JP5088357B2 - 新規ペプチド生成酵素遺伝子 - Google Patents
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Description
〔1〕 下記(A)または(B)に示すタンパク質をコードするDNA。
(A)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜616のアミノ酸配列を有するタンパク質
(B)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜616のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
〔2〕 下記(C)または(D)に示すタンパク質をコードするDNA。
(C)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号21〜619のアミノ酸配列を有するタンパク質
(D)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号21〜619のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
〔3〕 下記(E)または(F)に示すタンパク質をコードするDNA。
(E)配列表の配列番号18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜625のアミノ酸配列を有するタンパク質
(F)配列表の配列番号18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜625のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
〔4〕 下記(G)または(H)に示すタンパク質をコードするDNA。
(G)配列表の配列番号23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜645のアミノ酸配列を有するタンパク質
(H)配列表の配列番号23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜645のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
〔5〕 下記(I)または(J)に示すタンパク質をコードするDNA。
(I)配列表の配列番号25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号26〜620のアミノ酸配列を有するタンパク質
(J)配列表の配列番号25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号26〜620のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
〔6〕 下記(K)または(L)に示すタンパク質をコードするDNA。
(K)配列表の配列番号27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号18〜644のアミノ酸配列を有するタンパク質
(L)配列表の配列番号27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号18〜644のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
〔7〕 下記(M)または(N)に示すタンパク質をコードするDNA。
(M)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(N)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔8〕 下記(O)または(P)に示すタンパク質をコードするDNA。
(O)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(P)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔9〕 下記(Q)または(R)に示すタンパク質をコードするDNA。
(Q)配列表の配列番号18に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(R)配列表の配列番号18に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔10〕 下記(S)または(T)に示すタンパク質をコードするDNA。
(S)配列表の配列番号23に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(T)配列表の配列番号23に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔11〕 下記(U)または(V)に示すタンパク質をコードするDNA。
(U)配列表の配列番号25に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(V)配列表の配列番号25に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔12〕 下記(W)または(X)に示すタンパク質をコードするDNA。
(W)配列表の配列番号27に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(X)配列表の配列番号27に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔13〕 下記(a)または(b)に示すDNA。
(a)配列表の配列番号5に記載の塩基配列のうちの塩基番号127〜1908の塩基配列からなるDNA
(b)配列表の配列番号5に記載の塩基配列のうちの塩基番号127〜1908の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有するタンパク質をコードするDNA
〔14〕 下記(c)または(d)に示すDNA。
(c)配列表の配列番号11に記載の塩基配列のうちの塩基番号121〜1917の塩基配列からなるDNA
(d)配列表の配列番号11に記載の塩基配列のうちの塩基番号121〜1917の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有するタンパク質をコードするDNA
〔15〕 下記(e)または(f)に示すDNA。
(e)配列表の配列番号17に記載の塩基配列のうちの塩基番号127〜1935の塩基配列からなるDNA
(f)配列表の配列番号17に記載の塩基配列のうちの塩基番号127〜1935の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有するタンパク質をコードするDNA
〔16〕 下記(g)または(h)に示すDNA。
(g)配列表の配列番号22に記載の塩基配列のうちの塩基番号127〜1995の塩基配列からなるDNA
(h)配列表の配列番号22に記載の塩基配列のうちの塩基番号127〜1995の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有するタンパク質をコードするDNA
〔17〕 下記(i)または(j)に示すDNA。
(i)配列表の配列番号24に記載の塩基配列のうちの塩基番号104〜1888の塩基配列からなるDNA
(j)配列表の配列番号24に記載の塩基配列のうちの塩基番号104〜1888の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有するタンパク質をコードするDNA
〔18〕 下記(k)または(l)に示すDNA。
(k)配列表の配列番号26に記載の塩基配列のうちの塩基番号112〜1992の塩基配列からなるDNA
(l)配列表の配列番号26に記載の塩基配列のうちの塩基番号112〜1992の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有するタンパク質をコードするDNA
〔19〕 下記(m)または(n)に示すDNA。
(m)配列表の配列番号5に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1908の塩基配列からなるDNA
(n)配列表の配列番号5に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1908の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質をコードするDNA
〔20〕 下記(o)または(p)に示すDNA。
(o)配列表の配列番号11に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1917の塩基配列からなるDNA
(p)配列表の配列番号11に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1917の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質をコードするDNA
〔21〕 下記(q)または(r)に示すDNA。
(q)配列表の配列番号17に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1935の塩基配列からなるDNA
(r)配列表の配列番号17に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1935の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質をコードするDNA
