JP5083207B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、強誘電体キャパシタを有する半導体装置製造方法に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを高速に処理又は保存する傾向が高まっている。このため、電子機器に使用される半導体装置の高集積化及び高性能化が要求されている。
そこで、半導体記憶装置に関しては、例えばDRAMの高集積化を実現するため、DRAMを構成する容量素子(キャパシタ)の容量絶縁膜として、従来用いられてきた珪素酸化物や珪素窒化物に替えて、強誘電体材料や高誘電率材料を用いる技術が広く研究開発され始めている。
また、より低電圧で且つ高速での書き込み動作や読み出し動作が可能な不揮発性RAMを実現するために、容量絶縁膜として、自発分極特性を有する強誘電体を用いる技術も盛んに研究開発されている。このような半導体記憶装置は、強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric Random Access Memory)と呼ばれる。
強誘電体メモリには、強誘電体膜が容量絶縁膜として1対の電極間に挟み込まれて構成される強誘電体キャパシタが備えられている。そして、強誘電体メモリでは、強誘電体膜のヒステリシス特性を利用して情報を記憶する。
この強誘電体膜は、電極間の印加電圧に応じて分極を生じ、印加電圧が取り去されても自発分極特性を有する。また、印加電圧の極性を反転すれば、強誘電体膜の自発分極の極性も反転する。したがって、この自発分極を検出すれば、情報を読み出すことができる。強誘電体メモリは、フラッシュメモリに比べて低電圧で動作し、省電力で且つ高速の書き込み動作が可能である。
近時では、強誘電体メモリにおいても、他の半導体デバイスと同様に、より一層の高集積化や高性能化が要請されており、今後、益々のメモリセルの微細化が必要となってくる。このメモリセルの微細化には、強誘電体キャパシタの上部電極及び下部電極の電気的接続を上方からとるプレーナ型の構造に替えて、強誘電体キャパシタの上部電極の電気的接続を上方からとり、下部電極の電気的接続を下方からとるスタック型の構造を採用することが有効であることが知られている。
一般的なスタック型の強誘電体メモリでは、メモリセルを構成するトランジスタのドレインの直上に形成された導電性プラグ上に、強誘電体キャパシタが形成されている。
特開2004−311868号公報
しかしながら、従来の強誘電体メモリでは、強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜(キャパシタ膜)の配向の不均一性に起因して、強誘電体キャパシタの電気的特性を向上させることが困難であるという問題があった。
この場合、キャパシタ膜を均一に形成するという発想がある。しかしながら、強誘電体キャパシタのキャパシタ膜である強誘電体膜は、熱処理による影響や接触している膜の影響を受け易く、その成膜時に、配向を均一に形成することは非常に難しい。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、成膜時に、キャパシタ膜の配向を特に考慮することなく、キャパシタの電気的特性の向上を実現する半導体装置製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上方に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、前記開口部に、上面が前記絶縁膜の上面より低い導電性プラグを形成する工程と、少なくとも前記導電性プラグ上に、上面が前記絶縁膜の上面の高さ以上の高さであって且つ平坦化された導電膜を形成する工程と、前記導電膜の上方に、下部電極と、前記下部電極上のキャパシタ膜と、前記キャパシタ膜上の上部電極とを有するキャパシタを形成する工程とを有し、前記キャパシタを形成する工程は、前記導電膜と前記下部電極との間に、護膜を形成する工程を含み、前記保護膜を形成する工程は、前記導電膜の上方に、導電性酸化物、導電性窒化物及び導電性酸窒化物のうちの少なくともいずれか1種からなるアモルファス膜を形成する工程と、前記アモルファス膜の上方に前記下部電極となる下部電極膜が形成された後、熱処理を行って、前記アモルファス膜の少なくとも一部を結晶化して自己配向させる工程とを有する
図1は、本発明の強誘電体メモリ(半導体装置)を示す模式図である。 図2Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図2Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図2Cは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図3Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図3Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図3Cは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図4Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図4Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図4Cは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図5Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図5Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図5Cは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図6Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図6Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図6Cは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図7Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図7Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図7Cは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図8Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図8Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図8Cは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図9Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図9Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図10Aは、本発明の実施形態の変形例1に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図10Bは、本発明の実施形態の変形例1に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図11Aは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図11Bは