JPH07286391A - パネル取り付け工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の建築用パネルを水平方向に連結敷設
し、長手方向に隣接するパネルを建築躯体に固定する場
合に、乾式で且つ無溶接で施工可能で、工期短縮と安全
性の向上を図ることができるパネルの取り付け工法を提
供する。 【構成】 パネルの長手方向の端部を建築躯体に懸架し
て隣接するパネルを固定するときに、長手方向端部近辺
の両幅小口面に金具埋設用段差部が設けられているパネ
ルを敷設し、下端部を前記躯体に係止した金具を前記パ
ネル段差部に固定してから、次ぎのパネルを隣接して敷
設し、これらパネルの表面から取り付け部材を前記金具
の頂部に螺着して固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はＡＬＣパネル等の複数
の建築用パネルを水平方向に連結敷設し、長手方向の端
部を建築躯体に懸架して隣接するパネルを固定した床や
屋根のパネル取り付け工法に関し、特に乾式で且つ現場
溶接の不要な施工方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来ＡＬＣパネル等複数の建築用パネル
を水平方向に連結敷設し、建築躯体に固定してて建築物
の床を構成するには、一般に図５のように先ず躯体を形
成するＩ型鋼２の上フランジ面２ａに所定間隔で、板状
で上端部近辺に切り込み３ａが設けられている金具３を
溶接する。それから幅方向小口面全長にＬ状溝１ａを加
工したパネル１を並列して敷設し、幅方向の角溝１ｂと
長手方向の目地１ｃを形成する。そしてこの溝１ｂに鉄
筋４を配置して金具３に係止してから、溝１ｂ及び目地
１ｃにコンクリートモルタル５を充填して水平な床面を
形成している。

【０００３】しかしこの工法では型鋼２に金具３を溶接
する際に、型鋼２の細いフランジ上で作業しなくてはな
らないので安全上の問題があった。また湿式工法なので
コンクリートモルタル５が乾燥するまで長時間静置して
おかなくてはならず、この間他の作業ができないため工
期が長くなる問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は乾式で且つ
無溶接で施工可能で、工期短縮と安全性の向上を図るこ
とができる床パネルの取り付け工法を提供するものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は複数の建築用パ
ネルを水平方向に連結敷設し、長手方向の端部を建築躯
体に懸架して隣接するパネルを固定するパネルの取り付
け工法であって、長手方向端部近辺の両幅小口面に金具
埋設用段差部が設けられているパネルを敷設し、下端部
を前記躯体に係止した金具をパネルの前記段差部に固定
してから次のパネルを隣接して敷設し、両パネルの表面
から取り付け部材を前記金具の頂部に螺着するものであ
る。

【０００６】

【作用】本発明の工法では、長手方向端部近辺の両幅小
口面に金具埋設用段差部が設けられているパネルを敷設
し、下端部を前記躯体に係止した金具をパネルの前記段
差部に固定してから次のパネルを隣接して敷設し、両パ
ネルの表面から取り付け部材を前記金具の頂部に螺着す
るので、建築現場ででは金具を躯体に溶接する必要がな
く、また殆どの作業を敷設中のパネルの上で施工するの
で安全である。更に隣接するパネルの目地部には隙間が
なく、コンクリートモルタルを充填する必要もないの
で、工期が短縮できる。尚この工法は床ばかりでなく、
パネルを使用した屋根等にも適用することができる。

【０００７】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面によって説明す
る。図１は本発明の工法で施工された床構造を示す一部
切り欠き斜視図であり、図２は図１のＡＡ矢視図、図３
〓（Ａ〜Ｄ）は金具と取り付け部材の斜視図である。本
発明の工法でパネル１の長手方向を躯体に固定するため
にに使用する図３Ａの金具７は、丸棒状でその下端部７
ａは直角に折り曲げられて躯体をなすＩ型鋼２の上フラ
ンジ２ａに係止可能になっている。また上端部には取り
付け部材８を螺着するための雌捩子７ｂが設けられ、中
間部には下端部７ａの折り曲げ方向と直角に、パネルの
小口面に釘止めするための角孔７ｃが穿設されている。
取り付け部材８は円盤状の座金８ａとボルト８ｂとから
なり、このボルト８ｂは前記金具７の雌捩子７ｂに螺合
可能になっている。

【０００８】また幅方向に隣接するパネル１を固定する
ための接続具１０は、図４のように板状でその下端部１
０ａ、１０ｂは互いに反対方向に直角に折り曲げられて
おり、パネル１の裏面に係止可能になっている。また上
端部には取り付け部材８を螺着するための雌捩子１０ｃ
が固着されており、中間部にはパネルの小口面に釘止め
するための角孔１０ｄが穿設されている。取り付け部材
８は円盤状の座金８ａとボルト８ｂとからなり、このボ
ルト８ｂは前記接続具１０の雌捩子１０ｃに螺合可能に
なっている。

