JP4973377B2 - 液体移送装置及び液体移送装置の製造方法 - Google Patents

液体移送装置及び液体移送装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、液体を移送する液体移送装置、及び、液体移送装置の製造方法に関する。
従来から、インクの液滴を噴射するインクジェットヘッドとして、インク流路の一部を構成する圧力室内のインクに噴射圧力を付与する圧電式のアクチュエータを備えているものが知られている。
例えば、特許文献1(特開2005−125773号公報(図4))のインクジェットヘッドにおいては、複数のノズル、及び、これら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室等を含む流路が形成された流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配設された圧電アクチュエータを有する。圧電アクチュエータは、複数の圧力室を覆う振動板と、この振動板の複数の圧力室と対向する領域に離散的に配置された複数の積層型圧電素子を備えている。各圧電素子内には厚み方向に電界を作用させるための複数の内部電極が設けられており、これら複数の内部電極は、圧電素子表面の個別電極と、複数の圧電素子の共通電極としての振動板にそれぞれ導通している。また、複数の圧電素子の個別電極には、可撓性を有する配線部材(フレキシブル基板:FPC)が電気的に接続されている。そして、このFPCを介して個別電極に駆動電圧が印加されたときには、圧電素子が積層方向に伸縮変形し、これに伴って振動板が変形して圧力室内の容積が変化して、圧力室内のインクに圧力が付与される。このような構成の圧電アクチュエータでは、隣接する圧電素子同士が分離されていることから、駆動電圧が印加された圧電素子の変形が隣接する圧電素子に伝播しにくく、クロストークが小さいという利点がある。
特開2005−125773号公報(図4)
しかし、前記特許文献1の圧電アクチュエータに駆動電圧を供給するFPCは、離散的に配置された複数の圧電素子の個別電極とハンダ等で接合されているだけであるため、FPCと複数の圧電素子との接合面積が小さい。そのため、製造中にFPCに対して何らかの外力が作用したときにFPCが圧電素子から剥がれやすい。また、FPCに作用した外力が特定の圧電素子に局所的に作用して、圧電素子が破損する虞がある。そのため、製造時の歩留まりが悪化する要因の1つとなっていた。さらに、個々の圧電素子は互いに孤立して振動板上に設けられているので、振動板と各圧電素子との接合面積は小さい。そのため、圧電素子と、圧電素子が設けられた振動板との間に外力が作用すると、圧電素子が振動板から個別に剥がれる虞がある。
本発明の目的は、圧電素子表面の電極に接続される配線部材に外力が作用したときの、配線部材の剥離や圧電素子の損傷が生じるのを極力防止することが可能な液体移送装置、及び、液体移送装置の製造方法を提供することである。なお、以下に示す各要素に付した括弧付き符号は、その要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、平面に沿って配置された複数の圧力室(14)を含む液体流路が形成された流路ユニット(4)と、前記圧力室(14)内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータ(5)とを有し、前記圧電アクチュエータ(5)は、前記流路ユニット(4)に前記複数の圧力室を覆うように配置された振動板(30)と、振動板(30)の前記圧力室(14)と反対側の面に配置された複数の圧電素子(31)と、前記複数の圧電素子(31)と接する前記振動板(30)の面に配置された第1電極と、前記振動板(30)と接する前記複数の圧電素子の面と反対側の面に配置された第2電極(32)と、を備え、前記複数の圧電素子(31)は、各々対応する圧力室(14)と対向して設けられているとともに、互いに孤立して設けられており、前記第2電極(32)には可撓性を有する配線部材(50)が接続されるとともに、前記振動板(30)の圧力室(14)と反対側の面において、前記複数の圧力室(14)と対向する領域を囲う領域に、前記圧電素子(31)と同じ圧電材料からなる支持部(36)が設けられており、前記配線部材(50)は、前記支持部(36)の前記振動板(30)と反対側の面に接合されている液体移送装置が提供される。
この液体移送装置において、配線部材を介して第1電極と第2電極の間に駆動電圧が印加されると、その間に配置された圧電素子に歪みが生じ、それに伴って振動板が変形する。このとき、圧力室内の容積が変化するため圧力室内の液体に圧力が付与される。ここで、本発明においては、振動板の圧力室と反対側の面における、複数の圧力室と対向する領域を囲う領域に、圧電素子と同じ圧電材料からなる支持部が設けられ、配線部材が支持部と接合されている。つまり、配線部材が、複数の第2電極との接続部に加えて、支持部において、圧電アクチュエータと接合されることになる。従って、配線部材に外力が作用したときに配線部材が圧電アクチュエータから剥離しにくくなる。ここで、圧電素子と支持部は同じ圧電材料で形成されているので、それらの熱膨張係数は同じである。温度変化が存在する状況下で液体移送装置が繰り返し使用されても、配線部材と複数の支持部との接合部に熱膨張係数の違いによる応力が発生しにくくなる。このため、配線部材に外力が作用した場合でも、配線部材が支持部から剥離しにくくなるとともに、支持部が振動板から剥離しにくくなる。また、配線部材に作用した外力が特定の圧電素子に局所的に作用して、圧電素子が破損するのを防止でき、製造時の歩留まりが向上する。さらに、支持部が圧電素子と同じ圧電材料で形成されていることから、圧電素子と支持部とを同時に形成して製造工程を簡素化することも可能になる。尚、本発明には、振動板の少なくとも圧力室と反対側の面が導電性を有し、この導電面が第1電極を兼ねている形態も含まれる。また、本願において、「支持部の振動板と反対側の面に接合されている」とは、配線部材が支持部に直接的に連結される場合にのみならず、表面電極等の他の部材を介して支持部に間接的に連結される場合も含むものとする。
