JP5610939B2 - 回転電機および回転電機の固定子 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に適用される回転電機の固定子に関して、特に、固定子鉄心の固定手段に関するものである。
回転電機の固定子は、内周側に界磁コイルを取付けるためのスロットが形成された電磁鋼板を積層してなる鉄心と、この鉄心の両端に配設される押え板とで構成されている。
鉄心の固定方法としては、鉄心と押え板の外周側を溶接する手法があるが、この場合、溶接部が導通経路となり、固定子外周部にかご型の電気回路が形成されることから、回転磁界発生時に渦電流が流れて損失が発生し、出力の低下や機器の発熱を招く結果となる。また、溶接作業は、人が行なう場合には熟練度が求められ、機械で自動化すれば設備投資負担が発生する。そこで、鉄心の固定方法として、鉄心および押え板の周方向にそれぞれ複数のボルト穴を形成し、それらのボルト穴に挿入され鉄心と絶縁されたボルトの端部を、鉄心と絶縁されたナットで締め付けることによって、電磁鋼板を圧縮して鉄心として形状を保持させるという方法が考えられる。
ただし、回転電機の回転中に発生する振動や電磁力によって鉄心の電磁鋼板が移動すると、界磁コイルの通電時にボルトと電磁鋼板とが接触し、ボルトと鉄心との間の絶縁が失われ回転電機の効率が低下する場合や回転電機が破損する可能性がある。従って、鉄心は、運転時の電磁力や振動などの要因によって各電磁鋼板がずれることがないように、充分な圧縮力にて締め付ける必要がある。特に、鉄道車両に適用される回転電機の固定子は、非常に重い構造物となるので、ボルトには大きな締結力が要求される。
下記特許文献1に示される従来技術は、ボルト穴に嵌合可能な形状の円筒部材と平板状の絶縁座金とを一体に構成した部材を、ボルトと押え板との間に介在させるよう構成することで、円筒部材の外周面がボルト穴の内周面に嵌合して、ボルトの外周面とボルト穴の内周面との間にクリアランスを確保している。
特開2003−299272号公報(図5)
しかしながら、上記特許文献1に示される従来技術では、絶縁座金に円筒部材を設置しなければならず、絶縁座金の製造コストが増大するという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転電機の効率を損なうことがなく製造コストの低減化を図ることが可能な回転電機および回転電機の固定子を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電磁鋼板を積層してなり、内周部に界磁コイルを装着する複数のスロットが周方向に等間隔に形成され、外部から挿入されるボルトを挿通可能な通し穴が形成された鉄心と、前記鉄心の最外層に備えられ、前記ボルトの挿通穴が形成された押え板と、前記押え板と前記ボルトのボルト頭との間に介在し、前記通し穴の径より小さく形成された穴部を有する絶縁性の座金と、を備え、前記座金は、前記スロットにより前記鉄心に形成される歯部が成す形状に対応した凸部を有し、前記鉄心の前記歯部に前記座金の前記凸部を嵌め合わせ、かつ、前記ボルトを挿通した状態にて、前記ボルトのネジ部の外周面と前記通し穴との間には隙間が形成されることを特徴とする。
この発明によれば、鉄心に形成されたボルト通し穴の中心に、ボルトの軸中心を一致させる絶縁ワッシャを用いるようにしたので、ボルトと鉄心が接触することなく絶縁を保つことから回転電機の効率を損なうことがなく製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる一の絶縁ワッシャの構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかる他の絶縁ワッシャの構成を示す図である。 図3は、図1および図2に示される絶縁ワッシャを用いて鉄心にボルトを装着した状態を示すA−A断面矢視図である。 図4は、本発明の実施の形態2にかかる絶縁ワッシャの構成を示す図である。 図5は、図4に示される絶縁ワッシャを用いて鉄心にボルトを装着した状態を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態3にかかる絶縁ワッシャの構成を示す図である。 図7は、図6に示される絶縁ワッシャを用いて鉄心にボルトを装着した状態を示す断面図である。
