JP5084855B2 - 車体フロア構造 - Google Patents
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Description
例えば、前席の床下に燃料タンクを配置する構造で、燃料タンクの前後左右に、燃料タンクを囲むようにそれぞれ第1クロスメンバー、第2クロスメンバー、左右のフロアフレームを配置している。そして、前席を締結するために、ドア下にあるサイドシルからフロアフレームへ向けブラケットを突出させている。
この結果、第1クロスメンバーによって左右のフロアフレームに伝わる衝撃力を小さくすることができ、フロアフレームの軽量化を可能にしている(例えば、特許文献1参照)。
燃料タンクの前には排気管が配管され、排気管の上方でフロアフレームがアーチ形をなしているため変形の起点となりやすい。
このフロアフレームの変形の変位量が大きくなると、フロアパネルが沈下するため、前席用のブラケットとともに前席も下がることがある。
また、側面衝突したときに、ドア下にあるサイドシルの変形に伴い、前席用のブラケットの変位量が大きくなることがある。
このような正面衝突時及び側面衝突時の変形の変位量を抑制した構造が望まれていた。
また、衝撃力がフロアフレーム補強部材によって床隆起部に分散される。
その結果、前突したときに、フロアフレームが頂上部を起点に下方へ落ち込むように折れ曲がるのを抑制することができるという利点がある。
請求項1に係る発明では、フロアフレーム補強部材の後端から床の左右端をなすサイドシルまで車両車幅方向に延びてそれぞれに接合しているフロントシート用のシートブラケットを備えているので、シートブラケットは、フロアフレーム補強部材を設けたフロアフレームによって支持され、前突時の変位量が抑制される。従って、フロントシートの前部の沈み込みを抑制することができるという利点がある。
請求項1に係る発明では、フロアフレーム補強部材の前部は、車室の前隔壁をなすダッシュロアパネルの補強部に接続することによって、互いに接続しているので、前突で車両正面に衝撃力が入力されると、フロアフレーム補強部材の前部からダッシュロアパネルの補強部に分散される。
その結果、フロアフレームに伝わる衝撃力は減少し、前突時のフロアフレームの変位量をより抑制することができる。
その上、フロアフレーム補強部材の後部からシートブラケットで補強された床隆起部の前壁部とフロアフレームの直線部に荷重を分散させて衝撃力を伝えるので、頂上部の細い部位に伝わる(集中する)衝撃力がより小さくなる。
その結果、頂上部からフロアフレームが下方に折れ曲がり、下方に二点鎖線で示すように落ち込む変位量を抑制することができる。
また、前突したときに、フロアフレーム補強部材によってフロアフレームの落ち込む変位量を抑制したので、シートブラケットの下方への変位量を抑制することができる。
つまり、車両正面及び車両側面に入力される衝撃力に対し、効率よく車体フロア構造を使うことができる。
その結果、板材を折り曲げることによって、構造を簡単にすることができ、且つ軽量化を図ることができ、一方、沈み込み荷重に耐える強度を付与することができる。
車体フロア構造は、中央(中心C)を対称基準に左右がほぼ対称である。
以降で右側を主体に具体的に説明していく。
第1分岐排気管26は、燃料タンク23の前壁に沿って、さらにフロアフレーム15の下に配管されている。フロアフレーム15の下でフロアフレーム15に近接した状態で交差している。
第1分岐排気管26に連ねて第2分岐排気管27を車体14の左右のサイドシル28に沿わせている。
フロントボデー31は、左右のフロントサイドフレーム32(図4参照)を備える。
そして、フロントサイドフレーム32にダンパハウジング33を立設し、アンダボデー13を連続させている。
第2クロスメンバー37は、断面形状をハット形とし、開口を車両上方へ向けている。
これらの開口の縁にはフロアパネル41が接合されて、開口を閉じ、フロアパネル41とで第1・第2クロスメンバー36、37は閉断面形状を形成している。
運転席21と助手席22の間にはセンタトンネル48を設けている。
車体フロア構造は、前述の車室12の前に設けた左右のフロントサイドフレーム32に連続して車室12の床(アンダボデー)13のフロアフレーム15を延ばし、フロアフレーム15間に配置した流体容器(燃料タンク23)の上方に床(アンダボデー)13のフロアパネル41を隆起させた床隆起部51を設けた。
言い換えると、前端64からシートブラケット16を接合している中央部65までがサイドシル28へ向かって曲がり、中央部65から後端66まで一直線状にサイドシル28に近接して延び、後端66が第2クロスメンバー37に接合している。
