JP5087762B2 - 光感応性液晶性組成物を内包するマイクロカプセル、およびこのマイクロカプセルを含む可逆記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光感応性を有する液晶性組成物を含むマイクロカプセル、および、そのマイクロカプセルを用いた可逆記録材料に関するものである。さらに詳しく述べるなら、液晶相への加熱時に光照射することによって、多色による画像表示での情報の書き込み、急冷操作による色固定、および、等方相への加熱による消去によって、繰り返し書き換えが可能な可逆記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、可逆記録材料としては、ロイコ染料/顕減色剤、或は有機低分子化合物/高分子樹脂マトリックス系などの感熱記録材料、及びスピロピラン誘導体などのフォトクロミック化合物を利用した光記録材料などが知られている。
【0003】
ロイコ染料/顕減色剤系記録材料において、加熱後、急冷すると、ロイコ染料分子構造中にあるラクトン環が開環することによって発色し、発色画像を加熱後徐冷することにより、ラクトン環が閉環して消色する。有機低分子化合物/高分子樹脂マトリックス系記録材料、例えばベヘン酸とPVCA(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)の組み合せを用いる記録材料においては、加熱温度に応じて発色画像の透明/散乱を切り換えることができる。しかし、これらの可逆記録材料は、単色表示でしかなく、カラー記録と書き換えが可能であるという特性とが両立させ得るものはなかった。
【0004】
近年、コレステリック液晶性化合物を用いる新しい方法によるカラー感熱記録材料が発表された(N.Tamaoki,et.al,Advanced Materials,9(14),1102(1997)) この記録材料は、特開平11−024027号公報に記載されているように、分子量が2000以下で、ガラス転移温度が30〜150℃のコレステリック液晶性化合物を含む記録材料であり、コレステリック液晶性化合物は、コレステリック液晶を形成する高温からそのガラス転移温度未満の温度まで急冷することによって、コレステリック液晶相における螺旋状の分子配列に基づく反射光を保持したまゝ、この状態でガラス状固体になる。このため繰り返しの書き換えが可能なカラー記録材料として注目されている。
【0005】
さらに、上記発明と同じ発明者らは、特開2000−89398号公報において、光モードでの書き換え可能なフルカラー記録材料および画像形成方法を提示している。これは上記のコレステリック液晶性化合物にアゾベンゼン誘導体などのフォトクロミック化合物を添加して得られた光感応性を有する液晶性組成物を用いることにより上記性能を実現している。すなわち、この記録材料においては、記録層中のコレステリック液晶性化合物がコレステリック液晶相を示す温度においてこれに、画像形成用光を照射することによって、その照射光量に応じてその反射波長が連続的に変化し、その後記録層を、前記コレステリック液晶性化合物のガラス転移温度以下の温度に急冷する操作によって、反射光を保持した状態でコレステリック液晶化合物がガラス状固体化して画像を形成するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなコレステリック液晶性化合物を用いた記録材料において、この液晶性化合物を、その等方相あるいは液晶相の状態を形成する温度に加熱すると、液晶性化合物に流動性が生じ、このためこれをサーマルヘッドのような接触加熱方式により、画像の記録及び消去を記録層に繰り返して施す可逆記録材料として用いた場合、圧力ストレスなどによって、記録層の厚さにムラが発生したり、及び/又は記録材料のエッジから液晶性化合物が漏れ出してくるなどの問題を生ずる。また、光感応性を有する液晶性組成物は、長期間の使用によって紫外線及び/又は空気により分解又は酸化してその性能を劣化する可能性もある。
さらに少なくとも一方が透明な2枚の基板間に液晶性化合物を充填する製造工程において、有機溶剤を使用すること、及び/又は加熱融解してキャスティングする必要があり、このためその製造工程は煩雑であった。
【0007】
本発明は、カラー記録と繰り返し書き換えが可能であるという特性とを両立させ、かつ、上記のような問題点を解消するために、光感応性を有する液晶性組成物を含むマイクロカプセル及び、このマイクロカプセルを利用する可逆記録材料を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の光感応性液晶性組成物を内包するマイクロカプセルは、高分子物質により形成された中空壁膜と、その内側に内包されており、かつ光感応性液晶性組成物からなる芯剤とからなり、
前記光感応性液晶性組成物が2000以下の分子量及び30〜150℃のガラス転移温度を有するコレステリック液晶性化合物と、その100重量部に対し0.5〜10重量部のフォトクロミック化合物との混合物である、
ことを特徴とするものである。
本発明のマイクロカプセルにおいて、前記コレステリック液晶性化合物が、下記式(I)で示される化合物:
Z−O−CO−R−CO−O−Y(I)
〔前記式(I)中のZおよびYは、それぞれ互に独立に、コレステリル基、水素原子またはアルキル基を表し、但し、ZおよびYの少なくともいずれか一方はコレステリル基を表し、Rは、2〜30個の炭素原子を有する2価の有機基を表す〕
から選ばれることが好ましい。
本発明のマイクロカプセルにおいて、前記式(I)中のRにより表される2価の有機基が、下記式(II)で表される炭化水素基:
−(CH2)m−C≡C−C≡C−(CH2)n−(II)
〔但し、式(II)中、mおよびnは、それぞれ互に独立に、1以上の整数を表し、但し、
mとnとの合計は30を超えない。〕
から選ばれることが好ましい。
