JP2003095272A - プラスチック製容器 - Google Patents

プラスチック製容器

Info

Publication number
JP2003095272A
JP2003095272A JP2001282480A JP2001282480A JP2003095272A JP 2003095272 A JP2003095272 A JP 2003095272A JP 2001282480 A JP2001282480 A JP 2001282480A JP 2001282480 A JP2001282480 A JP 2001282480A JP 2003095272 A JP2003095272 A JP 2003095272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic container
thin film
gas
gas barrier
barrier thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001282480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5273760B2 (ja
Inventor
Kazuhisa Nakai
和久 中井
Koichi Mikami
浩一 三上
Mie Ota
美恵 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2001282480A priority Critical patent/JP5273760B2/ja
Publication of JP2003095272A publication Critical patent/JP2003095272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5273760B2 publication Critical patent/JP5273760B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック製容器本体の内面の全面に、酸
化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を
形成するも、そのガスバリア性薄膜にクラック等の発生
はなく、酸素ガス、水蒸気、炭酸ガス等の透過を阻止す
るガスバリア性に極めて優れたプラスチック製容器を提
供することである。 【解決手段】 プラスチック製容器本体の内面の全面
に、無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を設けた
ことを特徴とするプラスチック製容器に関するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック製容
器に関し、更に詳しくは、容器本体の内面の全面に、無
機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を有し、酸素ガ
ス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れたプ
ラスチック製容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の物品を充填包装する包装用
容器の一つとして、射出成形、押出成形、ブロ−成形等
の成形法によって成形される種々の形態からなるプラス
チック製容器がある。このものは、ガラス製容器と比較
して、軽量である、割れにくい、安価である、製造が容
易であり、かつ、大量生産が可能である、取扱が簡便で
ある、その他等の種々の利点を有し、今日、種々の物品
を充填包装する包装用容器として、必要不可欠なものと
して、多方面に使用されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
プラスチック製容器においては、種々の利点を有するも
のの、いくつかの欠点があり、その一つとして、酸素ガ
ス、水蒸気、炭酸ガス等のガス透過性が高いという問題
点がある。例えば、ポリエステル系樹脂、あるいは、ポ
リオレフィン系樹脂による延伸ブロ−成形容器は、大気
中のガスが成形容器内に浸入、また、内容物中の成分が
容器外に放出され、内容物の品質等に大きな影響を与
え、その品質を変質、改質し、あるいは、劣化させ、ま
た、そのシェルフライフの低下等を引き起こすという問
題点がある。また、上記のプラスチック製容器において
は、プラスチック組成中に含まれる可塑剤、安定剤、そ
の他の添加剤、あるいは、残留モノマ−等が溶出し、上
記と同様に、これが、内容物の品質等に影響を与え、そ
の品質を変質、改質させ、もはや、その用をなさないと
いうことになり兼ねないものである。
【0004】ところで、プラスチック製容器における上
記のような問題点を改良するものとして、例えば、プラ
スチック製容器の表面に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、
あるいは、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂等
のガスバリア性樹脂を含むバリア性樹脂組成物をコ−テ
ィングしてガスバリア性樹脂膜を形成したプラスチック
製容器、あるいは、プラスチック製容器本体の表面及び
/又は内面に、酸化珪素薄膜をプラズマCVD法により
形成してなることを特徴とするプラスチック製容器(実
開平5−35660号公報、特開2000−43875
号公報、特開2000−117881号公報等)等が提
案されている。しかしながら、上記のガスバリア性樹脂
膜を形成したプラスチック製容器において、例えば、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂によるガスバリア性樹脂膜を形
成したプラスチック製容器の場合には、酸素ガス、水蒸
気、炭酸ガス等の透過を阻止するガスバリア性におい
て、所期の効果を有するものではあるが、包装用容器と
して使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例え
ば、焼却処理等により廃棄処理すると、塩素原子を含有
していることから、焼却廃棄時に、例えば、ダイオキシ
ン等の有毒ガス等を発生する原因となり、人体等への影
響が懸念されるために、廃棄処理適性に欠けると共に環
境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるとい
う問題点がある。また、上記のガスバリア性樹脂膜を形
成したプラスチック製容器において、例えば、エチレン
−ビニルアルコ−ル共重合体によるガスバリア性樹脂膜
を形成したプラスチック製容器の場合には、絶乾状態に
おいては、酸素ガス、水蒸気、炭酸ガス等の透過を阻止
するガスバリア性において、所期の効果を有するもの
の、湿潤状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を
阻止するガスバリア性は、著しく低下し、もはや、その
使用に耐え得ないものであるという問題点がある。更
に、上記のプラスチック製容器本体の表面及び/又は内
面に、酸化珪素薄膜をプラズマCVD法により形成して
なることを特徴とするプラスチック製容器においては、
プラスチック製容器本体自身は、例えば、成形時、ある
いは、内容物の充填時等において膨張および収縮性を有
するものであり、他方、酸化珪素薄膜自体は、無機質
で、ガラス質のものであり、更に、柔軟性、可撓性等に
欠けるものであることから、上記のプラスチック製容器
本体の膨張および収縮等の変化に対し酸化珪素薄膜がそ
の追随性に欠け、酸化珪素薄膜に極めて簡単にクラック
等を発生し、而して、酸化珪素薄膜にクラック等が発生