以下に、本発明にかかる回転電機および回転電機の固定子の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる一の絶縁ワッシャ30aの構成を示す図であり、図2は、本発明の実施の形態1にかかる他の絶縁ワッシャ30bの構成を示す図であり、図3は、図1および図2に示される絶縁ワッシャ30a、30bを用いて鉄心17にボルト20を装着した状態を示すA−A断面矢視図である。なお、図1では、絶縁ワッシャ30aに形成された穴部15aと電磁鋼板12aに形成された通し穴14aとの関係を説明するため、便宜上、押え板13の図示を省略している。図2においても同様に押え板13の図示を省略している。
まず、本実施の形態にかかる回転電機の固定子の構成を説明する。
図1〜図3において、回転電機の固定子は、主たる構成として、薄板状の電磁鋼板12a、12bを積層して構成された鉄心17と、ボルト20と、絶縁性の座金である絶縁ワッシャ30a、30bと、押え板13とを有して構成されている。
鉄心17の内周部には、界磁コイル(図示せず)を装着する複数のスロット10が周方向に等間隔に形成されている。
図1および図3において、電磁鋼板12aを積層してなる鉄心17には、外部から挿入されるボルト20を挿通可能な複数の通し穴14aが周方向に形成されている。この通し穴14aは、鉄心17の軸中心から歯部11を通る位置に設けられている。なお、図1には、簡単のため、通し穴14aが1つのみ示されているが、実際には、電磁鋼板12aの周方向に複数の通し穴14aが形成されているものとする。
図2および図3において、電磁鋼板12bを積層してなる鉄心17には、外部から挿入されるボルト20を挿通可能な複数の通し穴14bが周方向に形成されている。この通し穴14bは、鉄心17の軸中心からスロット10を通る位置に設けられている。なお、図2には、簡単のため通し穴14bが1つのみ示されているが、実際には、電磁鋼板12bの周方向に複数の通し穴14bが形成されているものとする。
図3において、鉄心17の端面には、鉄心17を覆う押え板13が配設され、この押え板13には、ボルト20の挿通穴が形成されているものとする。
絶縁ワッシャ30a、30bは、押え板13とボルト頭22との間に介在するように設置されている。なお、図3には、鉄心17の一端側に設置された押え板13のみ示されているが、鉄心17の他端側にも押え板13と同様の押え板が設置されているものとする。絶縁ワッシャ30a、30bに関しても同様である。
ボルト20は、絶縁ワッシャ30a、30bと押え板13とを介して、通し穴14a、14bに挿入される。ネジ部21の長さは、絶縁ワッシャ30a、30bの厚みtと、各押え板13の厚みと、鉄心17の厚みと、ナットの高さとを合算した長さ以上に形成されているものとする。
各電磁鋼板12a、12bは、図示しないナットを締め付けることにより、各押え板13を介して圧縮される。各電磁鋼板12a、12b間にはこの圧縮力によって摩擦力が生じるため、各電磁鋼板12a、12bは、鉄心17としての形状が保持される。
通し穴14a、14bの穴径d1は、ボルト20の直径d2よりも大きく形成されている。なお、直径d2と穴径d1との関係は、絶縁と作業性の観点からは、穴径d1を広くして、ボルト20との空隙を大きくした方が望ましいが、穴径d1を大きくしすぎると、ボルト頭22と押え板13との座面が小さくなり、ボルト20に大きな軸力をかけることができなくなる。すなわち、各電磁鋼板12a、12b間における摩擦力の向上が望めないため、機械的な信頼性を損なうこととなるだけでなく、穴径d1の拡大に伴い鉄心17内の磁路が減少することとなる。そのため、穴径d1は、直径d2の1.2倍程度に留めておくことが望ましい。具体的には、直径d2が12mmである場合、穴径d1は約14mm程度となる。このとき、穴径d1と直径d2との隙間sは、1mm程度である。なお、図3では、説明の便宜上、隙間sが大きめに表現されている。
