JP2007210127A - 液滴吐出ヘッドの製造方法、および液滴吐出ヘッド - Google Patents

液滴吐出ヘッドの製造方法、および液滴吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル周辺の撥水性に優れ、液滴の吐出方向性が良好な液滴吐出ヘッドの製造方法、および液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】この液滴吐出ヘッドの製造方法は、ノズル2aが形成されるノズルプレート2の表面に、ノズル周辺の表面に凸部を形成するためのプレートであって、ノズルプレート2に接合される面9cの表面粗さ(Rz)が0.4μm以下の凸部プレート9を接合する第1の工程と、ノズルプレート2の裏面に連通孔3aを有するプールプレート3を接合する第2の工程と、ノズルプレート2の表面と凸部9aの側面及び表面に撥水膜10を形成する第3の工程と、ノズルプレート2の裏面側から、連通孔3aを通して貫通孔を穿設し、ノズルプレート2にノズル2aを形成する第4の工程とを含むものである。
【選択図】図5A

Description

本発明は、用紙にインク滴を吐出して画像を記録するインクジェットヘッド等の液滴吐出ヘッドの製造方法、および液滴吐出ヘッドに関する。
ノズルからインクを微細な液滴状にして吐出することにより画像記録を行うためのインクジェットヘッドとしては、一般に、ノズルが形成されるとともに表面に撥水膜が形成されたノズルプレートと、ノズルに連通する連通孔が形成されたプールプレートとを備えたものが用いられている。このように、ノズルプレートの表面に撥水膜を形成するのは、ノズルプレートの吐滴側表面へのインク滴の付着を防止し、ノズルプレートの吐滴側表面の均一性を高め、インク滴の吐出方向性の安定化を図るためである。また、このような撥水膜を紙ジャム等による機械的な磨耗から保護するために、ノズルの周辺に凸部を形成することが行われている。
このようなノズルの周辺に凸部が形成された従来のインクジェット記録ヘッドとして、例えば、インクを吐出するノズルと、このノズルが形成された基板上に金属板を積層して形成され、かつ表面に撥水処理が施された凹部を有するインクジェット記録ヘッドが開示されている(特許文献1参照)。このインクジェット記録ヘッドは、金属板をプレス加工やエッチングにより凹部を形成している。
また、ノズルの周辺の凸部を有していないインクジェット記録ヘッドとして、例えば、
特許文献2に記載されたものがある。このインクジェット記録ヘッドは、ノズルプレートのインク吐出側の面(表面)の表面算術平均粗さ(Ra)を0.5μmとし、その表面に撥インク部の樹脂膜(撥水膜)を形成したものであり、これにより、撥水膜とのアンカー効果により撥水膜との密着性が保持され、撥水膜の強度を向上することができる。また、このインクジェット記録ヘッドは、撥水膜の表面の算術平均粗さ(Ra)を0.1〜0.5μmとしたものであり、これにより、ゴムや布等からなるワイパを用いてノズル開口面を拭くワイピングに対して撥水膜の撥インク性を充分に保持することができる。
特許第3108771号(請求項1、段落[0019]) 特開2005−103793号公報(段落[0068]、[0074])
しかし、特許文献1に開示されたインクジェット記録ヘッドの場合、凸部を形成する金属板(凸部プレート)の、ノズルが形成される基板(ノズルプレート)と接合される面(裏面)の表面粗さが規定されていないため、金属板の裏面が粗く形成されていると、ノズルプレートのノズル周辺の表面の撥水膜の表面粗さが大きくなり、撥インク性が不十分で、インクの吐出方向性が悪化するという問題がある。
図8(a)〜(d)は、その従来の問題点を説明するための工程図である。また、図8(a)に示すように、平板状の凸部プレート19とノズルプレート2とを接合してから、図8(b)に示すように、エッチング等により凸部プレート19に凸部19aを形成する場合、凸部プレート19の裏面19cが粗く形成されていると、接合時に、このような凸部プレート19の裏面19cの凹凸が、ノズルプレート2の表面に転写されてしまう。このため、図8(c)に示すように、ノズルプレート2の表面、および凸部19aの側面および表面に撥水膜10を形成し、図8(d)に示すように、レーザー等によってノズルプレート2にノズル2aを形成した後、ノズル周辺の撥水膜10の表面が粗くなってしまい、撥インク性が不十分で、ノズルプレート2の表面へのインクの付着によってインクの吐出方向性が悪化するという問題がある。
