JP5082219B2 - アクチュエータ及びこのアクチュエータを備えた液体移送装置 - Google Patents

アクチュエータ及びこのアクチュエータを備えた液体移送装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧電式のアクチュエータ及びこのアクチュエータを備えた液体移送装置に関する。
圧電アクチュエータは、圧電体とこの圧電体に設けられた電極を有し、電極に所定の電圧が印加されて圧電体の分極方向に平行な電界が作用したときの圧電体の変形(電歪効果)を利用して対象物を駆動するように構成されている。このような圧電アクチュエータとしては、種々の構成を有するものが知られているが、例えば、特許文献1に記載のアクチュエータにおいては、圧電体の一方の面に所定の一方向(Y1−Y2方向)に平行に延びる櫛歯状の2種類の電極(個別電極及び共通電極)が交互に(互い違いに)配置され、さらに、圧電体はその面に平行でY1−Y2方向と直交する方向(X1−X2方向)に分極されている。そして、個別電極に所定の電圧が印加されると、個別電極が配置された領域と共通電極が配置された領域の間において、圧電体に分極方向であるX1−X2方向と平行な電界が生じるため、圧電体の表面部がX1−X2方向に一様に伸長し、圧電体全体が湾曲変形する。
特開平11−157065号公報(図1)
前述の特許文献1の圧電アクチュエータでは、全ての個別電極及び共通電極が全てY1−Y2方向に延びているため、圧電体の変形方向がX1−X2方向に一様に伸長するが、このような変形の仕方では圧電体全体として十分な湾曲変形を実現できないことも多く、その場合には、所望の変形量を得るには駆動電圧をさらに高くする必要があり、駆動効率が低くなる。
本発明の目的は、より駆動効率の高いアクチュエータ、及び、このようなアクチュエータを備えた液体移送装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明のアクチュエータは、厚み方向への変形が規制された外側領域、及び、前記外側領域に挟まれ且つ厚み方向に変形可能な内側領域が画定された圧電層と、前記圧電層に一体に形成された第1電極と、前記圧電層に一体に形成された第2電極とを備えており、前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに異なる電位であるときに、前記内側領域内の前記内側領域の中心を含む第1区域に、前記圧電層の表面に平行な面内成分を有する第1電界が形成されると共に、前記内側領域内において前記第1区域と異なる第2区域であって、前記内側領域と前記外側領域との境界と前記第1区域の外縁との間に設けられた第2区域に、前記第1電界が有する前記面内成分とは交差する方向を向いた前記面内成分を有する第2電界が形成されるように配置されており、前記圧電層は、前記第1区域内において、前記第1電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記第2区域内において、前記第2電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記内側領域は、一方向に関する長さが前記一方向と直交する方向に関する長さよりも長い細長形状を有しており、前記第1電界の面内成分が、前記一方向と直交する方向を向いており、前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1区域において前記一方向に延在した一又は複数の長手方向突起と、前記第2区域において前記一方向と交差する方向に延在した複数の幅方向突起とを有するパターンにそれぞれ形成されており、前記第1電極の前記長手方向突起と前記第2電極の前記長手方向突起とが交互に配置され、且つ、前記第1電極の前記幅方向突起と前記第2電極の前記幅方向突起とが交互に配置されていることを特徴とするものである。
2の発明のアクチュエータは、厚み方向への変形が規制された外側領域、及び、前記外側領域に挟まれ且つ厚み方向に変形可能な内側領域が画定された圧電層と、前記圧電層に一体に形成された第1電極と、前記圧電層に一体に形成された第2電極とを備えており、前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに異なる電位であるときに、前記内側領域内の前記内側領域の中心を含む第1区域に、前記圧電層の表面に平行な面内成分を有する第1電界が形成されると共に、前記内側領域内において前記第1区域と異なる第2区域であって、前記内側領域と前記外側領域との境界と前記第1区域の外縁との間に設けられた第2区域に、前記第1電界が有する前記面内成分とは交差する方向を向いた前記面内成分を有する第2電界が形成されるように配置されており、前記圧電層は、前記第1区域内において、前記第1電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記第2区域内において、前記第2電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記内側領域は、一方向に関する長さが前記一方向と直交する方向に関する長さよりも長い細長形状を有しており、前記第1電界の面内成分が、前記一方向を向いており、前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1区域において前記一方向と交差する方向に延在した複数の幅方向突起と、前記第2区域において前記一方向に延在した一又は複数の長手方向突起とを有するパターンにそれぞれ形成されており、前記第1電極の前記幅方向突起と前記第2電極の前記幅方向突起とが交互に配置され、且つ、前記第1電極の前記長手方向突起と前記第2電極の前記長手方向突起とが交互に配置されていることを特徴とするものである。
第3の発明のアクチュエータは、厚み方向への変形が規制された外側領域、及び、前記外側領域に挟まれ且つ厚み方向に変形可能な内側領域が画定された圧電層と、前記圧電層に一体に形成された第1電極と、前記圧電層に一体に形成された第2電極とを備えており、前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに異なる電位であるときに、前記内側領域内の前記内側領域の中心を含む第1区域に、前記圧電層の表面に平行な面内成分を有する第1電界が形成されると共に、前記内側領域内において前記第1区域と異なる第2区域であって、前記内側領域と前記外側領域との境界と前記第1区域の外縁との間に設けられた第2区域に、前記第1電界が有する前記面内成分とは交差する方向を向いた前記面内成分を有する第2電界が形成されるように配置されており、前記圧電層は、前記第1区域内において、前記第1電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記第2区域内において、前記第2電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記内側領域は、円形形状を有しており、前記第1電界の面内成分が、前記内側領域の径方向を向いていることを特徴とするものである。
前記第1、第、及び第3の発明のアクチュエータにおいて、第1電極の電位と第2電極の電位とが異なる電位になると、厚み方向に変形可能な圧電層の内側領域内の第1区域に、圧電層の表面に平行な面内成分を有する第1電界が形成されると共に、内側領域内の第2区域に、第1電界が有する面内成分とは交差する方向を向いた面内成分を有する第2電界が形成される。ここで、圧電層は、第1区域内においては第1電界の面内成分と同じ方向を向いた面内成分を有するように分極し、第2区域内においては第2電界の面内成分と同じ方向を向いた面内成分を有するように分極している。そのため、圧電層に第1電界及び第2電界が作用すると、圧電層は、第1区域では第1電界の面内成分の方向に伸び、第2区域では第2電界の面内成分の方向に伸びることになるが、第1電界の面内成分と第2電界の面内成分は互いに交差していることから、第1区域と第2区域とで、圧電層が伸長する方向が異なることになる。従って、内側領域の圧電層を大きく湾曲変形させることが可能になり、駆動効率の向上が期待できる。
