JP5238403B2 - ガスバリア性を有するプラスチック成形体及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリア性を有するプラスチック成形体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜形成用樹脂組成物及びそのマスターバッチに関し、特にポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を主体とする、ボトル、キャップ又はフィルム等のプラスチック成形体の表面に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜等の機能性薄膜を成膜する場合、その機能を充分に発揮させる技術に関する。さらに本発明は薄膜形成用樹脂組成物が用いられているガスバリア性を有するプラスチック成形体及びその製造方法に関する。
プラスチックは、極めて広い範囲の産業で使用されているが、特にポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンは使用量が多く、産業上重要である。プラスチックの基本物性は、広い範囲の産業における使用条件を満足するが、一方で単体のプラスチック材料であらゆる要求物性を満たすことは困難である。そこで、プラスチック材料に薄膜形成等の表面処理や添加物の添加によって物性を向上させようとする事例が多々ある。
ポリオレフィンを例えば飲料や食品用途へ応用する場合、ポリオレフィンは一般に酸素ガスや炭酸ガスの透過性が高く、これらのガス透過に品質が影響されやすい内容物に使用される包装の材料としては不向きである。しかし、物性の性能不足が問題とならない場合には、ポリオレフィンは、軽い、割れない、透明で中が見える、安全である等の諸性質から、飲料や食品用途にも有用な材料となる。
ポリオレフィンは、前記優れた諸特性を生かしつつ、欠点である低ガスバリア性が改善されれば、非常に有用な包装材料となりうる。ポリオレフィン製容器のガスバリアを高めることを目的として、セラミック膜等のガスバリア薄膜が施されるが、ポリオレフィンは、一般に印刷や塗装の密着に適した官能基に乏しいことが知られており、印刷や塗装同様に、薄膜を形成しても剥れやすいという問題があった。
そこで、膜の密着力を高めるために、酸変性された樹脂を少なくとも含む樹脂層を表面に配置したバリア性容器の提案がある(例えば、特許文献1を参照。)。
また、ポリオレフィンにα,β‐エチレン性不飽和カルボン酸をグラフトして変性した変性ポリオレフィンであって、該変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸に基づく構成単位濃度が0.01〜10重量%である変性ポリオレフィンの成形品の表面に、無機酸化物薄膜を形成した、ガスバリア性の付与されたオレフィン系樹脂成形品の提案がある(例えば、特許文献2を参照。)。
また、プラスチックフィルムの表面の粗さを平滑化して、ガスバリア薄膜のピンホールの発生を抑制し、該ピンホールを原因とするガス透過性能の低下を防止する提案がある(例えば、特許文献3を参照。)。
特開2002‐179068号公報 特開平06‐306198号公報 特開2001‐310412号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、酸変性した樹脂そのものを表面層として積層するため、また、特許文献2に記載の技術では、酸変性した樹脂そのもので容器を成形しているため、薄膜の成長に関して重要な数nm〜数十nmのスケールで考えた場合に、グラフト化された箇所が疎らに分布しており、薄膜の密着性が得られたとしても、充分なガスバリア性が得られていない。また、酸変性した樹脂そのものでは、機械物性が低下する懸念がある。特許文献3に記載の技術では、ガスバリア薄膜のピンホールは少なくなる可能性はあるが、ポリオレフィンが薄膜の密着に適した官能基を有さないことによる問題を解決できるわけではない。
本発明者らの検討に拠れば、ガスバリア薄膜がガスバリア性を発揮するためには、樹脂表面に単に密着していればよいというわけではなく、ガスバリア薄膜の構成原子との結合箇所となる官能基が少なくとも樹脂表面に均一に分布していることが求められることがわかった。
そこで、本発明は、ポリオレフィン系樹脂にポリスチレン系樹脂を混合化若しくは微細に分散させることで、ポリオレフィン系樹脂に、ガスバリア薄膜の構成原子との結合箇所となる官能基として、スチレン由来のアリール基を均一に分布した薄膜形成用樹脂組成物を提供することを目的とする。ここで、本発明は前記アリール基が均一に分布することによって、透明性を維持することは難しいが、比較的簡便な方法・材料により、ガスバリア性の向上を可能とし、特に薄膜の密着性を向上させることを目的とする。併せて、そのマスターバッチ、それを用いたガスバリア性を有するボトル、キャップ又はフィルム等のプラスチック成形体を提供することも目的とする。
