JP5088552B2 - フルカラー画像形成方法 - Google Patents
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Description
ところで、既存のカラー画像形成装置の多くは、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナーにより全ての色を再現する構成になっており、このイエロー、マゼンタ、シアンの一次色を重ねることにより、様々な発色を実現している。しかしながら、イエローとマゼンタによる二次色である「赤」については十分な色再現性と彩度が得られているとはいえなかった。
前記イエロートナーのみでトナー画像を形成した時に、前記トナー画像の反射光が下記関係式(11)〜(14)を満たすものであり、
前記イエロートナーに含有される着色剤がイエロー顔料であり、当該イエロー顔料が少なくとも下記グループX及びグループYよりそれぞれ選択されるものであって、
前記イエロー顔料は、前記グループXより選択されるイエロー顔料と前記グループYより選択されるイエロー顔料が質量比65:35〜95:5で含有するものであることを特徴とする。
関係式(11) 2≦A415 +A460 ≦24
〔式中、A415 は波長415nmにおける反射率(単位;%)を、A460 は波長460nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(12) 20≦A510 −A490 ≦40
〔式中、A510 は波長510nmにおける反射率(単位;%)を、A490 は波長490nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(13) 2≦A550 −A530 ≦16
関係式(14) 70≦A550
〔式中、A550 は波長550nmにおける反射率(単位;%)を、A530 は波長530nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
〔グループX〕;ピグメントイエロー65、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー111
〔グループY〕;ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー181、ピグメントイエロー153、ピグメントイエロー36
前記イエロートナーのみでトナー画像を形成した時に、前記トナー画像の反射光が前記関係式(11)〜(14)を満たすものであると共に、
前記マゼンタトナーのみでトナー画像を形成した時に、前記トナー画像の反射光が下記関係式(21)〜(24)を満たすものであることが好ましい。
関係式(21) 30≦B450 −B520 ≦85
〔式中、B450 は波長450nmにおける反射率(単位;%)を、B520 は波長520nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(22) 1≦B530 +B570 ≦25
〔式中、B530 は波長530nmにおける反射率(単位;%)を、B570 は波長570nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(23) 2≦B670 −B600 ≦50
関係式(24) 80≦B670
〔式中、B670 は波長670nmにおける反射率(単位;%)を、B600 は波長600nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
〔式中、A415 は波長415nmにおける反射率(単位;%)を、A460 は波長460nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(12) 20≦A510 −A490 ≦40
〔式中、A510 は波長510nmにおける反射率(単位;%)を、A490 は波長490nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(13) 2≦A550 −A530 ≦16
関係式(14) 70≦A550
〔式中、A550 は波長550nmにおける反射率(単位;%)を、A530 は波長530nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
〔式中、B450 は波長450nmにおける反射率(単位;%)を、B520 は波長520nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(22) 1≦B530 +B570 ≦25
〔式中、B530 は波長530nmにおける反射率(単位;%)を、B570 は波長570nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(23) 2≦B670 −B600 ≦50
関係式(24) 80≦B670
〔式中、B670 は波長670nmにおける反射率(単位;%)を、B600 は波長600nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
本発明に係るフルカラー画像形成方法に使用されるイエロートナーは、少なくとも結着樹脂とイエロー着色剤を含有するイエロートナー粒子よりなる。そして、その反射光の反射スペクトルにおいて、波長510nmにおける反射率A510 と波長490nmにおける反射率A490 との差分ΔAが20〜40%、好ましくは25〜35%の範囲にあるものとされている。また、このイエロートナーは、前記反射スペクトルにおいて、波長415nmにおける反射率A415 が7〜12%、波長570nmにおける反射率A570 が75〜85%、波長700nmにおける反射率A700 が85〜95%の範囲にあることが好ましい。
また、前記反射スペクトルにおいて、波長415nmにおける反射率A415 が7〜12%、波長570nmにおける反射率A570 が75〜85%、波長700nmにおける反射率A700 が85〜95%の範囲にあることにより、上記の効果をより一層確実に得ることができる。
ここで、L* a* b* 系表色系とは色を数値化して表現するのに有用に用いられる手段であり、L* はz軸方向の座標であって明度を表し、a* 及びb* はそれぞれx軸及びy軸の座標であって、両者により色相と彩度を表すものである。なお、明度とは色の相対的な明るさのことをいい、色相とは赤、黄、緑、青、紫などの色合いをいうもので、彩度とは色の鮮やかさの度合いをいうものである。
式(1):色相角h=tan-1(b* /a* )
なお、x軸−y軸平面において、a* で示されるx軸の−(マイナス)方向が緑方向であり、b* で示されるy軸の+(プラス)方向が黄方向であり、当該y軸の−(マイナス)方向が青方向である。
また、前記イエロートナーを前記L* a* b* 系表色系によって表した場合、彩度C* が65以上あることが好ましく、70以上であることがより好ましい。彩度C* の値が上記範囲にあることにより、明度が中間調から高い領域に存在する他のカラートナー像と重ね合わせて形成されるカラー可視画像について、極めて広い色域を有するものが実現される。一方、彩度C* が65未満の場合、他のカラートナー像と重ね合わせて形成されたカラー可視画像は色濁りが発生し、鮮鋭性の高い画像を得ることができない。
ここで、彩度C* とは、前記座標点(a,b)と原点Oからの距離をいうもので、下記式(2)によって算出される。
式(2):彩度C* =〔(a* )2 +(b* )2 〕1/2
本発明に使用されるイエロートナーは、その軟化点温度が75〜112℃であり、好ましくは80〜100℃である。イエロートナーの軟化点温度が上記範囲にあることにより、定着工程においてイエロートナーについての適度な溶融状態が得られ、二次色について高い色再現性が得られる。
