JP5084807B2 - 貯湯式給湯システム - Google Patents

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Description

本発明は、貯湯式給湯システムに関し、特に加熱手段の制御に関するものである。
貯湯式給湯システムは、瞬間式給湯システム等と比べて、加熱手段の加熱能力が比較的小さい場合や、加熱手段の起動時における能力の立ち上りが遅い場合に適用されるシステムである。
また、貯湯式給湯システムは、給湯負荷の発生に対して湯切れの生じることのないように、事前に加熱手段により沸上げられた給湯用の湯を貯湯タンクに溜めておき、当該貯湯タンクから給湯を行うシステムである。
このような従来の貯湯式給湯システムとしては、例えば「…前記出湯量記憶手段(246)で記憶されたデータから学習制御を行うことによって大出湯を予測する出湯予測手段(202)と、前記出湯予測手段(202)で予測された大出湯を出湯する前に、前記加熱手段(2)を作動させて前記必要貯湯量算出手段(205)で求めた必要貯湯量の給湯用の湯を前記貯湯タンク(1)の貯湯側に貯える沸き増し運転を行う第1沸き増し手段(233)とを有する」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような従来の貯湯式給湯システムとしては、例えば「…所定期間内に前記貯湯タンクから給湯した給湯量から所定期間内に使用した熱量を算出してデータを蓄積する使用熱量算出手段と、上記蓄積データに基づいて沸き上げ目標熱量を算出する沸き上げ目標熱量算出手段と、該沸き上げ目標熱量算出手段が算出した沸き上げ目標熱量に基づいて沸き上げ目標温度を算出する沸き上げ目標温度算出手段と、前記沸き上げ目標温度算出手段が算出した沸き上げ目標温度に基づいて必要量沸き上げる沸き上げ手段とを備える」ものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−285607号公報(請求項1) 特開2002−168524号公報(請求項1)
特許文献1に記載の貯湯式給湯システムは、連続した給湯であって給湯負荷積算値が所定量以上となる給湯(以下「大給湯」ともいう。)の発生時刻と、給湯負荷積算値の過去の実績とに基づいて、当日の大給湯の発生時刻と必要熱量を予測する。そして、その大給湯の発生が予測される時刻からその大給湯に要する熱量を加熱手段で沸上げるのに要する時間を減算し、それぞれの大給湯に必要な湯を沸上げるための加熱手段の起動時刻を定める。
これにより、大給湯に要する湯の沸上げをその大給湯の発生時間に近づけることができるので、貯湯タンクからの放熱ロスが減少し、貯湯式給湯システムの効率が改善する。
しかしながら、特許文献1に記載の貯湯式給湯システムでは、湯の沸上げ開始タイミングは、現時刻から直近の大給湯に基づいて決定されると共に、その給湯が終わってから次の大給湯に備える方法となっている。このため、例えば二つの大給湯が近い時間間隔で発生した場合、初めの大給湯には湯が足りても、次の大給湯の際に湯切れが発生する、という問題点があった。
また、特許文献2に記載の貯湯式給湯システムは、過去の給湯実績に基づいて、当日の必要熱量を予測し、その必要熱量に相当する湯を、例えば電気料金の安価な夜間に貯湯タンクに沸上げ、給湯に使用する。
しかしながら、特許文献2に記載の貯湯式給湯システムでは、1日分の必要熱量を貯湯タンク容量に納めることを基準にして、貯湯タンクに蓄える湯の沸上温度を定めている。このため、沸上温度が過剰に高くなり、放熱ロスが増加したり、湯を沸上げる加熱手段によってはその機器効率が低下するという問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、貯湯タンクにおける湯切れを従来よりも抑制することができる貯湯式給湯システムを得るものである。
また、第2の目的は、貯湯タンクに蓄える湯の沸上温度を低減し、貯湯タンクからの放熱ロスを抑えることができる貯湯式給湯システムを得るものである。
本発明に係る貯湯式給湯システムは、水を加熱して湯にする加熱手段と、前記湯を蓄える貯湯タンクと、前記加熱手段の動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記貯湯タンク内の蓄熱量を求める蓄熱量算出手段と、単位時間当たりに前記貯湯タンクから喪失した熱量である給湯負荷の実績を求める給湯負荷算出手段と、前記給湯負荷算出手段が求めた前記給湯負荷に関する情報を記憶する給湯負荷記憶演算手段と、前記給湯負荷記憶演算手段に記憶された前記給湯負荷の実績に基づいて、給湯を予測する給湯負荷予測手段と、を有し、前記給湯負荷記憶演算手段は、前記給湯負荷が連続する給湯における給湯負荷積算値、給湯開始時刻及び給湯終了時刻を特定するのに必要な情報を記憶し、前記給湯負荷が連続する給湯に対して、当該給湯より以前のいずれかの給湯の終了時刻から当該給湯の終了時刻までの時間間隔の間に前記加熱手段が沸上げ可能な熱量と、当該時間間隔の間に行われた給湯の給湯負荷積算値の合計と、を比較し、当該時間間隔の間に前記加熱手段が沸上げ可能な熱量が、当該時間間隔の間に行われた給湯の給湯負荷積算値の合計よりも小さい場合、当該時間間隔の間の給湯を給湯群として結合する給湯群結合処理を行い、前記給湯負荷予測手段は、前記給湯群結合処理がされた後の前記給湯負荷記憶演算手段の記憶情報に基づいて、給湯を予測し、前記制御手段は、前記給湯負荷予測手段が予測した給湯の全てにおいて、当該給湯の終了時刻における貯湯タンクの蓄熱量が、当該給湯の給湯負荷積算値よりも大きくなるように、前記加熱手段の起動時刻を求めるものである。
本発明においては、ある給湯に必要な熱量をその前の給湯が終わってから沸上げを開始してはその給湯までに沸上げられない場合、それらの給湯を1つの給湯とみなして給湯情報を記憶している。そして、その給湯情報に基づいて当日の給湯を予測し、予測されたどの給湯に対しても、当該給湯の終了時刻における貯湯タンクの蓄熱量が、当該給湯の給湯負荷積算値よりも大きくなるように、加熱手段の起動時刻を求めている。
このため、ある給湯では湯切れが無くともその次の給湯で湯切れが発生する、という事態を回避できる。したがって、貯湯タンクにおける湯切れを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの構成図である。 本発明の実施の形態1に係る信号の流れを表すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る給湯負荷の検出、分析、整理、記憶の流れを表したタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係る記憶された給湯情報から、複数の給湯を結合して取り扱うか否かを判定する、給湯群結合処理の流れを表した概要図である。 給湯群結合処理の実施した後に給湯負荷記憶手段が所有する記憶情報の一例である。 本発明の実施の形態1に係る当日の給湯負荷を予測する流れを表した概要図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱手段2の起動方法を表したタイムチャートである。 本発明の実施の形態2に係る貯湯タンクに必要な蓄熱量を演算する方法を表した概要図である。 本発明の実施の形態3に係る貯湯タンクに必要な蓄熱量を演算する方法を表した概要図である。 本発明の実施の形態3に係る起動蓄熱量を設定する際に使用する特徴量を必要蓄熱量から抽出する方法を表した概要図である。 本発明の実施の形態3に係る起動蓄熱量を設定する方法を表した概要図である。 本発明の実施の形態4に係る貯湯式給湯システムの構成図である。 本発明の実施の形態4に係る信号の流れを表すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る熱交換負荷係数の設定方法の一例を表した概要図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの構成図である。
