JP2007009427A - 鉄筋コンクリート建築物の建築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 工期短縮と低廉化を図りながら、断熱効果および遮音効果を高めた鉄筋コンクリート建築物とその建築方法を提供すること。
【解決手段】 最下階の床(100)上に柱(110)および外壁(120)の型枠組みを行なうにあたり、2枚の軽量断熱板(122a、122b)を壁型枠代わりに用い、連結具(123)により両断熱板を所定間隔あけて連結すると共に、両断熱板の側縁を柱型枠(112)で押さえて固定し、続いて柱型枠の上部に連続して梁型枠組みおよび天井スラブ型枠組みを行なうにあたり、前記両断熱板の上縁を梁型枠(132)で押さえて固定し、天井スラブ型枠(152)、柱型枠および梁型枠内と両断熱板間とに一連のコンクリート打設を行なう。
【選択図】図11

Description

本発明は、鉄筋コンクリートラーメン構造に外内断熱構造の外壁を採用した鉄筋コンクリート建築物とその建築方法に関する。
鉄筋コンクリートラーメン構造の建築物を建設するにあたっては、床スラブ上に柱および外壁の配筋を行ない、柱および外壁の型枠組みを行なった後、それらの上部に梁および天井スラブの型枠組みと梁および天井スラブ配筋を行なう。そしてこれらの型枠内に一連のコンクリート打設を行ない、コンクリート養生硬化後、すべての型枠を解体し、その後、外側および内側壁面への断熱処理を行なうようにしている。
また内壁面に発生した結露を除去するため、コンクリート製外壁の内側面と断熱板との間に隙間を設け、この隙間を床下に設けた通気用ふところに連通させ、換気口より通気用ふところに風を通して露滴を除去する対策を講じている。
このような従来の建築物は、建築に要する作業工程数が多いため工期が長期に及び、また、人件費、材料費その他の費用が嵩んで建築費総額が高額となるため、工期の短縮と低廉化が強く望まれていた。
ところで特開平5−171723号公報、特開平6−108638号公報、実登第3045801号公報、特開2001−348983号公報、特開2004−36333号公報および特開2004−270200号公報には、2枚の断熱板を所定間隔あけて連結手段により連結し、両断熱板を型枠代わりに用いてそれらの間にコンクリートを打設し、外内断面構造の外壁を形成する技術が開示されている。
この種の断熱板はビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)を主体とするもので、これ自体がコンクリート打設時の型枠としての役割を果たすため、従来の型枠が不要となり、工期を短縮できることから需要が伸び、それと共に品質も急速に改善されて、今や、施工時に縦端太、横端太、単管等の支保工を用いなくても、断熱板自体に、コンクリート打設時の側圧にも充分耐え得る強度と硬度を持たせた商品が登場し(例えば、商品名「I.C.フォーム」)、これらはコンクリート建築の建材として工場で一貫生産される。
特開平5−171723号公報 特開平6−108638号公報 実登第3045801号公報 特開2001−348983号公報 特開2004−36333号公報 特開2004−270200号公報
このような断熱板を用いると従来工法における型枠組みやコンクリート打設後の型枠解体作業が不要となるばかりでなく、コンクリート打設後に外壁の外内面に断熱処理を施す必要もなくなって、工期を著しく短縮できるが、優れた断熱効果と共に充分な強度および硬度を備えた最上級の断熱板は、極めて高価である。
そこで、鉄筋コンクリートラーメン構造の建築物において、柱、外壁および梁のすべてに高品質の断熱板を用いると、建築費が著しく高価になってしまう。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、断熱および遮音効果が高く、結露やカビの発生も防止でき、しかも工期の短縮と低廉化をいずれも可能とした鉄筋コンクリート建築物とその建築方法を提供することを目的とする。