さらに、このイエロートナーを構成するイエロートナー粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で3.0〜10.0μmであり、好ましくは3.5〜8.0μmである。この粒径は、重合法によりイエロートナー粒子を形成する場合には、イエロートナーの製造方法において、凝集剤の濃度や添加量、または凝集時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
本発明に使用されるイエロートナーは、このイエロートナーを構成する個々のイエロートナー粒子について、転写効率の向上の観点から下記式(3)で示される円形度の平均値(以下、「平均円形度」という)が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
式(3):平均円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長
このコアシェル構造のイエロートナー粒子とは、シェル層がコア粒子を完全に被覆している形態のみならず、コア粒子の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル層を構成するシェル樹脂の一部がコア粒子中にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、シェル層は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよい。
本発明に使用されるイエロートナーを製造する方法としては、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ミニエマルジョン重合凝集法、カプセル化法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、イエロートナーを製造する方法としては、画像の高画質化を達成するために小粒径化されたイエロートナーを得る必要があることを考慮して、製造コスト及び製造安定性の観点から、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂よりなる微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう)の分散液を、他の着色剤微粒子などのイエロートナー粒子構成成分の分散液と混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径及び粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、イエロートナー粒子を製造する方法である。
本発明に使用されるイエロートナーに用いられるイエロー着色剤は、以下のグループXとグループYとからそれぞれ選ばれるイエロー顔料を混在させたものであることが好ましく、その混合比は、質量比で65:35〜95:5の範囲であることが好ましい。
イエロー着色剤のイエロートナー粒子における含有量は、グループXに係るイエロー顔料、及び、グループYに係るイエロー顔料の合計が、イエロートナー粒子100質量部に対して2〜12質量部、好ましくは4〜10質量部である。
〔グループY〕;ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー181、ピグメントイエロー153
イエロー着色剤としては、表面改質されたものを使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤及びロジンなどを好ましく用いることができる。
具体的な表面改質法は、溶媒中にイエロー着色剤を分散させておき、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、イエロー着色剤をろ別し、同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理されたイエロー着色剤が得られる。
本発明では、イエロートナーで形成したトナー画像が前述の関係式(11)〜(14)を満たすことに加えて、マゼンタトナーのみでトナー画像を形成した時に、そのトナー画像の反射光が、下記関係式(21)〜(24)を満たすものであることが好ましい。すなわち、
関係式(21) 30≦B450 −B520 ≦85
〔式中、B450 は波長450nmにおける反射率(単位;%)を、B520 は波長520nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(22) 1≦B530 +B570 ≦25
〔式中、B530 は波長530nmにおける反射率(単位;%)を、B570 は波長570nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(23) 2≦B670 −B600 ≦50
関係式(24) 80≦B670
〔式中、B670 は波長670nmにおける反射率(単位;%)を、B600 は波長600nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
油溶性染料は、通常、カルボン酸やスルホン酸などの水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で非水溶性の染料のことで、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料、たとえば、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が含まれる。
油溶性染料としては、水に対する溶解度が1質量%以下であって、トルエンに対する溶解度が0.01g/100ml以上であるものをいう。染料の溶解度の測定方法は、室温(25℃)において、トルエン100mlに染料を添加して撹拌し、24時間放置後にろ過を行う。次いで、この溶液中に含有される染料の質量をトルエンを溜去して求める。また、水に対する溶解度も全く同様に測定することができる。
マゼンタ染料の具体例としては、下記の油溶性染料が挙げることができる。
C.I.ソルベントレッド3(0.7)、同14(0.03)、同17(1.0)、同18(0.8)、同22(3.0)、同23(1.4)、同51(1.4)、同53(0.1)、同87(0.2)、同127(0.3)、同128(1.2)、同131(0.2)、同145(0.2)、同146(1.1)、同149(0.19)、同150(0.07)、同151(0.2)、同152(0.89)、同153(0.8)、同154(0.2)、同155(0.05)、同156(0.5)、同157(0.6)、同158(0.9)、同176(0.05)、同179(0.37)
C.I.ソルベントオレンジ63(0.02)、同68(0.70)、同71(0.11)、同72(4.9)、同78(0.33)等
なお、上記染料名の後ろにある括弧内に示す数値は、トルエンに対する溶解度を示すものである。また、上記に示す染料は水に対する溶解度が1質量%以下のものであった。
キレート染料は、金属イオンに色素が2座以上で配位している化合物で、色素以外の配位子を有してもよい。ここで、配位子とは金属イオンに配位可能な原子団をいい、電荷を有しても有していなくてもよい。
本発明に使用可能な金属キレート染料としては、式(D)で表される化合物を挙げることができる。
式(D):(Dye)nM(A)m
式(D)において、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属と配位結合可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、nは1、2、3の整数、mは0、1、2、3の整数を表す。mが0のときnは2または3を表し、その場合、Dyeは同種であっても異なっていてもよい。Mで表される金属イオンとしては、周期律表の第1〜8属に属する金属で、たとえば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、Zr及びZnのイオンが挙げられる。この中でも、色調、各種耐久性から、Ni、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンが特に好ましい。特に好ましくは特開平9−277693号公報、特開平10−20559号公報、特開平10−30061号公報に開示されるキレート染料である。
