JP5012761B2 - プラスチック製容器の製造法 - Google Patents
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これらのプラスチック製容器は、ガラス製容器と比較して、軽量である、割れにくい、安価である、製造が容易であり、且つ、大量生産が可能である、取り扱いが簡便である、その他の種々の利点を有し、今日、種々の物品を充填包装する包装用容器として、不可欠なものとして、多方面に使用されている。
その欠点の一つとして、酸素ガス、水蒸気、炭酸ガス等のガス透過性が高いということがある。
例えば、ポリエステル系樹脂、或いは、ポリオレフィン系樹脂からなる延伸ブロー成形容器は、大気中のガスが成形容器に浸入、または包装内容物中の成分が容器外に放出され、包装内容物の品質等に大きな影響を与え、その品質を変質、改質し、或いは劣化させ、また、そのシェルフライフの低下等を引き起こすという問題点を有する。
而して、酸化珪素薄膜にクラック等が発生すると、もはや、ガスバリア性の機能は喪失され、プラスチック製容器本体の表面及び/又は内面に、酸化珪素薄膜をプラズマCVD法により形成してなるプラスチック製容器は、包装用容器として使用することはできなくなる。
また、内部電極は16が反応室C内に配置され、内部電極16は中空体からなり、且つ複数の原料ガス吹き出し孔16aを備え、内部電極16には導電性材料からなる原料ガス供給管17が連設されている。反応室Cには真空源(図示せず)が排気管15を介して接続され、外部電極12には整合器13を介して高周波電源14が接続されている。一方内部電極16は、原料ガス供給管17を介して接地されている。
先ず、プラスチック製容器本体を囲むように両外部部分電極を合わせ、電気的に接続して外部電極に一体化し、
次に、原料ガス供給管を介して真空ポンプにより、反応室内をプラズマ発生可能な圧力になるまで排気し、真空度を上昇させ、
次いで、原動車を駆動させてスプロケットを回転させることにより内部電極を回転させながら、アルゴンまたはヘリウムからなる不活性ガスを原料ガス供給管を通して供給して原料ガス吹き出し孔から吹き出させ、同時に外部電極と内部電極との間に高周波電圧を印加し反応室内に高周波グロー放電を発生させて、回転移動する原料ガス吹き出し孔から噴出させた不活性ガスをプラズマ化させ、
そして、プラスチック製容器本体の内面に、上記でプラズマ化した不活性ガスを加速度を持って衝突せしてプラスチック製容器本体の内面に微細な凹凸を形成し、
次に、再度、原料ガス供給管を介して、真空ポンプにより、反応室内をプラズマ発生可能な圧力になるまで排気して、上記と同様に反応室内の真空度を上昇させ、
次いで、プラスチック製容器本体内に、原料ガス供給管を介して、有機珪素化合物からなる蒸着用モノマーガス、酸素ガス、および、不活性ガスを使用して調製した蒸着用原料ガス組成物を、内部電極を回転させることにより回転移動する原料ガス吹き出し孔から反応室内に噴出させ、
更に、外部電極と内部電極との間に高周波電圧を印加し反応室内に高周波グロー放電を発生させ、その高周波グロー放電によって、反応室内に供給された蒸着用原料ガス組成物を気相反応せしめて、プラズマ化した酸化珪素を主体とする反応生成物を生成し、
そして、プラスチック製容器本体の内面に、プラズマ化した酸化珪素を主体とする反応生成物からなるガスバリア性薄膜を被着させ、 しかる後上記のガスバリア性薄膜を形成するに十分な時間を経た後、原料ガス供給管を介しての反応室への蒸着用原料ガス組成物の供給を停止し、
次いで、反応室に大気を導入し、
しかる後、プラスチック製容器本体の内面に、酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜を形成したプラスチック製容器を取り出すことを特徴とするプラスチック製容器の製造法を要旨とする。
更に、本発明においては、内部電極の回転手段により、高密度のプラズマを更に高い率でプラスチック製容器本体の内面に衝突させ、より高いガスバリア性を有し、しかもプラスチック製容器本体の内面に強固に被着した薄膜を形成することが可能となる。
また、本発明においては、反応室の内部に磁界を発生させると共に内部電極の回転手段により、高密度のプラズマを更に高い効率でプラスチック製容器本体の内面に衝突させ、より高いガスバリア性を有し、しかもプラスチック製容器本体の内面に強固に被着した薄膜を形成することが可能となる。