本発明者らは、薄膜の密着に適した前記アリール基をポリオレフィン系樹脂中に均一に分布させるために、ポリオレフィン系樹脂にポリスチレン系樹脂を、混合化若しくは微細に分散させることで、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明で用いる薄膜形成用樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とからなる樹脂組成物において、前記ポリオレフィン系樹脂の含有量が70〜99.5質量%、前記ポリスチレン系樹脂の含有量が30〜0.5質量%であり、前記ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン樹脂であるか或いは12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂であるか或いはこれらの両方であり、かつ、ガスバリア薄膜の被膜対象体の成形用材料であることを特徴とする。
本発明で用いる薄膜形成用樹脂組成物では、前記スチレン共重合体樹脂は、スチレンと共重合される他の共重合成分がブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、アクリロニトリル、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート又はアクリルゴムのうち1種又は2種以上であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂にスチレン共重合体樹脂を含有させることで、樹脂組成物中に薄膜の密着に適した前記アリール基を導入できる。また、ポリオレフィン系樹脂にポリスチレン樹脂を混ぜる場合にはスチレン共重合体樹脂は相溶化剤として働き、分散性を高めることができる。
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック成形体は、前記薄膜形成用樹脂組成物を用いてボトル、キャップ又はフィルムから選択されるプラスチック成形体が成形されてなるか、或いは、ボトル、キャップ又はフィルムから選択されるプラスチック成形体の表面層、裏面層又はその両方に前記薄膜形成用樹脂組成物が含有されて成形されてなり、かつ、前記薄膜形成用樹脂組成物からなる表面側にガスバリア薄膜として成膜法による炭素膜、金属膜又は金属酸化物膜が成膜されていることを特徴とする。
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック成形体では、前記薄膜形成用樹脂組成物のポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの混合物のいずれかからなることが好ましい。機械物性が低下する懸念がない。
本発明で用いる薄膜形成用樹脂組成物用マスターバッチは、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン樹脂とからなる樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂とスチレン共重合体樹脂とからなる樹脂組成物、或いは、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン樹脂とスチレン共重合体樹脂とからなる樹脂組成物において、前記ポリスチレン樹脂又は前記スチレン共重合体樹脂に含まれるスチレン含有量の合計が30〜70質量%であり、かつ、本発明で用いる薄膜形成用樹脂組成物を得るためのマスターバッチである。このマスターバッチにポリオレフィン系樹脂をさらに混ぜて、混練することで、本発明で用いる薄膜形成用樹脂組成物が得られる。
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック成形体の製造方法は、本発明で用いる薄膜形成用樹脂組成物が少なくとも表面に表出されているボトル、キャップ又はフィルムから選択されるプラスチック成形体を成形する工程と、該成形体の表面にガスバリア薄膜として成膜法による炭素膜、金属膜又は金属酸化物膜を成膜する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック成形体の製造方法では、前記プラスチック成形品を成形した後、前記ガスバリア薄膜を成膜する前に、前記ガスバリア薄膜の成膜予定面にプラズマ処理を施す工程をさらに有することが好ましい。薄膜の密着性を高め、また膜を形成した成形体のガスバリア性を高めることができる。
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック成形体の製造方法では、前記プラズマ処理は、窒素、酸素又はこれらの混合ガスの存在下で行なうことが好ましい。具体的には、窒素プラズマ処理、酸素プラズマ処理又は窒素‐酸素プラズマ処理が好ましい。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂にポリスチレン系樹脂を混合化若しくは微細に分散させることで、ポリオレフィン系樹脂に、ガスバリア薄膜の構成原子との結合箇所となる官能基としてスチレン由来のアリール基を均一に分布させた薄膜形成用樹脂組成物を得ることができる。スチレン由来のアリール基が均一に分布することによって、透明性を維持することは難しいが、比較的簡便な方法・材料により、ガスバリア性の向上を可能とし、特に薄膜の密着性を向上させることができる。薄膜形成用樹脂組成物を用いて、ボトル、キャップ又はフィルム等の成形物を製造し、さらにガスバリア薄膜を成膜することで、ガスバリア性を有するプラスチック成形体を得ることができる。このとき、薄膜の密着力とガスバリア性が良好であった。
