比較の目的のために、我々はまた、上記の図3に示され、先の米国特許出願公開第2011/0013281号(Mimuraら)の刊行物で検討されているキューブコーナー物品について調査した。図19は、先の米国特許出願公開第2011/0013281号(Mimuraら)の刊行物における図の再現であり、この刊行物は、キューブコーナー314−1及び315−1が順序付けられた基部角度(54.918、66.659、58.423)を有し、キューブコーナー314−2及び315−2が順序付けられた基部角度(54.918、58.423、66.659)を有する実施形態に関連しており、この実施形態を、以後はMimuraの実施形態と呼ぶ。図19のグラフは、光学シミュレーションを用いて算出され、この実施形態の再帰反射性能であるといえる。グラフは、配向角を15度ずつ増やしてプロットしたデータポイントを有する、5度の入射角(曲線1905)、15度(曲線1915)、30度(曲線1930)における性能を示している。
我々は、30度よりも大きい入射角におけるMimuraの実施形態の再帰反射性能を判定するために、Mimuraの結果を再現することを試みた。この取組みにおける1つの障害は、先の米国特許出願公開第2011/0013281号(Mimuraら)の刊行物における、その実施形態について仮定されている屈折率に関する情報の欠如である。我々自身の光学モデル化ソフトウェアを用いて、我々は、ソフトウェアにMimuraの実施形態についてのキューブコーナー形状の情報を入力し、多数の異なる屈折率に対する5度、15度、30度の入射角における実施形態のTLRの等強度プロットを生成した。次いで、我々は、図19の曲線と、とりわけ30度の入射角における曲線1930と、最もよく合致する曲線を生成する屈折率を特定した。この処置は、屈折率が1.586か、又は1.586に略等しいことを示した。図20は、1.586の屈折率を仮定して、Mimuraの実施形態対して我々の光学モデル化ソフトウェアによって算出されたTLRを用いた等強度プロットを示す。グラフは、図19と正に同様に配向角を15度ずつ増やしてプロットされたデータポイントを伴って、5度の入射角(曲線2005)、15度(曲線2015)、30度(曲線2030)、40度(曲線2040)、及び50度(曲線2050)における性能を示す。曲線2030は、図19における曲線1930によく近似することが判る。図20、とりわけ、その曲線2040及び2050を詳しく調べると、増加した入射角におけるMimuraの実施形態について、配向角の関数としての均一性は急速に低下することが明らかになる。
上述した均一性指数UIを、Mimuraの実施形態について、屈折率1.586を仮定して算出し、同じ屈折率を有する図17の実施形態(図14、15、及び16も参照のこと)について算出した。結果を図21に示す。この図において、曲線2101は、Mimuraの実施形態についてのUIであり、曲線2102は、図17の実施形態についてのものである。
再帰反射キューブコーナー物品を形成するための例示的な材料として、例えば、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、脂肪族ポリウレタン、並びにエチレンコポリマー及びそのイオノマー、並びにその混合物などの熱可塑性ポリマーが挙げられるが、これに限定はされない。キューブコーナーシート材は、米国特許第5,691,846号(Benson、Jr.ら)に記載されているものなどフィルム上に直接鋳造することによって調製されてもよい。放射線硬化キューブコーナーのためのポリマーとして、多官能アクリレート又はエポキシ、単官能及び多官能のモノマーと配合されたアクリレート化ウレタン、及び本明細書に参照により援用される米国特許第7,8621,87号(Thakkarら)に記載されているような、窒素含有ポリマーなどの架橋アクリレートが挙げられる。更に、前述されたようなキューブコーナーは、より可撓性がある鋳造物キューブコーナーシート材を得るために、軟質ポリ塩化ビニルのフィルム上に鋳造されてもよい。これらのポリマーは、熱安定性、環境安定性、透明性、工具又は型からの優れた剥離性、及びキューブコーナーの小面への反射性コーティングの適用能力を含む、1つ以上の理由のために望ましい。
鏡面反射コーティング又は反射層は、再帰反射を促すために、キューブコーナー要素の小面上に(例えば、キューブコーナーフィルムの裏側に)配置されてもよい。好適な反射コーティングとして、アルミニウム、銀、ニッケル、又はこれらの合金などの、金属コーティングが挙げられ、コーティングは、蒸着又は化学蒸着などの既知の手法によって塗布されてもよい。反射層はまた、多層の光学フィルムであってもよく、又はそれを含んでもよい。反射コーティング又は反射層の接着を促すために、キューブコーナーの小面にプライマー層を塗布してもよい。キューブコーナーの小面に反射コーティング又は反射層が何ら用いられない場合には、キューブコーナーの小面は、空気又は真空にさらされ、封止フィルムを用いて、空気界面を維持して、水、汚れ等を締め出す封止セル又はポケットを設けてもよい。再帰反射物品のための例示的な封止フィルムは、米国特許第7,611,251号(Thakkarら)に開示されている。他の実施形態では、例えば、米国特許出願公開第2013/0034682号(Freeら)において開示されているように、バリア材を含む感圧接着層がキューブコーナー上に配設されてもよい。