而して、本発明により製造されるプラスチック製容器は、高周波プラズマCVD装置を用い、外部電極内に薄膜を被着させるべきプラスチック製容器本体を配置し、プラスチック製容器本体内に内部電極を配置し、電極間に高周波電圧を印加し、且つ磁力線、内部電極の回転等によりプラズマを加速度を持ってプラスチック製容器本体の内面に衝突させ、減圧下で、反応室内の反応性ガスの高周波グロー放電分解によりガスバリア性薄膜を形成してなるプラスチック製容器であり、磁力線、内部電極の回転によりプラズマを加速度を持ってプラスチック製容器本体の内面に衝突させ、減圧下での、反応室内の反応性ガスの高周波グロー放電分解により、プラスチック製容器本体の内面に強固に固着したガスバリア性薄膜を有し、高いガスバリア性を有し、且つ薄膜がプラスチック製容器本体の内面に強固に固着し剥離することのない利点を有するものである。
外部電極12は第1外部部分電極12aと第1外部部分電極に対して着脱自在な第2外部部分電極12bからなり、両外部部分電極12a、12bからなる外部電極12は、互いに電気的に接続され、外部電極12に一体化される。
この外部電極12は、内面に薄膜を被着させるべきプラスチック製容器本体1の主要部よりやや大きめの相似形の空間を有する反応室Cを備える(尚、図面においては図示の便宜上反応室Cの主要部とプラスチック製容器本体1の主要部はほぼ同形に描かれている)。
また、反応室Cには真空源(図示せず)が排気管15を介して接続されている。
尚、原料ガス吹き出し孔16aは、吹き出した蒸着原料ガス組成物を反応室C内に均一に拡散させるために、内部電極16に複数個設けられていることが望ましい。
原料ガス吹き出し孔16から噴出させた不活性ガスは反応室Cにおいてプラズマ化され、プラスチック製容器本体1の内面に加速度を持って衝突せしめられ、プラスチック製容器本体1の内面に微細な凹凸が形成される。
そのとき、反応室Cの内部に磁石18により磁界を発生させることで高密度の良質の不活性ガスのプラズマを発生させることが可能となるばかりでなく、プラスチック製容器本体の内面にプラズマ化した不活性ガスを加速度を持って衝突させ、効率よくプラスチック製容器本体1の内面に微細な凹凸を形成することが可能となる。
このとき、高周波グロー放電によって、反応室C内に供給された蒸着用原料ガス組成物は反応室C内において気相反応せしめられ、プラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物が生成され、この反応生成物は加速度を持ってプラスチック製容器本体の内面の全面に被着される。
そのとき、反応室Cの内部に磁石18により磁界を発生させることで高密度の良質のプラズマ化した反応生成物を発生させることが可能となるばかりでなく、プラスチック製容器本体の内面にプラズマ化した反応生成物を加速度を持って衝突させ、効率よくプラスチック製容器本体1の内面にプラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物からなるガスバリア性薄膜を被着させることが可能となる。
しかる後、プラスチック製容器本体1の内面の全面に、酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜2を形成したプラスチック製容器を取り出し、本発明に係るプラスチック製容器を製造することができる。
そしてこのようにして得られた蒸着用原料ガス組成物は、原料ガス供給管17を介して反応室C内に導入される。
それ故、形成される酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となる。
従って、酸化珪素等の無機酸化物を主体とする薄膜のガスバリア性は、従来の真空蒸着法によって形成された酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜に比較してはるかに高いものとなり、薄い膜厚で十分なガスバリア性を得ることができる。
それ故、安定した真空度を容易に得ることができ、製膜プロセスは安定化される。
この薄膜は、通常、一般式SiOX (但し、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。
含有率が0.1%未満であると、酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜の耐衝撃性、展延性、柔軟性等が不十分となり、曲げ応力を受けることにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いガスバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、ガスバリア性が低下して好ましくない。
