JP4936764B2 - Dlc膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルム及びその製造方法 - Google Patents

Dlc膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルム及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、生分解性プラスチックで形成されたプラスチック容器又はフィルムにDLC膜をコーティングすることによってガスバリア性を付与する技術に関する。
近年、環境に対する関心の高まりから、生分解性プラスチックであるポリ乳酸に注目が集まっている。そして、生分解性プラスチックで形成されたプラスチック容器の表面にDLC膜を成膜してガスバリア性を付与する技術の開示がある(例えば特許文献1又は2を参照。)。
特許文献1では、例えばポリ乳酸系のプラスチック容器の内表面にDLC膜を蒸着した容器の開示がある。
特許文献2では、アセチレンを原料ガスとして、プラズマ化学気相成長法により、例えばポリ乳酸系のプラスチック容器の内表面にカーボン膜、特に水素との結合を含むカーボン膜を0.03μm以上0.2μm以下の膜厚でコーティングした容器の開示がある。
特開2002−274521号公報 特開2005−14966号公報
しかし、特許文献1の表2を参照すると、PLA(ポリ乳酸)単体ボトルとDLC膜を成膜したPLAボトルとを比較したガスバリア性の改善率は、せいぜい1.7〜2.3倍であり、ガスバリア性は十分に向上したとはいいがたい。
また、特許文献2の図3を参照すると、ポリ乳酸単体ボトルと水素との結合を含むカーボン膜を成膜したポリ乳酸ボトルにおいて、水を充填したときの1ヶ月の重量減少の比較が示されている。ここで、水素との結合を含むカーボン膜を施すことで、水の重量減少が約二分の一に減少したとの結果が示されているが、同様にガスバリア性は十分に向上したとはいいがたい。
さらに、本発明者がポリ乳酸で形成された容器に、アセチレンを原料ガスとしてプラズマCVD法によりDLC膜をコーティングした結果、ポリ乳酸とDLC膜との密着性が実用に耐えるレベルではなく、指で触れた程度でDLC膜が剥がれてしまうことが判明した。なお、特許文献1及び2では、密着性についての検討はなされていないが、本発明者の結果から推測すると、ポリ乳酸とDLC膜との密着性は未だ実用レベルではないと考えられる。
一般に飲料容器の市場においては、ポリ乳酸を容器基材として使用する場合、ガスバリア性が通常のポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルと同程度か或いはそれ以上に向上されていることが目標とされる。そこで本発明者が、ポリ乳酸で形成された容器にDLC膜をコーティングすることによってガスバリア性と膜の密着性の両方を向上させることを目的として、ポリ乳酸で形成された容器に、アセチレン以外で原料ガスを種々変更し、例えばエチレン(二重結合性原料)、スチレンやトルエン(環状構造原料)、メタン(単結合性原料)を用いて成膜を行なった。しかし、数秒間のプラズマ処理を施すだけでは、いずれの原料を用いても通常の未コートPETボトルに匹敵するガスバリア性が得られないことがわかった。
密着性とガスバリア性が十分でない理由として、二重結合又は三重結合を有する原料ガスを用いてプラズマCVD法によりポリ乳酸で形成された容器の表面上に薄膜を形成すると、ポリ乳酸の切断反応が優勢となるためと推測された。
一方、単結合のみを有する単結合性化合物の原料であるメタンは、膜の密着性が得られたが、成膜速度が遅く、且つ、ガスバリア性の向上が不十分であることが判明した。
本発明は、DLC膜又は珪素含有DLC膜を表面に成膜した生分解プラスチックで形成された容器又はフィルムについて、ガスバリア性が未コートPETボトル又は未コートPETフィルムと同等若しくはそれ以上であり、且つ、膜の密着性を実用レベルまで向上させることが可能なそれらの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のような、ガスバリア性が未コートPETボトル又は未コートPETフィルムと同等若しくはそれ以上であり、且つ、膜の密着性を実用レベルまで向上させたDLC膜コーティング生分解プラスチック容器又はフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究開発したところ、生分解性プラスチックの表面に密着層となる中間膜を単結合のみを有する化合物を原料としてプラズマCVD法で形成してから、ガスバリア性が得られる二重結合性化合物の原料や三重結合性化合物の原料を用いてDLC膜を形成することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法は、炭素を主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、厚さが0.5〜2.92nmで炭素を主な構成元素とする中間膜を成膜する工程と、アセチレン系炭化水素、エチレン系炭化水素又は芳香族炭化水素或いは二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素の少なくともいずれか一種を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、前記中間膜の上に、DLC膜又は珪素含有DLC膜を成膜する工程と、を有することを特徴とする。