JP2010112090A - 仮設材を必要としない連結部材と連結方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強固な型枠組が技能工で短時間に施工ができる打ち込み型枠と仮設材を必要としない連結部材と連結方法を提供する。
【解決手段】構築物のコンクリート壁体を構築する、打ち込み型枠1の連結部両側面に雇い実挿入溝2を設け、前記雇い実挿入溝2に板状の連結部材4の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、前記打ち込み型枠1を隣接する打ち込み型枠1に連結ビス9で連結固定し、前記雇い実挿入溝2に雇い実部材3を圧挿入して、仮設材を使用することなく打ち込み型枠1を連結組固定し、コンクリート14を打設して打ち込み型枠1のコンクリート躯体を構築する。
【選択図】 図1
【解決手段】構築物のコンクリート壁体を構築する、打ち込み型枠1の連結部両側面に雇い実挿入溝2を設け、前記雇い実挿入溝2に板状の連結部材4の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、前記打ち込み型枠1を隣接する打ち込み型枠1に連結ビス9で連結固定し、前記雇い実挿入溝2に雇い実部材3を圧挿入して、仮設材を使用することなく打ち込み型枠1を連結組固定し、コンクリート14を打設して打ち込み型枠1のコンクリート躯体を構築する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物周りの塀や建物の外壁、内壁又は間仕切壁、擁壁さらには土木建造物等のコンクリート構築物の形成に使用するための構築用打ち込み型枠を固定する、仮設材を必要としない連結部材と連結方法に関する。
従来、建物周りの塀や建物の外壁、内壁又は間仕切壁、擁壁さらには土木建造物等を構築する場合、ベニヤ型枠や鋼製型枠、樹脂型枠等全て解体を目的とした型枠が利用されている。その型枠組みは、それらの型枠に孔を開けてセパレーターとフォームタイを用いて、鋼管バタ等大量の仮設材や補助桟を利用して型枠を組み立てて、その中に躯体コンクリートを打設する。コンクリートの硬化後に型枠を解体して、必要に応じてセパレーター部分の処理をして、吹付けやタイル等の化粧材を貼付けて仕上げが行われている。また、建物周りの塀に関してはコンクリートブロックやプレキャストコンクリートを用い、中空部に補強鉄筋を挿通して組積されている。
他方、断熱材を打ち込み型枠として利用したものが一般に知られている。それらの連結部材は、それぞれの打ち込み型枠に適合するものが開発されている。その打ち込み型枠の連結方法は複雑でありコスト高になる。
前述の解体を目的とした型枠組みは精度が悪く、多くの職種や複雑な作業と長い工期、結露対策等によるコスト高など、鉄筋コンクリート住宅の普及を妨げている。しかしながら災害の多い現在、鉄筋コンクリート住宅のような、あらゆる災害に耐えられる、防災住宅は強く望まれている。
なお、本願発明に関連する公知技術として次の特許文献を挙げることができる。
しかしながら、従来のコンクリート構築物の躯体を構築する、打ち込み型枠及び連結部材や連結方法には次の問題があった。
従来の打ち込み型枠の形状は複雑で、大半が打ち込み型枠に連結固定部材を装着して、連結部材で連結組みするものであって、自由に連結固定することは不可能である。
また、打ち込み型枠に連結固定部材を装着する加工の複雑さと、連結固定部材と連結部材を含めて、制作費が多くなり工事費を高騰させる問題点を有している。
打ち込み型枠に連結固定部材を装着することは、打ち込み型枠の材質を限定しなければならないため、打ち込み型枠の材質に合わせた連結固定部材と連結部材が必要となり無駄が生じる。
上記した以外に、仮設材を使用しないで化粧打ち込み型枠等を構築する場合、打ち込み型枠組体に歪が生じる場合がある。従来工法では、その打ち込み型枠組体の歪は是正できない不具合が生じる。
他方、打ち込み型枠は連結部材等を埋設した成型板が多種提案、また、使用されているが、いずれも複雑な構造で製作コストが高くなるという不具合を生じる。
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、技術を有する熟練工を必要としない、多能工で容易に打ち込み型枠の連結組み固定ができる、仮設材を必要としない連結部材と連結方法を提供することにある。
