JP2004175045A - ファイル - Google Patents

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JP2004175045A
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Takio Kiyomi
多喜夫 清見
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Abstract

【課題】使用者が、標準規格紙や標準規格紙と同寸法の粘着シールを用いて自由に背見出し用紙をカスタマイズして作成し使用しても外観の悪化を招かず、また、背ポケット部を形成するための樹脂フィルムの溶着状態を適正なものとすることができるファイルを提供する。
【解決手段】背見出し用紙6を配置するように設けた背見出し用紙配置部52の高さ寸法を、所定の標準規格紙の長辺又は短辺の何れかの寸法に対応させた。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、書類等の収容対象物を挟み込み又は綴じ込んで使用されるファイルにおいて、特に背表紙部に背見出し用紙を収容し得る背ポケット部等、背見出し用紙を配置することができる背見出し用紙配置部を有するファイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の用紙等を束ねて収容し得るように構成した表表紙部、裏表紙部及び背表紙部からなるファイル本体を有するファイルには、少なくとも背表紙部の外面を被覆するようにファイル本体とは別体の矩形状をなす透明樹脂フィルムを取り付けて、この透明樹脂フィルムと背表紙部との間に背ポケット部を形成し、この背ポケット部に背見出し用紙を収容させることによって、収容対象物の表題を表示し得るようにしたものが従来より流通している。この種のファイルにおいては、背ポケット部を形成するための樹脂フィルムの高さ寸法を、表表紙部、裏表紙部及び背表紙部を起立させた姿勢におけるファイル本体の高さ寸法と略同一となるように設定されているのが通例であり、背ポケット部には専用の背見出し用紙がファイルの販売時において予め収容されている(例えば、特許文献1参照)。この他にも、裏面に粘着層を設けたシール式の背見出し用紙を貼り付けるための領域である背見出し用紙配置部を背表紙部の外面に設けたファイルも考えられている。
【0003】
また、上述した背ポケット部を構成する樹脂フィルムの幅寸法は背表紙部の幅寸法よりも若干大きめに設定されており、樹脂フィルムの側縁部を、表表紙部及び背表紙部の背表紙部との境界部分に形成されるヒンジ部の近傍、すなわち表表紙部及び背表紙部の基端部における外面に加熱圧着することにより溶着するとともに、樹脂フィルムの下縁部における両側端部を、表表紙部及び裏表紙部の基端部における外面に溶着しているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。つまり、樹脂フィルムの両側端部においてそれぞれL字形状をなす溶着部位が形成されており、特に下縁部においてはファイル本体の下端に沿って樹脂フィルムを溶着している。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−142072号公報(図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなファイルは、例えば収容対象物がA4判やB5判等のJIS規格に定められた標準規格紙である場合には、紙の周縁部の保護のために標準規格紙よりも一回り大振りにファイル本体のサイズが設定されており、背ポケット部を形成するための樹脂フィルムもファイル本体の高さ寸法に対応した高さ寸法を有している。具体的な一例を挙げて説明すると、ファイルがA4判の用紙の長辺側を綴じるものである場合、A4判の用紙の長辺寸法が297mmと定められているのに対して、ファイル本体及び樹脂フィルムの高さ寸法は約307mmであってA4判の用紙の長辺寸法よりも約10mm大きく、樹脂フィルムの下縁部における溶着部分の高さ寸法が約3mmであるため背ポケット部における背見出し用紙を収容可能な領域である背見出し用紙収容部位の高さ寸法が約304mmとなってA4判の用紙の長辺寸法よりも約7mm大きい。したがって、ファイルの販売時に背ポケット部に収容されている背見出し用紙の高さ寸法は約304mmであって、A4判の用紙の長辺寸法よりも約7mm大きい。すなわち、背見出し用紙には標準規格紙ではない用紙が用いられている。この点では、シール式の背見出し用紙についても同様である。すなわち、ある特定種類のファイルに専用のシール式の背見出し用紙としても規格外のサイズの用紙が用いられているのが通例である。
【0006】
ところで、近年では、パーソナルコンピュータやプリンタの利用がオフィスや家庭で一般的になってきており、ファイルの購入時に背ポケット部に収容されていた専用の背見出し用紙を用いずに、所有する適宜の用紙に見出し文字等を印刷して独自の背見出し用紙を作成し、これを背ポケット部に収容したいというユーザ側の要望がある。この場合、ユーザの手元には通常はこのファイルに収容すべきサイズの標準規格紙であると考えられるため、より大判の用紙を入手してその用紙から元の背見出し用紙に対応する大きさの紙片を切り出さなければならず、その際には作成すべき紙片の少なくとも二辺に沿って用紙を切断する必要があり、その作業が非常に面倒である。一方、ファイルに綴じて収容されるサイズの標準規格紙から背ポケット部に収容可能な大きさの紙片を例えば長辺に沿って切り取ってこれを背見出し用紙として利用する場合は、当該背見出し用紙が背ポケット部の背見出し用紙収容部位の高さ寸法よりも短くならざるを得ず、背ポケット部に残余部分が生じることとなって見栄えが劣悪となる。このような不具合を解消するものとして、専用背見出し用紙と同サイズの交換用背見出し用紙が販売されていることもあるが、これを用いるとなると費用が余分にかかることになる。また、このような問題は、シール式の背見出し用紙を用いる場合にも同様に起こり得る。
【0007】
