JP5076663B2 - 放電部材とその製造方法、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

放電部材とその製造方法、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、放電部材とその製造方法、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
現在まで、静電潜像現像法を用いた画像形成方法(電子写真プロセスとも言われる)は、複写機、プリンター等の画像形成装置に広く用いられている。従って、現在も盛んに開発・改良研究が行われ、性能向上が成されている。
現在求められているのは、より高画質で耐久性が高く、メンテナンスが容易である画像形成装置であり、その場合、一つのポイントとなるのが、帯電工程、転写工程で使用される帯電部材の耐久性・メンテナンス適性である。
従来、帯電部材としては、ワイヤー状のスコロトロン、コロトロンが知られている。これらは比較的長寿命の帯電部材として、高耐久性が要求されている高速コピー機の領域で主に使用されてきた。しかしながら、従来のタングステンワイヤーを使用した帯電極の場合、長期間の使用を続けるとその後半では、放電生成物、紙粉、トナー外添剤等が帯電極の表面に付着して帯電極の汚れが発生し、放電性能が不均一となり、被帯電部材(例えば感光体等)の帯電不良となり、筋状の画像ムラなどの画像故障が発生していた。
また比較的帯電性の良好な針状のスコロトロン、コロトロン等も知られていたが、これらは針の先に異物が付着した場合に、除去が難しく、これが耐久性の観点では大きな課題となっている。
これらの対策として、帯電極のワイヤーを定期的に清掃する機構を設ける等の対策がなされていたが、清掃でも激しい固着物を除去することが難しく問題が解決されていないのが実情であった。また、強く擦る等の清掃を行うと、ワイヤーのササクレを生じ、これが基で帯電不良の原因となっていた(特許文献1)。
一方、異物付着性を抑制するために、帯電極の基材表面にガラス膜を設けた帯電極も提案されてきたが、帯電極であるワイヤー表面に形成されたガラス膜で放電効率が低下し、又、帯電極の基材(例えばワイヤー)との密着性が悪く、清掃時の膜剥離が生じたり、ワイヤーを張架しようとした場合には折れやガラス膜の割れ等が発生しやすく、生産上の安定性が問題であり、生産性も低いという問題があった(特許文献2)。
特開2003−29506号公報 特開昭58−220160号公報
本発明の目的は、帯電極の表面に長期の使用においても、放電生成物、紙粉、トナー外添剤等が付着せず、帯電極の汚れが発生しないので放電性が均一であり、画像形成装置に組み込んだ場合、筋状の画像ムラ等の故障が発生しない放電部材で、例え長期間の使用により、放電生成物、紙粉、トナー外添剤等が付着しても、容易にクリーニングすることが出来、ささくれ等も起こさない放電部材とその製造方法、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明の発明者が、鋭意検討した結果、本発明の目的は下記構成を採ることにより達成できることがわかった。
(1)
電極に電圧を印加して被帯電物を帯電させるために用いられる放電部材に於いて、
前記電極が針状電極又はワイヤー状電極であり、
前記電極表面に膜厚50〜2000nmの無機酸化物を主成分とする被覆膜が形成されており、
前記無機酸化物を主成分とする被腹膜が、シリコン原子、酸素原子、炭素原子を含有することを特徴とする放電部材。

前記被腹膜は、表面にフッ素原子を含有することを特徴とする(1)記載の放電部材。

(1)又は(2)に記載の放電部材を用いて静電潜像形成体を帯電させて後、画像露光を行い画像形成することを特徴とする画像形成方法。

)記載の画像形成方法を用いていることを特徴とする画像形成装置。

電極に電圧を印加して被帯電物を帯電させるために用いられる放電部材の製造方法に於いて、前記電極の表面がプラズマ処理法により、無機酸化物を主成分とする被覆膜を形成し、
前記無機酸化物を主成分とする被腹膜が、シリコン原子、酸素原子、炭素原子を含有することを特徴とする放電部材の製造方法。
本発明により、帯電極の表面に長期の使用においても、放電生成物、紙粉、トナー外添剤等が付着せず、帯電極の汚れが発生しないので放電性が均一であり、画像形成装置に組み込んだ場合、筋状の画像ムラ等の画像故障が発生しない放電部材で、例え長期間の使用により、放電生成物、紙粉、トナー外添剤等が付着しても容易にクリーニングすることが出来、ささくれ等も起こさない放電部材と、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
