JP5082224B2 - フィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流体中に含まれる塵を除去するフィルタを製造する方法に関する。
流体を通す多数の孔を有するフィルタは、流体中に含まれる塵を除去することを目的として、種々の分野で広く使用されている。例えば、径の小さなノズルからインクを噴射するインクジェットヘッドには、ノズルに塵が詰まってインクを吐出できなくなってしまうのを防止するために、ノズル径よりも径の小さい孔を有するフィルタが設けられているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のインクジェットヘッドのフィルタは電鋳により形成されている。即ち、導電性の基材の表面に多数の孔に対応するレジストパターンを形成してから、この基材のレジストパターンが形成されていない部分に、電気めっきによりニッケルや銅などの金属を析出させて薄い金属膜を形成し、最後に、金属膜から基材を除去してフィルタを得る。
特開2004−268454号公報(図1)
しかし、電鋳によりフィルタを形成する場合には、フィルタの材質はニッケルや銅等の耐食性の低い金属材料に限られる。そのため、インク等の腐食性の流体中にフィルタが設けられている場合には、腐食によりフィルタの孔の径が徐々に大きくなってしまい、フィルタの塵除去機能が低下する。
一方、電鋳以外の方法でもフィルタを形成することは一応可能である。しかし、例えば、耐食性の高いステンレス鋼製の基材に、マイクロパンチング加工やドリル加工等の機械加工で孔を形成する場合には、基材に、ノズルの径よりも小さい径(例えば、10μm以下)の孔を多数形成することは困難である。また、合成樹脂材料からなる基材に、レーザー加工で孔を形成する場合には、微細な孔を有するフィルタを形成することは可能であるが、基材となる合成樹脂の耐食性及び耐摩耗性は低いため、腐食性流体による腐食や摩耗によりフィルタの孔が徐々に大きくなってしまう。
本発明の目的は、耐食性と耐摩耗性の両方に優れたフィルタを容易に製造することが可能な製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明は、フィルタの製造方法して具現化される。本発明のフィルタの製造方法は、複数の孔を有する金属製の板状の基材を作製する基材作製工程と、前記基材の一方の表面の前記複数の孔が無い部分にセラミックス材料の粒子を堆積させて、前記複数の孔を備えるセラミックス層を形成するセラミックス層形成工程と前記セラミックス層形成工程の後に、前記基材を前記セラミックス層から除去する基材除去工程とを備えている。この製造方法では、基材の一方の面にセラミックス層を形成する。基材には複数の孔が設けられており、上記の方法で形成されるセラミックス層は基材と同じように複数の孔を備えている。そして、このセラミックス層をフィルタとして利用することができる。
また、セラミックス層から基材を除去することにより、フィルタ全体の厚さをより薄くすることができ、フィルタによる流体の流動抵抗(圧力損失)をさらに小さく抑えることができる。
一般的に、フィルタの使用に伴って、流体が孔を通過するときの摩耗、あるいは、腐食性の流体による腐食により、フィルタの孔は大きくなり、その塵除去機能は徐々に低下していく。しかし、本発明のフィルタの製造方法によれば、耐摩耗製及び耐食性が高いセラミックス層を有するフィルタを製造できる。そのため、摩耗や腐食によりフィルタの孔が小さくなりにくく、塵除去機能の低下度合が小さくなり、フィルタの寿命が長くなる。また、フィルタの耐食性が高いことから、腐食性の流体を含む様々な流体を使用する種々の装置にこのフィルタを適用でき、フィルタの使用範囲が広がる。つまり、塵除去機能が低下しにくい長寿命のフィルタを製造することができる。
また、セラミックス材料は硬度が高いため、このセラミックス材料に機械加工によって複数の孔を精度よく形成することは極めて困難である。しかしながら、上記の製造方法のように、多数の孔を備える基材上にセラミックス層を形成することによって、精度良く形成された複数の孔を備えるセラミックス層を得ることができる。
上記の製造方法において、セラミックス層は、エアロゾルデポジション法、スパッタ法、又は、化学蒸着法の何れかにより形成されるのが好ましい。これらの手法によれば、複数の孔を備える基材の一方の面に対して容易にセラミックス材料の粒子を堆積させてセラミックス層を形成することができる。そして、セラミックス層を形成するだけで、基板側の孔と対応する孔を有し、且つ、耐摩耗性及び耐食性に優れたフィルタを容易に製造することができ、フィルタの製造工程を簡素化して製造コストを低減できる。また、エアロゾルデポジション法、スパッタ法、又は、化学蒸着法の何れかを用いることにより、非常に薄いセラミックス層を容易に形成することができるため、フィルタ全体の厚さを薄くして、流体がフィルタを通過するときの流動抵抗(圧力損失)を小さくすることができる。