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図11Cは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図12Aは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図12Bは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図12Cは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図13Aは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図13Bは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図13Cは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図14Aは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図14Bは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図14Cは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図15Aは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図15Bは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図15Cは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図16Aは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図16Bは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリの製造方法を示す概略断面図である。 図17Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ及び比較例に係る強誘電体メモリの強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(111)における配向の積分強度を示す特性図である。 図17Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ及び比較例に係る強誘電体メモリの強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(222)における配向の比率を示す特性図である。 図18Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ及び比較例に係る強誘電体メモリの強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(111)におけるロッキングカップの特性図である。 図18Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ及び比較例に係る強誘電体メモリの強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(111)におけるロッキングカップの半値幅の特性図である。
−本発明の基本骨子−
本発明者は、強誘電体キャパシタの強誘電体膜の配向が不均一となる原因を究明すべく検討を重ねた結果、その下方に形成される下部電極の配向が不均一となっていることに起因するということを見出した。そして、本発明者は、更に、この下部電極の配向が不均一となる原因として、その下方に形成される導電性プラグに影響されるということを見出した。
これらの点から、本発明者は、強誘電体膜の配向を均一にするためには、導電性プラグによる影響を遮断して下部電極の配向が均一になるように制御する必要があるということを思料した。そして、本発明者は、これらの見解に基づき、以下に示す発明の態様に想到した。
図1は、本発明の強誘電体メモリ(半導体装置)を示す模式図である。
本発明では、図1に示すように、強誘電体キャパシタの下部電極30と、導電性プラグ10との間に、導電性プラグ10の結晶性等の影響を遮断し、下部電極30の配向を保護する保護膜20を形成する。この保護膜20は、導電性酸化物、導電性窒化物及び導電性酸窒化物のうちの少なくともいずれか1種からなる自己配向した膜として形成される。ここで、「自己配向した膜」とは、接触している膜の影響を受けずに、自身の特性に基づき配向した膜である。
この保護膜20は、その直下に位置する膜(図1に示す例では、導電性プラグ10)に影響されることなく形成されており、この保護膜20を設けることにより、導電性プラグ10の結晶性等の影響を受けない、均一の配向を有する下部電極30を形成することができる。これにより、下部電極30上に形成する強誘電体膜40を配向が均一な膜とすることができ、強誘電体キャパシタの電気的特性の向上が図れる。
以下に、保護膜20の具体的な形成方法の一例について説明する。
まず、導電性プラグ10の上方に、導電性酸化物、導電性窒化物及び導電性酸窒化物のうちの少なくともいずれか1種からなるアモルファス膜を形成する。次いで、このアモルファス膜の上方に下部電極30となる下部電極膜が形成された後、熱処理を施して当該アモルファス膜の結晶化を行うことによって、自己配向し結晶方位が揃った保護膜20が形成される。このように、導電性プラグ10の上方にアモルファス膜を形成することにより、導電性プラグ10の結晶性に依存しない保護膜20が形成される。
なお、特許文献1には、導電性プラグの上部に、アモルファス金属膜を形成することについて記載されている。これに対して、本発明では、金属でない、導電性酸化物、導電性窒化物及び導電性酸窒化物のうちの少なくともいずれか1種からなるアモルファス膜を用いて保護膜20を形成しており、本発明と特許文献1とは明らかに別発明である。また、導電性プラグ上に形成する膜として、導電性酸化物膜、導電性窒化物膜あるいは導電性酸窒化物膜を用いることは、アモルファス金属膜を用いる場合と比較して、一般的に汎用性があり使い易い。
また、特許文献1では、アモルファス金属膜が貴金属膜でないため、酸化されると絶縁体になり、下部電極と導電性プラグとの電気的接続が取れなくなることが懸念される。このため、特許文献1のアモルファス金属膜の場合には、必ず、導電性プラグに対する酸化防止膜の下層に(即ち、導電性プラグの直上に)形成する必要がある。これに対して、本願発明の導電性酸化物等からなる保護膜20の場合には、絶縁体になることはないため、導電性プラグの直上に限らず、下部電極と導電性プラグとの間であれば制約無く形成することができる。そして、本願発明の場合、下部電極30の配向を均一にするという観点において最も効果的な下部電極30の直下に、保護膜20を形成することも可能になる。例えば、導電性プラグ上に前述の酸化防止膜を形成した場合には、保護膜20が当該酸化防止膜の上方に形成されることになる。この場合、下部電極30の形成後にアニール処理を行うと、保護膜20となるアモルファス状態の導電性酸化物等が例えば貴金属等に戻って、保護膜20の結晶面が例えば(111)面に均一に配向し、下部電極30の結晶面を例えば(111)面に均一に配向させることができる。
−本発明を適用した具体的な実施形態−
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、ここでは、便宜上、強誘電体メモリの各メモリセルの断面構造については、その製造方法と共に説明する。
図2A〜図9Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を示す概略断面図である。