以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とからなる樹脂組成物において、ポリオレフィン系樹脂の含有量が70〜99.5質量%、ポリスチレン系樹脂の含有量が30〜0.5質量%であり、ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン樹脂であるか或いは12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂であるか或いはこれらの両方であり、かつ、ガスバリア薄膜の被膜対象体の成形用材料である。ポリオレフィン系樹脂が、一般に薄膜の密着に適した官能基を有さないことから、それで作った成形体の表面にガスバリア薄膜等の機能性薄膜を成膜しても充分な密着性が得られず、また、ガスバリア性等の機能も充分に発揮されない。そこで本実施形態では、ポリスチレン系樹脂を、ベース材であるポリオレフィン系樹脂に添加し、混合化若しくは微細に分散させることによって、樹脂組成物の表面のみならず内部についても薄膜の密着に適した官能基(スチレン由来のアリール基)を導入する。得られた樹脂組成物は、ボトル等の容器、そのキャップ、フィルム等のプラスチック成形体に成形された後、その表面に機能性薄膜が成膜されると、当該官能基が均一に導入されていることから、薄膜を密着させ、かつ、その機能を充分に発揮させる。発明者らの経験に拠れば、薄膜の結合拠点となる官能基をまだらに分布させた場合、密着力が得られる場合があるが、ガスバリア性までは得られない。薄膜の結合拠点となる官能基が密に均一に分布している場合、薄膜の密着力のみならず、優れたガスバリア性が得られる。ポリスチレン系樹脂が0.5質量%未満でポリオレフィン系樹脂が99.5質量%を超えると、導入される薄膜の密着に適した官能基が不足し、薄膜の密着性が悪く、ガスバリア性向上も得られない。一方、ポリスチレン系樹脂が30質量%を超えてポリオレフィン系樹脂が70質量%未満であると、ボトル等の容器、そのキャップ、フィルム等の成形性低下及び機械物性低下が無視できなくなる。本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とからなるが、本発明の効果を奏する範囲で、他の樹脂成分、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、着色剤、難燃剤、相溶化剤等の添加剤が含まれていても良い。ポリプロピレン樹脂とポリスチレン樹脂との相溶化剤の例としては、後述するポリスチレン・ポリ(エチレン・ブチレン)・ポリスチレン共重合体(SEBS)、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレン共重合体(SIS)又はポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレン共重合体(SBS)の他、ポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体(PP‐g‐AS)、低密度ポリエチレングラフトポリスチレン共重合体(LDPE‐g‐PS)、ポリスチレン−ポリ(イソプレン−プロピレン)−ポリスチレン共重合体(SIPS)又はオレフィン酸変性及びそのエステル化物とのスチレン共重合体である。
ベース材であるポリオレフィン系樹脂は、具体例には、エチレン系共重合体、例えば高密度、中密度又は低密度ポリエチレン、或いはエチレンとC4〜30の不飽和単量体[プテン(1−ブテン等)、C5〜30のα‐オレフィン(1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−デセン、1−ドデセン等)、酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸等]との共重合体(共重合比30/70〜99/1、好ましくは50/50〜95/5)等;プロピレン系重合体、例えばポリプロピレン、プロピレンとC4〜30の不飽和単量体(同上)との共重合体(共重合比、同上);エチレン/プロピレン共重合体(共重合比0.5/99.5〜30/70、好ましくは2/98〜20/80);C4以上のオレフィンの重合体、例えばポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1が含まれる。好ましくは、ポリプロピレンである。
