JP5090081B2 - ガスバリア性を有するポリ乳酸樹脂製容器 - Google Patents

ガスバリア性を有するポリ乳酸樹脂製容器 Download PDF

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Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂製容器に関するものであり、特に生分解性であり、優れたガスバリア性を有するポリ乳酸樹脂製容器に関するものである。
PETボトルは容器革命と言われるほど世界中に普及し、醤油、食用水、飲料水、ライトドリンク、更にはビールにまで普及しており、市民生活や流通に大いに貢献している。なお、PETボトルを初めプラスティックの発展は人類の生活や産業活動への大きな貢献を行なっている一方で、近年石油資源の枯渇や地球規模の温暖化等の環境問題を引き起こす一要因としても注目されるようになってきている。
この問題の解決策の一つとして、再生可能な資源である植物資源からのプラスティックの開発が行なわれている。中でも、ポリ乳酸樹脂は、トウモロコシやジャガイモなどの再生可能な原料から得られる生分解性樹脂の一種で、優れた透明性と硬度を有し、現在食品用容器などに広く使用されているポリスチレンに似た物性を有する。
一方で、ポリ乳酸樹脂等の樹脂で容器を構成した場合、当該容器は、ガラス製の容器に比較して酸素ガスや炭酸ガスが透過しやすいことから、内容物の品質を維持できる期間、いわゆる、シェルライフが短くなることが懸念されている。これに対し、例えば、分解性のプラスティックからなる包装材料において、分解性のプラスティック層上に無機物質の薄膜層を形成し、ガスバリア性を付与したものが提案されている(特許文献1)。
特許第2917576号公報
近年、樹脂製の容器において、より長期にわたる内容物の品質の安定保持を実現すべく、ガスバリア性の更なる向上が求められており、ポリ乳酸樹脂のような生分解性の樹脂からなる容器の実用化にあたって、当該容器のガスバリア性の改善は重要課題の一つである。
そこで、本発明は、生分解性のポリ乳酸樹脂からなる容器において、ガスバリア性を向上させることを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、ポリL-乳酸からなる樹脂に、ペンタエリスリトールにD-乳酸を1〜100分子グラフト重合させた機能性フィラーを添加した樹脂で容器本体を構成し、該容器本体の内表面又は外表面の少なくとも一方に、ガスバリア性の薄膜を形成することによって、ガスバリア性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の容器は、容器本体の内表面又は外表面の少なくとも一方にガスバリア性の薄膜を備え、
前記容器本体がポリL-乳酸からなる樹脂に機能性フィラーを配合した樹脂からなり、
前記機能性フィラーが、ペンタエリスリトールにD-乳酸を1〜100分子グラフト重合させたものであることを特徴とする。
本発明の容器の好適例においては、前記ポリL-乳酸が60,000〜80,000の数平均分子量を有することを特徴とする。
本発明の容器の他の好適例においては、前記機能性フィラーにおいて、前記D-乳酸が30〜50分子グラフト重合されていることを特徴とする。
本発明の容器の他の好適例においては、ペンタエリスリトールにD-乳酸を50分子グラフト重合させたものであることを特徴とする。
本発明の容器の他の好適例においては、前記機能性フィラーの配合量が前記ポリL-乳酸に対して5〜20質量%であることを特徴とする。ここで、前記機能性フィラーの配合量が前記ポリL-乳酸に対して10質量%であることが好ましい。
本発明の容器の他の好適例においては、前記容器本体の内表面に前記ガスバリア性の薄膜を備えることを特徴とする。
本発明の容器の他の好適例においては、前記ガスバリア性の薄膜が、酸化珪素化合物、有機珪素化合物又はアモルファスカーボンから選択される物質からなることを特徴とする。
本発明によれば、生分解性であり、優れたガスバリア性を有するポリ乳酸樹脂からなる容器を提供することができるという有利な効果を奏する。
以下、本発明の容器について詳細に説明する。本発明の容器は、容器本体の内表面又は外表面の少なくとも一方にガスバリア性の薄膜を備え、前記容器本体がポリL-乳酸からなる樹脂に機能性フィラーを配合した樹脂からなり、前記機能性フィラーが、ペンタエリスリトールにD-乳酸を1〜100分子グラフト重合させたものであることを特徴とする。機能性フィラーを配合したポリL-乳酸からなる樹脂で容器本体を構成し、容器本体の内表面又は外表面の少なくとも一方にガスバリア性の薄膜を設けることによって、容器のガスバリア性を従来より向上させることができる。
本発明の容器において、上記容器本体は、前述したように、ポリL-乳酸からなる樹脂に機能性フィラーを配合した樹脂からなる。本発明においては、前記ポリL-乳酸が60,000〜80,000の数平均分子量を有することが好ましい。上記範囲の数平均分子量を有するポリL-乳酸を用いることによって、ボトルなどの中空成型品を好適に成形することが可能となる。ここで、ポリ乳酸からなる樹脂として、市販されているものを使用することができ、例えば、三井化学社製のレイシアH100、H440及びレイシアH400、NatureWorks社製のNatureWorks 7000D及び7032D等を使用することができるが特に限定されない。