本発明は、電極(主電極)に電圧を印加して被帯電物を帯電させるために用いられる放電部材、特に電子写真用の帯電部材に於いて、該電極が針状電極又はワイヤー状電極であり、該電極表面に膜厚が50〜2000nmの無機酸化物、好ましくはシリコン原子、酸素原子を主成分とする被覆膜を形成するという発明である。
被覆膜の膜厚が50〜2000nmの範囲では、帯電極の汚れがなく放電性が均一であり、画像形成装置に組み込んだ場合、筋状の画像ムラ等の画像故障が発生せず、例え長期間の使用により、放電生成物、紙粉、トナー外添剤等が付着しても容易にクリーニングすることが出来、ささくれ等も起こさないという本発明の放電部材としての長所が非常に顕著に発揮される。又、ワイヤー状電極を折り曲げても被覆膜の割れ等が生じにくく、クリーニングによる膜はがれも起きにくい。
以下、本発明につきさらに説明する。
〔電極の基材と被覆膜(被覆層)〕
本発明の電極は例えば径20〜150μmのタングステン、ステンレス等のワイヤー状電極基材、又は針状電極基材の表面に、薄層の無機元素を主成分とする被覆膜を形成する。特に、放電開始電圧を下げる目的で、30〜50μm等の細線の場合に特に放電安定性に大きな効果を示す。また針状電極のように、ワイヤーに比べ、帯電極の一部に周方向に異方性を有する形状である針電極では、放電点である針先端の汚れの影響が放電均一性、放電特性に影響が大きく、不具合が生じると、特に画質に影響があるため、本発明の被覆をした電極の効果が大きい。
本発明における主成分とは、無機酸化物が50%(質量%)以上で、炭素成分が50%未満のことを意味するが、好ましくは、10%以下が好ましい。炭素の比率はX線光電子分光分析装置(XPS)、エネルギー分散型X線分析計(EDX)等を利用し、被覆の無いワイヤーとの比較による、皮膜元素分析により算出できる。
本発明に用いられる放電部材の一例としては、図1に示したように、スコロトロンチャージャーと呼ばれている、従来のコロナ帯電装置の基本型の一例を示す要部斜視部で、コロナ帯電装置10は、タングステンワイヤー等から成る主電極1、ケース電極200、スクリーングリッド電極300から成り、ケース電極200とスクリーングリッド電極300が別体に構成されている。
本発明では、この主電極1に、図2に示す様なワイヤー状電極及び針状電極を用い、模式図を示す被覆膜を形成して構成される。図2の2−Aは本発明のワイヤー状電極の断面図である。ワイヤー状の主電極1の金属基材1aの周囲に膜厚50〜2000nmの被覆膜2が形成されている。これに対し、図2の2−Bに示すのは公開特許文献に基づくワイヤー状の電極であり、被覆膜2が60μmほどもあるものである(図2は模式図であり、実際には図2の2−Bは、2−Aに比してもっと被覆層が厚い)。
又、図2−Cは針状放電部材3の概要図であり、針状電極4の間隔をL、高さをH、針状電極4の先端の成す角度をθで表した。
シリカの薄膜中には可撓性を付与するため、炭素成分を付加することが好ましい。更に、低表面エネルギー化を図るため、表面にフッ素を含有する組成とすることが好ましい。
代表的な製造法は、ワイヤー表面にプラズマ処理法にて無機酸化物を主成分とする被覆膜を形成する。プラズマ処理法とは対向する電極間に被処理物を位置させ、さらに反応ガス及び不活性ガスを含有する気体を存在させて電圧を印加することにより放電プラズマを発生させ、前記被処理物の表面処理を行う処理法を言う。具体的形成方法としては、ワイヤーを送り−巻取り機により張架し、その途中に大気圧プラズマ装置をセットし、シランガス等の原料ガスを流通させ無機酸化物を主成分とする被覆膜を形成する。
この場合は、膜厚を調整するには供給ガス組成、ワイヤーの送りスピード、印加電圧条件を変えればよいので、比較的簡単に調整することができる。又、その表面部にフッ素を含有させるには、プラズマ発生器を直列に並べ、後段ではフッ素を含むプラズマ流とすれば表面層としてフッ素含有の層を設けることができる。
本発明における金属ワイヤー状電極、又は針状金属電極の表面に、薄層無機元素を主成分とする被覆膜、例えばシリカ膜を形成する他の方法は、スプレー法、スピンコート法、スパッタリング法、真空蒸着法等でもよいが、生産のやり易さ等から大気圧ブラズマ法が最も好ましい。
〔本発明に係わるプラズマ処理法〕
次に、本発明の膜を構成できる代表的な大気圧プラズマ処理装置について説明する。
尚、大気圧とは大気圧近傍の圧力下での場合を含み、プラズマ処理とは、Chemical Vapor Deposition(CVD)法等を適用して、気体原料から化学反応を経て薄膜を形成するものである。