本実施の形態1における貯湯式給湯システムは、貯湯タンク1、加熱手段2、循環ポンプ3、混合手段4、加熱用配管301、給水用配管302、導出用配管303、混合用配管304、給湯用配管305、及び制御手段100等を備えている。
貯湯タンク1は、湯が溜められる。
加熱手段2は、加熱用配管301の途中に接続される。この加熱手段2は、例えばヒートポンプサイクルを用いて構成される。
循環ポンプ3は、加熱用配管301の途中に接続される。
混合手段4は、導出用配管303に接続される。
加熱用配管301は、貯湯タンク1の下部と上部とを接続する。
給水用配管302は、貯湯タンク1の下部に接続される。
導出用配管303は、貯湯タンク1の上部に接続される。
混合用配管304は、給水用配管302から分岐して混合手段4に接続される。
給湯用配管305は、混合手段4にて混合された湯を、使用される負荷側に供給する。
制御手段100は、加熱手段2、循環ポンプ3、及び混合手段4の動作を制御する。
なお、導出用配管303、混合用配管304、給湯用配管305、及び混合手段4は、本発明における給湯管路に相当する。
また、貯湯タンク1には、高さ方向に間隔をおいて、貯湯温度センサー501a〜501fが設けられている。
なお、ここでは、貯湯温度センサーの個数が6個の場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、貯湯タンク1の内部の温度分布を測るのに充分な数の温度センサーを設けるようにしてもよい。
加熱用配管301には、加熱手段2の下流側にて加熱後の湯温を検出するための沸上温度センサー502が設けられている。
給水用配管302には、給水温度を検出するための給水温度センサー504が設けられている。なお、この給水温度センサー504は、混合用配管304に設けてもよい。
導出用配管303には、貯湯タンクから導出される湯温を検出するための導出温度センサー503が設けられている。
給湯用配管305には、負荷側で使用される湯温を検出するための給湯温度センサー505が設けられている。
給湯用配管305には、負荷側で使用される湯量を検出する給湯流量センサー601が設けられる。
図2は本発明の実施の形態1に係る信号の流れを表すブロック図である。
図2に示すように、制御手段100は、蓄熱量算出手段101、給湯負荷算出手段102、給湯負荷記憶手段103、給湯負荷予測手段104、及び加熱制御手段105等を有する。
制御手段100には、時刻検出手段であるタイマー、貯湯温度センサー501a〜501f、沸上温度センサー502、導出温度センサー503、給水温度センサー504、給湯温度センサー505、及び給湯流量センサー601からの情報が入力される。
この制御手段100は、入力されたこれらの情報に基づいて、加熱手段2、循環ポンプ3、及び混合手段4を制御する。詳細は後述する。
蓄熱量算出手段101は、貯湯温度センサー501a〜501fの情報に基づいて、貯湯タンク内の蓄熱量を算出する。
なお、図示しない給湯温度指定手段により指定される給湯温度に基づいて、貯湯タンク1内に含まれる、給湯に利用可能な蓄熱量を算出するようにしてもよい。
給湯負荷算出手段102は、タイマーと、給湯温度センサー505と、給湯流量センサー601との出力に基づいて、負荷側への給湯の有無を検知する。
また、給湯負荷算出手段102は、単位時間(例えば1秒)当たりに負荷側に供給された熱量(給湯負荷)の実績と、連続給湯中の給湯負荷積算値と、単位期間(例えば1日)分の全給湯負荷積算値とを算出する。
給湯負荷記憶手段103は、給湯負荷算出手段102の算出結果を分析、整理、取捨選択して情報を記憶する。ここで、給湯負荷記憶手段103が、本発明の給湯負荷記憶演算手段に相当する。
給湯負荷予測手段104は、給湯負荷記憶手段103に記憶された過去の給湯負荷の実績に基づいて、現時刻以降の給湯負荷を予測する。
加熱制御手段105は、給湯負荷予測手段104によって予測された給湯負荷(以下「予測給湯負荷」という。)に基づいて、加熱手段2の起動時刻等を求める。
以上、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの構成を説明した。
次に、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの動作について説明する。
なお、以下の説明においては、具体的な数値を示して動作を説明するが、本発明はこれに限るものではない。
[基本的な動作]
まず、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの基本的な動作を説明する。
貯湯タンク1の下部に、給水用配管302を通じて低温の水が流入して溜められる。
貯湯タンク1の下部から溜められた低温の水は、循環ポンプ3によって加熱用配管301に引き込まれ、加熱手段2に導かれる。
加熱手段2は、導かれた低温の水を加熱して、高温の湯に沸上げる。
沸上げられた高温の湯は、加熱用配管301を通じて貯湯タンク1の上部から流入し、溜められる。
貯湯タンク1の上部に溜められた湯は、湯が使用される負荷側の要求に応じて、導出用配管303から流出し、混合手段4に導かれる。
混合手段4は、給水用配管302から分岐させた混合用配管304を通じて水を導き、貯湯タンク1から導いた湯と混合させ、給湯用配管305を通じて負荷側へ供給する。
これにより、低温の水を加熱手段2で沸上げ、高温の湯を貯湯タンク1に蓄えられると共に、貯湯タンク1に蓄えられた湯を、使用される負荷側へ送ることができる。
[給湯負荷の記憶]
次に、過去の給湯負荷の実績を取得し、記憶する動作について、図3を用いて説明する。
図3は本発明の実施の形態1に係る給湯負荷の検出、分析、整理、記憶の流れを表したタイムチャートである。
なお、本実施の形態1における給湯負荷は、実際に負荷側へ給湯された湯量を、例えば給湯温度42℃で負荷側へ供給した場合の湯量に換算した値を用いている。このとき、混合用配管304から混合手段4に導かれる水の温度(給水温度)を例えば9℃として、給湯負荷を求めている。(つまり、給湯負荷を例えば[L/分]の単位で、給湯負荷積算値を例えば[L]の単位で表す。)
また図3は、時間帯の例として、12:00〜24:00を示した。
図3(a)は、給湯負荷算出手段102が算出した給付負荷の実績を示している。
給湯負荷算出手段102は、常時又は定期的に、給湯流量センサー601の出力と、給湯温度センサー505の出力とを監視する。
そして、給湯負荷算出手段102は、給湯温度センサー505の出力と、給湯流量センサー601との出力に基づいて、単位時間(例えば1秒)当たりに負荷側に供給される給湯負荷を算出する。
なお、図3(a)には、No.1〜No.7までの給湯負荷を示している。
図3(b)は、給湯負荷算出手段102が算出した連続給湯中の給湯負荷積算値を示している。
給湯負荷算出手段102は、連続する1回の給湯(以下「連続給湯」ともいう。)における給湯負荷の積算値である「連続給湯負荷積算値」を算出する。
給湯負荷算出手段102は、逐次、「連続給湯負荷積算値」を算出して、現時刻の給湯を含む連続給湯の「連続給湯負荷積算値」を更新する。
図3(c)は、給湯負荷算出手段102が算出した単位期間(例えば1日)分の給湯負荷積算値を示している。
給湯負荷算出手段102は、単位期間(例えば1日)中の全給湯の給湯負荷積算値の合計の実績として「全給湯負荷積算値」を算出する。
給湯負荷算出手段102は、逐次、この「全給湯負荷積算値」を算出して、現時刻を含む単位期間内における「全給湯負荷積算値」を更新する。