次に、絶縁ワッシャ30a、30bの構成を説明する。
図1において、絶縁ワッシャ30aは、スロット10の形成により鉄心17に形成される歯部11が成す形状に対応した凸部32aと、押え板13とボルト20との間に介在し、通し穴14aの径より小さく形成された穴部15aと、を有して構成されている。また、穴部15aの中心は、歯部11の形状に凸部32aを重ね、かつ、ボルト20を挿通した状態にて、通し穴14aの中心に概略一致する。
なお、図1に示される絶縁ワッシャ30aには、3つの歯部11が成す形状に対応して形成された凸部32aが形成されているが、凸部32aの形状は、これに限定されるものではなく、例えば4つ以上の歯部11が成す形状に対応して形成されたものであってもよい。
絶縁ワッシャ30aを拡大した図において、凸部32aは、歯部11が成す形状にて位置決めされるため、穴部15aの中心位置は、通し穴14aの中心に概略一致することとなる。従って、ボルト20の軸中心位置は、通し穴14aの中心に概略一致し、ネジ部21の外周面と通し穴14aとの間には隙間sが形成される。
図2において、絶縁ワッシャ30bは、スロット10の形成により鉄心17に形成される歯部11が成す形状に対応した凸部32bと、押え板13とボルト20との間に介在し、通し穴14bの径より小さく形成された穴部15bと、を有して構成されている。また、穴部15bの中心は、歯部11の形状に凸部32bを重ね、かつ、ボルト20を挿通した状態にて、通し穴14bの中心に概略一致する。
なお、図2に示される絶縁ワッシャ30bには、2つの歯部11が成す形状に対応して形成された凸部32bが形成されているが、凸部32bの形状は、これに限定されるものではなく、例えば3つ以上の歯部11が成す形状に対応して形成されたものであってもよい。
絶縁ワッシャ30bを拡大した図において、凸部32bは、歯部11が成す形状にて位置決めされるため、穴部15bの中心位置は、通し穴14bの中心に概略一致することとなる。従って、ボルト20の軸中心位置は、通し穴14bの中心に概略一致し、ネジ部21の外周面と通し穴14bとの間には隙間sが形成される。
以上に説明したように、本実施の形態にかかる回転電機の固定子は、ボルト20を挿通可能な複数の通し穴14a、14bが周方向に形成された鉄心17と、鉄心17の両端を覆いボルト20の挿通穴が形成された押え板13と、通し穴14a、14bの径より小さく形成された穴部15a、15bを有する絶縁性の絶縁ワッシャ30a、30bと、を備え、絶縁ワッシャ30a、30bは、スロット10の形成により鉄心17に形成される歯部11が成す形状に対応した凸部32a、32bを有し、穴部15a、15bの中心は、歯部11の形状に凸部32a、32bを重ね、かつ、ボルト20を挿通した状態にて通し穴14a、14bの中心に概略一致するようにしたので、ボルト20の軸中心位置が通し穴14a、14bの中心に概略一致し、ネジ部21の外周面と通し穴14a、14bとの間に隙間sを設けることが可能である。従って、従来技術のように、平板状の座金に円筒部材を設置しなくとも、平板状の座金(絶縁ワッシャ30a、30b)だけでネジ部21の外周面と通し穴14aの内周面との間にクリアランスを確保することが可能である。その結果、回転電機の効率を損なうことがなく、製造コストの低減化を図ることが可能である。また、従来技術に比して座金の構成が簡略化されるため、固定子の生産に伴う環境負荷を低減可能である。
また、本実施の形態にかかる絶縁ワッシャ30aは、図1に示すように、3つの歯部11が成す形状に対応した凸部32aを有するので、穴部15aの中心位置を、通し穴14aの中心に精度よく合わせることが可能である。