図3は本発明の大気圧プラズマ処理装置の一例を示す断面図である。1は被膜を形成される主電極である。
20は大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理する処理部であり、30、40は対向して配置された一対の電極である。電極40はアース60接地している。
電極30、40は、金属、若しくは金属と誘電体とで構成される。金属は、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属が使えるが、ステンレスをもちいるのが実用的で易い。誘電体のライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス・ホウ酸塩系ガラス・リン酸塩系ガラス・ゲルマン酸塩系ガラス・亜テルル酸塩ガラス・アルミン酸塩ガラス・バナジン酸塩ガラス等を用いることが出来る。この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易い。また、気密性の高い高耐熱性のセラミックを焼結した焼結性セラミックスを用いることも好ましい。焼結性セラミックスの材質としては例えばアルミナ系、ジルコニア系、窒化珪素系、炭化珪素系のセラミックスである。アルミナセラミックスの厚みは1mm程度が好ましい。また、体積固有抵抗は108Ω・cm以上が好ましい。
図3では一対の電極33、34のように平板電極を用いてあるが、一方もしくは双方の電極を円筒状電極、角柱状電極、ロール状電極、としてもよい。詳しくは後述する。
誘電体は、金属電極に張り付けるのが一般的であるが、誘電体に金属電極をメッキ、蒸着、コーティング、溶接等によって取り付けることもできる。
処理部32は気体を処理部32内に導くためのガス導入口2Aと表面処理を終えた後のガスを排出させるための排気口40を有する構成となっており、電極33、34の間の領域を含む位置に配置されている。以下処理部を処理室として説明する。
処理室32には、大気圧又は大気圧近傍の圧力の気体を存在させておくことから、電極33、34間にも大気圧又は大気圧近傍で存在することになる。
気体は、反応ガスと不活性ガスを含有する気体であるが、電圧の印加により放電プラズマを発生し、基材の表面処理が可能となる気体であれば何でもよい。反応ガスとして、好ましくは、有機フッ素化合物、金属化合物を好ましく挙げることが出来る。
金属化合物としては、Al、As、Au、B、Bi、Ca、Cd、Cr、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、Hg、In、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、Pb、Pt、Rh、Sb、Se、Si、Sn、Ti、V、W、Y、ZnまたはZr等の金属化合物または有機金属化合物を挙げることができ、Al、Ge、In、Sb、Si、Sn、Ti、W、ZnまたはZrが金属化合物として好ましく用いられるが、特に、珪素化合物、チタン化合物、錫化合物、亜鉛化合物、インジウム化合物、アルミ化合物、銅化合物、銀化合物が好ましい。
これらのうち珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン等のアルキルシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の珪素アルコキシド等の有機珪素化合物;モノシラン、ジシラン等の珪素水素化合物;ジクロルシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン等のハロゲン化珪素化合物;その他オルガノシラン等を挙げることが出来、何れも好ましく用いることが出来る。また、これらは適宜組み合わせて用いることが出来る。上記の珪素化合物は、取り扱い上の観点から珪素アルコキシド、アルキルシラン、珪素水素化合物が好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、特に珪素化合物として珪素アルコキシドが好ましい。
チタン化合物、錫化合物、亜鉛化合物、インジウム化合物、アルミ化合物、銅化合物、銀化合物としては、有機金属化合物、ハロゲン化金属化合物、金属水素化合物、金属アルコキシド化合物が好ましい。有機金属化合物の有機成分としてはアルキル基、アルコキシド基、アミノ基が好ましく、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラジメチルアミノチタン等を好ましく挙げることが出来る。有機チタン化合物、有機錫化合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物、有機アルミ化合物、有機銅化合物、有機銀化合物は、中屈折率層や高屈折率層を形成するのに非常に有用である。ハロゲン化金属化合物としては、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタン等を挙げることができ、更に金属水素化合物としては、モノチタン、ジチタン等を挙げることができる。本発明においては、チタン系の有機金属化合物を好ましく用いることができる。