〔22〕 下記(s)または(t)に示すDNA。
(s)配列表の配列番号22に記載の塩基配列のうちの塩基番号127〜1995の塩基配列からなるDNA
(t)配列表の配列番号22に記載の塩基配列のうちの塩基番号127〜1995の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質をコードするDNA
〔23〕 下記(u)または(v)に示すDNA。
(u)配列表の配列番号24に記載の塩基配列のうちの塩基番号29〜1888の塩基配列からなるDNA
(v)配列表の配列番号24に記載の塩基配列のうちの塩基番号29〜1888の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質をコードするDNA
〔24〕 下記(w)または(x)に示すDNA。
(w)配列表の配列番号26に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1992の塩基配列からなるDNA
(x)配列表の配列番号26に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1992の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質をコードするDNA
〔25〕 前記ストリンジェントな条件が、1×SSC及び0.1%SDSに相当する塩濃度で60℃で洗浄が行われる条件である、上記〔13〕から〔24〕のいずれか一項に記載のDNA。
〔26〕 上記〔1〕から〔25〕のいずれか一項に記載のDNAを有する組換えDNA。
〔27〕 上記〔26〕に記載の組換えDNAが導入された形質転換細胞。
〔28〕 上記〔27〕に記載の形質転換細胞を培地中で培養し、培地中および/または形質転換細胞中に、ペプチド生成酵素を蓄積させることを特徴とする、ペプチド生成酵素の製造方法。
〔29〕 上記〔28〕に記載の形質転換細胞を培地中で培養して培養物を得、当該培養物とカルボキシ成分とアミン成分とを混合して、ジペプチドを合成する、ジペプチドの製造方法。
〔30〕 スフィンゴバクテリウム属に属し、カルボキシ成分とアミン成分とからジペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、該微生物の菌体処理物、または、該微生物に由来するペプチド生成酵素を用いて、カルボキシ成分とアミン成分からジペプチドを製造することを特徴とするジペプチドの製造方法。
(1)本発明のDNAを有する微生物
本発明のDNAは、カルボキシ成分とアミン成分とからペプチドを生成する能力を有するタンパク質をコードするものである。本明細書において、カルボキシ成分とは、ペプチド結合(−CONH−)におけるカルボニル部位(CO)を供給する成分のことをいい、アミン成分とは、ペプチド結合におけるアミノ部位(NH)を供給する成分のことをいう。また、本明細書において、単に「ペプチド」というときは、特に断らない限り、少なくとも1つ以上のペプチド結合を有するポリマーのことをいう。また、本明細書において「ジペプチド」とは1つのペプチド結合を有するペプチドのことをいう。
本発明のDNAを有する微生物の培養菌体を得るには、当該微生物を適当な培地で培養増殖せしめるとよい。このための培地はその微生物が増殖し得るものであれば特に制限はなく、通常の炭素源、窒素源、リン源、硫黄源、無機イオン、更に必要に応じ有機栄養源を含む通常の培地でよい。
本発明のDNAは、ペプチド生成酵素をコードするDNAである。このペプチド生成酵素は、例えばエンペドバクター属に属する細菌から精製することができる。当該酵素を精製する例として、エンペドバクター ブレビスからペプチド生成酵素を単離・精製する方法を説明する。
(4−1)本発明のDNA
本発明のDNAである配列番号5に記載の塩基番号61〜1908の塩基配列からなるDNAは、エンペドバクター ブレビス FERM BP−8113株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託移管日;2002年7月8日)より単離されたものである。配列番号5に記載の塩基番号61〜1908の塩基配列からなるDNAは、コードシーケンス(CDS)部分である。塩基番号61〜1908の塩基配列には、シグナル配列領域と成熟タンパク質領域とが含まれている。シグナル配列領域は塩基番号61〜126の領域であり、成熟タンパク質領域は塩基番号127〜1908の領域である。すなわち、本発明は、シグナル配列を含むペプチド酵素タンパク質遺伝子と、成熟したタンパク質としてのペプチド酵素タンパク質遺伝子の双方を提供する。配列番号5に記載の配列に含まれるシグナル配列は、リーダー配列の類であり、リーダー配列がコードするリーダーペプチドの主たる機能は、細胞膜内から細胞膜外に分泌させることにあると推定される。塩基番号127〜1908でコードされるタンパク質、すなわちリーダーペプチドを除く部位が成熟タンパク質であり、高いペプチド生成活性を示すと推定される。
(B)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜616のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
(C)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号21〜619のアミノ酸配列を有するタンパク質
(D)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号21〜619のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
(E)配列表の配列番号18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜625のアミノ酸配列を有するタンパク質
(F)配列表の配列番号18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜625のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
(G)配列表の配列番号23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜645のアミノ酸配列を有するタンパク質
(H)配列表の配列番号23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号23〜645のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
(I)配列表の配列番号25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号26〜620のアミノ酸配列を有するタンパク質
(J)配列表の配列番号25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号26〜620のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
(K)配列表の配列番号27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号18〜644のアミノ酸配列を有するタンパク質
(L)配列表の配列番号27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号18〜644のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質
(M)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(N)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(O)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(P)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(Q)配列表の配列番号18に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(R)配列表の配列番号18に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(S)配列表の配列番号23に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(T)配列表の配列番号23に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(U)配列表の配列番号25に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(V)配列表の配列番号25に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(W)配列表の配列番号27に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(X)配列表の配列番号27に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
本発明のDNAを適当な宿主に導入し、発現させることによってペプチド生成酵素を生成することができる。
本発明のDNAがコードする酵素の活性は、例えばアミノ酸エステルとアミンを基質として含むホウ酸緩衝液中で反応させ、生成したペプチドを定量することにより測定できる。より具体的な例としては、L−アラニンメチルエステル 100mM、L−グルタミン 200mMを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)を用いて、25℃で数分反応させる方法が挙げられる。