なお、本実施の形態1では、単位期間を1日とした場合を示している(このうち、図3には、半日分の「全給湯負荷積算値」を示している)。
なお、単位期間は1日に限るものではなく、任意の期間とすることができる。例えば、半日や2日としてもよい。
図3(d)は、給湯負荷記憶手段103に記憶される情報の一例を示している。
給湯負荷記憶手段103は、「全給湯負荷積算値」の情報を記憶する。
図3の例では、全給湯負荷積算値[L]として、538Lを記憶する。
また、給湯負荷記憶手段103は、給湯負荷が連続する1回の給湯の開始時刻、終了時刻、及び当該給湯の給湯負荷積算値(連続給湯負荷積算値)の情報を記憶する。
なお、ここでは簡単のために比較的大きい連続給湯のみのケースを記載したが、洗面や手洗い等の少量の連続給湯負荷も記載してもよい。例えば、所定値以下(例えば42℃30L以下)の連続給湯負荷であれば、影響が少ないとみなして無視してもよい。
[給湯群結合処理]
次に、給湯負荷記憶手段103の記憶した情報に基づいて、複数の給湯をひとまとまりの給湯群と捉えて結合するか否かを、加熱手段2の加熱能力を基準に判定し、給湯負荷記憶手段103の記憶情報を更新する動作について、図4を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る、複数の給湯をひとまとまりの給湯群と捉えなおして結合するか否かの判定方法を、全給湯負荷積算値のタイムチャート上で示したものである。
給湯負荷記憶手段103は、以下の方法により、複数の給湯を給湯群として結合するか否かを判定する(給湯群結合処理を施す)。ある給湯より以前のいずれかの給湯の終了時刻から当該給湯の終了時刻までの時間間隔において、この時間間隔の間に加熱手段2が沸上げ可能な熱量と、この時間間隔の間の給湯における給湯負荷積算値の合計と、を比較する。そして、この時間間隔の間に加熱手段2が沸上げ可能な熱量が、この時間間隔の間の給湯における給湯負荷積算値の合計よりも小さい場合、この時間間隔の間の給湯を給湯群として結合する。
本実施の形態1では、加熱手段2の加熱能力が例えば約2L/分の場合を想定し、安全を見て1.5L/分の加熱能力を仮定して、上記の給湯群結合処理を施した場合を示している。図4に示す一点鎖線は、加熱手段2が1.5L/分の加熱能力で沸上げた場合の沸上熱量積算値を示している。
本実施の形態1での給湯群結合処理を具体的に示すと、図4からわかるように、給湯No.1や給湯No.2は、それ以前の給湯が終わってから加熱手段2を起動しても、その給湯に要する熱量を沸上げることが可能である。
しかしながら、給湯No.4や給湯No.5は、給湯No.3が終了してから加熱手段2を起動しても、それぞれの給湯に必要な熱量をそれらの給湯が終了するまでに沸上げる事ができない。給湯No.4や給湯No.5は、給湯No.2の給湯が終わってから加熱手段2を起動すると、その給湯に要する熱量を沸上げることが可能となる。
したがって、給湯No.3から給湯No.5は、ひとまとまりの給湯群として捉えなおして、給湯負荷記憶手段103の記憶情報を更新する。
給湯No.7に対しても同様で、給湯No.6が終了してから加熱手段2を起動しても、給湯No.7に必要な熱量を沸上げることができない。したがって、給湯No.6と給湯No.7をひとまとまりの給湯群として捉えて、給湯負荷記憶手段103の記憶情報を更新する。
なお、本実施の形態1に係る加熱手段2の加熱能力は、加熱手段2の起動直後から安定して一定値を示すように仮定している。これに限らず、加熱手段2の加熱能力を、例えば起動後所定期間は加熱能力をゼロとしたり、起動後所定期間後に安定値となる1次の増加関数と仮定する等、より現実に近い加熱能力として仮定してもよい。
図5は、上記のように複数の給湯を群として捉えなおした後に給湯負荷記憶手段103が所有する、更新された記憶情報の一例である。
この例では、給湯負荷記憶手段103は、給湯群結合処理を施した後の一つ一つの給湯(給湯群)に対して、結合後給湯負荷積算値、給湯終了時刻、を記憶する。また、給湯群結合処理を施した後の一つ一つの給湯(給湯群)の中で、「最大給湯」と「その他の給湯」とを区別し、ラベリングした結果を記憶する。
[給湯負荷の予測]
次に、現時刻以降の給湯負荷を予測する動作について、図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係る記憶された過去の給湯実績から、当日の給湯負荷を予測する流れを表した概要図である。
給湯負荷予測手段104は、給湯負荷記憶手段103に記憶された過去の給湯負荷積算値の実績に基づいて、現時刻を含む単位期間における全給湯負荷積算値を予測する。
また、給湯負荷予測手段104は、給湯負荷記憶手段103の情報に基づいて、現時刻以降の給湯の給湯負荷積算値と終了時刻を予測する。
なお、給湯負荷予測手段104は、例えば単位期間の開始時、又は任意の時刻に単位期間中の給湯負荷を予測する。
また、給湯負荷を予測する期間はこれに限らず、任意の期間における給湯負荷を予測してもよい。例えば、半日又は2日分の給湯負荷を予測するようにしてもよい。
図6の例では、給湯負荷記憶手段103が記憶する給湯群結合処理後の情報に基づいて、現時刻を含む当日における全給湯負荷積算値と、一つ一つの給湯(給湯群)の給湯負荷積算値及びその終了時刻を予測している。また、図6の例では、給湯負荷記憶手段103が記憶する一週間分の情報に基づいて、現時刻を含む当日における全給湯負荷積算値と、一つ一つの給湯(給湯群)の給湯負荷積算値及びその終了時刻を予測している。
本実施の形態1では、給湯負荷予測手段104は、現時刻を含む当日における全給湯負荷積算値として、過去の全給湯負荷積算値の実績のうち最大のものを採用し、425Lと予測している。
また、給湯負荷予測手段104は、給湯負荷記憶手段103の記憶情報に基づいて、一つ一つの給湯の予測を行う。
本実施の形態1では、当日最大となる給湯の給湯負荷積算値を、過去の各単位期間における最大給湯の給湯負荷積算値の中から最大値(ここでは320L)となるものを採用している。また、当日最大となる給湯の給湯の終了時刻を、過去の各単位期間における最大給湯の終了時刻の中から最も早い時刻(ここでは19:00)となるものを採用している。
また、当日の「その他の給湯」は、給湯負荷積算値の多い方から順に選択される。そして、当日の「その他の給湯」は、当日に予測される一つ一つの給湯の給湯負荷積算値の合計が、当日に予測される全給湯負荷積算値と概同等となるまで採用される。
なお、当日の「その他の給湯」は、例えば終了時刻の早いものから順に選んでもよい。
また、湯切れ安全性を最大化させるために、当日の「その他の給湯」は、過去の「その他の給湯」の実績の全てを予測給湯として採用してもよい。
また、本実施の形態1では、加熱手段2の起動を予測給湯に対して最も近づけるために、各々の給湯の「終了時刻」を記憶・予測している。しかしながら、これに限るものではなく、「終了時刻」を「開始時刻」で代用してもよいし、これらの平均で代用してもよい。
[起動時刻の算出]
次に、予測された給湯負荷(以下「予測給湯負荷」ともいう。)に基づいて、加熱手段2の起動時刻を算出する動作について説明する。
図7は本発明の実施の形態1に係る加熱手段2の起動方法を表したタイムチャートである。
図7は、給湯負荷予測手段104によって予測された各々の給湯における終了時刻と給湯負荷積算値を、「◇」印にて表している。
また図7は、貯湯タンク1の蓄熱量の一例を太線にて示している。(ここでは、12:00の時点で約75Lの蓄熱量の場合を示している。)
また図7は、加熱手段2が1.5L/分の加熱能力で沸上げた場合の沸上熱量積算値(蓄熱量)を太破線にて示している。図7には、複数の時刻から、加熱手段2の沸上熱量積算値を示している。例えば、16:15から加熱手段2を起動した場合(図7に示す最も右側の太破線)、17:00時点での貯湯タンク1の蓄熱量は140Lとなる。