プリズム状再帰反射シート材は、例えば、予備形成されたシートを(複数の)キューブコーナー配列を含有する構造化表面で型押しすることにより、又は流体材料を好適な成形型に注型成形することにより、一体型の材料として製造されてもよい。あるいは、再帰反射シート材は、予備形成されたフィルムに対してキューブコーナー要素を鋳造することにより、又は予備形成されたキューブコーナー要素に予備形成されたフィルムを積層することによって、層状の製品として製造されてもよい。キューブコーナー要素は、約1.59の屈折率を有する厚みがおよそ0.5mmのポリカーボネートフィルム上に形成されてもよい。再帰反射シート材を製造するために有用な材料は、寸法安定性、耐久性、耐候性があり、かつ所望の構成へ容易に成形可能である材料である。典型的に熱及び圧力の下で成形可能である、光学的に透過型の任意の材料を概ね用いることができる。シート材はまた、所望により、着色料、染料、UV吸収材、又は分離したUV吸収層、及び他の添加物を含むことができる。
別途記載のない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」において使用される量、諸特性の測定値などを表す全ての数は、「約」なる語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、反することが示されない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」に記載の数値的パラメータは、本願の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化する近似値である。特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではないが、それぞれの数値パラメータは、少なくとも記載される有効桁数を考慮し、更に一般的な四捨五入法を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広義の範囲を示す数値的範囲及びパラメータは近似的な値ではあるが、任意の数値が本明細書に述べられる具体例に記載される限りにおいて、これらは妥当な程度に可能な範囲で正確に記載されるものである。しかしながら、いかなる数値も、試験又は測定の限界に伴う誤差を含み得る。同様に、「等しい」、「平行」、「一致する」などの用語は、本明細書で用いられる場合、正確な等しさ、平行、一致等からの偏りが、製造公差の範囲内である、又はさもなければ、本明細書の他の箇所で記載されるように2次的な設計上の特徴のためにかかる正確さから外れている実施形態を包含すると、理解されるべきである。
当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の様々な改変及び変更を行い得ることは明らかであり、本発明は本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されない点は理解されるべきである。読者は、1つの開示される実施形態の特徴は、別途記載のない限り他の全ての開示される実施形態にも適用することが可能であると仮定すべきである。本明細書において参照される、米国特許、特許出願公開、並びに他の特許文献及び非特許文献は、これらが上記の開示と矛盾しない限りにおいて参照により援用するものとする。
本明細書は、以下の項目を含むが、これらに限定はされない多数の実施形態を開示する。
項目1は、面内軸を有する基準面を画定する構造化表面を有する物品であって、該構造化表面は、複数のタイルに配置された複数のキューブコーナー配列を含み、該物品が、
それぞれ第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列によって画定される、第1、第2、及び第3のタイルであって、該第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列が、それぞれの第1、第2、及び第3の照射角の1次平面を有し、該1次平面のそれぞれが、該面内軸に対して異なる向きに向いている、第1、第2、及び第3のタイルを備え、
該第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれが、該面内軸に平行な1つのタイルの縁部を含み、
該第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれが、該面内軸に平行な1つの所与の溝を含む、物品である。
項目2は、前記第1、第2、及び第3のタイルがそれぞれ、前記面内軸に平行に伸長している、項目1に記載の物品である。
項目3は、前記第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれについて、前記所与の溝が、長さ方向の溝のピッチを画定する複数の長さ方向の溝のうちの1つであり、前記第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれが、該それぞれの長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しい幅を有する、項目1に記載の物品である。
項目4は、前記第1、第2、及び第3のタイルの前記幅がそれぞれ、0.2mm〜5mm、又は0.2mm〜1mm、又は0.5mm〜1mmの範囲内にある、項目3の物品に記載の物品である。