まず、図2Aに示すように、半導体基板61に素子分離構造62と、例えばpウェル91を形成し、更に、半導体基板61上に、MOSFET101、102を形成するとともに、各MOSFETを覆う例えばSiON膜(シリコン酸窒化膜)67を形成する。
具体的には、まず、Si基板等の半導体基板61に素子分離構造、ここではSTI
(Shallow Trench Isolation)法による素子分離構造62を形成し、素子形成領域を画定する。なお、本実施形態では、STI法により素子分離構造を形成するようにしているが、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により素子分離構造を形成するようにしてもよい。
続いて、半導体基板61の素子形成領域の表面に、例えばホウ素(B)を、例えば、エネルギー300keV、ドーズ量3.0×1013cm−2の条件でイオン注入して、pウェル91を形成する。続いて、半導体基板61上に、例えば熱酸化法により、厚さ3nm程度のシリコン酸化膜を形成する。続いて、シリコン酸化膜上に、CVD法により、厚さ180nm程度の多結晶シリコン膜を形成する。続いて、多結晶シリコン膜及びシリコン酸化膜を、素子形成領域のみに残すパターニングを行って、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜63と、多結晶シリコン膜からなるゲート電極64を形成する。このゲート電極64は、ワード線の一部を構成する。
続いて、ゲート電極64をマスクとして、半導体基板61の表面に、例えばリン(P)を、例えば、エネルギー13keV、ドーズ量5.0×1014cm−2の条件でイオン注入して、n型の低濃度拡散層92を形成する。続いて、全面に、CVD法により、厚さ300nm程度のSiO膜を形成した後、異方性エッチングを行って、当該SiO膜をゲート電極64の側壁にのみ残して、サイドウォール66を形成する。
続いて、ゲート電極64及びサイドウォール66をマスクとして、半導体基板61の表面に、例えば砒素(As)を、例えば、エネルギー10keV、ドーズ量5.0×1014cm−2の条件でイオン注入して、n型の高濃度拡散層93を形成する。
続いて、全面に、例えばスパッタリング法により、例えばTi膜を堆積する。その後、温度400℃乃至900℃の熱処理を行うことによって、ゲート電極64の多結晶シリコン膜とTi膜がシリサイド反応し、ゲート電極64の上面にシリサイド層65が形成される。その後、フッ酸等を用いて、未反応のTi膜を除去する。これにより、半導体基板61上に、ゲート絶縁膜63、ゲート電極64、シリサイド層65、サイドウォール66、並びに低濃度拡散層92及び高濃度拡散層93からなるソース/ドレイン拡散層を備えたMOSFET101、102が形成される。なお、本実施形態においては、nチャンネル型のMOSFETの形成を例にして説明を行ったが、pチャンネル型のMOSFETを形成するようにしてもよい。続いて、全面に、プラズマCVD法により、厚さ200nm程度のSiON膜67を形成する。
次いで、図2Bに示すように、層間絶縁膜68、グルー膜69a、Wプラグ69b及び69cを形成する。
具体的には、まず、TEOS(tetraethyl orthosilicate)ガスを用いたプラズマCVD法により、SiON膜67上に、厚さが1000nm程度のシリコン酸化膜を堆積した後、これをCMP法により平坦化し、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜68を、厚さ700nm程度で形成する。
続いて、各MOSFETの高濃度拡散層93まで到達するビア孔69dを、例えば0.25μm程度の径で層間絶縁膜68及びSiON膜67に形成する。その後、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を厚さ30nm程度、TiN膜を厚さ20nm程度で連続して積層する。
続いて、更に、CVD法により、当該各ビア孔69d内を埋めるのに足る厚さのW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜68の表面が露出までW膜、TiN膜及びTi膜を研磨して平坦化を行うことにより、ビア孔69d内に、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜69aと、Wプラグ69b、69cを形成する。Wプラグ69b、69cは、層間絶縁膜68の平坦面上に対して厚さ300nm程度で形成される。ここで、Wプラグ69bは、各MOSFETのソース/ドレイン拡散層のうちの一方と接続するものであり、Wプラグ69cは、他方と接続するものである。
次いで、図2Cに示すように、全面に、プラズマCVD法により、厚さ130nm程度のシリコン酸窒化膜(SiON膜)70を形成する。このシリコン酸窒化膜70は、Wプラグ69b、69cの酸化を防止する酸化防止膜となる。ここでは、SiON膜の替わりに、例えば、シリコン窒化膜やアルミニウム酸化物(Al23)膜を形成するようにしてもよい。続いて、シリコン酸窒化膜70上に、TEOSを原料としたプラズマCVD法により、厚さ300nm程度のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜71を形成する。
次いで、図3Aに示すように、グルー膜72a及びWプラグ72bを形成する。
具体的には、まず、Wプラグ69bの表面を露出させるビア孔72cを、例えば0.25μm程度の径で層間絶縁膜71及びシリコン酸窒化膜70に形成する。その後、全面に、スパッタリング法により、Ti膜を厚さ30nm程度、TiN膜を厚さ20nm程度で連続して積層する。
続いて、更に、CVD法により、当該各ビア孔72c内を埋めるのに足る厚さのW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜71の表面が露出までW膜、TiN膜及びTi膜を研磨して平坦化を行うことにより、ビア孔72c内に、グルー膜72a及びWプラグ72bを形成する。
この場合のCMP法では、研磨対象であるW膜、TiN膜及びTi膜の研磨速度が下地の層間絶縁膜71よりも速くなるようなスラリ、例えば、Cabot Microelectronics Corporation製の商品名SSW2000を使用する。そして、この場合、層間絶縁膜71上に研磨残を残さないために、このCMP法による研磨では、その研磨量がW膜、TiN膜及びTi膜の合計膜厚よりも厚く設定される。その結果、図3Aに示すように、Wプラグ72bの上面の位置が層間絶縁膜71の上面の位置よりも低くなり、凹部(以下、この凹部を「リセス」と称する)72dが形成される。このリセス72dの深さは20nm〜50nm程度であり、典型的には、50nm程度である。
その後、層間絶縁膜71の表面を、NH(アンモニア)ガスの雰囲気中でプラズマ処理し、層間絶縁膜71の表面の酸素原子にNH基を結合させる。このアンモニアガスを用いたプラズマ処理は、例えば、半導体基板61に対して9mm(350mils)程度離間した位置に対向電極を有する平行平板型のプラズマ処理装置を用いて、圧力266Pa(2.0Torr)程度、基板温度400℃程度で保持された処理容器中に、アンモニアガスを流量350sccm程度で供給し、半導体基板61に13.56MHz程度の高周波を電力100W程度、また、前記対向電極に350kHz程度の高周波を電力55W程度、それぞれ60秒間程度で供給することにより行われる。
次いで、図3Bに示すように、リセス72dを埋めるとともに、層間絶縁膜71上を覆うTiN(窒化チタン膜)73を形成する。
