JP5081940B2 - ファイルおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
このようにファイルにおいて表紙3の背部に貫通孔を形成すると、表紙3を閉じたとき、表紙3の背部が外側に湾曲しやすくなるので、表紙3の内側において、全ての綴じシート1,1,・・が表紙3の背部から遠ざかるにしたがって表紙3の内側で中央部に向かって集中する。そのため、表紙3を閉じたとき、背部との溶着部においては、それぞれの綴じシート1が互いに間隔を隔てているが、表紙3の背部から離れた部分においては、表紙3の内側において全ての綴じシート1,1,・・が密着した状態となる。
したがって、このようにファイルにおいて表紙3の背部に貫通孔を形成すると、被綴じシート1,1間に書類などを挿入しやすくなるとともに、被綴じシート1,1間から書類などが抜け落ちにくくなる。
しかしながら、そのようにファイルにおいて表紙3の背部に貫通孔を形成すると、被綴じシート1,1間に挿入されている書類などが、被綴じシート1,1間の溶着部を突き破り、表紙3の背部に形成されている貫通孔を通して表紙3の背部の外側に飛び出してしまうおそれがある。
この発明の他の目的は、書類などが挿入しやすいとともに、挿入された書類などが抜け出にくく、しかも、挿入された書類などが表紙の背部の外側に飛び出しにくい、ファイルを製造することができる、ファイルの製造方法を提供することである。
この発明の請求項2にかかるファイルの製造方法は、請求項1に記載のファイルを製造するためのファイルの製造方法であって、背表紙と前記背表紙の幅方向における一端部に形成される表表紙と前記背表紙の幅方向における他端部に形成される裏表紙とを含む表紙を形成する工程、前記背表紙の内側に前記背表紙の幅方向に間隔を隔ててそれぞれの端部が溶着される複数のシートを形成する工程、および前記複数のシートの端部を前記背表紙の内側に前記背表紙の幅方向に間隔を隔てて溶着する工程を含み、前記表紙を形成する工程は、前記背表紙の幅方向における中央部が一番外側に飛び出すように前記背表紙を湾曲しやすくするための貫通孔を前記背表紙に形成する工程を含み、前記複数のシートを形成する工程は、前記複数のシートのうちの少なくとも1枚のシートの端部から前記背表紙の内側と前記少なくとも1枚のシートを除く前記複数のシートの端部との間にわたるべき溶着部を形成する工程を含み、前記溶着する工程は、前記複数のシートの端部が前記溶着部とともに前記背表紙の内側に溶着される工程を含む、ファイルの製造方法である。
又、この発明によれば、書類などが挿入しやすいとともに、挿入された書類などが抜け出にくく、しかも、挿入された書類などが表紙の背部の外側に飛び出しにくい、ファイルを製造することができる。
シート30は、この実施の形態においては、第1のシート40と第2のシート50との2種類のシートが存在する。
第1のシート40は、長方形の挟持シート部42と前記挟持シート部42の端部から前記背表紙14の内側と前記複数の第2のシート50の端部(綴じ代部)との間にわたって溶着部44が一体形成されている。
溶着部44は、背表紙14の幅と略々同一の幅を備えており、背表紙14の内側において連結部22の内側面及び連結部22の幅方向における溝24の近傍、並びに背表紙14の幅方向における貫通孔20のA面側孔縁20aの表表紙16側の近傍、B面側孔縁20bの裏表紙18側の近傍の溶着部14a、及び幅方向における手前側孔縁20cの手前側近傍、及び向こう側孔縁20dの向こう側近傍の溶着部14bに溶着されている。
このとき、溶着部44は、完全に溶融し元のシート形状を失うのではなく、背表紙14の外側に膨出した部分は溶融せず、もとのシート状の形状をほぼ保った状態となり、貫通孔20の内側(孔内)でブリッジが形成される。
すなわち、溶着部44の厚み方向の半分は、元のシート形状の状態に近い、全体が一体となってつながった状態となっている。
一方、第2のシート50の幅方向の一端側は、背表紙14の内側であって、第1のシート40の溶着部44の内側の平面に密着するように、長手方向において直線状となるように形成される。そして、隣接する第1のシート40の挟持シート部42と第2のシート50が薄状物たる書類などの被挟持物Xを挟むために適する所定の間隔を隔てて配置されるようにして、第2のシート50の幅方向の一端側が、第1のシート40の溶着部44に溶着され、且つ隣接する複数の第2のシート50も、薄状物たる書類などの被挟持物Xを挟むために適する所定の間隔を隔てて配置されるようにして、第2のシート50の幅方向の一端側が、第1のシート40の溶着部44に溶着される。