さらに、使用者によっては棚やロッカー等に収納するファイルを背表紙部の外面色によって分類している場合があるが、そもそも交換用背見出し用紙も含めて専用の背見出し用紙は、背表紙部の外面のほぼ全体を覆い隠すように設計されているために、棚等に収納されたファイルを一見しただけでは背見出し用紙に隠されて背表紙部の外面色が把握しづらいという不具合もあるため、使用者が独自に作成した専用背見出し用紙と同一サイズの紙片からなる背見出し用紙では、このような不具合を解消することができない。
【0008】
また、この種のファイルの一例として、厚手のファイル本体を有するものがある。このようなものには、例えばファイル本体を、ボール紙等からなる比較的分厚い芯材と、ファイル本体の外面側となる芯材の外面を密着状態で被覆し且つ周縁部をファイル本体の内面側となる芯材の裏面側の周縁部に折り返してこの芯材の裏面に密着させた概略矩形状をなすポリプロピレン樹脂等からなる表層シートと、芯材の裏面を密着状態で被覆し且つ芯材の裏面側へ折り返された表層シートの周縁部に重合させた状態で密着させた概略矩形状をなす比較的薄肉な紙製の裏当てシートとから構成したものがある。このようなファイル本体においては、その中央部近傍において縦方向にヒンジ機能を有するヒンジ部を少なくとも二つ平行をなして形成することにより、ファイル本体を表表紙部と裏表紙部と背表紙部とに区画している。このようなファイル本体に上述したようにファイル本体と略同一の高さ寸法を有し且つ背表紙部よりも幅寸法が大きい樹脂フィルムを取り付けて背ポケット部を形成する場合、溶着部位は樹脂フィルムの側縁部の全域と下縁部の両側端部に形成されることになる。
【0009】
ところで、樹脂フィルムの側縁部に着目すると、樹脂フィルムの側縁部における上端部及び下端部を除く部位は、ファイル本体において表層シートと芯材と裏当てシートの合計3枚が一枚ずつ重合された表表紙部と裏表紙部の所定箇所に溶着されるが、樹脂フィルムの側縁部における上端部及び下端部は、表層シートが芯材の側縁部に沿って外面側から裏面側へ折り返され、さらに裏当てシートが重合されているために、表層シートと芯材と折り返された表層シートの合計3枚、若しくはそれに裏当てシートを加えた合計4枚が重合された表表紙部と裏表紙部の所定箇所に溶着されることになる。一方、樹脂フィルムの下縁部における両側端部については必然的に、表層シートと芯材と折り返された表層シートの合計3枚、若しくはそれに裏当てシートを加えた合計4枚が重合された表表紙部と裏表紙部の所定箇所に溶着されることになる。あるいは樹脂フィルムの下縁部における溶着部位が、ファイル本体への型押し等の方法によって形成されたヒンジ部にまで至る場合もあり得る。すなわち、溶着部位によっては、樹脂フィルムの溶着の相手方となるファイル本体の厚みが異なっている。
【0010】
一般に、このような樹脂フィルムの溶着に際しては、樹脂フィルムやファイル本体の材質又は厚みによって若干の具体的な数値に違いはあるが、ファイル本体を平台の上に外面側を上にして載置し、さらに樹脂フィルムをファイル本体の外面状の所定箇所に配置した上で、溶着すべき箇所に適宜の温度に加熱した金属製溶着バーを上方より適宜時間押し付けることにより樹脂フィルムを部分的に加熱・加圧溶融してファイル本体の外面を構成する表層シートに一工程で接着する。ところが、樹脂フィルムの溶着部位に対応するファイル本体の肉厚が異なっていると、樹脂フィルムの表層シートへの接着状態が溶着部位によって相違することになる。具体的には、ファイル本体の上端部及び下端部以外の領域に対応した溶着条件で樹脂フィルムを溶着した場合、その領域よりもファイル本体の上端部及び下端部に沿った部位の肉厚が大きいため樹脂フィルムを過剰な圧力でファイル本体に押し付けることとなって、樹脂フィルムが溶融し過ぎ、その溶着部位において樹脂フィルムが切れ易く且つファイル本体から剥がれやすくなってしまう。一方、ファイル本体の上端部及び下端部に対応した溶着条件で樹脂フィルムを溶着した場合、その領域よりもファイル本体の上端部及び下端部以外の部位の肉厚が小さいため樹脂フィルムを十分にファイル本体に押し付けることができず、樹脂フィルムが溶融し足らず、その溶着部位において樹脂フィルムがファイル本体から浮き上がって剥がれやすくなってしまう。このように、樹脂フィルムを溶着する相手方のファイル本体の厚みが箇所によって異なることは、背ポケット部の適正な取付状態に多大な不具合をもたらすことになる。
【0011】
本発明は、以上のような問題を解消すべくなされたものであり、使用者が標準規格紙や標準規格紙と同寸法の粘着シールを用いて自由に背見出し用紙をカスタマイズして作成し使用しても外観の悪化を招かず、また、背ポケット部を形成するための樹脂フィルムの溶着状態を適正なものとすることができるファイルを提供することを主たる目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のファイルは、表表紙部及び裏表紙部と、これら表表紙部及び裏表紙部の基端間に設けられる背表紙部とを有するファイル本体を具備し、表表紙部と背表紙部との境界部分及び裏表紙部と背表紙部との境界部分にそれぞれ形成されるヒンジ部を境に表表紙部と裏表紙部とを背表紙部に対して回動動作させることにより開閉可能であり、少なくとも背表紙部の外面側に、表題等を表示する背見出し用紙を外部から視認可能に配置し得る背見出し用紙配置部を設けたものであって、背見出し用紙配置部の高さ寸法を、所定の標準規格紙の長辺又は短辺の何れかの寸法に対応させていることを特徴とするものである。
【0013】
ここで、本発明におけるファイルとは、用紙を綴じるための綴じ具をファイル本体の内側に備えた一般的なファイル又はバインダを含み、名刺やハガキを収納し得る専用袋をファイル本体の内側に備えた名刺ホルダやポストカードホルダ、写真を収納し得る専用袋或いは写真を貼り付ける台紙等を備えたアルバム、書類を収納し得る袋をファイル本体の内側に備えた所謂クリヤブック、フレキシブルディスクやCD等のOAメディアを収納し得る袋やケース等をファイル本体の内側に設けたOAメディアファイリングホルダ等も含む包括的な名称として表したものである。