また図7は、当日の最大の予測給湯を、前述した19:00、320L、とし、
「その他の給湯」は、過去の「その他の給湯」の実績の全てを予測給湯として採用した場合、を例示している。
一般的に、1日で最大の出湯となる風呂の湯張りと、湯張り後の最初のシャワーとの時間間隔は、短時間であることが多い。
しかし、従来技術(例えば特許文献1)では、直近に予測される大出湯への対応を終えてから次の大出湯の予測を行う(例えば特許文献1の段落[0141]参照)。
このため、例えば大出湯どうしの時間間隔が短い場合に、直近の大出湯では湯切れが起きなくても、次の大出湯の間に湯切れが発生する可能性がある。
このような湯切れを防止するための、本実施の形態1における起動時刻の算出動作について説明する。
本実施の形態1においては、どの予測給湯負荷に対しても湯切れが発生しないように、加熱手段2の起動時刻を算出する。
つまり、本実施の形態1では、加熱手段2の加熱能力を基準として、単独の給湯として取り扱うと湯切れが生じる給湯をひとまとまりの給湯群として結合している(給湯群結合処理を施している)。そして、給湯負荷記憶手段103は、給湯群結合処理後の給湯情報を記憶しており、それぞれの給湯を単独で扱うことを可能としている。
したがって、図7に示すように、加熱制御手段105は、給湯群結合処理後の給湯情報から得られた各予測給湯を独立に扱い、各予測給湯の給湯負荷積算値よりも貯湯タンク1の蓄熱量よりも大きくなるように、加熱手段2の起動時刻を求めることができる。そして、制御手段100は、加熱制御手段105により求められた起動時刻に、加熱手段2を起動する。
なお、この起動時刻の算出動作は、単位期間開始時、任意の時刻、又は予測給湯に応じて逐次行うようにしてもよい。
なお、本実施の形態1に係る加熱手段2の加熱能力は、加熱手段2の起動直後から安定して一定値を示すように仮定している。これに限らず、加熱手段2の加熱能力を、例えば起動後所定期間は加熱能力をゼロとしたり、起動後所定期間後に安定値となる1次の増加関数と仮定する等、より現実に近い加熱能力として仮定してもよい。
以上のように、本実施の形態1においては、現時刻から単位期間が終了するまでの間の各々の予測給湯負荷に対して、当該給湯の終了時刻における貯湯タンク1の蓄熱量(起動時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間に加熱手段2によって沸上げ可能な熱量と、起動時刻における貯湯タンク1の蓄熱量との和)が、当該給湯の給湯負荷積算値よりも大きくなるように、加熱手段2の起動時刻を求めている。
本実施の形態1によれば、大きい給湯が短い時間間隔で生じるような給湯負荷パターンに対しても、ひとまとめに取り扱って記憶・予測するので、湯切れを起こす可能性を低減させることができる。
また、貯湯タンク1における蓄熱量を最小限に抑えて放熱ロスを最小限とすることができる。
これにより、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
なお、本発明の適用が想定される、加熱手段2の加熱能力が給湯負荷よりも小さいケースは、加熱手段2がヒートポンプサイクルによって構成される場合に特に多い。
したがって、本実施の形態1における効果は加熱手段2がヒートポンプサイクルの場合に特に顕著である。
また、本実施の形態1においては、単位期間における全給湯負荷積算値の予測値に基づいて、加熱手段2による沸上げが不要と判定された場合、現時刻以降の予測給湯を削除又は減少させる。
具体的には、加熱制御手段105は、単位期間開始から現時刻までの全給湯負荷積算値の実績値を、給湯負荷予測手段104により予測された全給湯負荷積算値から減算する。
加熱制御手段105は、当該減算した値が、現時刻の貯湯タンク1内の蓄熱量以下となるとき、それ以降の給湯は現時刻の蓄熱量で概ね足りると判定する。そして、加熱制御手段105は、予測給湯を削除又は減少させることにより、予測給湯に備えた事前の沸上げ動作が実施されないようにする。
本実施の形態1によれば、単位期間中に使われない湯の沸上げを抑制することができ、貯湯タンク1から外界への放熱によるエネルギーロスを抑制することができる。
したがって、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
特に、当日の「その他の給湯」として、過去の「その他の給湯」の実績の全てを予測給湯として採用した場合のように、湯切れ危険性を最小限に抑えるために、加熱手段2による沸上げ熱量が過剰になりやすいケースに対して適した動作である。
実施の形態2.
本実施の形態2においては、過去の給湯負荷の記憶情報に基づいて、加熱手段2の沸上温度を設定する動作について説明する。
なお、本実施の形態2における貯湯式給湯システムの構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一符号を付する。
まず、過去の給湯負荷の記憶情報に基づいて、当該給湯負荷に対する最適な沸上温度を算出する動作について説明する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る貯湯タンクに必要な蓄熱量を演算する方法を表した概要図である。本実施の形態2では、記憶された過去の給湯実績に基づき、給湯負荷を賄うために貯湯タンク1の容量内に納まる必要のある熱量を、給湯負荷の実績と加熱能力との量的関係から演算している。つまり、過去の給湯負荷積算値の変化量と加熱手段2の加熱能力に基づいて、給湯負荷を賄うために貯湯タンク1の容量内に納まる必要のある熱量(貯湯タンク1に貯える必要のある熱量)を算出している。なお、ここでは、加熱手段2の加熱能力を2L/分と仮定している。
図8では、単位期間を所定の時間間隔に分割し、この所定の時間間隔ごとに、貯湯タンク1に貯える必要のある熱量を演算している。また、給湯負荷積算値の変化開始時から変化終了時まで(給湯の開始から終了まで)を、所定の時間間隔としている。給湯負荷積算値の変化量が所定の変化量以上の場合は、複数の給湯を所定の時間間隔としている。なお、実施の形態1と同様に、複数の給湯を1つの給湯群として結合処理を施してもよい。
例えば、図中「○」で示した時刻(20:40)から、「◇」で示した時刻(21:20)を、所定の時間間隔とした場合について説明する。
当該時間間隔の間の給湯負荷積算値は、実線のようになる。また、当該時間間隔の間に加熱手段2によって沸上げ可能な熱量は、一点鎖線のようになる。したがって、両者の値の差の最大値が、貯湯タンク1に貯える必要のある熱量となる。
ここで、当該時間間隔の間の給湯負荷積算値と当該時間間隔の間に加熱手段2によって沸上げ可能な熱量との差は、給湯負荷積算値の変化終了時(給湯終了時)に最大になることが多い。このため、本実施の形態2では、給湯負荷積算値の変化終了時における給湯負荷積算値から、給湯負荷積算値の変化終了時における加熱手段2の沸上げ可能な熱量を減算して、貯湯タンク1に貯える必要のある熱量を算出している。
例えば、当該時間間隔の間の給湯負荷積算値は200Lとなっている。また、当該時間間隔の間に加熱手段2によって沸上げ可能な熱量は80Lである。これらの値から、貯湯タンク1に貯える必要のある熱量は、当該時間間隔の間の給湯負荷積算値(200L)から、当該時間間隔の間に加熱手段2によって沸上げ可能な熱量(80L)を、減算した値として求まる(120L:図中の太い両矢印部)。
この値が、図中「○」と「◇」の間の給湯を賄うために、加熱手段2による沸上げ熱量とは別に貯湯タンク1内に蓄える必要のある熱量Qである。
このように貯湯タンク1に貯える必要のある熱量を算出することにより、検出回数を削減することができる。
図8では、他の具体例として、さらに2例を示す。「●」と「◆」を一点鎖線で結んだ所定の時間間隔において、貯湯タンク1内に蓄える必要のある熱量Qは、それぞれ太い両矢印にて示した値となる。