具体的には、まず、全面に、例えば、半導体基板61とターゲットの間の距離を60mm程度に設定したスパッタリング装置を用いて、圧力0.15Pa(1.1×10-3Torr)程度のAr雰囲気下で、基板温度20℃程度、DC電力2.6kW程度を7秒間程度供給するスパッタリング法により、厚さ100nm程度のTi膜を形成する。このTi膜は、アンモニアガスを用いてプラズマ処理された層間絶縁膜71上に形成されているため、そのTi原子が層間絶縁膜71の酸素原子に捕獲されることなく、層間絶縁膜71の表面を自在に移動することができ、その結果、結晶面が(002)面に配向した自己組織化されたTi膜となる。
続いて、このTi膜に対して、窒素雰囲気中で、温度650℃程度、時間60秒程度のRTA(Rapid Thermal Annealing)による熱処理を行うことによって、下地導電膜となる厚さ100nm程度のTiN膜73を形成する。ここで、TiN膜73は、その結晶面が(111)面に配向したものとなる。また、この下地導電膜の厚さは、100nm〜300nm程度が好ましく、本実施形態では100nm程度としている。この下地導電膜としては、TiN膜に限らず、例えば、タングステン(W)膜、シリコン(Si)膜及び銅(Cu)膜を用いることも可能である。
なお、この状態では、TiN膜73は、リセス72dの形状を反映してその上面に凹部が形成され、当該TiN膜73の上方に形成される強誘電体膜の結晶性が劣化する(強誘電体膜の配向が不均一になる)要因となる。そこで、本実施形態では、図3Bに示すように、CMP法によりTiN膜73の上面を研磨して平坦化し、上述した凹部を除去するようにする。このCMP法で使用するスラリは特に限定されないが、本実施形態では前述したCabot Microelectronics Corporation製の商品名SSW2000を使用する。
この平坦化されたTiN膜73の層間絶縁膜71上の厚さは、研磨誤差に起因して半導体基板61の面内や、複数の半導体基板間でバラツキが生じる。このバラツキを考慮して、本実施形態では、当該CMP法による研磨時間を制御して、平坦化後の厚さの目標値を50nm〜100nm程度としている。本実施形態では、平坦化されたTiN膜73の層間絶縁膜71上の厚さを50nm程度としている。
また、TiN膜73に対しCMP法による平坦化を行った後では、TiN膜73の上面付近の結晶が研磨によって歪んだ状態となっている。そして、上方に形成される強誘電体キャパシタの下部電極がこの歪みの影響を受けると、下部電極の結晶性が劣化し(下部電極の配向が不均一となり)、ひいては、その上に形成される強誘電体膜の結晶性が劣化する(強誘電体膜の配向が不均一となる)ことになる。このような不具合を回避するために、本実施形態では、更に、TiN膜73の上面を、上述したNH(アンモニア)ガスの雰囲気中でプラズマ処理し、TiN膜73の結晶の歪みを解消する。
次いで、図3Cに示すように、結晶の歪みが解消されたTiN膜73上に結晶性導電密着膜として、スパッタリング法により、厚さ20nm程度のTi膜74を形成する。続いて、窒素雰囲気中で、温度650℃程度、時間60秒程度のRTAによる熱処理を行うことによって、結晶面が(111)面に配向したTiN膜73となる。この結晶性導電密着膜としては、TiN膜に限定されるものでなく、例えば、厚さ10nm程度のIr膜やPt膜などの薄い貴金属膜を用いることも可能である。
次いで、図4Aに示すように、Ti膜74上に、酸化防止膜75及びアモルファス膜76aを形成する。ここで、酸化防止膜75は、Wプラグ72bの酸化を防止するための膜である。
具体的に本実施形態では、まず、Ti膜74上に酸化防止膜75として、反応性スパッタリング法により、厚さ100nm程度のTiAlN膜を形成する。例えば、ここでの反応性スパッタリング法は、Ti及びAlを合金化したターゲットとして使用し、Arガスを流量40sccm程度及び窒素(N)ガスを流量10sccm程度で供給した混合雰囲気中において、圧力253.3Pa(1.9Torr)程度、基板温度400℃、電力1.0kWの条件下で行われる。
本実施形態では、酸化防止膜75として、TiAlNからなる膜を適用した例を示したが、本発明においてはこれに限定されず、例えば、Ir、あるいはRuを含む膜を適用することも可能である。
続いて、酸化防止膜75上に、自己配向性を有する、導電性酸化物、導電性窒化物及び導電性酸窒化物のうちの少なくともいずれか1種からなるアモルファス膜76aを形成する。ここで、「自己配向性を有する」とは、熱処理等の物理的処方によって、自己配向することができることをいう。このアモルファス膜76aは、酸化防止膜75以下の下層膜の結晶性をリセットする機能を果たす。
このアモルファス膜76aとして、導電性酸化物膜を適用する場合には、PtOx、IrOx、RuOx及びPdOxのうちの少なくともいずれか1種を含む膜で形成する。また、アモルファス膜76aとして、導電性窒化物膜を適用する場合には、TiN、TiAlN、TaN及びTaAlNのうちの少なくともいずれか1種を含む膜で形成する。また、アモルファス膜76aとして、導電性酸窒化物膜を適用する場合には、例えば、TiAlONを含む膜で形成する。
例えば、このアモルファス膜76aとして、厚さ20nm程度のPtOx膜をスパッタリング法により形成する場合には、例えば、半導体基板61とターゲットの間の距離を60mm程度に設定したスパッタリング装置を用いて、Arガスを流量36sccm程度、酸素(O)ガスを流量144sccm程度で供給した混合雰囲気中において、基板温度350℃程度、電力1kW程度、成長時間18秒間とする条件で形成される。
また、例えば、このアモルファス膜76aとして、厚さ25nm程度のIrOx膜をスパッタリング法により形成する場合には、例えば、半導体基板61とターゲットの間の距離を60mm程度に設定したスパッタリング装置を用いて、Arガスを流量100sccm程度、酸素(O)ガスを流量100sccm程度で供給した混合雰囲気中において、基板温度150℃以下(例えば20℃程度)、電力1kW程度、成長時間12秒間とする条件で形成される。
その後、アモルファス膜76aの表面を、NH(アンモニア)ガスの雰囲気中でプラズマ処理する。このアンモニアガスを用いたプラズマ処理については、層間絶縁膜71の表面の処理の場合と同様である。このアンモニアガスを用いたプラズマ処理により、平坦化によってTiN膜73に発生した結晶の歪みを完全に解消し、その影響が当該アモルファス膜76a上に形成されるIr膜77aに伝わらないようにする。
次いで、図4Bに示すように、アモルファス膜76a上に、例えば、Ar雰囲気中において、圧力0.11Pa(8.3×10−4Torr)程度、基板温度500℃程度、電力0.5kWの条件下でのスパッタリング法により、厚さ100nm程度のIr膜77aを形成する。このIr膜77aは、強誘電体キャパシタの下部電極となる膜である。
次いで、図4Cに示すように、例えば、不活性ガスであるArガスの雰囲気で、温度650℃以上、時間60秒程度のRTAによる熱処理を行う。この熱処理は、アモルファス膜76aを結晶化して自己配向した保護膜76を形成すると同時に、下部電極となるIr膜77aの結晶性を改善する。この熱処理により、保護膜76は、少なくとも一部が結晶化されてその他の部分がアモルファス状態の膜、あるいは、アモルファス状態から完全に結晶化された膜となる。
この際、保護膜76は、当該保護膜76よりも下方に位置する下層膜(酸化防止膜75以下の膜)の影響を受けることなく自己配向した膜として形成され、当該保護膜の上方に形成されるIr膜77aからなる下部電極の配向がWプラグ72bの結晶性等に依存したものになることを遮断し、当該下部電極の配向を保護する。本実施形態では、例えば、保護膜76は、結晶面が(111)面に配向した膜となる。
なお、保護膜76は、アモルファス膜76aが結晶化されて形成されたものであるため、PtOx、IrOx、RuOx及びPdOxのうちの少なくともいずれか1種を含む導電性酸化物膜、TiN、TiAlN、TaN及びTaAlNのうちの少なくともいずれか1種を含む導電性窒化物膜、あるいは、TiAlONを含む導電性酸窒化物膜のいずれかの膜で形成される。また、導電性酸化物膜の各xは、それぞれ1<x≦2を満たす。