本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物では、ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン樹脂(PS)であるか或いは12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂である。或いはポリスチレン系樹脂と12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂の両方を使用しても良い。スチレン共重合体樹脂は、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はグラフト共重合体のいずれの形態でもよく、12質量%以上100質量%未満のスチレン、好ましくは20〜65質量%のスチレンを含有する。スチレン成分が12質量%未満であると、薄膜の密着に適した官能基が少なくなる。スチレン成分の上限は、100質量%未満であるが、具体的には化学構造上スチレン成分を最大化したときの重量%に対応する。なお、12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂とは、スチレン共重合体樹脂のうち、スチレン成分の重量割合が12質量%以上100質量%未満であるという意味である。前記スチレン共重合体樹脂は、スチレンと共重合される他の共重合成分がブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、アクリロニトリル、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート又はアクリルゴムのうち1種又は2種以上であることが好ましい。スチレン共重合体樹脂の具体例としては、例えば、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合体(ACS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS)、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレン共重合体(SBS)、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレン共重合体(SIS)、ポリスチレン・ポリ(エチレン・ブチレン)・ポリスチレン共重合体(SEBS)又はポリスチレン・ポリ(エチレン・プロピレン)・ポリスチレン共重合体(SEPS)、ポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体(PP‐g‐AS)、低密度ポリエチレングラフトポリスチレン共重合体(LDPE‐g‐PS)又はポリスチレン−ポリ(イソプレン−プロピレン)−ポリスチレン共重合体(SIPS)である。これらを組み合わせて2種以上用いても良い。なお、前記のSEBS、SIS及びSBSは、ポリプロピレン樹脂とポリスチレン樹脂との相溶化剤としても働く。
本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物の成分の組み合わせ例としては、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)とポリスチレン樹脂(PS)、PPと12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂、PPとPSと12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂である。PPとPSと12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂の組み合わせの場合、PSと12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂の合計含有量は0.5〜30質量%とする。ここで、12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂として、前記例示したAAS、AS、ACS、ABS、MS、MBS、SBS、SIS、SEBS、SEPS、PP‐g‐AS、LDPE‐g‐PS又はSIPSを単独又は2種以上組み合わせて使用する。
本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物用マスターバッチは、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン樹脂とからなる樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂とスチレン共重合体樹脂とからなる樹脂組成物、或いは、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン樹脂とスチレン共重合体樹脂とからなる樹脂組成物において、前記ポリスチレン樹脂又は前記スチレン共重合体樹脂に含まれるスチレン含有量の合計が30〜70質量%である。ポリスチレン樹脂又はスチレン共重合体樹脂に含まれるスチレン含有量の合計を所望量よりも多めに含ませておき、必要なときにポリオレフィン系樹脂で希釈化してやることで、本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物を得ることができる。このように薄膜形成用樹脂組成物用マスターバッチは、保管スペースの少量化に寄与する。スチレン含有量の合計が30質量%未満であれば、保管スペースの少量化に寄与せずマスターバッチとして意味がなく、スチレン含有量の合計が70質量%を超えていると、希釈化用のポリオレフィン系樹脂との混合が不均一になりやすい。