また、本実施の形態にかかる絶縁ワッシャ30bは、図2に示すように、2つの歯部11が成す形状に対応した凸部32bを有するので、穴部15bの中心位置を、通し穴14bの中心に精度よく合わせることができると共に、絶縁ワッシャ30aに比して、加工が容易なので製造コストを一層低減することが可能である。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2にかかる絶縁ワッシャ30cの構成を示す図であり、図5は、図4に示される絶縁ワッシャ30cを用いて鉄心17にボルト20を装着した状態を示す断面図である。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
まず、本実施の形態にかかる回転電機の固定子の構成を説明する。
回転電機の固定子は、主たる構成として、鉄心17、ボルト20、絶縁ワッシャ30c、および押え板13を有して構成されている。実施の形態1にかかる固定子と異なる点は、絶縁ワッシャ30a、30bの代わりに絶縁ワッシャ30cを用いている点である。なお、図5には、鉄心17の一端側に設置された押え板13のみ示されているが、鉄心17の他端側にも押え板13と同様の押え板が設置されているものとする。絶縁ワッシャ30cに関しても同様である。
ボルト20は、絶縁ワッシャ30cと押え板13とを介して、通し穴14a、14bに挿入される。ネジ部21の長さは、絶縁ワッシャ30cの厚みtと、各押え板13の厚みと、鉄心17の厚みと、ナットの高さとを合算した長さ以上に形成されているものとする。各電磁鋼板12a、12bは、図示しないナットを締め付けることにより、各押え板13を介して圧縮される。各電磁鋼板12a、12b間にはこの圧縮力によって摩擦力が生じるため、各電磁鋼板12a、12bは、鉄心17としての形状が保持される。
次に、図4(a)および図4(b)を用いて絶縁ワッシャ30cの構成を説明する。
図4(a)は、絶縁ワッシャ30cの穴部15cにボルト20を挿入する前の状態を示す図であり、図4(b)は、絶縁ワッシャ30cの穴部15cにボルト20を挿入した状態を示す図である。
図4(a)において、絶縁ワッシャ30cは、押え板13とボルト20との間に介在すると共に、ボルト20が挿入される穴部15cを有する。穴部15cには、周方向に沿って配設され、ボルト20の外周面に当接可能に各々絶縁ワッシャ30cの中心方向に延設され、弾性を有する複数の突起部31が形成されている。
各突起部31は、各々同じ長さLに形成され、穴部15cにボルト20を挿入したときネジ部21の外周面に接触した状態で鉄心17側に落ち込むように変形する。なお、鉄心17の他端側に設置された図示しない絶縁ワッシャ30cは、鉄心17側に変形するように取り付ける。
絶縁ワッシャ30cは、通し穴14a、14bの中心と絶縁ワッシャ30cの中心とが一致するように設置することが望ましい。このように絶縁ワッシャ30cを設置することによって、ネジ部21の軸中心位置が通し穴14a、14bの中心点に一致しやすくなり、ネジ部21の外周面と通し穴14a、14bとの間には、図5に示すような隙間sが形成される。
なお、絶縁ワッシャ30cの内径は、特に限定されるものではないが、例えば、通し穴14a、14bの穴径d1より小さく設定することが望ましい。このようにすれば、ボルト20を通し穴14a、14bに通した際に各突起部31が全体的に撓るため、穴部15aの中心位置を通し穴14a、14bの中心に精度よく合わせることができる。
また、絶縁ワッシャ30cの外径は、特に限定されるものではないが、ボルト20の締結力を押え板13に伝達可能なように、ボルト頭22の外径よりも広く形成されているものとする。また、突起部31は、3つに限定されるものではなく、例えば、ネジ部21を支持可能に配設されていれば4つ以上であってもよい。