また、本実施形態では、保護膜76を形成する際のRTAによる熱処理において、Arガスを用いて行ったが、不活性ガスであるNやNOを含むガスを用いるようにしてもよい。
次いで、図5Aに示すように、Ir膜77a上に、MO−CVD法により、強誘電体キャパシタのキャパシタ膜となる強誘電体膜78を形成する。具体的に、本実施形態の強誘電体膜78は、2層構造を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT:(Pb(Zr,Ti)O))膜、即ち、第1のPZT膜78a及び第2のPZT膜78bで形成される。
具体的には、まず、Pb(DPM),Zr(dmhd)及びTi(O−iOr)(DPM)を、それぞれTHF(Tetra Hydro Furan:CO)溶媒中にいずれも濃度0.3mol/l程度で溶解し、Pb,Zr及びTiの各液体原料を形成する。さらに、MO−CVD装置の気化器に流量0.474ml/分程度のTHF溶媒とともに、これらの液体原料をそれぞれ、0.326ml/分程度、0.200ml/分程度、及び0.200ml/分程度の流量で供給して気化させることにより、Pb,ZrおよびTiの原料ガスを形成する。
そして、MO−CVD装置において、圧力665Pa(5.0Torr)程度、基板温度620℃程度の条件下で、Pb,Zr及びTiの原料ガスを、620秒間程度供給することにより、Ir膜77a上に、厚さ100nm程度の第1のPZT膜78aを形成する。
続いて、全面に、例えばスパッタリング法により、厚さ1nm乃至30nm、本実施形態では20nm程度のアモルファス状態の第2のPZT膜75bを形成する。また、第2のPZT膜78bをMO−CVD法で形成する場合は、鉛(Pb)供給用の有機ソースとして、Pb(DPM)(Pb(C1119)をTHF液に溶かした材料が用いられる。また、ジルコニウム(Zr)供給用の有機ソースとして、Zr(DMHD)(Zr((C15)をTHF液に溶かした材料が用いられる。また、チタン(Ti)供給用の有機ソースとして、Ti(O−iPr)(DPM)(Ti(CO)(C1119)をTHF液に溶かした材料が用いられる。
なお、本実施形態では、強誘電体膜78の形成を、MO−CVD法及びスパッタリング法により行うようにしているが、本発明においてはこれに限定されるわけでなく、例えば、ゾル−ゲル法、有機金属分解(MOD)法、CSD(Chemical Solution Deposition)法、化学気相蒸着(CVD)法又はエピタキシャル成長法により形成することも可能である。
次いで、図5Bに示すように、第2のPZT膜78b上に、IrO膜79a、IrO膜79b及びIr膜80を順次形成する。ここで、IrO膜79aは、上部電極の下層膜として機能するものであり、IrO膜79bは、上部電極の上層膜として機能するものである。
IrO膜79aの形成にあたっては、先ず、スパッタリング法により、成膜の時点で結晶化したIrO膜を厚さ50nm程度で形成する。この際のスパッタリングの条件としては、イリジウムの酸化が生じる条件下、例えば、成膜温度を300℃程度とし、成膜ガスとしてAr及びOを用いてこれらをいずれも流量100sccm程度で供給し、また、スパッタリング時の電力を1kW〜2kW程度とする。
その後、温度725℃程度で且つ、酸素を流量20sccm程度、Arを流量2000sccm程度で供給した雰囲気中で、RTAによる熱処理を60秒間程度行う。この熱処理は、強誘電体膜78(第2のPZT膜78b)を完全に結晶化させて酸素欠損を補償すると同時に、IrO膜79aのプラズマダメージも回復させる。
続いて、IrO膜79a上に、例えば、Ar雰囲気中において、圧力0.8Pa(6.0×10−3Torr)程度、電力1.0kW程度、堆積時間79秒間程度の条件によるスパッタリング法により、IrO膜79bを、厚さ100nm乃至300nm、具体的に本実施形態では200nm程度で形成する。本実施形態では、工程での劣化を抑えるために、IrO膜79bは、IrOの化学量論組成に近い組成のものを適用し、水素に対して触媒作用が生じることを回避する。これにより、強誘電体膜78が水素ラジカルにより還元されてしまう問題を抑制し、強誘電体キャパシタの水素耐性が向上する。
続いて、IrO膜79b上に、例えば、Ar雰囲気中において、圧力1.0Pa(7.5×10−3Torr)程度、電力1.0kW程度の条件によるスパッタリング法により、厚さ100nm程度のIr膜80を形成する。このIr膜80は、強誘電体膜78に対して配線層等の形成の際に生じた水素が侵入するのを防ぐ水素バリア膜として機能するものである。なお、水素バリア膜としては、他にPt膜やSrRuO膜を用いることも可能である。
次いで、半導体基板61の背面洗浄を行った後、図5Cに示すように、Ir膜80上に、TiN膜81及びシリコン酸化膜82を順次形成する。このTiN膜81及びシリコン酸化膜82は、強誘電体キャパシタを形成する際のハードマスクとなるものである。
ここで、TiN膜81の形成にあたっては、例えば、スパッタリング法を用いる。また、シリコン酸化膜82の形成にあたっては、例えば、TEOSガスを用いたCVD法を用いる。
次いで、図6Aに示すように、シリコン酸化膜82を、強誘電体キャパシタ形成領域のみを覆うようにパターニングする。その後、シリコン酸化膜82をマスクにしてTiN膜81をエッチングして、強誘電体キャパシタ形成領域のみを覆うシリコン酸化膜82及びTiN膜81からなるハードマスクを形成する。
次いで、図6Bに示すように、HBr、O、Ar及びCの混合ガスをエッチングガスとするプラズマエッチングにより、ハードマスクで覆われていない領域のIr膜80、IrO膜79b、IrO膜79a、第2のPZT膜78b、第1のPZT膜78a、Ir膜77a及び保護膜76を除去する。これにより、IrO膜79a及びIrO膜79bからなる上部電極79と、第1のPZT膜78a及び第2のPZT膜78bからなる強誘電体膜78と、Ir膜77aからなる下部電極77とを有する強誘電体キャパシタが形成される。
なお、本実施形態では、上部電極79として、イリジウム酸化物膜(IrO膜及びIrO膜)を適用した例を示したが、本発明においてはこれに限定されず、Ir(イリジウム)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)及びパラジウム(Pd)からなる群から選択された少なくとも1種の金属からなる金属膜、あるいは、これらの酸化物膜を適用することも可能である。例えば、上部電極78を、SrRuOの導電性酸化物を含む膜で形成するようにしてもよい。
また、強誘電体キャパシタの強誘電体膜78としては、例えば、熱処理により結晶構造がBi層状構造(例えば、(Bi1−x)Ti12(Rは希土類元素:0<x<1)、SrBiTa、及びSrBiTi15のうちから選ばれた1種)又はペロブスカイト構造となる膜を形成することができる。このような強誘電体膜78として、本実施形態で用いたPZT膜の他、La、Ca、Sr、Siの少なくともいずれかを微量ドープしたPZT、SBT、BLT、並びにBi系層状化合物などの一般式ABOで表される膜を適用することも可能である。また、本実施形態では、キャパシタ膜として、強誘電体材料からなる膜を適用しているが、本発明においてはこれに限定されるわけでなく、高誘電体材料からなる膜を適用することも可能である。この場合、高誘電体材料として、例えば、(Ba,Sr)TiO或いはSrTiOを適用することが可能である。
また、本実施形態では、下部電極77として、Ir膜を適用した例を示したが、本発明においてはこれに限定されず、Ir、Ru、Pt及びPdのうち、少なくともいずれか1種の金属を含む膜、又は、当該1種の金属における酸化物を含む膜を適用することも可能である。この場合、特に、Ptなどの白金族の金属や、PtO、IrO、SrRuOなどの導電性酸化物を用いることが好適である。