特許文献2の発明では、ノズルの周辺に凸部を有していないため、紙ジャム等による機械的な磨耗から撥水膜を保護することができず、吐出方向性、撥水性が劣化するおそれがある。
従って、本発明の目的は、ノズル周辺の撥水性に優れ、液滴の吐出方向性が良好な液滴吐出ヘッドの製造方法、および液滴吐出ヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、以下の液滴吐出ヘッドの製造方法を提供する。
[1]ノズルが形成されるノズルプレートの表面に、前記ノズル周辺の表面に凸部を形成するためのプレートであって、前記ノズルプレートに接合される面の表面粗さ(Rz)が0.4μm以下の凸部プレートを接合する第1の工程と、前記ノズルプレートの裏面に連通孔を有するプールプレートを接合する第2の工程と、前記ノズルプレートの表面と前記凸部の側面及び表面に撥水膜を形成する第3の工程と、前記ノズルプレートの裏面側から、前記連通孔を通して貫通孔を穿設し、前記ノズルプレートに前記ノズルを形成する第4の工程とを含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
上記液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、凸部を形成するための凸部プレートの裏面とノズルを形成するためのノズルプレートの表面とを接合すると、凸部プレートの裏面の表面粗さがノズルプレートの表面に転写される。従って、凸部プレートとして、その裏面の表面粗さ(Rz)、すなわちJIS B 0601で規定する十点平均粗さが0.4μm以下のものを用いることにより、凸部を形成した後の凸部間に露出したノズルプレートの表面粗さも0.4μm以下となり、その表面に形成される撥水膜の表面粗さを小さくすることができる。これにより、優れた撥水性が得られ、液滴の吐出方向性を良好なものとすることができる。また、ノズル周辺に凸部を形成することにより、ノズル周辺の撥水膜を紙ジャム等による機械的な磨耗から保護することができる。
[2]前記第1の工程は、前記凸部プレートとして、その厚さが15〜50μmであるものを用いることを特徴とする前記[1]に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。この構成によれば、凸部の厚さを50μm以下とすることにより、ワイピング時に凹部に残留したインクを容易に除去することができる。また、凸部の厚さを15μm以上とすることにより、ノズル周辺の撥水膜を紙ジャム等による機械的な摩耗から有効に保護することができる。
[3]前記第1の工程は、前記凸部プレートとして、さらにその表面の表面粗さ(Rz)が0.1〜0.4μmであるものを用いることを特徴とする前記[1]に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。これにより、撥水膜の凸部プレートへの着膜性が良好となり、凸部表面の撥水性を向上させることができ、液滴の吐出方向性をさらに良好なものとすることができる。
[4]前記第1の工程は、前記凸部プレートとして、SUSからなるものを用いることを特徴とする前記[1]に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。このように構成することによって、ノズルプレートの剛性が高くなって、各工程での取り扱いが容易になる他、用紙ジャムによって凸部へ用紙が接触した場合でも、凸部の損傷がなく、高い信頼性を得ることができる。
[5]前記第1の工程は、前記ノズルプレートとして、自己融着型のポリイミドフィルムから構成されたものを用い、前記ノズルプレートと前記凸部プレートとを加熱加圧により接合することを特徴とする前記[1]に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。この構成によれば、接着剤を用いずにノズルプレートと凸部プレートとを接合することができる。
[6]ノズルを有するノズルプレートと、前記ノズルプレートの表面に接合され、前記ノズル周辺の表面に凸部を有するプレートであって、前記ノズルプレートに接合される面の表面粗さ(Rz)が0.4μm以下の凸部プレートと、前記ノズルプレートの前記ノズル周辺の表面、および前記凸部の側面および表面に形成された撥水膜とを備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