而して、これらを添加することにより、無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜に柔軟性を付与することができる。
これに代えて容器内面の全面に、例えば、原料ガスとしてアセチレンを含み、且つ不活性ガスとしてアルゴンを含む原料ガス組成物を用いダイヤモンドライクカーボン膜を形成してもよい。
その結果、酸素透過透過度は0.025cc/pkg・atm・dayであり、プラスチック製容器は高いガスバリア性を有することがわかった。
その結果、酸素透過透過度は0.021cc/pkg・atm・dayであり、プラスチック製容器は高いガスバリア性を有することがわかった。
実施例1と同様にして、但し磁石による反応室内への磁界の形成は行わずにブロー成形ボトルの内面に、厚さ約1200Åの酸化珪素を主体とする蒸着膜からなるガスバリア性薄膜を形成して、本発明に係るプラスチック製容器を製造した。
その結果、酸素透過透過度は0.047cc/pkg・atm・dayであり、ガスバリア性は実施例1、2のプラスチック製容器に比較して劣ることがわかった。
実施例2と同様にして、但し磁石による反応室内への磁界の形成は行わずにブロー成形ボトルの内面に、厚さ約1200Åのダイヤモンドライクカーボンの蒸着膜からなるガスバリア性薄膜を形成して、本発明に係るプラスチック製容器を製造した。
その結果、酸素透過透過度は0.041cc/pkg・atm・dayであり、ガスバリア性は実施例1、2のプラスチック製容器に比較して劣ることがわかった。
この外部電極12は、内面に薄膜を被着させるべきプラスチック製容器本体1の主要部よりやや大きめの相似形の空間を有する反応室Cを備える(尚、図面においては図示の便宜上反応室Cの主要部とプラスチック製容器本体1の主要部はほぼ同形に描かれている)。
内部電極16は中空体からなり、且つ複数の原料ガス吹き出し孔16aを備え、内部電極16には導電性材料からなる原料ガス供給管19が連設されている。
原料ガス供給管19は、真空源(図示せず)と原料ガス供給源(図示せず)に切り替えにより選択的に接続されるように構成されている。
また、内部電極16は原料ガス供給管19を介して接地されている。
この回転手段は、Oリング取付け部22a、このOリング取付け部22aと一体の、原料ガス供給管19に固着される第1のリング22及び第2のリング25、両リング22、25の間に設けられた、両リング22、25と一体のスプロケット24と、スプロケット24と係合するチェーン26と、チェーン26を駆動する原動車(図示せず)とからなる。
Oリング取付け部22aにはOリング21が取付けられている。
また、Oリング取付け部22aの内側はプラスチック製容器本体1の口部の先端外側に接し、それによってプラスチック製容器本体1との位置関係が保たれる。
このボトル固定ジグ19に対してOリング21が密接され、それによって反応室C内の真空状態が保持されるように構成されている。
また、第2のリング25側には軸受け27を介してスリップリング26が設けられている。
回転移動する原料ガス吹き出し孔16から噴出させた不活性ガスは、プラズマ化されて、反応室C内に全周にわたってむらなく供給され、内部電極16が回転することにより、プラスチック製容器本体1の内面に加速度を持って衝突せしめられ、プラスチック製容器本体1の内面に効率よく微細な凹凸が形成される。
このとき、高周波グロー放電によって、反応室C内に供給された蒸着用原料ガス組成物は反応室C内において気相反応せしめられ、プラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物が生成され、この反応生成物は加速度を持ってプラスチック製容器本体の内面に衝突せしめられ、被着される。
そのとき、内部電極16が回転することによりプラズマに運動エネルギーが付与され、それによって反応生成物の生成の効率化が図られ、且つプラズマは加速度を持ってプラスチック製容器本体1の内面に衝突せしめられ、効率よくプラスチック製容器本体1の内面にプラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物からなるガスバリア性薄膜を被着させることが可能となる。