すると、もはや、ガスバリア性の機能は喪失し、包装用
容器として使用することができないものである。また、
上記のプラスチック製容器本体の表面側に、酸化珪素薄
膜をプラズマCVD法により形成してなるプラスチック
製容器においては、その内面側に酸化珪素薄膜を有して
いないことから、依然として、プラスチック製容器にお
いて、プラスチック組成中に含まれる可塑剤、安定剤、
その他の添加剤、あるいは、残留モノマ−等が溶出し、
これが、内容物の品質等に影響を与え、その品質を変
質、改質させ、もはや、その用をなさないということに
なり兼ねないものであるという問題点を何ら解決し得て
いないものである。そこで本発明は、プラスチック製容
器本体の内面の全面に、酸化珪素等の無機酸化物を主体
とするガスバリア性薄膜を形成するも、そのガスバリア
性薄膜にクラック等の発生はなく、酸素ガス、水蒸気、
炭酸ガス等の透過を阻止するガスバリア性に極めて優れ
たプラスチック製容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、プラスチッ
ク製容器における上記のような問題点を解決すべく種々
研究の結果、無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜
に着目し、まず、プラスチック製容器本体の内面の全面
に、例えば、低温プラズマ化学気相成長法等を用いて、
酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜
を形成してプラスチック製容器を製造し、次いで、該プ
ラスチック製容器の中に、飲食品、その他等の種々の物
品を充填包装して包装製品を製造したところ、容器とし
ての強度等を有し、かつ、耐熱性、透明性、その他等の
諸物性に優れていることは勿論のこと、プラスチック製
容器本体の膨張および収縮等の変化に対し酸化珪素等の
無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜が、その追随
性を有し、該酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガス
バリア性薄膜にクラック等の発生は認められず、特に、
酸素ガス、水蒸気、炭酸ガス等の透過を阻止するガスバ
リア性に極めて優れて、内容物の充填包装適性、保存適
性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に
有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適
性等に極めて優れたプラスチック製容器を製造し得るこ
とを見出して本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、プラスチック製容器
本体の内面の全面に、無機酸化物を主体とするガスバリ
ア性薄膜を設けたことを特徴とするプラスチック製容器
に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記の本発明にかかるプラスチッ
ク製容器について、その構成、製造法等を以下に図面等
を用いて更に詳しく説明する。まず、図1は、本発明に
かかるプラスチック製容器についてそれを製造するため
の横型の低温プラズマ化学気相成長装置の1例を例示す
る概略的構成図であり、図2は、図1に示す横型の低温
プラズマ化学気相成長装置を使用して製造した本発明に
かかるプラスチック製容器についてその層構成の1例を
例示する概略的断面図である。
【0008】まず、本発明にかかるプラスチック製容器
について、それを製造するための製造装置を例示する
と、図1は、横型の低温プラズマ化学気相成長装置の1
例を例示する概略的構成図である。上記の横型の低温プ
ラズマ化学気相成長装置は、図1に示すように、基盤1
0に絶縁板11が取り付けられている。更に、上記の絶
縁板11に外部電極12が取り付けられている。而し
て、上記の外部電極12は、ガスバリア性薄膜を形成す
るための真空チャンバ−を兼ねているものであり、プラ
スチック製容器本体20を収容するために、該プラスチ
ック製容器本体1よりやや大きめの相似形の空間からな
る反応槽が形成されている。而して、上記の外部電極1
2は、本体部12aと、矢印Pで示す横方向に移動可能
であり、更に、上記の本体部12aに着脱自在に取り付
けられ、かつ、本体部12aを密閉する機能を有する蓋
体12bとから構成されるものである。更に、上記の外
部電極12には、整合器13を介して高周波電源14が
接続されている。なお、上記の外部電極12には、排気
管15が連設され、更に、図示しないが、該排気管15
に真空ポンプが連設され、矢印P1 に示すように、その
真空ポンプによって外部電極12の空間からなる反応槽
内の空気が排気されるようになっている。
【0009】他方、内部電極16が、上記の外部電極1
2の空間からなる反応槽の中心部に位置するように配置
されている。而して、上記の内部電極16は、その外形
がプラスチック製容器本体1の口部1aから挿入可能で
あり、かつ、該プラスチック製容器本体1の内部形状と
ほぼ相似形に形成されているものである。また、上記の
内部電極16と外部電極12との間隔は、ガスバリア性
薄膜をプラスチック製容器本体1の内面の全面に均一に
形成させるために、あらゆる位置において、ほぼ等間隔
で均一に保たれるよう配置されていることが望ましいも
のである。更に、上記の内部電極16には、原料ガス供
給管17が連設され、更に、該原料供給管17には、矢
印P2 に示すように、有機珪素化合物等の蒸着用モノ
マ−ガス、酸素ガス、不活性ガス、その他等を使用して
調製した蒸着用原料ガス組成物が供給されるものであ
る。更にまた、上記の内部電極16には、原料ガス吹き
出し孔16aが配設され、而して、その原料ガス供給管
17から蒸着用原料ガス組成物が供給されると、内部電
極16に配設されている原料ガス吹き出し孔16aから
蒸着用原料ガス組成物が吹き出される。なお、上記の原
料ガス吹き出し孔16aは、吹き出した蒸着用原料ガス
組成物を均一に拡散させるために、内部電極16に複数
個形成されていることが望ましいものであり、また、上
記の内部電極16は、原料ガス供給管17を介してア−
スされているものである。
【0010】次に、上記の図1に示す横型の低温プラズ
マ化学気相成長装置を使用して、本発明にかかるプラス
チック製容器を製造する方法について説明すると、ま
ず、外部電極12を構成する蓋体12bを矢印Pで示す
方向にスライドさせ、空間からなる反応槽内に、プラス
チック製容器本体1を挿入し、次いで、蓋体12bを矢
印Pで示す方向と逆にスライドさせて空間からなる反応
槽内にプラスチック製容器本体1を装着する。次に、図
示しないが、排気管15に連設している真空ポンプによ
り、反応槽内をプラズマ発生可能な圧力になるまで排気
し、真空度を上昇させる。次いで、プラスチック製容器
本体1内に、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等の
不活性ガスを原料ガス供給管17から供給し、更に、外
部電極12と内部電極16との電極間に高周波電力を印
加しプラズマを発生させ、そのプラズマによりプラズマ
化した上記の不活性ガスを原料ガス吹き出し孔16aか
ら吹き出させることにより、プラスチック製容器本体1
の内面の全面を前処理としてのプラズマ処理によるエッ
チングを行い、プラスチック製容器本体1の内面の全面
にプラズマ処理による微細な凹凸を形成し、その表面積
を多くしたプラズマ処理面を形成する。次に、再度、排
気管15に連設している真空ポンプにより、反応槽内を
プラズマ発生可能な圧力になるまで、排気して、上記と
同様に真空度を上昇させる。次いで、プラスチック製容
器本体1内に、原料ガス供給管17から、有機珪素化合
物等の蒸着用モノマ−ガス、酸素ガス、不活性ガス、そ