本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物では、ポリオレフィン系樹脂にポリプロピレン系樹脂が混合化若しくは微細に分散されてアリール基が導入されるため、成形体の表面のみならず、内部にも分布することとなる。本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物を用いて、薄膜を形成する土台となる成形物、すなわち、ボトル等の容器(容器胴体又はその蓋を含む)若しくはフィルムを製造する。成形法としては、容器であればブロー成形又は射出成形で行なう。本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物は、ホットパリソン法でブロー成形することができる。フィルムであれば、二軸延伸法等の延伸法で成形を行なう。
また、成形物を本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物のみで成形することが可能であるが、例えば、薄膜成膜予定面に本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物で形成した官能基導入層を配置し、非薄膜成形面に例えばポリオレフィン系樹脂層を配置し、積層構造を有する成形体としても良い。いずれにしても薄膜を、薄膜の密着に適した官能基を分散させた成形面に成膜することで、密着性とガスバリア性が得られる。
成形体が容器胴体である場合には、ボトルの側面における平均肉厚を200〜500μm、好ましくは250〜450μmとする。成形体が容器の蓋である場合には、蓋の天面における平均肉厚を300〜2000μm、好ましくは500〜1500μmとする。これらの肉厚は、経済性の観点から薄い厚さであることが望まれるが、強度の観点からは所定以上の厚さであることが望まれる。上記の肉厚の範囲は、経済性と強度の観点からバランスのよい成形体の厚さを含んでいる。また、成形体がフィルムである場合には、フィルムの平均肉厚を10μm以上、好ましくは100μm以上とする。フィルムの厚さの上限に制限はないが、例えば1000μmである。フィルムの肉厚は、強度が要求されない用途もあることから、経済性を優先して薄い厚さとすることが望まれる。その場合、フィルム自体のガスバリア性は低下するため、ガスバリア薄膜によって、必要なガスバリア性を確保する。上記の肉厚の範囲は、経済性を満たし、かつ、ガスバリア薄膜を施した上でフィルムが必要なガスバリア性を得るために必要なフィルムの厚さを含んでいる。
本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物で形成したボトル、キャップ、フィルム等の成形体、或いは、内表面層、外表面層又はその両方に薄膜形成用樹脂組成物が含有されて成形された積層型成形体の表面に形成するガスバリア薄膜は、例えば、炭素膜、金属膜又は金属酸化物膜である。これらのガスバリア薄膜は、公知の各種成膜法によって形成されるが、例えばCVD法(特にプラズマCVD法)、スパッタ法、真空蒸着法又は熱フィラメントによる加熱によって原料ガスを熱分解し成膜する方法である。
炭素膜としては、ダイヤモンド状炭素(DLC,ダイヤモンドライクカーボン)薄膜があり、主としてプラズマCVD法によって成膜される。本発明におけるDLC膜とは、i‐カーボン膜又は水素化アモルファスカーボン膜(a‐CH)ともよばれる炭素膜のことでsp結合を含んでいるアモルファスな炭素膜のことをいう。DLC膜は、硬質から軟質(ポリマーライク)までの膜質があり水素含有量は、0atom%から70atom%くらいまでの範囲がある。炭素膜としてはSi含有DLC膜も含まれる。炭素膜を成膜する手法としては公知の成膜法が適用でき、例えば特開平8‐53116号公報、特開平8‐53117号公報、特開平9‐272567号公報又は特開平10‐226884号公報がある。
また、金属膜は、例えば電子ビーム蒸着法によって成膜されるアルミ薄膜がある。また、金属酸化物膜は、例えば酸化アルミニウム(AlOx)薄膜又は酸化ケイ素(SiOx)膜である。
ガスバリア薄膜の膜厚は、例えば5〜100nm、好ましくは10〜50nmとする。5nm未満の膜厚では、成形体の表面を充分に被覆しきれない場合があり、100nmの膜厚を超えると、膜にクラック等の欠陥が生じ易くなる場合がある。最適膜厚は、ガスバリア性容器若しくはフィルムのガスバリア性能を最適化する過程で適宜決定される。ガスバリア性能は、例えば成形された500ml容量のボトルの側面における平均肉厚が200〜500μmである場合、酸素濃度が400ppb以下を満足するガスバリア性能である。一例として、酸素濃度が、ガスバリア薄膜が形成されていない容器(重量18.4g)の約1200ppbに対して、三分の一以下となる、約350ppb以下となる例がある。なお、酸素濃度とは、ボトルの外部空間を大気雰囲気とし、ボトルの内部空間に1リットル/分の流量でアルゴンガスを供給したときの該アルゴンガス中に含まれる質量分析法による酸素濃度をいう。