本発明において、前記機能性フィラーは、ペンタエリスリトールにD-乳酸を1〜100分子グラフト重合させたものである。D-乳酸のグラフト重合量が1分子以下では、良好なガスバリア性が得られないおそれがあり、100分子以上では容器が不透明になる傾向がある。なお、良好なガスバリア性と容器の透明性の両立の観点から、前記機能性フィラーが、前記化合物にD-乳酸を30〜50分子グラフト重合させたものであることがより好ましく、50分子グラフト重合させたものであることが最も好ましい。
本発明において、前記機能性フィラーの配合量が前記ポリL-乳酸に対して5〜20質量%であることが好ましく、10質量%であることが特に好ましい。機能性フィラーの配合量が5%以下だと、充分なガスバリア性が得られないおそれがあり、30質量%以上だと、射出成形時の粘度が低くなり、二次成形の加工性に問題が生じるおそれがある。
本発明に係る容器本体は、まず上記ポリL-乳酸からなる樹脂に上記機能性フィラーを配合して得られた樹脂を、本技術分野において既知である押し出し成形、圧縮成形又は射出成形してプリフォームを製造し、当該プリフォームを金型内にてブロー成形して製造することができる。なお、ブロー成形法としては、2軸延伸ブロー成形法が好適に用いられるが、これに限るものではない。
また、容器本体を、上記機能性フィラーを配合したポリ-L乳酸からなる樹脂を1種もしくは2種以上用いて公知の方法で積層して形成してもよいし、1種もしくは2種以上の上記機能性フィラー配合ポリ-L乳酸樹脂と、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンービニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリオレフィンなど従来容器に用いられている樹脂の1種もしくは2種以上とを用いて積層して形成してもよい。さらに、2種以上の上記樹脂をブレンドして容器本体を形成してもよいし、1種もしくは2種以上の上記樹脂と、上記の従来容器に用いられている樹脂の1種もしくは2種以上とをブレンドして容器本体を形成してもよい。
次に、本発明の容器におけるガスバリア性の薄膜について詳細に説明する。本発明の容器において、ガスバリア性の薄膜は上記容器本体の内表面又は外表面の少なくとも一方に形成されている。ガスバリア性を更に向上させるという観点から、容器本体の内表面にガスバリア性の薄膜が形成されることが好ましい。また、容器本体の内表面又は外表面の少なくとも一方に単一の薄膜が形成されてもよいし、1種又は2種以上の薄膜が積層されていてもよい。
上記ガスバリア性の薄膜を構成する物質は、従来ガスバリア性を薄膜に付与することが知られている物質でよく、特に限定されないが、酸化珪素化合物、有機珪素化合物又はアモルファスカーボンから選択されることが好ましい。薄膜を構成する物質の種類を選択することによって、酸素、炭酸ガス、水蒸気等の様々なガスに対するバリア性を高めることが可能であり、また、バリア性を高めたいガスの種類に応じて薄膜を構成する化合物の種類を選択することも可能である。
まず、ガスバリア性の薄膜として酸化珪素化合物又は有機珪素化合物からなる薄膜を形成した場合について詳細に説明する。前記酸化珪素化合物からなる薄膜(以下、酸化珪素化合物薄膜と呼ぶ)にはSi−O結合をもつ化合物が主成分として存在し、他にも炭素、水素、珪素及び酸素の中から1種又は2種以上の元素からなる化合物が存在する。また、前記有機珪素化合物からなる薄膜(以下、有機珪素化合物薄膜と呼ぶ)には、炭素、水素、珪素及び酸素の中から1種又は2種以上の元素からなる化合物が主成分として存在する。
炭素、水素、珪素及び酸素の中から1種又は2種以上の元素からなる化合物としては、例えば、C−H結合をもつ化合物、Si−H結合をもつ化合物、C−O結合をもつ化合物、Si−C結合をもつ化合物、又は炭素単体がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状になっている場合、さらに原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を含む場合がある。
具体的に例を挙げるとメチル基等のアルキル基やメチレン基をもつハイドロカーボン、ヒドロキシル基やケトン基を含むヒドロキシカーボン、又は、シリル基、シリレン基をもつハイドロシリカ、さらに、シラノール等の水酸基をもつ誘導体がある。上記以外でも、原料ガスの組成、蒸着条件を変化させることにより、ガスバリア性薄膜に含有する化合物の種類、量を制御することができる。
上記酸化珪素化合物薄膜及び上記有機珪素化合物薄膜は、例えばCVD法、熱CVD法、プラズマCVD法等に代表される公知の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition, CVD)を用いて製造することができる。また、例えば反応性スパッタ法、イオンプレーティング法、アーク蒸着法、イオン蒸着法、プラズマイオン注入法等に代表される公知の物理気相成膜法(Physical Vapor Deposition:PVD)を用いて製造することもできる。ここで、形成される薄膜の厚さは、バリア性や膜の柔軟性の観点から10〜100nmであることが好ましい。
