JP4830378B2 - 燃料電池及び燃料電池製造方法 - Google Patents
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Description
前記所定の溶接ラインは、前記第1の供給口形成部または前記第1の排出口形成部のうち、少なくともいずれか一方を囲むように配置され、前記シールラインは、少なくとも、前記第2の供給口形成部と前記第2の排出口形成部とを、それぞれ囲むように配置された第1のシールラインと、当接する前記第1の電極プレート又は前記第2の電極プレートの有する、前記流体供給孔及び前記流体排出孔をいずれも囲むように配置された第2のシールラインと、を有し、前記所定の位置関係は、前記セパレータ及び前記膜電極複合体の積層方向と直交する射影面に対し前記シールラインを射影して得られるラインと、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインと、が互いに重ならないような位置関係であり、かつ、前記射影面に対し前記第1のシールラインを射影して得られるラインが、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインで囲まれた領域に包含されると共に、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインが、前記射影面に対し前記第2のシールラインを射影して得られるラインで囲まれた領域に包含されるような位置関係であることを要旨とする。
前記所定の溶接ラインは、前記第1の供給口形成部または前記第1の排出口形成部のうち、少なくともいずれか一方を囲むように配置され、前記シールラインは、少なくとも、前記第2の供給口形成部と前記第2の排出口形成部とを、それぞれ囲むように配置された第1のシールラインと、当接する前記第1の電極プレート又は前記第2の電極プレートの有する、前記流体供給孔及び前記流体排出孔をいずれも囲むように配置された第2のシールラインと、を有し、
前記所定の位置関係は、前記射影面に対し前記第1のシールラインを射影して得られるラインが、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインで囲まれた領域に包含されると共に、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインが、前記射影面に対し前記第2のシールラインを射影して得られるラインで囲まれた領域に包含されるような位置関係であってもよい。
A.実施例:
A1.燃料電池の構成:
A2.燃料電池の動作:
A3.比較例におけるシールライン及び溶接ラインの位置関係:
A4.本実施例におけるシールライン及び溶接ラインの位置関係:
A5.実施例の効果:
B.変形例:
A1.燃料電池の構成:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池の概要構成を示す説明図である。図1に示す燃料電池10は、複数の燃料電池モジュール20と、エンドプレート30と、テンションプレート31と、インシュレータ33と、ターミナル34と、を備えている。燃料電池10は、燃料電池モジュール20が、図1に示す積層方向に複数個積層された層状構造を有している。積層された燃料電池モジュール20は、インシュレータ33およびターミナル34を挟んで、2枚のエンドプレート30によって挟持される。そして、これらの2枚のエンドプレート30が、ボルト32によってテンションプレート31と結合することにより、各燃料電池モジュール20は、積層方向に所定の圧縮力で締結する。
燃料電池10に供給された燃料ガスとしての水素は、図3に示す燃料供給マニホールドを、図面上方から下方に流れる。一方、燃料電池10から排出される水素は、図4に示す燃料ガス排出マニホールドを図面下方から上方に流れる。
次に、本発明の特徴部分であるシールライン及び溶接ラインの位置関係を説明する前に、本実施例と対比するために、従来技術の比較例におけるシールライン及び溶接ラインの位置関係を説明する。
図10は、本発明の一実施例としてのシール一体型MEA21におけるシールラインを示す説明図である。図10に示す破線は、シール一体型MEA21のアノード対向プレート22と対向する面におけるシールラインを示す。なお、シール一体型MEA21の裏面(図示せざるカソード対向プレートと対向する面)にも同じ位置にシールラインが配置されている。
以上説明したように、本実施例の燃料電池では、シール一体型MEA21におけるシールライン及びアノード対向プレート22における溶接ラインの位置関係は、アノード対向プレートのMEA対向面に対してシールラインを射影して得られるラインと、アノード対向プレートのMEA対向面に対して溶接ラインを射影して得られるラインと、が互いに重ならないような位置関係としている。
なお、本発明は、前述の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形も可能である。