また、本発明に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法は、アルミニウムを主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、厚さが0.5〜20nmでアルミニウムを主な構成元素とする中間膜を成膜する工程と、アセチレン系炭化水素、エチレン系炭化水素又は芳香族炭化水素或いは二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素の少なくともいずれか一種を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、前記中間膜の上に、DLC膜又は珪素含有DLC膜を成膜する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法では、前記生分解性プラスチックとしてポリ乳酸を使用する場合が含まれる。ポリ乳酸は、生分解性プラスチックの中でも、(1)比較的低価格で、(2)ボトル等に成形することができ、(3)植物由来の原料で製造できる、など利点が多い。
本発明に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法では、前記生分解性プラスチックとしてポリ乳酸を使用し、前記中間膜を成膜する工程において前記原料としてメタンガスを使用し、且つ、前記中間膜の膜厚を1.2〜1.8nmとすることが好ましい。密着性とガスバリア性がバランスよく両立できる。
本発明に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムは、生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、DLC膜又は珪素含有DLC膜が成膜されたDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムにおいて、前記DLC膜又は前記珪素含有DLC膜が、条件1のJISK5400の碁盤目テープ法によって過半数のます目に剥離が観察されない密着強度を有し、前記生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面と前記DLC膜又は前記珪素含有DLC膜の間に、炭素を主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、厚さが0.5〜2.92nmで炭素及び水素を主な構成元素とする中間膜を設けていることを特徴とする。
条件1:切り傷の隙間は1mm、ます目の数は100。
本発明に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムでは、前記生分解性プラスチックがポリ乳酸であることが含まれる。ポリ乳酸は、生分解性プラスチックの中でも、(1)比較的低価格で、(2)ボトル等に成形することができ、(3)植物由来の原料で製造できる、など利点が多い。
本発明では、DLC膜又は珪素含有DLC膜を表面に成膜した生分解プラスチックで形成された容器又はフィルムについて、ガスバリア性が未コートPETボトル又は未コートPETフィルムと同等若しくはそれ以上であり、且つ、膜の密着性を実用レベルまで向上させることができた。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。
まず、本実施形態で使用するDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器の成膜装置を簡単に説明する。図1にプラスチック容器の内壁面にDLC膜をコーティングする成膜装置の一形態を示す概略図を示した。図1に示す成膜装置は、例えば特許文献3で記載された成膜装置において、2種類の原料ガスを真空チャンバー6内に送ることができる構成としたものである。すなわち、図1の成膜装置は、真空チャンバー6を構成部品である外部電極3と、内部電極9と、第1原料ガス供給手段18aと、第2原料ガス供給手段18bと、マッチングボックス12と、高周波電源13と、排気ポンプ20を具備する。
特開平8−53117号公報
外部電極3は、導電性の蓋部5及び絶縁部4とともに真空チャンバー6を構成する。蓋部5の下には絶縁部4が配置されており、この絶縁部4の下には外部電極3が配置されている。この外部電極3は、上部外部電極2と下部外部電極1からなる。それぞれの間には適宜Oリング8が配置され、真空チャンバー6を密封することができる。
外部電極3の内部には空間が形成されており、コーティング対象の生分解性プラスチックで成形された容器7が収容される。絶縁部4及び蓋部5には、外部電極3の空間につながる開口部が設けられており、蓋部5の内部の空間40は上記開口部を介して外部電極3内の空間につながっている。
マッチングボックス12は、下部外部電極1に接続され、さらにマッチングボックス12は高周波電源(RF電源)13に接続されている。