(ii)前記アミン成分が、L−グルタミン(200mM)
(iii)pHが、9.0
(iv)酵素添加量が、タンパク量として0.61mg/ml未満
本発明のジペプチドを製造する方法では、所定の酵素の存在下でカルボキシ成分とアミン成分とを反応させる。すなわち、本発明のジペプチドの製造方法は、カルボキシ成分とアミン成分とからペプチドを生成する能力を有する酵素または当該酵素を含む含有物を、カルボキシ成分とアミン成分とに作用させ、ジペプチドを合成せしめるものである。
1L中にグルコース 5g、硫酸アンモニウム 5g、リン酸一カリウム 1g、リン酸二カリウム 3g、硫酸マグネシウム 0.5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10gを含む培地(pH6.2)50mLを500mL坂口フラスコに分注し、115℃で15分殺菌した。これに同培地で30℃、16時間培養したエンペドバクター ブレビス FERM BP−8113株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託移管日;2002年7月8日)を1白金耳接種し、30℃、120往復/分で16時間振盪培養を行った。
実施例1で得られた培養液を遠心分離(10,000rpm,15分)し菌体を集め、10mM EDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)に100g/Lになるように懸濁した。懸濁液1mLを、EDTA10mMと下記のカルボキシ成分 200mMと、下記のアミノ酸400mMを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)1mLにそれぞれ添加し、全量を2mLとした後、18℃にて2時間反応をおこなった。この結果、生成したペプチドを表1に示した。
以下、遠心分離以降の操作は氷上あるいは4℃にて行った。実施例1と同様に、Empedobacter brevis FERM BP−8113株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託移管日;2002年7月8日)を培養し、遠心分離(10,000rpm,15分)によって菌体を集めた。菌体16gを50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)にて洗浄後、同緩衝液40mlに懸濁し、195Wにて45分間超音波破砕処理を行った。この超音波破砕液を遠心分離(10,000rpm,30分)し、破砕菌体片を除去することにより超音波破砕液上清を得た。この超音波破砕液上清を50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に対して一夜透析し、超遠心分離(50,000rpm,30分)にて不溶性画分を除去することにより、上清液として可溶性画分を得た。得られた可溶性画分をトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)にて予め平衡化したQ−Sepharose HPカラム(アマシャム社製)に供し、非吸着画分から活性画分を集めた。この活性画分を50mM酢酸緩衝液(pH4.5)に対して一夜透析し、遠心分離(10,000rpm,30分)にて不溶性画分を除去することにより、上清液として透析画分を得た。この透析画分を50mM酢酸緩衝液(pH4.5)で予め平衡化したMono Sカラム(アマシャム社製)に供し、0〜1M NaClを含む同緩衝液の直線的な濃度勾配で酵素を溶出させた。活性画分の内、夾雑タンパクの最も少ない一画分を1M NaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH4.5)で予め平衡化したSuperdex 200pg カラム(アマシャム社製)に供し、1M NaClを含む同緩衝液(pH4.5)を流すことによりゲル濾過を行い、活性画分溶液を得た。これらの操作により、本発明に使用されるペプチド生成酵素は電気泳動の実験結果より均一に精製されたことが確認された。上記の精製工程における活性の回収率は12.2%、精製度は707倍であった。
(SDS−ゲル電気泳動)
実施例3の方法により得られた精製酵素画分0.3μg相当をポリアクリルアミド電気泳動に供した。電気泳動緩衝液には0.3%(w/v)トリス、1.44%(w/v)グリシン、0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウムを、ポリアクリルアミドゲルはゲル濃度10〜20%の濃度勾配ゲル(マルチゲル10−20、第一化学薬品製)、分子量マーカーはファルマシア製分子量マーカーを用いた。電気泳動終了後、クーマシーブリリアントブルーR−250によってゲルを染色し、分子量約75kDa位置に均一なバンドが検出された。
実施例3の方法により得られた精製酵素画分を1M NaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH4.5)で予め平衡化したSuperdex 200pg カラム(アマシャム社製)に供し、1M NaClを含む同緩衝液(pH4.5)を流すことによりゲル濾過を行い、分子量を測定した。検量線を作成するための分子量既知の標準タンパクとしてはファルマシア製分子量マーカーを用いた。この結果、得られた酵素の分子量は約150kDaであった。
L−アラニンメチルエステル塩酸塩とL−グルタミンからL−アラニル−L−グルタミンを生成する反応におけるpHの影響を検討した。緩衝液としては、酢酸緩衝液(pH3.9〜5.4)MES緩衝液(pH5.4〜6.4)、リン酸緩衝液(pH6.0〜7.9)ホウ酸緩衝液(pH7.8〜9.3)、CAPS緩衝液(pH9.3〜10.7)、およびK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10.8〜11.6)を用いた。100mM L−アラニンメチルエステル、200mM L−グルタミン、10mMのEDTAを含む100mMのそれぞれの緩衝液100μlに実施例3で得られたMonoS画分酵素(約180U/ml)を1μl加え、18℃、5分間反応させ、反応に対するpHの影響を測定した。ホウ酸緩衝液(pH9.3)を用いた場合の活性を100%とした結果を第1図に示した。この結果、本酵素の至適pHは8〜9.5であった。
L−アラニンメチルエステル塩酸塩とL−グルタミンからL−アラニル−L−グルタミンを生成する反応における温度の影響を検討した。100mM L−アラニンメチルエステル、200mM L−グルタミン、10mM EDTAを含む100mMのホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに実施例5で用いたものと同じ酵素画分を1μl加え、各温度にて5分間反応させ、反応に対する温度の影響を測定した。34℃での活性を100%とした結果を第2図に示した。この結果、本酵素の至適温度は30〜40℃であった。
L−アラニンメチルエステル塩酸塩とL−グルタミンを基質に用い、L−アラニル−L−グルタミン生成に与える阻害剤の影響を検討した。表2に示す10mMの各種酵素阻害剤を含む100mMのホウ酸緩衝液(pH9.0)50μlに実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを加え、25℃にて5分間反応させた。尚、o−フェナンスロリン、フェニルメチルスルフォニルフルオリド、p−ニトロフェニル−p’−グアニジノベンゾエートについては50mMになるようにメタノールに溶解したものを使用した。各条件での酵素活性は酵素阻害剤を加えない条件でのL−アラニル−L−グルタミン生成を100とした場合の相対活性で示した。結果を表2に示す。この結果、本酵素は、セリン酵素阻害剤の内、フェニルメチルスルフォニルフルオリドでは阻害されないが、p−ニトロフェニル−p’−グアニジノベンゾエートで阻害される性質を示した。
実施例5で用いたものと同じ酵素画分3μlを、100mMのL−アラニンメチルエステル塩酸塩、200mMのL−グルタミン、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、18℃にて反応した。この結果、第3図に示すように、酵素添加区では、反応60分で83mMのL−アラニル−L−グルタミン(L−Ala−L−Gln)が生成し、副成するL−Ala−L−Ala−L−Glnは1.3mMであった。一方、酵素無添加区でのL−Ala−L−Gln生成はほとんど認められず、反応120分で0.07mM程度であった。
実施例5で用いたものと同じ酵素画分1μlを、100mMのL−アラニンメチルエステル塩酸塩、表3に示す濃度のL−グルタミン、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、18℃にて2時間反応した。この結果を表3に示した。
カルボキシ成分としてL−アミノ酸エステルを用いた場合のエステル特異性を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表4に示す100mMのカルボキシ成分、200mM L−グルタミン、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて2時間反応した。この反応で生成したL−Ala−L−Gln量を表4に示した(表4中、HClは塩酸塩を示す)。