【0014】
このような構成のファイルであれば、背見出し用紙配置部の高さ寸法がA4判やB5判等に代表される標準規格紙や標準規格に対応したサイズの粘着シールの短辺又は長辺の寸法に対応しているため、ユーザ自身が普段使用しているJIS標準規格の用紙にこのファイルに収容する収容対象物の表題をパーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて任意に印刷した上で、この用紙を背見出し用紙配置部の幅寸法に合わせて短辺又は長辺に沿って一直線状に切断すれば、ユーザが独自にカスタマイズした背見出し用紙を簡単且つ手軽に作成することができる。さらに、このように作成した背見出し用紙を背見出し用紙配置部に配置した場合、背見出し用紙配置部とこの背見出し用紙の特に高さ方向の大きさが略一致することとなるため、背見出し用紙配置部に残余部分が生じず、見栄えのよい背見出しができる。したがって、ユーザがそのファイル専用の交換用背見出し用紙を購入する必要もない。また、ファイルの製造・販売者にとっても、販売時にファイルの背見出し用紙配置部に予め設けておく専用の背見出し用紙として、最も普及している標準規格紙を使用することができるため、用紙の切断によるロスや製造コストを低減することができる。
【0015】
特に、背見出し用紙配置部の高さ寸法は、ファイル本体への前記収容対象物である所定の標準規格紙の長辺又は短辺の何れかの寸法に対応させておくとよい。このようにすることで、ユーザは最も手近にある標準規格の用紙や標準規格の粘着シールを背見出し用紙として利用することができるので非常に便利である。
【0016】
背見出し用紙配置部の具体的態様の一例としては、背見出し用紙を収容し得る背ポケット部をファイル本体の外面に設けたものであって、この背ポケット部に形成され背見出し用紙を出し入れ可能に収容し得る背見出し用紙収容部位を背見出し用紙配置部として機能させるものが挙げられる。
【0017】
この種の背ポケット部を簡便に形成するためには、少なくとも背表紙部の外面と、少なくとも背表紙部の外面の一部を被覆してファイル本体の外面に接着した矩形状をなす透明又は半透明の樹脂フィルムとによって背ポケット部を構成することが望ましい。具体的には、樹脂フィルムの両側縁を表表紙部及び裏表紙部の基端部に位置付け、樹脂フィルムの両側縁部をそれに対応する表表紙部及び裏表紙部の外面に接着するとともに、樹脂フィルムの下縁部における両側端部をそれに対応する表表紙部及び裏表紙部の外面のうち前記ヒンジ部に至らない領域に接着し、樹脂フィルムとファイル本体とが重合する領域のうち樹脂フィルムと表表紙部及び裏表紙部との接着部位以外の領域を前記背見出し用紙収容部位とするとよい。このようにすることで、背見出し用紙は、背ポケット部の上端部から出し入れすることができ、しかも接着部位の存在によって側方及び下方へは抜け落ちないので、背ポケット部及び背見出し用紙の使用感を向上することができる。この場合、樹脂フィルムの両側端部においてそれぞれ、各側縁部から下縁部における各側端部に亘って連続するL字形状をなす接着部位を形成することで、樹脂フィルムの接着を容易に行い、且つ接着部位がヒンジ部に跨らないようにしてファイル本体からの剥離を防止することができる。
【0018】
また、棚等に収納したファイルを取り出す際には、ファイル本体の背表紙部の上縁に指を掛けて内面側から外面側へ引き出す操作をすることがあるが、この場合に指が滑って樹脂フィルムのみを手前へ引いてしまうと、樹脂フィルムの上縁が折れ曲がるなどして変形することがあり得る。このような不具合を解消するには、背ポケット部の上縁となる樹脂フィルムの上縁を、ファイル本体の上縁よりも下方に位置付けることが好ましい。
【0019】
そして、以上のような構成のファイルであれば、背表紙部の外面において前記背見出し用紙配置部以外の領域を、背表紙部の外面の色を外部から視認可能な表紙色明示領域として積極的に機能させることができるため、ファイルに綴じる書類等の内容を背表紙部の外面色で分類し棚等に収納して使用するユーザの要望を見出すことが可能となる。
【0020】
また、ファイルには、概略矩形板状をなす芯材と、芯材の外面を密着状態で被覆し且つ周縁部を芯材の裏面側の周縁部に折り返して芯材の裏面に密着させた概略矩形状をなす表層シートと、芯材の裏面を密着状態で被覆し且つ芯材の裏面側へ折り返された表層シートの周縁部に重合させた状態で密着させた概略矩形状をなす裏当てシートとから構成してなるファイル本体を具備し、ファイル本体の中央部近傍において縦方向にヒンジ機能を有するヒンジ部を少なくとも二つ平行をなして形成することにより、ファイル本体を表表紙部と裏表紙部と背表紙部とに区画するとともに、該ヒンジ部を境に表表紙部と裏表紙部とを背表紙部に対して回動動作させることにより開閉可能とされ、少なくとも背表紙部の外面側に、表題等を表示する背見出し用紙を外部から視認可能に収容し得る背ポケット部を設けたものがある。特にこのようなファイルにおける本発明の特徴は、背ポケット部を、少なくとも背表紙部の外面と、少なくとも背表紙部の外面の一部を被覆してファイル本体の外面に溶着した矩形状をなす透明又は半透明の樹脂フィルムとから構成し、少なくとも背ポケット部の下端部における樹脂フィルムとファイル本体との溶着部位を、ファイル本体において芯材と表層シートと裏当てシートとが一枚ずつ重合し略均等な厚みを有する部位に設定していることにある。
【0021】
このように構成することで、樹脂フィルムの少なくとも下端部が、ファイル本体の芯材と表層シートと裏当てシートが合計3枚に重なり合った略均等な厚さの部位に対して表層シートの折り返しによって分厚くなった箇所を避けて溶着されるため、均一な条件による溶着が可能となり、樹脂フィルムが溶けすぎて切れることや、その一部がファイル本体から剥がれ易くなるというような従来の不具合を解消することができる。
【0022】