本発明の液体移送装置において、前記第1電極は、前記振動板(30)の前記圧力室(14)と反対側の面に隙間なく形成された、前記複数の圧電素子(31)の共通電極であり、前記第2電極(32)は、前記複数の圧電素子(14)のそれぞれの個別電極にし得る。第2電極が個別電極である場合には、配線部材は、複数の個別電極とそれぞれ接続されることになるが、圧電アクチュエータの駆動時には、複数の個別電極に対して選択的に駆動電圧が印加されることから、複数の個別電極と配線部材とのそれぞれの接続は確実になされている必要がある。このような場合に、特に配線部材が支持部に固定されて配線部材の剥離が防止されることで、複数の個別電極に対して駆動電圧を印加するための電気的接続の信頼性が高くなる。
本発明の液体移送装置において、前記振動板(30)が、前記圧力室(14)と反対側に前記共通電極としての導電面を有し、前記支持部(36)の前記振動板(30)と反対側の面に表面電極(37)が形成されるとともに、前記表面電極(37)と前記振動板(30)の導電面とが導通し、さらに、前記配線部材(50)は、前記表面電極(37)と電気的に接続され得る。この構造によれば、振動板が圧力室と反対側に導電面を有するため、個別電極と対向して圧電素子に電界を生じさせるための共通電極を、振動板とは別に設ける必要がない。さらに、配線部材が、表面電極を介して振動板の導電面と電気的に接続されるため、共通電極としての導電面に、所定の基準電位を付与することが可能となる。
本発明の液体移送装置において、前記配線部材(50)は、前記支持部(36)の前記振動板(30)と反対側の面に、熱硬化性接着剤(40)により接合され得る。熱硬化性接着剤による接合は、ハンダによる接合よりも接合強度が強いため、配線部材の剥離がより確実に防止される。また、接着剤が熱硬化性であるため、複数の第2電極と配線部材とをハンダを加熱溶融させて接合する際に、同時に、配線部材と支持部を接合することが可能である。
本発明の液体移送装置において、前記熱硬化性接着剤(40)を導電性としてもよい。配線部材は、熱硬化性接着剤を介して表面電極と接続され、前記表面電極と前記振動板の導電面とは導通している。従って、配線部材に接続された制御部により、振動板の電位を常時グランド電位に保持することが可能である。
本発明の液体移送装置において、前記支持部(36)を、前記配線部材(50)の長手方向に延在させてもよい。それにより、支持部を面として用いることができ、表面電極と振動板とを導通させる導通部を、支持部の長手方向における任意の位置に設けることができる。
本発明の液体移送装置において、前記支持部(36)の延在する方向と直交する方向の前記支持部(36)の幅を、延在する方向において異なる幅にしてもよい。それにより、支持部と配線部材との接合面積を増やすことができる。
本発明の液体移送装置において、液体移送装置をインクジェットヘッドとしてもよい。
本発明の第2の態様に従えば、圧電アクチュエータ(5)を備える液体移送装置の製造方法であって、平面に沿って配置された複数の圧力室(14)を含む液体流路を有する流路ユニット(4)をもたらす工程と、前記流路ユニット(4)に前記複数の圧力室(14)を覆うように振動板(30)を配置する工程と、前記振動板(30)の前記圧力室(14)と反対側の面に圧電材料の粒子を離散的に堆積させることにより、互いに孤立した複数の圧電素子(31)を形成する素子形成工程と、前記複数の圧電素子(31)と接する前記振動板(30)の面に第1電極を形成する第1電極形成工程と、前記振動板(30)と接する前記複数の圧電素子(31)の面と反対側の面に第2電極(32)を形成する第2電極形成工程と、前記第2電極(32)に可撓性を有する配線部材(50)を接続する配線接続工程とを有し、前記素子形成工程において、前記振動板(30)の前記圧力室(14)と反対側の面に、前記複数の圧電素子(31)と、これら圧電素子(31)と同じ圧電材料からなる支持部(36)を同時に形成し、前記配線接続工程において、前記配線部材(50)を、前記第2電極(32)と接続するとともに、前記支持部(36)の前記振動板(30)と反対側の面に接合し、前記素子形成工程において、前記振動板の、前記複数の圧力室と対向する領域を囲う領域に、前記支持部を形成する液体移送装置の製造方法が提供される。
この液体移送装置の製造方法によれば、素子形成工程において、振動板の圧力室と反対側の面に、複数の圧電素子と、これら圧電素子と同じ圧電材料からなる支持部とを形成し、配線接続工程において、配線部材と第2電極と接続するとともに、配線部材を複数の圧力室と対向する領域を囲う領域に設けられた支持部にも接合する。つまり、配線部材が、複数の第2電極との接続部に加えて、支持部において、圧電アクチュエータと接合されることになる。従って、配線部材に外力が作用したときに配線部材が圧電アクチュエータから剥離しにくくなる。また、配線部材に作用した外力が特定の圧電素子に局所的に作用して、圧電素子が破損するのを防止でき、製造時の歩留まりが向上する。さらに、圧電素子と支持部とを同時に形成することにより、製造工程を簡素化することができる。尚、この製造方法には、振動板の少なくとも圧力室と反対側の面が導電性を有し、この導電面が第1電極を兼ねている形態も含まれる。