カルボキシ成分にL−アラニンメチルエステル、アミン成分に各種のL−アミノ酸を用いた場合のペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、100mMのL−アラニンメチルエステル塩酸塩、150mMの表5に示すL−アミノ酸、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表5に示した(+印は、ペプチドの生成は確認されているが、標準品がなく定量できなかったもの、trは微量を示す)。
カルボキシ成分に各種のL−アミノ酸メチルエステル、アミン成分にL−グルタミンを用いた場合のペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表6に示す100mMのL−アミノ酸メチルエステル塩酸塩(AA−OMe・HCl)、150mMのL−グルタミン、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表6に示した(+印は、標準品がなく定量できなかったものの、生成は確認されているもの、trは微量を示す)。尚、L−Trp−OMe、L−Tyr−OMeを用いた場合には、反応系にTween−80を終末0.1%になるように添加した。
カルボキシ成分に各種のL−アミノ酸メチルエステル、アミン成分に各種のL−アミノ酸を用いた場合のペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表7に示す100mMのL−アミノ酸メチルエステル塩酸塩(AA−OMe・HCl)、表7に示す150mMの各種L−アミノ酸、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表7に示した(trは微量を示す)。尚、L−Trp−OMeを用いた場合には、反応系にTween−80を終末0.1%になるように添加した(+印は、標準品がなく定量できなかったものの、生成が確認されているものを示す)。
カルボキシ成分に各種のL−またはD−体のアミノ酸メチルエステル、アミン成分に各種のL−またはD−体のアミノ酸を用いた場合のペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表8に示す100mMのアミノ酸メチルエステル塩酸塩(AA−OMe・HCl)、表8に示す150mMの各種アミノ酸、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表8に示した(trは微量を示す)。
カルボキシ成分に各種のL−アミノ酸アミド、アミン成分に各種のL−アミノ酸を用いた場合のペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表9に示す100mMのL−アミノ酸アミド(AA−NH2・HCl)、表9に示す150mMのL−アミノ酸、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表9に示した。
カルボキシ成分に各種のL−アラニンメチルエステル、アミン成分にC保護L−アミノ酸を用いた場合のペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表10に示す100mMのL−アラニン酸メチルエステル塩酸塩(AA−OMe・HCl)、表10に示す150mMのL−アミノ酸アミド、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表10に示した。
カルボキシ成分に各種のアミノ酸メチルエステル、アミン成分にメチルアミンを用いた場合のペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表11に示す100mMのアミノ酸メチルエステル(AA−OMe・HCl)、表11に示す150mMのメチルアミン、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表11に示した。
カルボキシ成分としてβ−アミノ酸エステル、あるいはアミン成分としてβ−アミノ酸を用いた場合のペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表12に示す100mMのカルボキシ成分、表12に示す150mMのアミン成分、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表12に示した(trは微量を示す)。
カルボキシ成分としてL−アミノ酸エステル、アミン成分としてペプチドを用いた場合のオリゴペプチド生産を検討した。実施例5で用いたものと同じ酵素画分2μlを、表13に示す100mMのカルボキシ成分、表13に示す150mMのアミン成分、10mMのEDTAを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlに加え、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表13に示した。この結果、本酵素はジペプチド生産のみならず、アミン成分としてペプチドを用いることにより、鎖長の長いペプチドも生産できることが明らかとなった。
本酵素のペプチド生成能力を既存酵素と比較した。既存酵素としては、EP 278787A1記載のカルボキシペプチダ−ゼY、EP 359399B1記載のチオールエンドペプチダーゼ(フィシン、パパイン、ブロメライン、キモパパイン)を用い、これらについては、シグマ社製の精製酵素を使用した。本酵素源としては実施例3で均一に精製した酵素を使用した。これら酵素は、タンパク量として表14に示す量を反応系に添加した。反応は、100mM L−アラニンメチルエステルと200mM L−グルタミンを含む100μlのホウ酸緩衝液(pH9.0)に加え、25℃にて反応した。尚、カルボキシペプチダーゼは、1mMのEDTAを含む10mM酢酸緩衝液(pH5.0)で溶解した酵素、チオールエンドペプチダーゼは、2mM EDTA、0.1M KCl、5mM ジチオスレイトールを含む10mM酢酸緩衝液(pH5.0)で溶解した酵素を用いた。これら酵素によるL−アラニル−L−グルタミンの生成速度比を表14に示した。
スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)の培養には、1L中にグルコース 5g、硫酸アンモニウム 5g、リン酸一カリウム 1g、リン酸二カリウム 3g、硫酸マグネシウム 0.5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10gを含む培地(pH7.0)50mLを500mL坂口フラスコに分注し、115℃で15分殺菌したものを用いた。これに1L中にグルコース 5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10g、NaCl 5gを含む斜面寒天培地(寒天 20g/L、pH7.0)にて30℃、24時間培養したスフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)を1白金耳接種し、30℃、120往復/分、で20時間振とう培養を行った。この培養液1mlを上記培地(50ml/500mL坂口フラスコ)に添加し、30℃、18時間培養した。培養終了後、これらの培養液から菌体を遠心分離し、湿菌体として100g/Lになるように10mMのEDTAを含む0.1Mホウ酸緩衝液(pH9.0)にて懸濁した。この菌体懸濁液0.1mLに、EDTA10mM、L−アラニンメチルエステル塩酸塩200mM、及びL−グルタミン400mMを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)0.1mLを添加し、全量を0.2mLとした後、25℃にて120分反応をおこなった。このときのL―アラニル−L−グルタミン)の生成量は62mMであった。
以下、遠心分離以降の操作は氷上あるいは4℃にて行った。実施例21と同様に、スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)を培養し、遠心分離(10,000rpm,15分)によって菌体を集めた。菌体2gを20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)にて洗浄後、同緩衝液8mlに懸濁し、195Wにて45分間超音波破砕処理を行った。この超音波破砕液を遠心分離(10,000rpm,30分)し、破砕菌体片を除去することにより超音波破砕液上清を得た。この超音波破砕液上清を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)に対して一夜透析し、超遠心分離(50,000rpm,30分)にて不溶性画分を除去することにより、上清液として可溶性画分を得た。得られた可溶性画分をトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)にて予め平衡化したQ−Sepharose HPカラム(アマシャム社製)に供し、非吸着画分から活性画分を集めた。この活性画分を20mM酢酸緩衝液(pH5.0)に対して一夜透析し、遠心分離(10,000rpm,30分)にて不溶性画分を除去することにより、上清液として透析画分を得た。この透析画分を20mM酢酸緩衝液(pH5.0)で予め平衡化したSP−Sepharose HPカラム(アマシャム社製)に供し、0〜1M NaClを含む同緩衝液の直線的な濃度勾配で酵素を溶出させた活性画分を得た。
実施例22で精製したSP−Sepharose HP画分(約27U/ml)10μlを、111mMのL−アラニンメチルエステル塩酸塩、222mMのL−グルタミン、11mMのEDTAを含む111mMホウ酸緩衝液(pH9.0)90μlに加え、25℃にて120分反応した。はこの結果、酵素添加区では、73mMのL−アラニル−L−グルタミンが生成した。一方、酵素無添加区でのL−Ala−L−Gln生成はほとんど認められず、反応120分で0.07mM程度であった。
スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)由来酵素の基質特異性を検討した。表15−1から表15−4に示した終末100mMの各種カルボキシ成分と150mMの各種アミン成分、実施例22で精製したSP−Sepharose HP画分酵素(反応液中0.33ユニット添加)を含む10mMのEDTA含有100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlの反応液を用い、25℃にて1.5時間反応した。この反応で生成した各種ペプチドの生産量を表15に示した。(+印は、標準品がなく定量できなかったものの、生成は確認されているもの、trは微量を示す)。尚、L−Tyr−OMeを用いた場合には、反応系にTween−80を終末0.1%になるように添加した。また、カルボキシ成分はいずれも塩酸塩を使用した。
スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)由来酵素のオリゴペプチド生産に対する基質特異性を検討した。表16に示した、終末100mMの各種カルボキシ成分と150mMの各種アミン成分、実施例22で精製したSP−Sepharose HP画分酵素(反応液中0.33ユニット添加)を含む10mMのEDTA含有100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlの反応液を用い、25℃にて1.5時間反応した。この反応で生成した各種オリゴペプチドの生産量を表16に示した。尚、カルボキシ成分はいずれも塩酸塩を使用した。
実施例5で用いたものと同じ酵素画分を用いて、エンペドバクター ブレビスに由来する酵素の基質特異性をさらに検討した。
H−Ala−OMe: L−アラニンメチルエステル塩酸塩
H−p−F−Phe−OMe: p−フルオロ−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
H−Cl−F−Phe−OMe: p−クロロ−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
H−p−NO2−Phe−OMe: p−ニトロ−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
H−t−Leu−OMe: tert−L−ロイシンメチルエステル塩酸塩
H−2−Nal−OMe: 3−(2−ナフチル)−Lアラニンメチルエステル塩酸塩
H−Aib−OMe: α−アミノイソブチリックアシッドメチルエステル塩酸塩
H−N−Me−Ala−OMe: N−メチル−L−アラニンメチルエステル塩酸塩
H−CHA−OMe: β−シクロヘキシル−L−アラニンメチルエステル塩酸塩
H−Ser(tBu)−OMe:O−tert− ブチル−L−セリンメチルエステル塩酸塩
H−Asp(OtBu)−OMe: L−アスパルチックアシッド β−tert−ブチルエステル α−メチルエステル塩酸塩
H−Lys(Boc)−OMe: N−ε−tert−ブトキシカルボニル−L−リジンメチルエステル塩酸塩
H−p−F−Phe−OH: p−フルオロ−L−フェニルアラニン
H−Cl−F−Phe−OH: p−クロロ−L−フェニルアラニン
H−p−NO2−Phe−OH: p−ニトロ−L−フェニルアラニン
H−t−Leu−OH: tert−L−ロイシン
H−2−Nal−OH: 3−(2−ナフチル)−Lアラニン
H−Gln−OH: L−グルタミン
H−Phe−OH: L−フェニルアラニン
H−Ser(tBu)−OH:O−tert− ブチル−L−セリン
H−Asp(OtBu)−OH: L−アスパルチックアシッド β−tert−ブチルエステル
H−Lys(Boc)−OH: N−ε−tert−ブトキシカルボニル−L−リジン
実施例5で用いたものと同じ酵素画分(エンペドバクター ブレビス由来)を用い、オリゴペプチド生産に対する基質特異性を検討した。表18に示した終末濃度の各種カルボキシ成分と各種アミン成分、酵素(反応液中に添加したユニット数は表18に記載)を含む10mMのEDTA含有100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlの反応液を用い、25℃にて3時間反応した。この反応で生成した各種オリゴペプチドの生産量を表18に示した(+印は、標準品がなく定量できなかったものの、生成は確認されているもの、trは微量を示す)。尚、カルボキシ成分はいずれも塩酸塩を使用した。
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はエンペドバクター ブレビス FERM BP−8113株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託移管日;2002年7月8日)を用いた。遺伝子の単離にはエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM−109を宿主に用い、ベクターはpUC118を用いた。
前述のエンペドバクター ブレビス FERM BP−8113株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託移管日;2002年7月8日)由来のペプチド生成酵素のリジルエンドペプチダーゼによる消化物をエドマン分解法により決定したアミノ酸配列(配列番号1及び2)をもとに、配列番号3及び4にそれぞれ示す塩基配列を有するミックスプライマーを作成した。
エンペドバクター ブレビス FERM BP−8113株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託移管日;2002年7月8日)をCM2G寒天培地(50g/l グルコース、10g/l 酵母エキス、10g/l ペプトン、5g/l 塩化ナトリウム、20g/l寒天,pH7.0))上で30℃、24時間培養した。この菌体を、50mlのCM2G液体培地(上記培地より寒天を除いた培地)を張り込んだ500mlの坂口フラスコに1白金耳植菌し、30℃で振盪培養した。
培養液50mlを遠心分離(12,000rpm、4℃、15分間)し、集菌した。QIAGEN Genomic−tip System(Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染色体DNAを取得した。
(4)PCR法によるペプチド生成酵素遺伝子の一部を含むDNA断片の取得エンペドバクター ブレビス FERM BP−8113株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1
中央第6、国際寄託移管日;2002年7月8日)由来のペプチド生成酵素遺伝子の一部を含むDNA断片を、LA−Taq(宝酒造社製)を用いたPCR法により取得した。エンペドバクター ブレビス FERM BP−8113株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託移管日;2002年7月8日)から取得した染色体DNAに対し、配列番号3及び4に示す塩基配列を有するプライマーを使用してPCR反応を行った。
94℃ 30秒
52℃ 1分
72℃ 1分
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記PCRにおいて増幅されたDNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダイゼーションを行った。サザンハイブリダイゼーションの操作は、Molecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
標識プローブとハイブリダイズしたことが確認された上記2菌株から、エシェリヒア コリ JM109が保有するプラスミドを、Wizard Plus Minipreps DNA Purification System(プロメガ社製)を用いて調製し、プローブとハイブリダイズした近傍の塩基配列を決定した。シーケンス反応はCEQ DTCS−Quick Start Kit(ベックマン・コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動はCEQ 2000−XL(ベックマン・コールター社製)を用いて行った。
エシェリヒア コリ(Escherichia coli)W3110染色体DNA上のtrpオペロンのプロモーター領域を配列番号7、8に示すオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRにより目的遺伝子領域を増幅し、得られたDNA断片をpGEM―Teasyベクター(プロメガ製)にライゲーションした。このライゲーション溶液でE.coli JM109を形質転換し、アンピシリン耐性株の中からtrpプロモーターの方向がlacプロモーターと反対向きに挿入された目的のプラスミドを有する株を選択した。次にこのプラスミドをEcoO109I/EcoRIにて処理して得られるtrpプロモーターを含むDNA断片と、pUC19(Takara製)のEcoO109I/EcoRI処理物とライゲーションした。このライゲーション溶液でエシェリヒア コリ JM109を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドを有する株を選択した。次にこのプラスミドをHindIII/PvuIIにて処理して得られるDNA断片と、pKK223−3(Amersham Pharmacia製)をHindIII/HincIIにて処理し、得られたrrnBターミネーターを含むDNA断片とをライゲーションした。このライゲーション溶液でE.coli JM109を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドを有する株を選択し、このプラスミドをpTrpTと命名した。