の他等を使用して調製した蒸着用原料ガス組成物を適当
な流量で供給し、更に、外部電極12と内部電極16と
の電極間に高周波電力を印加しプラズマを発生させ、そ
のプラズマによりプラズマ化した上記の蒸着用原料ガス
組成物からなる原料ガスを吹き出し孔16aから吹き出
させてプラスチック製容器本体1の内面の全面に反応蒸
着させて、酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバ
リア製薄膜を蒸着させて形成する。上記のガスバリア性
薄膜を形成するに十分な時間を保持した後、原料ガス供
給管17から蒸着用原料ガス組成物の供給を停止し、次
いで、反応槽に大気を導入し、しかる後、図2に示すよ
うに、プラスチック製容器本体1の内面の全面に、反応
蒸着させて、酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガス
バリア性薄膜2を形成したプラスチック製容器を取り出
して、本発明にかかるプラスチック製容器Aを製造する
ことができるものである。
【0011】上記において、真空チャンバ−を構成する
反応槽内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10-1
〜1×10-8Torr位、好ましくは、真空度1×10
-3〜1×10-7Torr位に調製することが望ましいも
のである。また、原料である有機珪素化合物等の蒸着用
モノマ−ガスは、原料揮発供給装置等を用いて揮発さ
せ、また、他のガス供給装置から供給される酸素ガス、
不活性ガス等と混合して蒸着用原料ガス組成物を調製
し、而して、この蒸着用原料ガス組成物が、原料ガス供
給管を介して真空チャンバ−を構成する反応槽内に導入
されるものである。この場合、蒸着用原料ガス組成物中
の有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスの含有量は、
1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、
不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とするこ
とが望ましく、例えば、有機珪素化合物等の蒸着用モノ
マ−ガスと酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:
5〜1:17:14程度とすることが望ましいものであ
る。一方、外部電極と内部電極との間には、電源から所
定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−を構成
する反応槽内の内部電極に設けた原料ガス吹き出し孔1
6aの開口部の近傍でグロ−放電プラズマが生成され、
このグロ−放電プラズマは、蒸着用原料ガス組成物中の
1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状
態において、グロ−放電プラブマによって、プラスチッ
ク製容器本体の内面の全面に、酸化珪素等の無機酸化物
を主体とするガスバリア性薄膜を形成することができる
ものである。なお、このときの真空チャンバ−を構成す
る反応槽内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Tor
r位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2To
rr位に調製することが望ましく、また、ガスバリア性
薄膜を形成する処理時間としては、1〜300秒間位、
好ましくは、3〜20秒間位に調製することが望ましい
ものである。
【0012】また、上記の低温プラズマ化学気相成長装
置において、酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガス
バリア性薄膜の形成は、プラスチック製容器本体の内面
の全面に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化し
ながらSiOX の形で薄膜状に形成されるので、当該形
成される酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリ
ア製薄膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続
層となるものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物
を主体とするガスバリア性薄膜のバリア性は、従来の真
空蒸着法等によって形成される酸化珪素等の無機酸化物
を主体とするガスバリア製薄膜と比較してはるかに高い
ものとなり、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることがで
きるものである。また、本発明においては、SiOX
ラズマによりプラスチック製容器本体の内面の表面が、
清浄化され、プラスチック製容器本体の内面の表面に、
極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される
酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜
とプラスチック製容器本体の内面の表面との密接着性が
高いものとなるという利点を有するものである。更に、
上記のように酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガス
バリア性薄膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×1
-4Torr位、好ましくは、1×10 -1〜1×10-3
Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法によ
り酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄
膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5To
rr位に比較して低真空度であることから、プラスチッ
ク製容器本体の交換時の真空状態設定時間を短くするこ
とができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定
するものである。
【0013】本発明において、有機珪素化合物等の蒸着
モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素等の無機酸
化物を主体とするガスバリア性薄膜は、有機珪素化合物
等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等とが化学反応し、そ
の反応生成物が、プラスチック製容器本体の内面の全面
に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するも
のであり、通常、一般式SiOX (ただし、Xは、0〜
2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状
の薄膜である。而して、上記の酸化珪素を主体とするガ
スバリア性薄膜としては、透明性、バリア性等の点か
ら、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の
数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする
薄膜であることが好ましいものである。上記において、
Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラ
ズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの
値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が
黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
【0014】また、上記の酸化珪素を主体とするガスバ
リア性薄膜は、少なくとも、珪素原子、酸素原子、およ
び、炭素原子が、化学結合して含有する酸化珪素を主体
とするガスバリア性薄膜からなるものである。更に詳し
くは、上記の酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜
は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、
珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元
素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等によ
り含有する連続薄膜からなることを特徴とするものであ
る。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合
を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、
ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更
に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合
等によって含有する場合があるものである。具体例を挙
げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3
シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH
2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることがで
きる。上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させるこ
とにより、酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜中に
含有される化合物の種類、量等を変化させることができ
る。而して、上記の化合物が、酸化珪素を主体とするガ
スバリア性薄膜中に含有する含有量としては、0.1〜
50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいもので
ある。上記において、含有率が、0.1%未満である
と、酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜の耐衝撃
性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとによ
り、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いガスバリア
性を安定して維持することが困難になり、また、50%
を越えると、バリア性が低下して好ましくないものであ
る。
【0015】更に、本発明においては、酸化珪素を主体
とするガスバリア性薄膜において、上記の化合物の含有
量が、酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜の表面か
ら深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これ
により、酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜の表面
においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高めら
れ、他方、プラスチック性容器本体の内面の表面との界
面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、
プラスチック性容器本体の内面の表面と酸化珪素を主体
とするガスバリア性薄膜との密接着性が強固なものとな
るという利点を有するものである。また、本発明におい
て、上記の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜
は、少なくとも、珪素原子、酸素原子、および、炭素原
子が、化学結合し、更に、炭素原子量が、珪素原子量1
00に対し80〜130%の割合で含有する酸化珪素を
主体とするガスバリア性薄膜からなるものである。更に
は、本発明において、上記の無機酸化物を主体とするガ
スバリア性薄膜は、少なくとも、珪素原子、酸素原子、
および、炭素原子が、化学結合し、更に、炭素原子量
が、珪素原子量100に対し80〜130%の割合で含
有し、かつ、プラスチック製容器本体の成形直後の容器
本体表面積の収縮率3%から該容器本体内に内容物充填
直後の容器本体表面積の膨張率5%の膨張および収縮に
追随し得る酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜から
なるものである。
【0016】而して、本発明において、上記の酸化珪素
を主体とするガスバリア性薄膜について、例えば、X線
光電子分光装置(Xray Photoelectro
nSpectroscopy、XPS)、二次イオン質
量分析装置(Secondary Ion Mass
Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装
置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析
する方法を利用して、酸化珪素を主体とするガスバリア
性薄膜の元素分析を行うことより、上記のような物性を
確認することができる。また、本発明において、上記の
酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜の膜厚として
は、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、
具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位
が望ましく、而して、上記において、1000Å、更に
は、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が
発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更
には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏するこ
とが困難になることから好ましくないものである。上記
のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光
X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、
ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができ
る。また、上記において、上記の酸化珪素を主体とする
ガスバリア性薄膜の膜厚を変更する手段としては、酸化
珪素を主体とするガスバリア性薄膜の体積速度を大きく
すること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多く
する方法や蒸着する時間を多くする方法等によって行う
ことができる。
【0017】次に、上記において、酸化珪素等の無機酸
化物を主体とするガスバリア性薄膜を形成する有機珪素
化合物等の蒸着用モノマ−ガスとしては、例えば、1.
