JP5088336B2 - 固体電解質、リチウムイオン二次電池及び固体電解質の製造方法。 - Google Patents

固体電解質、リチウムイオン二次電池及び固体電解質の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解質、リチウムイオン二次電池及び固体電解質の製造方法に関する。
液漏れが生じにくい電解質材料として、ポリマーを含有する固体電解質を電解質層として備えるリチウムイオン二次電池が注目されている。しかしながら、ポリマーを含有する固体電解質においては、Liイオン輸率及び導電性が実用上十分でなかった。これに対して、更に無機電解質粒子を含有する固体電解質が提案されている。
特開平10−144349号公報
しかしながら、上記従来の固体電解質であっても、Liイオン輸率及び導電率の双方を実用上十分に満たすものではなかった。
そこで、本発明は、導電率及びLiイオン輸率に優れる固体電解質及びこのような固体電解質を電解質層として備えるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。本発明はさらにこのようなリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、イオン伝導性ポリマーと、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物と、上記イオン伝導性ポリマーよりも導電率及びLiイオン輸率の高い無機電解質粒子と、を含有し、上記無機電解質粒子は、分子内に重合性不飽和基を有しない上記有機化合物でその表面の少なくとも一部が被覆された状態でイオン伝導性ポリマー中に分散している、固体電解質を提供する。
本発明の固体電解質は、このような構成を有することにより、導電率及びLiイオン輸率に優れたものとなる。このような効果が達成される理由を、本発明者らは以下のように推測する。本発明の固体電解質は、上述のように、イオン伝導性ポリマーよりも導電率及びLiイオン輸率の高い無機電解質粒子が、分子内に重合性不飽和基を有しない上記有機化合物でその表面の少なくとも一部が被覆された状態でイオン伝導性ポリマー中に分散した構造を有する。これにより、無機電解質粒子とイオン伝導性ポリマーとの間の界面抵抗を低下させることができ、結果的に導電率及びLiイオン輸率を向上させることができる。なお、本発明の効果はこれに限定されるものではない。
本発明の固体電解質においては、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物の数平均分子量が1000以下であることが好ましい。
分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物の数平均分子量がこのような範囲であると、導電率及びLiイオン輸率をより一層向上させることができ、放電レート特性および放電サイクル特性を改善できる。
本発明の固体電解質においては、無機電解質粒子の表面の70%以上が、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物で被覆されていることが好ましい。無機電解質粒子表面の被覆範囲をこのような範囲とすることにより、導電率及びLiイオン輸率をより一層向上させることができる。
本発明はまた、アノード及びカソードと、アノードとカソードとの間に配置された上記固体電解質を備えるリチウムイオン二次電池を提供する。
このようなリチウムイオン二次電池は、上述の固体電解質を備えるため、導電率及びLiイオン輸率に優れる。
本発明はさらに、無機電解質粒子及び分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物を混合する第1混合工程と、第1混合工程で得られた混合物、イオン伝導性ポリマーの原料モノマー、リチウム塩及び重合開始剤を混合する第2混合工程と、を備え、上記無機電解質粒子の導電率及びLiイオン輸率が、イオン伝導性ポリマーよりも高い、固体電解質の製造方法を提供する。
このような製造方法によれば、導電率及びLiイオン輸率に優れる固体電解質を製造することができる。
固体電解質の製造方法においては、第2混合工程で得られた混合物中の原料モノマーを重合させ、固体電解質を形成する固体電解質形成工程を更に備えることが好ましい。
このような工程を更に備えることにより、導電率及びLiイオン輸率に優れる固体電解質を容易に製造することができる。
本発明によれば、導電率及びLiイオン輸率に優れる固体電解質及びこのような固体電解質を備えるリチウムイオン二次電池を提供することができる。また、本発明によれば、このような固体電解質の製造方法を提供することができる。
実施形態に係る固体電解質を電解質層として備えるリチウムイオン二次電池の模式断面図である。 図1の固体電解質層4の拡大模式断面図である。 本発明の構成を有しない固体電解質の模式断面図である。 比較例1及び実施例1の固体電解質シートをマイクロ粘弾性顕微鏡により測定した結果を示す図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(リチウムイオン二次電池)
図1は、実施形態に係る固体電解質を電解質層として備えるリチウムイオン二次電池の模式断面図である。図1に示すリチウムイオン二次電池1は、主として、アノード2及びカソード3と、アノード2とカソード3との間に配置される固体電解質層4とから構成されている。ここで、アノード2及びカソード3は説明の便宜上、リチウムイオン二次電池1の放電時の極性を基準に決定したものである。従って、充電時には、アノード2が「カソード」となり、カソード3が「アノード」となる。
また、リチウムイオン二次電池1において、アノード2の固体電解質層4とは反対側の面上には膜状(板状、層状)の集電体(アノード集電体)5が設けられており、カソード3の固体電解質層4とは反対側の面上には膜状(板状、層状)の集電体(カソード集電体)6が設けられている。また、アノード2及びカソード3の形状は特に限定されず、例えば、図示するように薄膜状(層状)であってもよい。