さらに、前記第1、第、及び第3の発明のアクチュエータでは、内側領域の中心を含む第1区域とその外側の第2区域とで、圧電層の伸長方向が異なるため、中心部の内側領域における圧電層の厚み方向の変形量がより大きくなる。
加えて、前記第1、第2の発明のアクチュエータでは、前記第1電極及び前記第2電極が、複数の突起を有するパターンにそれぞれ形成されており、前記第1電極の前記突起と前記第2電極の前記突起とが交互に配置されているので、第1区域及び第2区域において、交互に配置された複数の突起により、第1電界及び第2電界を圧電層に確実に作用させることができる。
また、第3の発明において、前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1区域において円周方向に沿って延在した一又は複数の円周方向突起と、前記第2区域において前記径方向に延在した複数の径方向突起とを有するパターンにそれぞれ形成されており、前記第1電極の前記円周方向突起と前記第2電極の前記円周方向突起とが交互に配置され、且つ、前記第1電極の前記径方向突起と前記第2電極の前記径方向突起とが交互に配置されていてもよい(第4の発明)。
の発明のアクチュエータは、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記第1電極と前記第2電極とが、前記圧電層の厚さ方向に関して同じ位置に形成されており、前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに異なる電位であるときに、前記内側領域内の前記第1区域に、前記面内成分だけを有する前記第1電界が形成されると共に、前記第2区域に、前記面内成分だけを有し且つ前記第1電界とは交差する方向を向いた前記第2電界が形成されるように配置されており、前記圧電層は、前記第1区域内において、前記第1電界と同じ方向に分極しており、前記第2区域内において、前記第2電界と同じ方向に分極していることを特徴とするものである。この構成によれば、第1電界と第2電界が、共に、圧電層の表面に平行な方向の変形に寄与する面内成分だけを有することから、第1区域及び第2区域における圧電層の変形がそれぞれ大きくなり、内側領域における圧電層の厚み方向の変形量(湾曲変形量)も大きくなる。
の発明のアクチュエータは、前記第の発明において、前記第1電極及び前記第2電極が、共に前記圧電層の一方の面に設けられていることを特徴とするものである。この構成では、第1電極及び第2電極を容易に形成することができる。
の発明のアクチュエータは、前記第の発明において、前記第1電極及び前記第2電極が、前記圧電層内に埋め込まれた導電性材料からなる複数の柱状部とそれぞれ接続されていることを特徴とするものである。この構成では、圧電層の一方の面側の柱状部が埋め込まれた部分に、第1電界及び第2電界を確実に作用させることができるため、圧電層の厚み方向の変形量をより大きくすることができる。
の発明のアクチュエータは、前記第又は第の発明において、前記圧電層が積層される振動板をさらに備えていることを特徴とするものである。この構成では、第1電極及び第2電極が形成された圧電層の一方の面側部分がその表面に平行な方向に変形したときに、振動板は面方向に変形せずに圧電層の変形に抵抗するため、振動板と圧電層を確実に湾曲変形させることができる。
の発明のアクチュエータは、前記第の発明において、前記圧電層の前記一方の面が、前記振動板と対向した面とは反対側の面であることを特徴とするものである。この構成では、第1電極及び第2電極に配線を接続することが容易になる。
10の発明のアクチュエータは、前記第又は第の発明において、前記振動板には、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されていることを特徴とするものである。この構成では、低弾性率部において剛性が部分的に低下して振動板全体が変形しやすくなるため、振動板の変形量が大きくなる。
11の発明のアクチュエータは、前記第1〜第10の何れかの発明において、前記圧電層には、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されていることを特徴とするものである。この構成では、低弾性率部において剛性が部分的に低下して圧電層全体が変形しやすくなるため、圧電層の変形量が大きくなる。
12の発明のアクチュエータは、前述の第又は第の発明において、前記圧電層が積層される振動板をさらに備えており、前記振動板には、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されており、前記内側領域は、一方向に関する長さが前記一方向と直交する方向に関する長さよりも長い細長形状を有しており、前記低弾性率部が前記一方向と交差する方向に延在した溝であることを特徴とするものである。
第13の発明のアクチュエータは、前述の第1又は第2の発明において、前記圧電層には、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されており、前記内側領域は、一方向に関する長さが前記一方向と直交する方向に関する長さよりも長い細長形状を有しており、前記低弾性率部が前記一方向と交差する方向に延在した溝であることを特徴とするものである。
れらの構成では、内側領域の前記一方向に関する曲げ剛性が低下するため、圧電層がより変形しやすくなる。
14の発明のアクチュエータは、前記第1〜第13の何れかの発明において、前記第1電界の前記面内成分の向いている方向が、前記第2電界の前記面内成分の向いている方向と直交していることを特徴とするものである。この構成によれば、第1区域と第2区域とで圧電層が電界の面内成分に沿って伸長する方向が互いに直交することになり、圧電層の変形量をより大きくすることが可能になる。
15の発明のアクチュエータは、前記第1〜第14の何れかの発明において、前記外側領域が前記内側領域を包囲していることを特徴とするものである。このように、厚み方向に変形可能な内側領域が、厚み方向の変形が規制された外側領域により包囲されていると、内側領域の厚み方向の変形量がより大きくなる。
16の発明のアクチュエータは、前記第1〜第15の何れかの発明において、前記第2区域が前記第1区域を包囲していることを特徴とするものである。この構成によれば、第1区域の中心を通るどの断面で見ても、第1区域が、この第1区域と圧電層の伸長方向が異なる第2区域に両側から挟まれるため、中心部の内側領域における圧電層の厚み方向の変形量がさらに大きくなる。
17の発明のアクチュエータは、隔壁によって画定されることによって表面の凹部として形成された圧力室を有する流路部材と、前記圧電層の前記表面と直交する方向に関して、前記圧電層の前記外側領域が前記隔壁に重なり且つ前記圧電層の前記内側領域が前記圧力室に重なるように、前記流路部材に固定された前記第1〜第16の何れかの発明のアクチュエータとを備えていることを特徴とするものである。この構成によれば、圧電層の湾曲変形量が大きく駆動効率の高いアクチュエータにより、圧力室内の液体に、この液体を移動させるための圧力を効率よく付与することができる。
次に、本発明の第1実施形態について説明する。この第1実施形態は、液体移送装置として、インクをノズルへ移送して記録用紙へ吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例である。
まず、インクジェットヘッド1を備えたインクジェットプリンタ100について簡単に説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、図1の左右方向に移動可能なキャリッジ101と、このキャリッジ101に設けられて記録用紙Pに対してインクを噴射するシリアル式のインクジェットヘッド1と、記録用紙Pを図1の前方へ搬送する搬送ローラ102等を備えている。インクジェットヘッド1は、キャリッジ101と一体的に左右方向(走査方向)へ移動して、その下面に形成されたノズル20(図2〜図6参照)の出射口から記録用紙Pに対してインクを吐出する。そして、インクジェットヘッド1により記録された記録用紙Pは、搬送ローラ102により前方(紙送り方向)へ排出される。