これら染料の添加量は、樹脂に対して1〜10質量%である。また、式(D)で表される化合物の好ましい例はトリアゾール化合物である。
以下に、式(D)中の(Dye)で示されるものの好ましい例である1−1〜1−20を示す。
本発明に使用されるイエロートナーを構成するイエロートナー粒子が、たとえば、粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、イエロートナーを構成する結着樹脂として、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の樹脂を挙げることができる。
また、本発明に使用されるイエロートナーを構成するイエロートナー粒子が、たとえば、懸濁重合法、ミニエマルジョン重合凝集法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、イエロートナーを構成する結着樹脂を得るための重合性単量体として、たとえば、以下のものが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂を得ることもできる。
イエロートナー粒子がコアシェル構造のものである場合は、コア結着樹脂及びシェル樹脂として、それぞれスチレン−アクリル系共重合体樹脂が好ましい。
コア結着樹脂が共重合体よりなるものである場合は、当該共重合体を得るための重合性単量体として、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなど、得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)を低いものとすることができるものが含まれることが好ましい。
この様な重合性単量体としては、上記に挙げた具体例の他に、酸無水物、あるいは、ビニルカルボン酸金属塩の形態を有するものであってもよい。
また、シェル樹脂が共重合体よりなるものである場合は、当該共重合体を得るための重合性単量体として、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸など、得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)を高いものにすることができるものが含まれることが好ましい。
この様な重合性単量体の共重合体比は、シェル樹脂を形成すべき重合性単量体全体の8〜80質量%であり、9〜20質量%であることが好ましい。
この様な重合性単量体としては、上記に挙げた具体例の他に、酸無水物、あるいは、ビニルカルボン酸金属塩の形態を有するものであってもよい。
すなわち、コア粒子を構成する結着樹脂がTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)が5,000〜30,000の範囲にあり、かつ、シェル層を構成する結着樹脂がTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)が10,000〜80,000の範囲にそれぞれピーク分子量を有することが好ましく、さらに好ましくはコア粒子を構成する結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が15,000〜28,000、シェル層を構成する結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000の範囲にそれぞれピーク分子量を有することである。
一方、本発明に使用されるイエロートナーを構成する結着樹脂が、たとえば、当該イエロートナーがコアシェル構造のものではない場合、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)が好ましくは3,000〜6,000、より好ましくは3,500〜5,500重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2.0〜6.0、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移温度(Tg)は50〜70℃、好ましくは55〜70℃であることが好ましい。
本発明に使用されるイエロートナーは、たとえば、コアシェル構造のものは、具体的には以下の様な工程を経て作製されるものである。(1)イエロー着色剤が微粒子状に分散された着色剤微粒子の分散液を調製する着色剤微粒子分散液調製工程、(2−1)必要に応じて離型剤、荷電制御剤などを含有したコア結着樹脂よりなる結着樹脂微粒子を得て、この分散液を調製するコア結着樹脂微粒子重合工程、(2−2)シェル樹脂よりなる樹脂微粒子を得てこの分散液を調製するシェル樹脂微粒子重合工程、(3)コア結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを水系媒体中で凝集、融着させてコア粒子となるべき会合粒子を形成する凝集・融着工程、(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を制御し、コア粒子を得る第1の熟成工程、(5)コア粒子の分散液中に、シェル層を形成すべきシェル樹脂微粒子を添加してコア粒子の表面に当該シェル樹脂微粒子を凝集、融着させてコアシェル構造の粒子を形成するシェル層形成工程、(6)コアシェル構造の粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を制御し、コアシェル構造のイエロー着色粒子を得る第2の熟成工程、(7)冷却されたイエロー着色粒子の分散系(水系媒体)からイエロー着色粒子を固液分離し、当該イエロー着色粒子から界面活性剤などを除去するろ過、洗浄工程、(8)洗浄処理されたイエロー着色粒子を乾燥する乾燥工程、から構成され、必要に応じて乾燥工程の後に、(9)乾燥処理されたイエロー着色粒子に外添剤を添加してイエロートナー粒子を得る外添剤処理工程を加えてもよい。
以下、コアシェル構造を有するイエロートナーを得るためのトナーの各製造工程について説明する。
この工程においては、水系媒体中にイエロー着色剤であるイエロー顔料を添加して分散機によって分散処理することにより、イエロー着色剤が微粒子状に分散された着色剤微粒子の分散液を調製する処理が行われる。具体的には、イエロー着色剤の分散処理は後述する様に界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態の水系媒体中で行われる。分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、超音波分散機、機械式ホモジナイザ、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザ等の加圧分散機、サンドグラインダ、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機が挙げられる。
この着色剤微粒子分散液における着色剤微粒子の分散径は、体積基準のメディアン径で40〜200nmであることが好ましい。
この工程においては、重合処理を行って必要に応じて離型剤、荷電制御剤などを含有したコア結着樹脂よりなる結着樹脂微粒子の分散液を調製する処理が行われる。
