JP2011056781A - 冊子、及びその表紙 - Google Patents

Abstract

【課題】構造がシンプルであって製造し易く、且つ交換可能な画像シートを表紙の一部として用いることが可能な冊子及びその冊子を包むための表紙を提供する。
【解決手段】表紙１は、背部３と、当該背部３の両端部に折り曲げ可能に設けられた表部２と、を備える表紙１において、一部に透明領域２０ａを有するシート５と、前記表部２に対応する前記シート５の領域の裏面、及び前記背部３に対応する前記シート５の領域の裏面に貼着される基材１０と、を具備し、当該基材１０には、前記透明領域２０ａの裏側に配置される窪み１５が形成され、当該シート５には、画像が描写された画像シート３０を当該窪み１５に外部から挿脱可能なスリット２１が形成されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、アルバム等の冊子及びその冊子を包む表紙に関する。

近年、デジタル印刷機の普及により、写真紙を冊子状に製本したアルバムが多く存在する。この種のアルバムとして、例えば、表紙に設けた透視窓を介して写真等を外観し得るように構成したアルバムが知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開平１１−３０１１３９号公報

特許文献１に示すアルバムは、表紙に透視可能な窓を設け、その窓の裏面に写真等を挿入するとともに当該窓側に押さえ込む扉を備えており、その構造が複雑であるとともに、表表紙だけ厚みを有するため、表表紙と裏表紙とのバランスが悪く、見た目が悪い印象がある。

本発明は、このような問題の解消を一つの課題とし、その目的の一例は、構造がシンプルであって製造し易く、且つ交換可能な画像シートを表紙の一部として用いることが可能な冊子及びその冊子を包むための表紙を提供するものである。

上記課題を解決するため、請求項１に記載の表紙（１）は、背部（３）と、当該背部の両端部に折り曲げ可能に設けられた表部（２）と、を備える表紙において、一部に透明領域（２０ａ）を有するシート（５）と、前記表部に対応する前記シートの領域の裏面、及び前記背部に対応する前記シートの領域の裏面に貼着される基材（１０）と、を具備し、当該基材には、前記透明領域の裏側に配置される窪み（１５）が形成され、当該シートには、画像が描写された画像シート（３０）を当該窪みに外部から挿脱可能なスリット（２１）が形成されていることを特徴とする。

この発明によれば、画像シートを窪みに挿入したときに、この画像シートに描写されている画像が透明領域を通して外部から視認可能となる。また、画像シートは、当該スリットから交換が可能となっており、ユーザが好みの写真紙を入れ替えることができる。

また、請求項２に記載の表紙は、請求項１に記載の表紙において、前記基材の周縁は、前記シートの周縁部（５ｂ）を折り返すことによって覆われていることを特徴とする。

この発明によれば、基材の周縁がシートの周縁部によって覆われるため、表紙としての見栄えを良くすることができる。

また、請求項３に記載の冊子（Ｈ）は、背部と、当該背部の両端部に折り曲げ可能に設けられた表部と、を備える表紙と、当該表紙内に取り付けられる本紙（２５）と、を備える冊子において、前記表紙は、一部に透明領域を有するシートと、前記表部に対応する前記シートの領域の裏面、及び前記背部に対応する前記シートの領域の裏面に貼着される基材と、を具備し、当該基材には、前記透明領域の裏側に配置される窪みが形成され、当該シートには、画像が描写された画像シートを当該窪みに外部から挿脱可能なスリットが形成されていることを特徴とする。

この発明によれば、画像シートを窪みに挿入したときに、この画像シートに描写されている画像が透明領域を通して外部から視認可能となる。また、画像シートは、当該スリットから交換が可能となっており、ユーザが好みの写真紙を入れ替えることができる。

本発明によれば、ユーザが好む写真紙を表紙として用いることが可能な表紙、及び冊子をユーザに提供することができる。また、構造がシンプルな表紙、及び冊子を容易に製造することができる。

冊子の外観を示す斜視図である。 表紙の正面図である。 表紙の構成を示す図である。 表紙の製造工程を説明するための図である。 厚紙の他の構成例を示す図である。

以下、本発明の望ましい形態について図面に基づいて説明する。

図１乃至図３に示すように、冊子Ｈは、本願の表紙として機能する平面が略矩形状の表紙本体１を備え、この表紙本体１の内側には、例えば、写真紙などが保持された本紙２５が取り付けられる。本紙２５は、印画紙又はこれに類する枚葉紙２５ａが複数枚重ねあわされ、その重ねあわされたものの一辺が綴じられることによって構成される。枚葉紙２５ａの綴じ方式としては、例えば、中綴じ、平綴じなどを採用することができ、糸で綴じたり、金具で綴じたり、ホットメルトで綴じたりすることができる。