本発明のマイクロカプセルにおいて、前記フォトクロミック化合物が、アゾベンゼン誘導体から選ばれることが好ましい。
本発明のマイクロカプセルにおいて、前記アゾベンゼン誘導体が、下記式(III)で表される化合物:
Z1−O−CO−R1−CO−O−Y1−A(III)
〔但し、式(III)中、Aは、水素原子または1〜20個の炭素原子を有する有機基を表し、Y1は、アゾベンゼン基を表し、Z1は、コレステリル基を表し、R1は2〜30個の炭素原子を含む2価の有機基を表す〕
から選ばれることが好ましい。
本発明のマイクロカプセルにおいて、前記式(III)中のR1で表される2価の有機基が、下記式(IV)で表される炭化水素基:
−(CH2)m1−C≡C−C≡C−(CH2)n1−(IV)
〔上記式(IV)中、m1およびn1は、それぞれ互に独立して、1以上の整数を表し、但し、m1とn1との合計は30を超えない〕
から選ばれることが好ましい。
本発明のマイクロカプセルにおいて、前記中空壁膜用高分子物質が、ポリウレア、およびポリウレタンより選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のマイクロカプセルにおいて、このマイクロカプセルが、前記コレステリック液晶性化合物、フォトクロミック化合物、並びに、重合によりポリウレアおよびポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性有機原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解して混合し、この有機溶剤溶液を水性媒体中に乳化分散し、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性有機原料を高分子化することにより調製されたものであることが好ましい。
本発明の可逆記録材料は、支持体と、その上に形成された可逆記録層とを有し、前記可逆記録層が、前記本発明のマイクロカプセルを含有することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るマイクロカプセルを用いた可逆記録材料の構成の一例の断面説明図である。図1において、本発明の可逆記録材料1は、支持体2の上に、有機高分子化合物をカプセル壁材とし、その中に、コレステリック液晶性化合物にフォトクロミック化合物を添加した、光感応性を有する液晶性組成物を内包する多数のマイクロカプセル3と、それを結着するバインダ4とを含む可逆記録層5が設けられている。支持体には、コレステリック液晶相の螺旋状分子配列のピッチに由来する反射色を観察するために、可視光を吸収する機能を持たせておくことが好ましく、また、可逆記録層5の保護のため、その上に透明性の高い保護層6を設けることが好ましい。
【0010】
本発明のマイクロカプセルにおいては、このマイクロカプセルに内包されるコレステリック液晶性化合物に、フォトクロミック化合物を添加し、得られた光感応性を有する液晶性組成物を、高分子物質により形成された殻壁の内側に内包している。このマイクロカプセルを含む可逆記録層を所望画像に従って加熱してコレステリック化合物をコレステリック液晶相の状態とし、これに透明保護層を介して光を照射することにより、その照射光量に応じてその反射光の色が短波長側にシフトする。その後、記録層を、コレステリック液晶性化合物のガラス転移温度以下の温度まで急冷すると、コレステリック液晶相の螺旋状分子配列を保持した状態でガラス状固体(コレステリックガラス相)となり、コレステリック液晶相の螺旋状分子配列のピッチに由来する反射色を観察することができるようになる。
【0011】
本発明の記録材料の記録層上に形成された画像情報は一度記録した後、その全体をもしくは一部分を光感応性を有する液晶性組成物の融点以上に加熱することで消去することが可能であり、さらに画像を消去した記録層上に、新たな画像情報を前記の方法により光記録することが可能であり、この記録・消去を何回でも繰り返えすことができる。
【0012】
本発明の可逆記録材料では、コレステリック液晶性化合物に混合されたフォトクロミック化合物のアゾベンゼン基の光異性化反応を起こす程度の低いエネルギーの光を短時間照射するだけで、フォトクロミック化合物の光学的性質を部分的に変化させることにより画像情報を書き込み、急冷操作によってその光学的性質を固定化することによって画像情報を保存することができる。
【0013】
例えば、可視域のある波長の光を選択的に反射する光学的性質を有するコレステリック液晶性化合物が液晶状態にあるときに、これに所望画像に従って部分的に光照射を施せば、光が照射されていない部分に分布しているコレステリック液晶性化合物は、当初の可視域にある波長の光に対する選択反射性を保持したままであり、一方、光を照射された部分にあるコレステリック液晶性化合物は、その照射光量に依存して、未照射部分に比べて短い波長の反射色を呈するように変化する。この液晶状態を、ガラス転移温度以下まで急冷することによってこれをガラス固定化し、発色状態を固定することができる。この一例としては、記録層に未照射部分が赤色で、光照射部分が青色であるようなカラー画像を作製することができる。
【0014】
また、赤外域に選択的な反射特性を有するコレステリック液晶性化合物を含む記録層にその液晶状態において所望画像に従って部分的に光照射を施せば、未照射部分は可視域の光を反射しないので透明状態に保持され、光照射部分は照射光量に依存して、未照射部分に比べて短い波長の反射色、つまり、可視域の反射色を呈するようになる。この発色状態を急冷操作によりガラス固定化した場合、無色を背景にしたカラー画像を得ることができる。このとき、記録層の背面に黒色の光吸収層が設けられている場合には黒色を背景にしたカラー画像情報を記録することができる。
【0015】