本発明の液体移送装置の製造方法において、前記第1電極が、前記振動板(30)の前記圧力室(14)と反対側の面に隙間なく形成され、前記複数の圧電素子(31)の共通電極であり、前記第2電極(32)が、前記複数の圧電素子(31)のそれぞれの個別電極であり、さらに、前記振動板(30)が、前記圧力室(14)と反対側に前記共通電極としての導電面を有するものであり、前記電極形成工程において、前記支持部(36)の前記振動板(30)と反対側の面に、表面電極(37)を前記複数の個別電極と同時に形成するとともに、前記表面電極(37)と前記振動板(30)の前記導電面を導通させる導通部(38)を形成し、前記配線接続工程において、前記配線部材(50)と前記表面電極(37)とを電気的に接続してもよい。
このように、振動板が圧力室と反対側に導電面を有し、この導電面が共通電極を兼ねている場合には、個別電極と対向して圧電素子に電界を生じさせるための共通電極を別に設ける必要がない。さらに、配線部材が、表面電極を介して振動板の導電面と電気的に接続されるため、共通電極としての導電面に、所定の基準電位を付与することが可能となる。
本発明の液体移送装置の製造方法において、前記配線接続工程では、前記配線部材(50)と前記支持部(36)の前記振動板(30)と反対側の面とを、熱硬化性接着剤(40)を用いて接合してもよい。熱硬化性接着剤による接合は、ハンダによる接合よりも接合強度が強いため、配線部材の剥離がより確実に防止される。また、接着剤が熱硬化性であるため、複数の第2電極と配線部材とをハンダを加熱溶融させて接合する際に、同時に、配線部材と支持部を接合することが可能である。
本発明の液体移送装置の製造方法において、前記熱硬化性接着剤を、導電性としてもよい。配線部材は、熱硬化性接着剤を介して表面電極と接続される、前記表面電極と前記振動板の導電面とは導通している。従って、配線部材に接続された制御部により、振動板の電位を常時グランド電位に保持することが可能である。
本発明の液体移送装置の製造方法において、前記支持部を前記配線部材の長手方向に延在し得る。それにより、支持部を面として用いることができ、表面電極と振動板とを導通させる導通部を、支持部の長手方向における任意の位置に設けることができる。
本発明の液体移送装置の製造方法において、前記支持部が延在する方向と直交する方向の前記支持部の幅を、長手方向において異ならせるようにしてもよい。それにより、支持部と配線部材との接合面積を増やすことができる。
本発明の液体移送装置の製造方法において、前記液体移送装置をインクジェットヘッドとし得る。
本発明によれば、振動板の圧力室と反対側の面における、複数の圧力室と対向する領域を囲う領域に、圧電素子と同じ圧電材料からなる支持部が設けられ、配線部材が支持部と接合されている。つまり、配線部材が、複数の第2電極との接続部に加えて、支持部において、圧電アクチュエータと接合されることになる。従って、配線部材に外力が作用したときに配線部材が圧電アクチュエータから剥離しにくくなる。また、配線部材に作用した外力が特定の圧電素子に局所的に作用して、圧電素子が破損するのを防止でき、製造時の歩留まりが向上する。さらに、支持部が圧電素子と同じ圧電材料で形成されているため、圧電素子と支持部とを同時に形成することが可能である。
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、液体移送装置として、インクに圧力を付与してノズルへ移送し、このノズルから記録用紙に対してインクの液滴を噴射して所望の画像や文字等を記録するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例である。
まず、本実施形態のインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタについて簡単に説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、図1の左右方向に移動可能なキャリッジ2と、このキャリッジ2に設けられて記録用紙Pに対してインクを噴射するシリアル型のインクジェットヘッド1と、記録用紙Pを図1の前方へ搬送する搬送ローラ3などを備えている。インクジェットヘッド1は、キャリッジ2と一体的に左右方向(走査方向)へ移動して、その下面に配置されたノズル20(図2〜図5参照)から記録用紙Pに対してインクを噴射して所望の文字や画像等を記録する。また、インクジェットヘッド1により画像等が記録された記録用紙Pは、搬送ローラ3により前方(紙送り方向)へ排出される。
次に、インクジェットヘッド1について説明する。図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド1は、ノズル20及び圧力室14を含むインク流路が形成された流路ユニット4と、圧力室14内のインクに噴射圧力を付与する圧電アクチュエータ5とを備えている。
まず、流路ユニット4について説明する。図4、図5に示すように、流路ユニット4はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12はステンレス鋼製の板であり、これら3枚のプレート10〜12に、後述するマニホールド17や圧力室14等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート13は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート12の下面に接着される。あるいは、このノズルプレート13も、3枚のプレート10〜12と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