高周波電源13は、原料ガスをプラズマ化するためのエネルギーである高周波を発生させるものである。高周波電源の周波数は、100kHz〜1000MHzであるが、例えば、工業用周波数である13.56MHzのものを使用する。
内部電極9は、外部電極3内に配置され、かつ容器7の内部に配置される。内部電極9は、その内部が中空の管形状を有している。内部電極9の先端には原料ガスのガス吹き出し口9aが設けられている。なお、内部電極9は接地される。
第1原料ガス供給手段18aは、配管16aを介して容器7の内部に第1原料ガス発生源17aから供給される第1原料ガスを真空チャンバー6まで導入する。一方、第2原料ガス供給手段18bは、配管16bを介して容器7の内部に第2原料ガス発生源17bから供給される第2原料ガスを真空チャンバー6まで導入する。第1原料ガスと第2原料ガスは切り換えて真空チャンバー6内に供給できるように配管が組まれている。
次に生分解性プラスチックフィルムにDLC膜をコーティングする場合には、例えば、特許文献4で示された機具を使用して成膜を行なう。
特許第3176558号公報
本実施形態に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器の製造方法について、図1の成膜装置を用いて説明する。なお、本実施形態に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチックフィルムの製造方法については、図1の成膜装置とは異なるフィルム蒸着用の製膜装置を用いることとなるが、工程は共通するため、生分解性プラスチック容器に成膜を行なう場合を例として説明する。容器としては、例えば炭酸飲料や発泡飲料等を充填するワンウェイ若しくはリターナブルで使用可能な飲料用容器、食品容器がある。フィルムとしては、例えば包装用途で加工されて使用されるフィルムがある。
本実施形態に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器の製造方法は、炭素を主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、厚さが0.5〜2.92nmで炭素を主な構成元素とする中間膜を成膜する工程と、アセチレン系炭化水素、エチレン系炭化水素又は芳香族炭化水素或いは二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素の少なくともいずれか一種を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、前記中間膜の上に、DLC膜又は珪素含有DLC膜を成膜する工程と、を有する。また、他形態としては、アルミニウムを主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、厚さが0.5〜20nmでアルミニウムを主な構成元素とする中間膜を成膜する工程と、アセチレン系炭化水素、エチレン系炭化水素又は芳香族炭化水素或いは二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素の少なくともいずれか一種を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、前記中間膜の上に、DLC膜又は珪素含有DLC膜を成膜する工程と、を有する。以下、工程の順に具体的に説明する。
(ガス置換工程)
まず、真空バルブ25a,25bと不図示の真空バルブを開いて真空チャンバー6内を大気開放する。次に、下部外部電極1と上部外部電極2とを分解して、真空チャンバー6内の空間に容器7を設置し、真空チャンバー6を密閉する。
本実施形態では、容器7又はフィルム(不図示)として生分解性プラスチック製の容器又はフィルムを使用する。生分解性プラスチックとは、生体内で,あるいは微生物の作用により分解される高分子であり、加水分解により、水、二酸化炭素、メタンなどに分解される。天然系高分子と合成系高分子とがある。天然系高分子の例としては,コラーゲン、デンプンなどのタンパク質や多糖類、合成系高分子の例としてはポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエチレンスクシナートなどの脂肪族ポリエステルがあげられる。本実施形態では、特に、耐水性、経済性の観点からポリ乳酸(PLA)が好ましい。
次に真空バルブ25a,25bと不図示の真空バルブを閉じた後、真空バルブ19を開き、排気ポンプ20を作動させ、真空チャンバー6を真空とする。このときの真空チャンバー6内の圧力は1.33〜13.3Paである。
(中間膜の成膜工程)
次に排気を継続させつつ、第1原料ガス供給手段18aにより第1原料ガスを供給し、内部電極9を通してガス吹き出し口9aから吹き出させる。これにより、第1原料ガスが容器7内に導入される。容器7内を第1原料ガスで置換しつつ、容器7内を中間膜の成膜圧力、例えば6.6〜66Pa程度に調整する。
本実施形態において、中間膜の原料ガスである第1原料ガスは、炭素、珪素又はアルミニウムを主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を主として含み、該化合物を単体で原料ガスとして使用しても良い。