上記液滴吐出ヘッドによれば、例えば、凸部を形成するための凸部プレートの裏面とノズルを形成するためのノズルプレートの表面とを接合すると、凸部プレートの裏面の表面粗さがノズルプレートの表面に転写される。従って、凸部プレートとして、その裏面の表面粗さ(Rz)が0.4μm以下のものを用いることにより、凸部を形成した後の凸部間に露出したノズルプレートの表面粗さも0.4μm以下となり、その表面に形成される撥水膜の表面粗さを小さくすることができる。これにより、優れた撥水性が得られ、液滴の吐出方向性を良好なものとすることができる。また、ノズル周辺に凸部を形成することにより、ノズル周辺の撥水膜を紙ジャム等による機械的な磨耗から保護することができる。
[7]前記凸部プレートは、さらにその表面の表面粗さ(Rz)が0.1〜0.4μmであることを特徴とする前記[6]に記載の液滴吐出ヘッド。これにより、撥水膜の凸部プレートへの着膜性が良好となり、凸部表面の撥水性を向上させることができ、液滴の吐出方向性をさらに良好なものとすることができる。
本発明によって、ノズル周辺の撥水性に優れ、液滴の吐出方向性が良好となる。
[第1の実施の形態]
(液滴吐出ヘッドの構成)
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドを示し、図1は平面図、図2(a)は図1のA−A線断面図、図2(b)は図2(a)のB部詳細図、図3は液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。なお、図1および図3では、後述するフレキシブルプリント配線基板を省略している。
この液滴吐出ヘッド1は、図1に示すように、略平行四辺形の振動板7と、振動板7上に2次元状に配置された複数の圧電素子8と、複数の圧電素子8に対向する位置に形成された複数のノズル2aとを有し、複数の圧電素子8を覆うように、圧電素子8に電圧を印加するためのフレキシブルプリント配線基板(図示せず。以下「FPC」という。)を設け、FPCを介して圧電素子8を駆動することにより、内部に貯留されている液体がノズル2aから液滴として吐出するように構成されている。なお、同図では、圧電素子8が18個図示されているが、実際は1024個配置されている。
また、液滴吐出ヘッド1は、図2(a)に示すように、ノズル2aが形成されたノズルプレート2を有し、このノズルプレート2の吐出側と反対側の面(裏面)に、連通孔3a及び液プール3bを有するプールプレート3と、連通孔4a、供給孔4b及び供給路4c(図3参照)を有する第1の供給孔プレート4Aと、連通孔5a、供給路5b及び供給路5c(図3参照)を有する供給路プレート5と、連通孔4a、供給孔4b及び供給路4c(図3参照)を有する第2の供給孔プレート4Bと、圧力発生室6a及び供給孔6b(図3参照)を有する圧力発生室プレート6と、上記振動板7と、上記圧電素子8と、上記FPC12を順次積層して構成されている。
さらに、液滴吐出ヘッド1は、図2(b)に示すように、ノズルプレート2の吐出側の面(表面)に、ノズル2a周辺に凸部9aが形成されるように、凸部プレート9が接合されており、ノズルプレート2のノズル2a周辺の表面、及び凸部9aの表面及び側面に下地層10a及び撥水層10bからなる撥水膜10を形成している。
次に、各部の構成について説明する。
凸部プレート9としては、その材質がSUS等の金属材からなり、その厚さが15μm以上、具体的には15〜50μmであることが好ましく、20〜30μmであることがさらに好ましい。また、凸部プレート9の少なくとも裏面9cの表面粗さ(Rz)が、0.4μm以下であることが好ましく、さらに表面9bの表面粗さ(Rz)が0.1〜0.4μmであることがさらに好ましい。
撥水膜10の厚さは、ノズル加工の点で10〜30nmであることが好ましい。撥水膜10の下地層10aとして、例えば、厚さが30〜100nmの、SiO、SiO、SiO等のシリコン酸化膜、又はSi、SiN等のシリコン窒化膜を用いることが、耐インク性に優れるとともに、ノズルプレート2として用いるポリイミドのような樹脂及び撥水層10bに用いるフッ素系撥水材料との密着性にも優れていることから好ましい。撥水膜10の撥水層10bとしては、例えば、厚さが10〜30nmのフッ素系撥水膜、シリコン系撥水膜、プラズマ重合保護膜、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ニッケル共析めっき等を挙げることができる。下地層10a及び撥水層10bを形成する方法としては、例えば、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等を挙げることができる。
