JP6316020B2 - 合成床構造 - Google Patents
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Description
木製梁とコンクリートスラブとの接合構造としては、例えば、ラグスクリュー等の固定棒の下部を木製梁(根太)に捻じ込むとともに、上部をコンクリートスラブに埋設して接合するものがある。
また、大規模木製建築の施工の合理化のため、コンクリートスラブの型枠(化粧板)をデッキプレートに変更して木製梁の間隔(スパン)を広げた合成床構造を構成すると、木製梁1本あたりに加わる地震力などの水平方向の外力も増加するため、上記の構造上の問題点が助長される。
(2)前記(1)において、前記波形鋼板は、山頂面と、谷底面と、隣接する前記山頂面及び谷底面を接続する傾斜面とで波形形状に形成され、前記係合手段は前記谷底面と前記取付金具とを接合することを特徴とする。
(3)前記(1)又は(2)において、前記係合手段は、前記波形鋼板と前記取付金具とを接合する打込み鋲であることを特徴とする。
(4)前記(1)又は(2)において、前記係合手段は、前記波形鋼板と前記取付金具とを接合する焼抜き栓溶接であることを特徴とする。
(5)前記(1)又は(2)において、前記係合手段は、前記取付金具の上面に形成された突起部と、前記波形鋼板に形成された開口部とが嵌合する構成であることを特徴とする。
(6)前記(1)又は(2)において、前記係合手段は、前記取付金具の上面に形成された突起部と、前記波形鋼板に形成された前記突起部に嵌合する凹部とで構成されることを特徴とする。
(8)前記(7)において、前記頭付きスタッドは、円筒形状の胴部と、前記胴部の一端側に設けられ前記胴部の外径よりも大きい外径を有する頭部とで構成され、前記取付金具の上面には、前記胴部の他端側が接合されることを特徴とする。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかにおいて、前記取付金具は、前記波形鋼板の一部が固定される水平面部と、前記水平面部に繋がった鉛直面部とを有することを特徴とする。
(10)前記(9)において、前記鉛直面部は、前記木製梁に溝加工されたスリット内に収納されることを特徴とする。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかにおいて、前記取付金具は、貫通孔を有し、前記貫通孔に挿入される固定用棒体により、前記木製梁に前記取付金具が固定されることを特徴とする。
図1〜図16を用いて実施の形態1に係る合成床構造を説明する。
以下、説明の便宜上、水平面に配置された木製梁1同士の間隔の方向(「スパン方向」に同じ)をY方向とし、木製梁1の長手方向(水平面上でY方向に対して直角方向)をX方向とし、鉛直上方をZ方向としているが、「水平及び鉛直」とは、文字通り厳密に水平及び鉛直であることに限定するものではない。
図1は、実施の形態1に係る合成床構造のY方向断面図である。
図2は、実施の形態1に係る合成床構造のX方向断面図である。
実施の形態1の合成床構造は、大きく木製梁1と、波形鋼板2と、取付金具3と、コンクリート4と、打込み鋲5とで構成されている。
木製梁1は、床材を支える構造部材であり、水平方向に平行に複数本掛け渡されている。木製梁1は、図2に示すように所定の間隔(スパン)を空けて配置(間隔は一定でなくても良い)されており、その断面形状は矩形となっている。そして、木製梁1の上面1aには、波形鋼板2の凹凸の長手方向と木製梁1の長手方向とが交差するように波形鋼板2が載置されている。
なお、一般的にこのような波形鋼板2とコンクリート4とから成るデッキ合成スラブは、波形鋼板2がコンクリート4の打ち込み時には型枠として、硬化後はコンクリート4と一体になって引張鉄筋の働きをするため、施工性、耐力や変形性能にすぐれた合理的、経済的な床構造である。
<木製梁>
図3aは、実施の形態1に係る木製梁のY方向断面図である。
図3bは、実施の形態1に係る木製梁のX方向断面図である。
木製梁1は、断面(X方向断面)が矩形の木製である。木製梁1の上面1aには、取付金具3の水平面部3aが収納される平底の凹部1fが形成され、凹部1fには下面1cに向かって、木製梁1の側面1b、1dに平行で、取付金具3の鉛直面部3bが侵入するスリット1gが形成され、さらに、木製梁1の上面1aに平行で、側面1bと側面1dとの両方に開口した固定用棒体20が挿入される側面孔1hが形成されている。