以上に説明したように、本実施の形態にかかる回転電機の固定子は、押え板13とボルト20との間に介在し穴部15cを有する絶縁ワッシャ30cを備え、穴部15cには、周方向に沿って配設され、ボルト20の外周面に当接可能に各々絶縁ワッシャ30cの中心方向に延設され、弾性を有する複数の突起部31が形成されるようにしたので、穴部15cにボルト20が挿入されたとき、ネジ部21が各突起部31に支持され、ネジ部21の外周面と通し穴14aとの間に隙間sを設けることが可能である。その結果、環状の座金(絶縁ワッシャ30c)だけでネジ部21の外周面と通し穴14aの内周面との間にクリアランスを確保できるため、ボルトと鉄心間の絶縁、およびナットと鉄心間の絶縁が得られ、回転電機の効率を損なうことがなく、かつ、実施の形態1にかかる回転電機の固定子に比して、その製造コストを抑えることが可能である。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3にかかる絶縁ワッシャ30dの構成を示す図であり、図7は、図6に示される絶縁ワッシャ30dを用いて鉄心17にボルト20を装着した状態を示す断面図である。以下、実施の形態1、2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
まず、本実施の形態にかかる回転電機の固定子の構成を説明する。
回転電機の固定子は、主たる構成として、鉄心17、ボルト20、絶縁ワッシャ30d、および押え板13aを有して構成されている。実施の形態2にかかる固定子と異なる点は、絶縁ワッシャ30cの代わりに絶縁ワッシャ30dを用いており、さらに、押え板13の代わりに、座ぐり部16を有する押え板13aを用いている点である。なお、図7には、鉄心17の一端側に設置された押え板13aのみ示されているが、鉄心17の他端側にも押え板13aと同様の押え板が設置されているものとする。絶縁ワッシャ30dに関しても同様である。
鉄心17の端面には、鉄心17を覆う押え板13aが配設され、この押え板13aにはボルト20の挿通穴が形成されている。また、この挿通穴の周囲には、絶縁ワッシャ30dを収容可能な座ぐり部16が形成されている。
ボルト20は、絶縁ワッシャ30dと押え板13aとを介して、通し穴14a、14bに挿入される。ネジ部21の長さは、絶縁ワッシャ30dの厚みtと、座ぐり部16の高さ分を除く押え板13aの厚みと、鉄心17の厚みと、ナットの高さとを合算した長さ以上に形成されているものとする。各電磁鋼板12a、12bは、図示しないナットを締め付けることにより、各押え板13aを介して圧縮される。各電磁鋼板12a、12b間にはこの圧縮力によって摩擦力が生じるため、各電磁鋼板12a、12bは、鉄心17としての形状が保持される。
次に、絶縁ワッシャ30dの構成を説明する。
図6において、絶縁ワッシャ30dは、押え板13aとボルト20との間に介在し、通し穴14a、14bの径より小さく形成された穴部15dを有する。穴部15dの中心は、ボルト20を挿通した状態にて、通し穴14a、14bの中心に概略一致する。
絶縁ワッシャ30dの外径d4は、押え板13aに形成された座ぐり部16の直径d5と概略等しい大きさとすることが望ましい。外径d4の大きさを座ぐり部16の直径d5と概略同じ大きさとすることによって、座ぐり部16に収納された状態の絶縁ワッシャ30dの中心位置は、通し穴14a、14bの中心に概略一致することとなる。従って、穴部15dにボルト20が挿入されたとき、ネジ部21は、絶縁ワッシャ30dの内周面で位置決めされるので、ネジ部21の軸中心位置は、通し穴14a、14bの中心に概略一致することとなる。その結果、ネジ部21の外周面と通し穴14a、14bとの間には隙間sが形成される。
以上に説明したように、本実施の形態にかかる回転電機の固定子は、押え板13aとボルト20との間に介在し、通し穴14a、14bの径より小さく形成された穴部15dを有する絶縁ワッシャ30dを備え、押え板13aには、絶縁ワッシャ30dを収容可能な座ぐり部16がボルト20の挿通穴の周囲に形成され、穴部15dの中心は、ボルト20を挿通した状態にて通し穴14a、14bの中心に概略一致するようにしたので、穴部15dにボルト20が挿入されたとき、ボルト20が穴部15dに支持され、ネジ部21の外周面と通し穴14a、14bとの間に隙間sを設けることが可能である。このように、環状の座金(絶縁ワッシャ30d)だけで、ネジ部21の外周面と通し穴14a、14bの内周面との間にクリアランスを確保できるため、ボルトと鉄心間の絶縁、およびナットと鉄心間の絶縁が得られ、回転電機の効率を損なうことがなく、かつ、絶縁ワッシャ30dの加工コストを低減化することが可能である。