上記したフィルタの製造方法において、前記基材作製工程は、基板に前記複数の孔に対応するレジストパターンを形成してから、前記基板の前記レジストパターンが形成されていない部分に電気めっきにより金属層を形成した後に、この金属層から前記基板を剥離することにより、前記基材を作製するのが好ましい。製造されるフィルタの孔の形状は、基材の孔の形状によって定まる。従って、基材の孔を精度良く形成することができれば、製造されるフィルタの孔も精度良く形成することができる。この基材作製工程によれば、径の小さな孔を複数有する基材を容易に精度良く形成することができ、ひいては、製造されるフィルタの孔形状の精度を確保することができる
上述した製造方法では、前記基材をセラミックス層から除去する工程において、基材の中央部のみをセラミックス層から除去し、基材の周縁部分をセラミックス層から除去しないことが好ましい。基材の周縁部分をセラミックス層に残すことで、セラミックス層の周囲を剛性の高い金属性の枠で補強したフィルタを得ることができる。剛性の高い金属性の枠で周囲を補強されているから、この様なフィルタは破損しにくく、組み付け時等における取り扱いが容易である。
更に、上記した製造方法において、前記基材をセラミックス層から除去する工程は、基材の他方の面に前記周縁部分に対応するマスクを形成する工程と、エッチングにより第1基板の中央部分をセラミックス層から除去する工程と、を備えることが好ましい。この様な方法を採ることにより、基材の中央部のみをセラミックス層から容易に除去することができる。
以下、本発明を具現化した実施例について図面を参照して説明する。本実施形態は、記録用紙に対してインクを吐出するインクジェットヘッドのフィルタに本発明を適用した一例である。
まず、インクジェットヘッド1を備えたインクジェットプリンタ100について簡単に説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、図1の左右方向(=走査方向)に移動可能なキャリッジ101と、このキャリッジ101に設けられて記録用紙Pに対してインクを噴射するシリアル式のインクジェットヘッド1と、記録用紙Pを図1の前方(=紙送り方法)へ搬送する搬送ローラ102等を備えている。インクジェットヘッド1は、キャリッジ101と一体的に走査方向へ移動して、その下面のインク吐出面に形成されたノズル20(図2〜図4参照)の出射口から記録用紙Pに対してインクを噴射する。そして、インクジェットヘッド1により記録された記録用紙Pは、搬送ローラ102により紙送り方向へ排出される。
次に、インクジェットヘッド1について図2〜図4を参照して説明する。
図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド1は、インクタンク(図示省略)とインク供給チューブ(図示省略)を介して接続される筒状の接続部材42と、圧力室14を含む個別インク流路21(図4参照)がその内部に形成された流路ユニット2と、この流路ユニット2の上面に積層された圧電アクチュエータ3とを備えている。接続部材42から供給されたインクは、流路ユニット2の下部に設けられた複数のノズル20から噴射される。

まず、流路ユニット2について説明する。図3、図4に示すように、流路ユニット2はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が上から順に積層されて接着されている。また、圧電アクチュエータ3は振動板30を備えており、振動板30は流路ユニット2のキャビティユニット10の上部に積層されて接合されている。
図2、図3に示すように、キャビティプレート10には、平面に沿って配列された複数の圧力室14が形成されており、これら複数の圧力室14は、後述の振動板30側(図4の上方)へ開口している。各圧力室14は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
図3、図4に示すように、ベースプレート11の平面視で圧力室14の長手方向両端部に重なる位置には、夫々連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、紙送り方向(図2の上下方向)に延び、平面視で圧力室14の図2における左右何れか一方の端部と重なるマニホールド17が形成されている。また、平面視で圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なる位置には、連通孔19が形成されている。さらに、ノズルプレート13には、平面視で複数の連通孔19に夫々重なる位置に、複数のノズル20が夫々形成されている。