図2〜図5に示すように、4枚のプレート10〜13のうち、最も上方に位置するキャビティプレート10には、平面に沿って配列された複数の圧力室14がプレート10を貫通する孔により形成されている。また、複数の圧力室14は、紙送り方向(図2の上下方向)に千鳥状に2列に配列されている。そして、複数の圧力室14は上下両側から後述の振動板30及びベースプレート11によりそれぞれ覆われている。さらに、各圧力室14は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
図3、図4に示すように、ベースプレート11の、平面視で圧力室14の両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、平面視で、2列に配列された圧力室14の連通孔15側の部分と重なるように、紙送り方向に延びる2つのマニホールド17が形成されている。これら2つのマニホールド17は、後述の振動板30に形成されたインク供給口18に連通しており、図示しないインクタンクからインク供給口18を介してマニホールド17へインクが供給される。さらに、マニホールドプレート12の、平面視で複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔16に連なる複数の連通孔19も形成されている。
さらに、ノズルプレート13の、平面視で複数の連通孔19にそれぞれ重なる位置には、複数のノズル20が形成されている。図2に示すように、複数のノズル20は、紙送り方向に沿って2列に配列された複数の圧力室14の、マニホールド17と反対側の端部とそれぞれ重なるように配置されている。つまり、複数のノズル20は、複数の圧力室14とそれぞれ対応して千鳥状に2列に配列されている。
そして、図4に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介してノズル20に連通している。このように、流路ユニット4内には、マニホールド17から圧力室14を経てノズル20に至る個別インク流路21が複数形成されている。
次に、圧電アクチュエータ5について説明する。図2〜図5に示すように、圧電アクチュエータ5は、複数の圧力室14を覆うようにキャビティプレート10の上面に配置された振動板30と、この振動板30の上面30a(圧力室14と反対側の面)の、複数の圧力室14と対向する領域にそれぞれ配置された複数の圧電素子31と、複数の圧電素子31の上面31c(振動板30と反対側の面)にそれぞれ配置された複数の個別電極32(第2電極)とを備えている。圧電素子31は、互いに孤立しており、振動板30の上面30aにおいて島状に分散している。
振動板30は、平面視で略矩形状の金属板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板30は、キャビティプレート10の上面に複数の圧力室14を覆うように配設された状態で、キャビティプレート10に接合されている。また、導電性を有する振動板30の上面30a(導電面)は、複数の圧電素子31の下面31d側に配置されることによって、上面の複数の個別電極32との間で圧電素子31に厚み方向の電界を生じさせる、複数の圧電素子31の共通電極(第1電極)を兼ねている。そのため、振動板30とは別に共通電極を設ける必要がなく、その分、圧電アクチュエータ5の構成が簡単になる。また、この共通電極としての振動板30は、常に基準電位であるグランド電位に保持される。そのための構成については後ほど詳述する。
複数の圧電素子31は、それぞれ、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなる。図2に示すように、複数の圧電素子31は、複数の圧力室14とそれぞれ対応して紙送り方向に2列に配列されている。各圧電素子31は、圧力室14よりも一回り小さい略楕円形状に形成されて、振動板30の上面30aの複数の圧力室14の中央部と対向する領域に配置された駆動部31aと、この駆動部31aの一端部(図2中の左右方向外側の端部)からその長手方向に沿って圧力室14の周縁よりも外側の領域まで突出して延びる接点配置部31bとを有する。
また、振動板30の上面の、複数の圧力室14と対向する領域よりも紙送り方向(図2の上下方向)に関して外側の領域には、複数の圧電素子31と同じ圧電材料で形成された2つの支持部36が、複数の圧電素子31を挟むように配置されている。これら2つの支持部36は圧電素子31とほぼ同じ厚みに形成されている。また、2つの支持部36の上面のほぼ全域に表面電極37が形成されており、さらに、2つの支持部36の紙送り方向に関して外側の端面には、これら支持部36の上面に配置された表面電極37と、支持部36の下側に位置する振動板30の上面30a(導電面)とにわたって、導電性材料からなる複数の導通部38が設けられており、これら複数の導通部38を介して表面電極37と振動板30の上面30aとが導通している。
各個別電極32は、略楕円形の平面形状を有し、対応する圧電素子31の駆動部31aの上面(圧電素子31の上面31c)に配置されている。また、各圧電素子31の接点配置部31bには、個別電極32の端部からその長手方向に引き出された接点部35が配置されている。そして、個別電極32から引き出された接点部35の先端部は、平面視で圧力室14の周縁よりも外側の、比較的剛性の高い領域に位置している。