配列表に記載の配列番号6番のアミノ酸配列をSignalP v1.1プログラム(Protein Engineering,vol12,no.1,pp.3−9,1999)にて解析したところ、アミノ酸配列の1−22番目までがシグナルとして機能してペリプラズムに分泌すると予測され、成熟タンパクは23番目より下流であると推定された。
pTrpT_Gtg2を有するエシェリヒア コリ JM109を100mg/lアンピシリンを含むLB培地で、30℃、24時間シード培養した。得られた培養液1mlを、50mlの培地(2g/l グルコース、10g/l 酵母エキス、10g/lカザミノ酸、5g/l硫酸アンモニウム、3g/lリン酸二水素カリウム、1g/lリン酸水素二カリウム、0.5g/l硫酸マグネシウム七水和物、100mg/lアンピシリン)を張り込んだ500ml坂口フラスコにシードし、25℃、24時間の本培養を行い培養菌体を得た。
スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)の培養には、1L中にグルコース 5g、硫酸アンモニウム 5g、リン酸一カリウム 1g、リン酸二カリウム 3g、硫酸マグネシウム 0.5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10gを含む培地(pH7.0)50mLを500mL坂口フラスコに分注し、115℃で15分殺菌したものを用いた。これに1L中にグルコース 5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10g、NaCl 5gを含む斜面寒天培地(寒天 20g/L、pH7.0)にて30℃、24時間培養したスフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)を1白金耳接種し、30℃、120往復/分、で20時間振とう培養を行った。この培養液1mlを上記培地(50ml/500mL坂口フラスコ)に添加し、30℃、18時間培養した。培養終了後、これらの培養液から菌体を遠心分離し、湿菌体として100g/Lになるように10mMのEDTAを含む0.1Mホウ酸緩衝液(pH9.0)にて懸濁した。この菌体懸濁液0.1mLに、EDTA10mM、L−アラニンメチルエステル塩酸塩200mM、及びL−グルタミン400mMを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)0.1mLを添加し、全量を0.2mLとした後、25℃にて120分反応をおこなった。このときのL―アラニル−L−グルタミン)の生成量は62mMであった。
以下、遠心分離以降の操作は氷上あるいは4℃にて行った。実施例21と同様に、スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)を培養し、遠心分離(10,000rpm,15分)によって菌体を集めた。菌体2gを20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)にて洗浄後、同緩衝液8mlに懸濁し、195Wにて45分間超音波破砕処理を行った。この超音波破砕液を遠心分離(10,000rpm,30分)し、破砕菌体片を除去することにより超音波破砕液上清を得た。この超音波破砕液上清を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)に対して一夜透析し、超遠心分離(50,000rpm,30分)にて不溶性画分を除去することにより、上清液として可溶性画分を得た。得られた可溶性画分をトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)にて予め平衡化したQ−Sepharose HPカラム(アマシャム社製)に供し、非吸着画分から活性画分を集めた。この活性画分を20mM酢酸緩衝液(pH5.0)に対して一夜透析し、遠心分離(10,000rpm,30分)にて不溶性画分を除去することにより、上清液として透析画分を得た。この透析画分を20mM酢酸緩衝液(pH5.0)で予め平衡化したSP−Sepharose HPカラム(アマシャム社製)に供し、0〜1M NaClを含む同緩衝液の直線的な濃度勾配で酵素を溶出させた活性画分を得た。
実施例31で精製したSP−Sepharose HP画分(約27U/ml)10μlを、111mMのL−アラニンメチルエステル塩酸塩、222mMのL−グルタミン、11mMのEDTAを含む90μlのホウ酸緩衝液(pH9.0)に加え、25℃にて120分反応した。この結果、酵素添加区では、73mMのL−アラニル−L−グルタミンが生成した。一方、酵素無添加区でのL−Ala−L−Gln生成はほとんど認められず、反応120分で0.07mM程度であった。
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はスフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)を用いた。遺伝子の単離にはエシェリヒア
コリ(Escherichia coli)DH5αを宿主に用い、ベクターはpUC118を用いた。
スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)をCM2G寒天培地(50g/l グルコース、10g/l 酵母エキス、10g/l ペプトン、5g/l
塩化ナトリウム、20g/l寒天,pH7.0))上で25℃、24時間培養した。この菌体を、50mlのCM2G液体培地(上記培地より寒天を除いた培地)を張り込んだ500mlの坂口フラスコに1白金耳植菌し、25℃で振盪培養した。
培養液50mlを遠心分離(12,000rpm、4℃、15分間)し、集菌した。QIAGEN Genomic−tip System(Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染色体DNAを取得した。
スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)由来のペプチド生成酵素遺伝子の一部を含むDNA断片を、LA−Taq(宝酒造社製)を用いたPCR法により取得した。スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)から取得した染色体DNAに対し、配列番号13及び14に示す塩基配列を有するプライマーを使用してPCR反応を行った。
94℃ 30秒
52℃ 1分
72℃ 1分
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記PCRにおいて増幅されたDNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダイゼーションを行った。サザンハイブリダイゼーションの操作は、Molecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
プローブとハイブリダイズするバンドの検出は、DIG Nucleotide Detection Kit(ベーリンガー・マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、プローブとハイブリダイズする約3kbのバンドが検出できた。
標識プローブとハイブリダイズしたことが確認された上記6菌株から、エシェリヒア コリ DH5αが保有するプラスミドを、Wizard Plus Minipreps DNA Purification System(プロメガ社製)を用いて調製し、プローブとハイブリダイズした近傍の塩基配列を決定した。シーケンス反応はCEQ DTCS−Quick Start Kit(ベックマン・コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動はCEQ 2000−XL(ベックマン・コールター社製)を用いて行った。
スフィンゴバクテリウム エスピー FERM BP−8124株(寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、国際寄託日;2002年7月22日)の染色体DNAを鋳型として配列番号13、14に示すオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRにより目的遺伝子を増幅した。このDNA断片をNdeI/XbaIにて処理し、得られたDNA断片とpTrpTのNdeI/XbaI処理物をライゲーションした。このライゲーション溶液でエシェリヒア コリ JM109を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドを有する株を選択し、このプラスミドをpTrpT_Sm_aetと命名した。
配列表に記載の配列番号12番のアミノ酸配列をSignalP v1.1プログラム(Protein Engineering,vol12,no.1,pp.3−9,1999)にて解析したところ、アミノ酸配列の1−20番目までがシグナルとして機能してペリプラズムに分泌すると予測され、成熟タンパクは21番目より下流であると推定された。出されなかった。
pTrpT_Sm_aetを有するエシェリヒア コリ JM109を50mlの培地(2g/l グルコース、10g/l 酵母エキス、10g/lカザミノ酸、5g/l硫酸アンモニウム、3g/lリン酸二水素カリウム、1g/lリン酸水素二カリウム、0.5g/l硫酸マグネシウム七水和物、100mg/lアンピシリン)を張り込んだ普通試験管に一白金耳植菌し、25℃、20時間の本培養を行った。