次いで、図6Cに示すように、ドライエッチング又はウエットエッチングにより、シリコン酸化膜82を除去する。
次いで、TiN膜81をマスクとしたエッチングにより、図7Aに示すように、強誘電体キャパシタ形成領域以外の領域の酸化防止膜75、Ti膜74及びTiN膜73を除去する。その後、TiN膜81を除去する。
次いで、図7Bに示すように、全面に、スパッタリング法により、厚さ20nm程度のAl膜83を形成する。
次いで、図7Cに示すように、酸素(O)を含有する雰囲気中での熱処理を行う。この熱処理は、強誘電体キャパシタの強誘電体膜78のダメージを回復させる目的で行われる回復アニールである。この回復アニールの条件は、特に限定されないが、本実施形態では、基板温度を550℃乃至700℃として行われる。本実施形態のように、強誘電体膜78をPZTで形成する場合には、酸素(O)を含有する雰囲気中において、基板温度650℃程度で、60分間の回復アニールを行うことを望ましい。
次いで、図8Aに示すように、全面に、CVD法により、厚さ20nm程度のAl膜84を形成する。
次いで、図8Bに示すように、Al膜84上に、層間絶縁膜85及びAl膜86を順次形成する。
具体的には、先ず、全面に、例えばプラズマTEOSを用いたCVD法により、例えば厚さ1500nm程度のシリコン酸化膜を堆積する。その後、CMP法により、当該シリコン酸化膜を平坦化して層間絶縁膜85を形成する。
ここで、層間絶縁膜85としてシリコン酸化膜を形成する場合には、原料ガスとして、例えば、TEOSガス、酸素ガス及びヘリウムガスの混合ガスを用いる。なお、層間絶縁膜85として、例えば、絶縁性を有する無機膜等を形成するようにしてもよい。層間絶縁膜85の形成後、NOガス又はNガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理の結果、層間絶縁膜85中の水分が除去されるとともに、層間絶縁膜85の膜質が変化し、層間絶縁膜85中に水分が入りにくくなる。
続いて、層間絶縁膜85上に、例えばスパッタリング法又はCVD法により、バリア膜となるAl膜86を、厚さ20nm乃至100nmで形成する。このAl膜86は、平坦化された層間絶縁膜85上に形成されるため、平坦に形成される。
次いで、図8Cに示すように、全面に、例えばプラズマTEOSを用いたCVD法により、シリコン酸化膜を堆積し、その後、CMP法により、当該シリコン酸化膜を平坦化して、厚さ800nm乃至1000nmの層間絶縁膜87を形成する。なお、層間絶縁膜87として、SiON膜又はシリコン窒化膜等を形成するようにしてもよい。
次いで、図9Aに示すように、グルー膜88a、Wプラグ88b、グルー膜89a及びWプラグ89bを形成する。
具体的には、先ず、強誘電体キャパシタにおける水素バリア膜であるIr膜80の表面を露出させるビア孔88cを、層間絶縁膜87、Al膜86、層間絶縁膜85、Al膜84及びAl膜83に形成する。続いて、温度550℃程度の酸素雰囲気中において熱処理を行って、ビア孔88cの形成に伴って強誘電体膜78中に生じた酸素欠損を回復させる。
その後、全面に、例えば、スパッタリング法によりTi膜を堆積し、続いて、MO−CVD法によりTiN膜を連続して堆積する。この場合、TiN膜から炭素除去を行う必要があるため、窒素と水素の混合ガスプラズマ中での処理が必要になるが、本実施形態では、強誘電体キャパシタに水素バリア膜となるIr膜80を形成しているため、強誘電体膜78に水素が侵入して当該強誘電体膜78を還元してしまうという問題は生じない。
続いて、CVD法により、ビア孔88c内を埋めるのに足る厚さのW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜87の表面が露出までW膜、TiN膜及びTi膜を研磨して平坦化を行うことにより、ビア孔88c内に、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜88aと、Wプラグ88bを形成する。
続いて、Wプラグ69cの表面を露出させるビア孔89cを、層間絶縁膜87、Al膜86、層間絶縁膜85、Al膜84、Al膜83、層間絶縁膜71及びシリコン酸窒化膜70に形成する。続いて、全面に、例えば、スパッタリング法により、TiN膜を堆積する。その後、ビア孔89c内を埋めるのに足る厚さのW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜87の表面が露出までW膜及びTiN膜を研磨して平坦化を行うことにより、ビア孔89c内に、TiN膜からなるグルー膜89aと、Wプラグ89bを形成する。なお、このグルー膜89aは、例えば、スパッタリング法によりTi膜を堆積し、続いて、MO−CVD法によりTiN膜を連続して堆積して、Ti膜及びTiN膜の積層膜からなるものとして形成することも可能である。
次いで、図9Bに示すように、金属配線層90を形成する。
具体的に、まず、全面に、例えばスパッタリング法により、厚さ60nm程度のTi膜、厚さ30nm程度のTiN膜、厚さ360nm程度のAlCu合金膜、厚さ5nm程度のTi膜、及び厚さ70nm程度のTiN膜を順次積層する。
続いて、フォトリソグラフィー技術を用いて、当該積層膜を所定形状にパターニングして、各Wプラグ88b,89b上に、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜90aと、AlCu合金膜からなる配線膜90bと、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜90cとからなる金属配線層90を形成する。
その後、更に、層間絶縁膜の形成やコンタクトプラグの形成を行った後、2層目以降の金属配線層を形成し、更に、例えばシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜からなるカバー膜を形成して、下部電極77、強誘電体膜78及び下部電極79を有する強誘電体キャパシタを具備する本実施形態に係る強誘電体メモリを完成させる。
本発明の実施形態に係る強誘電体メモリによれば、アモルファス状態で堆積され熱処理により自己配向した、導電性酸化物、導電性窒化物及び導電性酸窒化物のうちの少なくともいずれか1種からなる保護膜76を、下部電極77の直下に設けるようにしたので、下部電極77の配向が保護膜76よりも下方に位置する下層膜に依存したものになることを回避でき、下部電極77の配向を均一にすることができる。これにより、下部電極77上に形成される強誘電体膜78の配向を均一にすることができるため、強誘電体キャパシタの電気的特性(例えば、強誘電体膜78の残留分極電荷量の特性)を向上させるとともに、デバイスの歩留まりを向上させることが可能になる。
また、アモルファス状態で堆積して保護膜76を形成するようにしたので、TiN膜73に対するCMP法による研磨によってTiN膜73の結晶が歪んだ場合でも、その影響を下部電極77に伝わり難くすることができ、下部電極77の配向を良好に保つことができる。また、アモルファス膜76aの表面をNH(アンモニア)ガスの雰囲気中でプラズマ処理するようにしたので、平坦化によってTiN膜73に発生した結晶の歪みを完全に解消し、その影響が当該アモルファス膜76a上に形成される下部電極77に伝わらないようにすることができる。
(変形例)
以下、本発明の実施形態に係る緒変形例について説明する。
以下に示す各変形例について、本発明の実施形態で開示した構成部材等と同様のものについては同符号を付し、また、その構成部材等の製造方法についても本発明の実施形態で開示したものと同様であるため、その詳しい製造方法の説明は省略する。
[変形例1]
図10A及び図10Bは、本発明の実施形態の変形例1に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を示す概略断面図である。