なお、表紙本体１に本紙２５を取り付ける構造は、一般にアルバムやフォトブックなどと称されるものと同じ構造を有し、従来から周知であるためここではその説明を省略するものとする。

表紙本体１は、表表紙２ａと裏表紙２ｂで構成される表部２と、この表表紙２ａと裏表紙２ｂとの間において当該表表紙２ａと裏表紙２ｂとを連結する背表紙３ａで構成される背部３と、を備えている。この背部３は、表紙本体１における略中央部において、幅方向（表紙本体１の高さ方向に直交する方向）に所定の背幅を有している。この背幅は、表紙本体１内に挿入される本紙２５の厚みと略等しい（または、表裏表紙２ａ、２ｂの厚みを加算した厚さ）長さを有する。また、当該表表紙２ａと裏表紙２ｂは、背表紙３ａと連結している部分において開閉自在に折り曲げることができる。

この表紙本体１は、図１乃至図３に示すように、略矩形状のシート５と、表表紙２ａ及び裏表紙２ｂに対応するシート５の領域の裏面及び背表紙３ａに対応するシート５の領域の裏面に貼着される本願の基材としての厚紙１０と、を備えている。

このシート５は、表部２及び背部３として規定される領域（図３の点線で区画された領域）を有する本体部５ａと、前記厚紙１０を覆うための周縁部５ｂと、を有している。このシート５は、四隅が斜めにカットされて形成されており、その周縁部５ｂが厚紙１０の形状に沿って折り返されて当該厚紙１０の周縁をくるむようにして当該厚紙１０及びシート５の裏面に接着剤により貼着される。

シート５は、表表紙５ａの略中央部に透視可能な略矩形状の透明領域２０ａを有し、たとえば柔軟性（伸縮性）を有するポリプロピレン製のシートなど合成樹脂製のシートが用いられる。

この透明領域２０ａには上部に水平方向に延びるスリット２１が形成されている。このスリット２１は、画像が描写された画像シート３０を挿入するためのもので、当該画像シート３０が挿脱可能に挿入できる程度の幅を有している。

なお、この画像シート３０には、一般的に銀塩写真紙や昇華転写紙と称される紙材が好適に用いられる。

厚紙１０は、ボール紙を複数重ね、その隣り合う各ボール紙を貼り合わせて形成される。この厚紙１０は、図２及び図３に示すように、表表紙２ａ、裏表紙２ｂ、背表紙３ａとほぼ同じ大きさ又は少し小さな大きさを有する３つの厚紙ブロック４ａ〜４ｃを備えており、それぞれの厚紙ブロック４ａ〜４ｃが表表紙２ａ、裏表紙２ｂ、背表紙３ａに対応するシート５の裏面に接着剤により貼着される。

表表紙２ａに対応する厚紙ブロック４ａには、画像シート３０を内包する窪み１５が形成されている。当該窪み１５は、例えば、ミーリング加工等により切削されて形成され、前記シート５に有する透明領域２０ａに対応して形成され、具体的には透明領域２０ａの裏側に形成される。当該窪み１５は透明領域よりも大きい面積を有しており、一般的な写真紙の厚さと同程度又はやや深い深さで形成される。

以上に説明したように冊子Ｈの表紙本体１は、一部に透明領域２０ａを有するシート５と、そのシート５の裏面に貼り付けられる厚紙１０と、を備え、当該厚紙１０には、透明領域２０ａの裏側に配置される窪み１５が形成され、当該シート５には、画像シート３０を当該窪み１５に外部から挿脱可能なスリット２１が形成されている。また、厚紙１０の周縁は、シート５の周縁部５ａを折り返すことによって覆われる。

よって、画像シート３０を窪み１５に挿入したときに、この画像シート３０に描写されている画像が透明領域２０ａを通して外部から視認可能となる。また、画像シート３０は、当該スリット２１から交換が可能となっており、ユーザが好みの写真紙を入れ替えることができる。