上述した実施例では、セパレータ25は、アノード対向プレート22,中間プレート23,カソード対向プレート24の合計3枚の金属プレートで構成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、2枚の金属プレートで構成されるもの、または、4枚以上の金属プレートで構成されるものであってもよい。複数の金属プレートを備え、各々の金属プレート間が溶接ラインで溶接される構成のセパレータであれば、本発明を適用することにより、このセパレータを備えた燃料電池において、燃料ガス,酸化剤ガス,冷却媒体が漏れるのを抑制することが可能となる。
上述した実施例におけるシール一体型MEA21において、シールラインは、図10に示す位置に配置されるものとしたが、これらの部分に加えて、従来におけるシールラインと同様に、MEA部50を囲む部分に配置するようにしてもよい。さらに、MEA部50を囲む部分の他にも、対向するプレートの対応ラインと重なる部分にも、加えて配置するようにしてもよい。
上述した実施例におけるセパレータ25では、溶接ラインは、図4に示す部分に配置する構成であるものとしたが、図4に示す部分に加えて、他の部分に溶接ラインを配置する構成であっても構わない。このような構成であっても、溶接ライン及びシールラインの位置関係を、アノード対向プレートのMEA対向面に対してシールラインを射影して得られるラインと、この面に対して溶接ラインを射影して得られるラインと、が互いに重ならないような位置関係にすれば、シールライン及び対応ラインが互いに重ないようにすることが可能となる。その結果、燃料ガスの漏れを抑制することができる。
上述した実施例における燃料電池は、膜電極複合体として、シール一体型MEAを用いる構成であったが、シール一体型MEAに代えて、シール部とは別体のMEAを用いる構成であってもよい。例えば、上記特許文献1に記載されている燃料電池のように、セパレータとMEAとの間にシール部材を介装するようにして積層することにより、MEAとシール部材とが一体となるような構成とすればよい。この場合、このシール部材におけるシールラインを、上述した実施例におけるシール部のシールラインと同様な位置に配置するようにすればよい。
20...燃料電池モジュール
30...エンドプレート
31...テンションプレート
32...ボルト
33...インシュレータ
34...ターミナル
210...水素タンク
220...シャットバルブ
230...調圧バルブ
240...循環ポンプ
250...配管
260...配管
310...エアポンプ
350...配管
360...配管
410...循環ポンプ
420...ラジエータ
450...配管
460...配管
21...シール一体型MEA
21a...アノード電極側拡散層
21b...カソード電極側拡散層
21c...電解質膜
22...アノード対向プレート
23...中間プレート
24...カソード対向プレート
25...セパレータ
211a,221a,231a,241a,...燃料ガス供給マニホールド形成部
211b,221b,231b,241b,...燃料ガス排出マニホールド形成部
212a,222a,232a,242a,...酸化剤ガス供給マニホールド形成部
212b,222b,232b,242b,...酸化剤ガス排出マニホールド形成部
213a,223a,243a...冷却媒体供給マニホールド
213b,223b,243b...冷却媒体排出マニホールド
225...燃料ガス供給孔
226...燃料ガス排出孔
DA...発電部
239...冷却媒体流路形成部
235...燃料ガス供給流路形成部
236...燃料ガス排出流路形成部
237...酸化剤ガス供給流路形成部
238...酸化剤ガス排出流路形成部
245...酸化剤ガス供給孔
246...酸化剤ガス排出孔
A1,A2,B1,B2,C1,C2...接着ライン
X1,X2,Y1,Y2,Z1,Z2,M,N...シールライン
A11,A21,B11,B21,C11,C21...対応ライン
P1,P2...点
q1〜q6...重なり部分
Claims (3)
- セパレータと膜電極複合体とが交互に積層された構成を有する燃料電池であって、
前記セパレータの前記膜電極複合体と対向する面に当接するシール部と、
前記膜電極複合体と前記セパレータとを厚さ方向に連通する、前記燃料電池に供給される所定の流体の供給口と、
前記膜電極複合体と前記セパレータとを厚さ方向に連通する、前記所定の流体の排出口と、
を備え、
前記セパレータは、前記膜電極複合体の第1の電極との対向面を有する金属製の第1の電極対向プレートと、前記膜電極複合体の第2の電極との対向面を有する金属製の第2の電極対向プレートと、前記第1の電極対向プレート及び前記第2の電極対向プレートに挟持される金属製の中間プレートと、を所定の溶接ラインに沿って溶接することにより構成されており、
前記シール部は、前記セパレータに当接することにより前記燃料電池に供給される前記所定の流体の漏れを抑制するように構成されたシールラインを有し、
前記シールライン及び前記所定の溶接ラインは、所定の位置関係となるように配置されており、
前記中間プレートは、厚さ方向に貫通し、前記供給口と連通する供給流路形成部と、厚さ方向に貫通し、前記排出口と連通する排出流路形成部と、を有し、