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はペドバクター ヘパリナス IFO 12017株(寄託機関;財団法人発酵研究所、寄託先住所;日本国大阪市淀川区十三本町2丁目17−85)を用いた。遺伝子の単離にはエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109を宿主に用い、ベクターはpUC118を用いた。
ペドバクター ヘパリナス IFO 12017株(寄託機関;財団法人発酵研究所、寄託先住所;日本国大阪市淀川区十三本町2丁目17−85)をCM2G寒天培地(50g/l グルコース、10g/l 酵母エキス、10g/l ペプトン、5g/l 塩化ナトリウム、20g/l寒天,pH7.0))上で25℃、24時間培養した。この菌体を、50mlのCM2G液体培地(上記培地より寒天を除いた培地)を張り込んだ500mlの坂口フラスコに1白金耳植菌し、25℃で振盪培養した。
培養液50mlを遠心分離(12,000rpm、4℃、15分間)し、集菌した。QIAGEN Genomic−tip System(Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染色体DNAを取得した。
ペドバクター ヘパリナス IFO 12017株由来のペプチド生成酵素遺伝子の一部を含むDNA断片を、LA−Taq(宝酒造社製)を用いたPCR法により取得した。ペドバクター ヘパリナス IFO 12017株(寄託機関;財団法人発酵研究所、寄託先住所;日本国大阪市淀川区十三本町2丁目17−85)から取得した染色体DNAに対し、配列番号15及び16に示す塩基配列を有するプライマーを使用してPCR反応を行った。PCRで増幅された約1kbDNA断片を、0.8%アガロース電気泳動により分離した。目的のバンドを切り出し、精製した。このDNA断片をDIG High Prime(ベーリンガー・マンハイム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴキシニゲンによる標識を行った。
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記PCRにおいて増幅されたDNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダイゼーションを行った。サザンハイブリダイゼーションの操作は、Molecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
標識プローブとハイブリダイズしたことが確認された上記1菌株から、エシェリヒア コリ JM109が保有するプラスミドを調製し、プローブとハイブリダイズした近傍の塩基配列を決定した。シーケンス反応はCEQ DTCS−Quick Start Kit(ベックマン・コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動はCEQ 2000−XL(ベックマン・コールター社製)を用いて行った。
ペドバクター ヘパリナス IFO 12017株(寄託機関;財団法人発酵研究所、寄託先住所;日本国大阪市淀川区十三本町2丁目17−85)の染色体DNAを鋳型として配列番号19、20に示すオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRにより目的遺伝子を増幅した。このDNA断片をNdeI/HindIIIにて処理し、得られたDNA断片とpTrpTのNdeI/HindIII処理物をライゲーションした。このライゲーション溶液でエシェリヒア コリ JM109を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドを有する株を選択し、このプラスミドをpTrpT_Ph_aetと命名した。
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はタキセオバクター ゲルプルプルアッセンス DSMZ 11116株(寄託機関;Deutche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、寄託先住所;Mascheroder Weg 1b,38124 Braunschweig,Germany)を用いた。遺伝子の単離にはエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109を宿主に用い、ベクターはpUC118を用いた。
タキセオバクター ゲルプルプルアッセンス DSMZ 11116株(寄託機関;Deutche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、寄託先住所;Mascheroder Weg 1b,38124 Braunschweig,Germany)をCM2G寒天培地(50g/l グルコース、10g/l 酵母エキス、10g/l ペプトン、5g/l 塩化ナトリウム、20g/l寒天,pH7.0)上で25℃、24時間培養した。この菌体を、50mlのCM2G液体培地(上記培地より寒天を除いた培地)を張り込んだ500mlの坂口フラスコに1白金耳植菌し、25℃で振盪培養した。
培養液50mlを遠心分離(12,000rpm、4℃、15分間)し、集菌した。QIAGEN Genomic−tip System(Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染色体DNAを取得した。
タキセオバクター ゲルプルプルアッセンス DSMZ 11116株(寄託機関;Deutche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、寄託先住所;Mascheroder Weg 1b,38124 Braunschweig, Germany)由来のペプチド生成酵素遺伝子の一部を含むDNA断片を、LA−Taq(宝酒造社製)を用いたPCR法により取得した。タキセオバクター ゲルプルプルアッセンス DSMZ 11116株(寄託機関;Deutche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、寄託先住所;Mascheroder Weg 1b,38124 Braunschweig,Germany)から取得した染色体DNAに対し、配列番号21及び16に示す塩基配列を有するプライマーを使用してPCR反応を行った。PCRで増幅された約1kbDNA断片を、0.8%アガロース電気泳動により分離した。目的のバンドを切り出し、精製した。このDNA断片をDIG High Prime(ベーリンガー・マンハイム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴキシニゲンによる標識を行った。
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記PCRにおいて増幅されたDNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダイゼーションを行った。サザンハイブリダイゼーションの操作は、Molecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
標識プローブとハイブリダイズしたことが確認された上記1菌株から、エシェリヒア コリ JM109が保有するプラスミドを調製し、プローブとハイブリダイズした近傍の塩基配列を決定した。シーケンス反応はCEQ DTCS−Quick Start Kit(ベックマン・コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動はCEQ 2000−XL(ベックマン・コールター社製)を用いて行った。
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はサイクロバクテリウム マリナム ATCC 25205株(寄託機関;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、寄託機関住所;P.O.Box 1549 Manassas,VA 20110,the United States of America)を用いた。遺伝子の単離にはエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109を宿主に用い、ベクターはpUC118を用いた。
サイクロバクテリウム マリナム ATCC 25205株(寄託機関;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、寄託先住所;P.O.Box 1549 Manassas, VA 20110,the United States of America)をCM2G寒天培地(50g/l グルコース、10g/l 酵母エキス、10g/l ペプトン、5g/l 塩化ナトリウム、20g/l寒天,pH7.0))上で25℃、24時間培養した。この菌体を、50mlのCM2G液体培地(上記培地より寒天を除いた培地)を張り込んだ500mlの坂口フラスコに1白金耳植菌し、25℃で振盪培養した。
培養液50mlを遠心分離(12,000rpm、4℃、15分間)し、集菌した。QIAGEN Genomic−tip System(Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染色体DNAを取得した。