振動板7は、図1に示すように、図示しない液体タンクから液体がヘッド1内部に供給される供給孔7aが形成され、略平行四辺形である。また、振動板7は、導電性および弾性を有する、例えば、SUS等の金属材、異種金属の複合材、金属と樹脂との複合材、樹脂の表面にスパッタリングや蒸着により金属膜を形成した表面処理材等を用いることができる。
圧電素子8は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等から構成され、上面に個別電極8a、下面に共通電極8bを有している。個別電極8a及び共通電極8bは、スパッタリング等により形成されており、下面の共通電極8bは、導電性接着剤により振動板7に電気的に接続され、振動板7を介して接地されている。また、圧電素子8は、少なくとも液滴を吐出するために必要とされる面積が圧力発生室6aに対応する振動板7の位置に個別化されて接合されている。
FPC12は、各圧電素子8の個別電極8aにそれぞれハンダにより接続された導電パターン12aと、導電パターンの端部に設けられた端子とを有する。
ノズルプレート2は、耐インク性、耐熱性等の観点から、例えば、自己融着型のポリイミド樹脂からなり、プールプレート3、第1の供給孔プレート4A、供給路プレート5、第2の供給孔プレート4B、および圧力発生室プレート6は、耐インク性の観点からSUS等の金属からなる。
(液体の流れ)
液体の流れについて、図3を参照して説明する。振動板7の供給孔7aに供給された液体は、圧力発生室プレート6の供給孔6b、第2の供給孔プレート4Bの供給路4c、供給路プレート5の供給路5c、第1の供給孔プレート4Aの供給路4c、プールプレート3の液プール3b、第1の供給孔プレート4Aの供給孔4b、供給路プレート5の供給路5b、第2の供給孔プレート4Bの供給孔4b、圧力発生室プレート6の圧力発生室6a、第2の供給孔プレート4Bの連通孔4a、供給路プレート5の連通孔5a、第1の供給孔プレート4Aの連通孔4a、およびプールプレート3の連通孔3aを経由して、ノズルプレート2のノズル2aから液滴として吐出する。
図4は、凸部9aの形状を模式的に示す斜視図である。本実施の形態では、図4(a)に示すように、凸部9a間に形成された凹部は、ノズル2a毎に形成されている。なお、
図4(b)に示すように、複数(同図では3つ)のノズル2a毎に凸部9a間の凹部が形成されていてもよい。また、図4(c)に示すように、複数(同図では3つ)のノズル2a毎に凸部9a間の凹部が形成され、かつ、凹部の両端が開放された溝形状になっていてもよい。
(液滴吐出ヘッドの製造方法)
以下、図5を参照しつつ、液滴吐出ヘッド1の製造方法を説明する。
図5(a1)に示すように、自己融着型のポリイミドフィルムから構成されたノズルプレート2の表面に、SUSから構成された、ノズルプレート2の裏面の表面粗さ(Rz)が0.4μm以下の平板状の凸部プレート9を加熱加圧により接合する。
次に、図5(a2)に示すように、凸部プレート9上にフォトリソグラフィ法により凸部9aを形成する。
次に、図5(b)に示すように、ノズルプレート2の裏面に、連通孔3aを有したSUSから構成されたプールプレート3を加熱加圧によって接合する。
次に、図5(c)に示すように、ノズルプレート2の表面及び凸部9aの表面及び側面に、下地層10aとしてスパッタリング法によりSiO膜を着膜させて、その後、蒸着法によってフッ素系撥水剤からなる撥水層10bを着膜させる。
次に、図5(d)に示すように、撥水層10bの表面を真空中において保護層11で被覆する。
次に、図5(e)に示すように、プールプレート3側から連通孔3aを通してエキシマレーザー等のレーザーを照射することによって貫通孔を穿設し、ノズルプレート2にノズル2aを形成する。
次に、図5(f)に示すように、保護層11を剥離して、第1の積層体S1を得る。