この容器においては容器本体の口部の一部にガスバリア性薄膜で被覆されていない領域が存在するが、口部にガスバリア性のキャップを冠着することによりガスバリア性の包装容器を構成することができる。
その結果、酸素透過透過度は0.025cc/pkg・atm・dayであり、プラスチック製容器は高いガスバリア性を有することがわかった。
この外部電極12は、内面に薄膜を被着させるべきプラスチック製容器本体1の主要部よりやや大きめの相似形の空間を有する反応室Cを備える(尚、図面においては図示の便宜上反応室Cの主要部とプラスチック製容器本体1の主要部はほぼ同形に描かれている)。
内部電極16は中空体からなり、且つ複数の原料ガス吹き出し孔16aを備え、内部電極16には導電性材料からなる原料ガス供給管17が連設されている。
原料ガス供給管17は、原料ガス供給源(図示せず)に接続されている。
また、反応室Cには真空源(図示せず)が排気管15を介して接続されている。
また、内部電極16は原料ガス供給管17を介して接地されている。
この回転手段は、Oリング取付け部28a、このOリング取付け部28aと一体の、原料ガス供給管17に固着される第1のリング28及び第2のリング31、両リング28、31の間に設けられた、両リング28、31と一体のスプロケット29と、スプロケット29と係合するチェーン30と、チェーン30を駆動する原動車(図示せず)とからなる。
Oリング取付け部28aにはOリング21が取付けられている。
また、Oリング取付け部28aの内側にはプラスチック製容器本体1の口部の先端外側を把持する部分が設けられている。
また、この円筒部には、軸受け27を介してスリップリング32が設けられている。
原料ガス吹き出し孔16から噴出させた不活性ガスは、プラズマ化されて、反応室C内に全周にわたってむらなく供給され、プラスチック製容器本体1が回転することにより、プラスチック製容器本体1の内面に加速度を持って衝突せしめられ、プラスチック製容器本体1の内面に効率よく微細な凹凸が形成される。
このとき、高周波グロー放電によって、反応室C内に供給された蒸着用原料ガス組成物は反応室C内において気相反応せしめられ、プラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物が生成され、この反応生成物は加速度を持ってプラスチック製容器本体の内面に衝突せしめられ、被着される。
そのとき、プラスチック製容器本体1が回転することによりプラズマに運動エネルギーが付与され、それによって反応生成物の生成の効率化が図られ、且つプラズマは加速度を持ってプラスチック製容器本体1の内面に衝突せしめられ、効率よくプラスチック製容器本体1の内面にプラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物からなるガスバリア性薄膜を被着させることが可能となる。
しかる後、プラスチック製容器本体の内面に、酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を形成したプラスチック製容器を取り出し、本発明に係るプラスチック製容器を製造することができる。
この容器においては容器本体の口部の一部にガスバリア性薄膜で被覆されていない領域が存在するが、口部にガスバリア性のキャップを冠着することによりガスバリア性の包装容器を構成することができる。
その結果、酸素透過透過度は0.025cc/pkg・atm・dayであり、プラスチック製容器は高いガスバリア性を有することがわかった。
回転移動する原料ガス吹き出し孔16から噴出させた不活性ガスは、プラズマ化されて、反応室C内に全周にわたってむらなく供給され、内部電極16が回転することにより、プラスチック製容器本体1の内面に加速度を持って衝突せしめられ、プラスチック製容器本体1の内面に効率よく微細な凹凸が形成される。
そのとき、反応室Cの内部に磁石18により磁界を発生させることで高密度の良質の不活性ガスのプラズマを発生させることが可能となるばかりでなく、プラスチック製容器本体の内面にプラズマ化した不活性ガスを加速度を持って衝突させ、効率よくプラスチック製容器本体1の内面に微細な凹凸を形成することが可能となる。
このとき、高周波グロー放電によって、反応室C内に供給された蒸着用原料ガス組成物は反応室C内において気相反応せしめられ、プラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物が生成され、この反応生成物は加速度を持ってプラスチック製容器本体の内面に衝突せしめられ、被着される。
