JP5091566B2 - 電解槽ホース用ガスケット - Google Patents

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本発明は、イオン交換膜法電解槽、特に食塩水を電解して塩素と苛性ソーダを生産するための電解槽の配管ホースの連結部位に用いられるガスケットに関する。
従来より、工業的な基礎原料となる苛性ソーダと塩素とを得るために、電解槽を用いたイオン交換膜法による食塩電解が行なわれている。この電解槽としては、極室を構成する電解室枠とイオン交換膜とを交互に配列して、これをボルト等で締め付けたフィルタプレス型電解槽等が知られている。運転方式としては、自然循環方式と加圧式の強制循環方式とがあり、自然循環方式では、電解液のみの側と、電解液およびガスが混合している側との比重差を利用して電解液を循環させている。
このような電解槽では、電気分解により塩素ガス、水素ガス、苛性ソーダなどが発生する。また、電解膜が何らかの原因でピンホール等の破損が起こった場合、苛性ソーダと塩素とが反応して次亜塩素酸ソーダも発生するおそれがある。
これらのガスや液が電解槽外部に漏洩することを防止するため、原料液および生成ガスなどの内部流体が通過する配管ホースの連結部位(つなぎ目)にガスケットを介在させている。このガスケットの形状としては、図2に示すように、直断面形状が長方形の平ガスケット(図2(a))や、直断面形状が円状のOリング(図2(b))が使用されている。
また、ガスケットには上記の電解液やガスに対して耐久性があり、締め付け圧力によるクリープが少ないことが求められている。よって、ガスケット材料として、従来、エチレンプロピレンジエン共重合体ゴム(EPDM)などのゴム材からなるガスケットの電解液との接触部分をフッ素樹脂シートで覆って耐薬品性を向上させたもの(特許文献1参照)や、ゴム材としてフッ素系ゴムを採用したものなどが利用されている。
しかしながら、食塩電解などでは電解槽運転中の温度は 90〜120℃と高温で休転時には常温近くまで温度が下がるため、ガスケット形状が平ガスケットやOリングの場合、装置およびガスケットの温度収縮により液やガスなどの内部流体が漏れやすくなるという問題がある。
また、材料面において従来のゴム材は、圧縮永久歪みを低下させて耐クリープ性を向上させるために、通常カーボンブラックを配合しているが、上記温度変化に対応すべく十分なシール性を確保できる程度の量のカーボンブラックを配合すると、ガスケットの電気絶縁性を維持できなくなるおそれがある。また、塩素、苛性ソーダに加えて次亜塩素酸ソーダに対しても優れた耐薬品性を付与してシール性を維持するために、上記従来のガスケットのようにフッ素系材料を利用するとコストが大幅に高くなるという問題がある。
特開平5−9772号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、次亜塩素酸ソーダなどに対する耐薬品性、耐クリープ性、および電気絶縁性に優れ、イオン交換膜法の電解槽外部への内部流体の漏洩を長期間にわたり防止できる電解槽ホース用ガスケットを提供することを目的とする。
本発明の電解槽ホース用ガスケットは、イオン交換膜法の電解槽の配管ホースの連結部位に用いる電解槽ホース用ガスケットであって、該電解槽ホース用ガスケットは、直断面形状が長方形の本体部と、該本体部のガスケット締め付け時の圧縮方向に対して垂直な面に、直断面形状が円弧状の突起部とを有し、上記本体部と上記突起部とが、ゴム基材からなるガスケット材料を用いて一体に成形されてなり、上記ゴム基材は、エチレンプロピレンジエン共重合体ゴム(以下、EPDMと記す)とクロロスルフォン化ポリエチレンゴム(以下、CSMと記す)との混合物であり、上記EPDMはゴム基材全体に対して 70〜95 重量%、上記CSMはゴム基材全体に対して 5〜30 重量%それぞれ配合してなることを特徴とする。
上記ゴム基材 100 重量部に対して、カーボンブラックを 10〜50 重量部、無機充填剤を 10〜50 重量部、有機過酸化物架橋剤を 2〜6 重量部、可塑剤を 0〜20 重量部配合してなることを特徴とする。
上記電解槽ホース用ガスケットは、体積固有抵抗値が 1.0×1010Ω・cm 以上であることを特徴とする。