先ず第1の発明は、鉄筋コンクリート製の床、柱、梁、外壁および天井を有する鉄筋コンクリート建築物に関するもので、前記外壁は、所定間隔あけて連結手段で連結された2枚の軽量断熱板間にコンクリートを打設して形成され、前記天井、梁および柱と外壁のコンクリート部分とが、天井スラブ型枠、梁型枠および柱型枠と前記2枚の軽量断熱板間への一連のコンクリート打設により一体形成されることを特徴とする。なお、ここでは「外壁」とは、単なる部屋間の仕切壁は含まず、屋外と屋内との間の隔壁を意味する。
第2の発明は、第1の発明の鉄筋コンクリート建築物において、床の下には通気用のふところを設けず、下階層の天井を、そのまま上階層の床とすることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明の鉄筋コンクリート建築物において、各階層の天井スラブ上に、配管および配線用のふところを設けることを特徴とする。
第4の発明は、第2ないし第3の発明の鉄筋コンクリート建築物において、少なくとも最下階の床面と、最上階の天井面とに断熱処理を施すことを特徴とする。
第5の発明は鉄筋コンクリート建築物の建築方法に関するもので、最下階の床上に柱および外壁の型枠組みを行なうにあたり、2枚の軽量断熱板を壁型枠代わりに用い、連結手段により両断熱板を所定間隔あけて連結すると共に、両断熱板の側縁を柱型枠で押さえて固定する。続いて柱型枠の上部に連続して梁型枠組みおよび天井スラブ型枠組みを行なうにあたり、前記両断熱板の上縁を梁型枠で押さえて固定し、天井スラブ型枠、柱型枠および梁型枠内と両断熱板間とに一連のコンクリート打設を行ない、コンクリート養生硬化後、両断熱板を残してすべての型枠を解体することを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明の建築方法において、下階層の天井をそのまま上階層の床として、その上階層の床上に、上階層の柱、外壁、梁および天井を、下階層と同様に施工することを特徴とする。
第7の発明は、第5の発明の建築方法において、下階層の天井スラブ上に、配管および配線用のふところを介して上階層の床を設け、その上階層の床上に、上階層の柱、外壁、梁および天井を、下階層と同様に施工することを特徴とする。
鉄筋コンクリートラーメン構造の建築物では、柱や梁の厚さは外壁の厚さに比してはるかに厚いため、柱や梁の部分では外側面と内側面との間で熱や音が伝達しにくい。換言すれば、柱や梁の部分は、外壁部分よりも断熱効果および遮音効果が優れており、柱や梁の内面には、もともと結露やカビが生じにくい。
第1の発明は、この点に着目してなされたものである。柱や梁の内面には、もともと結露が生じにくいのであるから、柱や梁の外側および内側面には断熱処理を施さなくても、外壁に充分な断熱処理を施せば、建築物全体として高度な断熱効果が得られる筈であり、このことを度重なる実験により確認することができた。
すなわち第1の発明では、柱や梁は従来通りの型枠を用いて形成し、外壁のみ、軽量断熱板を用いた外内断熱構造壁としたのである。その結果、柱や梁の部分には特に断熱処理を施さなくても、もともと断熱および遮音効果が優れているのでそれらの内面に結露は生じない。外壁は軽量断熱板を用いた外内断熱構造壁としたことにより、建築物全体として断熱効果および遮音効果を充分に高めることができ、結露やカビの発生を防止できる。また、建築物の内面に結露が生じないので、壁面へのクロス張りはもとより、床および天井への断熱材の貼り付けも直貼りできるようになり、これらの作業性の向上も工期短縮および経費節減の要素となる。
また、壁型枠を用いて施工していた従来の建築物と比較すると、壁型枠組み作業およびその解体作業が不要となり、断熱板は従来の型枠よりはるかに軽量であるから運搬や取り付け等の作業性が飛躍的に向上して工期を大幅に短縮することができ、人件費が抑えられる。その結果、高価な断熱板を使用しても却って総工費を安く抑えることができる。
また、解体後の型枠は産業廃棄物として処理されるので、型枠の使用量が減少する分、産業廃棄物が減少し、廃棄に要する費用や手間を削減でき、環境の保全や森林資源の保護にも貢献できることになる。