次に、ある所定の時間帯における最適な沸上温度を算出する。例えば、当該時間帯における各々の所定の時間間隔に対して、貯湯タンク内に蓄える必要のある熱量Qを求める。そして、それらすべての内の最大値Qmaxが、貯湯タンク内に蓄えられるように、ある所定の時間帯における最適な沸上温度を求める。
ここで例えば、当該最大の熱量Qmaxを貯湯タンク1の容量の中に納めるために必要な湯の沸上温度Tpは、例えば、貯湯タンク1の容量Vと、沸上げる対象である市水の温度Tw、密度及び比熱から、
Tp=Tw+Qmax/V/密度/比熱
のように求めることが出来る。
なお、レジオネラ菌の繁殖予防の観点から、例えばこの演算結果が65℃以下であれば、沸上温度Tpの下限を例えば65℃としてもよい。逆に、加熱手段2の可能な沸上温度範囲や、貯湯タンク1からの放熱を抑制する断熱材の耐熱温度範囲等から、沸上温度Tpの上限を例えば90℃と設定してもよい。
また、本実施の形態2に係る加熱手段2の加熱能力は、加熱手段2の起動直後から安定して一定値を示すように仮定している。これに限らず、加熱手段2の加熱能力を、例えば起動後所定期間は加熱能力をゼロとしたり、起動後所定期間後に安定値となる1次の増加関数と仮定する等、より現実に近い加熱能力として仮定してもよい。
また、制御の安定性や湯切れの安全性を高めるために、この演算に用いる貯湯タンク1の容量Vを実物の容量より小さい値を採用してもよい。
また、所定の時間間隔は、図8に示す時間間隔に限らず、任意の時間間隔とすることができる。例えば、所定の時間間隔を2時間とする等、一定の時間間隔で分割してもよい。また、例えば、所定の時間間隔を、上述の「所定の時間帯」や「単位期間」にしてもよい。
また、上述の「所定の時間帯」は、例えば0時〜24時や7時〜翌7時といったように、沸上温度が単位期間中一定として求めてもよいし、例えば電気料金の高い時間と低い時間とで分けて求めてもよい。また、一時間毎のようにより細かく分けた時間帯としてもよい。
また、過去の給湯負荷の実績に基づいた、当日の沸上温度の設定は、例えば、過去の一週間の各日の給湯負荷実績から算出した最適な沸上温度のうち、安全を見て最大値を採用する。また例えば、当日の沸上温度の設定は、貯湯式給湯システムの省エネルギー化を優先して、最小値や平均値を採用してもよい。
また、沸上げのタイミング(加熱手段2の起動タイミング)は、種々のタイミングが考えられる。例えば、実施の形態1に従って、加熱手段2の起動時刻を算出してもよい。また例えば、上述の式(1)に用いた貯湯タンク1の容量Vを実物の容量よりも少なくし、貯湯タンク内の湯量がこの容量よりも少なくなったときに、加熱手段2を起動させてもよい。また例えば、沸上温度の算出に用いた所定の時間間隔の開始時刻に、加熱手段2を起動させてもよい。
以上のように本実施の形態2においては、過去の給湯負荷積算値の変化量と加熱手段2の加熱能力に基づいて、給湯負荷を賄うために貯湯タンクの容量内に納まる必要のある熱量(貯湯タンク1に貯える必要のある熱量)を算出することにより、前記加熱手段2による湯の沸上温度をできるだけ小さくなるように求めることができる。
本実施の形態2によれば、従来のように単位期間分の全給湯負荷積算値を貯湯タンクの容量に納めることを基準に沸上温度を定めるよりも、沸上温度を低減させることができ、貯湯タンク1から外界への放熱によるエネルギーロスを最小限とすることができる。
したがって、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
なお、加熱手段2がヒートポンプサイクルによって構成される場合、沸上温度の低減は、貯湯タンクからの放熱ロスが減るだけでなく、加熱手段2の運転効率を大きく向上(沸上温度1℃低減あたり、加熱手段2の機器効率が約1%向上)させる効果もある。このため、加熱手段2がヒートポンプサイクルによって構成される場合、本実施の形態2における効果が特に顕著である。
実施の形態3.
本実施の形態3においては、過去の給湯負荷の記憶情報に基づいて、加熱手段2を起動させる動作について説明する。本実施の形態3では、過去の給湯負荷の記憶情報に基づいて、加熱手段2の起動判定の基準値となる起動蓄熱量を設定する。そして、現時刻における貯湯タンク1の蓄熱量が起動蓄熱量以下となったとき、加熱手段2を起動させている。
なお、本実施の形態3における貯湯式給湯システムの構成は、上記実施の形態1及び上記実施の形態2と同様であり、同一部分には同一符号を付する。
まず、過去の給湯負荷の記憶情報に基づいて、各時刻に貯湯タンク1に貯える必要のある熱量(以下、必要蓄熱量)を算出する動作について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3に係る貯湯タンクに必要な蓄熱量を演算する方法を表した概要図である。
図9(a)は、単位期間(例えば1日)における全給湯積算値及び沸上熱量積算値(加熱手段2が沸上げ可能な熱量の積算値)を示している。沸上熱量積算値は、各給湯の終了後において湯切れが発生しないように、設定されている。
図9(b)は、図9(a)に破線で示す範囲の拡大図である。
図9(c)は、単位期間(例えば1日)における必要蓄熱量Lreqを示している。
一般的な貯湯式給湯システムは、冬期(例えば給水温度が9℃)の通常の給湯量(例えば10L/min=23kW)に対し、加熱手段2の加熱能力(例えば4kW〜8kW=1.74L/min〜3.48L/min)が小さい。このため、負荷の発生以前に沸上げを開始して、使用する湯を事前に貯湯タンク1に貯める必要がある。
そこで、本実施の形態3では、記憶された過去の給湯実績及び加熱手段2の加熱能力に基づき、給湯負荷を賄うために事前に貯湯タンク1に貯める必要のある熱量を、各時刻において演算している。
具体的には、所定の時間間隔における給湯負荷積算値(給湯負荷の積算値の変化量)を求める。そして、所定の時間間隔内の各時刻において、当該時刻における全給湯負荷積算値と当該時刻における沸上熱量積算値との差として、各時刻における必要蓄熱量を求めることができる。
次に、加熱手段2の起動判定の基準値となる起動蓄熱量を設定する動作について説明する。
必要蓄熱量は、加熱手段2の加熱能力を考慮した上での最低限必要な蓄熱量である。換言すると、貯湯タンク1内の蓄熱量が各時刻の必要蓄熱量以下になると同時に加熱手段2を起動すれば湯切れを回避できることを意味する。
したがって、湯切れの回避を担保するために、各時刻における起動蓄熱量(加熱手段2の起動判定の基準値)を、算出された各時刻における必要蓄熱量以上となるように設定する。
また、過剰な湯の沸上げを回避するために、各時刻の起動蓄熱量を、算出された必要蓄熱量にできるだけ近い値に設定する。
つまり、加熱手段2の起動判定の基準値となる起動蓄熱量は、必要蓄熱量の時間変化に基づいて算出する。本実施の形態3では、例えば以下のように起動蓄熱量を算出している。
図10及び図11は、本発明の実施の形態3に係る必要蓄熱量Lreqから起動蓄熱量Lonを設定する方法を表した概要図である。
特に、図10は起動蓄熱量Lonを設定する際に使用する特徴量を必要蓄熱量Lreqから抽出する方法を示しており、図11は過去何日かの給湯負荷の実績から抽出した特徴量を用いて具体的に起動蓄熱量Lonを設定する方法を示している。図11では、起動蓄熱量Lonを設定する方法として、3つの例(図11(a)〜図11(c))を示している。
図10で示すように、制御手段100は、起動蓄熱量Lonを設定する際に用いるため、単位期間(例えば1日)における必要蓄熱量Lreqから以下のような特徴量を抽出する。
単位期間(例えば1日)における必要蓄熱量Lreqの最大値を最大必要蓄熱量Lreq_maxとして抽出する。