樹脂フィルムとファイル本体との具体的に好ましい溶着態様には、樹脂フィルムの両側縁部を表表紙部及び裏表紙部の基端部に位置付け、樹脂フィルムの両側縁部をそれに対応する表表紙部及び裏表紙部の外面に溶着するとともに、樹脂フィルムの下縁における両側端部をそれに対応する表表紙部及び裏表紙部の外面のうち前記ヒンジ部に至らない領域に溶着したものが挙げられ、この場合、樹脂フィルムとファイル本体とが重合する領域のうち樹脂フィルムと表表紙部及び裏表紙部との接着部位以外の領域を前記背見出し用紙収容部位とすることができる。特に上述したように、樹脂フィルムの両側端部においてそれぞれ、各側縁部から下縁部における各側端部に亘って連続するL字形状をなす接着部位を形成すれば、背ポケット部の開放された上端部からの背見出し用紙の出し入れが容易になるとともに、背ポケット部に収容した背見出し用紙の側方及び下方への脱落を有効に防止することができる。
【0023】
特に、背ポケット部の全体において、樹脂フィルムとファイル本体との溶着条件を一定にして、その条件の下で各部において均等な溶着状態を得るようにするためには、背ポケット部における樹脂フィルムとファイル本体との溶着部位全体を、ファイル本体において芯材と表層シートと裏当てシートとが一枚ずつ重合し略均等な厚みを有する部位に設定することが望ましい。より具体的には、背ポケット部の下端部のみならず上縁をも、ファイル本体の上縁よりも下方において芯材と表層シートと裏当てシートとが一枚ずつ重合し略均等な厚みを有する部位に位置付けることが好ましい。
【0024】
そしてこのようなファイルにおいても、背ポケット部において背見出し用紙を出し入れ可能に収容し得る背見出し用紙収容部位の高さ寸法を、所定の標準規格紙の長辺又は短辺の何れかの寸法に対応させることで、ユーザが独自にカスタマイズした背見出し用紙を簡単且つ手軽に作成することができ、外観を向上し、専用の交換用背見出し用紙の購入の必要性をなくすというようなユーザ側のメリットに加えて、販売時に背ポケット部に入れておく背見出し用紙として標準規格紙を使用することができるという製造・販売者のメリットが得られるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0026】
図1、図2及び図3に示すこの実施形態のファイル1は、表裏に対をなして配置される表表紙部11及び裏表紙部12、並びにこれら表表紙部11及び裏表紙部12の基端間に配置される背表紙部13を一体に備えたファイル本体10を主体としてなるものであり、裏表紙部12又は背表紙部13の内面側に、このファイル1に綴じ込む収容対象物である用紙類を保持するための綴じ具(図示省略)を設けている。また、ファイル本体10の外面側には、背見出し用紙6を収容するための背ポケット部14を形成している。ここで、このファイル1は、例えばJIS規格に定められる標準規格紙の一種類であるA4判の用紙(図示省略)を複数枚綴じるために用いるものとし、綴じ具としては、最表面側の用紙の表面側及び最裏面側の用紙の裏面側にそれぞれ配置される綴じ板と、これら綴じ板間に配置され用紙に穿設した綴じ孔に挿入される複数の綴じ管とを有する一般的なパイプ式綴じ具、用紙に穿設した綴じ孔に挿入される開閉可能なリングを複数有する一般的なリング式綴じ具、最表面側の用紙を表面側から厚み方向へ押さえる一般的なバインダ式綴じ具などの各種綴じ具から適宜のものが適用される。
【0027】
ファイル1の構成について具体的に説明すると、まずファイル本体10は、図1〜図4に示すように、標準規格紙であるA4判の用紙よりも一回り大きい縦寸法及び横寸法を有する概略矩形状をなす表表紙部11と、この表表紙部11と同形状の裏表紙部12と、これら表表紙部11及び裏表紙部12と同一の縦寸法及び予め定められた収容対象物たる用紙の最大収容枚数に応じて設定された幅寸法を有する背表紙部13とを一体に有している。表表紙部11の基端と背表紙部13の側端との間と、裏表紙部12の基端と背表紙部13の側端との間には、それぞれヒンジ部15、15を各表紙部11、12、13の縦方向に沿って相互に平行をなすように形成しており、このヒンジ部15、15のヒンジ機能によって、表表紙部11及び裏表紙部12を相互に離接させて開閉可能としている。以下、図1に示すように、ファイル1を机上等に立てて各表紙部11、12、13を起立させた姿勢において、鉛直方向をファイル1の高さ方向として説明するものとする。ここで、JIS規格に定められるA4判の標準規格紙の長辺寸法及び短辺寸法は、それぞれ297mm、210mmである。これに対して本実施形態では、表表紙部11、裏表紙部12及び背表紙部13の高さ寸法を約307mm、表表紙部11及び裏表紙部12の幅寸法を約272mm、背表紙部13の幅寸法を約45mm、各ヒンジ部15、15の幅寸法を共に約5mmとしている。
【0028】
このファイル本体10は、構成部品から説明すると、図6に部分的な拡大斜視図として示すように、芯材2と、表層シート3と、裏当てシート4とから構成される。芯材2は、短辺寸法が約307mm、長辺寸法が約639mm、厚さが約2.3mmの概略矩形板状をなすボール紙からなるものであり、四つの角部21を斜めに切除している。表層シート3は、短辺寸法が約318mm、長辺寸法が約650mm、厚さが約0.1mmの矩形状をなすポリプロピレンシートからなるものであり、芯材2のうちファイル本体10の外面側となる一方の面(外面2a)を被覆するように配置され、周縁部31を幅約15mmに亘って芯材2のうちファイル本体10の内面側となる他方の面(裏面2b)の周縁部に折り返している。特に、芯材2の角部21に対しては、図6に示すように、表層シート3の角部31aを三角形状に外面2a側から裏面2b側へ折り返し、さらにその上に重ねて、当該角部31aを形成している直交する二つの周縁部31、31を芯材2の外面2a側から裏面2b側へその周縁部に沿って折り返している。なお、表層シート3の裏面3bには、接着剤が塗布されており、この裏面3bとそれに対面する芯材2の外面2a及び裏面2bとは接着により密着させてある。また、表層シート3の少なくとも外面3aには、着色が施されており、その色がファイル本体10の外面色となる。裏当てシート4は、短辺寸法が約295mm、長辺寸法が約627mm、厚さ約0.1mmの矩形状をなす紙製シートであり、ファイル本体10の内面側となる芯材2の裏面2bを被覆し、且つ芯材2の裏面2b側に折り返された表層シート3の周縁部31を被覆するように設けられる。