炭素を主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物は、例えば、メタン系炭化水素である。メタン系炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタンがある。他にメタノール、アセトン等の炭素・水素以外の元素を含む炭化水素も、炭素二重結合又は炭素三重結合のいずれかを含まない限り、本発明の炭化水素に含まれる。
また、炭素と珪素を主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物は、すなわち単結合性の珪素含有炭化水素であり、例えば、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、アミノシラン等の有機シラン化合物、又は、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)等の有機シロキサン化合物である。
また、珪素を主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物は、すなわち単結合性の珪素化合物であり、例えば、シランや四塩化珪素等のアルキル基を持たない化合物である。
また、アルミニウムを主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物は、すなわち単結合性のアルミニウム化合物であり、例えば塩化アルミニウムがある。
また、炭素とアルミニウムを主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物は、すなわち単結合性のアルミニウム含有炭化水素であり、R−Al、R−Al−X、R−Al−X (Rはアルキル基など、Xは水素、ハロゲン、アルコキシ、アミド基など)等の有機アルミニウム化合物がある。例えば、トリアルキルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムは、ジアルキルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ‐n‐ブチルアルミニウムである。また、(RO)−Al、(RO)−Al−R’、(RO)−Al−R’の構造を有していても良く、例えばジメチルイソプロピルアルミニウムを用いても良い。
第1原料ガスは、メタン系炭化水素、単結合性の珪素化合物、単結合性の珪素含有炭化水素、単結合性のアルミニウム化合物、単結合性のアルミニウム含有炭化水素をそれぞれ単独で、或いはこれらを2種以上で混合して、或いは不活性ガスで希釈して使用する。例えば、メタン系炭化水素の原料に対してシランや四塩化珪素等のアルキル基を持たない化合物を適宜添加して、珪素含有DLC膜を中間膜としても良い。
次に、外部電極3にマッチングボックス12を介して高周波電源13からRF出力(例えば13.56MHz、300〜1200W)を供給し、真空チャンバー6内で第1原料ガスをプラズマ化させる。これによって、容器7の内表面に中間膜が成膜される。成膜時間は0.1〜5秒程度である。そして、第1原料ガスの供給を終了する。引き続き、次の工程に進み、DLC膜又は珪素含有DLC膜を成膜する場合には、RF出力を供給したままでも良い。
中間膜は第1原料ガスの成分によって組成が決まり、炭素又はアルミニウムの少なくともいずれか一種を主な構成元素とし、例えば、DLC膜、珪素含有DLC膜であり、或いはAlO (但し、0.75≦x≦1.5、以降、単にAlOと表記する)等を主成分とする金属酸化物膜である。中間膜には炭素原子、酸素原子や窒素原子が主成分とは別に含まれていても良い。なお、主成分とは、水素原子を除いた構成原子の半数以上を占めている成分をいうものとし、金属酸化物を主成分とする中間膜の場合、例えば、酸素と珪素の合計原子数が、炭素や窒素の合計原子数よりも多い場合をいう。中間膜の膜厚は、例えばアセチレンプラズマがポリ乳酸基板と直接反応できない厚さであれば十分であり、0.5〜20nmである。中間膜がDLC膜又は珪素含有DLC膜である場合には、好ましくは0.5〜1.8nmとする。生分解性プラスチック、特にポリ乳酸の表面に、二重結合若しくは三重結合を有する原料を使用してプラズマCVDにより成膜を行なうと、切断反応が生じて、膜の密着性が得られないと推察される。本発明者は、単結合のみで構成元素が結合した原料を使用することで、この切断反応を抑制することができ、結果として、膜の密着性が得られたと推測している。しかし、その一方で、単結合のみで構成元素が結合した原料を使用すると成膜速度が低く、ガスバリア性が得られる膜厚に達するまでは時間がかかることがわかった。そこで、生分解性プラスチック、特にポリ乳酸の表面に、まず、密着層となる中間膜を成膜し、次にガスバリア性を付与することを主目的とするガスバリア層として、DLC膜若しくは珪素含有DLC膜を成膜することとした。したがって、中間膜の膜厚が0.5nm未満であると、ガスバリア層となるDLC膜若しくは珪素含有DLC膜の密着性が得られず、20nmを超えると全体の成膜時間が長くなる。中間膜の膜厚は、第1原料ガスとしてメタンを使用する場合には、1.2〜1.8nmが好ましく、このとき、特に容器又はフィルムに高いガスバリア性を付与することができる。