また、図2〜図5に示すように、この圧電アクチュエータ5の上方には、図示しない駆動回路としてのドライバICと接続された、可撓性を有する配線部材である、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)50が、複数の圧電素子31(複数の個別電極32)を覆うように配置されている。このFPC50は、合成樹脂材料などの絶縁性且つ可撓性を有する材料からなるシート状の基材51と、この基材51の個別電極32と対向する下面に形成された複数の配線部52とを備えている。そして、FPC50の配線部52と、複数の個別電極32からそれぞれ引き出された複数の接点部35とが、ハンダ39により電気的に接続されている。これにより、ドライバICから、FPC50を介して複数の個別電極32に対して選択的に駆動電圧が印加することが可能となっている。
ところで、FPC50の複数の配線部52の一部は、複数の個別電極32とは接続されず、2つの支持部36にそれぞれ形成された表面電極37と接着剤40により機械的に接合されている。また、ここで用いられる接着剤40は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に導電性の粒子が含まれた、導電性を有する熱硬化性接着剤である。そのため、FPC50の配線部52と表面電極37とが接着剤40を介して電気的にも接続され、その結果、振動板30がFPC50の配線部52を介してドライバICと導通することになる。そして、ドライバICは、FPC50の配線部52、表面電極37、及び、導通部38を介して、複数の圧電素子31の共通電極を兼ねている振動板30の電位を、常時グランド電位に保持する。
このように、複数の圧電素子31の接点部35に電気的に接続されるFPC50が、圧電素子31と同じ厚みを有する2つの支持部36により下方から支持されるとともに、さらに、接着剤40により2つの支持部36に機械的に固定されていることから、FPC50に何らかの外力が作用したときでも、FPC50が複数の圧電素子31から剥離しにくくなり、複数の個別電極32に対して駆動電圧を印加するための電気的接続の信頼性が高くなる。また、FPC50に作用した外力が特定の圧電素子31に局所的に作用して、圧電素子31が破損するのを防止できる。さらに、図2に示すように、2つの支持部36は、複数の圧力室14(複数の圧電素子31)が配置された領域よりも外側の領域に配置されている。つまり、FPC50は、大きな外力が作用しやすい、複数の圧電素子31よりも外側の領域において2つの支持部36により固定されることから、圧電アクチュエータ5からの剥離が一層確実に防止される。特に、圧電素子と支持部は同じ圧電材料で形成されており、それらの熱膨張係数は同じである。そのため、温度変化が存在する状況下で液体移送装置が繰り返し使用されても、配線部材と複数の支持部との接合部に熱膨張係数の違いによる応力が発生しにくくなる。従って、配線部材に外力が作用した場合でも、配線部材が支持部から剥離しにくくなるとともに、支持部が振動板から剥離しにくくなる。
尚、FPC50の配線部52と表面電極37とが、前述した導電性を有する熱硬化性接着剤の代わりに、ハンダにより電気的且つ機械的に接合されていてもよい。但し、ハンダの接合強度は、熱硬化性接着剤のそれと比べると劣るため、FPC50と支持部36とを確実に接合するという観点からは、両者が熱硬化性接着剤により接合されることが好ましい。
次に、インク噴射時における圧電アクチュエータ5の作用について説明する。複数の個別電極32に対して、ドライバICからFPC50を介して選択的に駆動電圧が印加されると、駆動電圧が印加された圧電素子31の駆動部31a上側(圧電素子31の上面31c)の個別電極32と、グランド電位に保持されている圧電素子31下側(圧電素子31の下面31d)の共通電極としての振動板30の電位が互いに異なった状態となることから、個別電極32と振動板30の間に挟まれた圧電素子31に厚み方向の電界が生じる。そして、圧電素子31の分極方向と電界の方向とが同じ場合には、圧電素子31はその分極方向である厚み方向に伸びて水平方向に収縮し、この圧電素子31の収縮変形に伴って、振動板30の圧力室14と対向する部分が圧力室14側に凸となるように変形する。このとき、圧力室14の容積が減少することからその内部のインクに圧力が付与され、圧力室14に連通するノズル20からインクの液滴が噴射される。
次に、インクジェットヘッド1の製造方法について説明する。まず、流路ユニット4を構成する4枚のプレート(キャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及び、ノズルプレート13)に、エッチングやレーザー加工等によりインク流路の一部を構成する孔を形成した後、図6に示すように、これら4枚のプレート10〜13に金属製の振動板30を加えた5枚のプレートを積層して、接着剤や金属拡散接合等により接合する。
次に、図7、図8に示すように、振動板30の上面にマスク60を配置する。このマスク60は、図9に示すように、前述の圧電素子31の形状に対応した形状を有する複数の貫通状の穴60aを有し、これら複数の穴60aは、マスク60が振動板30の上面に配置されたときに複数の圧力室14の中央部にそれぞれ対向するように、2列に配列されている。また、図7に示すように、圧力室14の配列方向に関するマスク60の長さは、1列の圧力室列よりもわずかに長く、振動板30よりも短い長さとなっている。従って、振動板30の上面の、マスク60の複数の穴60aが配置された領域と、圧力室14の配列方向に関して両外側の領域が、マスク60に覆われないことになる。