特に本発明の記録材料においては、マイクロカプセルに内包されるコレステリック液晶性化合物とフォトクロミック化合物との間に、分子量、及び官能基などの共通性があるため、ガラス状固体における熱的安定性が高く、その結果、記録された画像情報を長期保存するときの安定性に優れている。
【0016】
また、本発明の可逆記録材料においては、その記録層に対する加熱により、光感応性を有する液晶性組成物が、等方相あるいは液晶相のときは、流動性を有する状態になる。このように流動性を有する状態において、画像記録や消去が繰り返し行われる場合においても、光感応性を有する液晶性組成物はマイクロカプセル中に内包されているため、圧力ストレスによって、記録層の厚さにムラが発生することはなく、また、記録材料のエッジから光感応性を有する液晶性組成物が漏れ出してくるなどの問題が発生することもない。
【0017】
さらに、本発明のマイクロカプセルにおいて、光感応性を有する液晶性組成物は高分子物質壁材により内包されているので、外気との直接接触が遮断されており、このため、長期間の使用においても、空気や紫外線により酸化、分解して劣化することはほとんどなく、可逆記録材料の長期使用における耐久性においても優れた性能を示すことができる。
その上、本発明の記録材料では、光感応性を有する液晶性組成物を、マイクロカプセル中に内包することによって、記録画像を、記録表面に対し斜めから見ることによって生じる選択反射波長の短波長シフト化を抑制することができ、記録画像の視野角依存性を抑制することができるなどの利点を有する。
【0018】
また、本発明で用いられる光感応性を有する液晶性組成物は、それをマイクロカプセル中に内包することによって、通常の固体微粒子として扱うことができる。このため、可逆記録層の形成のために、有機溶媒を使用したり、或は加熱融解してキャスティングしたりする必要がなく、水系塗料を用いる一般的なコ−ティング方法によって可逆記録層を形成することができる。したがって、可逆記録層の製造工程が著しく簡素化できる。
【0019】
本発明で使用することができるコレステリック液晶性化合物の種類には、それがコレステリック反射色を固定することができるものである限り、また、その分子量が2000以下、好ましくは500〜1500であり、かつ、そのガラス転移温度が30〜150℃、好ましくは50〜110℃である限り、格別の制限はない。
【0020】
本発明の可逆記録材料においては、コレステリック液晶性化合物の分子量が2000を超えると、画像の記録や消去に要する時間が長くなるという不都合が生ずる。また、ガラス転移温度が30℃より低くなると、記録画像が経時的に変褪色する恐れがあり、一方、150℃を超えると画像の記録や消去に過大な熱エネルギーが必要となるという不都合が生ずる。
【0021】
本発明で使用するのに好ましいコレステリック液晶性化合物の化学構造は、特に限定されるものではないが、下記式(I)で示される化合物を用いると、鮮明なカラー記録画像が得られる。
Z−O−CO−R−CO−O−Y (I)
〔上記式(I)中、Z及びYは、それぞれ互に独立に、コレステリル基、水素原子又はアルキル基を表し、但し、Z及びYの少なくともいずれか一方はコレステリル基を表し、Rは、2〜20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を表す〕。
【0022】
さらに、前記式(I)のRにより表される2価の炭化水素基は、下記式(II)で表される炭化水素基から選ばれることが好ましい。
−(CH2)m −C≡C−C≡C−(CH2)n − (II)
〔上記式(II)中、mおよびnは、それぞれ互に独立に、1以上の整数を表し、ただし、mとnとの合計は30を超えない。〕
【0023】
上記の化学構造を有するコレステリック液晶性化合物の好ましい例としては、10,12−ドコサジインジカルボン酸ジコレステリルエステル、8,12−エイコサジエンジカルボン酸ジコレステリルエステル、エイコサンジカルボン酸ジコレステリルエステル、10,12−ペンタコサジインジカルボン酸コレステリルエステル、ドデカジカルボン酸ジコレステリルエステル、及び12,14−ヘキサコサジインジカルボン酸ジコレステリルエステルなどを挙げられることができる。
【0024】
本発明に用いられるコレステリック液晶性化合物としては、上記の他にも、ポリペプチド、ポリエステル、ポリアミドなどの主鎖型液晶、ポリアクリレート、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶、セルロース誘導体などの剛直主鎖型液晶などから選択して使用することもできる。
さらに、本発明で使用するコレステリック液晶性化合物は、単一種で用いられてもよく、あるいは、その複数種を適宜混合して使用することもできる。
【0025】
本発明においては、前記コレステリック液晶性化合物にフォトクロミック化合物を添加し、光感応性を有する液晶性組成物を構成する。このフォトクロミック化合物の添加量は、コレステリック液晶性化合物100重量部に対して、0.5〜10重量部であり、0.5〜7.5重量%であることが好ましい。
フォトクロミック化合物の添加量が0.5重量部より少ないと、本発明の記録材料が必要とする十分な光感応効果が得られない。一方、それが10重量部をこえる添加量になるとコレステリック液晶性化合物の発色性を阻害することがある。
【0026】
本発明で使用することのできるフォトクロミック化合物としては、従来公知の各種のものを用いることができる。このようなフォトクロミック化合物は、“Photochromism-techniques of Chemistry Vol. III”, Glenn H. Brown 編、 Wiley Interscience, 1971に記載されているようなアゾベンゼン誘導体、インジゴ誘導体、フルキド誘導体、スピロピラン類、ジアリルエテン類等が挙げられる。特にアゾベンゼン誘導体のような光反応前後で分子サイズ及び形態が大きく変化するフォトクロミック化合物を用いることが好ましい。
【0027】