また、図3に示すように、キャビティプレート10及びベースプレート11には、マニホールド17に連通する連通孔40,41が形成されている。また、キャビティプレート10の上面に接合されている、圧電アクチュエータ3の振動板30には連通孔40に連なるインク供給口18が形成されている。さらに、振動板30の上面の、インク供給口18と対応する位置には、前出の、インクタンク(図示省略)に接続されたインク供給チューブ(図示省略)が接続される筒状の接続部材42が接着剤などで固定されている。そして、マニホールド17には、インクタンクから、インク供給チューブ、接続部材42、インク供給口18、連通孔40,41を介して、インクが供給される。
また、振動板30と接続部材42との間には、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素などのセラミックス材料からなり、厚さが非常に薄い(例えば、5〜10μm程度)フィルタ43が介在している。このフィルタ43はインクが通過する多数の孔43aを有し、これら多数の孔43aの径は、インクを吐出するノズル20の径(例えば、20μm程度)よりも小さくなっている(例えば、10μm程度)。そのため、インクタンクからマニホールド17に供給されるインク中に含まれる塵が、フィルタ43により確実に除去されるため、塵がノズル20に詰まってノズル20からインクを吐出できなくなるのを防止できる。ここで、インクジェットヘッド1の使用に伴って、インクが孔43aを通過するときの摩耗、あるいは、インクによる腐食により孔43aが大きくなっていき、フィルタ43の塵除去機能が徐々に低下していく。しかし、このフィルタ43は、耐摩耗性及び耐食性が高いセラミックス材料で形成されている。そのため、摩耗や腐食により孔43aが大きくなりにくいため、塵除去機能の低下度合が小さくなり、フィルタ43の寿命が長い。このフィルタ43を製造する方法については後ほど詳しく述べる。
図4に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介してノズル20に連通している。このように、流路ユニット2内には、マニホールド17から圧力室14を経てノズル20に至る個別インク流路21が形成されている。
次に、圧電アクチュエータ3について説明する。図3、図4に示すように、圧電アクチュエータ3は、流路ユニット2の上面に配置された金属製の振動板30と、この振動板30の上面に形成された圧電層31と、この圧電層31の上面に複数の圧力室14に夫々対応して形成された複数の個別電極32とを備えている。
振動板30は、複数の圧力室14を覆うようにキャビティプレート10の上面に積層されて接合されている。また、この振動板30は、複数の個別電極32に対向して個別電極32と振動板30との間の圧電層31に電界を作用させる共通電極を兼ねており、振動板30は接地されてグランド電位に保持されている。この振動板30の上面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電層31が形成されている。
圧電層31の上面には、圧力室14よりも一回り小さい楕円形の平面形状を有し、導電性材料からなる複数の個別電極32が形成されている。これら複数の個別電極32は、平面視で、対応する圧力室14の中央部と対向する領域に夫々配置されている。さらに、圧電層31の上面には、複数の個別電極32のマニホールド17側の端部から夫々走査方向に延びる複数の端子部35も形成されている。図4に示すように、これら複数の端子部35は、フレキシブルプリント配線板等の可撓性を有する配線部材(図示省略)を介してドライバIC37と電気的に接続されており、ドライバIC37から端子部35を介して複数の個別電極32に対して選択的に駆動電圧が供給される。
次に、圧電アクチュエータ3の作用について説明する。
複数の個別電極32に対してドライバIC37から選択的に駆動電圧が印加されると、駆動電圧が供給された圧電層31上側の個別電極32とグランド電位に保持されている圧電層31下側の共通電極としての振動板30の電位が異なる状態となり、個別電極32と振動板30の間に挟まれた圧電層31の部分に上下方向の電界が生じる。すると、駆動電圧が印加された個別電極32の直下の圧電層31の部分が分極方向である上下方向と直交する水平方向に収縮する。このとき、この圧電層31の収縮に伴って振動板30が圧力室14側に凸となるように変形するため、圧力室14内の容積が減少して圧力室14内のインクに圧力が付与され、圧力室14に連通するノズル20からインクの液滴が吐出される。

次に、前述のセラミックス製のフィルタ43を製造する方法について説明する。