次に、インクジェットヘッド1について図2〜図6を参照して詳細に説明する。
図2〜図6に示すように、インクジェットヘッド1は、ノズル20及び圧力室14を含むインク流路が形成された流路ユニット2(流路部材)と、この流路ユニット2の上面に配置された圧電アクチュエータ3とを備えている。
まず、流路ユニット2について説明する。図5、図6に示すように、流路ユニット2はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12はステンレス鋼製の板であり、これら3枚のプレート10〜12に、後述するマニホールド17や圧力室14等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート13は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート12の下面に接着される。あるいは、このノズルプレート13も、3枚のプレート10〜12と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
図2〜図6に示すように、最も上方に位置するキャビティプレート10には、平面に沿って配列された複数の圧力室14(例えば、10個)が、隔壁10aにより画定されることによってキャビティプレート10の表面の凹部としてそれぞれ形成されており、これら複数の圧力室14は、上方へ開口している。また、複数の圧力室14は、紙送り方向(図2の上下方向)に2列に配列されている。各圧力室14は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
ベースプレート11の、平面視で圧力室14の両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、紙送り方向(図2の上下方向)に延びるマニホールド17が形成されている。また、図2に示すように、マニホールド17は、平面視で、左側に配列された圧力室14の左半分、及び、右側に配列された圧力室14の右半分とそれぞれ重なるように配置されている。さらに、このマニホールド17は、後述の振動板30に形成されたインク供給口18に連通しており、インクタンク(図示省略)からインク供給口18を介してマニホールド17へインクが供給される。また、マニホールドプレート12の、平面視で複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔16に連なる複数の連通孔19も形成されている。
さらに、ノズルプレート13の、平面視で複数の連通孔19にそれぞれ重なる位置には、複数のノズル20が形成されている。図2、図3に示すように、複数のノズル20は、2列に配列された複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なっており、インクジェットヘッド1の左右方向略中央部において、紙送り方向(図2の上下方向)に等間隔のピッチで2列に配列されている。尚、ノズルプレート13が合成樹脂材料からなる場合には、ノズル20は、エキシマレーザー加工などにより形成することができる。また、ノズルプレート13が金属材料からなる場合には、プレス加工などにより形成することができる。
そして、図5に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介してノズル20に連通している。このように、流路ユニット2内には、マニホールド17から圧力室14を経てノズル20に至るインク流路が複数形成されている。
次に、圧電アクチュエータ3について説明する。図2〜図6に示すように、圧電アクチュエータ3は、流路ユニット2の上面に配置された振動板30と、この振動板30の上面に形成された圧電層31と、複数の圧力室14にそれぞれ対応して圧電層31の上面に一体に形成された複数の個別電極32(第1電極)のパターンと、同じく圧電層31の上面に一体に形成された共通電極34(第2電極)のパターンとを備えている。
振動板30は、平面視で略矩形状の金属材料からなる板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板30は、キャビティプレート10の上面に複数の圧力室14を覆うように配設され、キャビティプレート10の上面に接合されている。
振動板30の上面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電層31が配置されている。図2、図3に示すように、この圧電層31は、複数の圧力室14に亙って連続的に形成されている。そして、図3、図4に示すように、圧電層31の全領域は、圧力室14と対向する平面視略楕円形状の領域(内側領域40)と、圧力室14外の領域と対向し且つ内側領域40を包囲する領域(外側領域41)に画定されている。ここで、圧力室14と対向する内側領域40においては、その下側の振動板30は上下に自由に変形できるようになっていることから、圧電層31は厚み方向(上下方向)に変形可能となっている。一方、圧力室14外の領域と対向する外側領域41においては、その下側の振動板30がキャビティプレート10に固定されていることから、圧電層31の厚み方向への変形が規制されている。このように、厚み方向に変形可能な内側領域40が、厚み方向への変形が規制されている外側領域41に包囲されていると、内側領域40の圧電層31は厚み方向に変形しやすくなり、変形量が大きくなる。
尚、圧電層31は、例えば、非常に小さな圧電材料の粒子を基板に吹き付けて高速で衝突させ、基板に堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)を用いて形成することができる。また、スパッタ法、化学蒸着法(CVD法)、ゾルゲル法、水熱合成法などにより形成することもできる。あるいは、PZTのグリーンシートを焼成することにより生成された圧電シートを所定の大きさに切断し、この切断された圧電シートを振動板30に貼り付けることにより圧電層31を形成してもよい。
図3に示すように、複数の個別電極32は、複数の圧力室14とそれぞれ対向する複数の内側領域40の上面に形成されている。各個別電極32のパターンは、圧力室14(内側領域40)の長手方向に延在した3つの長手方向突起45と、圧力室14の幅方向外側に位置する2つの長手方向突起45からそれぞれ幅方向外側へ延在した複数の幅方向突起46とを含んでいる。3つの長手方向突起45は、略楕円形の内側領域40の中心を含みその長手方向(図3の左右方向)に細長い第1区域42の上面に、幅方向に等間隔空けて配置されている。一方、複数の幅方向突起46は、その長手方向に平行に延びる圧力室14の2本の縁(内側領域40と外側領域41との境界)と第1区域42の外縁との間に位置して圧力室14の縁の近傍部と対向する第2区域43の上面に、長手方向に等間隔空けて配置されている。
3つの長手方向突起45はそれらの一端部(図3の右端部)において互いに導通しており、この導通部からは外側領域41へ接点部35が引き出されている。図2に示すように、複数の個別電極32にそれぞれ対応する複数の接点部35は、インクジェットヘッド1の走査方向に関する両端部においてそれぞれ紙送り方向に配列されている。さらに、複数の接点部35には、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)等の可撓性を有する配線部材(図示省略)が接合され、この配線部材を介して接点部35は駆動回路(図示省略)と電気的に接続されている。そして、第1区域42の3つの長手方向突起45、第2区域43の複数の幅方向突起46、及び、接点部35は互いに導通していることから、駆動回路から配線部材及び接点部35を介して3つの長手方向突起45及び複数の幅方向突起46に同時に駆動電圧が印加されるようになっている。