本発明の電解槽ホース用ガスケットは、直断面形状が長方形の本体部と、該本体部のガスケット締め付け時の圧縮方向に対して垂直な面に、直断面形状が円弧状の突起部とを有し、この本体部と突起部とが、所定のガスケット材料を用いて一体に成形されてなるので、電解槽の運転中と休転時とで大幅な温度差が加わり、かつ、内部流体である塩素、苛性ソーダ、次亜塩素酸ソーダなどに接触する環境下においても、長期間にわたりシール性を維持することができる。
特に、ガスケット材料として、EPDM 70〜95 重量%およびCSM 5〜30 重量%からなる混合物をゴム基材とし、このゴム基材 100 重量部に対して、カーボンブラックを 10〜50 重量部、無機充填剤を 10〜50 重量部などを配合したものを用いるので、従来のEPDM単独のゴム基材を用いる場合よりも次亜塩素酸ソーダなどに対する耐薬品性に優れるとともに、耐クリープ性および電気絶縁性に優れる。また、フッ素系材料を用いないので低コストで製造できる。
本発明の電解槽ホース用ガスケットは、イオン交換膜法、例えば陽イオン交換膜を用いて塩化アルカリ水溶液を電解する電解槽において、原料液および生成ガスなどの内部流体が通過する配管ホースの連結部位(つなぎ目)に使用される。特に、食塩水を電解して塩素と苛性ソーダを生産するための電解槽における上記部位に使用される。電解槽ホース用ガスケットは、上述したように耐クリープ性に加えて、苛性ソーダ、塩素、次亜塩素酸ソーダなどに対する耐薬品性、電気絶縁性も同時に要求される。
本発明の一実施例に係る電解槽ホース用ガスケットを図1に基づいて説明する。図1は、電解槽ホース用ガスケットの断面図である。
図1に示すように、電解槽ホース用ガスケット1は、平ガスケットとOリングとを組み合わせた円環形状であり、直断面形状が長方形の本体部2と、直断面形状が円弧状の突起部3とを有する。本体部2と突起部3とは後述するガスケット材料を用いて一体成形される。
電解槽ホース用ガスケット1の平面形状は、配管ホースの連結部位の形状に合わせた形状とすればよく、円環形状のほか、四角枠状などでもよい。電解槽ホース用ガスケット1のサイズとしては、図1に示す円環形状では 外径φが15〜60mm 程度、本体部2の厚みt0が 2〜4 mm 程度、突起部3を含めた厚みtが 3〜6 mm 程度である。
突起部3は、ガスケット締め付け時の圧縮方向に対して垂直な面である本体部2の上面2aおよび下面2bに形成されている。なお、突起部3は、上面2aおよび下面2bの両面、または、一方に形成すればよい。また、突起部3の円弧頂点の水平方向位置は、各面の任意の位置とできる。
電解槽ホース用ガスケット1では、本体部2の厚みt0を、電解槽ホース用ガスケットとして通常設定する厚みとするので、突起部3を含めた設定厚みtはそれよりも厚くなる。このため、ガスケット締め付け時において該突起部3が強く押し付けられシール性が向上する。
また、ガスケットが後述する耐クリープ性や耐薬品性に優れたガスケット材料から成形されるので、形状面および材料面の両面からシール性の向上が図れ、電解槽において長期間にわたりシール性を維持することができる。
電解槽ホース用ガスケットの厚み設計は以下の式に従うことが好ましい。
1=t0/((1-α)×(1+a)
t≧t1
0≦(t-t1

0;通常設定するガスケット厚み(本体部2の厚み)
α;ガスケット材料の持つ圧縮永久歪み
a;補正定数
1;ガスケットの設計厚み
t;ガスケットの設定厚み(突起部3を含めた設定厚み)
0;マイナス交差
本発明に用いるガスケット材料において、ゴム基材として使用できるEPDMは、ガスケット材料に要求される成形性や、その成形体である電解槽ホース用ガスケットに要求される機械的特性、耐熱性、耐薬品性などを考慮して、従来から公知のものを適宜採用できる。
また、エチレンとプロピレンおよびジエンの各配合比は、任意に調節可能である。ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−メチレン−2−ノルボルネン、ジシクロオクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
EPDMにおいては、ジエン成分の配合量を抑える方が耐熱性に優れる。電解槽の運転条件である90℃〜120℃を考慮すると、ゴム中のジエン含有量は、1〜5重量部の範囲とすることが好ましい。
本発明に使用できるEPDMの具体例としては、三井化学工業社製の商品名:三井EPT系、住友化学工業社製の商品名:エスプレン系、JSR社製の商品名:JSR EP系、DSM社製の商品名:ケルタン系、デュポン社製の商品名:ノーデル(NORDEL)系、コポリマー・ラバー・アンド・ケミカル・コーポレーション社製の商品名:Epsyn系、ポリサー・ラバー・コーポレーション社製の商品名:POLYSAR系などが挙げられる。