図2は、図1の固体電解質層4の拡大模式断面図である。図2に示す固体電解質層4は、イオン伝導性ポリマー44と、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物42と、イオン伝導性ポリマー44よりも導電率及びLiイオン輸率の高い無機電解質粒子40と、を含有する。そして、無機電解質粒子40は、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物層42でその表面の少なくとも一部が被覆された状態でイオン伝導性ポリマー44中に分散している。
図3は、本発明の構成を有しない固体電解質層の模式断面図である。図3(a)の固体電解質層においては、無機電解質粒子40が、覆われることなく、イオン伝導性ポリマー44中に分散している。また、図3(b)の固体電解質層においては、無機電解質粒子40と、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物42とが、それぞれ独立に、イオン伝導性ポリマー44中に分散している。すなわち、無機電解質粒子40が、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物42で覆われることなく、イオン伝導性ポリマー44中に分散している。これらの固体電解質は、本発明の構成を有する固体電解質と比較し、無機電解質粒子40とイオン伝導性ポリマー44との接触面積が大きくなる。イオン導電性ポリマー44は重合時に硬化収縮するため界面剥離が生じ、添加した無機電解質粒子40との密着性の高い界面を形成するのは容易ではなく、そのため、このような固体電解質は、導電率及びLiイオン輸率が低いという問題がある。
これに対して、本発明の構成を有する固体電解質層4によれば、導電率及びLiイオン輸率を向上させることができる。固体電解質層4においては、イオン伝導性ポリマー44と無機電解質粒子40との間に、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物42が存在する。イオン導電性ポリマー44が重合時に硬化収縮しても、流動性の高い分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物42が発生する応力を緩和し、生じた空間に移動することで無機電解質粒子40との界面を形成し、結果的に導電率及びLiイオン輸率を向上させることができると考えられる。
なお、固体電解質層4においては、無機電解質粒子40の表面の70%以上が、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物42で被覆されていることが好ましい。無機電解質粒子40表面の被覆範囲をこのような範囲とすることにより、導電率及びLiイオン輸率をより一層向上させることができる。当該被覆範囲は、80%以上であるとより好ましく、95%以上であると更に好ましい。
また、分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物42の厚みは2nm以上300nm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましく、50nm以上100nm以下であることが更に好ましい。この厚みが2nm未満であると、イオン導電性ポリマー44が硬化収縮した場合の界面剥離が生じやすい傾向にあり、300nmを超えると固体電解質に破断が生じやすくなる傾向にある。
以下、固体電解質層4の各成分について説明する。
イオン伝導性ポリマー44はリチウムイオンを伝導可能なポリマーである。イオン伝導性ポリマーとしては、上述の性質を有する限りにおいて、如何なる材料も用いることができる。このような材料としては、例えば、特定のポリマーとリチウム塩とを複合化させたバイイオン伝導体や、ポリマーにイオン性解離基を固定したシングルイオン伝導体などが挙げられる。
バイイオン伝導体に用いられるポリマーとして、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンイミン、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンスルフィド、ポリ−β−プロピオラクトンが挙げられる。
バイイオン伝導体においてポリマーと複合化されるリチウム塩としては、例えば、リチウムビス(パーフルオロエチルスルフォニル)イミド(LiBETI)、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr、LICFSO、Li(CFSON、LiI、Li10Cl10、LiSCN、LiBCが挙げられる。
なお、バイイオン伝導体は、例えば、上述のポリマーの原料モノマーとリチウム塩と重合開始剤とを混合した後、混合物中の原料モノマーを重合させる方法により作製することができる。
原料モノマーとしては、重合が可能であり、重合後のポリマーを固体電解質として使用可能なものであれば特に制限はないが、例えば、分子中に重合性不飽和基を有する化合物が挙げられる。なお、当該重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基、マレイン酸残基が挙げられる。原料モノマーとしては、具体的には、アクリレート末端を有する多官能アルキレンオキシドオリゴマー、アクリロニトリル等が挙げられる。なお、多官能アルキレンオキシドオリゴマーとしては、例えば、多官能エチレンオキシドオリゴマー、多官能プロピレンオキシドオリゴマーが挙げられる。