そのとき、反応室Cの内部に磁石18により磁界を発生させることで高密度の良質のプラズマ化した反応生成物を発生させることが可能となるばかりでなく、内部電極16が回転することによりプラズマに運動エネルギーが付与され、プラスチック製容器本体の内面にプラズマ化した反応生成物を加速度を持って衝突させ、効率よくプラスチック製容器本体1の内面にプラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物からなるガスバリア性薄膜を被着させることが可能となる。
しかる後、プラスチック製容器本体の内面に、酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を形成したプラスチック製容器を取り出し、本発明に係るプラスチック製容器を製造することができる。
この容器においては容器本体の口部の一部にガスバリア性薄膜で被覆されていない領域が存在するが、口部にガスバリア性のキャップを冠着することによりガスバリア性の包装容器を構成することができる。
その結果、酸素透過透過度は0.021cc/pkg・atm・dayであり、プラスチック製容器は高いガスバリア性を有することがわかった。
回転移動する原料ガス吹き出し孔16から噴出させた不活性ガスは、プラズマ化されて、反応室C内に供給され、且つプラスチック製容器本体1を回転することにより、プラスチック製容器本体1の内面に周方向にむらなく衝突せしめられ、プラスチック製容器本体1の内面に効率よく微細な凹凸が形成される。
そのとき、反応室Cの内部に磁石18により磁界を発生させることで高密度の良質の不活性ガスのプラズマを発生させることが可能となるばかりでなく、プラスチック製容器本体の内面にプラズマ化した不活性ガスを加速度を持って衝突させ、効率よくプラスチック製容器本体1の内面に微細な凹凸を形成することが可能となる。
このとき、高周波グロー放電によって、反応室C内に供給された蒸着用原料ガス組成物は反応室C内において気相反応せしめられ、プラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物が生成され、この反応生成物は加速度を持って回転するプラスチック製容器本体1の内面に衝突せしめられ、被着される。
そのとき、反応室Cの内部に磁石18により磁界を発生させることで高密度の良質のプラズマ化した反応生成物を発生させることが可能となるばかりでなく、内部電極16が回転することによりプラズマに運動エネルギーが付与され、プラスチック製容器本体の内面にプラズマ化した反応生成物を加速度を持って衝突させ、効率よくプラスチック製容器本体1の内面にプラズマ化した酸化珪素等の無機酸化物を主体とする反応生成物からなるガスバリア性薄膜を被着させることが可能となる。
しかる後、プラスチック製容器本体の内面に、酸化珪素等の無機酸化物を主体とするガスバリア性薄膜を形成したプラスチック製容器を取り出し、本発明に係るプラスチック製容器を製造することができる。
この容器においては容器本体の口部の一部にガスバリア性薄膜で被覆されていない領域が存在するが、口部にガスバリア性のキャップを冠着することによりガスバリア性の包装容器を構成することができる。
その結果、酸素透過透過度は0.021cc/pkg・atm・dayであり、プラスチック製容器は高いガスバリア性を有することがわかった。
また、本発明によれば、内部電極の回転または外部電極内に配置されたプラスチック製容器本体の回転手段により、高密度のプラズマを更に高い率でプラスチック製容器本体の内面に衝突させ、より高いガスバリア性を有し、しかもプラスチック製容器本体の内面に強固に被着した薄膜を形成することが可能となる。
更に、本発明によれば、反応室の内部に磁界を発生させると共に内部電極の回転または外部電極内に配置されたプラスチック製容器本体の回転手段により、高密度のプラズマを更に高い効率でプラスチック製容器本体の内面に衝突させ、より高いガスバリア性を有し、しかもプラスチック製容器本体の内面に強固に被着した薄膜を形成することが可能となる。