共通電極34のパターンは、各第1区域42の個別電極32の3つの長手方向突起45の間において圧力室14の長手方向にそれぞれ延在した2つの長手方向突起47と、各第2区域43の個別電極32の複数の幅方向突起46の間において圧力室14の幅方向(短手方向)にそれぞれ延在した複数の幅方向突起48を含んでいる。図3に示すように、第1区域42において、個別電極32の3つの長手方向突起45と共通電極34の2つの長手方向突起47は、等間隔空けて交互に配置されている。また、第2区域43において、個別電極32の複数の幅方向突起46と共通電極34の複数の幅方向突起48は等間隔空けて交互に配置されている。
また、図2、図3に示すように、左右2列の圧力室14の列にそれぞれ対応する第1区域42の長手方向突起47は、接点部35と反対側の端部(図3の左端部)において、圧力室14の配列方向(図2の上下方向)に延びる導電部49により全て導通している。また、第2区域43の幅方向突起48は、隣接する2つの圧力室14の間において、その長手方向(図2の左右方向)に延びる導電部50により接続され、導電部50は導電部49に接続されている。つまり、導電部49,50を介して、共通電極34の長手方向突起47と幅方向突起48とが互いに導通している。また、幅方向突起48は、導通部50から圧力室14の幅方向一方側(図2の上側)に向けて延在する第1幅方向突起48aと、幅方向他方側(図2の下側)へ向けて延在する第2幅方向突起48bとを有しており、第1幅方向突起48aと第2幅方向突起48bは、隣接する2つの圧力室14を駆動するための共通電極34としてそれぞれ作用している。つまり、異なる圧力室14の駆動にそれぞれ寄与する第1幅方向突起48aと第2幅方向突起48bが1つの導通部50から派生した構造となっており、共通電極34が、限られたスペースに効率よく配されたパターンとなっている。さらに、図2に示すように、左右2つの導電部49からはインクジェットヘッド1の走査方向に関する両端部(走査方向に関して個別電極32の接点部35と同じ位置)までそれぞれ2つの接点部36が引き出され、これら2つの接点部36には、個別電極32の接点部35と同様に、配線部材が接合されている。そして、共通電極34の全ての長手方向突起47と幅方向突起48は、接点部36及び配線部材を介して常にグランド電位に保持されている。
このように、個別電極32のパターンと共通電極34のパターンが共に圧電層31の上面に形成されているため、ある個別電極32に駆動電圧が印加されたときには、内側領域40の圧電層31(特に、上面部)にはその表面に平行な方向(以下、面方向と記載する場合もある)に向いた電界が生じる。図3に示すように、第1区域42においては、個別電極32の長手方向突起45と共通電極34の長手方向突起47との間には、矢印で示すように、圧力室14の幅方向に向いた面内成分からなる第1電界E1が生じる。一方、第2区域43においては、個別電極32の幅方向突起46と共通電極34の幅方向突起48との間に、矢印で示すように、第1電界E1と直交する圧力室14の長手方向に向いた面内成分からなる第2電界E2が生じる。
さらに、圧電層31の内側領域40は、予め個別電極32に前述の駆動電圧よりも高い分極用の電圧を印加して高い電界が作用させることにより、その表面に平行な方向に分極処理されている。そして、第1区域42においては第1電界E1と同じ方向(圧力室14の幅方向)に分極され、第2区域43においては第2電界E2と同じ方向(圧力室14の長手方向)に分極されている。従って、圧電層31の分極方向は、個別電極32に電圧が印加されたときに生じる電界の方向と同じである。
次に、インク吐出時における圧電アクチュエータ3の作用について説明する。駆動回路から複数の個別電極32に対して選択的に駆動電圧が印加されると、個別電極32と共通電極34が互いに異なる電位となる。すると、図3に示すように、駆動電圧が印加された個別電極32の下側の圧電層31の内側領域40において、第1区域42の圧電層31に圧力室14の幅方向に向かう第1電界E1が生じるとともに、第2区域43の圧電層31に圧力室14の長手方向に向かう第2電界E2が生じる。
ここで、前述したように、圧電層31は、第1区域42においては第1電界E1と同じ方向に分極され、第2区域43においては第2電界E2と同じ方向に分極されている。従って、図4、図6に矢印で示すように、第1区域42においては、圧電層31は第1電界E1の方向である圧力室14の幅方向に伸びて、圧力室14の長手方向に縮む。一方、第2区域43においては、圧電層31は第2電界E2の方向である圧力室14の長手方向に伸びて、圧力室14の幅方向に縮む。即ち、図6に示すように、圧力室14の幅方向に見ると、圧電層31は、第1区域42においては伸長し、その両側の第2区域43においては収縮する。このとき、内側領域40の圧電層31の下側に位置する振動板30は面方向に伸縮せず、内側領域40の圧電層31が面方向に伸縮変形するのに抵抗する。さらに、内側領域40を包囲する外側領域41の圧電層31及びその下側の振動板30は厚み方向の変形が規制されている。そのため、図5、図6の破線で示すように、圧電層31と振動板30は、上方(圧力室14と反対側)に凸となるように大きく湾曲変形する。このように振動板30が湾曲すると、圧力室14の容積が増大して圧力室14内に負の圧力波が発生し、マニホールド17から圧力室14内にインクが流入する。
その後、圧力室14内で生じた負の圧力波が正に反転するタイミングで、個別電極32への駆動電圧の印加を停止する。すると、圧電層31及び振動板30が元の水平な形状に戻り、圧力室14の容積が減少するが、このとき、前述の圧力室14の容積増大に伴う圧力波と、振動板30の復元に伴い生じる圧力波とが合成されるため、インクに大きな圧力が付与され、ノズル20からインクが吐出される。
この圧電アクチュエータ3においては、図6に示すように、内側領域40の中心部である第1区域42において、圧電層31が圧力室14の幅方向に伸びるとともに、この第1区域42を圧力室14の幅方向両側から挟むように圧力室14の縁に沿って配置された第2区域43において、圧電層31が圧力室14の長手方向に伸びて幅方向に縮むため、内側領域40の全体が一様に同じ方向に伸びる場合に比べて、内側領域40(特に、第1区域42)における圧電層31の厚み方向の変形量(上方への変位量)が大きくなる。従って、より低い駆動電圧で圧電層31及び振動板30に所望量の変形を生じさせることができることになり、駆動効率が向上する。
また、個別電極32と共通電極34は、共に、平坦な圧電層31の上面(圧力室14と対向した面と反対側の面)に形成されているため、スクリーン印刷等の方法により同時に形成することができるなど、電極形成が容易になる。また、FPC等の配線部材をそれぞれに対応する接点部35,36に接続することも容易になり、製造コスト面で有利である。また、圧電層31の厚さ方向に関して個別電極32と共通電極34の位置が同じであることから、第1電界E1及び第2電界E2はそれぞれ圧電層31の表面に平行な面内成分だけを有することになり、圧電層31の面方向の変形に寄与する第1電界E1及び第2電界E2の面内成分が大きくなるため、圧電層31の厚み方向の変形量がより大きくなる。
尚、この第1実施形態の圧電アクチュエータ3は、圧力室14内の容積を一旦増大させ、この容積増大に伴う負の圧力波が正に反転するタイミングで圧力室14内の容積を減少させる、いわゆる、引き打ちにより圧力室14内のインクに圧力を付与するように構成されている。そのため、比較的低い駆動電圧でインクに効率よく圧力を付与することができる。また、インクを吐出するタイミングにおいてのみ個別電極32に駆動電圧が印加されて圧電層31に電界が作用し、インクの吐出タイミング以外では圧電層31に電界が付与されないため、圧電層31に分極劣化が生じにくくなり、アクチュエータの耐久性が高くなる。
また、第1電界E1及び第2電界E2の強さは、個別電極32に印加される駆動電圧の大きさはもちろんのこと、第1区域42の長手方向突起45,47の間隔及び第2区域43の幅方向突起46,48の間隔にも依存しており、これらの間隔が狭いほど第1電界E1及び第2電界E2は強くなる。そのため、第1区域42の長手方向突起45,47と第2区域43の幅方向突起46,48の数及び間隔は任意に設定することができるものであるが、圧電層31及び振動板30の変形量をより大きくするためには、第1区域42の長手方向突起45,47の間隔及び第2区域43の幅方向突起46,48の間隔はできるだけ狭いことが好ましい。