重合開始剤としては、原料モノマーを重合可能なものであれば、如何なるものも使用できる。このような、重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の熱重合開始剤、トリメチルシリルベンゾフェノン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテルアントラキノン等の光重合開始剤並びに過酸化ベンゾイル及び過酸化メチルエチルケトン等が挙げられる。
シングルイオン伝導体に用いられるポリマーに制限はないが、当該ポリマーに固定されるイオン性解離基としては、例えば、カルボン酸基、りん酸基、スルフォン酸基等の陰イオン基、又はシロキシルアミン基、テトラオキシアルミニウム基等の陽イオン基が挙げられる。
なお、シングルイオン伝導体は、例えば、上記ポリマーの原料モノマーを重合させた後、イオン性解離基導入剤で処理する方法により作製することができる。
イオン伝導性の観点から、固体電解質層4に用いられるイオン伝導性ポリマーは、ポリエチレンオキシド(PEO)とリチウム塩を複合化したバイイオン伝導体であることが好ましい。ポリエチレンオキシドは高いイオン伝導性を有し、かつ室温で高い流動性があることから電極中に存在する活物質粒子あるいは固体電解質中に存在する無機電解質粒子40との界面形成も容易にする。
分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物42は、イオン伝導性ポリマーを重合する際に使用する重合開始剤で重合しないものである。なお、重合性不飽和基とは、ビニル基、(メタ)アクリル基、マレイン酸残基などの、重合可能なエチレン性不飽和結合を有する官能基をいう。
分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物としては、例えば、分子末端をキャップされたポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。分子末端のキャップに用いられる官能基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。
活物質粒子あるいは固体電解質中に存在する無機電解質粒子との界面形成を容易にする観点からは、分子末端に重合性不飽和基を有しない有機化合物の数平均分子量は1000以下であることが好ましく、400以下であることがより好ましい。
また、イオン伝導性ポリマー44との相溶性の観点からは、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物は、イオン伝導性ポリマー44として用いられるポリマーと同様の骨格を有するものが好ましい。
無機電解質粒子40としては、上述のように、イオン伝導性ポリマーよりも導電率及びLiイオン輸率が高いものを用いる。無機電解質粒子40としては、固体電解質としての機能を阻害しないものであれば、特に制限はないが、例えば、LiN単結晶、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、LiI−LiS−P、LiI−LiS−B及びLiI−LiS−SiS系のガラスやLiS・X(XはSiS、GeS、P、Bの群より選択される一種以上の硫化物)系硫化物が挙げられる。このようなものを用いると固体電解質層4の導電率及びLiイオン輸率を更に向上させることができる。
なお、電池の放電レートを向上させるには電極間距離をできるかぎり短くすることが好ましく、そのため、無機電解質粒子40の粒径は10nm〜50μmであることが好ましく、500nm〜20μmであることがより好ましい。
イオン伝導性ポリマー44及び分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物42の含有量は、イオン伝導性ポリマー44及び分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物42の合計量に対して、それぞれ20〜30質量%及び70〜80質量%であることが好ましい。
無機電解質粒子40の含有量は、イオン伝導性ポリマー44及び分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物42の合計量に対して、5〜50質量%であることが好ましい。
固体電解質層4の厚さは特に制限されないが、例えば、0.1〜100μmであり、0.1〜15μmであることがより好ましい。
電極、すなわちアノード2及びカソード3は、リチウムイオン二次電池の電極として公知のものの中から適宜選択して使用すればよく、電極活物質と電解質とを混合することによって得られる組成物を用いることも可能である。
アノード2には、炭素材料、リチウム金属、リチウム合金あるいは酸化物材料のような負極活物質を用いることが好ましい。炭素材料としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然あるいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラック、炭素繊維などから適宜選択すればよい。これらは粉末として用いられる。
アノード2の厚さは特に制限されないが、例えば、0.1〜300μmであり、1〜150μmであることがより好ましい。
カソード3には、リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物または炭素のような正極活物質を用いることが好ましい。リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物としては、リチウムを含む複合酸化物が好ましく、例えば、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiVなどが挙げられる。この酸化物の粉末の平均粒子径は1〜40μm程度であることが好ましい。
カソード3の厚さは特に制限されないが、例えば、0.1〜300μmであり、1〜150μmであることがより好ましい。