(DLC膜又は珪素含有DLC膜の成膜工程)
引き続き、第2原料ガス供給手段18bにより第2原料ガスを供給し、内部電極9を通してガス吹き出し口9aから吹き出させる。これにより、第2原料ガスが容器7内に導入される。容器7内を第2原料ガスで置換しつつ、容器7内を例えば6.6〜66Pa程度の成膜圧力に調整する。
本実施形態において、DLC膜又は珪素含有DLC膜の原料ガスである第2原料ガスは、アセチレン系炭化水素、エチレン系炭化水素又は芳香族炭化水素或いは二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素の少なくともいずれか一種を主として含む原料とする。
アセチレン系炭化水素としては、例えばアセチレン、メチルアセチレン又はエチルアセチレンがある。エチレン系炭化水素としては、例えばエチレン、プロピレン、ブチレンがある。芳香族炭化水素としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンがある。二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素としては、例えばフェニルシラン、フェニルトリメトキシシラン等の有機シラン化合物がある。
第2原料ガスは、アセチレン系炭化水素、エチレン系炭化水素又は芳香族炭化水素或いは二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素をそれぞれ単独で、或いはこれらを2種以上で混合して、或いは不活性ガスで希釈して使用する。なお、アセチレン系炭化水素の原料に対してシランや四塩化珪素等のアルキル基を持たない化合物を適宜添加して、珪素含有DLC膜としても良い。
次に、外部電極3にマッチングボックス12を介して高周波電源13からRF出力(例えば13.56MHz、300〜1200W)を供給し、真空チャンバー6内で第2原料ガス、例えばアセチレンをプラズマ化させる。第2原料ガス導入後にRF出力の供給を開始しても良いし、中間膜の成膜工程から引き続きRF出力を供給していても良い。プラズマCVD法によって、中間膜の上に、DLC膜又は珪素含有DLC膜が成膜される。成膜時間は1〜5秒程度である。そして、第2原料ガスの供給を終了すると共に、RF出力の供給を終了する。
本発明では原料ガスをプラズマ化させる手段として高周波電源のみならず、マイクロ波電源を用いても良い。マイクロ波として例えば、2.45GHzを供給する。
DLC膜又は珪素含有DLC膜の成膜工程は第2原料ガスの成分によって組成が決まる。DLC膜又は珪素含有DLC膜には、酸素原子や窒素原子が含まれていても良い。DLC膜とは、iカーボン膜又は水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H) と呼ばれる膜のことであり、硬質炭素膜、ポリマーライクカーボンも含む水素含有率が0〜67%の炭素膜をいう。またDLC膜はアモルファス状の炭素膜であり、SP結合も有する。DLC膜又は珪素含有DLC膜の膜厚は7〜100nmが好ましい。7nmよりも薄いとガスバリア性が不十分となる場合がある。一方、膜厚が100nmよりも厚くても良いが、マイクロクラックが生じる場合があり、また、得られるガスバリア性との関係から100nm以下とすることが好ましい。DLC膜又は珪素含有DLC膜は、生分解性プラスチック、特にポリ乳酸の表面に中間膜を設けた後に成膜されているので、アセチレン等の二重結合又は三重結合を有する化合物系のプラズマに晒されるのは中間膜となるため、生分解性プラスチックに対して切断反応を生じさせることが少なく、膜の密着性が良好となる。また、二重結合若しくは三重結合を有する第2原料ガスは、成膜速度が速いため、ガスバリア性が得られる膜厚にするまで時間がかからないので、生産性が高い。
(成膜終了)
次に、高周波電源13からのRF出力を停止し、真空バルブ25bを閉じて第2原料ガスの供給を停止する。真空チャンバー6内を大気開放し、容器7を取り出す。
本実施形態に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法によって、次のような容器が得られる。すなわち、生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、DLC膜又は珪素含有DLC膜が成膜されたDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムにおいて、DLC膜又は珪素含有DLC膜が、条件1のJISK5400の碁盤目テープ法によって過半数のます目に剥離が観察されない密着強度を有する容器である。
条件1:切り傷の隙間は1mm、ます目の数は100。
また、本実施形態に係るDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムは、同一形状の容器又はフィルムで比較した場合、未コートPET容器又は未コートPETフィルムと同等のガスバリア性を有している。
厚さが200μmのポリ乳酸フィルムを用いて、その一方の表面にまずプラズマCVD法により中間膜を成膜し、次にプラズマCVD法によりDLC膜を成膜することとした。