項目5は、前記複数のタイルが、前記第1、第2、及び第3のタイル以外の追加のタイルを含み、該追加のタイルは、対応する追加のキューブコーナー配列を有し、該追加のキューブコーナー配列の全てが、前記面内軸に平行な1つの所与の溝を含む、項目1に記載の物品である。
項目6は、前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれにおけるキューブコーナーが、基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられ、前記第1及び第2のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットが、互いに等しく、前記第1及び第3のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットが、互いの並べ替えである、項目1に記載の物品である。
項目7は、前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれにおけるキューブコーナーが、基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられ、前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットが、互いに等しい、項目1に記載の物品である。
項目8は、前記複数のタイルが、第4のキューブコーナー配列によって画定される第4のタイルを更に含み、該第4のキューブコーナー配列が、前記第1、第2、又は第3の照射角の1次平面のいずれにも平行ではない、第4の照射角の1次平面を有し、該第4のキューブコーナー配列中のキューブコーナーが、前記第1のキューブコーナー配列についての基部角度の順序付きセットの並べ替えである、該基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられる、項目7に記載の物品である。
項目9は、前記第4のタイルが、前記面内軸に平行に伸長し、前記第4のキューブコーナー配列が、前記面内軸に平行な1つの長さ方向の溝を含む、項目8に記載の物品である。
項目10は、前記複数のキューブコーナー配列におけるキューブコーナー配列の全てが、それぞれ照射角の1次平面を有し、該照射角の1次平面が、前記面内軸に対して少なくとも4つの特有の向きを画定する、項目1に記載の物品である。
項目11は、前記少なくとも4つの特有の向きに関連した前記キューブコーナー配列がそれぞれ、前記面内軸に平行な1つの長さ方向の溝を含み、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられ、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えである、項目10に記載の物品である。
項目12は、前記照射角の1次平面が、前記面内軸に対して少なくとも5つの特有の向きを画定する、項目10に記載の物品である。
項目13は、前記少なくとも5つの特有の向きに関連した前記キューブコーナー配列が、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられ、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えかのいずれかである、項目12に記載の物品である。
項目14は、前記照射角の1次平面が、前記面内軸に対して少なくとも6つの特有の向きを画定する、項目12に記載の物品である。
項目15は、前記少なくとも6つの特有の向きに関連した前記キューブコーナー配列が、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられ、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えかのいずれかである、項目14に記載の物品である。
項目16は、前記第1及び第2のタイルが、境界に沿って接するタイルの縁部を有し、該境界の近傍の前記第1のタイル上のキューブコーナーの列の小面と、該境界の近傍の前記第2のタイル上のキューブコーナーの列の小面とが、集合的に複合溝を形成し、該複合溝が、前記面内軸に平行である、項目1に記載の物品である。
項目17は、前記複合溝が、前記第1のキューブコーナー配列の前記所与の溝の溝角度とは異なり、前記第2のキューブコーナー配列の前記所与の溝の溝角度とも異なる、複合溝角度を有する、項目16に記載の物品である。
項目18は、前記構造化表面が、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供する、項目1に記載の物品である。
項目19は、前記構造化表面が、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供する、項目1に記載の物品である。
項目20は、対応する複数のタイル内に配置された複数のキューブコーナー配列を含む構造化表面を有する物品であって、該構造化表面が、面内軸を有する基準面を画定し、該複数のタイルのそれぞれに対する該キューブコーナー配列が、溝が該面内軸に平行に延在する所与の溝セットを有し、該複数のタイルのそれぞれに対する該キューブコーナー配列が、それに関連した傾斜平面及び照射角の1次平面を有し、該複数のタイルに対する該照射角の1次平面の特有のものが、該傾斜平面の特有のものよりも方位角においてより均一に分布している、物品である。