この工程における重合処理の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、必要に応じて離型剤、荷電制御剤などが含有された重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性の重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。この様な工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的な乳化(液滴の形成)を行う処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサ、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌または超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
ここで、上記着色剤微粒子分散液やコア結着樹脂微粒子の重合時に使用する水系媒体に用いられる界面活性剤について説明する。
前記界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。
以下、コア結着樹脂微粒子重合工程で使用される重合開始剤、連鎖移動剤、離型剤、荷電制御剤について説明する。
前記水溶性の重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素などを挙げることができる。
また、油溶性ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などが挙げられる。
この重合工程においては、得られるコア結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、たとえば、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、及び、α−メチルスチレンダイマー等が使用される。
本発明に使用されるイエロートナーを構成するイエロートナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与する離型剤が含有されていてもよい。ここで、離型剤としては特に限定されるものではなく、たとえば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックスなどを挙げることができる。
イエロートナー粒子中における離型剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜5質量部とされ、好ましくは1〜3質量部とされる。離型剤の含有割合が結着樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、結着樹脂100質量部に対して5質量部より大きいと、得られるイエロートナーが透光性や色再現性の低いものになる。
本発明に使用されるイエロートナーを構成するイエロートナー粒子中には、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
この工程においては、コア結着樹脂微粒子としてイエロー着色剤を含有したものを製造してもよい。イエロー着色剤によって着色されたコア結着樹脂微粒子は、イエロー着色剤を含有する重合性単量体組成物を重合処理することにより得られる。予めイエロー着色剤によって着色されたコア結着樹脂微粒子を用いる場合、(1)の着色剤微粒子分散液調製工程を行うことなく、後述する(3)の凝集・融着工程においてこの着色されたコア結着樹脂微粒子を凝集させることによって着色されたコア粒子を得ることができる。
この工程においては、上記(2−1)のコア結着樹脂微粒子重合工程と同様に重合処理を行って、シェル樹脂よりなるシェル樹脂微粒子の分散液を調製する処理が行われる。
この工程は、コア結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを水系媒体中で凝集、融着させてコア粒子となるべき会合粒子を形成する工程である。この工程における凝集、融着の方法としては、(1)の着色剤微粒子分散液調製工程により得られた着色剤微粒子、及び、(2−1)のコア結着樹脂微粒子重合工程により得られたコア結着樹脂微粒子を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、コア結着樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集、融着させることができる。
ここで、「塩析/融着」とは、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、さらに、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱を継続して行うことをいう。
また、塩析剤をコア結着樹脂微粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、コア結着樹脂微粒子のガラス転移温度以上であって、かつ、コア結着樹脂微粒子と着色剤微粒子の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。さらに、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確ではないが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。以上の塩析/融着法により、コア結着樹脂微粒子及び任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(コア粒子)の分散液が得られる。
また、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、生成される樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
この工程においては、会合粒子を熱エネルギーにより熟成させる熟成処理が行われる。そして、凝集・融着工程の加熱温度や特に第1の熟成工程の加熱温度と時間を制御することにより、粒径が一定で分布が狭く形成されたコア粒子表面が平滑だが均一的な形状を有するものになる様に制御することができる。具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにしてコア結着樹脂微粒子同士の融着の進行を抑制させて均一化を促進させ、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、かつ、時間を長くしてコア粒子の表面が均一な形状のものに制御する。
このシェル層形成工程では、コア粒子の分散液中にシェル樹脂微粒子の分散液を添加してコア粒子の表面にシェル樹脂微粒子を凝集、融着させ、コア粒子の表面にシェル樹脂微粒子を被覆させてコアシェル構造の粒子を形成するシェル化処理が行われる。
このシェル層形成工程は、低温定着性と耐熱保存性の両方の性能を付与するための好ましい製造条件である。また、カラー画像を形成する場合に、二次色について高い色再現性を得るために、このシェル層形成を行うことが好ましい。
具体的には、コア粒子の分散液を上記凝集・融着工程及び第1の熟成工程における加熱温度を維持した状態でシェル樹脂微粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル樹脂微粒子をコア粒子表面に被覆させてコアシェル構造の粒子を形成させる。加熱撹拌時間は、1〜7時間が好ましく、3〜5時間が特に好ましい。
シェル層形成工程によりコアシェル構造の粒子が所定の粒径になった段階で塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル樹脂微粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。そして、コア粒子の表面を被覆するシェル樹脂微粒子による層の厚さを100〜300nmとする。このようにして、コア粒子の表面に樹脂微粒子を固着させてシェル層を形成し、丸みを帯び、しかも形状の揃ったコアシェル構造のイエロー着色粒子が形成される。
本発明に使用されるイエロートナーの製造方法では、第2の熟成工程の時間を長めに設定したり、熟成温度を高めに設定することでイエロー着色粒子の形状を真球方向に制御することが可能である。