上記酸化珪素化合物薄膜及び上記有機珪素化合物薄膜の原料ガスとしては、シラン、アルキルシラン、ジアルキルシラン、トリアルキルシラン等のシラン類、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン等のアルコキシシラン類、テトラアルキルジシロキサン、ヘキサアルキルジシロキサン等のシロキサン類、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類等の他、それ自体公知の有機珪素化合物のガスが挙げられる。本発明においては、原料取り扱い時の安全性や原料価格の観点から、前記有機珪素化合物のガスとして、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を用いるのが好ましい。
前記原料ガスは単独で用いても、必要に応じて2種以上混合して用いてもよく、さらに酸素ガスを適切な割合で混合して用いることが好ましい。なお、原料ガス中の酸素の割合を高くすることによって、酸化珪素化合物薄膜を形成することができ、酸素の割合を低くすることによって、有機珪素化合物薄膜を形成することができる。なお、前記原料ガスとして炭素含有量の高い有機珪素化合物を用いるときには、炭素を二酸化炭素として除去するために、酸素ガスの混合割合を高くすることが好ましい。また、前記原料ガスは、アルゴン、ヘリウム等の希ガスで希釈して用いるようにしてもよい。
次に、ガスバリア性の薄膜としてアモルファスカーボンからなる薄膜を形成した場合について詳細に説明する。本発明において、アモルファスカーボンからなる薄膜(以下、アモルファスカーボン薄膜と呼ぶ)とは、ダイヤモンド成分(炭素原子の結合がSP3結合)とグラファイト成分(炭素原子の結合がSP2結合)、ポリマー成分(炭素原子の結合がSP1結合)が混在したアモルファス状の構造を有する炭素薄膜のことである。アモルファスカーボン薄膜は、それぞれの炭素原子の結合成分の存在比率の変化により硬度が変化し、硬質の炭素膜及び軟質の炭素薄膜を含むものをいう。また、前記硬質の炭素薄膜には、SP3結合を主体にしたアモルファスなDLC(Diamond Like Carbon)薄膜も含まれる。
上記アモルファスカーボン薄膜は、上記酸化珪素化合物薄膜の形成と同じく、公知の化学気相成長法(CVD法)及び物理気相成膜法(PVD法)を用いることができる。ここで、形成される薄膜の厚さは、バリア性や膜の柔軟性の観点から10〜100nmであることが好ましい。
アモルファスカーボンからなる薄膜の形成に用いる原料ガスとしては、アセチレン、エチレン、プロピレン等の脂肪族不飽和炭化水素化合物、メタン、エタン、プロパン等の脂肪族飽和炭化水素化合物、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物等の炭素含有化合物が挙げられる。前記原料ガスは、単独で用いても、必要に応じて2種以上混合して用いてもよく、被膜改質剤として少量の水素、有機ケイ素化合物、その他の被膜形成性有機化合物を併用してもよい。また、前記原料ガスは、アルゴン、ヘリウム等の希ガスで希釈して用いるようにしてもよい。
ガスバリア性に優れたアモルファスカーボン薄膜をより短時間で形成するという観点から、前記原料ガスが実質的にアセチレンであることが適しており、前記原料ガスの60容量%以上、好ましくは80容量%以上をアセチレンとするのが好ましい。なお、前記原料ガスが実質的にアセチレンからなる場合、該アセチレンは製造過程等で混入する不可避的な不純物を含んでいてもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ポリ乳酸樹脂(PLA)(三井化学社製レイシアH400)に、機能性フィラーとして4官能基を持つペンタエリスリトールにD-乳酸を50分子グラフト重合させたものを10質量%添加したものを射出成形して、プリフォームを作製した。得られたプリフォームを120℃の温度の金型内にてブロー成形することによって、180mL容量のブローボトルを作製した。
得られたボトルの内表面に、原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と酸素を用いて、高周波パルスを用いたプラズマCVDによって、36.6nmの膜厚のシリカ(SiO)蒸着膜を形成した。成膜条件は、RF出力が330W、成膜時間が14sec(0.1secパルス成膜)、成膜圧力が22Paであり、HMDSOのガス流量が5sccm、酸素のガス流量が20sccmである。ここで、「sccm」は、0℃、1気圧の状態で、1分間に流れるガス量(cc)である。
(実施例2)
ポリ乳酸樹脂(PLA)(三井化学社製レイシアH400)に変えて、ポリ乳酸樹脂(PLA)(三井化学社製レイシアH100)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、シリカ蒸着膜を容器内面に備えた180mL容量のブローボトルを作製した。