また、打ち込み型枠を連結部材で連結する、打ち込み型枠と仮設材を使用しない連結方法について、すでに本願の発明者により、特願2008−224226号として提案されている。
しかしながら、その提案のものは打ち込み型枠の連結部側面に連結部材挿入穴を設けて、連結部材を挿入し、ビスで連結固定することを特長とするものであり、その連結部材挿入穴以外の場所での連結固定が不可能であった。本発明は、打ち込み型枠の連結部両側面の雇い実挿入溝のどの場所でも、高度な技術を要することなく敏速に連結固定ができることを特徴とする、仮設材を必要としない連結部材と連結方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、構築物のコンクリート壁体を構築する、打ち込み型枠の連結部両側面に雇い実挿入溝を設け、前記雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、前記打ち込み型枠を隣接する打ち込み型枠に連結ビスで連結固定し、前記雇い実挿入溝に雇い実部材を圧挿入して、仮設材を使用することなく打ち込み型枠を連結組固定することを特長とする打ち込み型枠組工法(請求項1)を提供する。
前記打ち込み型枠の連結部両側面に雇い実挿入溝を設け、前記雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、前記打ち込み型枠を隣接する打ち込み型枠に連結ビスで連結固定し、前記雇い実挿入溝に雇い実部材を圧挿入して、前記仮設材を使用することなく打ち込み型枠を連結組固定することを特長とする打ち込み型(請求項2)を提供する。
前記雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、前記打ち込み型枠と打ち込み型枠を固定することを特長とする板状の連結部材(請求項3)を提供する。
前記打ち込み型枠の連結部両側面に雇い実挿入溝を設け前記雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、前記打ち込み型枠を隣接する打ち込み型枠に連結ビスで連結固定し、前記雇い実挿入溝に雇い実部材を圧挿入して、打ち込み型枠及び板状の連結部材と雇い実部材を一体化させることを特長とする連結方法(請求項4)を提供する。
前記板状の連結部材に歪矯正孔を開け、前記板状の連結部材の歪矯正孔にワイヤーロープ状の歪矯正部材を通し、前記歪矯正部材を調整して打ち込み型枠の歪を矯正することを特長とする歪矯正孔を開けた板状の連結部材(請求項5)を提供する。
前記板状の連結部材に歪矯正孔を開け、前記板状の連結部材の歪矯正孔にワイヤーロープ状の歪矯正部材を通し、前記歪矯正部材を調整して打ち込み型枠の歪を矯正することを特長とする打ち込み型枠組体の歪矯正補強方法(請求項6)を提供する。
前記板状の連結部材と従来の丸セパを合体させたセパレーターを用いて、打ち込み型枠と解体する型枠を連結することを特徴とする板状の連結部材と丸セパを合体させたセパレーター(請求項7)を提供する。
構築物の各階に固定した固定大引きを基盤とし、その固定大引きに前記打ち込み型枠を連結固定することで、複層階の打ち込み型枠組みが継続して構築できることを特徴とする複数階の打ち込み型枠を継続して構築する方法(請求項8)を提供する。
以上説明したように本発明によれば、打ち込み型枠の連結部両側面に雇い実挿入溝を設け、その雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を雇い実挿入溝に挿入してビス固定をする。そのことにより板状の連結部材は固定位置を限定することなく雇い実挿入溝にビス固定ができる。また、打ち込み型枠の連結は隣接する打ち込み型枠に雇い実挿入溝から打ち込み型枠を貫通させて連結ビスで連結固定する。その工法により板状の連結部材を固定するビスと打ち込み型枠を貫通させる連結ビスは打ち込み型枠の補強筋の効果も奏する。しかる後に雇い実挿入溝に雇い実部材を圧挿入し、打ち込み型枠を強固に連結組固定する。このことにより連結された打ち込み型枠は強固な打ち込み型枠体となる。連結についても現場加工を必要とせず、従来の大量に使用していた仮設材も使用することなく、熟練工でなくても簡単迅速に互いを強固に連結固定することができるほか、高い精度で正確な打ち込み型枠組みができる。