1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチル
ジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメ
チルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジ
メチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プ
ロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン、その他等を使用することができる。本
発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、
1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、
ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用すること
が、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、
特に、好ましい原料である。また、上記において、不活
性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス
等を使用することができる。更に、本発明において、上
記のような有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、酸
素ガス、不活性ガス等を使用して調製した蒸着用原料ガ
ス組成物においては、その他、例えば、炭素原子を供給
する供給源として、例えば、メタンガス、プロパンガ
ス、二酸化炭素、アセチレンガス、その他等の炭素ガス
を添加することもできるものであり、而して、これらを
添加することにより、無機酸化物を主体とするガスバリ
ア性薄膜に柔軟性を付与することができるという利点を
有するものである。
【0018】ところで、上記のような図1に示す横型の
低温プラズマ化学気相成長装置を使用して製造した本発
明にかかるプラスチック製容器Aは、図2に示すよう
に、プラスチック製容器本体1の内面の全面に、無機酸
化物を主体とするガスバリア性薄膜2を設けた層構成か
らなるものである。
【0019】次にまた、本発明にかかるプラスチック製
容器を構成するプラスチック製容器本体としては、例え
ば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリアクリルまたはポリメタクリル
系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリカ−ボ
ネ−ト系樹脂、ポリエステル系樹脂またはリサイクルポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタ−ル
系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし2種以上を成形樹
脂原料として使用し、これを、例えば、押出成形、射出
成形、ブロ−成形、キャスト成形、熱成形、その他等の
成形法を用いて成形してなるカップ状、ボトル状、碗
状、その他等の形態からなる成形容器を使用することが
できる。而して、本発明においては、本発明にかかるプ
ラスチック製容器を構成するプラスチック製容器本体と
しては、液体飲料、調味料、酒、ビ−ル、その他等の液
状物を充填包装するに適しているポリエステル系樹脂に
よるブロ−成形容器、あるいは、ポリエチレン系樹脂あ
るいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂
によるブロ−成形容器等を使用することが望ましいもの
である。
【0020】
【実施例】次に、上記の本発明について具体例を挙げて
更に詳しく説明する。 実施例1 ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂を成形原料として使用
し、まず、常法に従って、これを押出成形してパリソン
を成形し、次いで、該パリソンをブロ−成形して、大き
さ500mlのポリエチレンテレフタレ−ト樹脂製ブロ
−ボトルを製造した。次に、上記で製造したポリエチレ
ンテレフタレ−ト樹脂製ブロ−ボトルを図1に示す横型
の低温プラズマ化学気相成長装置に装着し、次いで、反
応槽およびブロ−ボトル内を真空ポンプにより、真空度
0.05torr(6.5pa)まで下げた。次に、ブ
ロ−ボトル内面の前処理として、不活性ガスであるアル
ゴンガスを使用し、これを供給し、更に、プラズマを発
生させて、約20秒間保持した。この前処理を行うこと
により、ブロ−ボトル内面の表面が凹凸状を呈すると共
に基材の水分含有率が低下した。次に、再度、真空ポン
プにより、反応槽とブロ−ボトル内部を真空度0.05
torrまで減圧させ、かつ、電極に13.56MH
z、500Wの高周波電力を印加し、次いで、ヘキサメ
チルジシロキサン:酸素ガス:アルゴンガス=1:3:
3(単位、slm)からなる原料ガス組成物を、ガス流
量を35ml/minに調整しながら供給した。次い
で、原料ガスのプラズマを発生させながら、そのプラズ
マ発生の状態で約30秒間保持して、ブロ−ボトルの内
面に、厚さ500Åの酸化珪素を主体とするガスバリア
性薄膜を形成して、本発明にかかるプラスチック製容器
を製造することができた。
【0021】実施例2〜9 下記に示す製膜化条件により、上記の実施例1と同様に
して、上記の実施例1と同様に、本発明にかかるプラス
チック製容器を製造することができた。 実施例2 (製膜化条件) ・原料ガス組成物;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:アルゴンガス:メタンガス=1:3:3:2(sl
m) ・高周波出力;13.56MHz、600W ・原料ガス流量;35ml/min ・製膜圧力;0.050torr ・膜厚;500Å
【0022】実施例3 (製膜化条件) ・原料ガス組成物;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:アルゴンガス:二酸化炭素=1:3:3:2(sl
m) ・高周波出力;13.56MHz、450W ・原料ガス流量;35ml/min ・製膜圧力;0.050torr ・膜厚;500Å
【0023】実施例4 (製膜化条件) ・原料ガス組成物;テトラメトキシシラン:酸素ガス:
アルゴンガス:メタンガス=1:3:3:2(slm) ・高周波出力;13.56MHz、350W ・原料ガス流量;35ml/min ・製膜圧力;0.050torr ・膜厚;500Å
【0024】実施例5 (製膜化条件) ・原料ガス組成物;テトラメトキシシラン:酸素ガス:
アルゴンガス:二酸化炭素=1:3:3:2(slm) ・高周波出力;13.56MHz、330W ・原料ガス流量;35ml/min ・製膜圧力;0.050torr ・膜厚;500Å
【0025】実施例6 (製膜化条件) ・原料ガス組成物;テトラメトキシシラン:酸素ガス:
アルゴンガス:アセチレンガス=1:3:3:2(sl
m) ・高周波出力;13.56MHz、330W ・原料ガス流量;35ml/min ・製膜圧力;0.050torr ・膜厚;500Å