電極には、必要に応じて導電助剤が添加される。導電助剤としては、好ましくは黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ニッケル、アルミニウム、銅、銀等の金属が挙げられ、特に黒鉛、カーボンブラックが好ましい。
また、電極には、バインダとしてゲル電解質を加えることもできる。この場合の電極組成は、カソード(正極)では、重量比で、活物質:導電助剤:ゲル電解質=10〜50:0〜20:30〜90の範囲が好ましく、アノード(負極)では、重量比で、活物質:導電助剤:ゲル電解質=10〜50:0〜20:30〜90の範囲が好ましい。なお、バインダとしてゲル電解質以外の物質を用いた電極も好適に用いられる。この場合、バインダとしてはフッ素樹脂、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンラテックス等を用いることができ、バインダの量は電極全体の重量に対して3〜30重量%程度とする。なお、バインダとして、リチウムポリマー塩電解質を用いることもできる。
アノード集電体5及びカソード集電体6は、電池を使用するデバイスの形状やケース内への集電体の配置方法などに応じて、集電体として一般的に用いられる材料から選択すればよい。
アノード集電体5の構成材料としては、電子伝導性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ニッケル、銅等が用いられ、好ましくはニッケルが用いられる。さらに、カソード集電体6の構成材料としては、電子伝導性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ニッケル、アルミニウム、タンタル、鉄、チタニウム等が用いられ、好ましくはニッケル、アルミニウム、タンタルが用いられ、好ましくはアルミニウムが用いられる。なお、これらの集電体には、通常、金属箔、金属メッシュなどが使用される。金属箔よりも金属メッシュの方が電極との接触抵抗が小さくなるが、金属箔でも十分小さい接触抵抗が得られる。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、例えば、以下の工程により製造することができる。
まず、アノード活物質及び/又はカソード活物質をバインダ溶液等に分散した塗布液を、それぞれアノード集電体5及びカソード集電体6上に塗布し、乾燥させることにより、アノード集電体5及びカソード集電体6上にアノード2及びカソード3を形成する。その後、必要に応じ、平板プレス、カレンダーロール等により形成されたアノード2及びカソード3に圧延処理を施す。
なお、アノード集電体5及びカソード集電体6上への塗布液の塗布手段は特に限定されず、集電体の材質や形状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が使用される。
ここで、上述のバインダ溶液は必要に応じ用いればよい。また、上述の塗布液には必要に応じて導電助剤を含ませてもよい。
次に、固体電解質シートを作製する。固体電解質シートは、例えば、後述の第1混合工程と、第2混合工程と、固体電解質形成工程とにより形成できる。
第1混合工程では、上述の無機電解質粒子及び分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物を混合する。
固体電解質中に含有させる、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物全量に対して、第1混合工程において無機電解質粒子と混合する、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物の量は、20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物の量をこのような範囲で混合することによって、固体電解質中における無機電解質粒子の表面被覆率を向上させることができる。
第2混合工程では、第1混合工程で得られた混合物、イオン伝導性ポリマーの原料モノマー、リチウム塩及び重合開始剤を混合する。
固体電解質中に含有させる、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物全量を第1混合工程において混合させなかった場合には、残りの量を第2混合工程で混合することができる。
重合開始剤の混合量は、原料モノマー及びリチウム塩の複合化が可能な量であれば特に制限はないが、原料モノマーに対して、0.05質量%〜5.0質量%であることが好ましく、0.5質量%〜1.0質量%であることがより好ましい。
固体電解質形成工程では、例えば、第2混合工程で得られた混合物中の上記原料モノマーを重合させる。
ここで、重合は如何なる方法で行ってもよいが、重合開始剤として熱重合開始剤を用いた場合には、通常、40〜150℃程度で0.5〜5時間加熱する方法などにより行われる。また、重合開始剤として光重合開始剤を用いた場合には、例えば、適した波長の光を照射することにより行われる。
このような方法により固体電解質シートを作製することにより図2に示すような無機電解質層を得ることができる。例えば、無機電解質粒子に対して、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物を先に混合する第1混合工程を行わずに、無機電解質粒子、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物、イオン伝導性ポリマーの原料モノマー、リチウム塩及び重合開始剤を一度に混合し、重合した場合や、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物、イオン伝導性ポリマーの原料モノマー、リチウム塩及び重合開始剤の混合物に無機電解質粒子を混合し、重合した場合には図3(b)に示すような固体電解質層となり、本発明の構成を有する固体電解質が得られない。