そして、本発明の方法により製造されるプラスチック製容器は、高周波プラズマCVD装置を用い、外部電極内に薄膜を被着させるべきプラスチック製容器本体を配置し、プラスチック製容器本体内に内部電極を配置し、電極間に高周波電圧を印加し、且つ磁力線及び又は内部電極もしくはプラスチック製容器本体の回転によりプラズマを加速度を持ってプラスチック製容器本体の内面に衝突させ、減圧下で、反応室内の反応性ガスの高周波グロー放電分解によりガスバリア性薄膜を形成してなるプラスチック製容器であり、磁力線及び/又は内部電極もしくはプラスチック製容器本体の回転によりプラズマを加速度を持ってプラスチック製容器本体の内面に衝突させ、減圧下での、反応室内の反応性ガスの高周波グロー放電分解により、プラスチック製容器本体の内面に強固に固着したガスバリア性薄膜を有し、高いガスバリア性を有し、且つ薄膜がプラスチック製容器本体の内面に強固に固着し剥離することのない利点を有するものである。
よって、本発明は、種々の物品を充填包装すに包装容器として、その利用性が極めて高いものである。
2 ガスバリア性薄膜
A プラスチック性容器
10 基盤
11 絶縁板
12a 第1外部部分電極
12b 第2外部部分電極
12 外部電極
13 整合器
14 高周波電源
15 排気管
16 内部電極
16a 原料ガス吹き出し孔
17 原料ガス供給管
18 磁石
C 反応室
19 原料ガス供給管
20a 金属体
20b 絶縁体20b
20 ボトル固定ジグ
21 Oリング
22a Oリング取付け部
22 第1のリング
23 スプロケット
24 チェーン
25 第2のリング
26 スリップリング
27 軸受け
28a Oリング取付け部
28 第1のリング
29 スプロケット
30 チェーン
31 第2のリング
31a 筒状部
32 スリップリング
Claims (2)
- 外部電極と内部電極を備え、外部電極は内面に薄膜を被着させるべきプラスチック製容器本体の主要部よりやや大きめの相似形の空間を有する反応室を備え、内部電極は反応室内に配置され、そして、内部電極は、中空体からなり、且つ複数の原料ガス吹き出し孔を備え、内部電極には導電性材料からなる原料ガス供給管が連設され、原料ガス供給管は、真空源と原料ガス供給源に選択的に接続されるように構成されており、外部電極には整合器を介して高周波電源が接続され、内部電極は原料ガス供給管を介して接地され、内部電極の回転手段を備える高周波プラズマCVD装置を使用し、
先ず、プラスチック製容器本体を囲むように両外部部分電極を合わせ、電気的に接続して外部電極に一体化し、
次に、原料ガス供給管を介して真空ポンプにより、反応室内をプラズマ発生可能な圧力になるまで排気し、真空度を上昇させ、
次いで、原動車を駆動させてスプロケットを回転させることにより内部電極を回転させながら、アルゴンまたはヘリウムからなる不活性ガスを原料ガス供給管を通して供給して原料ガス吹き出し孔から吹き出させ、同時に外部電極と内部電極との間に高周波電圧を印加し反応室内に高周波グロー放電を発生させて、回転移動する原料ガス吹き出し孔から噴出させた不活性ガスをプラズマ化させ、
そして、プラスチック製容器本体の内面に、上記でプラズマ化した不活性ガスを加速度を持って衝突せしてプラスチック製容器本体の内面に微細な凹凸を形成し、
次に、再度、原料ガス供給管を介して、真空ポンプにより、反応室内をプラズマ発生可能な圧力になるまで排気して、上記と同様に反応室内の真空度を上昇させ、
次いで、プラスチック製容器本体内に、原料ガス供給管を介して、有機珪素化合物からなる蒸着用モノマーガス、酸素ガス、および、不活性ガスを使用して調製した蒸着用原料ガス組成物を、内部電極を回転させることにより回転移動する原料ガス吹き出し孔から反応室内に噴出させ、
更に、外部電極と内部電極との間に高周波電圧を印加し反応室内に高周波グロー放電を発生させ、その高周波グロー放電によって、反応室内に供給された蒸着用原料ガス組成物を気相反応せしめて、プラズマ化した酸化珪素を主体とする反応生成物を生成し、
そして、プラスチック製容器本体の内面に、プラズマ化した酸化珪素を主体とする反応生成物からなるガスバリア性薄膜を被着させ、 しかる後上記のガスバリア性薄膜を形成するに十分な時間を経た後、原料ガス供給管を介しての反応室への蒸着用原料ガス組成物の供給を停止し、
次いで、反応室に大気を導入し、
しかる後、プラスチック製容器本体の内面に、酸化珪素を主体とするガスバリア性薄膜を形成したプラスチック製容器を取り出すこと
を特徴とするプラスチック製容器の製造法。 - 上記の外部電極と内部電極との間に高周波電圧を印加し反応室内に高周波グロー放電を発生させる際に、外部電極の周囲に磁石を備え、反応室の内部に磁界を発生させることを特徴とする上記の請求項1に記載するプラスチック製容器の製造法。
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