次に、前記第1実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記第1実施形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記第1実施形態では、第1区域42に作用する第1電界E1が圧力室14(内側領域40)の幅方向に向き、第2区域43に作用する第2電界E2が圧力室14の長手方向に向いているが、互いに直交する第1電界E1及び第2電界E2の向きが逆であってもよい(変更形態1)。例えば、図7〜図9に示す形態では、各個別電極32Aは、内側領域40の第1区域42において圧力室14の幅方向に延在した複数の幅方向突起45Aと、第1区域42を圧力室14の幅方向両側から挟む第2区域43においてそれぞれ圧力室14の長手方向に延在する2つの長手方向突起46Aとを含んでいる。これら複数の幅方向突起45Aと2つの長手方向突起46Aは互いに導通しており、さらに、これら突起45A,46Aには外側領域41へ引き出された接点部35が接続されている。
また、共通電極34Aは、第1区域42に配置された個別電極32Aの複数の幅方向突起45Aの間において圧力室14の幅方向に延在した複数の幅方向突起47Aと、第2区域43に配置された個別電極32Aの2つの長手方向突起46Aよりもそれぞれ内側において圧力室14の長手方向に延在した2つの長手方向突起48Aを含んでいる。これらの突起47A、48Aは全て互いに導通しており、グランド電位に保持されている。そして、第1区域42においては、個別電極32Aの幅方向突起45Aと共通電極34Aの幅方向突起47Aが交互に配置されている。また、第2区域43においては、個別電極32Aの長手方向突起46Aと共通電極34Aの長手方向突起48Aが近接して互いに平行に配置されている。
そして、駆動回路から接点部35を介してある個別電極32Aに駆動電圧が印加されたときには、図7に示すように、その個別電極32Aの幅方向突起45Aと共通電極34Aの幅方向突起47Aとの間に、矢印で示すように、圧力室14の長手方向に向かう面内成分からなる第1電界E1が生じる。一方、第2区域43においては、個別電極32Aの長手方向突起46Aと共通電極34Aの長手方向突起48Aとの間に、矢印で示すように、第1電界E1と直交する圧力室14の幅方向に向かう面内成分からなる第2電界E2が生じる。また、圧電層31は、第1区域42においては第1電界E1と同じ方向(圧力室14の長手方向)に分極され、第2区域43においては第2電界E2と同じ方向(圧力室14の幅方向)に分極されており、圧電層31の分極方向は、個別電極32Aに電圧が印加されたときに生じる電界の方向と同じとなっている。
そのため、図8、図9に矢印で示すように、第1区域42においては、圧電層31は第1電界E1の方向である圧力室14の長手方向に伸びて、圧力室14の幅方向に縮む。一方、第2区域43においては、圧電層31は第2電界E2の方向である圧力室14の幅方向に伸びて、圧力室14の長手方向に縮む。そのため、図9に破線で示すように、圧電層31及び振動板30が、下方(圧力室14側)に凸となるように湾曲変形する。この形態でも、第1区域42と第2区域43とで圧電層31が伸びる方向が直交していることから、内側領域40の全体が一様に同じ方向に伸びる場合に比べて、圧電層31全体の変形量(下方への変位量)が大きくなる。
2]第1電界E1の方向と第2電界E2の方向とが直交している必要は必ずしもなく、90度以外の角度で交差していてもよい(変更形態2)。例えば、図10、図11に示すように、第1区域42の個別電極32B及び共通電極34Bの長手方向突起45B,47Bは圧力室14の長手方向に延在する一方で、第2区域43の個別電極32B及び共通電極34Bの幅方向突起46B,48Bが圧力室14の幅方向に対して90度未満の所定角度だけ傾いていてもよい。このときには、個別電極32Bに駆動電圧が印加されたときには、図10に矢印で示すように、第1区域42においては圧力室14の幅方向に向かう第1電界E1が作用し、一方、第2区域43においては圧力室14の長手方向に対して前記所定角度だけ傾いた方向に向かう第2電界E2が作用し、第1電界E1と第2電界E2は90度以外の角度で交差する。このとき、図11に矢印で示すように、第1区域42の圧電層31は圧力室14の幅方向に伸びて、圧力室14の長手方向に縮む。一方、第2区域43の圧電層31は圧力室14の長手方向から前記所定角度傾いた方向に伸びて、圧力室14の幅方向から前記所定角度傾いた方向に縮む。この形態でも、第1区域42と第2区域43とで圧電層31が伸びる方向が異なるため、内側領域40の圧電層31の厚み方向の変形量は大きくなる。但し、第1電界E1と第2電界E2のなす角度は90度に近いほうが圧電層31の変形量は大きくなるため、この観点からは、前記第1実施形態のように第1電界E1と第2電界E2とが直交していることが最も好ましい。
3]図12に示すように、振動板30の上面(圧電層31の下面)に個別電極32及び共通電極34が配置されていてもよい(変更形態3)。振動板30が導電性の金属材料からなる場合には、この振動板30の上面に絶縁材料層が形成されるなどして、振動板30の上面が絶縁性を有する必要がある。振動板30がシリコン材料からなる場合には、振動板30の上面に酸化処理を施して絶縁性を有するようにしてもよい。また、振動板30が、セラミックス材料、あるいは、合成樹脂材料等の絶縁材料からなる場合には、振動板30の上面に直接個別電極32及び共通電極34が形成される。
4]前記第1実施形態では、流路ユニット2の上面に圧力室14を覆うように振動板30が配置され、その上面に圧電層31が形成されているが(図5参照)、図13に示すように、振動板30が省略されて、圧電層31が流路ユニット2の上面に直接配置されていてもよい(変更形態4)。但し、圧電層31の上面部が面方向に変形したときに、圧電層31の下面部が、上面部の変形に抵抗する振動板30の役割を果たすことができるように、圧電層31はある程度の厚さを有することが好ましい。
5]圧電層内に導電性材料からなる複数の柱状部が埋め込まれ、これら複数の柱状部が個別電極及び共通電極とそれぞれ接続されていてもよい(変更形態5)。例えば、図14〜図16に示すように、圧電層31Eの上面から厚み方向に延びる複数の柱状部60が圧電層31Eの上面部に埋め込まれ、圧電層31Eの上面に形成された個別電極32の突起45,46及び共通電極34の突起47,48と複数の柱状部60がそれぞれ接続されていてもよい。この構成によれば、圧電層31Eの上面部の複数の柱状部60が埋め込まれた部分に、これら柱状部60を介して第1電界E1及び第2電界E2を確実に作用させることができるため、圧電層31Eの上面部を面方向に確実に変形させて、圧電層31Eの変形量をより大きくすることができる。
6]振動板や圧電層に、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されていてもよい。例えば、図17に示すように、圧力室14に対向する振動板30Fの下面に、この低弾性率部として、圧力室14(内側領域40)の長手方向と直交する方向(圧力室14の幅方向:図17の紙面垂直方向)に延在した複数の溝61が形成されていてもよい(変更形態6)。また、図18に示すように、振動板30Gに、低弾性率部として、圧力室14の幅方向に延在した貫通穴62が形成され、さらに、圧電層31Gの下面にも、低弾性率部として、複数の貫通穴62に連なる複数の溝63が形成されていてもよい(変更形態7)。さらに、振動板が省略されている場合では、図19に示すように、圧力室14に対向する圧電層31Hの下面に複数の溝64が形成されていてもよい(変更形態8)。振動板や圧電層に、このような溝などからなる低弾性率部が形成されていると、振動板や圧電層の圧力室14の長手方向に関する曲げ剛性が低くなり、振動板や圧電層が湾曲変形しやすくなる。尚、このような溝や貫通穴は圧力室14の長手方向と直交している必要は必ずしもなく、交差しているだけでもよい。また、このような溝の代わりに、凹部等を低弾性率部として形成してもよい。