このようにして作製した固体電解質シートと、アノード2及びカソード3を形成したアノード集電体5及びカソード集電体6とを、カソード集電体6、カソード3、固体電解質シート、アノード2、アノード集電体5の順に配置されるように積層し、圧着する。
このようにして、リチウムイオン二次電池1が完成する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
無機電解質粒子として、住田光学ガラス社製Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(以下、場合により「LATP」という)を準備した。LATPの粒径を15μm以下にするため、準備したLATPをセラミックボールミルで5時間粉砕した。粉砕後のLATPの粒度は10μmのオーダーであった。また、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物として、末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)を準備した。そして、粉砕後のLATP20gと、末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)140gとを遊星式攪拌機(クラボウ社製、KK−102N)で混合し、LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。
一方、イオン伝導性ポリマーの原料モノマーとしてアクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマー(第一工業製薬社製、TA210)を準備した。そして、当該多官能エチレンオキサイドオリゴマー60.0gにリチウム塩化合物としてリチウムビス(パーフルオロエチルスルフォニル)イミド(LiBETI:住友スリーエム社製)87.9gを混合し、リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。そして、当該リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物及び重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.00gを、上記LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物に加えて、攪拌機で混合し、電解質組成物を調製した。なお、当該電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。また、粘度測定には、米国ブルックフィールド社製E型粘度計(デジタル粘度計DV−II+)を用いた。
調製した電解質組成物を、20×20×0.3mmのシリコーン型に流し込んだ。その後、この型を80℃の真空オーブン中で5時間加熱し、アクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマーを重合させ、固体電解質シートを作製した。
ホモジナイザーの容器に所定量のN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)とセントラル硝子社製セフラルソフトG180(フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体(主鎖)及びポリフッ化ビニリデン(側鎖)により構成されている)とを入れ、これを加温しながら3500rpm〜7000rpmで分散溶解させた。この溶液にさらにDMFを添加し、2500rpm〜7000rpmで分散溶解させた。セフラルソフト溶液の濃度は10wt%とした。
上記セフラルソフト溶液40gをホモジナイザーの容器に入れ、アノード物質として黒鉛(平均粒子径3μmのソフトカーボン(易黒鉛化)微粒子)9gを添加し、12000rpmで5分間室温で分散・混合してアノード用塗布液とした。
この塗布液を銅箔(縦100mm、横100mm、厚み15μm)にメタルマスク印刷機で直径15mmの円形状に印刷し、24時間放置してDMFを蒸発させ、アノード2とした。この電極の膜厚は0.05mmであった。
セフラルソフト溶液40gをホモジナイザーの容器に入れ、カソード活物質としてコバルト酸リチウム(セイミケミカル社製、粒径2〜3μm)43gおよびアセチレンブラック(電気化学工業社製商品名HS−100)3gを添加し、12000rpmで5分間室温で分散・混合してカソード用塗布液とした。
このカソード用塗布液をアルミ箔(縦100mm、横100mm、厚み15μm)にメタルマスク印刷機で直径15mmの円形状に印刷し、24時間放置してDMFを蒸発させ、カソード3とした。この電極の膜厚は0.05mmであった。
その後、カソード集電体6、カソード3、電解質層4、アノード2、アノード集電体5の順に配置されるように積層し、25℃、10MPaで圧着し、コインセルを作製した。
[実施例2(分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物の変更)]
電解質組成物を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でコインセルを作製した。