【0026】実施例7 (製膜化条件) ・原料ガス組成物;テトラエトキシシラン:酸素ガス:
アルゴンガス=1:3:3(slm) ・高周波出力;13.56MHz、300W ・原料ガス流量;35ml/min ・製膜圧力;0.050torr ・膜厚;500Å
【0027】実施例8 (製膜化条件) ・原料ガス組成物;テトラエトキシシラン:酸素ガス:
アルゴンガス:メタンガス=1:3:3:2(slm) ・高周波出力;13.56MHz、330W ・原料ガス流量;35ml/min ・製膜圧力;0.050torr ・膜厚;500Å
【0028】実施例9 (製膜化条件) ・原料ガス組成物;テトラエトキシシラン:酸素ガス:
アルゴンガス:二酸化炭素=1:3:3:2(slm) ・高周波出力;13.56MHz、330W ・原料ガス流量;35ml/min ・製膜圧力;0.050torr ・膜厚;500Å
【0029】比較例1(実開平5−35660号公報に
よる実施例) ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂を成形原料として使用
し、まず、常法に従って、これを押出成形してパリソン
を成形し、次いで、該パリソンをブロ−成形して、大き
さ500mlのポリエチレンテレフタレ−ト樹脂製ブロ
−ボトルを製造した。次に、上記で製造したポリエチレ
ンテレフタレ−ト樹脂製ブロ−ボトルに温度60℃、反
応室圧力10-2 Torrで担体ガスにアルゴンガスを
使用して1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
(TMDSO)をプラズマCVDにより酸化ケイ素槽と
して蒸着形成して、プラスチック製容器を製造した。
【0030】比較例2(未蒸着ブロ−ボトルの例) ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂を成形原料として使用
し、まず、常法に従って、これを押出成形してパリソン
を成形し、次いで、該パリソンをブロ−成形して、大き
さ500mlのポリエチレンテレフタレ−ト樹脂製ブロ
−ボトルを製造した。
【0031】実験例 上記の実施例1〜9、および、比較例1〜2で製造した
プラスチック製容器について、(1).酸化珪素を主体
とするガスバリア性薄膜中のSi原子量100に対する
炭素原子量を測定し、また、(2).プラスチック製容
器の酸素透過度と炭酸ガス透過度とを測定した。 (1).酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜中のS
i原子量100に対する炭素原子量を測定 これは、ESCA(Electron Spectro
scopy forChemical Analysi
s)法に基づいた表面分析を行うことにより測定した。
具体的には、株式会社島津製作所製、X線光電子分析装
置(機種名、ESCA−850型)を用いて測定した。 (2).酸素透過度の測定 これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、
モコン(M0CON)社製の測定機〔機種名、オクスト
ラン(OXTRAN)〕にて測定した。 (3).炭酸ガス透過度の測定 これは、室温条件下において、米国、モコン(M0CO
N)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMA
TRAN−C200)〕にて測定した。上記の測定結果
について、下記の表1に示す。
【0032】 上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/p
kg・atm・day〕であり、また、炭酸ガス透過度
の単位は、〔cc/pkg・atm・day〕である。
また、上記の表1において、ブランクボトルとは、ボト
ル成形直後に、ボトル内面に無機酸化物を主体とするガ
スバリア性薄膜を設けた直後のボトルを意味し、その表
面積が407cm2 であった。更に、上記の表1にお
いて、3%収縮ボトルとは、ボトル成形直後に、ボトル
内面に無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を設け
た後、内容物が充填されるまでの間のボトルを意味し、
通常、ボトル成形直後、ボトルには内部応力が残留しこ
のため、ボトルは、必ず、収縮するものであり、その収
縮したボトルを意味し、その表面積が394cm2
あり、約3%のボトル収縮がみられた。また、上記の表
1において、5%膨張ボトルとは、ボトルに内容物を充
填したとき、ボトルは、必ず、自重で膨張するものであ
り、特に、内容物が、炭酸飲料の場合は、その傾向が、
顕著に現れ、その膨張したボトルを意味し、その表面積
は、427cm2 であり、約5%のボトル膨張がみら
れた。
【0033】上記の表1に示す結果より明らかなよう
に、本発明にかかるプラスチック製容器は、容器の膨
張、収縮にも追従し、ガスバリア性薄膜のクラック等の
発生を抑え、ガスバリア性を損なわないものであるのに
対し、比較例にかかるそれは、ガスバリア性に劣るもの
であった。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜に着目
し、まず、プラスチック製容器本体の内面の全面に、例
えば、低温プラズマ化学気相成長法等を用いて、酸化珪
素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を形成
してプラスチック製容器を製造し、次いで、該プラスチ
ック製容器の中に、飲食品、その他等の種々の物品を充
填包装して包装製品を製造して、容器としての強度等を
有し、かつ、耐熱性、透明性、その他等の諸物性に優れ
ていることは勿論のこと、プラスチック製容器本体の膨
張および収縮等の変化に対し酸化珪素等の無機酸化物を
主体とするガスバリア性薄膜が、その追随性を有し、該
酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜
にクラック等の発生は認められず、特に、酸素ガス、水
蒸気、炭酸ガス等の透過を阻止するガスバリア性に極め
て優れて、内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、
更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を
発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて
優れたプラスチック製容器を製造し得ることができると
いうものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプラスチック製容器についてそ
れを製造するための横型の低温プラズマ化学気相成長装
置の1例を例示する概略的構成図である。
【図2】図1に示す横型の低温プラズマ化学気相成長装
置を使用して製造した本発明にかかるプラスチック製容
器についてその層構成の1例を例示する概略的断面図で
ある。
【符号の説明】