このように振動板30の上面にマスク60を配置した後、図10、図11に示すように、マスク60で覆われた振動板30の上面に圧電材料の粒子を堆積させてから、図12に示すように、マスク60を振動板30から除去することで、マスク60の複数の穴60aが配置されていた領域に、駆動部31aと接点配置部31bとを有する複数の圧電素子31をそれぞれ形成する(素子形成工程)。ここで、振動板30の上面に圧電材料を堆積させる方法としては、例えば、微粒子とキャリアガスとからなるエアロゾルを基板(振動板30)に対して吹き付けて粒子を堆積させる、エアロゾルデポジション法(AD法)や、スパッタ法、CVD(化学蒸着)法などを採用することができる。圧電素子にはセラミック材料が用いられるので、そのような材料を所望の部位に堆積可能なAD法が特に有利である。
ここで、前述したように、圧力室14の配列方向に関するマスク60の長さは、振動板30よりも短いことから、複数の圧力室14と対向する領域よりも配列方向に関して外側の領域にも圧電材料の粒子が堆積することになり、図10に示すように、これらの領域に複数の圧電素子31とほぼ同じ厚みを有する2つの支持部36が形成されることになる。つまり、この素子形成工程において、振動板30の上面に複数の圧電素子31を離散的に形成するとともに、これら複数の圧電素子31の外側の領域に2つの支持部36を形成することになる。このように、同じ圧電材料からなる複数の圧電素子31と2つの支持部36とを同時に形成することができるため、製造工程が簡素化される。
次に、図13、図14に示すように、複数の圧電素子31の駆動部31a及び接点配置部31bの上面に、スクリーン印刷や蒸着法等により、導電性材料からなる複数の個別電極32及び複数の接点部35を形成する(電極形成工程)。このとき、同時に、2つの支持部36の上面のほぼ全域に表面電極37を形成する。また、2つの支持部36の、圧力室14の配列方向に関して外側の端面に、導電性材料からなる複数の導通部38を、表面電極37から振動板30の上面30aにわたって形成する。そして、これら複数の導通部38により表面電極37と振動板30とを導通させる。尚、表面電極37と導通部38はどちらを先に形成してもよい。即ち、支持部36の上面に表面電極37を形成してから導通部38を形成してもよいし、支持部36の端面に導通部38を形成してから、支持部36の上面に導通部38と接触するように表面電極37を形成してもよい。
最後に、図15に示すように、可撓性を有するFPC50を複数の個別電極32を覆うように配し、このFPC50の基材51の下面に形成された複数の配線部52と、圧電素子31の上面31cに形成された複数の接点部35とをハンダ39により接合して、両者を電気的に接続する(配線接続工程)。ここで、接点部35の先端部は、圧力室14の周縁を越えて外側の、剛性の高い領域まで引き出されているため、接点部35にFPC50の配線部52を十分に押し付けながらハンダ39で接合することができ、両者の接合状態が良好になる。
さらに、この配線接続工程において、FPC50の接点部35とは接続されない配線部52と表面電極37とを、導電性を有する接着剤40により電気的且つ機械的に接合する(図2、図5参照)。ここで、接着剤40としてエポキシ樹脂等を主成分とする熱硬化性接着剤を用いることで、ハンダ39の加熱溶融と接着剤40の加熱硬化とを同時に行うことができる。つまり、FPC50と個別電極32(接点部35)との接合と、FPC50と表面電極37との接合を同時に行って、これらの接合工程に要する時間を短縮することが可能となる。
以上説明したインクジェットヘッド1及びその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
振動板30の上面30aにおける、複数の圧力室14よりも外側の領域に、圧電素子31と同じ圧電材料からなる2つの支持部36が設けられ、これら2つの支持部36にFPC50が接合されている。つまり、FPC50が、複数の個別電極32(複数の接点部35)との接続部に加えて、支持部36において圧電アクチュエータ5と接合される。そのため、FPC50に外力が作用したときにFPC50が圧電アクチュエータ5から剥離しにくくなり、複数の個別電極32に対して駆動電圧を印加する電気的接続の信頼性が高くなる。また、FPC50に作用した外力が特定の圧電素子31に局所的に作用してこの圧電素子31が破損するのを防止することができ、製造時の歩留まりが向上する。特に、支持部36が圧電素子31と同じ材料から形成されているので、雰囲気の温度変化により生じる応力歪みがFPC50、FPC50と圧電素子31との接合部、及び圧電素子31と振動板30との接合部に生じにくい。
さらに、振動板30の上面に圧電素子31の粒子を堆積させる方法を採用することで、同じ圧電材料からなる複数の圧電素子31と2つの支持部36を同時に形成することができるため、製造工程を簡素化することができる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]FPCと接合される支持部の設置位置は、複数の圧力室と対向する領域と異なる領域内で、圧電素子の配置や流路構造等を考慮して適宜変更することができる。例えば、図16に示すように、FPC50と接合される支持部36Aが、振動板30の上面の複数の圧力室14と対向する領域を囲う領域に、複数の圧電素子31を取り囲むように形成されていてもよい。この構成によれば、FPC50に大きな外力が作用しやすい、複数の圧電素子31の外側の領域の全周でFPCが支持部36Aに固定されるため、FPC50の剥離がさらに確実に防止される。
あるいは、特に図示はしないが、振動板30の上面30aの、複数の圧電素子31の間の領域に支持部が配置されて、このような支持部とFPC50とが接合されていてもよい。この場合でも、支持部が設けられていない場合に比べて、前述したようなFPC50の剥離防止等の効果がある程度得られる。