7]前記第1実施形態及びその変更形態においては、上下方向(圧電層の厚さ方向)に関して個別電極と共通電極が同じ位置にあるが、個別電極と共通電極の上下方向位置が異なっていてもよい(変更形態9)。例えば、図20に示すように、圧電層31の上面に個別電極32が形成され、圧電層31の下面(振動板30の上面)に共通電極34が形成されていてもよい。この形態では、個別電極32に駆動電圧が印加されたときに第1区域42及び第2区域43にそれぞれ生じる第1電界E1及び第2電界E2は圧電層31の面方向に平行ではなく、面方向に対して所定角度傾いた方向に向く。しかし、この形態でも、2つの電界の、圧電層31の表面に平行な面内成分だけを考えてみると、これら2つの電界の面内成分は互いに直交(または交差)しているため、図20に示すように、圧力室14の幅方向中央部の第1区域42では圧電層31が伸長するのに対して、その両側の第2区域43では圧電層31が収縮することになり、圧電層31の厚み方向の変形量が大きくなる。
8]前記第1実施形態及びその変更形態においては、第2区域43は、第1区域42の圧力室14の幅方向に関して両側にのみ配置されているが、第2区域43が第1区域42を包囲するように配置されていてもよい。この構成では、第1区域42の中心を通るどの断面で見ても、第1区域42が、この第1区域42と圧電層が伸びる方向が異なる第2区域43に両側から挟まれることになるため、さらに圧電層の厚み方向の変形量が大きくなる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、液体移送装置として、液体を下流へ圧送するポンプに本発明を適用した一例である。
図21〜図23に示すように、この第2実施形態のポンプ70は、液体貯留部73を有するポンプ本体部71と、このポンプ本体部71の上面に配置された圧電アクチュエータ72とを備えている。
図21に示すように、ポンプ本体部71は、略円筒形状に形成されており、その内部に上方開放状に形成された液体貯留部73と、この液体貯留部73にそれぞれ連通する流入口74及び流出口75とを有する。流入口74の液体貯留部73側(下流側)には、この流入口74を開閉する弁部材76が設けられている。また、流出口75の液体貯留部73と反対側(下流側)にも、流出口75を開閉する弁部材77が設けられている。尚、これら弁部材76,77は、合成樹脂材料等の可撓性を有する材料で形成されており、このポンプ70は、上流側の液体の圧力が下流側の液体の圧力よりも大きくなったときにその圧力差により弁部材76,77が下流側へ撓んで流入口74又は流出口75が開放されて、上流側から下流側へ液体が流れるように構成されている(図24、図25参照)。
図21〜図23に示すように、圧電アクチュエータ72は、液体貯留部73の上方を覆うようにポンプ本体部71の上面に配置された振動板80と、この振動板80の上面に形成された圧電層81と、圧電層81の上面にそれぞれ形成された第1電極82のパターンと第2電極84のパターンを備えている。
振動板80は平面視で円形形状に形成されており、その外周部においてポンプ本体部71の上面に接合されている。また、圧電層81も振動板80と同じく円形形状に形成され、振動板80の上面全域を覆っている。そして、圧電層81の全領域は、液体貯留部73と対向する平面視円形形状の領域(内側領域90)と、ポンプ本体部71の側壁と対向し且つ内側領域90を包囲する環状の領域(外側領域91)に画定されている。ここで、液体貯留部73に対向する内側領域90においては、その下側の振動板80は上下に自由に変形できるようになっていることから、圧電層81は厚み方向に変形可能となっている。一方、外側領域91においては、その下側の振動板80がポンプ本体部71に固定されていることから、圧電層81の厚み方向への変形が規制されている。
図22、図23に示すように、第1電極82は円形形状の内側領域90の上面に形成されており、円周方向に沿って延在した2つの円周方向突起95と、径方向に延在した複数の径方向突起96とを含んでいる。2つの円周方向突起95は、共に同じ周方向位置で分断された平面視で略C字の円弧状に形成され、内側領域90の中心を含む第1区域92において、円形の振動板80(内側領域90)と同心となるように配置されている。また、複数の径方向突起96は、液体貯留部73の縁(内側領域90と外側領域91との境界)と第1区域92の外縁との間に位置する縁近傍部の第2区域93において、径方向外側に位置する円周方向突起95から径方向外側へ延在しており、これら複数の径方向突起96は、周方向に関して等間隔の位置にそれぞれ配置されている。
2つの円周方向突起95は、径方向に延びる導電部86にそれぞれ導通している。従って、2つの円周方向突起95及び複数の径方向突起96は互いに導通している。また、導電部86の径方向内側の端部には接点部85が形成され、この接点部85は圧電層81の中心部に配置されている。そして、接点部85にはFPC等の配線部材(図示省略)が接合され、駆動回路(図示省略)から配線部材及び接点部85を介して、2つの円周方向突起95及び複数の径方向突起96に同時に駆動電圧が印加されるようになっている。
図22、図23に示すように、第2電極84も、円周方向に沿って延在した2つの円周方向突起97と、径方向に延在した複数の径方向突起98とを含んでいる。2つの円周方向突起97は、導電部86により共に同じ周方向位置で分断された平面視で略C字の円弧状に形成され、第1区域92において、第1電極82の2つの円周方向突起95と接点部85との間に配置されている。そして、第1電極82の2つの円周方向突起95と第2電極84の2つの円周方向突起97が、径方向に等間隔を空けて交互に配置されている。また、複数の径方向突起98は、第2区域93において、第1電極82の複数の径方向突起96の間に配置されている。そして、第1電極82の複数の径方向突起96と第2電極84の複数の径方向突起98が、周方向に等間隔空けて交互に配置されている。
また、外側領域91には、第1電極82の導電部86により分断された平面視で略C字状の導電部99が形成されている。そして、2つの円周方向突起97は、第1電極82の2つの円周方向突起95の分断位置を通って径方向へ延びる導電部87を介して導電部99と導通している。さらに、複数の径方向突起98は導電部99からそれぞれ径方向内側へ延びている。従って、2つの円周方向突起97及び複数の径方向突起98は互いに導通しており、これらの突起97,98は常にグランド電位に保持されている。
このように、第1電極82のパターンと第2電極84のパターンが共に圧電層81の上面に配置されているため、接点部85を介して第1電極82に駆動電圧が印加されたときには、内側領域90には面方向に向いた電界が生じる。即ち、図3に示すように、内側領域90の中心部である第1区域92においては、第1電極82と第2電極84の円周方向突起95,97の間に、径方向に向かう面内成分からなる第1電界E1が生じる。一方、第1区域92と外側領域91との間に位置する第2区域93においては、第1電極82と第2電極84の径方向突起96,98の間に、第1電界E1と直交する円周方向に向かう面内成分からなる第2電界E2が生じる。
さらに、圧電層81の内側領域90は、予め第1電極82に前述の駆動電圧よりも高い分極用の電圧を印加して高い電界が作用させることにより、その表面に平行な方向に分極処理されている。そして、第1区域92においては第1電界E1と同じ方向(径方向)に分極され、第2区域93においては第2電界E2と同じ方向(円周方向)に分極されている。従って、圧電層81の分極方向は、第1電極82に電圧が印加されたときに生じる電界の方向と同じである。
