JP3553236B2 - オゾン発生装置 - Google Patents

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  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オゾン発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
貯蔵水の殺菌や有害有機物の分解などに用いられるオゾン発生装置の概略構成を図4に示す。
図4に示すように、オゾン発生装置は、イオン交換膜111を陽極112と陰極113とで挾んで構成される電解セル110をシール材121と共に陽極側マニホールド122と陰極側マニホールド123とで挾んで電解槽120を構成し、当該電解槽120をガスケット131を介して複数配列したものをエンドプレート132,133で挾んで連結してなっている。
【0003】
このようなオゾン発生装置では、一方のエンドプレート132に形成された給水口132bに原料水を供給すると、当該原料水がシール材121、マニホールド122,123、ガスケット131に形成された原料水流通路を流れて各電解槽120の電解セル110に供給され、電源134で電解槽120に給電することにより当該原料水が電解セル110で電解されて、陽極112から酸素やオゾンが発生し、陰極113から水素が発生する。
【0004】
発生した酸素やオゾンは、各電解槽120の陽極側マニホールド122で捕集され、シール材121、マニホールド122,123、ガスケット131に形成されたオゾン流通路を流れて、エンドプレート132に形成されたオゾン送出口132aから送り出される。
一方、発生した水素は、各電解槽120の陰極側マニホールド123で捕集され、シール材121、マニホールド122,123、ガスケット131に形成された水素流通路を流れて、エンドプレート133に形成された水素送出口133aから送り出される。
【0005】
従って、このようなオゾン発生装置によれば、複数の電解槽120で発生させたオゾンを一括して送出することができるので、効率よくオゾンを発生・送出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述したようなオゾン発生装置では、オゾンが強い酸化力を有しているため、シール材121やガスケット131には、耐オゾン性の高いフッ素樹脂が用いられている。しかしながら、フッ素樹脂は、弾性変形量が小さく、また、高価であるため、このような材料を用いたガスケット131では、マニホールド122,123との密着性に難点があるだけでなく、コスト上昇を招いていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、本発明によるオゾン発生装置は、原料水を電解してオゾンを発生させる電解槽をガスケットを介して複数連結してなるオゾン発生装置であって、上記ガスケットが弾性材料からなると共に、高耐オゾン性材料からなるフィルムが上記ガスケットのオゾン流通孔をその周辺部も含めて両面側から挟んで熱圧着されることにより、当該ガスケットの上記オゾンとの接触部分を被覆していることを特徴とする。
【0008】
上記のオゾン発生装置においては、前記弾性材料が汎用ゴムであり、前記高耐オゾン性材料がフッ素樹脂であることを特徴とする。
【0009】
上記のオゾン発生装置においては、前記汎用ゴムがエチレン−プロピレンゴム(EPDM)であり、前記フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明によるオゾン発生装置の実施の形態を図1〜3を用いて以下に説明する。なお、図1は、その概略構成図、図2は、ガスケットの正面図、図3は、ガスケットの要部の抽出拡大断面図である。
【0011】
図1に示すように、イオン交換膜11を陽極12と陰極13とで挾んで構成される電解セル10をシール材21と共に陽極側マニホールド22と陰極側マニホールド23とで挾むことにより、電解槽20が構成されている。当該電解槽20をガスケット31を介して複数配列し、これらをエンドプレート32,33で挾んで連結することにより、オゾン発生装置が構成されている。なお、図1中、32aはオゾン送出口、32bは給水口、33aは水素送出口、34は電源である。
【0012】
図2に示すように、前記ガスケット31は、平板型をなし、弾性材料である汎用ゴムの一種のエチレン−プロピレンゴム(EPDM)からなっている。ガスケット31の中央部分には、陽極側マニホールド22と陰極側マニホールド23とを電気的に連通させる穴31aが形成されている。ガスケット31の一つの角の近傍には、陽極側マニホールド22と陰極側マニホールド23とに形成された冷却液流通路を連通させる冷却液流通路31bが形成されている。ガスケット31の上記冷却液流通孔31bの前記穴31aを挾んだ対角位置には、陽極側マニホールド22と陰極側マニホールド23とに形成された原料水流通路を連通させる原料水流通路31cが形成されている。
【0013】
図2に示すように、ガスケット31の四辺のうち、対向する一組の辺の近傍には、陽極側マニホールド22と陰極側マニホールド23とに形成されたオゾン流通路を連通させるオゾン流通路31dが形成されている。ガスケット31の他の組の辺の近傍には、陽極側マニホールド22と陰極側マニホールド23とに形成された水素流通路を連通させる水素流通路31eが形成されている。ガスケット31の上記各流通路31b〜31eの周囲には、シールビード31f,31gが形成されており、当該シールビード31f,31gは、ガスケット31の両面側にそれぞれ形成されている。つまり、シールビード31f,31gは、ガスケット31と各マニホールド22,23との間から前記各流通路31b〜31e内を流通する各流体が漏出するのを防ぐのである。
【0014】
