JP5077883B2 - パネルの取付構造 - Google Patents
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パネルを梁に取り付ける乾式工法としては、例えば、パネル表面に設けた凹みに座付きボルトを貫通させ、建物梁に固定したナットに螺合させて締め付け固定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、長手方向に隣接するパネルを、梁の上面に取り付けられたこの梁の幅よりも大きい幅の金具に螺止する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
このように乾式工法は種々提案されているが、いずれも施工性や経済性等において一長一短があり、概して湿式工法よりもコストが高くなる問題があった。
また本発明のパネルの取付構造においては、前記取付下地ナットが、目地幅より小さく、かつ貫通している粉出し孔を具備したものとすることができる。
同様に、本発明のパネルの取付構造においては、前記座金の形状が2つの円形が重なり合った形状をなしたものを使用することが出来、前記座金の形状は小判型であっても良いし、あるいは8の字型であっても良い。
パネルに形成した座堀部と座金の形状および厚さ(深さ)がほぼ同一であり、座堀部と座金との間にほとんど隙間が生じることがないので、後の防水工事のための埋戻し補修が不要であり、座掘り形成も最小であるため、工期短縮およびコスト低減を図ることができる。
また、パネルの取付部における欠損が少ないので、極めて強固な取付強度を得ることができる。
さらに、座金の形状を2つの円形が重なり合った形状となし、座堀部を2つの円形の座堀が重なり合った形状に形成し、しかも、座金が座堀部に埋没して回転できない構造を取ることで、ねじの緩みが防止され、パネルの梁への取り付けをより確実なものとすることができる。
尚、2つの円形が重なり合った形状を適宜選択することにより、小判型あるいは8の字型の座金を形成することができ、また、2つの円形の座堀部の重なり具合を調整することにより、小判型あるいは8の字型の座堀部を形成することができる。
また、小判型座金は屋根のような高所での施工中に不用意に落下させた場合においても転がって散乱することがなく、周囲に破損を生じさせる心配が少ない。
また、円形の座堀部は電動ドリル等が使用可能であり切削量が少ないので作業量や切削粉の発生量が少なく、施工現場においても容易に形成することができる。
なお、ボルトの頭部を六角形や丸形にして、ボルトの頭部の形状に応じて座金の凹部を適切な形状に曲げ成形等により成形すれば、前記頭部が皿状のボルトを使用した場合と同様の効果が得られ、より強固な取り付けが可能である。
前記梁上に固定される取付下地ナットは、六角ナット等で必要あれば長さの長いものを用いてもよいが、目地幅より小さく貫通した粉出し孔を具備したものであることが望ましい。取付下地ナットをこのように形成すればパネルの切削加工をする際に、ネジ穴に切削粉が入り込んで詰まることが無く、強固な取付が可能となる。また、取付ボルトの設置スペース確保が容易となり、パネル内部の補強鉄筋などを欠損する心配もない。
従って、本発明のパネルの取付構造は、特に屋根パネルや床パネル等の強固な取付強度が要求されるパネルの用途において極めて有用である。
なお、本発明で使用するパネルとしては、ALCパネル、中空パネルおよびPCパネルなどが挙げられ、これらを建築物の屋根材または床材として使用する場合があるが、以下はその代表例としてALCパネルを屋根材として使用する場合について説明する。
本発明のパネルの取付構造10は、建築物の梁1上にALCパネル2,2を水平に載置し、該梁1上に取付下地ナット3を軸方向が垂直になるように固定し、該取付下地ナット3に座金4を介してボルト5を螺合し、ALCパネル2を前記梁1と前記座金4との間に狭持する取付構造である。前記ALCパネル2の上面2aに隣接するALCパネル間の目地部2bを跨ぐように形成した座堀部2cと、該座堀部2cとほぼ同形状および同厚であり、かつ中心部には凹部4aおよび貫通孔4bを設けた座金4と、該座金4の凹部4aよりも頭部が小さく、かつ長さが前記ALCパネル2の厚さ以下であるボルト5から構成されている。
ALCパネルを取り付けた場合には座堀部2cに座金4が埋没してALCパネル2の上面2aと座金4の上面4cとがほぼ同一面(面一)となるので、ALCパネル上面2aに段差が生じることがなく、ALCパネル上面2aにさらに他の部材、例えば防水シート等を敷設しても不陸を生じることがなく好都合である。
図1に示した取付構造の座金4は、金属板等を打ち抜き加工することにより形成したものであり、その形状は例えば長さ100mm、幅50mmの小判型であり、厚さは4.5mmであり、中心部には皿状の凹部4aおよび貫通孔4bが設けられている。
また、座堀部2cと座金4との間にほとんど隙間が生じることがないので、埋戻し補修を不要または最小とすることが可能であり、工期短縮およびコスト低減を図ることができる。
尚、本発明には、1)座金の形状を同一又は異なる2つの円形が重なり合った形状となすこと、及び、2)座堀部を、当該座金と嵌合するように、或いは、当該座金が少なくとも座堀部に埋没して回転できないように、同一又は異なる2つの円形の座堀が重なり合った形状に形成すること、も含まれるものとする。
このボルト5を使用してALCパネル2を取り付けた場合には、ボルト5の頭部が前記座金4の皿状の凹部4aに埋没して座金4の上面4cおよびALCパネル上面2aとほぼ同一面(面一)となるので、ALCパネル上面2aに段差が生じることがなく、ALCパネル上面2aにさらに他の部材、例えば防水シート等を敷設しても不陸を生じることがなく好都合である。
上記取付下地ナットの例を図5に示す。図5(a)に示す取付下地ナット31は、L字型の本体31aの一端にネジ穴31bを切削加工したものであって、本体31aを梁上に溶接して固定する。図5(b)に示す取付下地ナット32は図1に示したものであって、直方体のブロックからなる本体32の上面32aにネジ穴32bを切削加工し、本体32を梁上に溶接して固定する。図5(c)に示す取付下地ナット33は、図5(b)に示す取付下地ナットのネジ穴先端部を貫通するように、粉出し孔33bを横方向にくり抜いたものである。この例ではネジ穴33bは、ブロックのほぼ中央に切削加工されている。図5(d)に示す取付下地ナット34は、横断面がコの字型の本体34aの中央平面にネジ穴34bを切削加工したもので、コの字型の本体34cの中央内部34bが粉出し孔の機能を担っている。コの字型の本体34aの両端を梁上に溶接して固定する。
2 ALCパネル
2a 上面
2b 目地部
2c 座堀部
3 取付下地ナット
4 座金
4a 凹部
4b 貫通孔
4c 座金の上面
5 ボルト
5a 頭部
10 パネルの取付構造
Claims (1)
- 梁上にパネルを水平に配列して載置するパネルの取付構造であって、相隣接するパネルの上面にパネル間の目地部を跨ぐように形成した座堀部に座金を嵌合させ、該座金に締め付け用ボルトを貫通させて前記パネルを前記梁と座金との間に挟持するパネルの取付構造において、前記座堀部とほぼ同形状および同厚であり、中心部には凹部および貫通孔を設けた座金を介して、該座金の凹部よりも頭部が小さく、且つ長さが前記パネルの厚さ以下である締め付け用ボルトを取付下地ナットに螺合させて固定することを特徴とするパネルの取付構造。
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