項目21は、前記照射角の1次平面の前記特有のものが、最小の角度分離PhiMin1を有し、前記傾斜平面の前記特有のものが、最小の角度分離PhiMin2を有し、PhiMin1が、PhiMin2よりも大きい、項目20に記載の物品である。
項目22は、PhiMin1が、PhiMin2の少なくとも2倍である、項目21に記載の物品である。
項目23は、前記タイルが、0.2mm〜5mmの範囲内にあるそれぞれの幅を有する、項目20に記載の物品である。
項目24は、それぞれのタイルに対する前記所与の溝セットが、かかるタイルに対する長さ方向の溝セットである、項目20に記載の物品である。
項目25は、前記構造化表面が、前記キューブコーナー配列のうちN個の特有のものにそれぞれ関連するN個の特有の照射角の1次平面を有し、Nが、4、5、又は6である、項目20に記載の物品である。
項目26は、前記複数のタイルが、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜したキューブコーナーの配列を備える、第1、第2、及び第3のタイルを含み、該第1、第2、及び第3の配列は、それに関連した、どの2つも互いに平行ではない、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜平面を有する、項目20に記載の物品である。
項目27は、前記第1、第2、及び第3の配列のそれぞれに対して、前記所与の溝セットが、長さ方向の溝のピッチを画定する長さ方向の溝セットであり、前記第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれが、該それぞれの長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しい幅を有する、項目26に記載の物品である。
項目28は、前記構造化表面が、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供する、項目20に記載の物品である。
項目29は、前記構造化表面が、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供する、項目20に記載の物品である。
項目30は、前記複数のタイルはそれぞれ、前記面内軸に平行に伸長している、項目20に記載の物品である。
項目31は、構造化表面を有する物品であって、該構造化表面が、複数のタイルに分割され、該物品が、
それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜したキューブコーナーの配列を備える、第1、第2、及び第3のタイルであって、該第1、第2、及び第3の配列が、それに関連した、どの2つも互いに平行ではない、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜平面を有している、第1、第2、及び第3のタイルを備え、
該第1、第2、及び第3の配列におけるキューブコーナーが、それぞれ第1、第2、及び第3の基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって特徴付けられ、
該第1及び第2の基部角度の順序付きセットが、互いに等しく、
該第1及び第3の基部角度の順序付きセットが、互いの並べ替えである、物品である。
項目32は、前記第1、第2、及び第3の配列のそれぞれが、溝セットを有し、該溝セットの溝が、前記配列のそれぞれのタイルの縁部に平行に延在する、項目31に記載の物品である。
項目33は、前記第1、第2、及び第3の配列のそれぞれが、互いに交差してキューブコーナーを形成する平行な溝の3つのセットによって画定される、項目31に記載の物品である。
項目34は、
傾斜したキューブコーナーの第4の配列を備える第4のタイルであって、該第4の配列が、それに関連した、前記第1、第2、又は第3の傾斜平面のいずれにも平行ではない第4の傾斜平面を有している、第4のタイルを更に備える、項目31に記載の物品である。
項目35は、前記第4の配列が、第4の基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって特徴付けられ、該第4の基部角度の順序付きセットが、第3の基部角度の順序付きセットと同一である、項目34に記載の物品である。
項目36は、前記構造化表面が、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供する、項目31に記載の物品である。
項目37は、前記構造化表面が、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供する、項目31に記載の物品である。本発明の実施態様の一部を以下の態様[1]−[37]に記載する。
[態様1]
面内軸を有する基準面を画定する構造化表面を有する物品であって、該構造化表面は、複数のタイル内に配置された複数のキューブコーナー配列を含み、該物品は、
それぞれ第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列によって画定される、第1、第2、及び第3のタイルであって、該第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列は、それぞれの第1、第2、及び第3の照射角の1次平面を有し、該1次平面のそれぞれは、該面内軸に対して異なる向きに向いている、第1、第2、及び第3のタイルを備え、