無機電解質粒子として、住田光学ガラス社製Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(LATP)を準備した。準備したLATPをセラミックボールミルで5時間粉砕した。また、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物として、末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するプロピレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMTPOM)を準備した。そして、粉砕後のLATP20gと、末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するプロピレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMTPOM)140gとを攪拌機で混合し、LATP−プロピレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。
一方、イオン伝導性ポリマーの原料モノマーとしてアクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマー(第一工業製薬社製、TA210)を準備した。そして、当該多官能エチレンオキサイドオリゴマー60.0gにリチウム塩化合物としてリチウムビス(パーフルオロエチルスルフォニル)イミド(LiBETI:住友スリーエム社製)73.0gを混合し、リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。そして、当該リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物及び重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.00gを、上記LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物に加えて、攪拌機で混合し、電解質組成物を調製した。なお、当該電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。粘度測定は、実施例1と同様の方法により行った。
[実施例3(分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物の80質量%を無機電解質粒子に混合、残り20質量%を原料モノマーと同時に混合)]
電解質組成物の調整において、各原料の混合方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でコインセルを作製した。
LATPを20gと末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)112gを攪拌機で混合した。アクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマー60.0gにLiBETI75.6gを混合し、LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。
一方、多官能エチレンオキサイドオリゴマー60.0gに、LiBETI38.7gを混合し、リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。そして、当該リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を、LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物に加えた後、この混合物に更にポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)28.0g、AIBNを1.30g加えて、更に攪拌機で混合し、電解質組成物を調製した。なお、当該電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。粘度測定は、実施例1と同様の方法により行った。
[実施例4(分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物の50質量%を無機電解質粒子に混合、残り50質量%を原料モノマーと同時に混合)]
電解質組成物の調整において、各原料の混合方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でコインセルを作製した。
LATPを20gと末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)70.0gを攪拌機で混合した。アクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマー60.0gにLiBETI57.1gを混合し、LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。
一方、多官能エチレンオキサイドオリゴマー60.0gに、LiBETI57.1gを混合し、リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。そして、当該リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を、LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物に加えた後、この混合物に更にポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)70.0g、AIBNを1.30g加えて、更に攪拌機で混合し、電解質組成物を調製した。なお、当該電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。粘度測定は、実施例1と同様の方法により行った。
[実施例5(分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物の20質量%を無機電解質粒子に混合、残り80質量%を原料モノマーと同時に混合)]
電解質組成物の調整において、各原料の混合方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でコインセルを作製した。