この工程においては、先ず、前記イエロー着色粒子の分散液を冷却処理する。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
次いで、所定温度まで冷却されたイエロー着色粒子の分散液から当該イエロー着色粒子を固液分離し、その後、固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にあるイエロー着色粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここで、ろ過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧ろ過法、フィルタープレス等を使用して行うろ過法など特に限定されるものではない。
この工程は、洗浄処理されたイエロートナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたイエロー着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥処理されたイエロー着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理されたイエロー着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
本発明に使用されるイエロートナーとなるイエロー着色粒子は、そのままでイエロートナー粒子を構成することができるが、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的でいわゆる外添剤を添加してなるイエロートナー粒子にすることができる。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子や有機微粒子、及び、脂肪族金属塩を使用することができる。
上記無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子を使用することが好ましく、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形のものを使用することができる。この有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体を使用することができる。
これら外添剤の添加割合は、イエロートナーにおいて0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%となる割合である。また、外添剤は種々のものを組み合わせて使用してもよい。
本発明に係るフルカラー画像形成方法に使用可能な記録材は、イエロートナー像を保持することができる支持体である。具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、あるいは、コート紙などの塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種支持体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用可能なイエロートナーは、非磁性の一成分現像剤として使用することができるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用することもできる。前記イエロートナーを二成分現像剤として使用する場合、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとして、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアやバインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなどを用いることもできる。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、バインダー型キャリアを構成するバインダー樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、たとえば、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
〔測定条件〕
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率:1.33
溶媒粘度:0.797(30℃)、1.002(20℃)
ゼロ点調整:測定セル内にイオン交換水を入れて行った。
(1)「イエロー着色剤微粒子分散液1」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解させた溶液を撹拌させておき、当該溶液中に下記イエロー着色剤を徐々に添加した。
C.I.ピグメントイエロー74 22.5質量部
C.I.ピグメントイエロー139 2.5質量部
次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメディアン径が126nmである「イエロー着色剤微粒子分散液1」を調製した。
(2)「イエロー着色剤微粒子分散液2〜22」の調製
前記「イエロー着色剤微粒子分散液1」の調製において、イエロー着色剤の種類と添加量を表1に示す様に変更した他は同様の手順で「イエロー着色剤微粒子分散液2〜22」を調製した。
2−1.「コア形成用樹脂粒子1」の作製
〔「コア形成用樹脂粒子1」の作製〕
下記に示す手順で「コア形成用樹脂微粒子1」を作製した。
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記構造式1で示されるアニオン系界面活性剤(構造式1)4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
(構造式1) C10H21(OCH2 CH2 )2 SO3 Na
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 532質量部
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
前記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌して重合(第1段重合)を行い、樹脂微粒子を調製した。これを「樹脂微粒子A1」とする。この「樹脂微粒子A1」の重量平均分子量(Mw)は16,500であった。
(2)第2段重合(中間層の形成)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物を添加して単量体混合液を調製し、
スチレン 101.1質量部
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
前記単量体混合液に、下記離型剤を添加した後、
パラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製) 93.8質量部
80℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、上記構造式1で示されるアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、前記「樹脂微粒子A1」の分散液を固形分換算で32.8部添加した。添加後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記離型剤を溶解させた単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径340nmを有する乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い樹脂微粒子の分散液を得た。この樹脂微粒子を「樹脂微粒子A2」とする。この「樹脂微粒子A2」の重量平均分子量(Mw)は23,000であった。