また、木製梁1は製材に限定されず、木板を層状に積層したり多数の木片から成る集成材(いわゆる、エンジニアードウッド)でも良い。また、薬剤処理を行った木材で強度若しくは耐火性能、又はその両方を向上させたものでも良いし、大部分が木材で覆われ部分的に木材以外の材(鉄骨、モルタルなど)を使用し強度若しくは耐火性能、又はその両方を向上させた合成建材でも良い。
図4aは、実施の形態1に係る波形鋼板のY方向断面図である。
図4bは、実施の形態1に係る波形鋼板のX方向断面図である。
波形鋼板2は、それぞれスパン方向(Y方向)に形成された、山頂面2aと、山頂面2aに平行な谷底面2bと、山頂面2aと谷底面2bとを連結する傾斜面2cと、を具備している。
傾斜面2cは、図4aに示すY方向断面において谷底面2bに近い程、対向する傾斜面2cの距離が拡大する略ハの字状となっており、波形鋼板2は波状のジグザク形状を呈している。
また、傾斜面2cには、押圧加工により形成させた複数のエンボス2dが形成されている。エンボス2dは、波形鋼板2上にコンクリート4が打設された際、その周囲にコンクリート4が回り込み、硬化することで、波形鋼板2とコンクリート4とがずれるのを防止し、耐力や変形性能を高める役割を果たす。
また、傾斜面2cの下部には連続したカギ溝が形成され、エンボス2dと同様な役割を果たす。
すなわち、一方の波形鋼板2の係止部2eと他方の波形鋼板2の係止部2fとが互いに係合することによって、一方の波形鋼板2と他方の波形鋼板2とを接続することができる。係止部2eは下方が開口した略J字状であり、係止部2fは上方が開口した略J字状であるから、両者が係合した際には係合部の隙間がなくなり、波形鋼板2上にコンクリート4を打設した場合でも、当該係合部からコンクリート4が流れ出すことがない。
なお、本波形鋼板2は一つの例示であり、例示された構造、形状に限定するものでない。
図5aは、取付金具(短物)のY方向正面図である。
図5bは、取付金具のX方向断面図である。
図5cは、取付金具のZ方向底面図である。
図5dは、固定用棒材の側面図である。
図5eは、取付金具の別形態(長物)のY方向正面図である。
取付金具3は、波形鋼板2を、木製梁1(正確には、少なくとも一対の木製梁1)に取り付けるためのものである。なお、木製梁1は、図2に示すように所定の間隔(「スパン」と同義)を空けて複数配置されている。
図5dにおいて、固定用棒体20は、貫通孔3cを貫通自在な外径を具備する中実棒又は中空棒(筒体)である。なお、固定用棒体20は木製梁1に抜け出し不能に設置されるものであるため、抜け出しを困難にするための手段が設けられている(これについては別途詳細に説明する)。
次に図6、図7を用いて実施の形態1に係る合成床構造の施工手順を説明する。
図6は、実施の形態1に係る木製梁の施工手順におけるX方向断面図である。
図7は、実施の形態1に係る木製梁の施工手順におけるY方向断面図である。
はじめにstep1として木製梁1の上面1aに取付金具3の水平面部3aと鉛直面部3bが収納される凹部1fとスリット1gとを形成する。また、木製梁1の上面1aに平行で、側面1bと側面1dとの両方に開口した固定用棒体20が挿入される側面孔1hを形成する。
次にstep2として断面T字形状の取付金具3をstep1で形成した凹部1fとスリット1gとに挿入する。
step3では、固定用棒体20をstep1で加工した木製梁1の側面孔1hに挿入する。
図8aは、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた断面図である。
固定用棒体20は、例としてドリフトピン20aを採用したものである。
図8aにおいて、ドリフトピン20aは先端角部に、木製梁1に形成された側面孔1hへの挿入を容易にするための面取り21aが形成され、外周面には側面孔1hからの抜け出しを困難にする凹凸22aが形成されている。
そして、ドリフトピン20aは側面孔1h及び貫通孔3cに挿入される。このとき、ドリフトピン20aに形成された凹凸22aが側面孔1hの内周に係止し、ドリフトピン20aの側面孔1hからの抜け出しを防止している。
そして、step5にて、波形鋼板2の谷底面2bに打込み鋲5を打ち込み、波形鋼板2と木製梁1に取り付けた取付金具3とを接合する。
図9は、実施の形態1に係る波形鋼板と取付金具に打込み鋲を打ち込んだ際の断面図である。