また、前記板状の連結部材に歪矯正孔を開け、その歪矯正孔にワイヤーロープ状の歪矯正部材を通し、歪矯正部材を調整して打ち込み型枠の歪を矯正することにより、精度の高い強固な打ち込み型枠組み体が構築できる。そのことにより3層階程度の小規模な建物であれば全ての型枠組みを完了させて、コンクリートの同時打設も可能である。
さらに、コンクリートを同時打設することで、バルコニーや屋上等の防水工事を必要としないコンクリート躯体が構築できる。また、コンクリートの打ち継がなくなることで、打ち継ぎからの漏水が防止できるとともに、打ち継ぎのコーキング処理は不要となる。さらに、スラブの打ち込み型枠は解体しないので、スラブ打ち込み型枠の上にシートを張っての防水の対応も可能である。
無垢の木の化粧打ち込み型枠は保温性と断熱性に優れているため、室内外の断熱材となり室内の結露が発生しない室内外の断熱壁が構築される。また、無垢の木の打ち込み型枠の板厚を増すことで寒冷地にも適応する外断熱壁となる。無垢の木の打ち込み型枠の大きな特徴は、在来工法では困難とされていた外断熱壁の構築が容易に且つ敏速に構築できることである。
コンクリートを無垢の木の打ち込み型枠で覆うことで、木造建築の造作と同等以上の施工の容易さと、既製住宅用サッシの利用と取り付けが在来木造住宅と同等以上に容易となる。
無垢の木の化粧打ち込み型枠をコンクリートに打ち込むことで、無垢の木の打ち込み型枠はコンクリート表面の劣化防止の保護材となり、建物の耐用年数を長くする。
打ち込み型枠にすることで型枠の解体、ケレン、釘仕舞、運搬、保管等全て不要となり、建設費と産業廃棄物が大きく削減できる。
打ち込み型枠にすることで、コンクリートの養生期間の短縮と複雑な工程も特別な技術者も必要としない短納期・ローコスト・高品質な構築を可能にする。
無垢の木の打ち込み型枠はコンクリートと一体化することで燃えにくくなる、木材は420℃(着火危険温度250℃)で発火(燃焼速度は30分で18mm)し、その後は表面に出来た炭化層が断熱材の役割を果たし、木材内部の温度上昇を押さえて、熱分解して生じる可燃ガスの発生を防ぐので、それ以上は燃えにくくなる。また、無垢の木の不燃処理も可能である。
無垢の木の打ち込み型枠は解体をしないので、型枠組みの精度が高く強固であるため、型枠組みに並行して電気の配線や器具付けも可能であり、給排水設備の配管用スリーブを入れる必要もなく本配管ができる。このため無駄な材料も工事費用も不要となり各設備費を大きく削減できる。
本発明の打ち込み型枠は、前述した如く多種多様な材料や形状の材料であっても、打ち込み型枠に利用できる。また、打ち込み型枠の連結は連結目地が直線的に連続しない千鳥状の連結や、連結目地を上下並列させて通り目地に前述した工法での連結は可能である。その場合、打ち込み型枠は短尺でも作業性に問題は生じない。
この発明の打ち込み型枠は、適切な巾のフローリング形状なので、加工や構築が容易で、整理整頓、運搬が容易である。
地球温暖化が危惧されている今日、構築物の外壁を無垢の木の打ち込み型枠にすることにより、太陽熱を反射しない地球環境に優しい構築物となり、地球温暖化防止に貢献できる。また、打ち込み型枠を国産木材にすることで、林業過疎地の活性化と森林の保全に貢献できる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した仮設材を必要としない連結部材と連結方法を詳細に説明する。
(全体構成)
図1はこの発明の仮設材を必要としない連結部材と連結方法を説明する斜視図である。図2は躯体の実施例を説明する構築物の矩計断面詳細図であり、図3〜図17は躯体の部分収まり縦横断面詳細図と各接続部材の形状を示したものである。
これらの図を参照して説明すると、建物の外壁は断熱が要求されるため、打ち込み型枠1は断熱性能を有したものか、断熱材を装着させた打ち込み型枠1の選択が必要であり、本図は加工性と断熱性に優れた無垢の木の打ち込み型枠1を選択した。その打ち込み型枠1は連結ビス9で連結固定できる板巾(105mm程度)とし、連結部両側面に雇い実挿入溝2を設けた打ち込み型枠1とした。