コレステリック液晶性化合物とフォトクロミック化合物との間には、その分子量及び官能基などにおいて共通性があると、組成物のガラス状固体での熱的安定性が高く、記録された画像情報を長期保存するときの安定性に優れている。そのため、本発明においてフォトクロミック化合物として特に最適なものは、アゾベンゼン誘導体から選ばれ、特に下記式(III)で表される化合物から選ばれる。
Z1−O−CO−R1−CO−O−Y1−A(III)
上記式(III)において、Aは水素原子または1〜20の炭素原子を有する有機基を表し(このAにより表される有機基は脂肪族基、芳香族基、または、炭化水素オキシ基を包含する)、Y1はアゾベンゼン基を表し、Z1はコレステリル基を表し、R1は2〜30個の炭素原子を含む2価の有機基を表す、前記R1により表される2価の有機基は、脂肪族基および芳香族基を包含する。
【0028】
前記式(III )中のR1 により表される2価の有機基は、下記式(IV)で表される炭化水素基であることが好ましい。
−(CH2)m1−C≡C−C≡C−(CH2)n1− (IV)
上記式(IV)中、m1およびn1は、それぞれ互に独立に、1以上の整数を表し、但し、m1とn1との合計は30を超えない。
【0029】
本発明におけるフォトクロミック化合物の具体例を示すと、下記式(V),(VI)及び(VII )により表される化合物などである。
【化1】
(式(V)中、n2およびm2は4〜10の整数、好ましくは8の整数を表し、Z1 はコレステリル基を表す。)
【化2】
(式中、n3は10〜22、好ましくは20の整数を示し、Z1 はコレステリル基を表す。)
【化3】
(式中、R2 は、炭素原子数が1〜16、好ましくは、7および12のアルキル基を表し、n4およびm4は、それぞれ互に独立に、4〜10、好ましくは8の整数を表し、Z1 はコレステリル基を表す。)
【0030】
上記の式(V),(VI)、及び(VII )により表される化合物は、特願2000−42966号公報に記載されている方法により製造することができる。
【0031】
本発明のマイクロカプセルは、上記のコレステリック液晶性化合物にフォトクロミック化合物を添加することによって得られた光官能性を有する液晶性組成物を高分子物質から形成された中空壁膜の内側に内包されているものである。
【0032】
本発明におけるマイクロカプセルは、各種公知の方法で調製することができ、一般には前述の光感応性のある液晶性組成物を必要に応じて有機溶媒に溶解し、得られた芯剤溶液(油性液)を水性媒体中に乳化分散し、油性液滴の周りに高分子物質からなる中空壁膜を形成する方法によって調製される。マイクロカプセルの中空壁膜となる高分子物質の具体例としては、例えばポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらのうちでも、特にポリウレタンおよびポリウレア樹脂、あるいはアミノアルデヒド樹脂からなる中空壁膜を有するマイクロカプセルは、耐熱性に優れているため、好ましく用いられる。より好ましくは、ポリウレタンおよびポリウレア樹脂からなる中空壁膜を有するマイクロカプセルが用いられる。
【0033】
本発明で使用するポリウレア、ポリウレタンより選ばれる少なくとも1種の高分子物質から中空壁膜を形成し、その内側に、光感応性を有する液晶性組成物を内包するマイクロカプセルを調製する方法としては、例えば、光感応性を有する液晶性組成物を沸点が100℃以下の低沸点水不溶性有機溶媒に溶解し、この溶液に、高分子形成性原料、例えば多価イソシアネート化合物のみ、又は多価イソシアネート及びこれと反応するポリオールとの混合物、或いは多価イソシアネートと、ポリオール、ビウレット、又はイソシアヌル酸との付加物、を添加し、この混合液を、ポリビニルアルコールなどの保護コロイド物質を溶解含有している水性媒体中に乳化分散し、さらに必要によりポリアミンなどの反応性物質を混合後、この乳化分散液を加温することにより乳化粒子中の有機溶剤を揮発除去し、その後に前記高分子形成性原料を重合させることによって例えばポリウレア又はポリウレタンからなる壁膜を乳化粒子のまわりに形成し、この中空壁膜の内側に光感応性を有する液晶性組成物を内包して、マイクロカプセルを形成する方法を用いることができる。
【0034】
上記マイクロカプセルの調製工程において乳化粒子から十分に有機溶剤を揮発除去するためには、予じめ溶剤の種類、乳化分散条件、光感応性を有する液晶性組成物と溶剤などの配合比率などを勘案して実験的に条件を設定しておけばよい。
【0035】
マイクロカプセル形成に用いられる高分子形成性原料としては、ポリウレアを形成するポリアミン化合物と多価イソシアナート化合物の混合物、ポリアミン化合物と炭酸エステル化合物との混合物、ポリアミン化合物とビスウレタンとの混合物、およびポリアミンと尿素との混合物、並びにポリウレタンを形成する多価イソシアネート化合物とポリオールとの化合物、多価イソシアネートとポリオールとの付加物、多価イソシアネートのイソシアヌレート体などを用いることができる。
【0036】
高分子形成性原料として用いられる多価イソシアネート化合物としては例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、などがある。多価イソシアネートとポリオールとの付加物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサントリオール付加物等のイソシアネートプレポリマーを用いることができる。また多価イソシアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネートと、ビウレットとの付加物、多価イソシアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネートと、イソシアヌル酸との付加物等も、本発明の高分子形成性原料として用いることができる。
【0037】