本実施形態に係るガスバリア性を有するプラスチック成形体の製造方法は、前述のとおり、本実施形態に係る薄膜形成用樹脂組成物が少なくとも表面に表出されているボトル、キャップ又はフィルムから選択されるプラスチック成形体を成形する工程と、成形体の表面にガスバリア薄膜を成膜する工程と、を有するが、プラスチック成形品を成形した後、ガスバリア薄膜を成膜する前に、ガスバリア薄膜の成膜予定面にプラズマ処理を施す工程をさらに有することが好ましい。このときプラズマ処理は、窒素、酸素又はこれらの混合ガスの存在下で行なうことが好ましい。具体的には、窒素プラズマ処理、酸素プラズマ処理又は窒素‐酸素プラズマ処理が好ましい。薄膜の密着性を高め、また膜を形成した成形体のガスバリア性を高めることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(薄膜形成用樹脂組成物の製造)
ポリプロピレン樹脂(PM921M、サンアロマー社製)95質量%とポリスチレン樹脂(679、PSジャパン社製)5質量%とを混合した後、スクリュー直径30mm、L/D(スクリュー径/スクリュー長さ)=42の二軸押出機に供給し、回転数250rpm、設定温度200〜220℃の条件で溶融混錬し、実施例1の薄膜形成用樹脂組成物を得た。
(フィルムの製造)
次に、実施例1の薄膜形成用樹脂組成物を用いて、フィルム厚70μmのフィルムを二軸延伸法で成形した。フィルムの厚さはJIS K 7130:1999に従って測定した。
(DLC膜の成膜)
次に、フィルム厚70μmのフィルムの表面に、膜厚が15nmのDLC膜を成膜した。このとき、DLC成膜装置(PNS‐1、ユーテック社製)を用いて、アセチレンガスを80sccm、成膜時のチャンバー内圧力10Pa、成膜時間2秒、13.56MHzの高周波出力1000Wを成膜条件とした。
(DLC膜の評価・ガスバリア性評価)
(1)DLC膜の膜厚
DLCの膜厚は、予めフィルムの表面にマジックインキ等でマスキングを行って、DLCを被覆した後、ジエチルエーテル等でマスキングを除去し、KLA Tencor社製Alpha‐Step IQによって膜厚を測定した。
(2)フィルムの酸素透過度
フィルムの酸素透過度の測定は、MODERN CONTROL社製OX‐TRAN2/21を使用して、23℃で測定した。
(3)DLC薄膜の密着性評価
(3−1)テープ剥離試験
JISK5400の基盤目テープ法に準じて、以下の条件で行った。
・切り傷のすきま間隔:1mm
・ます目の数 :100
(3−2)耐磨耗性試験
日本T.M.A社製、RT‐200を使用して、以下の条件で耐磨耗性試験を行った。185gの荷重をかけた綿棒を毎秒20cmでガスバリア薄膜の表面上を移動させる。
10往復以内に樹脂表面が露出した場合は耐磨耗性が低く、実用レベルにないと評価し、×とした。
11〜15往復以内に樹脂表面が露出した場合は耐磨耗性が高く、実用レベルの耐磨耗性があると評価し、△とした。
16〜20往復以内に樹脂表面が露出した場合は耐磨耗性が特に高く、実用レベルの耐磨耗性があると評価し、○とした。
21往復以上で樹脂表面が露出した場合は耐磨耗性が十分あると評価し、◎とした。
結果を表1に示した。酸素透過度によるガスバリア性の評価は、DLC薄膜の成膜前後の酸素透過度の比較も行なった。ここで未コートにおける酸素透過度を薄膜コート後における酸素透過度で除して、向上倍率(倍)として求め、表1に記載した。
(実施例2、3)
実施例1の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を90質量%、ポリスチレン樹脂を10質量%とした以外は同様にして、実施例2の薄膜形成用樹脂組成物を得て、実施例1と同様の評価を行なった。さらに、実施例1の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を80質量%、ポリスチレン樹脂を20質量%とした以外は同様にして、実施例3の薄膜形成用樹脂組成物を得て、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表1に示した。
(実施例4)
ポリプロピレン樹脂(PM921M、サンアロマー社製)98質量%とポリスチレン系樹脂としてポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体(モディパーA3400、日油社製)を2質量%とを混合した後、スクリュー直径30mm、L/D(スクリュー径/スクリュー長さ)=42の二軸押出機に供給し、回転数250rpm、設定温度200〜220℃の条件で溶融混錬し、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を混合化若しくは微細に分散させ、実施例4の薄膜形成用樹脂組成物を得た。ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体は、21質量%のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂である。次に、実施例1と同様にフィルム厚70μmのフィルムを製造し、その表面にDLC膜を成膜し、評価を行なった。結果を表1に示した。
(実施例5、6)