打込み鋲5は、図9に示すように先端の尖った先端部5aと、先端部5aが取り付けられた平板部5bと、平板部5bにおける先端部5aが取り付けられた面とは反対側の面に形成された頭部5cとで構成されている。
さらに、波形鋼板2を用いたデッキ合成スラブを採用することにより、木製梁1の長スパン化が実現することで施工の省力化を図ることができるとともに遮音性能を確保することができる。
また、エンボスやカギ溝の形状、位置に限定されるものではない。
波形鋼板2と取付金具3とを焼抜き栓溶接で接合することで波形鋼板2と木製梁1とを強固に固定できるとともに、打込み鋲5と同様にボルト接合で必要な取付金具3の下穴加工の手間が省け施工性が向上する。
耐火被覆は、定型材でも不定形材でも良く、また、これらを組み合わせて使用するものでも良い。美観に配慮して耐火若しくは準耐火構造の性能を満たす材料(薬剤注入した木材等)を採用しても良い。なお、本発明は、耐火若しくは準耐火構造としての使用に限定されない。
これらの取付金具3の様々な形態を採用しても、上記合成床構造と同様の効果を発揮することが可能である。
<取付金具の別形態(1)>
図8bは、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(1)の断面図である。
固定用棒体20は、ドリフトピン20aを採用したものである。
図8bにおいて、図8aと同様にドリフトピン20aが側面孔1hに挿入され、側面孔1hの両端が木栓11によって塞がれている。このとき、木栓11の表面は、木製梁1の側面1b、1dの表面と同一の面を形成しているから、木栓11の色彩と側面1b、1dの色彩とを同一にしておけば、側面孔1hが形成されていたことに気付かなくなる。よって、取付金具3に波形鋼板2を設置した際の意匠性が向上する。
図10aは、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(2)の断面図である。
固定用棒体20は、ボルト及びナットを採用したものである。
図10aにおいて、ボルト20bは、一方の端部に頭部21bが形成され、他方の端部寄りの範囲にナット23bが螺合する雄ねじ22bが形成されている。
そして、頭部21bと一方の側面1bとの間に座金24bが配置され、ナット23bと他方の側面1dとの間に座金25bが配置された状態で、ナット23bが雄ねじ22bに螺合し、ボルト20bは側面孔1hに設置されている。
したがって、取付金具3は木製梁1に確実に取り付けられ、固定用棒体20が側面孔1hから抜け出すことがない。なお、ナット23bをダブルナットにするなど、緩み難くしてもよい。
図10bは、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(3)の断面図である。
固定用棒体20は、ボルト及びナットを採用したものである。
図10bにおいて、木製梁1の側面孔1hには、一方の側面1b及び他方の側面1dに、それぞれ座グリ(平底の凹部に同じ)1i、1jが形成されている。座グリ1i及び座グリ1jは、それぞれ頭部21b及びナット23bを回転自在に把持することができる大きさと、それぞれ頭部21b及びナット23b、更に雄ねじ22bの一部を収納自在な深さとを具備している。
なお、別形態(1)に準じて、座グリ1i、1jに、木栓11(図8b参照、図示しない)を設置して、頭部21b及びナット23b、さらに雄ねじ22bの一部を、覆い隠すようにしてもよい。このとき、取付金具3に波形鋼板2を設置した際の意匠性がさらに向上する。
図11は、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(4)の断面図である。
固定用棒体20は、木ねじを採用したものである。
図11において、木製梁1の側面孔1hは、止まり穴であって、一方の側面1bから木ねじ20cが螺設(回転して設置)されている。
また、別形態(1)又は別形態(3)に準じて、木ねじ20cの頭部21cを木栓11(図8b参照、図示しない)によって覆い隠したり、座グリ1i(図10b参照、図示しない)を設けて収納したりして、意匠性をさらに向上させてもよい。なお、木ねじ20cに代えて、ラグスクリューや釘を使用してもよい。
図12は、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(5)の断面図である。
図12において、取付金具3は、水平面部3aと、貫通孔3cが形成された一対の鉛直面部3bとを具備する断面略π字状の部材である。