該第1、第2、及び第3のタイルはそれぞれ、該面内軸に平行な1つのタイルの縁部を含み、
該第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれは、該面内軸に平行な1つの所与の溝を含む、物品。
[態様2]
前記第1、第2、及び第3のタイルはそれぞれ、前記面内軸に平行に伸長している、態様1に記載の物品。
[態様3]
前記第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれについて、前記所与の溝は、長さ方向の溝のピッチを画定する複数の長さ方向の溝のうちの1つであり、前記第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれは、該それぞれの長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しい幅を有する、態様1に記載の物品。
[態様4]
前記第1、第2、及び第3のタイルの前記幅はそれぞれ、0.2mm〜5mm、又は0.2mm〜1mm、又は0.5mm〜1mmの範囲内にある、態様3に記載の物品。
[態様5]
前記複数のタイルは、前記第1、第2、及び第3のタイル以外の追加のタイルを含み、該追加のタイルは、対応する追加のキューブコーナー配列を有し、該追加のキューブコーナー配列の全ては、前記面内軸に平行な1つの所与の溝を含む、態様1に記載の物品。
[態様6]
前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれにおけるキューブコーナーは、基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられ、前記第1及び第2のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットは、互いに等しく、前記第1及び第3のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットは、互いの並べ替えである、態様1に記載の物品。
[態様7]
前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれにおけるキューブコーナーは、基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられ、前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットは、互いに等しい、態様1に記載の物品。
[態様8]
前記複数のタイルは、第4のキューブコーナー配列によって画定される第4のタイルを更に含み、該第4のキューブコーナー配列は、前記第1、第2、又は第3の照射角の1次平面のいずれにも平行ではない、第4の照射角の1次平面を有し、該第4のキューブコーナー配列中のキューブコーナーは、前記第1のキューブコーナー配列についての基部角度の順序付きセットの並べ替えである、該基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられる、態様7に記載の物品。
[態様9]
前記第4のタイルは、前記面内軸に平行に伸長し、前記第4のキューブコーナー配列は、前記面内軸に平行な1つの長さ方向の溝を含む、態様8に記載の物品。
[態様10]
前記複数のキューブコーナー配列における前記キューブコーナー配列の全ては、それぞれの照射角の1次平面を有し、該照射角の1次平面は、前記面内軸に対して少なくとも4つの特有の向きを画定する、態様1に記載の物品。
[態様11]
前記少なくとも4つの特有の向きに関連した前記キューブコーナー配列はそれぞれ、前記面内軸に平行な1つの長さ方向の溝を含み、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられ、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えかのいずれかである、態様10に記載の物品。
[態様12]
前記照射角の1次平面は、前記面内軸に対して少なくとも5つの特有の向きを画定する、態様10に記載の物品。
[態様13]
前記少なくとも5つの特有の向きに関連した前記キューブコーナー配列は、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられ、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えかのいずれかである、態様12に記載の物品。
[態様14]
前記照射角の1次平面は、前記面内軸に対して少なくとも6つの特有の向きを画定する、態様12に記載の物品。
[態様15]
前記少なくとも6つの特有の向きに関連した前記キューブコーナー配列は、それぞれの基部角度の順序付きセットによって特徴付けられ、かかる基部角度の順序付きセットのどの2つも、互いに等しいか、又は互いの並べ替えかのいずれかである、態様14に記載の物品。
[態様16]