次に、ポンプ70の液体圧送動作について説明する。駆動回路から接点部85を介して第1電極82の円周方向突起95と径方向突起96に駆動電圧が同時に印加されると、図22に示すように、第1区域92の圧電層81に径方向に向かう第1電界E1が生じるとともに、第2区域93の圧電層81の円周方向に向かう第2電界E2が生じる。また、圧電層81は、第1区域92においては第1電界E1と同じ方向に分極され、第2区域93においては第2電界E2と同じ方向に分極されている。従って、図23に示すように、第1区域92においては、圧電層81は第1電界E1の方向である径方向に伸びて、円周方向に縮む。一方、第2区域93においては、圧電層81は第2電界E2の方向である円周方向に伸びて、径方向に縮む。
このとき、圧電層81の下側に位置する振動板80は、内側領域90の圧電層81がその面方向に変形するのに抵抗する。また、外側領域91の圧電層81及びその下側の振動板80は厚み方向の変形は規制されている。そのため、図24に示すように、圧電層81と振動板80は、上方(液体貯留部73と反対側)に凸となるように大きく湾曲変形する。すると、液体貯留部73の容積が増大してその内部の圧力が減少し、流入口74に設けられた弁部材76を挟んで上流側と下流側で圧力差が発生するため、その圧力差により弁部材76が液体貯留部73側へ撓んで流入口74が開放され、液体貯留部73内に液体Fが流入する。
その後、第1電極82への駆動電圧の印加を停止すると、図25に示すように、圧電層81及び振動板80が元の水平な形状に戻る。このとき、液体貯留部73の容積が減少してその内部の圧力が増加し、流出口75に設けられた弁部材77を挟んで上流側と下流側で圧力差が発生するため、その圧力差により弁部材77が液体貯留部73と反対側へ撓んで流入口74が開放され、液体貯留部73内で加圧された液体Fが下流へ送り出される。
この第2実施形態の圧電アクチュエータ72においては、内側領域90の中心部である第1区域92において、圧電層81が径方向に伸びるとともに、この第1区域92を包囲する第2区域93において、圧電層81が円周方向に伸びて径方向に縮むため、内側領域90の全体が一様に同じ方向に伸びる場合に比べて、内側領域90における圧電層81の厚み方向の変形量が大きくなる。また、第2区域93が第1区域92を包囲しているため、第1区域92の中心を通るどの断面で見ても、第1区域92が圧電層81の変形方向の異なる第2区域93に両側から挟まれていることから、圧電層81の変形量はさらに大きくなる。
また、本実施形態のポンプ70の構成は、主に、ポンプ本体部71とその上面に配置された圧電アクチュエータ72からなる簡単な構成である。そのため、従来から様々な用途に用いられているチューブポンプやシリンダポンプ等の機械式液体移送ポンプと比べて、部品点数や組み立て工数を減らして製造コストを低減でき、また、小型化も可能になる。さらに、機械式ポンプと比べて動作音も小さい。
尚、第1区域92の円周方向突起95,97と第2区域93の径方向突起96,98の数及び間隔は、任意に設定することができるものであるが、圧電層81及び振動板80の変形量をより大きくするためには、第1区域92の円周方向突起95,97の間隔及び第2区域93の径方向突起96,98の間隔はできるだけ狭いことが好ましい。
また、この第2実施形態においても、前記第1実施形態に対するものと同様の変更を加えることができる。例えば、第1区域92に円周方向に沿って延在する円周方向突起が配置され、第2区域93に径方向に沿って延在する径方向突起が配置され、第1電界E1と第2電界E2の向きが、前記第2実施形態とは逆であってもよい。また、圧電層81の下面(振動板80の上面)に第1電極82及び第2電極84が配置されていてもよい。さらに、振動板80が省略されて、圧電層81がポンプ本体部71の上面に直接接合されていてもよい。
本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 圧電層に作用する電界の方向を示す図2の一部拡大図である。 圧電層の変形の方向を示す図2の一部拡大図である。 図4のA−A線断面図である。 図4のB−B線断面図である。 変更形態1のインクジェットヘッドの、圧電層に作用する電界の方向を示す一部拡大図である。 変更形態1のインクジェットヘッドの、圧電層の変形の方向を示す一部拡大図である。 図8のC−C線断面図である。 変更形態2のインクジェットヘッドの、圧電層に作用する電界の方向を示す一部拡大図である。 変更形態2のインクジェットヘッドの、圧電層の変形の方向を示す一部拡大図である。 変更形態3の図6相当の断面図である。 変更形態4の図5相当の断面図である。 変更形態5のインクジェットヘッドの一部拡大図である。 図15のD−D線断面図である。 図15のE−E線断面図である。 変更形態6の図5相当の断面図である。 変更形態7の図5相当の断面図である。 変更形態8の図5相当の断面図である。 変更形態9の図6相当の断面図である。 第2実施形態のポンプの縦断面図である。 圧電層に作用する電界の方向を示すポンプの平面図である。 圧電層の変形の方向を示すポンプの平面図である。 液体貯留部への液体流入状態を示す図である。 液体貯留部からの液体流出状態を示す図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 流路ユニット
3 圧電アクチュエータ
10a 隔壁
14 圧力室
20 ノズル
30,30F,30G 振動板
31,31E,31G,31H 圧電層
32,32A,32B 個別電極
34,34A,34B 共通電極
40 内側領域
41 外側領域
42 第1区域
43 第2区域
45,45B 長手方向突起
45A 幅方向突起
46,46B 幅方向突起
46A 長手方向突起
47,47B 長手方向突起
47A 幅方向突起
48,48B 幅方向突起
48A 長手方向突起
60 柱状部
61 溝
62 貫通穴
63 溝
64 溝
70 ポンプ
72 圧電アクチュエータ
80 振動板
81 圧電層
82 第1電極
84 第2電極
90 内側領域
91 外側領域
92 第1区域
93 第2区域
95 円周方向突起
96 径方向突起
97 円周方向突起
98 径方向突起
E1 第1電界
E2 第2電界

Claims (17)

  1. 厚み方向への変形が規制された外側領域、及び、前記外側領域に挟まれ且つ厚み方向に変形可能な内側領域が画定された圧電層と、
    前記圧電層に一体に形成された第1電極と、
    前記圧電層に一体に形成された第2電極とを備えており、
    前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに異なる電位であるときに、前記内側領域内の前記内側領域の中心を含む第1区域に、前記圧電層の表面に平行な面内成分を有する第1電界が形成されると共に、前記内側領域内において前記第1区域と異なる第2区域であって、前記内側領域と前記外側領域との境界と前記第1区域の外縁との間に設けられた第2区域に、前記第1電界が有する前記面内成分とは交差する方向を向いた前記面内成分を有する第2電界が形成されるように配置されており、
    前記圧電層は、前記第1区域内において、前記第1電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記第2区域内において、前記第2電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、
    前記内側領域は、一方向に関する長さが前記一方向と直交する方向に関する長さよりも長い細長形状を有しており、
    前記第1電界の面内成分が、前記一方向と直交する方向を向いており、
    前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1区域において前記一方向に延在した一又は複数の長手方向突起と、前記第2区域において前記一方向と交差する方向に延在した複数の幅方向突起とを有するパターンにそれぞれ形成されており、
    前記第1電極の前記長手方向突起と前記第2電極の前記長手方向突起とが交互に配置され、且つ、前記第1電極の前記幅方向突起と前記第2電極の前記幅方向突起とが交互に配置されていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 厚み方向への変形が規制された外側領域、及び、前記外側領域に挟まれ且つ厚み方向に変形可能な内側領域が画定された圧電層と、