(評価方法)
(1)酸素透過度
このフィルムの酸素透過度は、Modern Control社製 Oxtran
2/20を用いて、23℃、90%RHの条件にて測定し、測定開始から20時間後の測定値を記載した。
(2)膜厚
膜厚は、Veeco社DEKTAK3を用いて測定した。
(3)密着試験
DLC膜が、条件1のJISK5400の碁盤目テープ法によって剥離が生じるか否かの試験を行なった。切り傷によって100分割し、テープにより剥がれなかった個数の割合として評価した。剥がれなかった個数の割合が高いほど密着性が良好である。
条件1:切り傷の隙間は1mm、ます目の数は100。
(実験1)
第1原料ガスとしてメタンガスをガス流量60sccmで使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は2秒とした。中間膜の膜厚は1.14nmであった。次に、第2原料ガスとしてアセチレンをガス流量80sccmで使用した。高周波出力を1000WとしてDLC膜を成膜した。このときの成膜時間は2秒とした。中間膜を含む膜全体の厚さは、20nmであった。酸素透過度は43.36cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は56%であった。中間膜の膜厚と酸素透過度との関係を図2に示した。中間膜の膜厚と密着試験により剥がれなかった割合との関係を図3に示した。
(実験2)
第1原料ガスとしてメタンガスをガス流量80sccmで使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は2秒とした。中間膜の膜厚は1.22nmであった。次に、実験1と同条件でDLC膜を中間膜の上に成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは、20nmであった。酸素透過度は36.53cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は55%であった。中間膜の膜厚と酸素透過度との関係を図2に示した。中間膜の膜厚と密着試験により剥がれなかった割合との関係を図3に示した。
(実験3)
第1原料ガスとしてメタンガスをガス流量120sccmで使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は1秒とした。中間膜の膜厚は0.73nmであった。次に、実験1と同条件でDLC膜を中間膜の上に成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは、20nmであった。酸素透過度は51.60cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は51%であった。中間膜の膜厚と酸素透過度との関係を図2に示した。中間膜の膜厚と密着試験により剥がれなかった割合との関係を図3に示した。
(実験4)
第1原料ガスとしてメタンガスをガス流量120sccmで使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は2秒とした。中間膜の膜厚は1.46nmであった。次に、実験1と同条件でDLC膜を中間膜の上に成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは、21nmであった。酸素透過度は28.96cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は60%であった。中間膜の膜厚と酸素透過度との関係を図2に示した。中間膜の膜厚と密着試験により剥がれなかった割合との関係を図3に示した。
(実験5)
第1原料ガスとしてメタンガスをガス流量120sccmで使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は3秒とした。中間膜の膜厚は2.19nmであった。次に、実験1と同条件でDLC膜を中間膜の上に成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは、21nmであった。酸素透過度は46.93cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は58%であった。中間膜の膜厚と酸素透過度との関係を図2に示した。中間膜の膜厚と密着試験により剥がれなかった割合との関係を図3に示した。
(実験6)
第1原料ガスとしてメタンガスをガス流量120sccmで使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は4秒とした。中間膜の膜厚は2.92nmであった。次に、実験1と同条件でDLC膜を中間膜の上に成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは、22nmであった。酸素透過度は45.74cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は61%であった。中間膜の膜厚と酸素透過度との関係を図2に示した。中間膜の膜厚と密着試験により剥がれなかった割合との関係を図3に示した。