本発明に用いるガスケット材料では、ゴム基材として上記EPDMにCSMをブレンドした混合物を用いる。CSMは、耐薬品性の向上を目的としてEPDMにブレンドされるものであり、従来から公知のものを適宜採用できる。
本発明に使用できるCSMの具体例としては、東ソー社製の商品名:TOSO−CSM系、デュポンエラストマー社製の商品名:ハイパロン系などが挙げられる。
上記ガスケット材料のゴム基材において、ゴム基材全体に対するEPDMおよびCSMの配合割合は、EPDM 70〜95 重量%、CSM 5〜30 重量%である。より好ましくは、EPDM 90〜95 重量%、CSM 5〜10 重量%である。ブレンドするCSMが 5 重量%未満であると、耐薬品性が劣るため不向きであり、30 重量%をこえると圧縮永久歪みが劣り不向きである。
上記ガスケット材料において、ゴム基材の加硫剤としては有機過酸化物を用いることができる。
有機過酸化物としては、例えば、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐t‐ブチル‐パーオキシヘキサン‐3、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐t‐ブチル‐パーオキシヘキサン、t‐ブチルクミルパーオキサイド、1,3‐ビス(t−ブチルパーオキシ‐イソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、4,4‐ジ‐t‐ブチルパーオキシ‐ブチルバレレート、2,2‐ジ‐t‐ブチルパーオキシ‐ブタン、1,1‐ジ‐t‐ブチルパーオキシ‐3,3,5−トリメチルシクロヘキサンや、ジ‐ベンゾイルパーオキサイド、ビス(o−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ビス(p−メチルベンゾイル)パーオキサイドなどが挙げられる。
有機過酸化物架橋剤は、ゴム基材 100 重量部に対して 2〜6 重量部配合することが好ましい。この架橋剤の配合量が 2 重量部未満であると、ゴム基材の架橋が十分に行なわれない。また、架橋剤の配合量が 6 重量部をこえると、得られるガスケット(ゴム架橋体)の弾性が低下し、電解槽ホース用ガスケットとして不適となる。なお、有機過酸化物架橋剤は、配合時には希釈品(40%程度)を使用するが、上記配合割合は純品(100%)換算での配合量である。
また、有機化酸化物による架橋効率を向上させる目的で、公知の共架橋剤を併用してもよい。共架橋剤としては、例えば、硫黄、TAIC、TAC、マレイミド、キノンジオキシムなどが挙げられる。
カーボンブラックは、電気絶縁性のガスケットを製造する際には使用しないことが好ましいが、ガスケットの機械的特性、耐クリープ性などを向上させるために、従来はゴム基材 100 重量部に対して 50 重量部をこえて配合していた。
本発明では、従来配合していたカーボンブラックの一部を他の無機充填剤に置換することで、機械的特性や耐クリープ性を維持しつつ、電気絶縁性の改良を図っている。なお、電解槽ホース用ガスケットにおいて、十分な電気絶縁性とは、体積固有抵抗値(100V測定)で 1.0×1010Ω・cm 以上である。
上記ガスケット材料では、カーボンブラックとして、ガスケットの補強性に優れるファーネスブラックを用いることが好ましい。ファーネスブラックは、ガス、オイルまたはそれらの混合物を一定量の空気とともに不完全燃焼させて製造される。ファーネスブラックは、粒子径の小さい順に、SAF<ISAF<HAF<MAF<FEF<GPF<SRFに分類される。
抵抗値を高くするには、比表面積が小さいグレード、すなわち粒子径が大きいものほど有利である。また、粒子径の小さいSAF、ISAFは均一な分散が難しいため、本発明で使用するカーボンブラックとしては、HAF、MAF、FEF、GPF、SRFグレードが好ましい。
カーボンブラックは、ゴム基材 100 重量部に対して 10〜50 重量部配合することが好ましい。カーボンブラックの配合量が 10 重量部未満であると、得られるガスケットの機械的特性や耐クリープ性に劣る。また、カーボンブラックの配合量が 50 重量部をこえると、体積固有抵抗値が低くなり電気絶縁性に劣る。
抵抗値を高くするには、カーボンブラックの粒子径が大きいこと、かつ、その配合量が少ないほど有利である。本発明ではカーボンブラックの配合量を従来よりも減量しているため、上記ファーネスブラックのグレードにおいて、粒子径の大きいグレード(GPF、SRF)以外のグレードを用いても十分な電気絶縁性を確保できる。