次に、図2及び図5(g)に示すように、それぞれSUSから構成された第1の供給孔プレート4A、供給路プレート5、第2の供給孔プレート4B及び圧力発生室プレート6を、接着剤を用い、加熱加圧により接合し、また、振動板7及び圧電素子8を接着剤により接合して第2の積層体S2を得る。
次に、図2及び図5(h)に示すように、上述のようにして得られた第1の積層体S1と第2の積層体S2とを、接着剤を用いて、撥水膜10の耐熱温度より低い加熱加圧で接合し、さらに圧電素子8にFPC12を接着剤によって接合して、液滴吐出ヘッド1を得る。
(第1の実施の形態の効果)
上述した第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ)凸部プレート9の、ノズルプレート2と接合される面(裏面)の表面粗さ(Rz)を、0.4μm以下としたことによって、ノズル周辺の凸部プレート9の表面の撥水性を向上させることができ、液滴の吐出方向性を良好なものとすることができる。
(ロ)ノズル2aの周辺に凸部9aを設けることにより、ノズル2a周辺の撥水膜10を紙ジャム等による機械的な摩耗から保護することができる。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る製造工程を示す断面図である。第1の実施の形態では、図5(a1)、(a2)に示すように、ノズルプレート2の上に凸部プレート9を接合した後に、エッチングにより凸部プレート9に凸部9aを形成したが、本実施の形態では、図6に示すように、すでに凸部9aが形成された凸部プレート9とノズルプレート2とを接合するものである。すなわち、この実施の形態の図6に示す工程よりも後の工程は、第1の実施の形態における図5(b)以降に示す工程と同様になる。
この場合も、凸部プレート9としては、その材質がSUS等の金属材からなり、その厚さが15μm以上、具体的には15〜50μmであることが好ましく、20〜30μmであることがさらに好ましい。また、凸部プレート9は、裏面の表面粗さ(Rz)が0.4μm以下、表面の表面粗さ(Rz)が0.1〜0.4μmのものを用いる。
[第3の実施の形態]
(カラープリンタの構成)
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る液滴吐出装置を適用したカラープリンタの構成図である。このカラープリンタ100は、略箱型状の筐体101を有し、筐体101内の下部に、用紙Pを収容する給紙トレイ20、筐体101内の上部に、記録済みの用紙Pが排出される排紙トレイ21を各々配設し、給紙トレイ20から記録位置102を経由して排紙トレイ21に至る主搬送路31a〜31e、及び排紙トレイ21側から記録位置102側に至る反転搬送路32に沿って用紙Pを搬送する搬送機構30を有している。
記録位置102には、図1に示す液滴吐出ヘッド1の複数個を並列させて液滴吐出ヘッドユニットを構成し、4個の液滴吐出ヘッドユニットをそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドユニット41(41Y、41M、41C、41K)として用紙Pの搬送方向に配列して液滴吐出ヘッドアレイを構成している。詳細の配置は、後述する。
また、カラープリンタ100は、用紙Pを吸着する吸着手段としての帯電ロール43と、無端ベルト35を介して液滴吐出ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kに対向して配置されたプラテン44と、液滴吐出ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kの近傍に配置されたメンテナンスユニット45と、本カラープリンタ100の各部を制御するとともに、画像信号に基づいて液滴吐出ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kを構成する液滴吐出ヘッド1の圧電素子8に駆動電圧を印加し、ノズル2aからインク滴を吐出させ、用紙P上のカラー画像を記録する図示しない制御部とを備える。
液滴吐出ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kは、用紙Pの幅以上の有効印字領域を有する。なお、液滴を吐出させる方法として、圧電方式を用いたが、特に制限はなく、例えば、サーマル方式等の汎用されている方式を適宜用いることができる。