前記第1及び第2のタイルは、境界に沿って接するタイルの縁部を有し、該境界の近傍の前記第1のタイル上のキューブコーナーの列の小面と、該境界の近傍の前記第2のタイル上のキューブコーナーの列の小面とは、集合的に複合溝を形成し、該複合溝は、前記面内軸に平行である、態様1に記載の物品。
[態様17]
前記複合溝は、前記第1のキューブコーナー配列の前記所与の溝の溝角度とは異なり、前記第2のキューブコーナー配列の前記所与の溝の溝角度とも異なる、複合溝角度を有する、態様16に記載の物品。
[態様18]
前記構造化表面は、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供する、態様1に記載の物品。
[態様19]
前記構造化表面は、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供する、態様1に記載の物品。
[態様20]
対応する複数のタイル内に配置された複数のキューブコーナー配列を含む構造化表面を有する物品であって、該構造化表面は、面内軸を有する基準面を画定し、該複数のタイルのそれぞれに対する該キューブコーナー配列は、溝が該面内軸に平行に延在する所与の溝セットを有し、該複数のタイルのそれぞれに対する該キューブコーナー配列は、それに関連した傾斜平面及び照射角の1次平面を有し、該複数のタイルに対する該照射角の1次平面の特有のものは、該傾斜平面の特有のものよりも方位角においてより均一に分布している、物品。
[態様21]
前記照射角の1次平面の前記特有のものは、最小の角度分離PhiMin1を有し、前記傾斜平面の前記特有のものは、最小の角度分離PhiMin2を有し、PhiMin1は、PhiMin2よりも大きい、態様20に記載の物品。
[態様22]
PhiMin1は、PhiMin2の少なくとも2倍である、態様20に記載の物品。
[態様23]
前記タイルは、0.2mm〜5mmの範囲内にあるそれぞれの幅を有する、態様20に記載の物品。
[態様24]
それぞれのタイルに対する前記所与の溝セットは、かかるタイルに対する長さ方向の溝セットである、態様20に記載の物品。
[態様25]
前記構造化表面は、前記キューブコーナー配列のうちN個の特有のものにそれぞれ関連するN個の特有の照射角の1次平面を有し、Nは、4、5、又は6である、態様20に記載の物品。
[態様26]
前記複数のタイルは、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜したキューブコーナーの配列を備える、第1、第2、及び第3のタイルを含み、該第1、第2、及び第3の配列は、それに関連した、どの2つも互いに平行ではない、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜平面を有する、態様20に記載の物品。
[態様27]
前記第1、第2、及び第3の配列のそれぞれに対して、前記所与の溝セットは、長さ方向の溝のピッチを画定する長さ方向の溝セットであり、前記第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれは、該それぞれの長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しい幅を有する、態様26に記載の物品。
[態様28]
前記構造化表面は、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供する、態様20に記載の物品。
[態様29]
前記構造化表面は、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供する、態様20に記載の物品。
[態様30]
前記複数のタイルはそれぞれ、前記面内軸に平行に伸長している、態様20に記載の物品。
[態様31]
構造化表面を有する物品であって、該構造化表面は、複数のタイルに分割され、該物品は、
それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜したキューブコーナーの配列を備える、第1、第2、及び第3のタイルであって、該第1、第2、及び第3の配列は、それに関連した、どの2つも互いに平行ではない、それぞれ第1、第2、及び第3の傾斜平面を有している、第1、第2、及び第3のタイルを備え、
該第1、第2、及び第3の配列におけるキューブコーナーは、それぞれ第1、第2、及び第3の基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって特徴付けられ、
該第1及び第2の基部角度の順序付きセットは、互いに等しく、
該第1及び第3の基部角度の順序付きセットは、互いの並べ替えである、物品。
[態様32]
前記第1、第2、及び第3の配列のそれぞれは、溝セットを有し、該溝セットの溝は、前記配列のそれぞれのタイルの縁部に平行に延在する、態様31に記載の物品。
[態様33]
前記第1、第2、及び第3の配列のそれぞれは、互いに交差してキューブコーナーを形成する平行な溝の3つのセットによって画定される、態様31に記載の物品。
[態様34]
傾斜したキューブコーナーの第4の配列を備える第4のタイルであって、該第4の配列は、それに関連した、前記第1、第2、又は第3の傾斜平面のいずれにも平行ではない第4の傾斜平面を有している、第4のタイルを更に備える、態様31に記載の物品。
[態様35]
前記第4の配列は、第4の基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって特徴付けられ、該第4の基部角度の順序付きセットは、第3の基部角度の順序付きセットと同一である、態様34に記載の物品。