シート30のうち、第1のシート40が、表表紙16と裏表紙18の内側に配置され、溶着部44は、背表紙14の内側に対向するように配置される。
第1のシート40の溶着部44は、背表紙14の内側において、貫通孔20の孔縁の近傍の溶着部14a及び溶着部14bと対向するように配置される。
貫通孔20の幅方向において間隔を隔てるA面側孔縁20aの近傍とB面側孔縁20bの近傍との間において、左右に均等に背表紙14の溶着部14bと接着されるように配置されるとともに、貫通孔20の長手方向において間隔を隔てる手前側孔縁20cと向こう側孔縁20dとの間において、均等に背表紙14の溶着部14aと接着されるように配置される。
第1のシート40の挟持シート部42と第2のシートとは、挟持シート部42のB面側と第2のシートA面側とが対向して、第1のシート40と第2のシート50とが略々同一の間隔をおいて並列され、且つ第2のシート50の長手端縁が挟持シート部42の長手方向に並列されている。
同様にして、図11に示すように、「16番目の数字(日付)」が表示されたインデックス34を有するシート30(第2のシート50)の幅Lまで、順次シート30の幅が長くなるように形成される。
まず、図12Cに示すように、第1のシート40の挟持シート部42と多数枚の第2のシート50とを重合し、その重なり端面を固定のシート押圧部1008と可動シート押圧部1012とでクランプし、且つ、表紙用保持機構1004により、表紙12の裏表紙18の内面を下側にした状態で、表紙12を保持し、表紙用保持機構1004を下降させて第1のシート40の溶着部44の上面と表紙12の裏表紙18の内面とを対向させるとともに、その間に発熱体1006(H)を介在させることができる位置まで接近させる。
そして、発熱体1006(H)を両者の間に介在させ、表紙12の裏表紙18の内面と第1のシート40の溶着部44の上面並びに第1のシート40の溶着部44の下面及び第2のシート50のつき合せ端面とを同時に溶融させる。
その後、背表紙14と溶着部44との間から発熱体1006(H)を引き抜き、背表紙14を第1のシート40の溶着部44に接触させて両者を接合する(図12D参照)。
そして、適宜、溶着部位を冷却して、完全に表紙12の裏表紙18の内面と第1のシート40の溶着部44の上面並びに第1のシート40の溶着部44の下面及び第2のシート50のつき合せ端面とを固着する。
次に、背表紙14の内側面と、第1のシートの溶着部44の外側面(背表紙14側)との間に発熱体1006(H)が配置され、発熱体1006(H)と背表紙14の内側面と第1のシート40の溶着部44及び第2のシート50の端部を(綴じ代側)とを密着させる。この状態で、背表紙14とシート30との間に挿入された発熱体Hが、背表紙14の内側面と第1のシート40の挟持シート部42との対向部分を溶融させ、且つ第2のシート50の端部を溶融させ、互いを押し当てることにより、背表紙14とシート30とが溶着される。このとき、溶着部44の厚み方向の半分は、元のシート形状の状態に近い全体が一体となってつながった状態となっている。
シート30は、たとえば弾力性を有するポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂などで長方形状に形成される。一方、第2のシート50は、たとえば弾力性を有するポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂などで長方形状に形成され、その幅方向の一端側は、背表紙14の内側であって、第1のシート40の溶着部44の内側の平面に密着するように、長手方向において直線状となるように形成される。
そして、隣接する第1のシート40の挟持シート部42と第2のシート50が薄状物たる書類などの被挟持物Xを挟むために適する所定の間隔を隔てて配置されるようにして、シート30の幅方向の一端側が、背表紙14に溶着される。
このとき、背表紙14の連結部22の内側面にシート30が溶着されるが、貫通孔20部分においては、図4に示すように、第1のシート40の溶着部44の端部が溶融して、隣接する第2のシート50の端部を連結するブリッジ30aが形成される。このとき、連結部22部分において、シート30の幅方向端部が接続され、背表紙14の貫通孔20部分において、第1のシート40及び第2のシート50の端部間にブリッジ30aが形成される。このように、合紙70を挟んでシート30を背表紙14に溶着することにより、隣接するシート30間に合紙70の厚み分の隙間を形成することができる。