図3に示すように、前記ガスケット31の前記オゾン流通孔31dは、その周辺部も含めて、高耐オゾン性材料であるフッ素樹脂のうちのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)やテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)からなるフィルム35(厚さ:約50μm)で被覆されている。このフィルム35によるオゾン流通孔31dの被覆は、当該オゾン流通孔31dをその周辺部も含めてフィルム35で両面側から挾み、当該フィルム35を熱圧着することで容易に実現することができる。これにより、ガスケット31は、オゾンとの接触部分がフィルム35で被覆されるようになる。
【0015】
このようなオゾン発生装置によれば、エンドプレート32の給水口32bに原料水を供給すると、当該原料水がシール材21や各マニホールド22,23に形成された原料水流通路を含めてガスケット31の原料水流通路31cを流れ、各電解槽20の電解セル10に供給される。エンドプレート33の図示しない冷却水供給口に冷却水を供給し、シール材21や各マニホールド22,23に形成された冷却水流通路を含めてガスケット31の冷却液流通路31bに上記冷却水を流して電解槽20を所定の温度に保持すると共に、前記電源34で電解槽20に給電することにより、上記原料水が電解セル10で電解されて、陽極12から酸素やオゾンが発生し、陰極13から水素が発生する。
【0016】
発生した水素は、各電解槽20の陰極側マニホールド23で捕集され、シール材21や各マニホールド22,23に形成された水素流通路を含めてガスケット31の水素流通路31eを流れて、エンドプレート33の水素送出口33aから送り出される。
【0017】
一方、発生した酸素やオゾンは、各電解槽20の陽極側マニホールド22で捕集され、シール材21や各マニホールド22、23に形成されたオゾン流通路を含めてガスケット31のオゾン流通路31dを流通し、エンドプレート32のオゾン送出口32aから送り出される。
このオゾン送出の際、オゾンの流通するガスケット31のオゾン流通路31dは、耐オゾン性の高いフィルム35で被覆されているので、オゾン流通に伴うオゾン劣化をほとんど生じることがない。
また、ガスケット31は、弾性変形して各マニホールド22,23に密着しているので、各マニホールド22,23との間からオゾンや他の流体を漏出させてしまうことがない。
【0018】
従って、ガスケット31のオゾン流通路31dの劣化を防ぎながらガスケット31と各マニホールド22、23との密着性を高くすることができるので、当該装置の信頼性が大幅に向上し、保守・管理を容易化することができる。
また、比較的安価なEPDMでガスケット31を構成し、高価なPFAやFEPで形成されたフイルム35でガスケット31のオゾン流通路31dやその周辺部のみを被覆するようにしたので、コストを大幅に低減することができる。
【0019】
なお、上述した実施の形態では、ガスケット31にEPDMを用いたが、天然ゴム(NR)やスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などの他の汎用ゴム、アクリルゴム(ACM)やクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)などの特殊ゴムなどのような弾性材料を用いることもできる。しかしながら、EPDMを用いれば、性能やコストなどの点から最もバランスのよい結果を得ることができる。
【0020】
また、上述した実施の形態では、フィルム35にPFAやFEPを用いたが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの他のフッ素樹脂や他の高耐オゾン性材料を用いることもできる。しかしながら、PFAやFEPを用いれば、加工性などの点から最もバランスのよい結果を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によるオゾン発生装置では、ガスケットのオゾンとの接触部分のオゾンによる劣化を抑えながらガスケットと電解槽との密着性を高くすることができるので、信頼性が大幅に向上し、保守・管理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるオゾン発生装置の実施の形態の概略構造図である。
【図2】本発明によるオゾン発生装置の実施の形態のガスケットの正面図である。
【図3】本発明によるオゾン発生装置の実施の形態のガスケットの要部の抽出拡大断面図である。
【図4】従来のオゾン発生装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10 電解セル
20 電解槽
22 陽極側マニホールド
23 陰極側マニホールド
31 ガスケット
31d オゾン流通路
31f,31g シールビード
35 フィルム

Claims (3)

  1. 原料水を電解してオゾンを発生させる電解槽をガスケットを介して複数連結してなるオゾン発生装置であって、
    上記ガスケットが弾性材料からなると共に、
    高耐オゾン性材料からなるフィルムが上記ガスケットのオゾン流通孔をその周辺部も含めて両面側から挟んで熱圧着されることにより、当該ガスケットの上記オゾンとの接触部分を被覆している
    ことを特徴とするオゾン発生装置。
  2. 前記弾性材料が汎用ゴムであり、
    前記高オゾン性材料がフッ素樹脂である
    ことを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
  3. 前記汎用ゴムがエチレン−プロピレンゴム(EPDM)であり、
    前記フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)である
    ことを特徴とする請求項2に記載のオゾン発生装置。
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