図1はこの発明の仮設材を必要としない連結部材と連結方法を説明する斜視図である。図2は躯体の実施例を説明する構築物の矩計断面詳細図であり、図3〜図17は躯体の部分収まり縦横断面詳細図と各接続部材の形状を示したものである。
これらの図を参照して説明すると、建物の外壁は断熱が要求されるため、打ち込み型枠1は断熱性能を有したものか、断熱材を装着させた打ち込み型枠1の選択が必要であり、本図は加工性と断熱性に優れた無垢の木の打ち込み型枠1を選択した。その打ち込み型枠1は連結ビス9で連結固定できる板巾(105mm程度)とし、連結部両側面に雇い実挿入溝2を設けた打ち込み型枠1とした。
内外壁型枠の固定は打ち込み型枠1の雇い実挿入溝2に板状の連結部材4のビス孔5部分を挿入してビス6で固定する。その板状の連結部材4を固定する間隔は400mm程度が適当と考えられる。隣接する打ち込み型枠1の連結は打ち込み型枠1を貫通する連結ビス9と雇い実部材3を用いて連結組固定する。上記により板状の連結部材4を固定するビス6と連結ビス9は打ち込み型枠1の反りを防止する役割もする。
前記、板状の連結部材4がビス6固定された雇い実挿入溝2に、雇い実部材3を圧挿入することにより打ち込み型枠1及び板状の連結部材4と雇い実部材3は一体化され強固な打ち込み型枠組体となる。
また、打ち込み型枠1の連結部側面の雇い実挿入溝2に雇い実部材3を圧挿入して連結することで、コンクリート14の打設による漏水が防止できるとともに連結部分の強度を増強させる。その雇い実部材3の材料は鉄、非鉄金属、樹脂、木材等適宜使い分けが可能であり利用できる。
図3、6に示すように、板状の連結部材4に歪矯正孔8を開け、図2に示すように固定された最上部の板状の連結部材4の歪矯正孔8に歪矯正部材7を取り付けて、図2に示す形状に歪矯正部材7を通して、打ち込み型枠1の下部で歪矯正部材7を調整して固定することにより、仮設材25を必要とすることなく、より強固な型枠組体が構築できる。また、型枠組体の歪を矯正することができる。
無垢の木の打ち込み型枠1は、コンクリート14の打設により膨張をするため、打ち込み型枠1と打ち込み型枠1の間隔は板状の連結部材4の板厚分開けることで吸収させる。なお板状の連結部材4部分については膨張に影響する巾ではないので無視する。
前記、連結固定した内外壁の打ち込み型枠1は一枚の板壁状となり強固な打ち込み型枠組体となる。このことにより継続して多層階の型枠組が可能になる。
打ち込み型枠1を連結固定する板状の連結部材4はコンクリートの打設側圧に耐える強力な張力を有する素材が要求されるため、強くて加工性の良い鉄板が望ましいが樹脂や非鉄金属も使用できる。
打ち込み型枠1の板厚はコンクリート打設側圧に耐える厚さを30mm程度とするが、打ち込み型枠1と打ち込み型枠1を連結固定する場合、連結ビス9が打ち込み型枠1の横断面を貫通するため、連結ビス9の張力により打ち込み型枠1はより強度を増す。そのことから打ち込み型枠1の連結部分以外に適切な間隔で連結ビス9をねじ込むことで打ち込み型枠1の横方向の強度を増すこともできる。
この発明において、打ち込み型枠1はコンクリート打設側圧に耐える強度と、耐久性及び加工性や衣装性等、多くの条件を満たした材料が選択されるが、特に断熱性能を有することは大切であり木材は最良の素材である。しかしながら、木材が適さない構築物もある。例えば火災に対応させなければならない場合は窯業材等、耐火、防火性能を有する無機質材を使用して断熱材を装着した打ち込み型枠1を使用することもある。また、無垢の木の打ち込み型枠1の化粧面に防火材を装着する場合や不燃処理した無垢の木の打ち込み型枠1を使用することもある。
また、寒冷地のような地域の打ち込み型枠1については、無垢の木の打ち込み型枠1に断熱材を装着して使用する場合や無垢の木の打ち込み型枠1の厚みを増して使用することでも対応できる。
前述した本発明に使用できる打ち込み型枠1の種類は、木材や無機質材があり、無垢の木の打ち込み型枠1図3,5記載、断熱材を装着した無垢の木の打ち込み型枠1図6,8記載、無機質材の打ち込み型枠1図3,5記載、無機質材に断熱材を装着した打ち込み型枠1図6,8記載を使い分けができる。それらの打ち込み型枠1に化粧材を添着したもの、表面に凹凸や柄彫りのあるもの、着色したもの等、多種多様な打ち込み型枠1が利用できる。