    前記圧電層に一体に形成された第1電極と、
    前記圧電層に一体に形成された第2電極とを備えており、
    前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに異なる電位であるときに、前記内側領域内の前記内側領域の中心を含む第1区域に、前記圧電層の表面に平行な面内成分を有する第1電界が形成されると共に、前記内側領域内において前記第1区域と異なる第2区域であって、前記内側領域と前記外側領域との境界と前記第1区域の外縁との間に設けられた第2区域に、前記第1電界が有する前記面内成分とは交差する方向を向いた前記面内成分を有する第2電界が形成されるように配置されており、
    前記圧電層は、前記第1区域内において、前記第1電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記第2区域内において、前記第2電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、
    前記内側領域は、一方向に関する長さが前記一方向と直交する方向に関する長さよりも長い細長形状を有しており、
    前記第1電界の面内成分が、前記一方向を向いており、
    前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1区域において前記一方向と交差する方向に延在した複数の幅方向突起と、前記第2区域において前記一方向に延在した一又は複数の長手方向突起とを有するパターンにそれぞれ形成されており、
    前記第1電極の前記幅方向突起と前記第2電極の前記幅方向突起とが交互に配置され、且つ、前記第1電極の前記長手方向突起と前記第2電極の前記長手方向突起とが交互に配置されていることを特徴とするアクチュエータ。
  3. 厚み方向への変形が規制された外側領域、及び、前記外側領域に挟まれ且つ厚み方向に変形可能な内側領域が画定された圧電層と、
    前記圧電層に一体に形成された第1電極と、
    前記圧電層に一体に形成された第2電極とを備えており、
    前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに異なる電位であるときに、前記内側領域内の前記内側領域の中心を含む第1区域に、前記圧電層の表面に平行な面内成分を有する第1電界が形成されると共に、前記内側領域内において前記第1区域と異なる第2区域であって、前記内側領域と前記外側領域との境界と前記第1区域の外縁との間に設けられた第2区域に、前記第1電界が有する前記面内成分とは交差する方向を向いた前記面内成分を有する第2電界が形成されるように配置されており、
    前記圧電層は、前記第1区域内において、前記第1電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、前記第2区域内において、前記第2電界の前記面内成分と同じ方向を向いた前記面内成分を有するように分極しており、
    前記内側領域は、円形形状を有しており、
    前記第1電界の面内成分が、前記内側領域の径方向を向いていることを特徴とするアクチュエータ。
  4. 前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1区域において円周方向に沿って延在した一又は複数の円周方向突起と、前記第2区域において前記径方向に延在した複数の径方向突起とを有するパターンにそれぞれ形成されており、
    前記第1電極の前記円周方向突起と前記第2電極の前記円周方向突起とが交互に配置され、且つ、前記第1電極の前記径方向突起と前記第2電極の前記径方向突起とが交互に配置されていることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ。
  5. 前記第1電極と前記第2電極とが、前記圧電層の厚さ方向に関して同じ位置に形成されており、
    前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに異なる電位であるときに、前記内側領域内の前記第1区域に、前記面内成分だけを有する前記第1電界が形成されると共に、前記第2区域に、前記面内成分だけを有し且つ前記第1電界とは交差する方向を向いた前記第2電界が形成されるように配置されており、
    前記圧電層は、前記第1区域内において、前記第1電界と同じ方向に分極しており、前記第2区域内において、前記第2電界と同じ方向に分極していることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のアクチュエータ。
  6. 前記第1電極及び前記第2電極が、共に前記圧電層の一方の面に設けられていることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ。
  7. 前記第1電極及び前記第2電極が、前記圧電層内に埋め込まれた導電性材料からなる複数の柱状部とそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ。
  8. 前記圧電層が積層される振動板をさらに備えていることを特徴とする請求項又はに記載のアクチュエータ。
  9. 前記圧電層の前記一方の面が、前記振動板と対向した面とは反対側の面であることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ。
  10. 前記振動板には、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されていることを特徴とする請求項又はに記載のアクチュエータ。
  11. 前記圧電層には、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されていることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のアクチュエータ。
  12. 前記圧電層が積層される振動板をさらに備えており、
    前記振動板には、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されており、
    前記内側領域は、一方向に関する長さが前記一方向と直交する方向に関する長さよりも長い細長形状を有しており、
    前記低弾性率部が前記一方向と交差する方向に延在した溝であることを特徴とする請求項又はに記載のアクチュエータ。
  13. 前記圧電層には、弾性率が周囲よりも小さい低弾性率部が形成されており、
    前記内側領域は、一方向に関する長さが前記一方向と直交する方向に関する長さよりも長い細長形状を有しており、
    前記低弾性率部が前記一方向と交差する方向に延在した溝であることを特徴とする請求項又はに記載のアクチュエータ。
  14. 前記第1電界の前記面内成分の向いている方向が、前記第2電界の前記面内成分の向いている方向と直交していることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載のアクチュエータ。
  15. 前記外側領域が前記内側領域を包囲していることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載のアクチュエータ。
  16. 前記第2区域が前記第1区域を包囲していることを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載のアクチュエータ。
  17. 隔壁によって画定されることによって表面の凹部として形成された圧力室を有する流路部材と、
    前記圧電層の前記表面と直交する方向に関して、前記圧電層の前記外側領域が前記隔壁に重なり且つ前記圧電層の前記内側領域が前記圧力室に重なるように、前記流路部材に固定された請求項1〜16の何れかに記載のアクチュエータとを備えていることを特徴とする液体移送装置。
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