実施例4の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を96質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を4質量%とした以外は同様にして、実施例5の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例4の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を92質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を8質量%とした以外は同様にして、実施例6の薄膜形成用樹脂組成物を得た。次に、実施例1と同様にフィルム厚70μmのフィルムを製造し、その表面にDLC膜を成膜し、評価を行なった。結果を表1に示した。
(実施例7)
実施例1の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を94質量%、ポリスチレン樹脂を5質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を1質量%とした以外は同様にして、実施例7の薄膜形成用樹脂組成物を得た。ここで、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体は、本発明のポリスチレン系樹脂に含まれるが、ポリプロピレン樹脂と同じく本発明のポリスチレン系樹脂に含まれるポリスチレン樹脂との相溶化剤の働きもしている。次に、実施例1と同様にフィルム厚70μmのフィルムを製造し、その表面にDLC膜を成膜し、評価を行なった。結果を表1に示した。
(実施例8〜15)
実施例7の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を93質量%、ポリスチレン樹脂を5質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を2質量%とした以外は同様にして、実施例8の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例7の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を91質量%、ポリスチレン樹脂を5質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を4質量%とした以外は同様にして、実施例9の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例7の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を88質量%、ポリスチレン樹脂を10質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を2質量%とした以外は同様にして、実施例10の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例7の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を86質量%、ポリスチレン樹脂を10質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を4質量%とした以外は同様にして、実施例11の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例7の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を82質量%、ポリスチレン樹脂を10質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を8質量%とした以外は同様にして、実施例12の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例7の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を76質量%、ポリスチレン樹脂を20質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を4質量%とした以外は同様にして、実施例13の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例7の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を72質量%、ポリスチレン樹脂を20質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を8質量%とした以外は同様にして、実施例14の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例7の薄膜形成用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン樹脂を70質量%、ポリスチレン樹脂を20質量%、ポリプロピレン樹脂にポリプロピレングラフトアクリロニトリル・スチレン共重合体を10質量%とした以外は同様にして、実施例15の薄膜形成用樹脂組成物を得た。実施例8〜15について、実施例1と同様にフィルム厚70μmのフィルムを製造し、その表面にDLC膜を成膜し、評価を行なった。結果を表1に示した。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂(PM921、サンアロマー社製)のみを実施例1と同様にフィルム厚70μmのフィルムを製造し、その表面にDLC膜を成膜し、評価を行なった。結果を表1に示した。