この裏当てシート4の裏面4bには接着剤が塗布されており、この裏面4bとそれに対面する芯材2の裏面2b及び表層シート3の周縁部31とは接着により密着させてある。そして、このように芯材2と表層シート3と裏当てシート4とを一体に貼り付けた板状のファイル本体2において、両短辺からそれぞれ内側に約272mmの位置に当該短辺と平行に外面側を溝状に窪ませるように型押しすることによって一対のヒンジ部15、15を形成するとともに、これらヒンジ部15、15によって表表紙部11、背表紙部13及び裏表紙部12を区画している。したがって、このファイル本体10では、四つの角部を除いて上縁から下方へ約7mm及び下縁から上方へ約7mmの幅の領域が、外面側から表層シート3、芯材2、表層シート3がこの順で三重に重合されて厚さ約2.5mmとなっている。また、それらの領域から下方へ約5mm及び上方へ約5mmの幅の領域が外面側から表層シート3、芯材2、表層シート3、裏当てシート4がこの順で四重に重合されて厚さ約2.6mmとなっている。さらに、これらの領域よりも内側の領域においては、外面側から順に表層シート3、芯材2、裏当てシート4がこの順で三重に重合されて厚さ約2.5mmとなっている。
【0029】
背ポケット部14は、主として背表紙部13の外面13a側に形成されるものであって、本実施形態ではこのファイル1のユーザが標準規格紙から独自に作成した背見出し用紙6を収容するためのものである。具体的にこの背ポケット部14は、ファイル本体10の外面に透明なポリエチレンやポリプロピレン等の素材からなる比較的柔軟な樹脂フィルム5を溶着により取り付けることによって形成される。より具体的に背見出し用紙6には、図5に示すように、ユーザが、標準規格であるA4判の用紙60の一方の短辺60aから約7cmの位置に当該短辺60aと平行な切取線60kを設定し、これら短辺60aと切取線60kとの間の領域に例えば「見積書」等の見出し表記を記入又は印字しておき、この用紙60から切取線60kに沿って同図に矢印で示すように一直線状に切り取ることによって形成した矩形短冊状の紙片が、長辺側を縦方向として適用される。なお、切取線60kや「見積書」等の表記は、ユーザがこの用紙60に手書きしてもよいし、パーソナルコンピュータ及びプリンタ等を使用して作成してもよい。
【0030】
このような背見出し用紙6を適切に収容可能とするために、樹脂フィルム5としては、ファイル本体10への溶着部位の寸法を考慮して、作成された背見出し用紙6の縦寸法及び幅寸法よりも一回り大きく、縦寸法が約213mm、幅寸法が約7.8mmの矩形状のものを適用する。そして、図4にファイル本体10を平面的に開いた状態の外面側を示すように、樹脂フィルム5を、背表紙部13と幅方向中央部を合致させて配置する。その際、樹脂フィルム5の上縁5aは、ファイル本体10の上縁10aから12mm以上下方へ偏位する位置に位置付ける。すなわち樹脂フィルム5全体は、ファイル本体10において外面側から順に表層シート3、芯材2、裏当てシート4がこの順で三重に重合されて略均一の厚さ(約2.5mm)となっている部位に配置されることになる。そして、樹脂フィルム5の両側縁5c、5cに沿って側縁部の全体と、下縁5bに沿ってその両側端部とを連続するL字形状に、それぞれが対面する表表紙部11及び裏表紙部12の基端部近傍における外面に溶着することにより取り付けて固定する。特に、樹脂フィルム5の下縁5bにおいては、溶着がヒンジ部15に至らないようにする。
【0031】
ここで、樹脂フィルム5のファイル本体10に対する溶着工程について、図7に示した模式図を用いて説明する。まず、ファイル本体10を、表表紙部11、裏表紙部12及び背表紙部13を開いた状態で外面側を上に向けて図示しない平台上に載置し、その上に上述したように樹脂フィルム5を配置する。このとき、樹脂フィルム5は上に凸となるように幅方向に弛ませておく。これは、溶着後に表表紙部11と裏表紙部12とを支障なく開閉することができるようにするためである。そして、樹脂フィルム5の溶着すべき両側縁部及び下縁部の両側端部の一対のL字形状に対応する形状の金属製溶着バー7を適宜温度に加熱しておき、この溶着バー7を同図(a)に矢印で示すように下方に押し下げて平台との間にあるファイル本体10及び樹脂フィルム5に所定時間、所定圧力で加圧することによって樹脂フィルムを部分的に溶かして表層シート3の外面3aに接着することで、同図(b)に示すような溶着バー7の下面71の凹凸形状に対応した凹凸形状を有する溶着部位51が形成されることになる。なお、溶着バー7の下面における凹凸形状は、幅約3mmに設定されているので、溶着部位51も、樹脂フィルム5の両側縁5c及び下縁5bに沿って約3mmの幅寸法で形成されることになる。したがって、樹脂フィルム5における溶着部位51は、何れの箇所もファイル本体10において均等な肉厚の部位に溶着されているため、各部一定の条件での溶着が可能となり、溶着部位51は全て一定の品質となって部分的な切断やファイル本体10からの剥離を予防できることになる。また、溶着部位51以外の部位では、ファイル本体10との間に、樹脂フィルム5の上縁5aにおいて上方に開口する矩形状の背見出し用紙配置部たる背見出し用紙収容部位52が形成される。この背見出し用紙収容部位52は、上述のように作成された背見出し用紙6の幅寸法及び縦寸法に対応した幅寸法及び高さ寸法を有している。
【0032】