(実施例3)
ブロー成形用の金型温度を20℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、シリカ蒸着膜を容器内面に備えた180mL容量のブローボトルを作製した。
(比較例1)
機能性フィラーをPLAに添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、シリカ蒸着膜を容器内面に備えた180mL容量のブローボトルを作製した。
(比較例2)
シリカ蒸着膜を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、180mL容量のブローボトルを作製した。
(比較例3)
機能性フィラーをPLAに添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして、シリカ蒸着膜を容器内面に備えた180mL容量のブローボトルを作製した。
(比較例4)
機能性フィラーをPLAに添加しなかったこと以外は実施例3と同様にして、シリカ蒸着膜を容器内面に備えた180mL容量のブローボトルを作製した。
(従来例1)
機能性フィラーをPLAに添加しなかったこと、及びシリカ蒸着膜を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、180mL容量のブローボトルを作製した。
(従来例2)
機能性フィラーをPLAに添加しなかったこと、及びシリカ蒸着膜を形成しなかったこと以外は実施例2と同様にして、180mL容量のブローボトルを作製した。
(従来例3)
機能性フィラーをPLAに添加しなかったこと、及びシリカ蒸着膜を形成しなかったこと以外は実施例3と同様にして、180mL容量のブローボトルを作製した。
各実施例、比較例及び従来例のボトルについて、1日、1本当たりの酸素透過量(MOCON社製 OX−TRAN2/20 測定条件:酸素分圧21%、ボトル外側23℃−55%RH、ボトル内側23℃−90%RH)を測定し、フィラー無添加、被膜無しの従来例1〜3とそれぞれ比較したバリア性改良率(Barrier Improvement Factor, BIF)を下記式により算出した。結果を表1〜3に示す。
式:BIF=[従来例の酸素透過量]/[実施例及び比較例の酸素透過量]
Figure 0005090081
Figure 0005090081
Figure 0005090081
表1より、容器本体に機能性フィラーを添加したポリ乳酸樹脂を適用し、容器内面にシリカ蒸着膜を形成した実施例1は、機能性フィラーを添加していないポリ乳酸樹脂を適用し、シリカ蒸着膜を形成していない従来例1と比較して、ガスバリア性が大幅に改善した。
一方で、機能性フィラーを添加していないポリ乳酸樹脂を適用し、シリカ蒸着膜を形成した比較例1と、機能性フィラーを添加したポリ乳酸樹脂を適用し、シリカ蒸着膜を形成していない比較例2では、従来例1よりガスバリア性が若干改善されたものの、実施例1ほどの大幅な改善が見られなかった。
また、表2及び表3より、ポリ乳酸樹脂(PLA)(三井化学社製レイシアH400)に変えて、ポリ乳酸樹脂(PLA)(三井化学社製レイシアH100)を使用した場合、及びブロー成形用の金型温度を20℃に変更した場合においても、上記結果と同様の傾向が見られた。

Claims (8)

  1. 容器本体の内表面又は外表面の少なくとも一方にガスバリア性の薄膜を備え、
    前記容器本体がポリL-乳酸からなる樹脂に機能性フィラーを配合した樹脂からなり、
    前記機能性フィラーが、ペンタエリスリトールにD-乳酸を1〜100分子グラフト重合させたものであること
    を特徴とする容器。
  2. 前記ポリL-乳酸が60,000〜80,000の数平均分子量を有することを特徴とする請求項1記載の容器。
  3. 前記機能性フィラーにおいて、前記D-乳酸が30〜50分子グラフト重合されているこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の容器。
  4. 前記機能性フィラーが、ペンタエリスリトールにD-乳酸を50分子グラフト重合させたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の容器。
  5. 前記機能性フィラーの配合量が前記ポリL-乳酸に対して5〜20質量%であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器。
  6. 前記機能性フィラーの配合量が前記ポリL-乳酸に対して10質量%であることを特徴とする請求項5記載の容器。
  7. 前記容器本体の内表面に前記ガスバリア性の薄膜を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。
  8. 前記ガスバリア性の薄膜が、酸化珪素化合物、有機珪素化合物又はアモルファスカーボ
    ンから選択される物質からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器。
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