(3)第3段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂微粒子A2」の分散液中に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 293.8質量部
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
前記単量体混合液の滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア形成用樹脂微粒子1」を作製した。第3段重合により作製した「コア形成用樹脂微粒子A」の重量平均分子量(Mw)は26,800であった。また、「コア形成用樹脂微粒子A」を構成する複合樹脂粒子(樹脂粒子)の体積平均粒径は125nm、ガラス転移温度(Tg)は28.1℃であった。
(1)第1段重合(核粒子の形成)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記化合物を添加し、80℃に加温して溶解させて重合性単量体溶液を得た。
スチレン 115.9質量部
n−ブチルアクリレート 47.4質量部
メタクリル酸 12.3質量部
パラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製) 93.8質量部
一方、下記構造式2で表されるアニオン系界面活性剤2.9質量部をイオン交換水1340質量部に溶解させた界面活性剤溶液を調製して、これを80℃に加熱して前記反応容器に投入した。
(構造式2) C10H21(OCH2CH2 )20SO3 Na
その後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により2時間の混合分散処理を行い、分散粒子径が245nmである乳化粒子(油滴)を含有する分散液を調製した。
次に、イオン交換水1460質量部を添加した後、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)6.1質量部及びn−オクチルメルカプタン1.8質量部をイオン交換水237質量部に溶解させた開始剤溶液を添加して温度を80℃に調整した。その後、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行って樹脂微粒子の分散液を作製した。これを「樹脂微粒子B1」とする。この「樹脂微粒子B1」の重量平均分子量(Mw)は19,600であった。
(2)第2段重合(外層の形成)
前述の様に作製した「樹脂微粒子B1」の分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)3.8質量部をイオン交換水148質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物からなる単量体混合溶液を1時間かけて滴下した。
スチレン 300.9質量部
n−ブチルアクリレート 146.9質量部
メタクリル酸 3質量部
n−オクチルメルカプタン 4.93質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア形成用樹脂微粒子B」の分散液を得た。この「コア形成用樹脂微粒子B」の重量平均分子量(Mw)は34,800、質量平均粒径は137nm、ガラス転移温度(Tg)は36℃であった。
「コア形成用樹脂微粒子B」の作製において、第1段重合に使用した重合性単量体溶液を下記のものに変更した。すなわち、
スチレン 135.9質量部
n−ブチルアクリレート 27.4質量部
メタクリル酸 12.3質量部
また、第1段重合で使用した開始剤溶液を、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)6.1質量部及びn−オクチルメルカプタン0.8質量部をイオン交換水237質量部に溶解させたものに変更した。その他は同様の手順により、「コア形成用樹脂微粒子C」を調製した。この「コア形成用樹脂微粒子C」の重量平均分子量(Mw)は41,300、質量平均粒径は132nm、ガラス転移温度(Tg)は42.6℃であった。
(1)第1段重合(核粒子の形成)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に前記構造式2で示されるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 528質量部
n−ブチルアクリレート 204質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 24.4質量部
前記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌して重合(第1段重合)を行い、樹脂微粒子を調製した。これを「樹脂微粒子D1」とする。この「樹脂微粒子D1」の重量平均分子量(Mw)は14,000であった。
(2)第2段重合(中間層の形成)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物を添加して単量体混合液を調製し、
スチレン 95質量部
n−ブチルアクリレート 36質量部
メタクリル酸 9質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 0.69質量部
前記単量体混合液に、離型剤として下記構造式3で表される化合物77質量部を添加し、90℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行って「樹脂微粒子D2」の分散液を得た。この「樹脂微粒子D2」の重量平均分子量(Mw)は80,000であった。
(3)第3段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂微粒子D2」の分散液中に、過硫酸カリウム6.8質量部をイオン交換水265質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 242.5質量部
n−ブチルアクリレート 96.5質量部
メタクリル酸 18質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 8.0質量部
前記単量体混合液の滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア形成用樹脂微粒子D」を作製した。第3段重合により作製した「コア形成用樹脂微粒子D」の重量平均分子量(Mw)は37,500であった。また、「コア形成用樹脂微粒子D」を構成する複合樹脂粒子(樹脂粒子)の体積平均粒径は128nm、ガラス転移温度(Tg)は52.3℃であった。
「コア形成用樹脂微粒子B」の作製において、第2段重合(外層の形成)に使用した重合性単量体溶液を下記のものに変更した。すなわち、
スチレン 135.9質量部
n−ブチルアクリレート 27.4質量部
メタクリル酸 12.3質量部
また、第1段重合で使用した開始剤溶液を、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)5.1質量部をイオン交換水197質量部に溶解させたものに変更した。その他は同様の手順により、「コア形成用樹脂微粒子E」を調製した。この「コア形成用樹脂微粒子E」の重量平均分子量(Mw)は42,700、質量平均粒径は133nm、ガラス転移温度(Tg)は9.2℃であった。
前記「コア形成用樹脂微粒子1」の作製において、第1段重合に用いた単量体混合液を、下記化合物と添加量に変更した単量体混合溶液を用いた以外は同様の手順で、
スチレン 624質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
重合反応及び反応後の処理を行うことにより、「シェル樹脂微粒子F」を作製した。この「シェル樹脂微粒子F」の重量平均分子量(Mw)は16,400、質量平均粒径は95nm、ガラス転移温度(Tg)は62.6℃であった。