シートブラケット16は、車体14側面視(図7、図8の視点)で、断面形状を階段状に形成している。
フロアフレーム補強部材62は、フロアフレーム15と同じ幅(車幅方向)で形成され、フロアフレーム15の湾曲(矢印a1の方向)に一致するように湾曲している。
フロアフレーム補強部材62は、天部71、内壁部83、内接合代フランジ72、外壁部84、外接合代フランジ73とからなる。
この後端75には、既に説明したようにシートブラケット16が結合している。
シートブラケット16は、図5〜図8に示す通り、空間部87を形成するように重ねた補強板78を有する。
さらに、これら91〜93、95、96に一体に外端フランジ98(図7)が形成されて、サイドシル28に溶接(溶接部101)で接合している。
内端フランジ102は、下端104をフロアフレーム15に溶接部で接合している。
内端フランジ102はブラケット上段部91、後壁部92、後端部93、前傾斜部95に一体に形成されている。
シートブラケット16は、フロントシート(運転席21用座席45)を補強板78に載せている。
脚締結部107は床隆起部51に重なり、床隆起部51とシートブラケット16の後端部93との間に挟まり接合している。
さらに、中間層前壁部108に連ね、且つ床隆起部51に重なり、床隆起部51とシートブラケット16との間に挟まり接合した中間層下段部111が形成されている。
この外接合部112を脚締結部107並びに中間層前壁部108に一体に形成している。
脚締結部107には、ボルト46をねじ込むためのめねじ部(ナット)115を設けている。
「ほぼ」とは、公差の上限から下限までの範囲を含むものである。逆に、「ほぼ」を省いて、例えば「水平」と限定しても、所望の公差を含むものとする。
衝突に対し車体フロア構造の強度が高まる機構を図1、図3、図9で説明する。
車体フロア構造は、車両11正面に衝撃力が矢印a2のように入力されると、衝撃力をフロアフレーム補強部材62に矢印a3のように分散し、さらに床隆起部51に分散するので、フロアフレーム15の強度は高まる。
さらに、フロアフレーム補強部材62の後部から床隆起部51の前壁部54に衝撃力を伝えるので、頂上部61の細い部位に伝わる(集中する)衝撃力がより小さくなる。
その結果、頂上部61からフロアフレーム15が下方に矢印a4のように折れ曲がり、下方に二点鎖線で示すように落ち込む変位量Bを抑制することができる。
つまり、座席45の変位量を抑制することができる。
Claims (4)
- 車室の床の左右端をなすサイドシルを設け、前記車室の前に設けた左右のフロントサイドフレームに連続して前記車室の床下のフロアフレームを延ばし、前記フロアフレーム間に配置した流体容器の上方に前記床のフロアパネルを隆起させた床隆起部を設けた車体フロア構造において、
前記フロアフレームは、その前端から、前記床隆起部の前壁部の下方に配置した中央部までが車両の外側、且つ前記サイドシルへ向かって湾曲し、前記中央部から後端までがほぼ一直線状に前記サイドシルに沿って形成され、前記フロアフレームの断面形状をハット形とし、前記フロアパネルの下面に底部を対向させて両端を接合することで閉断面形状を形成し、前記車体の側面視で、前記底部をアーチ状に湾曲させ前記フロアパネルに近接した頂上部を前記床隆起部の前記前壁部の下方に配置したもので、前記フロアパネルを介して対向させ接合したフロアフレーム補強部材を有し、
前記フロアフレーム補強部材は、前記フロアフレームに沿って前記床隆起部の前記前壁部の近傍から前へ延びて前記車室の前隔壁をなすダッシュロアパネルの補強部に前部を接続し、前記フロアフレーム補強部材の断面形状をハット形とし、前記フロアパネルの上面に天部を対向させて、前記フロアフレームの前記両端に前記フロアパネルを挟んで両端を重ねることで接合して、閉断面形状を形成し、
前記フロアフレーム補強部材の後端から前記サイドシルまで、前記床隆起部の前記前壁部に沿って車両車幅方向に延びてそれぞれに接合しているフロントシート用のシートブラケットを備えていることを特徴とする車体フロア構造。 - 前記シートブラケットは、前記フロアパネルの下に前記フロアパネルに重なる閉断面形状を形成していることを特徴とする請求項1記載の車体フロア構造。
- 前記シートブラケットは、前記車体側面視で、断面形状を階段状に形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体フロア構造。
- 前記シートブラケットは、そのうちの少なくとも一部に接合し、且つ前記サイドシルに接合した補強板を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体フロア構造。
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