A プラスチック製容器 1 プラスチック製容器本体 2 無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 美恵 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3E062 AA09 AB02 AC02 JA07 JB24 JC04 JD01 4F006 AA12 AA35 AB74 AB76 BA05 CA07 4F100 AA01B AA20A AK01A AK03A AK41A AK42 AR00B BA02 DA01 EH17 EH171 EH66 EH662 EJ61 EJ612 GB16 JD02 JD02B JD03 JD04 JM02B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製容器本体の内面の全面
    に、無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を設けた
    ことを特徴とするプラスチック製容器。
  2. 【請求項2】 プラスチック製容器本体が、ポリエステ
    ル系樹脂によるブロ−成形容器からなることを特徴とす
    る上記の請求項1に記載するプラスチック製容器。
  3. 【請求項3】 プラスチック製容器本体が、ポリオレフ
    ィン系樹脂によるブロ−成形容器からなることを特徴と
    する上記の請求項1に記載するプラスチック製容器。
  4. 【請求項4】 無機酸化物を主体とするガスバリア性薄
    膜が、化学気相成長法による無機酸化物を主体とするガ
    スバリア性薄膜からなることを特徴とする上記の請求項
    1〜3のいずれか1項に記載するプラスチック製容器。
  5. 【請求項5】 無機酸化物を主体とするガスバリア性薄
    膜が、化学気相成長法による酸化珪素を主体とするガス
    バリア性薄膜からなることを特徴とする上記の請求項1
    〜4のいずれか1項に記載するプラスチック製容器。
  6. 【請求項6】 無機酸化物を主体とするガスバリア性薄
    膜が、化学気相成長法による、少なくとも、珪素原子、
    酸素原子、および、炭素原子が、化学結合して含有する
    酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜からなることを
    特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載す
    るプラスチック製容器。
  7. 【請求項7】 無機酸化物を主体とするガスバリア性薄
    膜が、化学気相成長法による、少なくとも、珪素原子、
    酸素原子、および、炭素原子が、化学結合し、更に、炭
    素原子量が、珪素原子量100に対し80〜130%の
    割合で含有する酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜
    からなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれ
    か1項に記載するプラスチック製容器。
  8. 【請求項8】 無機酸化物を主体とするガスバリア性薄
    膜が、化学気相成長法による、少なくとも、珪素原子、
    酸素原子、および、炭素原子が、化学結合し、更に、炭
    素原子量が、珪素原子量100に対し80〜130%の
    割合で含有し、かつ、プラスチック製容器本体の成形直
    後の容器本体表面積の収縮率3%から該容器本体内に内
    容物充填直後の容器本体表面積の膨張率5%の膨張およ
    び収縮に追随し得る酸化珪素を主体とするガスバリア性
    薄膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載するプラスチック製容器。
JP2001282480A 2001-09-18 2001-09-18 プラスチック製容器 Expired - Lifetime JP5273760B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001282480A JP5273760B2 (ja) 2001-09-18 2001-09-18 プラスチック製容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001282480A JP5273760B2 (ja) 2001-09-18 2001-09-18 プラスチック製容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003095272A true JP2003095272A (ja) 2003-04-03
JP5273760B2 JP5273760B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=19106125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001282480A Expired - Lifetime JP5273760B2 (ja) 2001-09-18 2001-09-18 プラスチック製容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5273760B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006027712A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Toppan Printing Co Ltd バリア性容器
JP2006082816A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性プラスチック容器の製造方法
JP2006082814A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性プラスチック容器
JP2006315697A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Hokkai Can Co Ltd 炭酸飲料用プラスチックボトル
JP2008100398A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Toppan Printing Co Ltd プラスチック容器及びプラスチック容器の製造方法
CN101988054B (zh) * 2009-08-04 2013-07-31 上海源耀生物科技有限公司 一种制备环糊精溶菌酶包合物的方法及制备的饲料添加剂、及该包合物在配合饲料中的应用
JP2014005071A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Kirin Brewery Co Ltd 炭酸飲料用ボトル及びそれに充填された炭酸飲料
JP2014148332A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Yoshino Kogyosho Co Ltd 容器
WO2022007915A1 (zh) * 2020-07-09 2022-01-13 江苏新美星包装机械股份有限公司 一种容器吹制方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11240102A (ja) * 1998-02-26 1999-09-07 Dainippon Printing Co Ltd 透明バリア性フィルム