なお、当該表紙本体１に本紙２５を取り付けることで、一般的にアルバムやフォトブックと称される冊子Ｈとして構成される。

次に、本実施形態の表紙本体１の製造方法の一例について説明する。

（１）まず、一部に透明領域２０ａを有するシート５と、表部２に対応するシート５の領域の裏面及び背部３に対応するシート５の領域の裏面に貼着される厚紙ブロック４ａ〜４ｃを用意する。なお、厚紙ブロック４ａには、予め窪み１５（図３参照）を切削加工などにより形成しておく。

（２）次に、図４（ａ）に示すように、切削装置５０を用いてシート５の四隅を斜めにカットするとともに、シート５に画像シートを挿入するためのスリット２１を形成する。

（３）次に、図４（ｂ）に示すように、糊貼着装置４１により、透明領域２０ａを除いたシート５の裏面に糊を塗布し、シート５の裏面の所定領域（表部２、背部３に対応するそれぞれの領域）に３つの厚紙ブロック４ａ〜４ｃを重ねて、対向配置されたローラ装置４２などを用いて圧着する。

（４）次に、図４（ｃ）に示すように、ローラを備えた折り畳み装置４３を用いて、シート５の上下周縁部（５ｂ）を厚紙１０の形状に沿って折り返しつつ圧着するとともに、図４（ｄ）に示すように、ローラを備えた折り畳み装置４３を用いて、シート５の左右周縁部（５ｂ）を厚紙１０の形状に沿って折り返しつつ圧着して、表紙本体１を製造する。

このように本実施形態の表紙本体１は、窪み１５が形成された厚紙１０をスリットが形成されたシートで覆うだけで製造することができる。よって、構造がシンプルな表紙本体１を容易に製造することができる。

なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更可能である。例えば、本実施形態の図４の説明では上下折り曲げ片を折り畳んだ後に左右折り曲げ片を折り畳むようになっているが、この折り畳み方はどちらの折り曲げ片が先でも構わない。また、本実施形態のフィルムは折り畳みやすいように隅部をカットしているが、略矩形状であっても勿論構わない。

また、本実施形態のシート５に有する透明領域２０ａは、矩形状であるが、その他の形状（例えば、円形状、多角形状など）とすることも可能である。この透明領域が形成される位置も、表紙部の中央の他、周縁側に偏った位置などに設けることも可能である。さらに、当該透明領域は、表表紙の他、裏表紙にも形成しても構わない。また、この透明領域は、表表紙に複数有していても構わない。

また、本実施形態では、透明領域２０ａの上部にスリット２１を形成しているが、シートの周縁部５ｂの上面にスリット２１を形成し、窪み１５へと画像シート３０を挿脱可能にしても構わない。

さらに本実施形態の厚紙１０は、ボール紙を重ね合わせたものが用いられるが、アクリル樹脂または塩ビ製プレートなどを用いても良い。また、本実施形態では、窪み１５を削るような形態で形成しているが、図５に示すように、厚紙ブロック４ａを、窪み１５として機能する凹状の開口を有するボール紙４ｄと、前記凹状部分を塞ぐように形成された矩形状のボール紙４ｅと、を貼り合わせて形成しても構わない。

Ｈ 冊子
１ 表紙本体
２ 表部
３ 背部
５ シート
５ｂ 周縁部
１０ 厚紙
１５ 窪み
２０ａ 透明領域
２１ スリット
２５ 本紙
３０ 画像シート

Claims (3)

1. 背部と、当該背部の両端部に折り曲げ可能に設けられた表部と、を備える表紙において、
   一部に透明領域を有するシートと、
   前記表部に対応する前記シートの領域の裏面、及び前記背部に対応する前記シートの領域の裏面に貼着される基材と、を具備し、
   当該基材には、前記透明領域の裏側に配置される窪みが形成され、
   当該シートには、画像が描写された画像シートを当該窪みに外部から挿脱可能なスリットが形成されていることを特徴とする表紙。
2. 前記基材の周縁は、前記シートの周縁部を折り返すことによって覆われていることを特徴とする請求項１に記載の表紙。
3. 背部と、当該背部の両端部に折り曲げ可能に設けられた表部と、を備える表紙と、当該表紙内に取り付けられる本紙と、を備える冊子において、
   前記表紙は、
   一部に透明領域を有するシートと、
   前記表部に対応する前記シートの領域の裏面、及び前記背部に対応する前記シートの領域の裏面に貼着される基材と、を具備し、
   当該基材には、前記透明領域の裏側に配置される窪みが形成され、
   当該シートには、画像が描写された画像シートを当該窪みに外部から挿脱可能なスリットが形成されていることを特徴とする冊子。

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