また、従来工法では、結露は完全には防止することができなかったので、発生した結露を除去する対策に力点が置かれていた。壁面に生じた結露は床下へ流下するので、床下にふところを設け、流下した露滴をここに集めて通気によって除去する対策がとられてきたのである。つまり、床下に通気用ふところおよび換気口を設けて、通気用ふところに風を通すことが、従来工法では常識となっていた。
しかしながら、第1の発明の効果として述べた通り、軽量断熱板を用い、外内断熱型の壁構造として結露の発生を防止することができる。そこで、結露除去のための通気用ふところを無くすこともできる筈、との新たな発想に基づき、実験を重ねた結果、その事実を確認することができた。軽量断熱板を用いて外内断熱型の壁構造とした場合には、ふところを設けなくても結露の問題は生じない。通気用ふところを設けると床の上下の温度差が増加して、却って結露が発生し易い条件をつくってしまうことも判明した。
そこで、第2の発明では通気用のふところは設けず、下階層の天井を、そのまま上階層の床として気密性を高めることとしたのである。通気用のふところを無くすことにより建築物の高さを低く抑えることができ、その分、足場組みや足場撤去に要する作業量が減少し、作業効率が向上すると共に、換気口を設ける作業も不要となり、これらも工期短縮の要因となった。また、コンクリートその他の材料費も削減でき、このことは、工事費低減の要因となった。
なお、通気用のふところを設けないが、第3の発明のように配管および配線用のふところを設けると、ここを通して配管作業や配線作業が容易に行なえるようになる。また、配管および配線用ふところは通気用ふところよりも低く抑えられるので、配管および配線用ふところを設けても、建築物の高さを低く抑える効果は得られる。
建築物全体を一つの密閉空間と考えると、少なくとも最下階の床面と最上階の天井面に断熱処理を施すことにより、建築物全体の断熱効果および遮音効果を高めることができる。第4の発明は、このように、少なくとも最下階の床の上面と最上階の天井の下面に断熱処理を施したことを特徴とし、断熱効果および遮音効果を高め、かつ結露やカビの発生を、より効果的に防止できる効果が得られる。
第5の発明の建築方法によれば、2枚の軽量断熱板を壁型枠代わりに用いるので、もともと断熱および遮音効果が高い柱や梁は従来通りの型枠を用いて形成しても、外壁を軽量断熱板で外内断熱構造とすることにより、建築物全体の断熱効果および遮音効果を充分に高めることができ、結露やカビの発生を防止できる。また、壁面のクロス張りはもとより、床や天井への断熱材も直貼りでき、これらの作業能率も高めることができる。
また、2枚の軽量断熱板を柱型枠と梁型枠とで押さえて固定するので、軽量断熱板を固定するための格別な手段は不要となり、かつ、柱型枠および梁型枠と2枚の断熱板との位置関係も高精度に設定され、天井スラブ型枠、柱型枠および梁型枠と両断熱板間への一連のコンクリート打設作業を円滑に行なうことができる。
また、壁型枠を用いないので、型枠組みおよびその解体に要する作業量が減少し、工期を大幅に短縮することができると共に、人件費が抑えられる。その結果、高価な断熱板を使用するにも拘わらず、人件費の大幅削減により総工費を安く抑えることができる。また、型枠の使用量が減少することにより、産業廃棄物処理費用および手間が減少し、工期の一層の削減と共に、環境の保全および森林資源の保護にも貢献できる。
第6の発明の建築方法によれば、通気用ふところを設けず、下階層の天井をそのまま上階層の床とするので、建築物の高さを低く抑えることができ、足場組みや足場撤去作業量が容易になり、換気口の設置作業が不要となる。さらにコンクリートその他の材料費を削減でき、更に、工期の大幅短縮と工事費の低減を図ることができる。
第7の発明の建築方法によれば、配管および配線用ふところを設けることにより、配管および配線作業が容易になり、通気用のふところを設けるよりは、建築物の高さを低く抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図1ないし図20を参照して説明する。