本発明において、気体中に占める反応ガスの割合は、平均して0.01体積%〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、平均して0.05体積%〜5体積%である。
不活性ガスとしては、He、Ar等の希ガスが好ましく用いられるが、HeとArを混合した希ガスも好ましく、気体中に占める不活性ガスの割合は、平均して90体積%〜99.9体積%であることが好ましい。大気圧プラズマを効率よく発生させるという点から不活性ガス中のArガス成分を多くするのも好ましいく、さらにコスト的な観点からもArガス成分を平均して90体積%〜99.9体積%を用いるのが好ましい。
なお、気体には水素ガスや酸素ガスを不活性ガスに対して平均して0.1体積%〜10体積%混合させて使用してもよく、このように補助的に使用することにより基材に形成される膜の硬度を著しく向上させることが出来る。
本発明において、気体中に占める反応ガス等の割合は変動しているので、気体中に占める反応ガス、不活性ガス等の割合は、供給される気体すべてを平均して求める。即ち、「気体中に占める反応ガスの割合が平均して10体積%である」とは、供給される気体すべてに占める反応ガスの割合が10体積%であることを表す。
図3において、処理室32に隣接して基材の入口側に予備室310が設けられ、その予備室310に隣接して予備室11が設けられている。出口側にも処理室32に隣接して予備室312が設けられている。予備室を設ける場合、図示のように、基材1の入口側に二つ、出口側に一つを設ける態様であってもよいが、これに限定されず、基材1の出入口側に一つづつ設ける態様、入口側に二つ設け、出口側に設けない態様、あるいは入口側に二つ以上、出口側に二つ以上設ける態様でもよい。いずれの態様であっても、処理室32内の内圧が、該処理室32と隣接する予備室の内圧より高いことが必要であり、好ましくは0.29Pa以上高いことである。このように処理室32と予備室の間でも圧力差を設けることにより、外部空気の混入を防止し、気体中の反応ガスのプラズマ化が効率的となり、処理効果も更に向上する。
また処理室32に隣接して入口側に二つ以上、出口側に二つ以上予備室を設けた場合、その予備室と隣り合う予備室の間の差圧は、処理室32に近い側の予備室の内圧が高く設定されることが好ましく、0.29Pa以上高く設定されることが好ましい。このように複数の予備室同士の間でも圧力差を設けることによって、外部空気の混入をより効率的に防止し、反応ガスの有効使用がより可能となり、処理効果も更に向上する。
予備室には、反応ガスの少なくとも1成分を有していることが反応ガスの効率的な使用と処理効果の向上の観点から好ましい。
更に予備室を複数設けて圧力差を設けるには、減圧手段15を設けることが好ましい。この減圧手段としては、吸引ファンあるいは真空ポンプ等が挙げられる。
前記処理室32と予備室、予備室同士の部屋には間仕切りされていることが必要であり、かかる間仕切り手段としては、図示のように、入口側にニップロール7、出口側にニップロール8を設ける形態も好ましい。かかるニップロールは、基材1に対して接触しながら閉鎖ないし間仕切りする機能を有するが、部屋同士を完全に間仕切りできないので、本実施の形態例の様な圧力差を設ける手段が有効に機能するのである。
また間仕切り手段としては、主電極1に対して所定の間隙を保ち、且つ非接触である態様であってもよい。かかる態様としては図示しないエアーカーテン方式等を採用できる。なお、予備室を設けない場合には、処理室と外部の間に間仕切りがされればよい。
処理室32内への気体の導入は、ガス導入口2Aより行われる。ガス導入口2Aより導入される気体は、ガス導入口2Aから気体を導入する際に、反応ガスと不活性ガスを混合して供給するようにし、このときに、不活性ガスの量は一定にしておき、反応ガスの量を変動させて、両ガスを混合して気体を調整し、この気体を随時ガス導入口2Aより供給することで、気体中の反応ガス含有量を変動させることができる。