上記ガスケット材料において使用できる無機充填剤としては、シリカ(湿式および乾式を含む)、クレー、炭酸カルシウムなどの絶縁性無機充填剤が挙げられる。シリカは、ホワイトカーボンと呼ばれ、カーボンブラックに次ぐ補強性を有し、引張強さ、硬さ、引裂強さ、耐摩耗性を向上させ、かつ、ガスケット表面の肌を良くする作用がある。また、本発明で主に使用するクレーは、クレーを600〜800℃で焼成して得られる焼成クレーである。この焼成クレーは、焼成にて結晶水を失い、結晶構造を崩壊させて活性を高め、遊離イオンが吸着固定化されることにより電気絶縁効果を向上できる。
本発明では無機充填剤としてシリカと焼成クレーとを併用することが好ましい。これは、カーボンブラックの減量分をシリカにて補強でき、焼成クレーにて増量と電気絶縁効果を向上できるためである。
この無機充填剤は、ゴム基材 100 重量部に対して 10〜50 重量部配合することが好ましい。本発明では上述のように電気絶縁性確保のために、カーボンブラックの配合量を抑えているので、無機充填剤の配合量が 10 重量部未満であると、得られるガスケットの機械的特性を必要なレベルまで向上できない。また、無機充填剤の配合量が 50 重量部をこえると、ガスケットの硬度が高くなりすぎたり、耐クリープ性が劣るなどの問題がある。
上記ガスケット材料では、ゴム基材に対し必要に応じて、上記のカーボンブラック、無機充填剤以外の充填剤、軟化剤、老化防止剤、滑剤などの各種添加剤を適宜に配合することができる。
軟化剤としては、プロセス油、植物油、合成油、または、エステル系などの可塑剤が例示され、それらを併用することもできる。可塑剤は、ゴム基材 100 重量部に対して 0〜20 重量部配合することが好ましい。
上記ガスケット材料を用いて本発明の電解槽ホース用ガスケットを製造するには、まず、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックス、インターナルミキサー、ロールなどの混合機により、EPDMと、CSMと、その他の添加剤を配合したガスケット材料を適当な温度下で数分〜数十分混練する。なお、加硫剤は、EPDM、CSM、およびその他の添加剤が均一に混練された後に添加するのが好ましい。
次に混練された材料を、図1に示すガスケット形状の金型を有する、押出成形機、プレス成形機、インジェクション成形機、トランスファー成形機、コンプレッション成形機などを用いて成形する。このとき、ガスケットの本体部と突起部とは一体に成形される。
実施例1〜実施例2、および、比較例1〜比較例3
表1および表2に示された各種割合の各配合成分を6インチオープンロールで混練し、得られたガスケット材料を、プレス加硫により、ゲージ圧力 100 kg/cm2で 164℃×20分の加硫操作を行って、特性試験用の架橋体試料として、厚さ:2mmのシート状の加硫ゴムを得た。また、図1に示すガスケット形状(t0=3.0mm、t=4.0mm、外径=46mm、内径=29mm)の金型を用いて、プレス加硫により、ゲージ圧力 100〜200 kg/cm2で 165〜175℃ × 5〜20分の加硫操作を行って、電解槽ホース用ガスケットをそれぞれ得た。
表中において、各配合物は具体的に以下のものである。
ENB系EPDM(1):三井化学工業社製 三井EPT3045
ENB系EPDM(2):JSR社製 JSR EP21
CSM:東ソー社製 TOSO−CSM TS−530
有機過酸化物架橋剤:GEO Speciality Chemicals社製 Di−Cup 40C
カーボンブラック(MAF):東海カーボン社製 シーストG−116
カーボンブラック(SRF):新日化カーボン社製 HTC ♯SL−F
カーボンブラック(HAF):東海カーボン社製 シースト3
シリカ系充填材:東ソー・シリカ社製 Nipsil VN3
クレー:ENGELHARD社製 SATINTONE SP−33
可塑剤:谷口石油精製社製 NCL 46
得られた実施例1および比較例1の各試料について以下の試験を行なった。
加硫ゴムを打ち抜いて所定の試料形状(JIS 3号ダンベル)とし、JIS K6251による引張試験およびJIS K6253による硬さ試験を行って各特性を測定した。その結果を、常態物性として表1に併記する。