LATPを20gと末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)28.0gを攪拌機で混合した。アクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマー60.0gにLiBETI38.7gを混合し、LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。
一方、多官能エチレンオキサイドオリゴマー60.0gに、LiBETI75.6gを混合し、リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。そして、当該リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を、LATP−ポリエチレンオキサイドオリゴマー混合物に加えた後、この混合物に更にポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)112g、AIBNを1.30g加えて、更に攪拌機で混合し、電解質組成物を調製した。なお、当該電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。粘度測定は、実施例1と同様の方法により行った。
[比較例1(一挙混合)]
電解質組成物を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でコインセルを作製した。
無機電解質粒子として、住田光学ガラス社製Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(LATP)を準備した。準備したLATPをセラミックボールミルで5時間粉砕した。
次に、アクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマー(第一工業製薬社製、TA210)60.0gに、リチウム塩化合物としてリチウムビス(パーフルオロエチルスルフォニル)イミド(LiBETI:住友スリーエム社製)87.9gを混合した。そして、当該混合物にLATP20g、末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)140g、AIBN1.00g加えて、攪拌機で混合し、電解質組成物を調製した。なお、当該電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。粘度測定は、実施例1と同様の方法により行った。
[比較例2(一挙混合)]
リチウムビス(パーフルオロエチルスルフォニル)イミド(LiBETI:住友スリーエム社製)の添加量を73.0gとしたこと、及び、末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するポリエチレンオキサイドオリゴマーに変えて、末端にそれぞれメチル基及びメトキシ基を有するポリプロピレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMTPOM)を用いたこと以外は、比較例1と同様の方法でコインセルを作製した。電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。粘度測定は、実施例1と同様の方法により行った。
[比較例3(無機電解質粒子なし)]
電解質組成物の調整において、無機電解質粒子(LATP)を用いなかったこと、各原料の混合方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でコインセルを作製した。
アクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマー(第一工業製薬社製、TA210)60.0g、ポリエチレンオキサイドオリゴマー(東邦化学社製、ハイソルブMPM)140g、AIBN1.00g、LiBETI(住友スリーエム社製)87.9gを攪拌機で混合し、電解質組成物を調製した。なお、当該電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。粘度測定は、実施例1と同様の方法により行った。
[比較例4(分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物及び無機電解質粒子なし)]
電解質組成物の調整において、分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物を用いなかったこと、無機電解質粒子(LATP)を用いなかったこと、各原料の混合方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でコインセルを作製した。
アクリレート末端を有する多官能エチレンオキサイドオリゴマー(第一工業製薬社製、TA210)200gにリチウム塩化合物としてリチウムビス(パーフルオロエチルスルフォニル)イミド(LiBETI:住友スリーエム社製)87.9gを混合し、リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物を調製した。そして、当該リチウム塩−多官能エチレンオキサイドオリゴマー混合物に重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.00gを加えて、攪拌機で混合し、電解質組成物を調製した。なお、当該電解質組成物の25℃における粘度測定(ずり速度2rpm)の結果を表1に示す。粘度測定は、実施例1と同様の方法により行った。
(評価)
[固体電解質の構造]