また、必要蓄熱量Lreqが最大必要蓄熱量Lreq_maxを示す時刻を最大負荷発生時刻t_Lmaxとして抽出する。
また、最大負荷発生時刻t_Lmax以前の時刻から、最後に必要蓄熱量Lreqがゼロを示す時刻を最大負荷群開始時刻ts_Lmaxとして抽出する。
また、最大負荷発生時刻t_Lmax以後の時刻から、最初に必要蓄熱量Lreqがゼロを示す時刻を最大負荷群終了時刻te_Lmaxとして抽出する。
また、単位期間(例えば1日)における必要蓄熱量Lreqの2番目に大きい極大値を第2必要蓄熱量Lreq_2maxとして抽出する。
なお、第2必要蓄熱量Lreq_2maxは、最大負荷群開始時刻ts_Lmaxと最大負荷群終了時刻te_Lmaxの間にない範囲から抽出している。最大負荷群開始時刻ts_Lmaxと最大負荷群終了時刻te_Lmaxの間の必要蓄熱量Lreqは、最大必要蓄熱量Lreq_maxの影響を受けて大きい値になり易いためである。このため、後述のように起動蓄熱量Lonを下げて省エネルギー化を図る際、その基準とする第2必要蓄熱量Lreq_2maxの抽出には不適切なためである。
次に、図10のように抽出した過去何日かの特徴量を使用して当日の起動蓄熱量Lonを設定する方法を例示する。
例えば、図11(a)に示すように、最大必要蓄熱量Lreq_maxに基づいて起動蓄熱量Lonを設定してもよい。
図11(a)では、過去何日かの最大必要蓄熱量Lreq_maxの中から最大必要蓄熱量Lreq_maxを求める。そして、単位期間(例えば1日)中の全期間において、起動蓄熱量Lonが「過去何日かの最大必要蓄熱量Lreq_maxの最大値+マージン」となるように設定される。
なお、省エネルギー化を図るため、起動蓄熱量Lonを「過去何日かの最大必要蓄熱量Lreq_maxの平均値+マージン」と設定してもよい。また、起動蓄熱量Lonを「過去何日かの最大必要蓄熱量Lreq_maxの平均値+標準偏差」と設定してもよい。
また例えば、図11(b)に示すように、最大必要蓄熱量Lreq_max、最大負荷群終了時刻te_Lmax及び第2必要蓄熱量Lreq_2maxに基づいて、起動蓄熱量Lonを設定してもよい。
図11(b)では、「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの最遅値+マージン」以前の時刻においては、起動蓄熱量Lonが「過去何日かの最大必要蓄熱量Lreq_maxの最大値+マージン」となるように設定される。それ以降の時刻では、起動蓄熱量Lonが「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの最大値+マージン」となるように設定される。
なお、省エネルギー化を図るため、「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの最遅値+マージン」以前の時刻における起動蓄熱量Lonは、上述のように最大必要蓄熱量Lreq_maxの平均値や標準偏差に基づいて設定してもよい。同様に、「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの最遅値+マージン」以降の時刻における起動蓄熱量Lonは、第2必要蓄熱量Lreq_2maxの平均値や標準偏差に基づいて設定してもよい。また、起動蓄熱量Lonを切り替える時刻は、「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの平均値+マージン」としてもよいし、「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの平均値+標準偏差」としてもよい。
また例えば、図11(c)に示すように、最大必要蓄熱量Lreq_max、最大負荷群終了時刻te_Lmax、第2必要蓄熱量Lreq_2max及び最大負荷群開始時刻ts_Lmaxに基づいて、起動蓄熱量Lonを設定してもよい。
図11(c)では、「過去何日かの最大負荷群開始時刻ts_Lmaxの最速値−マージン」以後で「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの最遅値+マージン」以前の時刻においては、起動蓄熱量Lonが「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの最大値+マージン」となるように設定される。それ以外の時刻では、起動蓄熱量Lonが「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの最大値+マージン」となるように設定される。
なお、省エネルギー化を図るため、「過去何日かの最大負荷群開始時刻ts_Lmaxの最速値−マージン」以後で「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの最遅値+マージン」以前の時刻における起動蓄熱量Lonは、上述のように最大必要蓄熱量Lreq_maxの平均値や標準偏差に基づいて設定してもよい。同様に、それ以外の時刻における起動蓄熱量Lonは、第2必要蓄熱量Lreq_2maxの平均値や標準偏差に基づいて設定してもよい。また、起動蓄熱量Lonを大きくする時刻は、「過去何日かの最大負荷群開始時刻ts_Lmaxの平均値−マージン」としてもよいし、「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの平均値−標準偏差」としてもよい。また、起動蓄熱量Lonを小さくする時刻は、「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの平均値+マージン」としてもよいし、「過去何日かの最大負荷群終了時刻te_Lmaxの平均値+標準偏差」としてもよい。
なお、起動蓄熱量Lonを設定するための特徴量は以上の例に限定されるものではない。全ての時刻において起動蓄熱量Lonが必要蓄熱量Lreq以上となるように、起動蓄熱量Lonを設定できる特徴量であればよい。例えば、予め時間帯を1時間毎に区切り、その時間帯の必要蓄熱量Lreqの最大値を特徴量としてもよい。そして、この特徴量に基づいて起動蓄熱量Lonを設定すればよい。
また、起動蓄熱量Lonの切り替える時刻も以上の例に限定されるものではない。当日の給湯負荷の実績に基づいて、当日一日分の熱量を準備し終えたと判定できたら起動蓄熱量Lonを下げてもよい。
例えば、「当日の給湯負荷積算開始時刻から現時刻までの全給湯負荷積算値であるLA+現時刻における貯湯タンク1内の蓄熱量であるLt」は、「当日の給湯負荷積算開始時刻での蓄熱量であるLt+その後加熱手段が沸上げた積算熱量−放熱ロス」と等価である。換言すると、この値は、当日の湯の使用のために準備し終えた積算熱量を意味する。
したがって、この値が給湯負荷記憶手段103に記憶された過去何日かの全給湯負荷積算値LAの最大値より大きければ、当日一日分の熱量を準備し終えたと判定し、起動蓄熱量Lonを下げてもよい。
過去何日かの全給湯負荷積算値LAの最大値の代わりに、平均値や最小値を採用してもよい。
また、当日の給湯負荷の実績に基づいて、最大負荷群のための熱量(所定の値)を準備し終えたと判定できたら起動蓄熱量Lonを下げてもよい。
例えば当日の給湯負荷の実績に基づいて、当日の現時刻までの時々刻々の必要蓄熱量Lreqを算出する。そして、当日の給湯負荷積算開始時刻から現時刻までの必要蓄熱量Lreqの中に、過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの最大値を越える値があれば、その必要蓄熱量Lreqを示す給湯は当日の最大負荷群の一部であると判定する。
「最大負荷群に含まれると判定される負荷の開始時点から現時刻までの給湯負荷の積算値+現時刻の貯湯タンク1内の蓄熱量Lt」は、「最大負荷群の開始時点での蓄熱量Lt+その後加熱手段が沸上げた積算熱量−放熱ロス」と等価である。換言すると、この値は当日の最大負荷群のために準備し終えた積算熱量を意味する。