まず、フィルタ43の多数の孔43aに対応する多数の孔52aを有する基材52を作製する(基材作製工程)。図5(a)に示すように、ステンレス鋼、あるいは、シリコンウェハー等からなる基板50の、導電性を有する平滑面に、基材52の多数の孔52aに対応するフォトレジストパターン51を形成する。次に、図5(b)に示すように、基板50に電気めっきを施して、基板50のフォトレジストパターン51が形成されていない部分にニッケルや銅などの金属を析出させて、多数の孔52aを有する基材52となる金属層60を形成する。尚、図5(b)に示すように、金属層60を形成するニッケルや銅などの金属は、レジストパターン51が形成されていない部分においてやや丸みを帯びた形状で析出される。そして、図5(c)に示すように、金属層60から基板50及びレジストパターン51を剥離して、多数の孔52aを有する基材52を得る。尚、このようにレジストパターンと電気めっきとを用いることにより、非常に小さな径(例えば、10μm程度)の孔52aを有する金属製の基材52を容易に作製することが可能である。
次に、図5(d)に示すように、基材52の、基板50に付着していた平滑な面(図5(d)の下面)に、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、あるいは、炭化ケイ素などのセラミックス材料の粒子を堆積させることにより、フィルタ43となる、非常に薄いセラミックス層61(例えば、5〜10μm程度)を形成する(セラミックス層形成工程)。ここで、非常に小さなセラミック材料の粒子をキャリアガスと混合させた状態で基材52に吹き付けて高速で衝突させ、基材52に堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)によりセラミックス層61を形成することができる。あるいは、スパッタ法や化学蒸着法(CVD法)を用いてセラミックス層61を形成してもよい。尚、基材52にセラミックス材料の粒子を堆積させたときには、基材52の多数の孔52aが形成されている位置にはセラミックス層61が形成されない。従って、基材52にセラミックス層61を形成したときに、同時に、このセラミックス層61に基材52側の孔52aと対応する孔43aが形成されることになる。
最後に、図5(e)に示すように、塩酸などを用いたエッチングにより、セラミックス層61から金属製の基材52を除去し(基材除去工程)、セラミックス製のフィルタ43を得る。
このフィルタ43の製造方法によれば、セラミックス材料からなり、耐摩耗性と耐食性の両方に優れるフィルタ43が得られる。そのため、摩耗や腐食によりフィルタ43の孔43aが大きくなりにくく、フィルタ43の塵除去機能の低下度合が小さくなるため、フィルタ43の寿命が長くなる。また、ノズル20の径よりも小さな径の多数の孔43aを有し、且つ、耐摩耗性と耐食性の両方に優れるフィルタ43を容易に製造することができ、製造コストを低減できる。
また、AD法、スパッタ法、あるいは、CVD法によりセラミックス層61を形成することにより、多数の孔43aを有するセラミックス層61を容易に形成することができる。セラミックス材料は硬度が高いため、セラミックス材料の板材にドリル加工等の機械加工を施して孔43aを形成することは極めて困難であるが、多数の孔52aを有する金属製の基材52の平滑な面に、AD法等の、セラミックス材料の粒子(分子)を積層させる方法で、セラミックス層61を形成することで、多数の孔43aを有するセラミックス層61であっても容易に形成することが可能になる。
また、AD法、スパッタ法、あるいは、CVD法を用いることにより、非常に薄いセラミックス層61を基材52に容易に形成することができる。さらに、基材52にセラミックス層61を形成した後に、セラミックス層61から基材52を除去することにより、フィルタ43の全体の厚さをさらに薄くすることができる。このようにして、フィルタ43の厚さを薄くすることにより、インクがフィルタ43を通過する際の流動抵抗(圧力損失)を極力小さくすることができる。特に、圧力室14を含む個別インク流路21(図4参照)内に、インクの吐出動作に悪影響を及ぼす気泡が混入したときには、強制的にインクを加圧してノズル20から気泡とともにインクを排出する、いわゆる、パージ動作を行う必要があるが、フィルタ43におけるインクの圧力損失が小さいと、その分、ノズル20から排出されるインクの速度が大きくなるため、気泡を排出しやすくなる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(変形例1)