したがって、表表紙部11、裏表紙部12及び背表紙部13を見開いた状態でファイル本体10と樹脂フィルム5の上縁5aとの間に形成される開口から背見出し用紙6を挿入すれば、背見出し用紙収容部位52には過不足なくすっきりと背見出し用紙6が収まることになる。そのとき、溶着部位51は樹脂フィルム5の側縁5cの全域と下縁5bの両側端部とをファイル本体10に密着させているので、背見出し用紙収容部位52に挿入した背見出し用紙6が側方又は下方へ抜け落ちることがない。また、背見出し用紙6を交換する場合には、上述したように作成した別の背見出し用紙6を同様に用いればよい。また、樹脂フィルム5の上縁5aをファイル本体10の上縁10aよりも下方に位置付けていることから、例えば棚等に収納したファイル1を取り出す場合に、背表紙部13に手指を掛けた場合でも、指が滑って樹脂フィルム5のみを引っ張ることがないため、樹脂フィルム5の上縁部の変形を防止することができる。さらに、樹脂フィルム5の下縁5bは、ファイル本体10の下縁10bには至っていないため、その間の領域では背表紙部13の外面13aが露出されている。すなわち、表層シート3の外面3aの色がそのまま外部から認識できるようになっているため、この領域を、表紙の色をユーザに積極的に見せるための機能を果たす表紙色明示領域16として活用することができる。また同じく、樹脂フィルム5の上縁5aは、ファイル本体10の上縁10aには至っていないため、その間の領域でも背表紙部13の外面13aが露出されていることから、この領域も表紙色明示領域16として活用することができる。そのため、表紙色によってファイル1を分類するユーザは、ファイル1を棚やロッカー等に収容した状態でもユーザが表紙色明示領域16を通じて一目で背表紙部13の外面の色を把握できることになる。この種のファイルの販売時には、予め専用の背見出し用紙が背ポケット部14に収容されており、また交換用の専用背見出し用紙が販売されていることがあるが、これら専用背見出し用紙にも、標準規格紙を短冊状に切り取ったものを適用することができるため、ファイル1の製造メーカーでは、規格外紙を利用せずとも専用の背見出し用紙を製造することができるのでコスト削減にも役立てることができる。
【0033】
なお、上述した実施形態では、標準規格紙であるA4判の用紙60を、その短辺60aを長辺とする紙片を背見出し用紙6に適用し得るファイル1について説明したが、図9に示すような当該用紙60の長辺60bを長辺として一直線状に切断した紙片を背見出し用紙600として適用し得るファイル1’を、図8に示すように本実施形態の変形例として挙げることができる。ただし、用紙60に設定する切取線60k’は、前記実施形態における短辺60aから切取線60kまでの距離と同一寸法だけ長辺60bから離間した位置に、長辺60bと平行に形成する。このファイル1’は、前記実施形態と同様の大きさの表表紙部110、裏表紙部120及び背表紙部130を有するファイル本体100を備え、二つのヒンジ部150によって表表紙部110と裏表紙部120とを開閉可能としたものである。また、このファイル本体100の外面には、前記実施形態と同様に樹脂フィルム500を溶着することにより背ポケット部140を形成しているが、樹脂フィルム500には、前記実施形態の樹脂フィルム5よりも縦寸法が大きく、且つ背見出し用紙600を収容し得る縦寸法のものを適用する。すなわち、背見出し用紙600の縦寸法は、用紙60の長尺寸法に該当して297mmであるため、樹脂フィルム500の縦寸法は、その下縁500bに沿った溶着部位510の溶着幅を加味して、約300mmとしている。そこで、樹脂フィルム500の縦方向中央部をファイル本体100の高さ方向中央部に合致させて配置する場合、ファイル本体100の高さ寸法が約307mmであるために、樹脂フィルム500とファイル本体100とが重合しない領域は、樹脂フィルム500の上下に3.5mmずつとなる。したがって、樹脂フィルム500の側縁500c及び下縁500bに沿った溶着部位510の溶着条件を一定にするために、すなわち樹脂フィルム500をファイル本体100において芯材と表層シートと裏当てシートとが各一枚ずつ重合する領域に溶着するために、芯材、表層シート、芯材の裏面側へ折り返した表層シート、裏当てシートの合計四層となる部位を、上述した樹脂フィルム500とファイル本体100とが重合しない領域に設定することになる。そのため、前記実施形態のファイル本体10と同一の芯材2(図示省略)と、前記実施形態における表層シート3よりも一回り小さい表層シート300と、前記実施形態における裏当てシート4よりも一回り大きい裏当てシート400とを用いることによって、このファイル本体100を構成している。このように構成することで形成される背ポケット部140の背見出し用紙収容部位520には、上述した背見出し用紙600がちょうど収容される。そしてこの場合、ファイル本体100と重合しない樹脂フィルム500の上下においては、背表紙部130が外部に露出するため、その領域を、前記実施形態の場合よりも狭くはなるが表紙色明示領域160として利用することができる。したがって、このような構成のファイル1’では、上述した実施形態に係るファイル1と同様のメリットが得られる。
【0034】
また、他の変形例としては、図10に示すようにファイル本体200として、一枚の樹脂製シートから表表紙部210、裏表紙部220及び背表紙部230を形成したファイル1’’が挙げられる。この場合、ファイル本体200を構成する樹脂製シートは、ヒンジ部250を除いて各部略均一の厚さを有するものである。このようなファイル本体200に、前記実施形態と同様の樹脂フィルム5を溶着することにより、同様の背見出し用紙6を収容し得る背ポケット部240を形成している。ただし、前記実施形態におけるファイル本体10とは異なり、樹脂フィルム5の溶着部位51がファイル本体200において肉厚が異なる部位に亘ることがないため、樹脂フィルム5の上縁5aをファイル本体200の上縁200aと合致させることができる。勿論この場合も、樹脂フィルム5を前記実施形態のファイル1の場合と同様にその上縁5aをファイル本体200の上縁200aよりも下方位置に設けることに支障はない。また、上述した変形例に係るファイル1’の場合と同様に、背見出し用紙600を収容し得る樹脂フィルム500を用いた背ポケット部を形成しても構わない。さらに、背ポケット部240において溶着部位51を除く領域に背見出し用紙収容部位52が形成され、背表紙部230における樹脂フィルム5の上下に表紙色明示領域260が形成されるのも同様である。
【0035】