また、熱老化特性の評価を行なうために、JIS K 6257の老化試験により、各試料に対して100℃×72時間の加熱をギャー式オーブンに入れて与え、その後、上述と同様な引張試験および硬さ試験を行って各特性(変化率)を測定した。結果を表1に併記する。
また、耐薬品性の評価を行なうために、JIS K 6258の浸漬試験により、各試料を70℃×72時間、次亜塩素酸ナトリウム 10%溶液に浸漬し、その後、上述と同様な引張試験および硬さ試験を行って各特性(変化率)を測定した。結果を表1に併記する。
圧縮特性の評価を行なうために、各試料について圧縮永久歪み(C−set)試験を行なった。試験条件は 100℃×72 時間、圧縮率 25 %で、JIS K6262に準拠して行なった。結果を表1に併記する。
また、電気特性の評価を行なうために、各試料(100mm×100mm×2mm)について、100V負荷時の体積固有抵抗値を測定した。結果を表1に併記する。
Figure 0005091566
表1に示すように、実施例1は、比較例1と比較して機械的特性や圧縮特性を維持したまま、耐薬品性が向上していることが分かる。また、体積固有抵抗値も大幅に高くなっている。
得られた実施例2、比較例2および比較例3の各試料について、実施例1と同様の試験で、常態物性、熱老化特性、耐薬品性、圧縮特性および電気特性の評価を行なった。結果を表2に併記する。
なお、表2において、熱老化特性、耐薬品性および圧縮特性の評価については、電解槽ホース用ガスケットとしての使用に耐え得る値であるときは「○」とし、耐えない値であるときは「×」とした。また、電気特性の評価については、体積固有抵抗値が 1.0×1010Ω・cm 以上である場合は「○」、 1.0×1010Ω・cm 未満である場合は「×」とした。
Figure 0005091566
表2に示すように、EPDMとCSMとを所定範囲内でブレンドした実施例2と比較して、比較例2および比較例3では、熱老化特性、耐薬品性および圧縮特性のいずれかにおいて電解槽ホース用ガスケットとしての使用に耐え得ないものであった。
以上の試験結果より、実施例1、実施例2で得られた電解槽ホース用ガスケットは、その材料面において熱老化特性、耐薬品性、圧縮特性および電気特性のすべてに優れ、電解槽ホース用ガスケットとしての使用に耐え得るものであることが分かる。また、その形状面において突起部の形成により、従来の平ガスケットやOリングよりもシール性に優れる。
これらの結果、本発明の電解槽ホース用ガスケットは、電解槽の運転中と休転時とで大幅な温度差が加わり、かつ、次亜塩素酸ソーダなどに接触する環境下においても、長期間にわたりシール性を維持することができる。
本発明の電解槽ホース用ガスケットは、耐薬品性、耐クリープ性、および電気絶縁性に優れ、長期間にわたりシール性を維持することができるので、イオン交換膜法の電解槽の配管ホースの連結部位に用いるガスケットとして好適に利用できる。
本発明の一実施例に係る電解槽ホース用ガスケットの断面図である。 従来の電解槽ホース用ガスケットの断面図である。
符号の説明
1 電解槽ホース用ガスケット
2 本体部
3 突起部

Claims (3)

  1. イオン交換膜法の電解槽の配管ホースの連結部位に用いる電解槽ホース用ガスケットであって、
    該電解槽ホース用ガスケットは、直断面形状が長方形の本体部と、該本体部のガスケット締め付け時の圧縮方向に対して垂直な面に、直断面形状が円弧状の突起部とを有し、前記本体部と前記突起部とが、ゴム基材からなるガスケット材料を用いて一体に成形されてなり、
    前記ゴム基材は、エチレンプロピレンジエン共重合体ゴムとクロロスルフォン化ポリエチレンゴムとの混合物であり、前記エチレンプロピレンジエン共重合体ゴムはゴム基材全体に対して 70〜95 重量%、前記クロロスルフォン化ポリエチレンゴムはゴム基材全体に対して 5〜30 重量%それぞれ配合してなることを特徴とする電解槽ホース用ガスケット。
  2. 前記ゴム基材 100 重量部に対して、カーボンブラックを 10〜50 重量部、無機充填剤を 10〜50 重量部、有機過酸化物架橋剤を 2〜6 重量部、可塑剤を 0〜20 重量部配合してなることを特徴とする請求項1記載の電解槽ホース用ガスケット。
  3. 前記ガスケットは、体積固有抵抗値が 1.0×1010Ω・cm 以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電解槽ホース用ガスケット。
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