サイクロバクテリウム マリナム ATCC 25205株(寄託機関;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、寄託先住所;P.O.Box 1549 Manassas,VA 20110,the United States of America)由来のペプチド生成酵素遺伝子の一部を含むDNA断片を、LA−Taq(宝酒造社製)を用いたPCR法により取得した。サイクロバクテリウム マリナム ATCC 25205株(寄託機関;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、寄託先住所;P.O.Box 1549 Manassas,VA 20110,the United States of America)から取得した染色体DNAに対し、配列番号15及び16に示す塩基配列を有するプライマーを使用してPCR反応を行った。PCRで増幅された約1kbDNA断片を、0.8%アガロース電気泳動により分離した。目的のバンドを切り出し、精製した。このDNA断片をDIG High Prime(ベーリンガー・マンハイム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴキシニゲンによる標識を行った。
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記PCRにおいて増幅されたDNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダイゼーションを行った。サザンハイブリダイゼーションの操作は、Molecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
上記、標識プローブとハイブリダイズしたことが確認されたそれぞれ1菌株から、エシェリヒア コリ JM109が保有するプラスミドを調製し、プローブとハイブリダイズした近傍の塩基配列を決定した。シーケンス反応はCEQ DTCS−Quick Start Kit(ベックマン・コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動はCEQ 2000−XL(ベックマン・コールター社製)を用いて行った。
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はサイクロセルペンス
ブルトネンシス ATCC 700359株(寄託機関;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、寄託先住所;P.O.Box 1549 Manassas,VA 20110,the United States of America)を用いた。遺伝子の単離にはエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109を宿主に用い、ベクターはpUC118を用いた。
サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株(寄託機関;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、寄託先住所;P.O.Box 1549 Manassas,VA 20110,the United States of America)をCM2G寒天培地(50g/l グルコース、10g/l 酵母エキス、10g/l ペプトン、5g/l 塩化ナトリウム、20g/l寒天,pH7.0))上で10℃、24時間培養した。この菌体を、50mlのCM2G液体培地(上記培地より寒天を除いた培地)を張り込んだ500mlの坂口フラスコに1白金耳植菌し、10℃で振盪培養した。
培養液50mlを遠心分離(12,000rpm、4℃、15分間)し、集菌した。QIAGEN Genomic−tip System(Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染色体DNAを取得した。
サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株(寄託機関;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、寄託先住所;P.O.Box 1549 Manassas,VA 20110,the United States of America)由来のペプチド生成酵素遺伝子の一部を含むDNA断片を、LA−Taq(宝酒造社製)を用いたPCR法により取得した。サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株(寄託機関;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、寄託先住所;P.O.Box 1549 Manassas,VA 20110,the United States of America)から取得した染色体DNAに対し、配列番号15及び16に示す塩基配列を有するプライマーを使用してPCR反応を行った。PCRで増幅された約1kbDNA断片を、0.8%アガロース電気泳動により分離した。目的のバンドを切り出し、精製した。このDNA断片をDIG High Prime(ベーリンガー・マンハイム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴキシニゲンによる標識を行った。
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記PCRにおいて増幅されたDNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダイゼーションを行った。サザンハイブリダイゼーションの操作は、Molecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
標識プローブとハイブリダイズしたことが確認された上記1菌株から、エシェリヒア コリ JM109が保有するプラスミドを調製し、プローブとハイブリダイズした近傍の塩基配列を決定した。シーケンス反応はCEQ DTCS−Quick Start Kit(ベックマン・コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動はCEQ 2000−XL(ベックマン・コールター社製)を用いて行った。
配列番号4;合成プライマー2
配列番号5;ペプチド合成酵素をコードする遺伝子
配列番号7;pTrpTの調製のための合成プライマー
配列番号8;pTrpTの調製のための合成プライマー
配列番号9;pTrpT_Gtg2の調製のための合成プライマー
配列番号10;pTrpT_Gtg2の調製のための合成プライマー
配列番号11;ペプチド合成酵素の遺伝子
配列番号13;pTrpT_Sm_aetの調製のための合成プライマー
配列番号14;pTrpT_Sm_aetの調製のための合成プライマー
配列番号15;Aet用ミックスプライマー1
配列番号16;Aet用ミックスプライマー2
配列番号19;ペドバクター由来aet発現ベクター構築用プライマー1
配列番号20;ペドバクター由来aet発現ベクター構築用プライマー2
配列番号21;Aet用ミックスプライマー3
Claims (8)
- 下記(C)または(D)に示すタンパク質をコードするDNA。
(C)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号21〜619のアミノ酸配列を有するタンパク質
(D)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号21〜619のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有するタンパク質 - 下記(O)または(P)に示すタンパク質をコードするDNA。
(O)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(P)配列表の配列番号12に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質 - 下記(c)または(d)に示すDNAであって、
(c)配列表の配列番号11に記載の塩基配列のうちの塩基番号121〜1917の塩基配列からなるDNA
(d)配列表の配列番号11に記載の塩基配列のうちの塩基番号121〜1917の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有するタンパク質をコードするDNA
前記ストリンジェントな条件が、0.1×SSC及び0.1%SDSに相当する塩濃度で60℃で洗浄が行われる条件である、DNA。 - 下記(o)または(p)に示すDNAであって、
(o)配列表の配列番号11に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1917の塩基配列からなるDNA
(p)配列表の配列番号11に記載の塩基配列のうちの塩基番号61〜1917の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつペプチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質をコードするDNA
前記ストリンジェントな条件が、0.1×SSC及び0.1%SDSに相当する塩濃度で60℃で洗浄が行われる条件である、DNA。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のDNAを有する組換えDNA。
- 請求項5に記載の組換えDNAが導入された形質転換細胞。
- 請求項6に記載の形質転換細胞を培地中で培養し、培地中および/または形質転換細胞中に、ペプチド生成酵素を蓄積させることを特徴とする、ペプチド生成酵素の製造方法。
- 請求項6に記載の形質転換細胞を培地中で培養して培養物を得、当該培養物とカルボキシ成分とアミン成分とを混合して、ジペプチドを合成する、ジペプチドの製造方法。
Priority Applications (1)
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