なお、実施の形態1〜3にかかる回転電機の固定子は、ボルト20を締め付けた状態で電気絶縁性の樹脂に含浸させることによって、ボルト20と鉄心17との空隙に樹脂が充填される。このようにすれば、固定子は、機械的な強度と絶縁性能の双方においてより信頼性の高い構造を得ることができる。充填の方法としては、減圧環境下で固定子を樹脂に含浸した後に、大気圧に復圧する方法が考えられる。
また、実施の形態1〜3にかかる回転電機の固定子は、絶縁ワッシャ30a、30b、30c、30dとボルト頭22との間に、スプリングワッシャを介在させるようにすれば、ボルト20を締め付けた状態で当該固定子を電気絶縁性の樹脂に含浸させる工程において、樹脂が通し穴14a、14b内に効率的に充填され、より信頼性の高い固定子を得ることが可能である。
また、実施の形態1〜3にかかる回転電機の固定子は、鉄心17を固定するためにボルト20とナットを用いているが、ボルト20の代わりに、両ネジボルトと、両ネジボルトの両端にそれぞれ螺入されるナットと、を用いてもよい。
また、実施の形態1〜3に示した固定子は、一般的な回転電機に適用可能であり、その場合の回転電機の態様は、実施の形態1〜3に示した固定子と、この固定子内に配置された回転子と、固定子と回転子とを内包するフレームと、回転子に配設された回転子軸を支持する軸受とを備えるものとする。
また、実施の形態1〜3に示した回転電機の固定子は、本発明の内容の一例を示すものであり、更なる別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは無論である。
以上のように、本発明は、鉄道車両に適用される回転電機の固定子に適用可能であり、特に、回転電機の効率を損なうことがなく、製造コストの低減化を図ることができる発明として有用である。
10 スロット
11 歯部
12a、12b 電磁鋼板
13、13a 押え板
14a、14b 通し穴
15a、15b、15c、15d 穴部
17 鉄心
20 ボルト
21 ネジ部
22 ボルト頭
30a、30b、30c、30d 絶縁ワッシャ(座金)
31 突起部
32a、32b 凸部
d1 穴径
d2、d5 直径
d3 内径
d4 外径
L 突起部の長さ
s 隙間
t 絶縁ワッシャの厚み

Claims (16)

  1. 電磁鋼板を積層してなり、内周部に界磁コイルを装着する複数のスロットが周方向に等間隔に形成され、外部から挿入されるボルトを挿通可能な通し穴が形成された鉄心と、
    前記鉄心の最外層に備えられ、前記ボルトの挿通穴が形成された押え板と、
    前記押え板と前記ボルトのボルト頭との間に介在し、前記通し穴の径より小さく形成された穴部を有する絶縁性の座金と、
    を備え、
    前記座金は、前記スロットにより前記鉄心に形成される歯部が成す形状に対応した凸部を有し、
    前記鉄心の前記歯部に前記座金の前記凸部を嵌め合わせ、かつ、前記ボルトを挿通した状態にて、前記ボルトのネジ部の外周面と前記通し穴との間には隙間が形成されること、
    を特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記通し穴は、前記鉄心の軸中心から前記歯部を通る位置に設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記凸部は、3つの前記歯部が成す形状に対応して形成されていること、を特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記通し穴は、前記鉄心の軸中心から前記スロットを通る位置に設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記凸部は、2つの前記歯部が成す形状に対応して形成されていること、を特徴とする請求項4に記載の回転電機の固定子。