したがって、この値が最大負荷群を賄う熱量を越えていれば起動蓄熱量Lonを下げてもよい。
なお、最大負荷群のために準備し終えた積算熱量(最大負荷群を賄う熱量)は、例えば「湯張り(180L)+シャワー(50L)×2回」等のように、既定の値としてもよい。
また、最大負荷群の一部であると判定された給湯負荷の積算値を給湯負荷記憶手段103の記憶情報の一つに追加し、その中の最大値や平均値や最小値等に基づいて起動蓄熱量Lonを下げてもよい。
また、当日の最大負荷群の抽出に用いる閾値は、「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの最大値」の代わりに、「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの平均値」や「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの平均値+標準偏差」としてもよい。当日の最大負荷群の抽出に用いる閾値は、「過去何日かの最大必要蓄熱量Lreq_maxの最小値」、「過去何日かの最大必要蓄熱量Lreq_maxの平均値」、「過去何日かの最大必要蓄熱量Lreq_maxの平均値−標準偏差」等としてもよい。当日の最大負荷群の抽出に用いる閾値は、湯張りを想定して100Lといった既定値を用いてもよい。
また、起動蓄熱量Lonを下げた後の値は、「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの最大値」、「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの平均値」、「過去何日かの第2必要蓄熱量Lreq_2maxの平均値+標準偏差」等としてもよい。
また、本実施の形態3に係る加熱手段2の加熱能力は、加熱手段2の起動直後から安定して一定値を示すように仮定している。これに限らず、加熱手段2の加熱能力を、例えば起動後所定期間は加熱能力をゼロとしたり、起動後所定期間後に安定値となる1次の増加関数と仮定する等、より現実に近い加熱能力として仮定してもよい。
また、制御の安定性や湯切れの安全性を高めるために、この演算に用いる貯湯タンク1の容量Vとして実物の容量より小さい値を採用してもよい。
以上のように本実施の形態3においては、過去の給湯負荷積算値の変化量と加熱手段2の加熱能力に基づいて、給湯負荷を賄うために最低限貯湯タンク1に貯える必要のある熱量Lreqを算出し、当該必要蓄熱量Lreqに基づいて起動蓄熱量Lonをできるだけ小さく設定する。このため、貯湯タンク1内の蓄熱量を可能な限り小さくすることができ、貯湯タンク1から外界への放熱によるエネルギーロスを最小限とすることができる。
したがって、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
なお、本実施の形態3に係る発明の適用が想定される、加熱手段2の加熱能力が給湯負荷よりも小さいケースは、加熱手段2がヒートポンプサイクルによって構成される場合に特に多い。
貯湯タンク1の下部からヒートポンプサイクルへ導かれる水の温度が高いと、ヒートポンプサイクルの効率を低下させる。しかしながら、本実施の形態3に係る発明の実施によよって貯湯タンク1の蓄熱量を低く抑えることにより、貯湯タンク1の下部に貯留された水の温度上昇を抑制でき、効率が高い状態でヒートポンプサイクルを運転させることができる。
したがって、本実施の形態3における効果は加熱手段2がヒートポンプサイクルの場合に特に顕著である。
実施の形態4.
本実施の形態4においては、貯湯タンク1内の湯の有する熱量を湯の放出によって負荷側へ供給する湯栓と、貯湯タンク1内の湯の有する熱量を湯と対象物との熱交換によって負荷側へ供給する熱交換器と、の両方を有する貯湯式給湯システムに対して、実施の形態1〜前記実施の形態3で示した発明を実施することも可能である。
なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態3と同様とする。
図12は、本発明の実施の形態4に係る貯湯式給湯システムの構成図である。本実施の形態4に係る貯湯式給湯システムは、実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの構成に加え、貯湯タンク1内の湯と加熱端末15を流れる水(対象物)との熱交換を行う熱交換器11が設けられている。
この熱交換器18の給湯システム側流路は、一方の端部が導出用配管311を介して導出用配管303に接続されており、他方の端部が戻り配管312を介して貯湯タンク1の例えば下部に接続されている。熱交換器18は、加熱回路313を介して加熱端末15とも接続されている。
また、戻り配管312には、貯湯タンク1内の湯を熱交換器11に流すための循環ポンプ12が設けられている。また、戻り配管312には、開閉弁13も設けられている。
また、加熱回路313には、加熱端末15内の水を循環させる循環ポンプ14が設けられている。
開閉弁13を開くと、貯湯タンク1内に貯えられていた高温の湯は、導出用配管303及び導出用配管311を介して熱交換器11へ流入する。熱交換器11へ流入したこの高温の湯は、加熱回路313を流れる水に放熱し(加熱回路313を流れる水を加熱し)、熱交換器11から流出する。熱交換器11から流出した湯は、戻り配管312を介して、貯湯タンク1へ戻る。
図13は、本発明の実施の形態4に係る信号の流れを表すブロック図である。上述のように、本実施の形態4に係る貯湯式給湯システムは、貯湯タンク1内の湯と加熱端末15を流れる水(対象物)との熱交換を行う熱交換器11が設けられている。このため、制御手段100の給湯負荷算出手段102は、単位時間当たりに湯栓から負荷側へ供給された熱量である湯栓負荷の実績を求める湯栓負荷算出手段102aと、熱交換器11から加熱端末15側(負荷側)へ熱量を供給するために貯湯タンク1から単位時間当たりに喪失する熱量(熱交換負荷)の実績を求める熱交換負荷算出手段102bとを備えている。
給湯負荷算出手段102が給湯負荷を算出する部分以外の動作は、実施の形態1〜前記実施の形態3と同一である。したがって、以下では、給湯負荷算出手段102が給湯負荷を算出する部分の動作を説明する。
給湯負荷算出手段102は、湯栓負荷算出手段102aで算出された湯栓負荷と熱交換負荷算出手段102bで算出された熱交換負荷とを加算することにより、給湯負荷を算出する。
熱交換負荷算出手段102bは、「単位時間当たりの貯湯タンク1内の蓄熱量の減少量−単位時間当たりの湯栓負荷+単位時間当たりに加熱手段2が沸上げた熱量」によって、熱交換負荷を算出する。
なお、加熱手段2の沸上げた熱量を演算する際、貯湯式給湯システムの構成によってはセンサー等の追加が必要となる場合がある。このため、貯湯タンク1内の湯と熱交換した対象物の温度変化量とその対象物の熱容量との積(対象物供給熱量)を基準に、熱交換負荷を算出してもよい。
また、一般的に、蓄熱量算出手段101は、貯湯タンク1内の湯のうちの所定の有効温度以上の湯のみが有する熱量を積算することによって蓄熱量を算出する場合も多い。この場合、熱交換によって温度の低下した湯が貯湯タンク1に戻ると、貯湯タンク1内には給水温度以上かつ有効温度以下の湯が増加する。このため、蓄熱量算出手段101の算出した貯湯タンク1内の蓄熱量の減少量は、対象物に供給する熱量より大きい値となる。
したがって、前記蓄熱量算出手段101が貯湯タンク1内の所定の有効温度以上の湯のみが有する熱量を積算することによって蓄熱量を算出する場合、熱交換負荷算出手段102bは、対象物供給熱量に1以上の熱交換負荷係数を乗算することによって熱交換負荷を算出するとよい。