〔「イエロートナー1」の作製〕
(1)コア粒子の形成
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器内に、
「コア形成用樹脂微粒子1」の分散液 420.7質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
「イエロー着色剤微粒子分散液1」 200質量部
を投入して撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D50)が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させた。さらに、熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、「コア粒子1」を形成した。得られた「コア粒子1」の円形度を「FPIA2100」(システックス社製)にて測定したところ、平均円形度は0.912であった。
(2)シェル層の形成
次いで、65℃において「シェル樹脂微粒子1」の分散液96質量部(固形分換算)を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した。添加後、70℃(シェル化温度)まで昇温させ、1時間にわたり撹拌を継続し、「コア粒子1」の表面に「シェル樹脂微粒子1」を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行い、シェル層を形成させた。
ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を添加し、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した着色粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア粒子表面にシェル層が形成された「イエロートナー1」を得た。なお、「イエロートナー1」に用いたイエロー着色剤の種類と割合は前述の表1に示すとおりである。
「イエロートナー1」の作製において用いた「コア形成用樹脂微粒子1」及び「イエロー着色剤微粒子分散液1」を、それぞれ下記表2に記載のコア形成用樹脂微粒子とイエロー着色剤微粒子分散液に変更したことの他は同様の手順により「イエロートナー2〜22」を作製した。作製した「イエロートナー1〜22」に用いたイエロー着色剤を構成するイエロー顔料の種類と割合、及び、「イエロートナー1〜22」の各所定波長における反射率を表2に示す。また、各トナーを構成するコア形成用樹脂微粒子、各トナーのガラス転移温度、重量平均分子量、及び、軟化点温度を表3に示す。
3−1.「マゼンタトナー1〜5」の作製
(1)「マゼンタ着色剤微粒子分散液1」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液中に、下記の様に前述したマゼンタ着色剤を徐々に添加した。
Dye−1 22.5質量部
Dye−5 2.5質量部
次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメディアン径が126nmである「マゼンタ着色剤微粒子分散液1」を調製した。
(2)「マゼンタ着色剤微粒子分散液2〜5」の調製
「マゼンタ着色剤微粒子分散液1」の調製において、マゼンタ着色剤の種類と添加量を表3に示す様に変更した他は同様の手順で「マゼンタ着色剤微粒子分散液2〜5」を調製した。
「イエロートナー1」の作製において、「イエロー着色剤微粒子分散液1」を表4に示す「マゼンタ着色剤微粒子分散液1〜5」に変更した他は同様の手順により「マゼンタトナー1〜5」を作製した。なお、作製した「マゼンタトナー1〜5」は、いずれもガラス転移温度が28.1℃、重量平均分子量(Mw)が10,600、軟化点温度が88℃であった。
(1)「シアン着色剤微粒子分散液1」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液中に、シアン着色剤であるC.I.ピグメントブルー15:3 20質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行うことにより「シアン着色剤微粒子分散液1」を調製した。
(2)「シアントナー1」の作製
「イエロートナー1」の作製において、「イエロー着色剤微粒子分散液1」を上記「シアン着色剤微粒子分散液1」に変更した他は同様の手順により「シアントナー1」を作製した。なお、作製した「シアントナー1」は、いずれもガラス転移温度が28.1℃、重量平均分子量(Mw)が10,600、軟化点温度が88℃であった。
4−1.現像剤の調製
前記「イエロートナー1〜22」に対して、シリコン樹脂を被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを、トナー濃度が6質量%になるように混合し、二成分現像剤である「イエロー現像剤1〜22」を調製した。同様に「マゼンタトナー1〜5」及び「シアントナー1」に対しても、前記フェライトキャリアを前述した手順で混合して、二成分現像剤である「マゼンタ現像剤1〜5」と「シアン現像剤1」を調製した。
前記「イエロー現像剤4〜6、10、11、15および17〜22」、「マゼンタ現像剤1」、「シアン現像剤1」を組み合わせて12種類のフルカラーの現像剤セットを用意した。具体的な現像剤の組み合わせは、後述する表5に示すとおりである。ここで、「イエロー現像剤4〜6、10、11および15」を用いた6種類の現像剤セットを「実施例1〜6」、「イエロー現像剤17〜22」を用いた6種類の現像剤セットを「比較例1〜6」とする。
これら現像剤セットを市販のフルカラー複合プリンタ「Sitios9331」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)の改造機(現像ローラを外径9mmのものに変更したもの)に搭載し、下記(1)〜(4)について実機評価を行った。なお、評価時におけるプリント画像形成動作条件として、線速を280mm/分(約50枚/分)に設定して評価を行った。各評価項目について、評価基準が「A」及び「B」である場合を合格、「C」及び「D」である場合を不合格とした。
赤色系ロゴマークを採用しているメーカ50社のロゴマークを、各社ホームページより下記に詳細を記すコンピュータディスプレイ上に表示し、それを転写紙「和紙コピー大王」(小津産業社製)にプリントした。作製したプリント物を無作為に抽出した10代〜70代のパネラー100名に提示し、プリント上のロゴマークがディスプレイ上に表示したロゴマークと比較して違和感なく再現されている」と評価した人の数で評価を行った。
〔評価基準〕
A;「再現されている」と評価した人が90人以上(優良)
B;「再現されている」と評価した人が80人以上90人未満(良好)
C;「再現されている」と評価した人が60人以上80人未満(実用可能)
D;「再現されている」と評価した人が60人未満(不良)
〔コンピュータディスプレイ条件〕
・コンピュータ:iMAC(アップルコンピュータ(株)製)
・24インチワイドスクリーン液晶表示画面
・画面解像度:1920×1200ピクセル
・2.16GHz Intel Core 2 Duo プロセッサ1
・4MB共有L2キャッシュ
・1GBメモリ(2×512MB SO−DIMM)
・250GBシリアルATAハードドライブ2
・8x二層式SuperDrive(DVD+R DL、DVD±RW、CD−RW)
・NVIDIA GeForce 7300 GT 128MB GDDR3 メモリ
・AirMac Extreme及びBluetooth2.0内蔵
・Apple Remote
下記5種類の柑橘類を2個ずつ、合計10個用意し、
マンダリンオレンジ(Mandarin orenge Mandarins)
ウンシュウミカン(学名;Citrus unsyu Marc.)