また、高分子形成性原料に用いられるポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の脂肪族ポリオール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合生成物、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、α,α′−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、2−(p,p′−ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−イソプロピリデンジフェノールのエチレンオキサイド付加物、4,4′−イソプロピリデンジフェノールのプロピレンオキサイド付加物、2−ヒドロキシアクリレートのような分子内にヒドロキシ基のあるアクリレート等が挙げられる。
【0038】
もちろん、多価イソシアネート化合物、多価イソシアネートとポリオールの付加物及びポリオール化合物などは、上記化合物に限定されるものではなく、また、これらは必要に応じて単一種で用いられてもよく、或は二種以上を併用してもよい。なお、本発明で使用される多価イソシアネート化合物、又は多価イソシアネート化合物とポリオール化合物との付加物のうちでも、分子中にイソシアネート基を三個以上有するものを用いることが特に好ましい。
【0039】
また、本発明の高分子形成性原料に用いられるポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、エポキシ化合物のアミン付加物等が挙げられる。また本発明の目的を損なわない範囲で、上記以外の高分子物質を含有させることもできる。
【0040】
マイクロカプセルの調製に用いられる有機溶剤としては、沸点100℃以下、より好ましくは沸点80℃以下で、かつ疎水性であることが好ましい。例えば、このような低沸点疎水性(水不溶解性)有機溶剤は、塩化ブチル(沸点78℃)、塩化エチリデン(同57℃)、塩化プロピル(同46℃)、塩化メチレン(同42℃)、酢酸エチル(同77℃)、酢酸メチル(同57℃)などから選ぶことができる。アセトン(同56℃)、メタノール(同65℃)などは、水と相溶性が高いため、得られる乳化液の乳化状態が不安定となることがあるので好ましくない。
【0041】
有機溶剤の使用量については、使用する光感応性を有する液晶性組成物の種類や添加量、さらには有機溶剤の種類等に応じて適時調節すべきものであり特に制限はないが、乳化分散液滴が十分に安定した状態にあることが好ましいので、ポリウレタン、又はポリウレア樹脂を形成する場合、有機溶剤、光感応性を有する液晶性組成物およびマイクロカプセル壁膜材の三者の合計に対して有機溶剤の割合が、一般に10〜95重量%程度の範囲内に調節することが好ましい。
【0042】
マイクロカプセルにおける光感応性を有する液晶性組成物と高分子物質との重量比率は、長期保存によりマイクロカプセル中の光感応性を有する液晶性組成物の保存安定性を低下させないため、また、可逆記録材料の繰り返し使用でその形状が変形しないため、通常のマイクロカプセルに比較して多量の壁膜形成材料を使用するのが好ましく、これらの点からマイクロカプセルの合計重量に対して、光感応性を有する液晶性組成物の含有量が10〜95重量%であることが好ましく、50〜95重量%であることがより好ましい。
【0043】
本発明において、マイクロカプセルの調製に用いられる乳化剤(保護コロイド剤)としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン基変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体などの水溶性合成高分子化合物などを用いることができる。乳化剤とともに、他の界面活性剤、消泡剤などを使用してもよい。マイクロカプセル調製の際の乳化剤の使用量については特に限定はないが、一般に、マイクロカプセル重量に対して1〜50重量%であることが好ましく、3〜30重量%程度であることがより好ましい。
【0044】
本発明に使用されるマイクロカプセル中には、光感応性を有する液晶性組成物の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶性蛍光染料、離型剤等が添加されていてもよい。また、マイクロカプセル調製における高分子化の際に、反応促進剤として錫化合物、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、ポリアミン化合物などを併用してもよい。尚、ポリアミン化合物を使用する場合は、耐光性を低下させないという点から、脂肪族ポリアミン化合物を用いることが好ましい。
【0045】
本発明でのマイクロカプセルの粒径としては、0.5〜100μm程度であることが好ましく、さらに好ましくは5〜50μmの範囲内である。平均粒子径が小さすぎるとコレステリック液晶相における螺旋状の分子配列をうまく形成することができなくなるため、発色濃度や色純度の低下を招くことになる。一方、巨大粒子は記録材料の表面性を悪化させるため、発色感度の低下を及ぼす。
【0046】
可逆記録層は、上記の光感応性を有する液晶性組成物のマイクロカプセルのほかに、バインダーを含み、バインダーとしては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体などの水不溶性重合体のラテックスなどを用いることができる。可逆記録層中には、本発明の効果を損なわない範囲で、有機および無機顔料、スペーサー粒子、架橋剤、ワックス、金属石鹸、有機染料、有色顔料、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤、酸化防止剤などの各種添加剤を用いることができる。ただし、これらの材料は、記録する選択反射光の波長領域に吸収を持たないことが望ましい。可逆録層中における光感応性を有する液晶性組成物マイクロカプセルの含有量は、50重量%以上であることが好ましく、60〜90重量%であることがより好ましい。光感応性を有する液晶性組成物のマイクロカプセルの含有量が50重量%より少なくなると記録画像の反射率が低下する。また可逆記録層中のバインダーの含有量は10〜40重量%であることが好ましい。