2]前記実施形態では、全ての圧電素子がそれぞれ周囲から完全に分離された状態で配置されているが、隣接する圧電素子同士が一部において繋がっていてもよい。例えば、図17に示すように、紙送り方向に配列された圧電素子31B同士が、それらの圧電素子31Bの間において圧力室14の長手方向に延びる孔70により部分的に分断されていてもよい。この構成でも、紙送り方向に近接する圧電素子31Bの間で変形が伝播しにくくなることから、クロストークが抑制される。しかし、特に、複数の圧電素子31Bが分断されている紙送り方向に関して外側の領域には、FPC50に沿う圧電材料層が存在しないことから、FPC50に大きな外力が作用しやすくFPC50が剥がれやすい。従って、このような構成に対して本発明が適用されて、複数の圧電素子31Bよりも紙送り方向に関して外側の領域に支持部36が設けられ、支持部36にFPC50が機械的に接合されることによって、前記実施形態と同様に、FPC50の剥離や圧電素子31Bの破損を防止することができる。
3]共通電極としての振動板30が、FPC50を介してグランド電位に保持されている必要は必ずしもなく、それ以外の構成によってグランド電位に保持されていてもよい。この場合には、支持部36の上面の表面電極37及び導通部38は不要であり、支持部36とFPC50が接着剤等により機械的に接合されているだけでよい。
4]振動板30が共通電極を兼ねている必要は必ずしもなく、振動板30の上面30aに、この振動板とは別に、導電性材料からなる共通電極が隙間なく形成されていてもよい。但し、この場合には、少なくとも振動板の上面が絶縁性を有することが必要である。
5]前記実施形態では、複数の圧電素子31の上面31cに複数の個別電極32が配置され、これら複数の個別電極32に、FPC50を介して駆動電圧が選択的に印加されるように構成されているが(図2〜図5参照)、駆動電圧が印加される電極とグランド電位に保持される電極の配置関係が逆であってもよい。即ち、絶縁性を有する振動板の上面に駆動電圧が選択的に印加される電極(前記実施形態の個別電極32に相当する電極)が配置され、一方、複数の圧電素子の上面にそれぞれ配置された電極(共通電極に相当する電極)にFPCが接続されて、複数の圧電素子の上面の電極がFPCを介して常にグランド電位に保持されるように構成されていてもよい。
6]前記実施形態の製造方法では、振動板30の上面30aに圧電材料の粒子を堆積させることにより、複数の圧電素子31と支持部36とを形成しているが(図10、図11参照)、圧電素子と支持部の形成方法はこれに限られない。例えば、グリーンシートを焼成して得られた圧電シートを切断することにより、複数の圧電素子と支持部とを形成し、これら圧電素子及び支持部を振動板の上面に接着剤等で個別に接合してもよい。あるいは、圧電シートを振動板の上面に貼り付けてから、この圧電シートを複数の圧電素子と支持部に切り分けてもよい。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、ノズルからインクを噴射するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例であるが、本発明を適用可能な対象はこのようなインクジェットヘッドに限られない。例えば、導電ペーストを噴射して基板上に微細な配線パターンを形成したり、あるいは、有機発光体を基板に噴射して高精細ディスプレイを形成したり、さらには、光学樹脂を基板に噴射して光導波路等の微小電子デバイスを形成するための、種々の液滴噴射装置に本発明を適用できる。
また、液滴噴射装置だけでなく、圧電アクチュエータを用いて圧力室内の液体を移送する装置であって、配線部材により圧電アクチュエータの電極が接合されている装置であれば任意の液体移送装置に適用可能である。例えば、マイクロ総合分析システム(μTAS)内部で薬液や生化学溶液等の液体を移送する液体移送装置、マイクロ化学システム内部で溶媒や化学溶液等の液体を移送する液体移送装置等、インク以外の液体を移送する液体移送装置にも本発明を適用することもできる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2の一部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 流路ユニットを構成するプレートと振動板とが接合された状態における製造途中のインクジェットヘッドの断面図である。 振動板の上面にマスクが配置された状態におけるインクジェットヘッドの平面図である。 図7のVIII-VIII線断面図である。 マスクの平面図である。 振動板の上面に圧電材料の粒子を堆積させた状態におけるインクジェットヘッドの平面図である。 図10のXI-XI線断面図である。 マスクが除去された状態におけるインクジェットヘッドの断面図である。 個別電極、接点部、及び、表面電極が形成された状態におけるインクジェットヘッドの平面図である。 図13のXIV-XIV線断面図である。 FPCが接続された状態におけるインクジェットヘッドの断面図である。 変更形態に係るインクジェットヘッドの平面図である。 別の変更形態に係るインクジェットヘッドの平面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
5 圧電アクチュエータ
14 圧力室
30 振動板
31,31B 圧電素子
32 個別電極
35 接点部
36,36A 支持部
37 表面電極
38 導通部
40 接着剤
50 フレキシブルプリント配線板(FPC)

Claims (15)