本発明により、例えば図1に示すような鉄筋コンクリートラーメン構造の2階建て建築物を施工するものとする。図1中、符号110、120、130および140は、それぞれ1階部分の柱、外壁、梁およびテラスである。なお、ここでは「外壁120」とは、単なる部屋間の仕切壁は含まず、屋外と屋内との間の隔壁を意味するが、例えば集合住宅において世帯間を区画する壁のように、特に遮音効果を高めたい箇所の壁は、外壁120と同様の構造にすると良い。
まず図2の如く、敷地内に鉄筋コンクリート製の1階床100を敷設し、その上に、柱配筋111と壁配筋121を順次設置する。床100の下に通気用のふところは設けない。
そして図3の如く、壁配筋121の外側と内側に2枚の軽量断熱板122a、122bを配置し、例えば図4に示すような連結手段123を用いて、両断熱板122a、122bを所定の間隔をあけて連結する。図4に示す連結手段123は、各断熱板122a、122bの内面側に埋設した保持具123a、123aと、これらを適宜連結する連結具123bとで構成される。
また、柱配筋111の周りには図5の如く柱型枠112を組み、この柱型枠112で両断熱板122a、122bの側縁を外側から押さえ、釘101等を用いて柱型枠112と断熱板122a、122bとを固定する。なお、図5では柱型枠112の板厚を省略して図面を簡略にした。図6および図8では型枠の板厚を表わしているが、他の図面では、全ての型枠について、板厚を省略して簡略にした。図6は、柱型枠112と2枚の軽量断熱板122a、122bとの組立関係を示す平面図である。
次に図7の如く、柱型枠112の上部に連続して梁型枠132を設置する。そして、梁型枠132で両断熱板122a、122bの上縁を外側から押さえ、釘101等を用いて梁型枠132と断熱板122a、122bとを固定する。図8は、梁型枠132と2枚の軽量断熱板122a、122bとの組立関係を示す側面図である。また、図9の如く、柱型枠112の上部に接続して、1階の庇を兼ねた2階テラス240の型枠242と1階天井スラブ型枠152とを組む。梁型枠132内には、図8の如く梁配筋131を上方から落とし込み、柱配筋111および壁配筋121と接続する。
2階テラス型枠242内には、図11の如くテラス配筋241を配設する。また、梁型枠132に接続して天井スラブ型枠152を組み、天井スラブ型枠152内には天井スラブ配筋151を設置する。なお天井スラブ型枠152は、図12の如く、床100上に立てたパイプサポート102や補強材103等によって下支えする。
こうした後、天井スラブ150、2階テラス240および梁130の各型枠152、242、132内と、2枚の軽量断熱板122a、122b間とに、一連のコンクリート打設を行なう。
コンクリート104を一定の養生期間をおいて硬化させた後、図13の如く、軽量断熱板122a、122bを残して全ての型枠152、242、132を解体撤去する。
図14の如く、2階テラス240には周壁243を施工し、1階テラス140も同様に施工し、1階の天井150をそのまま2階の床として、その上に2階の柱配筋211を設置する。また、図15の如く、柱配筋211と接続して2階の壁配筋221も設置する。
次に、図16の如く壁配筋221の外側と内側に軽量断熱板222a、222bを配置して、両断熱板222a、222bを、所定間隔あけた状態で連結手段により連結する。柱配筋211は、図17の如く柱型枠212で囲い、柱型枠212で両断熱板の側縁を押さえて固定する。
続いて図18の如く、柱型枠212に連続して梁型枠232を設置し、この梁型枠232で両断熱板222a、222bの上縁を押さえて固定する。
そして図19の如く2階天井スラブ型枠252と2階庇型枠262とを設置し、図20の如く梁型枠232内には梁配筋231を上方から落とし込む。また、図21の如く天井スラブ型枠252から庇型枠262まで連続して配筋251を施し、天井スラブ型枠252、庇型枠262、柱型枠212および梁型枠232内と、2枚の軽量断熱板222a、222b間とにコンクリート打設を行ない、コンクリート104の養生硬化後、断熱板222a、222bを残して全ての型枠252、262、212、232を解体撤去すると、図1に示す建築物の躯体部分が完成する。1階および2階の床面および天井面には断熱処理を施すと共に、適宜、外装および内装工事を行なう。