図4は、比較例1及び実施例1の固体電解質シートをマイクロ粘弾性顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、境制御型プローブ顕微鏡 E−sweep)により測定した結果を示す図である。測定は、真空下でタッピング・モード(DFM)で位相イメージング(フェーズモード)を行なった。図4(a1)及び(a2)は比較例1の測定結果であり、図4(b1)及び(b2)が実施例1の測定結果である。なお、図4において、暗い部分が弾性率の高い部分であり、明るい部分が弾性率の低い部分である。したがって、最も暗い部分がLATP(無機電解質粒子40)を示し、最も明るい部分がエチレンオキサイドオリゴマー(分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物42)を示し、中間の暗さの部分がイオン伝導性ポリマー44を示す。図4(a1)及び(a2)からわかるように、比較例1の固体電荷質は、LATP(無機電解質粒子40)がエチレンオキサイドオリゴマー(分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物42)に被覆された構造を有しない。これに対して、実施例1の固体電解質は、LATP(無機電解質粒子40)がエチレンオキサイドオリゴマー(分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物42)により被覆された状態でイオン伝導性ポリマー44中に分散した構造を有することを確認した。
[導電率、放電容量(充放電試験)、Liイオン輸率]
実施例1〜5及び比較例1〜4のコインセルについて、導電率、放電容量(充放電試験)、Liイオン輸率を評価した。
導電率は、上述のように得られた固体電解質シートを20mmφに打ち抜いた後、Pt電極を用いた導電率測定セルを用いて、電極間の交流インピーダンスを測定し、いわゆるコール・コール(Cole−Cole)プロットから求めた。
充放電試験は、0.1Cレート及び0.5Cレートの2種の放電レートにおいて実施した。それぞれの試験方法を以下に示す。
[0.1Cレート]
作製した各コインセルを内温25℃の恒温槽内に設置し、正極活物質の容量に応じて0.1Cレートの定電流−定電圧で4.2Vまで充電し、0.1Cレートの定電流で0.01Vまで放電させた。このときの放電容量を1サイクル目とした。この後、さらに、正極活物質の容量に応じて、0.1Cレートの定電流、定電圧で4.2Vまで充電し、0.1Cレートの定電流で0.01Vまで放電させる充放電を1サイクルとして、50サイクルまで行い、50サイクル目の放電容量でサイクル特性を評価した。
[0.5Cレート]
作製した各コインセルを内温25℃の恒温槽内に設置し、正極活物質の容量に応じて0.1Cレートの定電流−定電圧で4.2Vまで充電し、0.5Cレートの定電流で0.01Vまで放電させた。このときの放電容量を1サイクル目とした。この後、さらに、正極活物質の容量に応じて、0.1Cレートの定電流、定電圧で4.2Vまで充電し、0.5Cレートの定電流で0.01Vまで放電させる充放電を1サイクルとして、50サイクルまで行い、50サイクル目の放電容量でサイクル特性を評価した。
Liイオン輸率は、電解質シートの両面に直径15mmのLi箔を貼り合せ、その電極間に生じる起電力を測定することにより得られる。
ここで、上記起電力とLiイオン濃度の関係は、下記式(3)のネルンストの式で表される。
ここで、式(3)中、Eは起電力、tはカチオン輸率、Rは気体定数、Tは絶対温度(K)、Fはファラデー定数を示す。
すなわち、C1、Tを一定とし、C2をC1/2、C1/4、C1/8、C1/16と変え、Eを測定し、濃度比の自然対数(ln(C2/C1))に対するEをプロットすれば、その傾きからLiイオン輸率(t)を求めることができる。
以上の評価結果を表1に示す。
以上より、本発明の構成を備えるリチウムイオン二次電池は、本発明の構成を備えないリチウムイオン二次電池と比較し、導電率、Liイオン輸率並びに放電容量及びそのサイクル特性に優れることを確認した。
1…リチウムイオン二次電池、2…アノード、3…カソード、4…固体電解質層、5…アノード集電体、6…カソード集電体。

Claims (4)

  1. イオン伝導性ポリマーと、
    分子内に重合性不飽和基を有しない有機化合物と、
    前記イオン伝導性ポリマーよりも導電率及びLiイオン輸率の高い無機電解質粒子と、を含有し、
    前記無機電解質粒子は、分子内に重合性不飽和基を有しない前記有機化合物でその表面の少なくとも一部が被覆された状態でイオン伝導性ポリマー中に分散しており、
    前記有機化合物は、分子末端をキャップされた数平均分子量が1000以下の、ポリエチレンオキサイドオリゴマー又はポリプロピレンオキサイドオリゴマーである、固体電解質。
  2. 前記無機電解質粒子の表面の70%以上が、分子内に重合性不飽和基を有しない前記有機化合物で被覆されている、請求項に記載の固体電解質。
  3. アノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された請求項1又は2に記載の固体電解質を備えるリチウムイオン二次電池。
  4. 無機電解質粒子及び分子中に重合性不飽和基を有しない有機化合物を混合する第1混合工程と、
    第1混合工程で得られた混合物、イオン伝導性ポリマーの原料モノマー、リチウム塩及び重合開始剤を混合する第2混合工程と、
    前記第2混合工程で得られた混合物中の前記原料モノマーを重合させ、固体電解質を形成する固体電解質形成工程と、を備え、
    前記無機電解質粒子の導電率及びLiイオン輸率が、前記イオン伝導性ポリマーよりも高く、
    前記有機化合物は、分子末端をキャップされた数平均分子量が1000以下の、ポリエチレンオキサイドオリゴマー又はポリプロピレンオキサイドオリゴマーである、固体電解質の製造方法。
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