変形例1では、先ず、図2A〜図2C及び図3Aの各工程を経て、ビア孔72cに、グルー膜72a及びWプラグ72bを形成する。この際、Wプラグ72bには、リセス72dが形成されている。
次いで、図10Aに示すように、リセス72dを埋めるように、TiN膜73aを形成する。
具体的には、まず、層間絶縁膜71の表面を、NH3(アンモニア)ガスの雰囲気中でプラズマ処理し、層間絶縁膜71の表面の酸素原子にNH基を結合させる。続いて、全面に、例えば、スパッタリング法により、厚さ100nm程度のTi膜を形成する。その後、このTi膜に対して、窒素雰囲気中で、温度650℃程度、時間60秒程度のRTAによる熱処理を行うことによって、下地導電膜となる厚さ100nm程度のTiN膜を形成する。この下地導電膜としては、TiN膜に限らず、例えば、TiAlN膜、タングステン(W)膜、シリコン(Si)膜及び銅(Cu)膜を用いることも可能である。
この状態では、TiN膜は、リセス72dを反映してその上面に凹部が形成され、当該TiN膜の上方に形成される強誘電体膜の結晶性が劣化する(強誘電体膜の配向が不均一になる)要因となる。
そこで、本例では、CMP法により、層間絶縁膜71の表面が露出まで当該TiN膜を研磨して平坦化を行うことにより、当該TiN膜に形成された凹部を除去すると共に、リセス72dを埋めるTiN膜73aを形成する。
次いで、全面に、図3Cに示すTi膜74を形成した後、図4A〜図9Bの各工程を経ることにより、図10Bに示す変形例1に係る強誘電体メモリを完成させる。
変形例1に係る強誘電体メモリによれば、上述した本発明の実施形態に係る強誘電体メモリと同様の効果を奏することができる。
[変形例2]
図11A乃至図16Bは、本発明の実施形態の変形例2に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を示す概略断面図である。
変形例1では、先ず、図2A〜図2C、図3A、図10A、図3C及び図4Aの各工程を順次経て、Ti膜74上に、酸化防止膜75及びアモルファス膜76aを形成する。
次いで、図11Aに示すように、アモルファス膜76a上に、導電性密着膜201を形成する。この導電性密着膜201は、上層に形成する下部電極の結晶性を更に向上させる機能を果たす。
本例では、この導電性密着膜201として、例えばスパッタリング法により、厚さ10nm程度のTi膜を形成する。この場合、例えば、半導体基板61とターゲットの間の距離を60mm程度に設定したスパッタリング装置を用いて、Arガスの雰囲気中において、基板温度20℃程度、電力1kW程度、成長時間6秒間とする条件のスパッタリング法により、結晶面が(002)面に強く配向したTi膜が形成される。
なお、本例では、導電性密着膜201として、Ti膜を適用した例を示したが、本発明においてはこれに限定されるわけでなく、例えば、Ti、Pt、Ir、Re、Ru、Pd及びOsのうち、少なくともいずれか1種を含む膜であれば適用可能である。
次いで、図11Bに示すように、導電性密着膜201上に、例えば、スパッタリング法により、厚さ100nm程度のIr膜77aを形成する。このIr膜77aは、強誘電体キャパシタの下部電極となる膜である。
次いで、図11Cに示すように、例えば、不活性ガスであるArガスの雰囲気で、温度650℃以上、時間60秒程度のRTAによる熱処理を行う。この熱処理は、アモルファス膜76aを結晶化して自己配向した保護膜76を形成すると同時に、下部電極となるIr膜77aの結晶性を改善する。この熱処理により、保護膜76は、少なくとも一部が結晶化されてその他の部分がアモルファス状態の膜、あるいは、アモルファス状態から完全に結晶化された膜となる。
この際、保護膜76は、その下層膜(酸化防止膜75)以下の膜の影響を受けることなく自己配向した膜として形成され、当該保護膜の上方に形成されるIr膜77aからなる下部電極の配向がWプラグ72bの結晶性等に依存したものになることを遮断し、当該下部電極の配向を保護する。本実施形態では、例えば、保護膜76は、結晶面が(111)面に配向した膜となる。
次いで、図12Aに示すように、Ir膜77a上に、MO−CVD法により、強誘電体キャパシタのキャパシタ膜となる強誘電体膜78を形成する。具体的に、本実施形態の強誘電体膜78は、2層構造を有するPZT膜(第1のPZT膜78a及び第2のPZT膜78b)で形成される。
次いで、図12Bに示すように、第2のPZT膜78b上に、IrO膜79a、IrO膜79b及びIr膜80を順次形成する。
次いで、半導体基板61の背面洗浄を行った後、図12Cに示すように、Ir膜80上に、TiN膜81及びシリコン酸化膜82を順次形成する。
次いで、図13Aに示すように、シリコン酸化膜82を、強誘電体キャパシタ形成領域のみを覆うようにパターニングする。その後、シリコン酸化膜82をマスクにしてTiN膜81をエッチングして、強誘電体キャパシタ形成領域のみを覆うシリコン酸化膜82及びTiN膜81からなるハードマスクを形成する。
次いで、図13Bに示すように、HBr、O、Ar及びCの混合ガスをエッチングガスとするプラズマエッチングにより、ハードマスクで覆われていない領域のIr膜80、IrO膜79b、IrO膜79a、第2のPZT膜78b、第1のPZT膜78a、Ir膜77a、導電性密着膜201及び保護膜76を除去する。これにより、IrO膜79a及びIrO膜79bからなる上部電極79と、第1のPZT膜78a及び第2のPZT膜78bからなる強誘電体膜78と、Ir膜77aからなる下部電極77とを有する強誘電体キャパシタが形成される。
次いで、図13Cに示すように、ドライエッチング又はウエットエッチングにより、シリコン酸化膜82を除去する。
次いで、TiN膜81をマスクとしたエッチングにより、図14Aに示すように、強誘電体キャパシタ形成領域以外の領域の酸化防止膜75及びTi膜74を除去する。その後、TiN膜81を除去する。
次いで、図14Bに示すように、全面に、スパッタリング法により、厚さ20nm程度のAl膜83を形成する。
次いで、図14Cに示すように、酸素(O)を含有する雰囲気中での熱処理を行い、強誘電体キャパシタの強誘電体膜78のダメージを回復させる。
次いで、図15Aに示すように、全面に、CVD法により、厚さ20nm程度のAl膜84を形成する。
次いで、図15Bに示すように、Al膜84上に、層間絶縁膜85及びAl膜86を順次形成する。
次いで、図15Cに示すように、全面に、例えばプラズマTEOSを用いたCVD法により、シリコン酸化膜を堆積し、その後、CMP法により、当該シリコン酸化膜を平坦化して、厚さ800nm乃至1000nmの層間絶縁膜87を形成する。
次いで、図16Aに示すように、グルー膜88a、Wプラグ88b、グルー膜89a及びWプラグ89bを形成する。
具体的には、先ず、Ir膜80の表面を露出させるビア孔88cを、層間絶縁膜87、Al膜86、層間絶縁膜85、Al膜84及びAl膜83に形成する。続いて、温度550℃程度の酸素雰囲気中において熱処理を行って、ビア孔88cの形成に伴って強誘電体膜78中に生じた酸素欠損を回復させる。
その後、全面に、例えば、スパッタリング法によりTi膜を堆積し、続いて、MO−CVD法によりTiN膜を連続して堆積する。続いて、CVD法により、ビア孔88c内を埋めるのに足る厚さのW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜87の表面が露出までW膜、TiN膜及びTi膜を研磨して平坦化を行うことにより、ビア孔88c内に、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜88aと、Wプラグ88bを形成する。