[態様36]
前記構造化表面は、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の照射角における均一性指数を提供する、態様31に記載の物品。
[態様37]
前記構造化表面は、少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5の40度の照射角における均一性指数を提供する、態様31に記載の物品。

Claims (9)

  1. 面内軸を有する基準面を画定する構造化表面を有する物品であって、該構造化表面は、複数のタイル内に配置された複数のキューブコーナー配列を含み、該物品は、
    それぞれ第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列によって画定される、第1、第2、及び第3のタイルであって、該第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列は、それぞれの第1、第2、及び第3の、配向角に関して定義され、かつ、等輝度等高線グラフにおいて最大範囲のローブを示す入射平面を有し、該入射平面のそれぞれは、該面内軸に対して異なる向きに向いている、第1、第2、及び第3のタイルを備え、
    該第1、第2、及び第3のタイルはそれぞれ、該面内軸に平行な1つのタイルの縁部を含み、
    該第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれは、該面内軸に平行な1つの所与の溝を含む、物品。
  2. 前記第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれについて、前記所与の溝は、長さ方向の溝のピッチを画定する複数の長さ方向の溝のうちの1つであり、前記第1、第2、及び第3のタイルのそれぞれは、該それぞれの長さ方向の溝のピッチの整数倍に等しい幅を有する、請求項1に記載の物品。
  3. 前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれにおけるキューブコーナーは、基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられ、前記第1及び第2のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットは、互いに等しく、前記第1及び第3のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットは、互いの並べ替えである、請求項1に記載の物品。
  4. 前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列のそれぞれにおけるキューブコーナーは、基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられ、前記第1、第2、及び第3のキューブコーナー配列についての該基部角度の順序付きセットは、互いに等しい、請求項1に記載の物品。
  5. 前記複数のタイルは、第4のキューブコーナー配列によって画定される第4のタイルを更に含み、該第4のキューブコーナー配列は、前記第1、第2、又は第3の入射平面のいずれにも平行ではない、第4の、配向角に関して定義され、かつ、等輝度等高線グラフにおいて最大範囲のローブを示す入射平面を有し、該第4のキューブコーナー配列中のキューブコーナーは、前記第1のキューブコーナー配列についての基部角度の順序付きセットの並べ替えである、該基部角度の順序付きセットを有する基部三角形によって、傾けられ、かつ特徴付けられる、請求項4に記載の物品。
  6. 前記第1及び第2のタイルは、境界に沿って接するタイルの縁部を有し、該境界の近傍の前記第1のタイル上のキューブコーナーの列の小面と、該境界の近傍の前記第2のタイル上のキューブコーナーの列の小面とは、集合的に複合溝を形成し、該複合溝は、前記面内軸に平行である、請求項1に記載の物品。
  7. 対応する複数のタイル内に配置された複数のキューブコーナー配列を含む構造化表面を有する物品であって、該構造化表面は、面内軸を有する基準面を画定し、該複数のタイルのそれぞれに対する該キューブコーナー配列は、溝が該面内軸に平行に延在する所与の溝セットを有し、該複数のタイルのそれぞれに対する該キューブコーナー配列は、それに関連した傾斜平面及び配向角に関して定義され、かつ、等輝度等高線グラフにおいて最大範囲のローブを示す入射平面を有し、該複数のタイルに対する該入射平面の特有のものは、該傾斜平面の特有のものよりも方位角においてより均一に分布している、物品。
  8. 前記入射平面の前記特有のものは、最小の角度分離PhiMin1を有し、前記傾斜平面の前記特有のものは、最小の角度分離PhiMin2を有し、PhiMin1は、PhiMin2よりも大きい、請求項7に記載の物品。
  9. 前記構造化表面は、少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6の30度の入射角における均一性指数を提供する、請求項7に記載の物品。
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