  1. 平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータとを有し、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記流路ユニットに前記複数の圧力室を覆うように配置された振動板と、
    振動板の前記圧力室と反対側の面に配置された複数の圧電素子と、
    前記複数の圧電素子と接する前記振動板の面に配置された第1電極と、
    前記振動板と接する前記複数の圧電素子の面と反対側の面に配置された第2電極と、
    を備え、
    前記複数の圧電素子は、各々対応する圧力室と対向して配置されているとともに、互いに孤立して配置されており、
    前記第2電極には可撓性を有する配線部材が接続されるとともに、前記振動板の前記圧力室と反対側の面において、前記複数の圧力室と対向する領域を囲う領域に、前記圧電素子と同じ圧電材料からなる支持部が設けられており、
    前記配線部材は、前記支持部の前記振動板と反対側の面に接合されていることを特徴とする液体移送装置。
  2. 前記第1電極は、前記振動板の前記圧力室と反対側の面に隙間なく形成された、前記複数の圧電素子の共通電極であり、
    前記第2電極は、前記複数の圧電素子のそれぞれの個別電極であることを特徴とする請求項1記載の液体移送装置。
  3. 前記振動板が、前記圧力室と反対側の面に前記共通電極としての導電面を有し、
    前記支持部の前記振動板と反対側の面に表面電極が形成されるとともに、前記表面電極と前記振動板の導電面とが導通し、
    さらに、前記配線部材は、前記表面電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  4. 前記配線部材は、前記支持部の前記振動板と反対側の面に、熱硬化性接着剤により接合されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体移送装置。
  5. 前記熱硬化性接着剤は、導電性であることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  6. 前記支持部は、前記配線部材の長手方向に延在していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体移送装置。
  7. 前記支持部は、その延在する方向と直交する方向の幅が延在する方向において異なることを特徴とする請求項に記載の液体移送装置。
  8. インクジェットヘッドであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体移送装置。
  9. 圧電アクチュエータを備える液体移送装置の製造方法であって、
    平面に沿って配置された複数の圧力室を含む液体流路を有する流路ユニットをもたらす工程と、
    前記流路ユニットに前記複数の圧力室を覆うように振動板を配置する工程と、
    前記振動板の前記圧力室と反対側の面に圧電材料の粒子を離散的に堆積させることにより、互いに孤立した複数の圧電素子を形成する素子形成工程と、
    前記複数の圧電素子と接する前記振動板の面に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
    前記振動板と接する前記複数の圧電素子の面と反対側の面に第2電極を形成する第2電極形成工程と、
    前記第2電極に可撓性を有する配線部材を接続する配線接続工程とを有し、
    前記素子形成工程において、前記振動板の前記圧力室と反対側の面に、前記複数の圧電素子と、これら圧電素子と同じ圧電材料からなる支持部を同時に形成し、
    前記配線接続工程において、前記配線部材を、前記第2電極と接続するとともに、前記支持部の前記振動板と反対側の面に接合し、
    前記素子形成工程において、前記振動板の、前記複数の圧力室と対向する領域を囲う領域に、前記支持部を形成することを特徴とする液体移送装置の製造方法。
  10. 前記第1電極が、前記振動板の前記圧力室と反対側の面に隙間なく形成され、前記複数の圧電素子の共通電極であり、
    前記第2電極が、前記複数の圧電素子のそれぞれの個別電極であり、
    さらに、前記振動板が、前記圧力室と反対側に前記共通電極としての導電面を有するものであり、
    前記電極形成工程において、前記支持部の前記振動板と反対側の面に、表面電極を前記複数の個別電極と同時に形成するとともに、前記表面電極と前記振動板の前記導電面を導通させる導通部を形成し、
    前記配線接続工程において、前記配線部材と前記表面電極とを電気的に接続することを特徴とする請求項に記載の液体移送装置の製造方法。
  11. 前記配線接続工程において、前記配線部材と前記支持部の前記振動板と反対側の面とを、熱硬化性接着剤を用いて接合することを特徴とする請求項9又は10に記載の液体移送装置の製造方法。
  12. 前記熱硬化性接着剤は、導電性であることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記支持部を前記配線部材の長手方向に延在させることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記支持部が延在する方向と直交する方向の前記支持部の幅が、長手方向において異なっていることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記液体移送装置がインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の製造方法。
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