ここで、ポリプロピレンシートの延伸方向が表表紙16から裏表紙18に向かう方向となるようにして、表紙12を形成した。図20図示表紙12の全体の大きさは、499mm×318mmである。このような表紙12において、図18に示すように、背表紙14の長手方向の端部における、貫通孔20の幅を20mm(図16図示表紙)及び30mm(図20図示表紙)、貫通孔20の角部における円弧の曲率半径を2mm、連結部22の幅を5mm、窪み部22aの長さを約25mm(図16図示表紙)及び約37mm(図20図示表紙)、窪み部22aと表表紙16との間の円弧および窪み部22aと裏表紙18との間の円弧の曲率半径を0.5mmとした。
A面側とB面側に、第1のシート140を配置し、A面側の第1のシート140Aの溶着部144AとB面側の第1のシート140Bの溶着部144Bとを背表紙114の内側において重ね合わせて、背表紙114と第2のシート150とに溶着するようにしてもよい。
また、図18に示すように、溶着部144Aと溶着部144Bとをそれぞれ半分の幅として、背表紙114の中央近傍で突き合わせるようにしてもよい。
また、図19に示すように、第1のシート240を、断面U字型ないしはコ字型を形成し、中央の溶着部244を背表紙214の内面と溶着し、A面側の挟持シート242AとB面側の挟持シート242Bとの間において、第2のシート250が溶着部244の下面に溶着するようにしてもよい。
10 ファイル
12 表紙
14 背表紙
14a 溶着部
14b 溶着部
16 表表紙
18 裏表紙
18a 凹部
20 貫通孔
20a A面側孔縁
20b B面側孔縁
20c 手前側孔縁
20d 向こう側孔縁
22 連結部
22a 窪み部
24 溝
24a 第1の溝
24b 第2の溝
30 シート
30a ブリッジ
32 貫通孔
34 インデックス
40 第1のシート
42 挟持シート部
44 溶着部
50 第2のシート
60 背見出し
62 背見出し紙
70 合紙
70a 突出部
72 貫通孔
114 背表紙
140 第1のシート
140A A面側の第1のシート
140B B面側の第1のシート
144A 溶着部
144B 溶着部
150 第2のシート
240 第1のシート
242A A面側の挟持シート
242B B面側の挟持シート
244 溶着部
250 第2のシート
1000 製本装置
1002 シート保持機構
1004 表紙用保持機構
1006 発熱体
1008 シート押圧部
1010 テーブル
1012 シート押圧部
H 発熱体
L 幅
X 書類などの被挟持物
Claims (2)
- 背表紙と前記背表紙の幅方向における一端部に形成される表表紙と前記背表紙の幅方向における他端部に形成される裏表紙とを含む表紙、および
前記背表紙の内側に前記背表紙の幅方向に間隔を隔ててそれぞれの端部が溶着される複数のシートを含むファイルであって、
前記背表紙の幅方向における中央部が一番外側に飛び出すように前記背表紙を湾曲しやすくするための貫通孔が前記背表紙に形成され、
前記複数のシートのうちの少なくとも1枚のシートの端部から前記背表紙の内側と前記少なくとも1枚のシートを除く前記複数のシートの端部との間にわたって溶着部が形成され、
前記複数のシートの端部が前記溶着部とともに前記背表紙の内側に溶着された、ファイル。 - 請求項1に記載のファイルを製造するためのファイルの製造方法であって、
背表紙と前記背表紙の幅方向における一端部に形成される表表紙と前記背表紙の幅方向における他端部に形成される裏表紙とを含む表紙を形成する工程、
前記背表紙の内側に前記背表紙の幅方向に間隔を隔ててそれぞれの端部が溶着される複数のシートを形成する工程、および
前記複数のシートの端部を前記背表紙の内側に前記背表紙の幅方向に間隔を隔てて溶着する工程を含み、
前記表紙を形成する工程は、前記背表紙の幅方向における中央部が一番外側に飛び出すように前記背表紙を湾曲しやすくするための貫通孔を前記背表紙に形成する工程を含み、
前記複数のシートを形成する工程は、前記複数のシートのうちの少なくとも1枚のシートの端部から前記背表紙の内側と前記少なくとも1枚のシートを除く前記複数のシートの端部との間にわたるべき溶着部を形成する工程を含み、
前記溶着する工程は、前記複数のシートの端部が前記溶着部とともに前記背表紙の内側に溶着される工程を含む、ファイルの製造方法。
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