【0047】
また、鮮明な記録画像を得るためには、可逆記録層の塗布量としては、5〜50g/m2 程度が好ましく5〜30g/m2 であることがより好ましい。記録層の塗布量が5g/m2 より少ない場合、十分な選択反射が得られないため、記録画像の鮮明さが欠ける。また、塗布量が50g/m2 を超えると記録層の白濁が強くなり、記録画像がぼやけた濁ったものとなる。
【0048】
本発明に用いられる支持体材料の種類、形状、寸法などには、格別の限定はなく、紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、PET、PES、ポリエーテルイミドなどの合成樹脂によるフィルム、ガラスなどのシートまたは板状のものであり、平坦でも湾曲していても良く、可撓性でも剛性のものでも良い。ただし、可撓性のシート材料を用いることにより、曲げたりしても壊れにくく、また、複数枚をファイルに綴じたりして、簡単に持ち運びができるといったペーパーライクな取扱いが可能となるため、より好ましく用いられる。
【0049】
本発明においては、コレステリック反射色をコレステリック液晶相の螺旋状分子配列のピッチに由来する反射色をより鮮明に観察するために、記録層を透過してきた可視光を吸収する機能を記録層の背面に持たせることが効果的である。例えば、記録層と支持体の間に、黒色塗料を塗布して光吸収層を設けたることによって達成することができる。また、透明な支持体を使用する場合には、記録層とは反対の面に光吸収層を形成することもできる。さらに、支持体中に黒色顔料などを混ぜ込み、支持体自体に光吸収機能を持たせることもできる。
【0050】
このような光吸収層として、例えば、ロイコ染料/顕色剤との組み合わせによる感記録材料を使用することにより、加熱手段によって、記録層のコレステリック反射色を得るとともに、同時に、記録画像の背面に可視光を吸収する機能を持たせることができる。つまり、白地に任意のカラーの記録画像を形成することが可能となる。特に、光吸収層として、発色と消色が繰り返しできる可逆感熱記録タイプのロイコ染料/顕減色剤を用いることにより、可逆記録材料としての汎用性がより広くなる。
【0051】
さらに必要に応じ、光反射層、熱反射層、光(レーザービーム)吸収層を記録層と支持体との間に設けることもできる。
【0052】
本発明においては、支持体の記録層が設けられていない面(裏面)上、あるいは支持体と記録層の間に、磁気記録層を設けることもできる。磁気記録層は、従来から磁気乗車券、プリペイドカード、磁気定期券などに使用されている磁気記録層を使用することができる。
また、本発明の可逆記録材料は、ICチップなどを埋め込んだカードの表示媒体として使用することにも適している。
【0053】
本発明においては、公知の感熱記録材料に使用されている下塗層も利用することができる。特に紙を支持体として用いる場合は、例えば光吸収層と紙基材との間に、下塗層を設けることが望ましい。下塗り層に、シリカ、焼成カオリンなどのような空隙率の高い顔料、あるいはプラスチックピグメント、中空粒子、発泡体などを含有させることで熱効率の向上に効果がある。
【0054】
本発明の可逆記録材料においては、記録層上に保護層を設けることが好ましい。このような保護層は透明性が高く、記録層の保存安定性を損ねることのない材料から適宜選ぶことができ、その厚さは0.5〜30μmであることが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。
【0055】
本発明では、電子線や紫外線で硬化した樹脂層を記録層上に、あるいは前記保護層上に設けることもできる。電子線で硬化した樹脂の例としては、特開昭58−177392号公報、特開昭58−177392号公報などに記載がある。このような樹脂中に、非電子線硬化樹脂、顔料、および消泡剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、可塑剤等の添加剤を適宜添加することもできる。電子線や紫外線で硬化した樹脂層は、乾燥後の塗工量が0.5〜30g/m2 となるように塗工されることが好ましく、より好ましくは1〜10g/m2 となるように塗工する。
【0056】
さらに本発明の記録材料の保護層は、PET、PES、ポリエーテルイミドなどの透明性及び耐熱性に優れたプラスチックフィルムを記録層上に貼り合わせたものであってもよい。この場合、プラスチックフィルムの厚さは、記録層への熱伝達を阻害しないように1〜30μm程度にすることが好ましい。
【0057】
本発明においては、UVインキ、フレキソインキなどにより記録材料に印刷することができ、例えば、地紋などを印刷することができる。この場合、印刷は、記録層上、保護層上、電子線硬化樹脂層、あるいは紫外線硬化樹脂層、プラスチックフィルムなど、どの層の上に印刷してもかまわない。
【0058】
本発明の可逆記録材料を用いて画像を形成する方法としては、記録層の温度を、マイクロカプセル中に内包され、光感応性を有する液晶性組成物がコレステリック液晶相を示す温度に加熱し、その透明保護層を介して、記録層に光を照射することによって画像を形成し、引き続き、ガラス転移温度以下まで急冷することにより画像情報を固定化して保存することが可能となる。一方、室温における光照射によってフォトクロミック化合物の光異性化を起こさせ、その直後に、光感応性を有する液晶性組成物が液晶相を示す温度まで加熱し、然る後にガラス転移温度以下まで急冷することによって画像情報を書き込むことも可能である。
【0059】