JPH11291385A (ja) * 1998-04-14 1999-10-26 Dainippon Printing Co Ltd 透明バリア性フィルム
JPH11322981A (ja) * 1998-05-14 1999-11-26 Dainippon Printing Co Ltd 透明バリア性フィルム
JP2000079944A (ja) * 1998-07-01 2000-03-21 Toppan Printing Co Ltd プラスチック容器およびその製造方法
JP2000117881A (ja) * 1998-10-20 2000-04-25 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性プラスチック製容器
JP2001258869A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Toppan Printing Co Ltd プラスチック製真空採血管

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11240102A (ja) * 1998-02-26 1999-09-07 Dainippon Printing Co Ltd 透明バリア性フィルム
JPH11291385A (ja) * 1998-04-14 1999-10-26 Dainippon Printing Co Ltd 透明バリア性フィルム
JPH11322981A (ja) * 1998-05-14 1999-11-26 Dainippon Printing Co Ltd 透明バリア性フィルム
JP2000079944A (ja) * 1998-07-01 2000-03-21 Toppan Printing Co Ltd プラスチック容器およびその製造方法
JP2000117881A (ja) * 1998-10-20 2000-04-25 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性プラスチック製容器
JP2001258869A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Toppan Printing Co Ltd プラスチック製真空採血管

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006027712A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Toppan Printing Co Ltd バリア性容器
JP4506326B2 (ja) * 2004-07-21 2010-07-21 凸版印刷株式会社 バリア性容器
JP2006082816A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性プラスチック容器の製造方法
JP2006082814A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性プラスチック容器
JP2006315697A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Hokkai Can Co Ltd 炭酸飲料用プラスチックボトル
JP2008100398A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Toppan Printing Co Ltd プラスチック容器及びプラスチック容器の製造方法
CN101988054B (zh) * 2009-08-04 2013-07-31 上海源耀生物科技有限公司 一种制备环糊精溶菌酶包合物的方法及制备的饲料添加剂、及该包合物在配合饲料中的应用
JP2014005071A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Kirin Brewery Co Ltd 炭酸飲料用ボトル及びそれに充填された炭酸飲料
JP2014148332A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Yoshino Kogyosho Co Ltd 容器
WO2022007915A1 (zh) * 2020-07-09 2022-01-13 江苏新美星包装机械股份有限公司 一种容器吹制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5273760B2 (ja) 2013-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101162377B1 (ko) 플라즈마 cvd법에 의한 화학 증착막 및 그 형성 방법
JP5012762B2 (ja) プラスチック製容器の製造法
JP5012761B2 (ja) プラスチック製容器の製造法
JP4747605B2 (ja) プラズマcvd法による蒸着膜
JP4238015B2 (ja) プラスチック製容器の製造法
EP1852522B1 (en) Vapor deposited film by plasma cvd method
JP4887808B2 (ja) プラズマcvd法による蒸着膜
JP5023056B2 (ja) 側面の少なくとも1つにプラズマにより形成された薄膜コーティングを有するポリマー製品およびこのような製品の製造方法
JP2005200044A (ja) プラスチック製容器およびその製造法
JP4424033B2 (ja) プラズマcvd法による蒸着膜
KR20090047466A (ko) 플라즈마 cvd법에 의한 증착막을 구비한 플라스틱 성형품
JP5273760B2 (ja) プラスチック製容器
MX2014009161A (es) Cuerpo espumado de vapor depositado.
JP4380197B2 (ja) プラズマcvd法による化学蒸着膜の形成方法
JP4268545B2 (ja) プラスチック製容器
JP4593213B2 (ja) ガスバリア性プラスチック容器及びその製造方法
JP2006082814A (ja) ガスバリア性プラスチック容器
JP4432423B2 (ja) プラズマcvd法による化学蒸着膜
JP2006082816A (ja) ガスバリア性プラスチック容器の製造方法
JP2003095273A (ja) プラスチック製容器
JP2005200043A (ja) プラスチック製容器
JP4300977B2 (ja) バリア性プラスチック容器
JP4595487B2 (ja) Cvd法によるガスバリア性酸化珪素薄膜の成膜方法
JP2007076658A (ja) 成膜容器およびその製造方法
JP2005264175A (ja) 立体容器の製造方法及びプラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5273760

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

EXPY Cancellation because of completion of term