液滴吐出ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kの上部には、液滴吐出ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kに対応する色のインクを収容するインクタンク42Y、42M、42C、42Kを配設している。各インクタンク42Y、42M、42C、42Kからは、インクが各液滴吐出ヘッド1に図示しない配管を経由して供給されるように構成されている。
インクタンク42Y、42M、42C、42Kに収容されるインクとしては特に制限はなく、例えば、水性、油性、溶剤系等の汎用されているインクを適宜用いることができる。
搬送機構30は、給紙トレイ20から用紙Pを1枚ずつ取り出して主搬送路31aに供給するピックアップロール33と、主搬送路31a、31b、31d、31e、及び反転搬送路32の各部に配置され、用紙Pを搬送する複数の搬送ロール34と、記録位置102に設けられ、用紙Pを排紙トレイ21方向に搬送する無端ベルト35と、無端ベルト35が張架された駆動ロール36及び従動ロール37と、搬送ロール34及び駆動ロール36を駆動する図示しない駆動モータとを備える。
(カラープリンタの動作)
次に、カラープリンタ100の動作を説明する。搬送機構30は、制御部の制御の下に、ピックアップロール33及び搬送ロール34を駆動し、給紙トレイ20から用紙Pを取り出して主搬送路31a,31bに沿って搬送する。用紙Pが無端ベルト35の近傍に差し掛かると、帯電ロール43の静電吸着力によって用紙Pに電荷が付与され、用紙Pは無端ベルト35に吸着する。
無端ベルト35は、駆動ロール36の駆動によって回転移動し、用紙Pが記録位置102に搬送されると、液滴吐出ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kによってカラー画像が記録される。
すなわち、図2に示す液滴吐出ヘッド1の液プール3bは、インクタンク42Y、42M、42C、42Kから供給されたインクで満たされており、液プール3bからインクが供給孔4b及び供給路5bを介して圧力発生室6aに供給され、圧力発生室6aにインクが貯留している。制御部が、画像信号に基づいて複数の圧電素子8に駆動電圧を選択的に印加すると、振動板7は圧電素子8の変形に伴ってたわみ、これにより、圧力発生室6a内の容積が変化し、圧力発生室6aに貯留しているインクが連通孔5a,4a,3aを介してノズル2aからインク滴として用紙P上に吐出し、用紙Pに画像を記録する。用紙Pは、Y、M、C、Kの画像が順次上書きされ、カラー画像が記録される。
カラー画像が記録された用紙Pは、搬送機構30によって主搬送路31dを経由して排紙トレイ21に排出される。
なお、両面記録モードが設定されている場合は、排紙トレイ21に一旦排出された用紙Pは、再び主搬送路31eに戻り、反転搬送路32を経由して再び主搬送路31bを経由して記録位置102に搬送され、液滴吐出ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kによって前回記録された用紙Pの面と反対の面にカラー画像が記録される。
(第3の実施の形態の効果)
上述した第3の実施の形態によれば、ノズル周辺の撥水性に優れ、液滴の吐出方向性が良好な液滴吐出ヘッド1を用いているので、高精細、高画質のカラー画像を提供することができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲内で色々変形実施が可能である。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出することによって高精細な画像情報のパターンを形成することが要請される各種産業分野、例えば、高分子フィルムやガラス表面上にインクジェット法を用いてインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルタを形成したり、半田ペーストを基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成したり、回路基板の配線を形成する等の電気・電子工業分野、ガラス基板等に反応試薬を吐出してサンプルとの反応を検査するバイオチップを製造する医療分野等で有効に利用される。