続いて、Wプラグ69cの表面を露出させるビア孔89cを、層間絶縁膜87、Al膜86、層間絶縁膜85、Al膜84、Al膜83、層間絶縁膜71及びシリコン酸窒化膜70に形成する。続いて、全面に、例えば、スパッタリング法により、TiN膜を堆積する。その後、ビア孔89c内を埋めるのに足る厚さのW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜87の表面が露出までW膜及びTiN膜を研磨して平坦化を行うことにより、ビア孔89c内に、TiN膜からなるグルー膜89aと、Wプラグ89bを形成する。
次いで、図16Bに示すように、金属配線層90を形成する。
具体的に、まず、全面に、例えばスパッタリング法により、厚さ60nm程度のTi膜、厚さ30nm程度のTiN膜、厚さ360nm程度のAlCu合金膜、厚さ5nm程度のTi膜、及び厚さ70nm程度のTiN膜を順次積層する。
続いて、フォトリソグラフィー技術を用いて、当該積層膜を所定形状にパターニングして、各Wプラグ88b,89b上に、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜90aと、AlCu合金膜からなる配線膜90bと、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜90cとからなる金属配線層90を形成する。
その後、更に、層間絶縁膜の形成やコンタクトプラグの形成を行った後、2層目以降の金属配線層を形成し、更に、例えばシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜からなるカバー膜を形成して、下部電極77、強誘電体膜78及び下部電極79を有する強誘電体キャパシタを具備する変形例2に係る強誘電体メモリを完成させる。
変形例2に係る強誘電体メモリによれば、下部電極77と保護膜76との間に、下部電極77に対する導電性密着膜201を設けるようにしたので、上述した本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの効果の加え、下部電極77の結晶性を更に向上させることができる。これにより、この下部電極77上に形成した強誘電体膜78の結晶性を更に向上させることができる。
(試験結果)
本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの効果を確認するため、強誘電体膜の結晶性の評価を行った。この際、以下に示す比較例に係る強誘電体メモリと比較して、強誘電体膜の結晶性の評価を行った。
本発明の実施形態に係る強誘電体メモリとしては、図9Bに示す強誘電体メモリを適用し、酸化防止膜75上に形成する保護膜76として、厚さ25nm程度のIrOx膜を形成したものを使用した。一方、比較例に係る強誘電体メモリとしては、当該保護膜76を設けずに、酸化防止膜75上に、直接、下部電極77を形成したものを使用した。そして、各試験サンプルの強誘電体膜(PZT膜)78の結晶性を測定した。
図17Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ及び比較例に係る強誘電体メモリの強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(111)における配向の積分強度を示す特性図である。また、図17Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ及び比較例に係る強誘電体メモリの強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(222)における配向の比率を示す特性図である。この結晶面(222)は結晶面(111)と同一の配向を有する面であり、この結晶面(222)における配向の比率は、((222)の積分強度/[(100)+(101)+(222)])で表される。
図17Aに示すように、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリは、比較例に係る強誘電体メモリと比較して、結晶面(111)に強く配向した強誘電体膜(PZT膜)が得られた。これは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの方が、比較例に係る強誘電体メモリよりも、強誘電体膜(PZT膜)の配向が均一であることを示している。また、図17Bに示す結果から、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリでは、強誘電体膜は殆ど(111)面に配向していることが判る。
図18Aは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ及び比較例に係る強誘電体メモリの強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(111)におけるロッキングカップの特性図である。また、図18Bは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ及び比較例に係る強誘電体メモリの強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(111)におけるロッキングカップの半値幅の特性図である。
図18A及び図18Bの結果より、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリは、比較例に係る強誘電体メモリと比較して、強誘電体膜(PZT膜)の結晶面(111)における配向強度が強くなり、また、ロッキングカップの半値幅が小さくなって、強誘電体膜(PZT膜)の結晶性がかなり向上することが実証できた。
本発明によれば、キャパシタ膜の配向を均一にすることができ、キャパシタの電気的特性の向上を図ることが可能となる。

Claims (3)

  1. 半導体基板の上方に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
    前記開口部に、上面が前記絶縁膜の上面より低い導電性プラグを形成する工程と、
    少なくとも前記導電性プラグ上に、上面が前記絶縁膜の上面の高さ以上の高さであって且つ平坦化された導電膜を形成する工程と、
    前記導電膜の上方に、下部電極と、前記下部電極上のキャパシタ膜と、前記キャパシタ膜上の上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
    を有し、
    前記キャパシタを形成する工程は、前記導電膜と前記下部電極との間に、護膜を形成する工程を含み、
    前記保護膜を形成する工程は、
    前記導電膜の上方に、導電性酸化物、導電性窒化物及び導電性酸窒化物のうちの少なくともいずれか1種からなるアモルファス膜を形成する工程と、
    前記アモルファス膜の上方に前記下部電極となる下部電極膜が形成された後、熱処理を行って、前記アモルファス膜の少なくとも一部を結晶化して自己配向させる工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記保護膜を形成する工程は、前記アモルファス膜を形成した後、当該アモルファス膜の上面を、窒素を含有するガスの雰囲気中でプラズマ処理する工程を更に有することを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記保護膜は、PtOx、IrOx、RuOx、PdOx、TiN、TiAlN、TiAlON、TaN及びTaAlNのうち、少なくともいずれか1種を含む膜であり、
    各xは、それぞれ1<x≦2を満たすものであることを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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