前記第1の電極対向プレート及び前記第2の電極対向プレートは、それぞれ、前記供給口の一部を形成する第1の供給口形成部と、前記排出口の一部を形成する第1の排出口形成部と、厚さ方向に貫通し、前記供給流路形成部と連通する流体供給孔と、厚さ方向に貫通し、前記排出流路形成部と連通する流体排出孔と、を有し、
前記膜電極複合体は、前記供給口の一部を形成する第2の供給口形成部と、前記排出口の一部を形成する第2の排出口形成部と、を有し、
前記所定の溶接ラインは、前記第1の供給口形成部または前記第1の排出口形成部のうち、少なくともいずれか一方を囲むように配置され、
前記シールラインは、少なくとも、
前記第2の供給口形成部と前記第2の排出口形成部とを、それぞれ囲むように配置された第1のシールラインと、
当接する前記第1の電極プレート又は前記第2の電極プレートの有する、前記流体供給孔及び前記流体排出孔をいずれも囲むように配置された第2のシールラインと、
を有し、
前記所定の位置関係は、前記セパレータ及び前記膜電極複合体の積層方向と直交する射影面に対し前記シールラインを射影して得られるラインと、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインと、が互いに重ならないような位置関係であり、かつ、前記射影面に対し前記第1のシールラインを射影して得られるラインが、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインで囲まれた領域に包含されると共に、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインが、前記射影面に対し前記第2のシールラインを射影して得られるラインで囲まれた領域に包含されるような位置関係であることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1に記載の燃料電池において、
前記第2のシールラインは、前記膜電極複合体の略縁部分において、前記膜電極複合体の外周に沿って配置されていることを特徴とする燃料電池。 - 複数の金属プレートを所定の溶接ラインに沿って溶接することにより構成されたセパレータと、前記セパレータに当接することにより燃料電池に供給される所定の流体の漏れを抑制するように構成されたシールラインが配置されたシール部を有する膜電極複合体と、前記膜電極複合体と前記セパレータとを厚さ方向に連通する前記所定の流体の供給口と、前記膜電極複合体と前記セパレータとを厚さ方向に連通する前記所定の流体の排出口と、を備える前記燃料電池を製造するための製造方法であって、
前記シールライン及び前記溶接ラインが所定の位置関係となるように、前記膜電極複合体と、前記セパレータと、を交互に積層する工程を備え、
前記複数の金属プレートは、前記膜電極複合体の第1の電極との対向面を有する第1の電極対向プレートと、前記膜電極複合体の第2の電極との対向面を有する第2の電極対向プレートと、前記第1の電極対向プレート及び前記第2の電極対向プレートに挟持される中間プレートと、から構成され、
前記中間プレートは、厚さ方向に貫通し、前記供給口と連通する供給流路形成部と、厚さ方向に貫通し、前記排出口と連通する排出流路形成部と、を有し、
前記第1の電極対向プレート及び前記第2の電極対向プレートは、それぞれ、前記供給口の一部を形成する第1の供給口形成部と、前記排出口の一部を形成する第1の排出口形成部と、厚さ方向に貫通し、前記供給流路形成部と連通する流体供給孔と、厚さ方向に貫通し、前記排出流路形成部と連通する流体排出孔と、を有し、
前記膜電極複合体は、前記供給口の一部を形成する第2の供給口形成部と、前記排出口の一部を形成する第2の排出口形成部と、を有し、
前記所定の溶接ラインは、前記第1の供給口形成部または前記第1の排出口形成部のうち、少なくともいずれか一方を囲むように配置され、
前記シールラインは、少なくとも、
前記第2の供給口形成部と前記第2の排出口形成部とを、それぞれ囲むように配置された第1のシールラインと、
当接する前記第1の電極プレート又は前記第2の電極プレートの有する、前記流体供給孔及び前記流体排出孔をいずれも囲むように配置された第2のシールラインと、
を有し、
前記所定の位置関係は、前記セパレータ及び前記膜電極複合体の積層方向と直交する射影面に対し前記シールラインを射影して得られるラインと、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインと、が互いに重ならないような位置関係であり、かつ、前記射影面に対し前記第1のシールラインを射影して得られるラインが、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインで囲まれた領域に包含されると共に、前記射影面に対し前記所定の溶接ラインを射影して得られるラインが、前記射影面に対し前記第2のシールラインを射影して得られるラインで囲まれた領域に包含されるような位置関係であることを特徴とする燃料電池製造方法。
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