すなわち、取付金具3の鉛直面部3bを、複数にしたものであって、木製梁1には、一対の鉛直面部3bを挿入するための一対のスリット1gが形成されている。
そして、木製梁1の側面孔1hには、一方の側面1b側から一方の鉛直面部3bに形成された貫通孔3cを貫通する木ねじ20c(頭部21cを具備している)が設置され、他方の側面1d側から他方の鉛直面部3bに形成された貫通孔3cを貫通する木ねじ20d(頭部21dを具備している)が、それぞれ設置されている。
なお、以上は、一対の木ねじ20c、20dを用いているが、本発明はこれに限定するものではなく、1本の木ねじ20cが一対の貫通孔3cを貫通するようにしてもよい。また、木ねじ20cに代えて、ドリフトピン20a(図8a及び図8b参照)、あるいはボルト20b(図10a及び図10b参照)を用いてもよい。さらに、木栓11(図8b参照)を設置して、意匠性をさらに向上させてもよい。
図13は、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(6)の断面図である。
図13において、取付金具3は、水平面部3aと、貫通孔3cが形成された鉛直面部3bとを具備する断面L字状の部材である。
すなわち、取付金具3の鉛直面部3bを、水平面部3aの一方の側縁に形成したものである。したがって、例えば、板材を曲げ加工することによって、形成することが可能になり、製造コストが安価になる。
そして、取付金具3は、木製梁1の上面1aに水平面部3aが直接載置され、木製梁1の一方の側面1bに鉛直面部3bが当接され、貫通孔3cを貫通した木ねじ20cによって木製梁1に取り付けられている。
図14は、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(7)の断面図である。
図14において、取付金具3は、水平面部3aと、貫通孔3cが形成された一対の鉛直面部3bとを具備する断面コの字状の部材である。
すなわち、取付金具3の鉛直面部3bを一対にして、水平面部3aの両方の側縁にそれぞれ形成したものである。したがって、例えば、板材を曲げ加工することによって、形成することが可能になり、製造コストが安価になる。
そして、木製梁1の上面1aに水平面部3aが直接載置され、木製梁1の一方の側面1bに一方の鉛直面部3bが当接され、木製梁1の他方の側面1dに他方の鉛直面部3bが当接されている。さらに、一方の鉛直面部3bに形成された貫通孔3cを木ねじ20cが貫通し、他方の鉛直面部3bに形成された貫通孔3cを木ねじ20dが貫通した状態で、取付金具3は木製梁1に取り付けられている。
図15は、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(8)の断面図である。
図15において、取付金具3は、水平面部3aと、水平面部3aに平行な下水平面部3dと、水平面部3aと下水平面部3dとを連結する鉛直面部3bとを具備する断面コ字状の部材であって、下水平面部3dに貫通孔3cが形成されている。したがって、例えば、板材を曲げ加工することによって、形成することが可能になり、製造コストが安価になる。
このように取付金具3を断面コの字状の構成とすることにより、棒状部材に比べて木材に面接触して支圧力を伝達するため、木製梁1に取付金具3が食い込むことがなく、地震力などによりデッキ合成スラブ面に生ずる水平力を木製梁1に伝達することが可能となる。また、コの字断面の簡易な構成により取付金具3の製造コストを抑えることが可能となる。
図16aは、実施の形態1に係る取付金具の別形態(9)の断面図である。
図16bは、実施の形態1に係る木製梁に取付金具及び固定用棒体を取り付けた別形態(9)の断面図である。
このように取付金具3を断面ロの字状の構成とすることにより、棒状部材に比べて木材に面接触して支圧力を伝達するため、木製梁1に取付金具3が食い込むことがなく、地震力などによりデッキ合成スラブ面に生ずる水平力を木製梁1に伝達することが可能となる。また、ロの字断面の簡易な構成により取付金具3の製造コストを抑えることが可能となる。
実施の形態2に係る合成床構造は、実施の形態1に係る合成床構造の波形鋼板2と取付金具3との接合に使用した打込み鋲5に代えて、取付金具3に立設する頭付きスタッド6により木製梁1とデッキ合成スラブ(波形鋼板2とコンクリート4)とを一体化する実施の形態である。
以下の説明では、実施の形態1との相違点のみを記載する。