ここで、反応ガスの存在率は、以下の式で表される。反応ガスの存在率=反応ガスを供給している時間/(反応ガスを供給している時間+反応ガスを供給していない時間)この反応ガスの存在率は、10%〜80%が好ましく、このときに反応ガスのプラズマ化が一段と向上する。また、供給を停止するサイクルは1μsec以上1msec以下が好ましく、1μsec以上100μsec以下がより好ましい。
35は高周波電源である。高周波電源35より電極33、34間に印加する高周波電圧の高周波電界はサイン波形を有すが、パルス化された電界を印加することも可能である。このパルス化の意味は、ON/OFFのデューティ比を変化させることでプラズマガス温度の変化が可能になる。
また、異なるガスを発生させ電極HV1、HV2を主電極送り方向に直列に配置し、連続して、複数の層を形成することも可能である。この場合、内部にシリカ層を、表面に汚れの抑制の為にフッ素層を形成することが可能である。(図4参照)
以上、大気圧プラズマ装置を用いての本発明に係る空隙層の形成方法について説明したが、本発明に係る下地層も、同様な装置を用いて形成することができる。
次に、本発明の代表的な実施態様と、それによって得られた放電部材を用いて形成した画像の特性を示し、本発明をさらに説明する。
(1)スコロトロン電極の実施例
スコロトロン電極の帯電ワイヤーとして、表1に示す直径を有するタングステン又はステンレスワイヤーを用い、図3に示す大気圧プラズマ装置にて放電加工後に、ワイヤーを巻き取る機構を有するワイヤー保持装置を設置し、一定スピードでワイヤーを送り出し、大気圧プラズマ装置を通過させ、表面に表1に示す膜を形成した。
膜厚は、ワイヤーの軸を含む面直下に膜厚測定用ガラスに膜をつけ、形成された膜厚を触針式表面形状測定器(日本真空技術社製/Dectak3030)を用いて測定した。
測定法は以下の通りである。
製膜に使用したガスは以下の通りである。
SiO2構造を形成する場合
放電ガス:N2ガス
反応ガス:O2ガスを全ガスに対し21体積%
原料ガス:テトラエトキシシラン(TEOS)を全ガスに対し0.1体積%
低周波側電源電力:50kHzを10W/cm2
高周波側電源電力:13.56MHzを1〜10W/cm2で変化
Si−O−Cを有する膜を形成する場合
炭素を有する組成を製膜する場合には上記ガスに、炭素源として、ブタンを全ガス量の0.005体積%混合した。
Si−O−Fを有する膜を形成する場合
フッ素を有する組成を製膜する場合には上記ガスに、フッ素源として、テトラフルオロシランを全ガス量の0.005体積%混合した。
Si−O−Ti−結合を有する表面層を形成する場合
Tiを有する組成を製膜する為には、チタン源として、テトラメトキシシランを全ガス量の0.005体積%、TEOSを0.005体積%、含有したガスで製膜した。
シリカ膜厚60μmの帯電極は市販のダイコロトロンを使用した。
〔評価方法〕
帯電安定性
上記帯電ワイヤーを、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のBizhub750用帯電器の放電極にセットし、アルミの素管をセットしたドラムユニットに帯電極を設置し、アルミ素管を接地するとともに、DC1kV、AC1.5kVで周波数0.8kHzの電圧を帯電極に印加し、50時間連続放電する。
その後、この帯電器をコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のBizhub7075の改造機に設置し、未露光の感光体1周の平均感光体表面電位を800Vに設定し、256諧調に於ける、白地から60諧調目のハーフトーン濃度による画質確認を行った。
画像濃度は反射濃度計(RD−918:マクベス社製)を使用し、絶対濃度を求めた。濃度は、画像中央1点、中央から画像の長手方向に100mm2点、短手方向に75mm2点の計5点を測定し5点間の濃度差を評価した。
評価基準
◎:A3画像1枚中の濃度差が0.2以下
○:A3画像1枚中の濃度差が0.2より大きく0.3以下
△:A3画像1枚中の濃度差が0.3より大きく0.5以下
×:A3画像1枚中の濃度差が0.5より大きい
クリーニング性
上記放電後、自動性清掃機構による清掃にて清掃を実施し、さらに帯電安定性評価と同様な放電条件を10時間行い再度前記ハーフトーン画像出し(1)を行った後、自動清掃を再度行い、さらにハーフトーンの画像出し(2)を行って画像を評価するとともに、清掃パッドによる帯電極の表面を顕微鏡観察した。画像出し条件、測定点は、帯電安定性と同じで、評価をおこなった。
評価基準
◎:(1)のハーフトーン画像の1枚中の濃度差が0.2以下で(2)の濃度差が0.1以下、(2)の時点で対電極の表面に異物の付着無し