(比較例2)
市販の70μm厚PETフィルムについて、実施例1と同様に、その表面にDLC膜を成膜し、評価を行なった。結果を表1に示した。
(キャップの製造)
実施例3、13の薄膜形成用樹脂組成物及び比較例1、2の樹脂を用いて、天面が0.75mm肉厚の飲料用28径キャップを、射出成形機(CN‐50型、株式会社新潟鐵工所社製)を用いて成形した。成形条件は190〜210℃である。
(DLC膜の成膜)
次に、これらのキャップの天面の内側表面に、膜厚が15nmのDLC膜を成膜した。
このとき、DLC成膜装置(PNS‐1、ユーテック社製)を用いて、アセチレンガスを80sccm、成膜時のチャンバー内圧力10Pa、成膜時間2秒、13.56MHzの高周波出力1000Wを成膜条件とした。酸素バリア性を、密着性と併せて評価し、結果を表1に示した。
表1に示す通り、成形したキャップ表面に、薄膜を施した場合、表面が粗いためか酸素バリア性の向上は限定的な結果となったが、耐摩耗性試験及びテープ剥離試験においてフィルムの場合と同様の密着性を示した。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とからなる樹脂組成物を用いたガスバリア性を有するプラスチック成形体において、
    前記樹脂組成物は、前記ポリオレフィン系樹脂の含有量が70〜99.5質量%、前記ポリスチレン系樹脂の含有量が30〜0.5質量%であり、前記ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン樹脂であるか或いは12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂であるか或いはこれらの両方であり、かつ、ガスバリア薄膜の被膜対象体の薄膜形成用樹脂組成物であり、
    前記プラスチック成形体は、前記薄膜形成用樹脂組成物を用いて成形されたボトル、キャップ又はフィルムから選択されるプラスチック成形体であるか、或いは、ボトル、キャップ又はフィルムから選択されるプラスチック成形体の表面層、裏面層又はその両方に前記薄膜形成用樹脂組成物が含有されたプラスチック成形体であり、かつ、前記薄膜形成用樹脂組成物からなる表面側にガスバリア薄膜として成膜法による炭素膜、金属膜又は金属酸化物膜が成膜されていることを特徴とするガスバリア性を有するプラスチック成形体。
  2. 前記スチレン共重合体樹脂は、スチレンと共重合される他の共重合成分がブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、アクリロニトリル、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート又はアクリルゴムのうち1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性を有するプラスチック成形体。
  3. 前記薄膜形成用樹脂組成物のポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの混合物のいずれかからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性を有するプラスチック成形体。
  4. ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とからなる樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、前記ポリオレフィン系樹脂の含有量が70〜99.5質量%、前記ポリスチレン系樹脂の含有量が30〜0.5質量%であり、前記ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン樹脂であるか或いは12質量%以上100質量%未満のスチレンを含有するスチレン共重合体樹脂であるか或いはこれらの両方であり、かつ、ガスバリア薄膜の被膜対象体の薄膜形成用樹脂組成物であり、該薄膜形成用樹脂組成物が少なくとも表面に表出されているボトル、キャップ又はフィルムから選択されるプラスチック成形体を成形する工程と、
    該成形体の表面にガスバリア薄膜として成膜法による炭素膜、金属膜又は金属酸化物膜を成膜する工程と、を有することを特徴とするガスバリア性を有するプラスチック成形体の製造方法。
  5. 前記プラスチック成形品を成形した後、前記ガスバリア薄膜を成膜する前に、前記ガスバリア薄膜の成膜予定面にプラズマ処理を施す工程をさらに有することを特徴とする請求項に記載のガスバリア性を有するプラスチック成形体の製造方法。
  6. 前記プラズマ処理は、窒素、酸素又はこれらの混合ガスの存在下で行なうことを特徴とする請求項に記載のガスバリア性を有するプラスチック成形体の製造方法。
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