以下、実施の形態1と同様に説明の便宜上、水平面に配置された木製梁1同士の間隔の方向(「スパン方向」に同じ)をY方向とし、木製梁1の長手方向(水平面上でY方向に対して直角方向)をX方向とし、鉛直上方をZ方向としているが、「水平及び鉛直」とは、文字通り厳密に水平及び鉛直であることに限定するものではない。
図17は、実施の形態2に係る合成床構造のX方向断面図である。
実施の形態2の合成床構造は、大きく木製梁1と、波形鋼板2と、取付金具3と、コンクリート4と、頭付きスタッド6とで構成されている。これら各部材のうち頭付きスタッド6以外の木製梁1と、波形鋼板2と、取付金具3と、コンクリート4の構成は実施の形態1と同様である。
木製梁1の上面1aには、断面形状がT字の取付金具3が複数個埋め込まれており、図17に示すように取付金具3の水平面部3aには、円筒形状の頭付きスタッド6が立設している。
頭付きスタッド6は、円筒形の胴部6aと胴部6aの直径よりも大きい直径の円筒形で成形された頭部6bとで形成されている。
胴部6aの下端は、取付金具3の水平面部3a上に溶接にて固定されている。
次に実施の形態2に係る合成床構造の施工手順を説明する。
実施の形態2に係る合成床構造の施工手順は、実施の形態1に係る施工手順である上記step1〜6のうち、step5のみが異なっている。
すなわちstep5の波形鋼板2の谷底面2bに打込み鋲5を打ち込み、波形鋼板2と木製梁1に取り付けた取付金具3とを接合する工程に代えて、頭付きスタッド6の胴部6aの下端を、取付金具3の水平面部3a上に溶接する工程を行う。
そして、波形鋼板2を用いたデッキ合成スラブを採用することにより、木製梁1の長スパン化が実現することで施工の省力化を図ることができるとともに遮音性能を確保することができる。
また、図17では頭付きスタッド6の胴部6aの下端を、取付金具3の水平面部3a上に溶接しているが、波形鋼板2の谷底面2b上から谷底面2bを貫通させて取付金具3の水平面部3a上に溶接する貫通溶接としてもよい。
この場合は木製梁1上で波形鋼板2を切り離す必要がないため、長尺の波形鋼板2を使用することができ、施工性を向上させることができる。
さらに、木製梁1とデッキ合成スラブとを一体化することができれば、頭付きスタッド6に替えて、ジベルや鉄筋や有孔プレート等を用いても良い。
実施の形態3に係る合成床構造は、実施の形態1に係る合成床構造の波形鋼板2と取付金具3との接合に使用した打込み鋲5に代えて、取付金具3に立設する突起部7を波形鋼板2の開口部8に嵌合し木製梁1と波形鋼板2とを一体化する実施の形態である。
以下の説明では、実施の形態1との相違点のみを記載する。
以下、実施の形態1と同様に説明の便宜上、水平面に配置された木製梁1同士の間隔の方向(「スパン方向」に同じ)をY方向とし、木製梁1の長手方向(水平面上でY方向に対して直角方向)をX方向とし、鉛直上方をZ方向としているが、「水平及び鉛直」とは、文字通り厳密に水平及び鉛直であることに限定するものではない。
図18は、実施の形態3に係る合成床構造のY方向断面図である。
図19は、実施の形態3に係る嵌合構造の部分拡大図である。
図20は、実施の形態3に係る別形態の嵌合構造の部分拡大図である。
実施の形態3の合成床構造は、大きく木製梁1と、波形鋼板2と、取付金具3と、コンクリート4と、取付金具3に形成された突起部7と、波形鋼板2に開口した開口部8とで構成されている。これら各部材のうち取付金具3に形成された突起部7と、波形鋼板2に開口した開口部8以外の木製梁1と、波形鋼板2と、取付金具3と、コンクリート4との構成は実施の形態1と同様である。
木製梁1の上面1aには、断面形状がT字の取付金具3が複数個埋め込まれており、図18に示すように取付金具3の水平面部3aには、例えば円筒形状の突起部7が立設している。
なお、突起部7は円筒形状に限定されることはなく、上面視で矩形やその他の多角形としても良い。
また、取付金具3の突起部7に対応する波形鋼板2の谷底面2bには、突起部7の形状に隙間なく嵌合する形状の開口部8が開口している。
次に実施の形態3に係る合成床構造の施工手順を説明する。
実施の形態3に係る合成床構造の施工手順は、実施の形態1に係る施工手順である上記step1〜6のうち、step5のみが異なっている。
すなわちstep5の波形鋼板2の谷底面2bに打込み鋲5を打ち込み、波形鋼板2と木製梁1に取り付けた取付金具3とを接合する工程に代えて、取付金具3の突起部7に波形鋼板2の谷底面2bに開口した開口部8を嵌合する工程を行う。
そして、波形鋼板2を用いたデッキ合成スラブを採用することにより、木製梁1の長スパン化が実現することで施工の省力化を図ることができるとともに遮音性能を確保することができる。