また、更に他の変形例としては、図11に示すように、前述した図10に示すものと同様の樹脂製シートからなるファイル本体200を備え、その背表紙部230にシール式の背見出し用紙6000を貼り付けるための背見出し用紙配置部252を形成したファイル1’’’が挙げられる。この場合、ファイル本体200には樹脂フィルム5は取り付けず、背表紙部230の外面における上端部よりの部位に、型押し等の方法によって矩形状に窪ませた背見出し用紙配置部252を形成している。この背見出し用紙配置部252の高さ寸法は、標準規格紙であるA4判の短辺寸法に対応しており、幅寸法は背表紙部230の幅寸法よりも小さい適宜寸法としている。これに対して背見出し用紙6000は、標準規格紙であるA4判と同一寸法を有し裏面に粘着層を備えた通常の粘着シール式の用紙を、その短辺と平行に背見出し用紙配置部252の幅寸法に応じて切断することにより作成したものである。なお、この種の粘着シール式の用紙には、使用前には粘着層の表出面である粘着面を保護する台紙が貼付してあり、この台紙を剥がすことによって粘着面を表出させて使用する。したがって、背見出し用紙6000の表面6000aには上述した実施形態や変形例のものと同様に「見積書」等の表題を印刷するなどしており、台紙(図示省略)を剥がした後に表出する裏面6000bの粘着面を、背表紙部230に形成した背見出し用紙配置部252に貼付する。このようにすることで、ファイル1’’’には、上述の実施形態や各変形例と同様に標準規格紙に対応した粘着シール式の用紙を背見出し用紙として使用することができ、同様のメリットが得られる。さらに、背見出し用紙6000を貼付していない背表紙部230の領域は、表紙色明示領域260’として利用することができる。なお、この変形例においても、背見出し用紙配置部の高さ寸法をA4判の長辺寸法に対応させ、背見出し用紙の縦寸法をA4判の長辺に対応させるような変更が可能である。また、ファイル本体には、樹脂シート製のもの以外に、上述した実施形態と同様のものを適用することもできる。さらに、背見出し用紙配置部は、背表紙部の外面を部分的に窪ませて形成したものの他に、背表紙部の外面を部分的に突出させたものや、特にこのように背見出し用紙配置部と他の部位を区画せずに背表紙部230の適宜の領域を背見出し用紙配置部として機能させることも可能である。さらに、背見出し用紙は背表紙部から表表紙部及び裏表紙部に跨って貼付するようにもすることができ、その場合は背見出し用紙が貼付される領域全体が、背見出し用紙配置部となる。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態又は各変形例に係るファイルに限られるものではない。例えばファイル本体には、A4判以外の標準規格紙を収容することを目的としたサイズのものを適用することができ、背ポケット部の大きさは当該ファイルに収容されるサイズの標準規格紙以外の標準規格紙に対応させてもよい。また、ファイル本体や樹脂フィルムの材質等も適宜変更することができ、樹脂フィルムのファイル本体への接着ないしは溶着方法も上述した方法に限らず適宜の手法を採用することができる。さらに本発明は、上述したような所謂ファイル乃至バインダ以外にも、名刺ホルダやポストカードホルダ、アルバム、クリヤブック、OAメディアファイリングホルダ等にも適用することができる。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係るファイルは、以上に詳述したように、ファイル本体に背ポケット部等の背見出し用紙配置部を形成するに際して、背見出し用紙配置部の高さ寸法、特に背ポケット部を有する場合はそのうち背見出し用紙を収容し得る背見出し用紙収容部位の高さ寸法を、標準規格紙の長辺又は短辺の寸法に対応させたものである。したがって、ファイルのユーザが独自に作成した背見出し用紙を用いたい場合、手元にある標準規格紙や標準規格の粘着シールをその長辺又は短辺と平行に一箇所のみ一直線状に切り取ることによって簡単に作成した短冊状の紙片を背見出し用紙として利用することができるため、わざわざ専用の交換用背見出し用紙を購入する必要がなく、ユーザが自由に背見出し用紙をレイアウトすることができる。また、このような背見出し用紙を背ポケット部に収容しても、背見出し用紙収容部位等の背見出し用紙配置部と背見出し用紙との大きさが略一致するために背見出し用紙配置部に残余部分が生じず、ファイルの外観を悪化させることがない。また一方で、ファイルの製造・販売者も、従来のような規格外の大きさの専用背見出し用紙を製造しなくても、汎用される一般的な標準規格紙や標準規格紙と同サイズの粘着シールで背見出し用紙を製造できるため、コストダウンを図ることができる。さらに通常は、ファイル本体がそれに収容される用紙等の収容対象物よりも一回り大きいものであるため、背表紙部においては背見出し用紙配置部が形成されていない部位が生じることになり、この部位を積極的に露出させてユーザに表紙色を明示することができ、表紙色によってファイルを分類したいというユーザの要望を満たすことができる。
【0038】
また、特にファイル本体が、芯材と、芯材の外面側を覆う表層シートと、芯材の裏面側を覆う裏当てシートとから構成したものであり、このファイル本体に樹脂フィルムを溶着して背ポケット部を形成する場合、表層シートの周縁部は芯材の裏面側に折り返して接着され、さらにその周縁部を被覆するように裏当てシートが接着されるのが通常であるが、これら芯材、表層シート、裏当てシートが四重以上に重合された部位を避け、一枚ずつ三重に重合された部位に樹脂フィルムを溶着するようにすることで、樹脂フィルムをファイル本体において略均等な厚さの部位に溶着することができるので、溶着条件を一定にすることができる。このため、部分的に溶着条件が変化することによる当該部位の切断や剥離を効果的に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るファイルを示す斜視図。
【図2】同実施形態に係るファイルを背表紙部側から見た正面図。
【図3】同実施形態に係るファイルを表表紙部側から見た右側面図。
【図4】同実施形態に係るファイルを見開いた外面側を示す平面図。
【図5】同実施形態に係るファイルに適用される背見出し用紙を作成するための用紙を示す平面図。
【図6】同実施形態に係るファイルのファイル本体を部分的に拡大して示す斜視図。
【図7】同実施形態に係るファイルにおいてファイル本体に樹脂フィルムを溶着する様子を示す模式図。