本発明の記録材料において、フォトクロミック化合物のアゾベンゼン基の光異性化反応を起こさせるための光源としては、水銀灯、キセノンランプ、タングステンランプ、レーザーなど、フォトクロミック化合物の吸収波長に応じて適宜選択することができる。
【0060】
本発明の可逆記録材料は、加熱後の急冷操作により、可逆記録層の光感応性を有する液晶性組成物の液晶相からガラス転移温度以下まで冷却させて画像を固定する。この画像の固定は、コレステリック液晶相からガラス相への相移行によるものと思われる。
【0061】
本発明の記録材料に記録するために使用できる加熱手段としては、可逆記録層の温度を光感応性を有する液晶性組成物の融点温度以上まで加熱できるものであれば、いずれのものも使用できる。例えば、サーマルヘッド、加熱ロール、加熱スタンプ、ホットプレート、レーザー光線などの公知の各種加熱手段を挙げることができる。
【0062】
一方、冷却手段としては、加熱直後の記録材料に接触して放熱させることができるものであればいずれのものでもよい。例えば、冷却液中又は冷却ガス雰囲気中に浸漬したり、冷却ガス流又は冷却固体表面に接触させたりすることにより行うことができる。ただし、加熱手段および冷却手段はこれらに限定されるものではない。
【0063】
画像固定のための冷却速度としては、1℃/秒以上であることが好ましく、より好ましくは10℃/秒以上、さらに好ましくは50℃/秒以上である。1℃/秒未満の冷却速度の場合は固定化の段階で画像の色が変化しやすくなる。同様な理由で、画像形成から固定化までの時間をなるべく短くすることが望ましい。周囲温度や用いるコレステリック液晶性化合物の種類により異なるが、10秒以上室温に放置すると固定化前に画像の色が部分的に変化する恐れがある。
【0064】
【実施例】
本発明を下記実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0065】
〔実施例1〕
<光感応性を有する液晶性組成物を内包するマイクロカプセル分散液(A)の調製>
コレステリック液晶性化合物として、10,12−ドコサジインジカルボン酸ジコレステリルエステル(分子量:1099.8、ガラス転移温度:80℃)50重量部を用い、フォトクロミック化合物として、下記式(VIII)の化合物(分子量:1080)0.5重量部を用いた。
【化4】
上記コレステリック液晶性化合物とフォトクロミック化合物との混合物を塩化メチレン200重量部に溶解し、この溶液に、壁膜材形成用高分子物質としてキシレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンの3:1付加物(タケネートD−110N、武田薬品工業社製)10重量部を添加し、次にこの溶液を、3%のポリビニルアルコール水溶液500重量部中に徐々に添加しながら、この混合物をホモミキサーにより、回転数1000rpmの攪拌によって乳化分散した。続いて、得られた乳化液を45℃の温度に昇温し、これを2時間保持して、塩化メチレンを蒸発除去した。得られた乳化液を60℃に昇温して前記有機高分子物質を4時間の硬化反応に供し、それにより平均粒径15μmの光感応性を有する液晶性組成物を内包したマイクロカプセルの分散液(A)を得た。
【0066】
〔実施例2〕
<光感応性を有する液晶性組成物を内包するマイクロカプセル分散液(B)の調製>
上記の実施例1において、フォトクロミック化合物として、上記式(VIII)の化合物の添加量0.5重量部を2.5重量部に変更したこと以外は、上記の実施例1と同様にして光感応性を有した液晶性組成物を内包した、平均粒径16μmのマイクロカプセルの分散液(B)を得た。
【0067】
〔実施例3〕
<光感応性を有する液晶性組成物を内包するマイクロカプセル分散液(C)の調製>
上記の実施例1において、フォトクロミック化合物として、上記式(VIII)の化合物の添加量0.5重量部を5重量部に変更したこと以外は、上記の実施例1と同様にして、光感応性を有する液晶性組成物を内包した平均粒径16μmのマイクロカプセル分散液(C)を得た。
【0068】
〔実施例4〕
<マイクロカプセルを用いた可逆記録材料(D)の作製>
支持体として、黒色顔料を練り込んだ、厚さ75μmの、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム(スミライトFS−1401B(商標)、住友ベークライト社製)を用いた。前記マイクロカプセル分散液(A)(固形分濃度15%)80部と、スチレン−ブタジエン系ラテックス(固形分濃度50%)6部からなる記録層用塗料を、乾燥後の塗布量が20g/m2 となるように、支持体の表面上に塗布し、乾燥して、可逆記録層を形成した。さらに、記録層上に紫外線硬化性ニスを、塗布量が3g/m2 となるように塗布し、これに紫外線を照射して透明な保護層を形成した。マイクロカプセル中のコレステリック液晶性化合物は半透明化しているため、支持体であるPEIフィルムの黒色を下地色とする可逆記録材料(D)が得られた。
【0069】
〔実施例5〕
<マイクロカプセルを用いた可逆記録材料(E)の作製>
上記の実施例4における、マイクロカプセル分散液(A)(固形分濃度15%)80部の代わりにマイクロカプセル分散液(B)(固形分濃度15%)80部を使用したこと以外は、上記の実施例4と同様な手順で可逆記録材料(E)を得た。
【0070】
〔実施例6〕
<マイクロカプセルを用いた可逆記録材料(F)の作製>
上記の実施例4における、マイクロカプセル分散液(A)(固形分濃度15%)80部の代わりにマイクロカプセル分散液(C)(固形分濃度15%)80部を使用したこと以外は、上記の実施例4と同様な手順で可逆記録材料(F)を得た。
【0071】
<画像形成の評価>