そして、実施の形態1〜3においては、床スラブを例にとって説明したが、屋根材としてこれらの構成を採用することが可能である。
また、実施の形態1〜3に記載の各構成は、適宜組み合わせて構成することが可能である。例えば実施の形態1に係る打込み鋲を有する合成床構造の構成に、実施の形態2に係る頭付きスタッドを採用しても良い。
1a 上面
1b 側面
1c 下面
1d 側面
1f 凹部
1g スリット
1h 側面孔
1i 座グリ
1j 座グリ
2 波形鋼板
2a 山頂面
2b 谷底面
2c 傾斜面
2d エンボス
2e 係止部
2f 係止部
3 取付金具
3a 水平面部
3b 鉛直面部
3c 貫通孔
3d 下水平面部
4 コンクリート
5 打込み鋲
5a 先端部
5b 平板部
5c 頭部
6 頭付きスタッド
6a 胴部
6b 頭部
7 突起部
8 開口部
9 凹部
11 木栓
20 固定用棒体
20a ドリフトピン
20b ボルト
20c 木ねじ
20d 木ねじ
21a 面取り
21b 頭部
21c 頭部
21d 頭部
22a 凹凸
22b 雄ねじ
23b ナット
24b 座金
25b 座金
Claims (11)
- 木製梁と、前記木製梁の上面に載置された波形鋼板と、前記波形鋼板上に打設されたコンクリートと、前記木製梁の上面に取り付けられ前記波形鋼板に当接する取付金具と、を備えた合成床構造であって、
前記波形鋼板は、山頂面と谷底面とを交互に繰り返して形成された構成であり、
前記取付金具は、前記波形鋼板の前記谷底面に対応する位置に間隔を開けて配置されており、
前記波形鋼板と前記取付金具とは係合手段により接合されていることを特徴とする合成床構造。 - 前記波形鋼板は、山頂面と、谷底面と、隣接する前記山頂面及び谷底面を接続する傾斜面とで波形形状に形成され、
前記係合手段は前記谷底面と前記取付金具とを接合することを特徴とする請求項1に記載の合成床構造。 - 前記係合手段は、前記波形鋼板と前記取付金具とを接合する打込み鋲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成床構造。
- 前記係合手段は、前記波形鋼板と前記取付金具とを接合する焼抜き栓溶接であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成床構造。
- 前記係合手段は、前記取付金具の上面に形成された突起部と、前記波形鋼板に形成された開口部とが嵌合する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成床構造。
- 前記係合手段は、前記取付金具の上面に形成された突起部と、前記波形鋼板に形成された前記突起部に嵌合する凹部とで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成床構造。
- 木製梁と、前記木製梁の上面に載置された波形鋼板と、前記波形鋼板上に打設されたコンクリートと、前記木製梁の上面に取り付けられ前記波形鋼板に当接する取付金具と、を備えた合成床構造であって、
前記波形鋼板は、山頂面と谷底面とを交互に繰り返して形成された構成であり、
前記取付金具は、前記波形鋼板の前記谷底面に対応する位置に間隔を開けて配置されており、
前記取付金具の上面には前記コンクリート内に埋設される棒状の頭付きスタッドが立設されることを特徴とする合成床構造。 - 前記頭付きスタッドは、円筒形状の胴部と、前記胴部の一端側に設けられ前記胴部の外径よりも大きい外径を有する頭部とで構成され、
前記取付金具の上面には、前記胴部の他端側が接合されることを特徴とする請求項7に記載の合成床構造。 - 前記取付金具は、前記波形鋼板の一部が固定される水平面部と、前記水平面部に繋がった鉛直面部とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の合成床構造。
- 前記鉛直面部は、前記木製梁に溝加工されたスリット内に収納されることを特徴とする請求項9に記載の合成床構造。
- 前記取付金具は、貫通孔を有し、前記貫通孔に挿入される固定用棒体により、前記木製梁に前記取付金具が固定されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の合成床構造。
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