(比較例1)
未コートのポリ乳酸フィルムの酸素透過度は100.38cc/m/日であった。この結果を図2にあわせて載せた。
(参考例1)
厚さが200μmの未コートのPETフィルムの酸素透過度は13.34cc/m/日であった。この結果を図2にあわせて載せた。
(比較例2)
中間膜を成膜せずに、実験1と同条件でポリ乳酸フィルム上に直接DLC膜を成膜した。酸素透過度は82.78cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は0%であった。中間膜の膜厚と酸素透過度との関係を図2に示した。
図3を参照すると、メタンガスを原料とした中間膜を設けることにより、アセチレンガスを原料としたDLC膜を直接ポリ乳酸フィルムに成膜した場合と比較して、密着性が極めて向上することがわかった。さらに図2を参照すると、中間膜を設けた場合であっても、中間膜の膜厚が1.2〜1.8nmの範囲では酸素透過度がそれ以外の膜厚範囲と比較して小さく、ガスバリア性がさらに良いことがわかった。
(実験7)
第一原料ガスとしてメタノールガスを使用して、成膜時間を1.5秒とした以外は、実験1と同条件でDLC膜を成膜した。酸素透過率は、47.91cc/m/日で、密着試験により剥がれなかった割合は59%であった。炭化水素部分に炭素二重結合または炭素三重結合を含まない構成であれば、酸化等の元素が含まれる化合物でもメタン同様に中間膜として機能することが示された。
(実験8(参考例)
第1原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と酸素1:1の混合ガスをガス流量120sccmで使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は2秒間とした。SiOを主成分とする中間膜の膜厚は20nmであった。次に、実験1と同条件でDLC膜を中間膜の上に成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは、42nmであった。酸素透過度は23.92cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は100%であった。SiOを主成分とする中間膜を成膜した場合でも、ガスバリア性と密着性が共に高いことが確認された。

(比較例3)
実験8と同じ条件でSiOを主成分とする中間膜を成膜した。さらにメタンガスをガス流量120sccmで使用し、高周波出力を600WとしてDLC膜を成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは21nmであった。酸素透過度は95.22cc/m/日であった。密着試験により剥がれなかった割合は100%であった。SiOを主成分とする中間膜の単体を成膜した場合は、密着性はあったが、メタンガスによるDLC膜とあわせて、ガスバリア性は得られなかった。
(実験9)
第1原料ガスとしてジメチルイソプロピルアルミニウムを窒素ガスでバブリングして得られたガスと酸素を混合したガスを合計120sccmとして使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は2秒間とした。AlOを主成分とする中間膜の膜厚は10nmであった。次に、実験1と同条件でDLC膜を中間膜の上に成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは、42nmであった。酸素透過度は31.16cc/m/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は100%であった。AlOを主成分とする中間膜を成膜した場合でも、ガスバリア性と密着性が共に高いことが確認された。
(比較例4)
実験9と同じ条件でAlOを主成分とする中間膜を成膜した。さらにメタンガスをガス流量120sccmで使用し、高周波出力を600WとしてDLC膜を成膜した。中間膜を含む膜全体の厚さは11nmであった。酸素透過度は96.33cc/m/日であった。密着試験により剥がれなかった割合は100%であった。AlOを主成分とする中間膜の単体を成膜した場合は、密着性はあったが、メタンガスによるDLC膜とあわせて、ガスバリア性は得られなかった。
図1に示した成膜装置を用いて各種プラスチック製の容器の内表面に成膜を行なった。例えば、プラスチック容器として、容量500ml、容器の高さ205mm、容器胴部径65mm、口部開口部内径21.74mm、口部開口部外径24.94mm、容器胴部肉厚0.25mm、樹脂量24.7g/本のポリ乳酸容器を使用した。また、これと同一形状のPET容器も使用した。
(実験10)
第1原料ガスとしてメタンガスをガス流量120sccmで使用し、高周波出力を600Wとして中間膜を成膜した。このときの成膜時間は2秒とした。中間膜の膜厚は1.14nmであった。次に、第2原料ガスとしてアセチレンをガス流量80sccmで使用した。高周波出力を1000WとしてDLC膜を成膜した。このときの成膜時間は2秒とした。中間膜を含む膜全体の厚さは、20nmであった。酸素透過度は0.034cc/容器/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は72%であった。ガスバリア性と密着性が両方とも良好であった。