○:◎以外で(1)のハーフトーン画像の1枚中の濃度差が0.4以下で(2)の濃度差が0.2以下、(2)の時点で対電極の表面に異物の付着無し
△:◎、○以外で(1)のハーフトーン画像の1枚中の濃度差が0.4以下で(2)の濃度差が0.2以下、(2)の時点で対電極の表面に微小な異物の付着あり
×:上記◎〜△以外
膜はがれ
クリーニングテスト後のワイヤーをキムワイパーで10回こすり膜はがれの有無を確認した。
◎:膜はがれ発生せず
×:膜はがれ発生
耐曲げ性
1mのワイヤーの両端を300gの錘に縛りつけ、ワイヤーの中間部を直径10mmのステンレス棒に2回転巻きつけぶら下げ、1時間放置した。その後、鉛直と角度30°になるように錘を持ち上げて離し、停止するまで振動させた。但し、両端の錘がぶつからないように、錘はぶら下げた時の高さが20cmはなした。
◎:被覆層の割れなく良好
△:軽微な割れ発生したがはがれず
×:われが発生し、被覆層はがれる
実機耐久性
帯電極の帯電ワイヤーを本発明のワイヤーに変更して改造したBizhub750改造機にて、10℃、20%RH環境下にて、清掃機構を5万ごとにいれ、30万コピー(A4)の連続画像出しを行い、画像評価、と電位評価を行った。
◎:画像上問題なく良好
○:感光体周方向にはうっすらとハーフトーンムラがあるものの問題なし
△:一部に濃度差確認できるものの、強制的に清掃機構を入れると問題ない画像に戻る
×:一部にハーフトーンブラが発生し、強制的に清掃機構を入れても回復せず。
Figure 0005076663
表1より明らかなように、本発明内の実施例9、10は、何れの特性も実用可能レベルであり、特にワイヤー太さが30〜50nmと細い場合に特性が良好であり、本発明外の比較例1〜4は、少なくとも何れかの特性に問題があることがわかる。公知の60μmのシリカ層を有する帯電極は耐曲げ性が無くすぐに折れてしまった。一方膜厚30nmのものの如く薄すぎると膜はがれが発生し問題であった。
(2)針状電極の実施例
厚さ0.6mmのステンレス板から下記二つの形状を有する電極板を切り出し、図3に示す大気圧プラズマ装置により、各針状電極を作製した。
評価方法及び評価基準はスコロトロン電極と同様に行い、下記表2に示す結果を得た。
尚、基材形状のイ形状、ロ型形状とは、図1の1−CにおけるL:針状電極の間隔、H:針状部の高さ、θ:針状部の先端の成す角度が下記のものである。
イ形状:L=10mm、H=5.0mm、θ=20°
ロ形状:L=13mm、H=5.0mm、θ=30°
評価法は表1と同様に行った。ただし、クリーニング性と耐曲げ性は行っていない。
Figure 0005076663
表2より明らかなように、本発明内の実施例17、18は、何れの特性も実用可能レベルであるが、本発明外の比較例11〜14は、少なくとも何れかの特性に問題があることがわかる。
コロナ帯電装置の基本型の一例を示す要部斜視図。 本発明に係わるワイヤー状及び針状電極の形状を示す概要図。 本発明の大気圧プラズマ処理装置の一例を示す断面図。 異なる活性ガスを発生させる電極HV1、HV2を主電極送り方向に直列に配置し、連続して、複数の層を形成する構成の概要断面図。
符号の説明
1 主電極
2 被覆膜
3 針状放電部材
4 針状電極
32 処理室
L 針状電極の間隔
H 高さ
θ 針状部の先端の成す角度

Claims (5)

  1. 電極に電圧を印加して被帯電物を帯電させるために用いられる放電部材に於いて、
    前記電極が針状電極又はワイヤー状電極であり、
    前記電極表面に膜厚50〜2000nmの無機酸化物を主成分とする被覆膜が形成されており、
    前記無機酸化物を主成分とする被腹膜が、シリコン原子、酸素原子、炭素原子を含有することを特徴とする放電部材。
  2. 前記被腹膜は、表面にフッ素原子を含有することを特徴とする請求項1記載の放電部材。
  3. 請求項1又は2に記載の放電部材を用いて静電潜像形成体を帯電させて後、画像露光を行い画像形成することを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項3に記載の画像形成方法を用いていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 電極に電圧を印加して被帯電物を帯電させるために用いられる放電部材の製造方法に於いて、前記電極の表面がプラズマ処理法により、無機酸化物を主成分とする被覆膜を形成し、
    前記無機酸化物を主成分とする被腹膜が、シリコン原子、酸素原子、炭素原子を含有することを特徴とする放電部材の製造方法。
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