3階以上の建築物の場合、3階以上の階も、2階と同様、下層階の床上に順次、施工していくと良い。
以上述べた実施の形態では、1、2階の床面および天井面に断熱処理を施すものとしたが、特に、最下階の床面と最上階の天井面の断熱処理は重要である。
また、1階の天井をそのまま2階の床とする旨説明したが、必要に応じて、各階層に配管および配線用の天井ふところを設けても良い。
以上の如く建築を行なうことにより、次の諸効果が得られる。
第一は、断熱効果、遮音効果および結露防止効果である。
第二は、工期短縮の効果である。
第三は、建築費低減の効果である。
第四は、環境対策の効果である。
先ず第一の断熱効果、遮音効果および結露防止効果であるが、柱110、210や梁130、230の厚さは外壁120、220よりも充分に厚いので、柱110、210や梁130、230には特に断熱処理を施さなくても、もともと断熱および遮音効果が充分にあり、結露やカビも生じ難い。しかも外壁120、220よりも建物内における表面積は狭いので、外壁120、220を外内断熱型にすることで、建築物全体の断熱および遮音効果を充分に高め、結露やカビの発生を防止することができる。
第二の工期短縮の効果は、次の要因により得られる。
壁用型枠を用いず、2枚の軽量断熱板122a、122bまたは222a、222bを型枠代りに用い、両断熱板間にコンクリート104を打設することによって外内断熱性壁を形成するので、ベニヤ板等の壁用型枠の運搬および型枠組み作業、コンクリート打設後の壁用型枠解体作業および断熱処理作業がすべて不要となる。断熱板の運搬および取り付け作業がこれらにとって代わるが、断熱板は軽量であるから運搬および取り付け作業は楽に、かつ迅速に行なえる。
また、結露やカビの発生を防止できるので、壁面へのクロス貼りや、床面および天井面への断熱材の貼り付けが直貼りによって行なえる。
また、柱および梁には断熱処理を行なわず、外壁の外内断熱処理はコンクリート打設と同時に完了するので、コンクリート打設後の柱、梁、外壁への断熱処理作業が不要となる。
また、断熱および結露防止効果により、天井および床に通気用ふところを設ける必要がなく、その分、建築物の高さを低く抑えることができると共に、換気口を設ける必要もないので、作業効率が高められる。
配管および配線用ふところを設けた場合でも、配管および配線用ふところは通気用ふところよりも低いので、建築物の高さを低く抑えることができ、かつ、配管および配線作業が容易に行なえるようになる。
具体的な事例として、従来方法では工期が約4箇月かかっていた各階約200平方メートルの鉄筋コンクリート3階建て建築物について、本発明の工法により、工期を約3箇月に短縮することができた。
第三の建築費低減効果は、工期短縮に伴う人件費の大幅削減と、建築物の高さを低く抑えることによるコンクリート材その他の材料費の削減と、外壁用の型枠が不要となることによる型枠費用の削減および解体後の型枠廃棄に伴う費用削減等により、得られる。
具体的な事例として、前記の、各階約200平方メートルの鉄筋コンクリート3階建て建築物の場合、躯体工事の費用は従来工法より若干高くなったが、総工費では、人件費の大幅削減により約3パーセントの削減となった。
第四の環境対策効果は、断熱効果を高めたことによる冷暖房に要するエネルギー源の節減、工事に伴う騒音や交通渋滞等の問題の期間短縮、壁用型枠を使用しないことに起因する産業廃棄物としての廃棄型枠の減少等により、得られる。
本発明の一実施形態における建築物の躯体完成状態を示す斜視図である。 同建築物の施工初期状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 2枚の軽量断熱板の連結状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 柱型枠と軽量断熱板との組立関係を示す平面図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 梁型枠と軽量断熱板との組立関係を示す側面図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の施工途中の状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。 同建築物の次の施工状態を示す斜視図である。