前期実施形態では、基材52(金属層60)を利用してセラミックス層61を形成した後に、セラミックス層61から基材52の全体を除去しているが、このときに基材52の周縁部分はそのまま残しておいて、基材52の中央部分のみを除去してもよい。具体的には、図5(d)に示すように、基材52の平滑な面(下面)にセラミックス層61を形成した後に、図7(a)に示すように、基材52の他方の面(上面)にマスク72を形成する。次に図7(b)に示すように、基材52にエッチング施す。マスク72が形成されていない基材52の中央部分がセラミックス層61から除去される。この場合には、周縁部分が剛性の高い金属性の枠で補強されたフィルタ73を得ることができる。フィルタ73は破損しにくく、インクジェットヘッド1に組み付ける際の取り扱いが容易である。なお、基材52の中央部分をセラミックス層61から除去した後に、図7(c)に示すように、薬剤等による洗浄によってマスク72を除去してもよい。
(変形例2)
前記実施形態では、基材52にセラミックス層61を形成した後に、セラミックス層61から基材52を除去しているが、この基材52を除去する工程を省略してもよい。この場合には、基材52が存在する分、フィルタ全体の厚さは厚くなる。しかし、一般的に靭性が低く破損しやすいセラミックス材料の層が、ニッケルや銅等の金属材料からなる基材52により補強されることになり、フィルタの強度が高まる。
(変形例3)
図6(a)に示すように、基材52の平滑な面(下面)にセラミックス層70を形成した後、図6(b)に示すように、やや丸みを帯びた面(上面)及び孔52aの内面にもセラミックス材料を堆積させることにより、基材52の全体をセラミックス層70でコーティングしてもよい。この場合には、強度の高い金属製の基材52の全体が耐摩耗性及び耐食性の高いセラミックス層70でコーティングされるため、優れた耐摩耗性及び耐食性と、高い強度とを兼ね備えたフィルタ43Aを得ることができる。
(変形例4)
前記実施形態は、インクジェットヘッドのフィルタに本発明を適用した一例であるが、本発明のフィルタの耐食性は高いことから、インク以外の、腐食性の流体を含む様々な流体(水などの液体のみならず、空気などの気体も含む)を使用する種々の装置にこのフィルタを適用できる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略斜視図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII-III線断面図である。 図2のIV-IV線断面図である。 フィルタの製造工程を示す図であり、(a)はレジストパターン形成工程、(b)は電気めっき工程、(c)は基板剥離工程、(d)はセラミックス層形成工程、(e)は基材除去工程を夫々示す。 変更形態のフィルタの製造工程の一部を示す図であり、(a)は基材の一方の面にセラミックス層を形成する工程、(b)は基材の他方の面にセラミックス層を形成する工程を夫々示す。 他の変更形態のフィルタの製造工程の一部を示す図であり、(a)はマスクを形成する工程、(b)はエッチングを施す工程、(c)はマスクを除去する工程を夫々示す。
符号の説明
43,43A フィルタ
43a 孔
50 基板
51 レジストパターン
52 基材
52a 孔
60 金属層
61 セラミックス層
70 セラミックス層

Claims (5)

  1. 複数の孔を有する金属製の板状の基材を作製する基材作製工程と、
    前記基材の一方の表面の前記複数の孔が無い部分にセラミックス材料の粒子を堆積させて、前記複数の孔を備えるセラミックス層を形成するセラミックス層形成工程と
    前記セラミックス層形成工程の後に、前記基材を前記セラミックス層から除去する基材除去工程と、を備えたことを特徴とするフィルタ製造方法。
  2. 前記セラミックス層は、エアロゾルデポジション法、スパッタ法、又は、化学蒸着法の何れかによって形成されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタの製造方法。
  3. 前記基材作製工程において、基板に前記複数の孔に対応するレジストパターンを形成してから、前記基板の前記レジストパターンが形成されていない部分に電気めっきにより金属層を形成した後に、この金属層から前記基板を剥離することにより、前記基材を作製することを特徴とする請求項1に記載のフィルタの製造方法。
  4. 前記基材をセラミックス層から除去する工程において、基材の中央部のみをセラミックス層から除去し、基材の周縁部分をセラミックス層から除去しないことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のフィルタ製造方法。
  5. 前記基材をセラミックス層から除去する工程は、基材の他方の面に前記周縁部分に対応するマスクを形成する工程と、エッチングにより第1基板の中央部分をセラミックス層から除去する工程と、を備えることを特徴とする請求項4に記載のフィルタの製造方法。
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