本発明の打ち込み型枠1の連結方法は、構築物の壁体を構築する場合の仮設材は使用しないので、打ち込み型枠1の表面に如何なる凹凸や模様があっても、容易に連結ができる。また、構築中に破損することもない。
図示したものは全て、打ち込み型枠1を縦方向に連結使用しているが、本発明は横方向の連結使用も可能である。例えば連結目地が直線的に連続しない千鳥状の連結や、連結目地を上下並列させて通り目地に前述した工法での連結は可能である。その場合、打ち込み型枠1は短尺でも作業性に問題は生じない。
前記は、土木の擁壁や手摺等の構築に適している。また、構築物のコンクリート躯体を打ち込み型枠1で覆うことはコンクリートの耐用年数を長くする。
以上に本発明の構築物の打ち込み型枠と連結方法について説明したが、つぎに塀に関する打ち込み型枠と連結方法について説明する。
図9〜11に基づき板塀の実施例を説明すれば、従来、板塀が多く造られていたが、コスト高や腐食等の問題が多く、今日では化粧ブロック塀やフェンス塀が支流に使用されている。しかしながら土塀や無垢の木の板塀を切望される方も多くいる。そのことに鑑み本発明の板塀を提供する。図11に記載のように、布基礎22上に打ち込み型枠1の下部は削ぎ落し、布基礎22面を広げることで板塀の自立が強固にできる。その打ち込み型枠1の連結については、前述した板状の連結部材4を用いて打ち込み型枠1を連結固定して打ち込み型枠体とし、コンクリート15を打設して板塀を構築する。
このようにして構築された板塀は金属笠木、非鉄金属笠木、木材笠木、瓦笠木等の笠木が利用できる。また、本発明の板塀は強固であるため、従来の重量のある瓦葺屋根を構築することもできる。このことにより多種多様な板塀や土塀の構築が可能である。
図2で3層階程度の小規模な建物の実施例を説明すれば、ベタ基礎12及び2階、3階のスラブ型枠16に固定された固定大引き11に、内壁の打ち込み型枠1をビス6で固定しつつ、前述の連結方法で打ち込み型枠1を構築し、構築した内壁の打ち込み型枠1の上部に仮設梁受け18を仮止めして、仮設梁17を載せ置きし、スラブ型枠16を強固に固定する。スラブ型枠16受けの仮設は従来の鋼製ポストで支えることも考えられるが、小規模建物の継続作業を可能にするため、図2に示した仮設梁17にすることが望ましい。
上記型枠組みにさらなる強度を持たせるために、図2に示すように、固定された最上部の板状の連結部材4の歪矯正孔8に歪矯正部材7を取り付けて、図2に示す形状に歪矯正部材7を通して、打ち込み型枠1の下部で歪矯正部材7を調整して固定することにより、驚異的な強度の打ち込み型枠体となる。また、打ち込み型枠体の歪が防止できる。
前記の内壁の打ち込み型枠1とスラブ型枠16を固定した後に、鉄筋13を組み、外部の打ち込み型枠1を前記の連結工法で建て込み連結固定する。この作業の繰り返しで3層階全ての型枠組みと鉄筋組みを完了させて、一日で3層階全てのコンクリート14を打設する。
この実施例において、打ち込み型枠1の素材は無垢の木を使用することから、壁内外の打ち込み型枠1は壁内外の断熱材となり、温暖地においては断熱材の装着を必要としない。また、無垢の木の打ち込み型枠1は、壁内外の仕上げ材として利用できることから仕上げ材も仕上げ工事も不要である。無垢の木の仕上げ以外の仕上げが要求された場合は、無垢の木の打ち込み型枠1を下地胴縁として多種多様な仕上げが容易にできる。
本発明の打ち込み型枠1で構築した、構築物はコンクリート躯体を打ち込み型枠1で覆うことであり、無垢の木の打ち込み型枠1がコンクリートの養生材となり、構築物は驚異的に耐用年数が長くなる。耐用年数が長いことは改修が伴うが、無垢の木の打ち込み型枠1を下地胴縁として多種多様な改修が容易である。
構築物の型枠組みには多種多様な条件が伴う、一例として擁壁のように片側は化粧で反対側は解体をしなければならない場合がある。図15、17で説明すれば、片側を打ち込み型枠1として、反対側は解体をする型枠23(ベニヤ型枠等)を仮設材で組み固める。それらの連結は前述した板状の連結部材4に丸セパ24を固定した連結部材(図16参照)で、連結をしてコンクリート15を打設して乾燥後に型枠23を解体して擁壁を構築する。ここに記載した連結部材は、本発明の板状の連結部材4が利用できることを示したものであり、この工法に添った連結部材であればより作業性が良い。