実施例4〜6において作製した光感応性を有する液晶性組成物を含むマイクロカプセル用いた可逆記録材料(D)〜(F)については、可逆記録媒体を130℃にて加熱して、マイクロカプセル中の液晶性組成物を融解した後、引き続いて、95℃に保たれたホットステージ上に記録媒体を設置した。そこに、マスクを介して水銀灯からの紫外線を部分的に30秒照射して(照射エネルギー 100mJ/cm2)、アゾベンゼン基のシス−トランス異性化を定常状態になるまで変化させた。未照射部分はもとのままで、色の変化が認められなかったが、照射部分の色調は短波長側にシフトした。前記紫外線照射の後、記録材料を氷水中に浸漬して0℃まで急冷して、発色を固定した。
得られた可逆記録材料において、紫外線照射部、および、未照射部の反射バンドのピーク波長λmaxを測定した結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
<繰り返し耐久性の評価>
実施例4〜6の可逆記録材料(E)〜(F)の各々に対し、印字試験、および、記録材料を130℃以上の温度に加熱して、液晶性組成物を等方相に変化させて消去する操作とを30回繰り返し施した。その結果、可逆記録材料の表面に、傷、及び荒れなどの損傷はほとんど認められず、記録材料の厚さの変化もほとんどなかった。また、発色性及び消色性の劣化も認められなかった。
【0074】
【発明の効果】
本発明のマイクロカプセルは、コレステリック液晶性化合物にフォトクロミック化合物を添加した、光感応性を有する液晶性組成物を内包したものであり、また本発明の可逆記録材料は、前記マイクロカプセルを記録層に含むものであって、液晶組成物を加熱して、液晶相にあるときに、これに光照射することによって、多色による画像情報の書き込みができ、これに急冷操作を施すことによって画像を固定することができる。さらに、固定された画像を有する記録材料に、加熱を施して液晶性組成物を等方状態に変化させることによって、画像を消去することができ、これによって、繰り返し書き換えが可能となる。
液晶性組成物はマイクロカプセル中に内包されているため、これに繰り返し印字および消去操作を施しても、その性能が劣化することが少なく、また、液晶性組成物はマイクロカプセル化することによって、通常の固体微粒子として扱うことができるため、一般的な水系塗料において用いられているコーティング方法によって記録層を形成することができ、その製造方法を大きく簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロカプセルを含む可逆記録材料の一実施態様の断面説明図。
【符号の説明】
1…可逆記録材料
2…支持体
3…光感応性液晶性組成物内包マイクロカプセル
4…バインダ
5…可逆記録層
6…透明保護層
Claims (7)
- 高分子物質により形成された中空壁膜と、その内側に内包されており、かつ光感応性液晶性組成物からなる芯剤とからなり、前記光感応性液晶性組成物が2000以下の分子量及び30〜150℃のガラス転移温度を有するコレステリック液晶性化合物と、当該コレステリック液晶性化合物100重量部に対し0.5〜10重量部のフォトクロミック化合物との混合物である、
ことを特徴とする光感応性液晶性組成物を内包するマイクロカプセルであって、
前記フォトクロミック化合物が、下記式(III)で表されるアゾベンゼン誘導体化合物:
Z 1 −O−CO−R 1 −CO−O−Y 1 −A(III)
〔但し、式(III)中、Aは、水素原子または1〜20個の炭素原子を有する有機基を表し、Y 1 は、アゾベンゼン基を表し、Z 1 は、コレステリル基を表し、R 1 は2〜30個の炭素原子を含む2価の有機基を表す〕から選ばれる、マイクロカプセル。 - 前記式(III)中のR 1 で表される2価の有機基が、下記式(IV)で表される炭化水素基:
−(CH 2 ) m1 −C≡C−C≡C−(CH 2 ) n1 −(IV)
〔上記式(IV)中、m1およびn1は、それぞれ互に独立して、1以上の整数を表し、但し、m1とn1との合計は30を超えない〕から選ばれる、請求項1に記載のマイクロカプセル。 - 前記コレステリック液晶性化合物が、下記式(I)で示される化合物:
Z−O−CO−R−CO−O−Y(I)
〔前記式(I)中のZおよびYは、それぞれ互に独立に、コレステリル基、水素原子またはアルキル基を表し、但し、ZおよびYの少なくともいずれか一方はコレステリル基を表し、Rは、2〜30個の炭素原子を有する2価の有機基を表す〕から選ばれる、請求項1または2に記載のマイクロカプセル。 - 前記式(I)中のRにより表される2価の有機基が、下記式(II)で表される炭化水素基:
−(CH2)m−C≡C−C≡C−(CH2)n−(II)
〔但し、式(II)中、mおよびnは、それぞれ互に独立に、1以上の整数を表し、但し、mとnとの合計は30を超えない。〕から選ばれる、請求項3に記載のマイクロカプセル。 - 前記殻壁用高分子物質が、ポリウレア、およびポリウレタンより選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載のマイクロカプセル。
- 前記コレステリック液晶性化合物、フォトクロミック化合物、並びに、重合によりポリウレアおよびポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性有機原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解して混合し、この有機溶剤溶液を水性媒体中に乳化分散し、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性有機原料を高分子化することにより調製されたものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
- 支持体と、その上に形成された可逆記録層とを有し、前記可逆記録層が、請求項1〜6のいずれか1項に記載されたマイクロカプセルを含有することを特徴とする可逆記録材料。
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