【図8】同実施形態の一変形例に係るファイルを示す斜視図。
【図9】同変形例に係るファイルに適用される背見出し用紙を作成するための用紙を示す平面図。
【図10】同実施形態の他の変形例に係るファイルを示す斜視図。
【図11】同実施形態の更に他の変形例に係るファイルを示す斜視図。
【符号の説明】
1、1’、1’’…ファイル
2…芯材
3、300…表層シート
4、400…裏当てシート
5…樹脂フィルム
5a、500a…上縁
5b、500b…下縁
5c、500c…側縁
6、600…背見出し用紙
10、100、200…ファイル本体
11、110、210…表表紙部
12、120、220…裏表紙部
13、130、230…背表紙部
14、140、240…背ポケット部
15、150、250…ヒンジ部
16、160、260…表紙色明示領域
51、510…溶着部位
52、520…背見出し用紙配置部(背見出し用紙収容部位)

Claims (14)

  1. 表表紙部及び裏表紙部と、これら表表紙部及び裏表紙部の基端間に設けられる背表紙部とを有するファイル本体を具備し、表表紙部と背表紙部との境界部分及び裏表紙部と背表紙部との境界部分にそれぞれ形成されるヒンジ部を境に表表紙部と裏表紙部とを背表紙部に対して回動動作させることにより開閉可能であり、少なくとも背表紙部の外面側に、表題等を表示する背見出し用紙を外部から視認可能に配置し得る背見出し用紙配置部を設けたものであって、
    前記背見出し用紙配置部の高さ寸法を、所定の標準規格紙の長辺又は短辺の何れかの寸法に対応させていることを特徴とするファイル。
  2. 背見出し用紙配置部の高さ寸法を、ファイル本体への前記収容対象物である所定の標準規格紙の長辺又は短辺の何れかの寸法に対応させている請求項1記載のファイル。
  3. 背見出し用紙配置部が、前記背見出し用紙を収容し得るようにファイル本体に設けた背ポケット部に形成され、該背見出し用紙を出し入れ可能に収容した状態に配置し得る背見出し用紙収容部位である請求項1又は2記載のファイル。
  4. 背ポケット部を、少なくとも背表紙部の外面と、少なくとも背表紙部の外面の一部を被覆してファイル本体の外面に接着した矩形状をなす透明又は半透明の樹脂フィルムとから構成している請求項3記載のファイル。
  5. 樹脂フィルムの両側縁を表表紙部及び裏表紙部の基端部に位置付け、樹脂フィルムの両側縁部をそれに対応する表表紙部及び裏表紙部の外面に接着するとともに、樹脂フィルムの下縁部における両側端部をそれに対応する表表紙部及び裏表紙部の外面のうち前記ヒンジ部に至らない領域に接着し、樹脂フィルムとファイル本体とが重合する領域のうち樹脂フィルムと表表紙部及び裏表紙部との接着部位以外の領域を前記背見出し用紙収容部位としている請求項4記載のファイル。
  6. 樹脂フィルムの両側端部においてそれぞれ、各側縁部から下縁部における各側端部に亘って連続するL字形状をなす接着部位を形成している請求項5記載のファイル。
  7. 樹脂フィルムの上縁を、ファイル本体の上縁よりも下方に位置付けている請求項4、5又は6記載のファイル。
  8. 背表紙部の外面において前記背見出し用紙配置部以外の領域を、背表紙部の外面の色を外部から視認可能な表紙色明示領域としている請求項2、3、4、5、6又は7記載のファイル。
  9. 概略矩形板状をなす芯材と、芯材の外面を密着状態で被覆し且つ周縁部を芯材の裏面側の周縁部に折り返して該芯材の裏面に密着させた概略矩形状をなす表層シートと、芯材の裏面を密着状態で被覆し且つ芯材の裏面側へ折り返された表層シートの周縁部に重合させた状態で密着させた概略矩形状をなす裏当てシートとから構成してなるファイル本体を具備し、該ファイル本体の中央部近傍において縦方向にヒンジ機能を有するヒンジ部を少なくとも二つ平行をなして形成することにより、ファイル本体を表表紙部と裏表紙部と背表紙部とに区画するとともに、該ヒンジ部を境に表表紙部と裏表紙部とを背表紙部に対して回動動作させることにより開閉可能とされ、少なくとも背表紙部の外面側に、表題等を表示する背見出し用紙を外部から視認可能に収容し得る背ポケット部を設けたものであって、
    前記背ポケット部を、少なくとも背表紙部の外面と、少なくとも背表紙部の外面の一部を被覆してファイル本体の外面に溶着した矩形状をなす透明又は半透明の樹脂フィルムとから構成し、少なくとも背ポケット部の下端部における樹脂フィルムとファイル本体との溶着部位を、ファイル本体において芯材と表層シートと裏当てシートとが一枚ずつ重合し略均等な厚みを有する部位に設定していることを特徴とするファイル。
  10. 樹脂フィルムの両側縁部を表表紙部及び裏表紙部の基端部に位置付け、樹脂フィルムの両側縁部をそれに対応する表表紙部及び裏表紙部の外面に溶着するとともに、樹脂フィルムの下縁における両側端部をそれに対応する表表紙部及び裏表紙部の外面のうち前記ヒンジ部に至らない領域に溶着し、樹脂フィルムとファイル本体とが重合する領域のうち樹脂フィルムと表表紙部及び裏表紙部との接着部位以外の領域を前記背見出し用紙収容部位としている請求項9記載のファイル。
  11. 樹脂フィルムの両側端部においてそれぞれ、各側縁部から下縁部における各側端部に亘って連続するL字形状をなす接着部位を形成している請求項10記載のファイル。
  12. 背ポケット部における樹脂フィルムとファイル本体との溶着部位全体を、ファイル本体において芯材と表層シートと裏当てシートとが一枚ずつ重合し略均等な厚みを有する部位に設定していることを特徴とする請求項9、10又は11記載のファイル。
  13. 樹脂フィルムの上縁を、ファイル本体の上縁よりも下方において芯材と表層シートと裏当てシートとが一枚ずつ重合し略均等な厚みを有する部位に位置付けている請求項9、10、11又は12記載のファイル。
  14. 背ポケット部において背見出し用紙を出し入れ可能に収容し得る背見出し用紙収容部位の高さ寸法を、所定の標準規格紙の長辺又は短辺の何れかの寸法に対応させている請求項9、10、11、12又は13記載のファイル。
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