(実験11)
中間膜を成膜しなかった以外は実験10と同様にして成膜を行なった。DLC膜の厚さは、20nmであった。酸素透過度は0.047cc/容器/日であった。密着試験により、剥がれなかった割合は3%であった。実験9と比較して、ガスバリア性がやや劣り、また、密着性はほとんど得られなかった。
なお、未コートポリ乳酸容器の酸素透過度は、0.395cc/容器/日であった。また、未コートPET容器の酸素透過度は、0.0499cc/容器/日であった。実験10の容器は、DLC膜を成膜する前に中間膜を成膜することで、酸素透過度を約12分の1まで低減されており、未コートPET容器よりも低い酸素透過度を有していた。
プラスチック容器の内壁面にDLC膜をコーティングする成膜装置の一形態を示す概略図である。 中間膜の膜厚と酸素透過度との関係を示すグラフである。 中間膜の膜厚と密着試験における剥がれなかった割合との関係を示すグラフである。
符号の説明
1,下部外部電極
2,上部外部電極
3,外部電極
4,絶縁部
5,蓋部
6,真空チャンバー
7,容器
8,Oリング
9,内部電極
9a,ガス吹き出し口
12,マッチングボックス
13,高周波電源
19,25a,25b,真空バルブ
20,排気ポンプ
16a,16b,配管
17a,第1原料ガス発生源
17b,第2原料ガス発生源
18a,第1原料ガス供給手段
18b,第2原料ガス供給手段
40,空間


Claims (6)

  1. 炭素を主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、厚さが0.5〜2.92nmで炭素を主な構成元素とする中間膜を成膜する工程と、
    アセチレン系炭化水素、エチレン系炭化水素又は芳香族炭化水素或いは二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素の少なくともいずれか一種を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、前記中間膜の上に、DLC膜又は珪素含有DLC膜を成膜する工程と、を有することを特徴とするDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法。
  2. アルミニウムを主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、厚さが0.5〜20nmでアルミニウムを主な構成元素とする中間膜を成膜する工程と、
    アセチレン系炭化水素、エチレン系炭化水素又は芳香族炭化水素或いは二重結合若しくは三重結合を有する珪素含有炭化水素の少なくともいずれか一種を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、前記中間膜の上に、DLC膜又は珪素含有DLC膜を成膜する工程と、を有することを特徴とするDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法。
  3. 前記生分解性プラスチックとしてポリ乳酸を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載のDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法。
  4. 前記生分解性プラスチックとしてポリ乳酸を使用し、前記中間膜を成膜する工程において前記原料としてメタンガスを使用し、且つ、前記中間膜の膜厚を1.2〜1.8nmとすることを特徴とする請求項1に記載のDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムの製造方法。
  5. 生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面に、DLC膜又は珪素含有DLC膜が成膜されたDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルムにおいて、
    前記DLC膜又は前記珪素含有DLC膜が、条件1のJISK5400の碁盤目テープ法によって過半数のます目に剥離が観察されない密着強度を有し、
    前記生分解性プラスチックで形成された容器又はフィルムの表面と前記DLC膜又は前記珪素含有DLC膜の間に、炭素を主な構成元素とし、単結合により構成元素が結合している化合物を含む原料を使用して、プラズマCVD法によって、厚さが0.5〜2.92nmで炭素及び水素を主な構成元素とする中間膜を設けていることを特徴とするDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルム。
    条件1:切り傷の隙間は1mm、ます目の数は100。
  6. 前記生分解性プラスチックがポリ乳酸であることを特徴とする請求項に記載のDLC膜コーティング生分解性プラスチック容器又はフィルム。
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