【０００９】これらの金具７や接続具１０を使用してパ
ネル１を躯体のＩ型鋼２に固定するには、図１、２に示
すように、先ず長手方向端部近辺と中間部の両幅小口面
の所望位置に金具埋設用段差部１ａが設けられているパ
ネルの長手方向の端部を、Ｉ型鋼２に懸架した状態で長
手方向に１列分敷設する。それから金具７を長手方向に
相対するパネル１の各段差部１ａに嵌め、下端部７ａが
Ｉ型鋼２の上フランジ２ａの裏面に密着させた状態で，
角釘９を金具７の角孔７ｃに挿通してパネル１の小口面
に打ち込んで一対の金具７をパネル１に固着する。この
とき角釘を使用すると金具の振れを防止できて好都合で
ある。同様にして接続具１０も各パネル１の中間段差部
に収め、下端部１０ａがパネル１の裏面に密着させた状
態で，角釘９を接続具１０の角孔１０ｄに挿通してパネ
ル１の小口面に打ち込んで固着する。

【００１０】次いで２列目のパネルを敷設するが、この
とき２列目のパネルの段差部に前述のパネル１に固着し
た金具７及び接続具１０が格納されるようにすると、隣
接する各パネルの目地部に空隙がなくなる。それから金
具７と接続具１０の頂部の雌捩子７ｂ、１０ｃに座金８
ａを介してボルト８ｂを螺着してパネル１を固定する。
この時座金８ａの部分を予め座繰りしておき、ボルト８
ｂは皿ボルトを使用すればパネルの表面に突出せず、平
坦な床面となる。順次この作業を繰り返しせば工事は完
了し、各パネルは躯体に固着され強固な床面が構成され
る。この様に本工法では金具を躯体に溶接する必要がな
く、また隣接するパネルの長手方向も幅方向も密着して
目地部の空間がないので、コンクリートモルタル等を充
填する必要がなく乾式構造となる。

【００１１】図３Ｂ〜Ｄは金具の他の例を示すものであ
り、図３Ｂの金具７は頂部７ｂが雄捩子となっており、
取り付け部材８は座金付きナットを使用する。図３Ｃ、
３Ｄの金具１１は板状で、下端部にはＩ型鋼２の上フラ
ンジ２ａを挟持するための切り込み１１ａが設けられて
おり、頂部には取り付け部材８を螺着するための捩子部
１１ｂが設けられ、中間には角孔１１ｃが穿孔されてい
る。これらの金具の使用方法は前述の金具と同様であ
る。またパネル中間部の接続方法は前述の方法に限ら
ず、図示してないが隣接するパネルの相対する小口面に
溝を設けて接続具を埋設する等その他の方法で施工する
ことができる。

【００１２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の工
法では、長手方向端部近辺の両幅小口面に金具埋設用段
差部が設けられているパネルを敷設し、下端部を前記躯
体に係止した金具をパネルの前記段差部に固定してから
次のパネルを隣接して敷設し、両パネルの表面から取り
付け部材を前記金具の頂部に螺着するので、建築現場で
では金具を躯体に溶接する必要がなく、また殆どの作業
を敷設中のパネルの上で施工するので安全である。更に
隣接するパネルの目地部には隙間がなく、コンクリート
モルタルを充填する必要もないので、工期が短縮でき
る。尚この工法は床ばかりでなく、パネルを使用した屋
根等にも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の工法で施工された床構造を示す一部切
り欠き斜視図である。

【図２】図１のＡＡ矢視図である。

【図３】（Ａ〜Ｄ）は金具と取り付け部材の斜視図であ
る。

【図４】接続具の斜視図である

【図５】従来の床構造を示す一部切り欠き斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ パネル ２ 型鋼（躯体） ３、７、１１ 金具 ８ 取り付け具 ９ 釘 １０ 接続具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の建築用パネルを水平方向に連結敷
   設し、長手方向の端部を建築躯体に懸架して隣接するパ
   ネルを固定するパネルの取り付け工法であって、長手方
   向端部近辺の両幅小口面に金具埋設用段差部が設けられ
   ているパネルを敷設し、下端部を前記躯体に係止した金
   具をパネルの前記段差部に固定してから次のパネルを隣
   接して敷設し、両パネルの表面から取り付け部材を前記
   金具の頂部に螺着することを特徴とするするパネルの取
   り付け工法。