符号の説明
100 最下階床
104 コンクリート
110 1階柱
112 1階柱型枠
120 1階壁
121 1階壁配筋
122a、122b 1階軽量断熱板
123 1階断熱板連結具
130 1階梁
131 1階梁配筋
132 1階梁型枠
150 1階天井
151 1階天井配筋
152 1階天井型枠
210 2階柱
220 2階壁
230 2階梁
250 2階天井

Claims (7)

  1. 鉄筋コンクリート製の床(100)、柱(110)、梁(130)、外壁(120)および天井(150)を有する鉄筋コンクリート建築物において、前記外壁は、所定間隔あけて連結具(123)で連結された2枚の軽量断熱板(122a、122b)間にコンクリート(104)を打設して形成され、前記天井、梁および柱と外壁のコンクリート部分とが、天井スラブ型枠(152)、梁型枠(132)および柱型枠(112)と前記2枚の軽量断熱板間への一連のコンクリート打設により一体形成されていることを特徴とする鉄筋コンクリート建築物。
  2. 床の下には通気用のふところを設けず、下階層の天井を、そのまま上階層の床としたことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート建築物。
  3. 各階層の天井スラブ上に、配管および配線用のふところを設けたことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート建築物。
  4. 少なくとも最下階の床面と、最上階の天井面に断熱処理を施したことを特徴とする請求項2ないし3に記載の鉄筋コンクリート建築物。
  5. 最下階の床(100)面上に柱(110)および外壁(120)の型枠組みを行なうにあたり、2枚の軽量断熱板(122a、122b)を壁型枠代わりに用い、連結手段(123)により両断熱板を所定間隔あけて連結すると共に、両断熱板の側縁を柱型枠(112)で押さえて固定し、
    続いて柱型枠の上部に連続して梁型枠組みおよび天井スラブ型枠組みを行なうにあたり、前記両断熱板の上縁を梁型枠(132)で押さえて固定し、天井スラブ型枠(152)、柱型枠および梁型枠内と両断熱板間とに一連のコンクリート打設を行ない、コンクリート養生硬化後、両断熱板を残してすべての型枠を解体することを特徴とする鉄筋コンクリート建築物の建築方法。
  6. 下階層の天井をそのまま上階層の床として、その上階層の床上に、上階層の柱(210)、外壁(220)、梁(230)および天井(250)を、下階層と同様に施工することを特徴とする請求項5に記載の鉄筋コンクリート建築物の建築方法。
  7. 下階層の天井スラブ上に、配管および配線用のふところを介して上階層の床を設け、その上階層の床上に、上階層の柱、外壁、梁および天井を、下階層と同様に施工することを特徴とする請求項5に記載の鉄筋コンクリート建築物の建築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011196147A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Shimizu Corp 建物の構造
CN103835403A (zh) * 2014-03-21 2014-06-04 北京工业大学 外包钢丝网砂浆板t形边框发泡混凝土承重墙体及作法
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KR101660650B1 (ko) * 2015-10-30 2016-09-27 주식회사 제이제이코리아 구조체 일체형 구조물 시공방법
KR101930673B1 (ko) * 2018-03-19 2018-12-18 남흥건설 주식회사 단열패널을 이용한 열교차단 공동주택 시공방법

Cited By (5)

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