ここで、熱交換負荷係数は、既定の固定値を与えてもよいし、貯湯タンク1内の湯の温度分布に応じて変化させてもよい。
図14は、本発明の実施の形態4に係る熱交換負荷係数の設定方法の一例を表した概要図である。この図14は、或る条件において、貯湯タンク1から熱交換器11へ導出される湯の温度、及び、戻り配管312の接続される部分のタンク内温度を変化させた時の熱交換負荷係数の値を示している。
例えば、図14のように、加熱手段2の沸上温度、及び、戻り配管312の接続される部分のタンク内温度と熱交換負荷係数の相関関係を設計段階で予め設定しておく。そして、実制御で熱交換負荷算出手段102bが熱交換負荷を算出する際、当該相関関係に基づいて、前記熱交換負荷係数を決定してもよい。
以上のように本実施の形態4においては、熱交換負荷と湯栓負荷とを加算することによって給湯負荷を算出する。熱交換負荷と湯栓負荷とを貯湯タンク1から喪失する熱量として一括して取り扱うことにより、熱交換負荷を賄う貯湯式給湯システムにおいても、実施の形態1〜前記実施の形態3に示した効果を奏することができる。
したがって、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
また、貯湯タンク1内の湯と熱交換した対象物の温度変化量とその対象物の熱容量との積(対象物供給熱量)を基準に熱交換負荷を算出することにより、加熱手段2の沸上げた熱量を算出するためにセンサー等を新たに追加する必要がない。このため、熱交換負荷を安価に算出することができる。
したがって、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムがより導入しやすくなる。
また、対象物供給熱量と熱交換負荷の比である熱交換負荷係数を、貯湯タンク1に貯留された湯の温度分布に基づいて熱交換負荷係数を算出することにより、精度良く熱交換負荷係数を算出することができる。このため、熱交換負荷を過大に見積もって過剰な沸上げを行うことを回避できる。
したがって、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
なお、本発明の適用が想定される、加熱手段2の加熱能力が給湯負荷よりも小さいケースは、加熱手段2がヒートポンプサイクルによって構成される場合に特に多い。
したがって、本実施の形態4における効果は加熱手段2がヒートポンプサイクルの場合に特に顕著である。
1 貯湯タンク、2 加熱手段、3 循環ポンプ、4 混合手段、11 熱交換器、12 循環ポンプ、13 開閉弁、14 循環ポンプ、15 加熱端末、100 制御手段、101 蓄熱量算出手段、102 給湯負荷算出手段、102a 湯栓負荷算出手段、102b 熱交換負荷算出手段、103 給湯負荷記憶手段、104 給湯負荷予測手段、105 加熱制御手段、301 加熱用配管、302 給水用配管、303 導出用配管、304 混合用配管、305 給湯用配管、311 導出用配管、312 戻り配管、313 加熱回路、501a〜501f 貯湯温度センサー、502 沸上げ温度センサー、503 導出温度センサー、504 給水温度センサー、505 給湯温度センサー、601 給湯流量センサー。

Claims (6)

  1. 水を加熱して湯にする加熱手段と、
    前記湯を蓄える貯湯タンクと、
    前記加熱手段の動作を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記貯湯タンク内の蓄熱量を求める蓄熱量算出手段と、
    単位時間当たりに前記貯湯タンクから喪失した熱量である給湯負荷の実績を求める給湯負荷算出手段と、
    前記給湯負荷算出手段が求めた前記給湯負荷に関する情報を記憶する給湯負荷記憶演算手段と、
    前記給湯負荷記憶演算手段に記憶された前記給湯負荷の実績に基づいて、給湯を予測する給湯負荷予測手段と、
    を有し、
    前記給湯負荷記憶演算手段は、
    前記給湯負荷が連続する給湯における給湯負荷積算値、給湯開始時刻及び給湯終了時刻を特定するのに必要な情報を記憶し、
    前記給湯負荷が連続する給湯に対して、
    当該給湯より以前のいずれかの給湯の終了時刻から当該給湯の終了時刻までの時間間隔の間に前記加熱手段が沸上げ可能な熱量と、当該時間間隔の間に行われた給湯の給湯負荷積算値の合計と、を比較し、
    当該時間間隔の間に前記加熱手段が沸上げ可能な熱量が、当該時間間隔の間に行われた給湯の給湯負荷積算値の合計よりも小さい場合、
    当該時間間隔の間の給湯を給湯群として結合する給湯群結合処理を行い、
    前記給湯負荷予測手段は、
    前記給湯群結合処理がされた後の前記給湯負荷記憶演算手段の記憶情報に基づいて、給湯を予測し、
    前記制御手段は、
    前記給湯負荷予測手段が予測した給湯の全てにおいて、当該給湯の終了時刻における貯湯タンクの蓄熱量が、当該給湯の給湯負荷積算値よりも大きくなるように、前記加熱手段の起動時刻を求める
    ことを特徴とする貯湯式給湯システム。
  2. 前記給湯負荷記憶演算手段は、
    過去の単位期間中に行われた給湯の給湯負荷積算値を合計した全給湯負荷積算値を記憶し、
    前記給湯負荷予測手段は、
    前記給湯負荷記憶演算手段に記憶された全給湯負荷積算値に基づいて、現時刻を含む単位期間中の全給湯負荷積算値を予測し、
    前記制御手段は、
    前記給湯負荷予測手段が予測した全給湯負荷積算値から、現時刻を含む単位期間の開始時刻から現時刻までに行われた給湯の給湯負荷積算値の合計を減算した値を算出し、
    算出された当該値が、現時刻の前記貯湯タンク内の蓄熱量以下となるとき、
    前記給湯負荷予測手段が予測する現時刻を含む単位期間中の全給湯負荷積算値から、現時刻を含む単位期間中における現時刻以降の予測給湯の給湯負荷を、削除又は減少させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯システム。
  3. 前記貯湯タンクから導出する湯の有する熱量を、湯の放出によって負荷側へ供給する湯栓と、
    前記貯湯タンクから導出する湯の有する熱量を、熱交換によって負荷側へ供給する熱交換器と、
    を備え、
    前記給湯負荷算出手段は、
    前記湯栓から負荷側へ熱量を供給することによって前記貯湯タンクから喪失した熱量である湯栓負荷の実績を求める湯栓負荷算出手段と、
    前記熱交換器から負荷側へ熱量を供給することによって前記貯湯タンクから喪失した熱量である熱交換負荷の実績を求める熱交換負荷算出手段と、
    を有し、
    前記給湯負荷算出手段は、
    前記湯栓負荷と前記熱交換負荷を加算することによって前記給湯負荷を算出する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貯湯式給湯システム。
  4. 前記熱交換負荷算出手段は、
    単位時間当たりの前記貯湯タンク内の蓄熱量の減少量から単位時間当たりの前記湯栓負荷を減算し、
    当該算出値と単位時間当たりに前記加熱手段が沸上げた熱量とを加算することによって前記熱交換負荷を算出する
    ことを特徴とする請求項に記載の貯湯式給湯システム。
  5. 前記熱交換負荷算出手段は、
    前記熱交換器から熱量を供給された対象物の温度変化量と当該対象物の熱容量との積を算出し、
    当該算出値と熱交換負荷係数を乗算することによって前記熱交換負荷を算出する
    ことを特徴とする請求項に記載の貯湯式給湯システム。
  6. 前記熱交換負荷算出手段は、
    前記貯湯タンクに貯留された湯の温度分布に基づいて、前記熱交換負荷係数を算出する
    ことを特徴とする請求項に記載の貯湯式給湯システム。
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