  6. 前記座金と前記ボルトのボルト頭との間に介在するスプリングワッシャを備えたこと、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の回転電機の固定子。
  7. 前記穴部の中心は、前記ボルトを挿通した状態にて前記通し穴の中心に概略一致すること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の回転電機の固定子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の固定子と、前記固定子内に配置された回転子と、前記固定子と前記回転子とを内包するフレームと、前記回転子に配設された回転子軸を支持する軸受とを備えた回転電機。
  9. 電磁鋼板を積層してなり、内周部に界磁コイルを装着する複数のスロットが周方向に等間隔に形成され、外部から挿入されるボルトを挿通可能な通し穴が形成された鉄心と、
    前記鉄心の最外層に備えられ、前記ボルトの挿通穴が形成された押え板と、
    前記押え板と前記ボルトのボルト頭との間に介在し、前記通し穴の径より小さく形成された穴部を有する絶縁性の座金と、
    を備え、
    前記穴部には、周方向に沿って、前記ボルトのネジ部の外周面に当接可能に各々座金の中心方向に延設され、弾性を有する複数の突起部が形成され
    前記各突起部は、前記ネジ部が前記通し穴に挿入された際、前記各突起部の内径側端部が前記ネジ部の外周面と接した状態で前記通し穴の内部へ入り込むこと、
    を特徴とする回転電機の固定子。
  10. 前記各突起部は、前記穴部に前記ボルトが挿入されたとき、前記外周面に当接した状態で前記ボルトの挿入方向に変形すること、を特徴とする請求項9に記載の回転電機の固定子。
  11. 前記座金と前記ボルトのボルト頭との間に介在するスプリングワッシャを備えたこと、を特徴とする請求項9または10に記載の回転電機の固定子。
  12. 請求項9〜11のいずれか1つに記載の固定子と、前記固定子内に配置された回転子と、前記固定子と前記回転子とを内包するフレームと、前記回転子に配設された回転子軸を支持する軸受とを備えた回転電機。
  13. 電磁鋼板を積層してなり、内周部に界磁コイルを装着する複数のスロットが周方向に等間隔に形成され、外部から挿入されるボルトを挿通可能な通し穴が形成された鉄心と、
    前記鉄心の最外層に備えられ、前記ボルトの挿通穴が形成された押え板と、
    前記押え板と前記ボルトのボルト頭との間に介在し、前記通し穴の径より小さく形成された穴部を有する絶縁性の座金と、
    を備え、
    前記押え板には、前記座金を収容可能な座ぐり部が前記挿通穴の周囲に形成され、
    前記ボルトを挿通した状態にて、前記ボルトのネジ部の外周面と前記通し穴との間には隙間が形成され、かつ、前記穴部が前記ネジ部の外周面と接しており、
    前記座金の外径は、前記座ぐり部の直径と等しい大きさに形成されていること、
    を特徴とする回転電機の固定子。
  14. 前記座金と前記ボルトのボルト頭との間に介在するスプリングワッシャを備えたこと、を特徴とする請求項13に記載の回転電機の固定子。
  15. 前記穴部の中心は、前記ボルトを挿通した状態にて前記通し穴の中心に概略一致すること、を特徴とする請求項13または14に記載の回転電機の固定子。
  16. 請求項13〜15のいずれか1つに記載の固定子と、前記固定子内に配置された回転子と、前記固定子と前記回転子とを内包するフレームと、前記回転子に配設された回転子軸を支持する軸受とを備えた回転電機。
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