グレープフルーツ(学名;Citrus X paradise)
本ユズ(学名;Citrus junos)
レモン(学名;Citrus limon)
これらを太陽光の下で撮影して10個の写真画像を用意した。撮影した写真画像を前記ディスプレイ上に表示し、転写紙「PODグロスコート 80g/m2」(王子製紙(株)製)にプリントした。撮影したプリント物について、前記(1)の評価と同様に100名のパネラーに提示し、「プリント画像の色がディスプレイ上の写真の色と違和感なく再現されている」と評価した人の数で評価を行った。
〔評価基準〕
A;「再現されている」と評価した人が80人以上(優良)
B;「再現されている」と評価した人が65人以上80人未満(良好)
C;「再現されている」と評価した人が50人以上65人未満(実用可能)
D;「再現されている」と評価した人が50人未満(不良)。
市販のワードプロセッサ用ソフト「Microsoft Word 2003」(マイクロソフト社製)を用いて、イエローに塗りつぶしたテキストボックスに新聞のコラムを文字の大きさが3ポイントになる用に転記した。これを転写紙「和紙コピー大王」(小津産業社製)上にプリントし、下記基準で目視評価を行った。
〔評価基準〕
A;文字つぶれ、文字滲みがなく優良
B;画数の多い一部の漢字以外は判読可能
C;判読不可能な文字の頻度が高く読みにくい。
以下に示す手順により、定着可能温度を算出して低温定着性を評価した。なお、ここで、定着可能温度とは定着率が90%以上となる定着温度のことをいう。
具体的には、常温常湿(20℃、50%RH)環境下で、定着ベルトの表面温度を100〜160℃まで5℃刻みで変更し、2.5cm角のベタ画像(トナー付着量0.3m2 )のプリントを作製した。作製した各ベタ画像の定着率を、メンディングテープ剥離法により測定し、定着率が90%以上となった定着温度を求め、その温度を定着可能温度として評価した。
以下、メンディングテープ剥離法について説明する。
(a)転写紙上の2.5cm角のベタ黒画像のトナー付着量が0.3mg/m2 となる設定条件下で作製したトナー画像の絶対反射濃度D0 を測定する。
(b)「メンディングテープ(住友3M社製:No.810−3−12)」をトナー画像に軽く貼り付ける。
(c)1kPaの圧力でテープの上を3.5回往復擦り付ける。
(d)剥離角度180°、剥離強度2Nの条件の下でテープを剥離する。
(e)剥離後の絶対反射濃度D1 を測定する。
(f)上記絶対反射濃度D0 とD1 より、定着率を算出する。なお、定着率は下記式
定着率(%)=(D1 /D0 )×100
より算出される。また、絶対反射濃度の測定は反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を使用した。定着可能温度が150℃未満のものを合格とし、特に、定着可能温度が130℃未満のものを優れているものと評価した。
結果を表5に示す。
Claims (4)
- 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するイエロートナー粒子よりなるイエロートナーを用いたフルカラー画像形成方法であって、
前記イエロートナーのみでトナー画像を形成した時に、前記トナー画像の反射光が下記関係式(11)〜(14)を満たすものであり、
前記イエロートナーに含有される着色剤がイエロー顔料であり、当該イエロー顔料が少なくとも下記グループX及びグループYよりそれぞれ選択されるものであって、
前記イエロー顔料は、前記グループXより選択されるイエロー顔料と前記グループYより選択されるイエロー顔料を質量比65:35〜95:5で含有するものであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
関係式(11) 2≦A415 +A460 ≦24
〔式中、A415 は波長415nmにおける反射率(単位;%)を、A460 は波長460nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(12) 20≦A510 −A490 ≦40
〔式中、A510 は波長510nmにおける反射率(単位;%)を、A490 は波長490nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(13) 2≦A550 −A530 ≦16
関係式(14) 70≦A550
〔式中、A550 は波長550nmにおける反射率(単位;%)を、A530 は波長530nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
〔グループX〕;ピグメントイエロー65、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー111
〔グループY〕;ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー181、ピグメントイエロー153、ピグメントイエロー36 - 前記イエロートナーと共に、少なくともマゼンタトナーとシアントナーを用いてフルカラー画像形成を行うフルカラー画像形成方法であって、
前記イエロートナーのみでトナー画像を形成した時に、前記トナー画像の反射光が前記関係式(11)〜(14)を満たすものであると共に、
前記マゼンタトナーのみでトナー画像を形成した時に、前記トナー画像の反射光が下記関係式(21)〜(24)を満たすものであることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー画像形成方法。
関係式(21) 30≦B450 −B520 ≦85
〔式中、B450 は波長450nmにおける反射率(単位;%)を、B520 は波長520nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(22) 1≦B530 +B570 ≦25
〔式中、B530 は波長530nmにおける反射率(単位;%)を、B570 は波長570nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(23) 2≦B670 −B600 ≦50
関係式(24) 80≦B670
〔式中、B670 は波長670nmにおける反射率(単位;%)を、B600 は波長600nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕 - 前記反射光において、波長415nmにおける反射率A415 が7〜12%、波長570nmにおける反射率A570 が75〜85%、波長700nmにおける反射率A700 が85〜95%であるイエロートナーを用いるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフルカラー画像形成方法。
- 前記イエロートナーの軟化点温度が75℃〜112℃であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
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