この発明において、実施例や図面に示した各部材は、一例を示したものであり、同様の機能を果たす公知の他の部材で置き換えることは可能である。例えば打ち込み型枠は木材の打ち込み型枠を主体に利用する例を説明しているが、窯業板や断熱性能を有する合成樹脂等の打ち込み型枠に置換してもよく、さらに窯業板や合成樹脂等の打ち込み型枠に多種多様な仕上げ材を装着したものとしても発明を支障なく実施することができる。
・ 打ち込み型枠
・ 雇い実挿入溝
・ 雇い実部材
・ 板状の連結部材
・ ビス孔
・ ビス
・ 歪矯正部材
・ 歪矯正孔
・ 連結ビス
・ 断熱材
・ 固定大引き
・ ベタ基礎
・ 鉄筋
・ コンクリート
・ スラブコンクリート
・ スラブ型枠
・ 仮設梁
・ 仮設梁受け
・ 大引き
・ 根太
・ 床板
・ 布基礎
・ 解体をする型枠
・ 丸セパ
・ 仮設材
・ 雇い実挿入溝
・ 雇い実部材
・ 板状の連結部材
・ ビス孔
・ ビス
・ 歪矯正部材
・ 歪矯正孔
・ 連結ビス
・ 断熱材
・ 固定大引き
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・ 鉄筋
・ コンクリート
・ スラブコンクリート
・ スラブ型枠
・ 仮設梁
・ 仮設梁受け
・ 大引き
・ 根太
・ 床板
・ 布基礎
・ 解体をする型枠
・ 丸セパ
・ 仮設材
Claims (8)
- 構築物のコンクリート壁体を構築する、打ち込み型枠の連結部両側面に雇い実挿入溝を設け、
前記雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、
前記打ち込み型枠を隣接する打ち込み型枠に連結ビスで連結固定し、
前記雇い実挿入溝に雇い実部材を圧挿入して、
仮設材を使用することなく打ち込み型枠を連結組固定することを特長とする打ち込み型枠組工法。 - 請求項1において、
前記打ち込み型枠の連結部両側面に雇い実挿入溝を設け
前記雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、
前記打ち込み型枠を隣接する打ち込み型枠に連結ビスで連結固定し、
前記雇い実挿入溝に雇い実部材を圧挿入して、
前記仮設材を使用することなく打ち込み型枠を連結組固定することを特長とする打ち込み型。 - 請求項1、2において、
前記雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、
前記打ち込み型枠と打ち込み型枠を固定することを特長とする板状の連結部材。 - 請求項1、2または3において、
前記打ち込み型枠の連結部両側面に雇い実挿入溝を設け
前記雇い実挿入溝に板状の連結部材の両端を曲げてビス孔を開けた溝挿入部を挿入してビス固定して、
前記打ち込み型枠を隣接する打ち込み型枠に連結ビスで連結固定し、
前記雇い実挿入溝に雇い実部材を圧挿入して、打ち込み型枠及び板状の連結部材と雇い実部材を一体化させることを特長とする連結方法。 - 請求項1〜4において、
前記板状の連結部材に歪矯正孔を開け、
前記板状の連結部材の歪矯正孔にワイヤーロープ状の歪矯正部材を通し、
前記歪矯正部材を調整して打ち込み型枠の歪を矯正することを特長とする歪矯正孔を開けた板状の連結部材。 - 請求項1〜5において、
前記板状の連結部材に歪矯正孔を開け、
前記板状の連結部材の歪矯正孔にワイヤーロープ状の歪矯正部材を通し、
前記歪矯正部材を調整して打ち込み型枠の歪を矯正することを特長とする打ち込み型枠組体の歪矯正補強方法。 - 請求項1〜6に記載の部材と方法により、
前記板状の連結部材と従来の丸セパを合体させたセパレーターを用いて、打ち込み型枠と解体する型枠を連結することを特徴とする板状の連結部材と丸セパを合体させたセパレーター。 - 請求項1〜6に記載の部材と方法により、
構築物の各階に固定した固定大引きを基盤とし、
その固定大引きに前記打ち込み型枠を連結固定することで、複層階の打ち込み型枠組みが継続して構築できることを特徴とする複数階の打ち込み型枠を継続して構築する方法。
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Cited By (5)
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