本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの平面図である。 (a)は図1のA−A線断面図、(b)は(a)のB部詳細図である。 図1に示す液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。 (a)〜(c)は、凸部の各種形状を模式的に示す斜視図である。 (a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法を模式的に示す断面図である。 (f)〜(h)は、本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る液滴吐出装置を適用したカラープリンタの構成図である。 (a)〜(d)は、従来の問題点を説明するための工程図である。
符号の説明
1 液滴吐出ヘッド
2 ノズルプレート
2a ノズル
3 プールプレート
3a 連通孔
3b 液プール
4A,4B 供給孔プレート
4a 連通孔
4b 供給孔
4c 供給路
5 供給路プレート
5a 連通孔
5b,5c 供給路
6 圧力発生室プレート
6a 圧力発生室
6b 供給孔
7 振動板
7a 供給孔
8 圧電素子
8a 個別電極
8b 共通電極
9 凸部プレート
9a 凸部
9b 凸部プレートの表面
9c 凸部プレートの裏面
10 撥水膜
10a 下地層
10b 撥水層
11 保護層
12 フレキシブルプリント配線基板(FPC)
19 凸部プレート
19a 凸部
20 給紙トレイ
21 排紙トレイ
30 搬送機構
31a〜31e 主搬送路
32 反転搬送路
33 ピックアップロール
34 搬送ロール
35 無端ベルト
36 駆動ロール
37 従動ロール
41Y、41M、41C、41K 液滴吐出ヘッドユニット
42Y、42M、42C、42K インクタンク
43 帯電ロール
44 プラテン
45 メンテナンスユニット
50 制御部
100 カラープリンタ
101 筐体
102 記録位置
P 用紙
S1 積層体
S2 積層体

Claims (7)

  1. ノズルが形成されるノズルプレートの表面に、前記ノズル周辺の表面に凸部を形成するためのプレートであって、前記ノズルプレートに接合される面の表面粗さ(Rz)が0.4μm以下の凸部プレートを接合する第1の工程と、
    前記ノズルプレートの裏面に連通孔を有するプールプレートを接合する第2の工程と、
    前記ノズルプレートの表面と前記凸部の側面及び表面に撥水膜を形成する第3の工程と、
    前記ノズルプレートの裏面側から、前記連通孔を通して貫通孔を穿設し、前記ノズルプレートに前記ノズルを形成する第4の工程とを含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記第1の工程は、前記凸部プレートとして、その厚さが15〜50μmであるものを用いることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記第1の工程は、前記凸部プレートとして、さらにその表面の表面粗さ(Rz)が0.1〜0.4μmであるものを用いることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記第1の工程は、前記凸部プレートとして、SUSからなるものを用いることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記第1の工程は、前記ノズルプレートとして、自己融着型のポリイミドフィルムから構成されたものを用い、前記ノズルプレートと前記凸部プレートとを加熱加圧により接合することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. ノズルを有するノズルプレートと、
    前記ノズルプレートの表面に接合され、前記ノズル周辺の表面に凸部を有するプレートであって、前記ノズルプレートに接合される面の表面粗さ(Rz)が0.4μm以下の凸部プレートと、
    前記ノズルプレートの前記ノズル周辺の表面、および前記凸部の側面および表面に形成された撥水膜とを備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 前記凸部プレートは、さらにその表面の表面粗さ(Rz)が0.1〜0.4μmであることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出ヘッド。
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